JP2005132672A - 複合構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い靭性を有する複合繊維体状の芯材と被覆層とからなる複合繊維体に関して更に靭性の改善した複合構造体よびその製造方法を提供する。
【解決手段】 芯材11と、芯材11の外周を被覆し芯材11とは異なる組成の被覆層12とからなる複合繊維体13において、複合繊維体13の横断面および/または縦断面において芯材11と被覆層12の界面が凹部14および凸部15が交互に連続して存在する凹凸状をなした構造とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、繊維状の芯材が表皮材で被覆された複合焼結体およびその製造方法に関する。
従来から、材料の硬度および強度とともに靱性を改善するために、金属の酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化物等の焼結体で形成される長尺状の芯材の外周面を他の焼結体からなる表皮材で被覆した複合焼結体の研究がなされ、例えば、特許文献1、2にて提案されている。芯材の外周を表皮材で被覆した複合繊維体を一方向に整列させて集束した複合構造体とすることにより、構造体中に発生したクラックの進展を偏向させ、構造体の靭性を高めることができること(特許文献1参照)や、ドリルビットの表面等に貼り付けることによってビットの耐摩耗性を向上できることが記載されている(特許文献2)がこれら文献には芯材と表皮材とからなる複合繊維体の集合体からなる複合焼結体は、硬度を低下することなく構造体の破壊抵抗を増大させて靭性を高められることにより高硬度と高靭性とを兼ね備えた構造体を実現できることが記載されている。
米国特許第5645781号明細書 米国特許第6063502号明細書
しかしながら、上記特許文献1、2の複合繊維体は、繊維の並びに対してある一定方向に進行しているクラックに対してはクラックを偏向させる作用(以下クラックディフレクションと呼ぶ)が改善されるものの更なる向上が必要であるという問題点があった。
したがって、本発明の目的は、高い靭性を有する複合繊維体状の芯材と被覆層とからなる複合繊維体に関して更に靭性の改善した複合構造体およびその製造方法を提供することにある。
本発明者は、かかる複合繊維体を集束して複合構造体を形成し、この複合構造体によって切削工具の切刃を形成する場合、複合構造体中の複合繊維の芯材と表皮部材との界面を凸凹にすることによって、クラックが界面に接触する回数を増やし、クラックディフレクションの発生をより多く誘発させ、複合構造体の持つ靭性をさらに向上できることを見出した。
すなわち、本発明の複合構造体は、芯材と、該芯材の外周を被覆し前記芯材とは異なる組成の被覆層とからなる複合繊維体を具備し、前記複合繊維体の横断面および/または縦断面において前記芯材と前記被覆層の界面が凹部および凸部が交互に連続して存在する凹凸状をなしていることを特徴とするものである。
ここで、前記凹部の底部と、隣接する前記凸部の頂部との段差の平均が3〜50μmであることが、クラックディフレクションの効果を十分に発揮して靭性を向上させ、かつ、切削工具として応用した際に問題となる突発欠損の防止となる耐衝撃性が向上できる点で望ましい。
また、本発明の複合構造体の製造方法は、(a)芯材となる原料粉末と有機バインダからなる混合物を混合し略棒状で表面に凹凸を有する芯材用成形体を作製する工程と、(b)前記(a)工程の混合物とは異なる組成からなり前記(a)工程の成形体の凹凸と嵌合する面を有する表皮材用成形体を成形する工程と、(c)前記(a)工程の芯材用成形体の外周を前記(b)工程の表皮材用成形体が取り囲むように配置した組込成形体を作製し共押出成形により伸延して繊維成形体を作製する工程と、(d)前記繊維成形体を焼成する工程と、を具備することを特徴とするものである。
ここで、前記芯材用成形体の中心から該芯材用成形体の前記凸部の頂部までの平均距離aが前記組込成形体の平均繊維半径rに対する比(a/r)で30〜95%、前記芯材用成形体の中心から前記凹部の底部までの距離bが前記平均繊維半径rに対する比(b/r)で25〜90%、かつa>1.05bの範囲内とすることが、クラックディフレクションの効果を十分に発揮して靭性を向上させ、かつ、耐衝撃性を向上できる点で望ましい。
さらに、前記凸部の頂部が前記芯材用成形体の中心に対して15°〜90°ごとに存在するように前記凸部および前記凹部を配置することがクラックディフレクションを誘発させる効果が大きくなり、靭性を向上することができるため望ましい。
本発明によれば、複合構造体中の複合繊維体の芯材−表皮部材界面に凸凹を設けることによって、複合構造体の靭性を更に改善することができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明の複合構造体を示す(a)概略斜視図、(b)要部断面模式図、(c)要部拡大図である。
図1によれば、複合構造体10は、芯材11と芯材11の外周を被覆して芯材11とは異なる組成の被覆層12とからなる複合繊維体13を具備してなり、図1によれば、複合構造体10は複合繊維体13がランダムに絡み合った構造からなる。
本発明によれば、図1(b)に示すように、複合繊維体13の横断面および/または縦断面(図1(b)では横断面)において芯材11と被覆層12の界面が凹部および凸部が交互に連続して存在する凹凸状をなしていることが大きな特徴であり、このような構成とすることによって複合繊維体13の芯材11と被覆層12との界面に進展したクラックに対してクラックディフレクション効果が大きくなり、複合繊維体13および複合構造体10の靭性が大きく改善される。さらに、複合繊維体13の本数に対して芯材11と被覆層12との界面の存在割合が増加することから、クラックが界面と接触する確率が増えてクラックディフレクションの回数が多くなることも構造体10の靭性向上の大きな要因となる。
ここで、本発明によれば、凹部15の底部と、隣接する凸部16の頂部との段差の平均が3〜50μmであることが、クラックディフレクションの効果を十分に発揮して靭性を向上させ、かつ、切削工具として応用した際に問題となる突発欠損の防止となる耐衝撃性が向上できる点で望ましい。
また、図1(b)では複合繊維体13の径方向(横断面方向)に凹凸を形成したものであったが、本発明によれば、図2に示すように複合繊維体13の繊維方向(縦断面方向)に凹凸を形成したものであってもよく、複合繊維体13の繊維方向(縦断面方向)に凹凸を形成した場合には複合繊維体13が有するクラックディフレクションの異方性を改善することができる。
なお、図1、2の複合構造体10を構成する複合繊維体13の詳細について図3(a)(b)の概略斜視図を用いて説明する。(a)の複合繊維体13は、芯材11とこの芯材11の外周を被覆し芯材11とは異なる組成の材料からなる被覆層12とからなる単芯(シングル)構造の繊維体13sである。また、(b)の複合繊維体13mは、(a)のシングルタイプの繊維体13sの集合体を伸延したもので多芯(マルチ)構造の繊維体13mである。本発明によれば、複合構造体1は、このような(a)または(b)の複合繊維体13s、13mを寄せ集めた構造体によって形成されている。望ましくは、(b)のマルチ構造繊維体13mを用いることが靭性および耐欠損性に優れる。
また、上記シングル構造複合繊維体13sまたはマルチ構造複合繊維体13mの形状としては、複合繊維体13s、13mの平均繊維径(マルチタイプの複合繊維体13mの場合には複数本集束される各々の複合繊維体の平均直径):dが5〜300μm、特に10〜100μmであることがクラックディフレクション(偏向)の効果を高める点で望ましく、切削工具として用いた際には耐摩耗性および耐欠損性を高める点、および製造上の取り扱いの容易性の点で望ましい。
本発明において用いる複合繊維体13の芯材11を構成する材質としては、周期律表4a、5aおよび6a族金属、アルミニウム、シリコンの群から選ばれる少なくとも1種の酸化物、炭化物、窒化物および炭窒化物からなる第1のセラミックス、中でもアルミナ−炭化チタン(炭窒化チタン)、アルミナ−炭化珪素、アルミナ−窒化珪素、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−硼化チタンの群から選ばれる少なくとも1種、さらにはアルミナ−炭化チタン(炭窒化チタン)またはアルミナ−窒化珪素が好適に使用可能である。なお、第1のセラミックス中には適宜焼結助剤成分を含有せしめることも可能である。
また、芯材11を構成する他の材質としては、周期律表4a、5aおよび6a族金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上からなる第1の硬質粒子、特に炭化タングステン、炭化チタン、炭窒化チタン、窒化チタン、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化バナジウム、炭化クロムおよび炭化モリブデンの群から選ばれる少なくとも1種、さらには炭化タングステン、炭化チタンまたは炭窒化チタンの群から選ばれる少なくとも1種を、望ましくは65〜98質量%とし、これに、鉄、コバルトおよびニッケルの群から選ばれる少なくとも1種、特にコバルトおよび/またはニッケルからなる結合金属2〜35質量%にて結合してなる第1の硬質焼結体、特に超硬合金またはサーメットが好適に使用可能である。
さらに、芯材11を構成するさらに他の材質として、上記硬質焼結体以外にも、ダイヤモンド60〜99質量%を、鉄族金属、特にコバルトおよび/またはニッケルからなる結合金属1〜40質量%にて結合してなるダイヤモンド焼結体が好適に使用可能である。なお、ダイヤモンド焼結体中には適宜周期律表4a、5aおよび6a族金属の炭化物、窒化物および炭窒化物の1種以上からなる硬質粒子を含有せしめることも可能である。
また、芯材11を構成するさらに他の材質としては、立方晶窒化硼素(以下cBNとする)20〜99質量%を、周期律表4a、5a、6a族金属およびシリコン、アルミニウムの炭化物、窒化物、炭窒化物、硼素化物および酸化物と、鉄族金属の1種以上からなる結合材1〜80質量%にて結合してなるcBN焼結体が好適に使用可能である。
上記芯材11のうち、アルミナを主成分とする、すなわち50質量%以上がアルミナからなるアルミナ質セラミックスを用いることが望ましく、これによって複合構造体15としての耐靭性と耐摩耗性を兼ね備えた鋼、鋳鉄、耐熱合金切削用の切削工具1として特に好適に使用可能なものとなる。
一方、芯材11の外周を覆う被覆層12の材質としては、芯材11とは異なる材質の硬質焼結体またはセラミックスを用いる。また、鉄、コバルトおよびニッケルなどの金属も単独で使用可能である。
さらに、芯材11−被覆層12との組み合わせは、例えば超硬合金−サーメット、超硬合金−cBN焼結体、超硬合金−ダイヤモンド焼結体、超硬合金−アルミナ、超硬合金−窒化珪素、サーメット−超硬合金、サーメット−cBN焼結体、サーメット−ダイヤモンド焼結体、サーメット−アルミナ、サーメット−窒化珪素、(アルミナ,炭窒化チタン)−アルミナ、(アルミナ,炭窒化チタン)−窒化ケイ素、(アルミナ,炭窒化チタン)−(アルミナ,炭窒化チタン)、(アルミナ,ジルコニア)−アルミナ、(アルミナ,ジルコニア)−窒化ケイ素、(アルミナ,ジルコニア)−(アルミナ,炭窒化チタン)、(アルミナ,炭窒化チタン)−(アルミナ,ジルコニア)、窒化珪素−炭化珪素、(炭化珪素、窒化珪素)−窒化珪素、炭化珪素−ダイヤモンド焼結体、cBN焼結体−サーメット、cBN焼結体−超硬合金、およびダイヤモンド焼結体−超硬合金の群から選ばれる1種が特に好適に使用可能である。
一方、芯材11をなす焼結体、例えばアルミナ質セラミックスの結晶粒子の平均粒径は、複合繊維体13の硬度および強度向上の点、および芯材11と被覆層12中の結合材(結合金属、焼結助剤)の含有量を適正化する点で0.05〜10μm、特に0.1〜3μmであることが望ましく、他方、被覆層12をなす結晶粒子の平均粒径は、複合繊維体13の靭性向上の点で、0.01〜5μm、特に0.01〜2μmであることが望ましい。
次に、本発明の切削工具の製造方法について説明する。まず、本発明において用いられる複合繊維体の製造方法について説明する。図4は、図3の複合繊維体13sおよび13mの製造方法を説明するための工程図である。
複合繊維体13s、13mを作製するにあたり、まず、芯材用成形体21を作製する。芯材用成形体21を作製する方法は基本的には公知の粉末冶金法、つまり原料粉末と結合剤(バインダ)とを混合して成形する方法によって作製することができる。このとき本発明によれば、芯材用成形体21が目的の凸凹形状になるよう成型金型に凸凹形状を付することが必要である。
ここで、図5(a)の芯材用成形体21と被覆層用成形体22とを組み合わせた組込成形体23の概略横断面形状に示すように、芯材用成形体21の中心から芯材用成形体21の凸部24の頂部までの平均距離aが組込成形体23の平均繊維半径rに対する比(a/r)で30〜95%、芯材用成形体21の中心から凹部25の底部までの距離bが平均繊維半径rに対する比(b/r)で25〜90%、かつa>1.05bの範囲内とすることが、クラックディフレクションの効果を十分に発揮して靭性を向上させ、かつ、耐衝撃性を向上できる点で望ましい。
さらに、凹部25の頂部が芯材用成形体21の中心に対して15°〜90°ごとに存在するように凹部25および凸部24を配置することがクラックディフレクションを誘発させる効果が大きくなり、靭性を向上することができるため望ましい。
また、複合繊維体の繊維方向に凹凸を形成するには、図5(b)に示すように芯材用成形体21および被覆層用成形体22が繊維方向に凹凸を有するような形状に成形すればよく、その凹凸形状については、複合成形体26のような繊維方向にらせん状の凹凸をなしたものや、複合成形体27のような中心軸(図示せず)に対して回転対称な凹凸をなしたもの等が好適である。
なお、凹部25と凸部24は、図6に示すような(a)左右対称の尖頭形状の突起だけでなく、(b)左右非対称な尖頭形状の鋸刃状、(c)波状、(d)歯車状等のその他の形状であってもよい。
具体的な方法として、上述した芯材のうちアルミナ質セラミックスを選択した場合について説明すると、初めに、平均粒径0.01〜10μmのアルミナ粉末を55〜80質量%、特に65〜75質量%と、平均粒径0.01〜10μmのTiCN粉末を5〜35質量%と焼結助剤を0〜10質量%の割合で混合し、さらに有機バインダ、可塑剤、溶剤を添加して混錬し、プレス成形または鋳込み成形等の成形法により円周に凸凹がある円柱形状に成形して芯材用成形体21を作製する(図4(a)参照)。
ここで、後述する共押出成形によって均質な複合成形体を得るためには、前記有機バインダの添加量を30〜70体積%、特に40〜60体積%とすることが望ましい。
有機バインダとしては、パラフィンワックス、ポリスチレン、ポリエチレン、エチレン‐エチルアクリレート、エチレン‐ビニルアセテート、ポリブチルメタクリレート、ポリエチレングリコール、ジブチルフタレート等を使用することができる。
一方、芯材用成形体21とは異なる組成の被覆層をなす材料を前述したバインダとともに混錬してプレス成形、押出成形または鋳込み成形等の成形方法により芯材の凸凹に対応するように凸凹形状を有する半割円筒形状の2本の被覆層用成形体22を作製し、この被覆層用成形体22を芯材用成形体21の外周を覆うように配置した組込成形体23を作製する(図4(b)および(c)参照)。
そして、押出機100を用いて芯材用成形体21と被覆層用成形体22とからなる上記組込成形体23を共押出成形することにより、芯材用成形体21の周囲に被覆層用成形体22が被覆され、細い径に伸延された図3(a)のシングル構造複合繊維体23mを作製することができる(図4(d)参照)。
また、複合繊維体13mの形成にあたり、図4(e)に示すように、上記共押出した長尺状の複合繊維体23sを複数本集束した集束体29を再度共押出成形することによって、図3(b)の繊維密度の高いマルチ構造複合繊維体23mを作製することができる。なお、複合繊維体23s、23mの断面は、円形のみならず、四角形、三角形でもよい。
次に、図7に示したように、この長尺状の複合繊維体23sまたは23mを0.1mm〜10mmの所定長さに切断した後、これを成形型28内にランダムに充填して加熱加圧して複合成形体27を得る。さらに、この複合成形体27を必要に応じ、一対のローラ間に通して圧延処理し、さらに高密度の複合成形体27を作製してもよい(図示せず)。
そして、前記複合成形体27を300〜700℃で10〜200時間で昇温または保持させて脱バインダ処理し、ついで真空中、大気中または不活性雰囲気中、所定温度、時間で焼成して一体化することにより複合構造体1を作製することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
平均粒径0.6μmのアルミナ粉末70重量%と、平均粒径0.8μmのTiCN粉末28重量%と、平均粒径0.5μmのYb粉末0.5重量%、平均粒径0.5μmのCo粉末0.5重量%、平均粒径0.5μmのTiO粉末0.5重量%、平均粒径0.5μmのMg粉末をMgO換算で0.5重量%、の割合で添加し、粉末に対し有機バインダとしてエチレンエチルアクリレート、エチレンビニルアセテート、メトキシポリエチレングリコールを、総量で50体積部加えて混錬して、図5(b)に示される形状(r=10mm、a=9mm、b=7mm、θ=30°)に押出成形して芯材用成形体を作製した。
一方、平均粒径0.6μmのアルミナ粉末100重量%に、上記同様の有機バインダを加えて混錬し、図5(b)に示されるような半割筒形状で、芯材の外周部と同じ凹凸形状をした内径の表皮部材用成形体2つを押出成形にて作製し、前記芯材用成形体の外周を覆うように配置して複合構造体を作製した。
そして、上記複合繊維体を共押出して直径が2mmの伸延された複合成形体を作製した後、この伸延された複合成形体100本を集束して再度共押出成形し、直径が1mmのマルチタイプの複合繊維体を作製した。
次に、このマルチタイプの複合繊維体を長さ5mmずつに切断し、切断された繊維をカーボン製の成形型内にランダムに充填した後、140℃に加熱した状態で成形して複合成形体を得た。
その後、前記成形体に対して100〜700℃まで70時間で昇温することによって脱バインダ処理を行った後、昇温速度10℃/分で昇温し、1700℃で1時間ホットプレスにて焼成し、複合構造体を作製した。なお、複合構造体の断面を観察したところ、複合構造体の断面積を複合繊維体の存在個数で割った複合繊維体の平均直径は30μm、芯材断面形状について各芯材の断面積から各芯材を円に換算したときの直径である芯材の平均直径は20μm、凹部の底部と隣接する凸部の頂部との段差の平均が4μmであった。また、芯材と表皮部材との間に剥離等は見られなかった。
そして、この複合構造体をRNGN120700タイプの切削工具形状に加工してさらに、コーナー部の切刃先端部分に芯材が露出するようにC面加工および/またはRホーニング加工を施すことによってスローアウェイタイプの切削工具を作製した。
得られたスローアウェイチップについて以下の条件
<切削条件>
被削材:Inconel718
切削速度350m/min
切り込み:1.5mm
送り0.2mm/rev
状態:湿式切削
で切削試験を行った結果、10分間切削後最大0.27mmの境界摩耗が発生したが、工具欠損は発生しなかった。
実施例2
実施例1の表皮部材用原料を、平均粒径0.3μmのSi粉末60重量%、平均粒径1.5μmのY粉末6重量%、平均粒径0.5μmのアルミナ粉末2重量%、平均粒径0.8μmのTiCN粉末32重量%の割合からなる混合粉末に、芯材用成形体および被覆層用成形体の形状を、r=6mm、a=4mm、b=3mm、θ=10°)に代える以外は実施例1と同様にして複合構造体を作製し、同条件で切削試験を行った結果、10分間切削後最大0.28mmの境界摩耗が発生したが、工具欠損は発生しなかった。
このとき芯材の平均直径は25μm、凹部の底部と隣接する凸部の頂部との段差の平均が4μmであり、平均繊維径は35μmで、芯材と表皮部材との間に剥離等は見られなかった。
実施例3
実施例1の表皮部材用原料を、平均粒径0.3μmのアルミナ粉末85重量%、平均粒径1.5μmのジルコニア粉末15重量%の割合からなる混合粉末に、芯材用成形体および被覆層用成形体の形状を、繊維方向に凹凸の深さ5mm、凹凸の幅(凹部の頂部と凸部の底部との距離)5mmに代える以外は実施例1と同様にして複合構造体を作製し、同条件で切削試験を行った結果、10分間切削後最大0.27mmの境界摩耗が発生したが、工具欠損は発生しなかった。
このとき芯材の平均直径は18μm、凹部の底部と隣接する凸部の頂部との段差の平均が5μmであり、平均繊維径は25μmで、芯材と表皮部材との間に剥離等は見られなかった。
比較例1
実施例1の芯材のみの組成でRNGN120700タイプの切削工具を作製し上記条件で切削テストを行った結果、切削試験開始後4分後に欠損を起こし切削不能となった。
比較例2
実施例1に対して、芯材−表皮部材の界面の凸凹をなくし、芯材用成形体を円筒形状とし界面形状を円とする以外は実施例1と同様の方法にて切削工具を作製し、上記条件で切削テストを行った結果、10分間切削後最大0.29mmの境界摩耗が発生し、工具刃先にチッピングが発生した。
(a)本発明の複合構造体の一例を示す概略斜視図である。
(b)(a)の要部断面模式図である。
(c)(b)の要部拡大図である。
図1の複合構造体の要部断面についての模式図である。 (a)本発明の単芯(シングル)構造複合繊維体の概略斜視図である。
(b)本発明の多芯(マルチ)構造複合繊維体の概略斜視図である。
本発明の複合構造体の製造方法における複合繊維体の作成方法を示す工程図である。 本発明の複合構造体の製造方法における組込成形体の一例を示す概略横断面図である。 本発明の複合構造体の製造方法における組込成形体の断面構造を説明するための模式断面図である。 本発明の複合構造体の製造方法における複合繊維体の集束方法の一例を示す工程図である。
符号の説明
10 複合構造体
11 芯材
12 被覆層
13 複合繊維体
14 凹部
15 凸部
21 芯材用成形体
22 被覆層用成形体
23 複合成形体
23s 単芯(シングル)構造複合成形体
23m 多芯(マルチ)構造複合成形体
24 凸部
25 凹部
28 成形プレス
100 押出機
a 凸部の頂部から複合繊維体の中心までの距離
b 凹部の底部から複合繊維体の中心までの距離
r 複合繊維体の平均半径
θ 凸部中心線からそのとなりの凸部の中心線までの角度
O 複合繊維体の中心

Claims (5)

  1. 芯材と、該芯材の外周を被覆し前記芯材とは異なる組成の被覆層とからなる複合繊維体を具備する複合構造体において、前記複合繊維体の横断面および/または縦断面において前記芯材と前記被覆層の界面が凹部および凸部が交互に連続して存在する凹凸状をなしていることを特徴とする複合構造体。
  2. 前記凹部の底部と、隣接する前記凸部の頂部との段差の平均が3〜50μmであることを特徴とする請求項1記載の複合構造体。
  3. (a)芯材となる原料粉末と有機バインダからなる混合物を混合し略棒状で表面に凹凸を有する芯材用成形体を作製する工程と、(b)前記(a)工程の混合物とは異なる組成からなり前記(a)工程の成形体の凹凸と嵌合する面を有する表皮材用成形体を成形する工程と、(c)前記(a)工程の芯材用成形体の外周を前記(b)工程の表皮材用成形体が取り囲むように配置した組込成形体を作製し共押出成形により伸延して繊維成形体を作製する工程と、(d)前記繊維成形体を焼成する工程と、を具備することを特徴とする複合構造体の製造方法。
  4. 前記芯材用成形体の中心から該芯材用成形体の前記凸部の頂部までの平均距離aが前記組込成形体の平均繊維半径rに対する比(a/r)で30〜95%、前記芯材用成形体の中心から前記凹部の底部までの距離bが前記平均繊維半径rに対する比(b/r)で25〜90%、かつa>1.05bであることを特徴とする請求項3記載の複合構造体の製造方法。
  5. 前記凸部の頂部が前記芯材用成形体の中心に対して15°〜90°ごとに存在するように前記凸部および前記凹部を配置することを特徴とする請求項3記載の複合構造体の製造方法。
JP2003370458A 2003-10-30 2003-10-30 複合構造体の製造方法 Expired - Fee Related JP4439240B2 (ja)

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