JP2005105552A - 段重ね間隔を一定とする鋼矢板 - Google Patents
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Abstract
【課 題】 積み重ねおよび一枚ずつの分離が容易な断面形状とした、段重ね間隔を一定とする鋼矢板を提供する。
【解決手段】 熱間圧延で製造され、ウエブ11とその両側のフランジ12とそのさらに両側の継手支持部13とで形成された左右対称なハット型断面部の一端側に連なるラルゼン型継手の爪底14Aの高さ方向位置を継手支持部とほぼ同じとされた直爪側14と、前記ハット型断面部の他端側に連なるラルゼン型継手の爪底15Aの高さ方向位置を継手支持部よりウエブ側にずらされた曲がり爪側15とを有する左右非対称継手の鋼矢板であって、段重ね位置にフランジの厚さ変化により付設された段差1を有し、継手支持部側フランジ傾きθ1が、フランジ厚最小値tfおよび段重ね間隔の目標値hpから式:sin-1(tf/hp)で算出される角度±0.5°の範囲内にあるものとした。
【選択図】 図1
Description
図1は、本発明の1例を示す断面図である。ウエブ11の両側にフランジ12が連なり、フランジ12の両側に継手支持部13が連なっている。ウエブ11、フランジ12,12、継手支持部13,13によりハット型断面部が形成されている。このハット型断面部の一端側には直爪側14が連なり、この直爪側14ではラルゼン型継手の爪底14Aの高さ方向位置が継手支持部13とほぼ同じである。ハット型断面部の他端側には曲がり爪側15が連なり、この曲がり爪側15ではラルゼン型継手の爪底15Aの高さ方向位置が継手支持部よりウエブ側にずらされている。ラルゼン型継手の直爪側14と曲がり爪側15とは爪の向きが互いに逆向きで嵌合可能な左右非対称継手をなしているから、この鋼矢板を連設して矢板壁を構築すると、隣り同士の鋼矢板のウエブが面一に揃ったものとなる。
このような断面形状を有する左右非対称継手の鋼矢板では、曲がり爪側15の方が直爪側14よりも継手の高さが高いので、継手に接触する重ね方では、左右の水平が保てないこと、および継手部分が変形しやすいこと、といった問題がある。また、継手に接触しないようフランジ12の傾きを小さくすると、段重ね間隔が大きくなることや、やはり、左右の水平が保たれ難いといった問題が生じる。
本発明は、一定の間隔による、安定姿勢で段積みが可能となるようフランジ12の厚みと傾きの関係を適正化したものである。
まず、段積みの間隔は、曲がり爪側15の継手高さに対し、同じか、それより幾分大きくするにとどめ、段積み効率を考慮した段積み間隔目標(=段重ね間隔の目標値)hpを決定する。フランジ12の、継手支持部13に近く裾野が広い側の部分を接触させることで、積み姿勢の安定が図れるので、この接触させるフランジ部分の傾きすなわち継手支持部側フランジ傾きθ1が、フランジ厚最小値tfおよび前記目標値hpから、(1)式で算出されるαにほぼ(誤差±0.5°以内の意。)等しくなるようにする。
α=sin-1(tf/hp) ……(1)
また、フランジ12の、継手支持部13に近い側の部分は、段重ね間隔が確実に目標値hpどおりになるように、フランジ厚最小値tfよりも厚みの変化Δtfだけ増厚して段差1を付設することで、位置決めしやすくした。
β=tan-1(tr/hp) ……(2)
これにより、上段側の鋼矢板と下段側の鋼矢板とが、前記段差1の箇所(左右で2箇所に)その上方のウエブ側フランジ外面のアール起点部Pの箇所(左右で2箇所)が加わった、断面内の計4箇所で接触するようになり、接触位置が2箇所増加するので、より安定した積み重ね姿が得られる。また、このとき、段重ね可能な中でウエブ幅が最大、つまり断面2次モーメントのより優れた鋼矢板を得ることができる。また、断面係数が最大となるためには、図心が全高さH0の1/2となるよう、ウエブ幅Bwと継手支持部Bの幅を決定すればよい。
表1において、実施例1では、θ1、θ2、trを、本発明に従い、θ1=(1)式のα、θ2=(2)式のβとなるよう、表1に示すとおりの値に設定し、積み重ね時に上段側が下段側の段差付設部およびその上方の前記アール起点部P(断面内の4点)で接触可能とした。これは、段重ね間隔一定化断面でウエブ幅Bwを大きく採って断面効率を優先させた場合の例である。
また、実施例2では、θ1=(1)式のα、θ2>(2)式のβとなるよう、表1に示すとおりの値に設定し、積み重ね時に上段側が下段側の段差付設部(断面内の2点)で接触可能とした。これは、段重ね間隔一定化断面で断面係数に余裕があり、断面積を減らして重量削減するのを優先した場合の例である。このような場合はこの実施例2のようにθ2を大きく、つまりウエブ幅Bwを小さくするのが有効である。もっとも、ウエブ幅Bwに関しては、鋼矢板施工のため、ウエブを掴んだり、圧入機械が固定されるための幅が必要であるから、従来から普及しているU型鋼矢板のウエブ幅を最小幅とするのが望ましい。なお、具体的な断面効率(=断面係数Zy/断面積A)を計算した結果を表1に示す。
これらの鋼矢板の同形同寸のもの同士を3段に積み重ねたところ、実施例1では図3に、実施例2では図4に、それぞれ示すように、段重ね間隔が目標値hpに略等しく、各段の継手が互いに接触せず、ウエブが十分水平に保たれた積み重ね姿が得られ、一枚ずつの分離も容易であった。
鋼材重量あたりの断面係数を大きくする方法は、全高さH0を高くすることと、ウエブ幅Bwを広くすることが有効であるが、土地の有効利用の観点より、壁厚が薄くできる全高さの小さいもので、最大の効率が出せるのが望ましい。段重ねが可能である最大の断面効率が得られるのは実施例1のケースである。
・ ウエブ
・ フランジ
・ 継手支持部
・ 直爪側
14A 爪底
・ 曲がり爪側
15A 爪底
Claims (2)
- 熱間圧延で製造され、ウエブとその両側のフランジとそのさらに両側の継手支持部とで形成された左右対称なハット型断面部と、該ハット型断面部の一端側に連なるラルゼン型継手の爪底の高さ方向位置を継手支持部とほぼ同じとされた直爪側と、前記ハット型断面部の他端側に連なるラルゼン型継手の爪底の高さ方向位置を継手支持部よりウエブ側にずらされた曲がり爪側とを有する左右非対称継手の鋼矢板であって、段重ね位置にフランジの厚さ変化により付設された段差を有し、継手支持部側フランジ傾きが、フランジ厚最小値tfおよび段重ね間隔の目標値hpから式:sin-1(tf/hp)で算出される角度±0.5°の範囲内にあることを特徴とする段重ね間隔を一定とする鋼矢板。
- ウエブ側フランジ傾きが、ウエブ側フランジ外面のアール起点部から前記目標値hpだけ下方の高さ方向位置でのフランジ厚trおよび前記目標値hpとから式:tan-1(tr/hp) で算出される角度±0.5°の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の段重ね間隔を一定とする鋼矢板。
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JP2009047543A (ja) * | 2007-08-20 | 2009-03-05 | Nikko Kinzoku Kk | ジルコニウム坩堝 |
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