JP2005099513A - 反射防止フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】視感度補正平均反射率が小さくて光学特性が良好であり、反射防止フィルムの耐光性を改善する。
【解決手段】基材フィルム上に1層以上の薄膜層が積層されてなる反射フィルムにおいて、波長200nmから400nmの領域での25度入射における[絶対反射率(%)/(波長(nm)/200)]の平均値が10%以上になるようにすることで、従来よりも耐光性が格段に向上した反射防止フィルムを実現する。また空気側最表層に低屈折率層、2層目に高屈折率層の順で2層以上の薄膜層が積層されてなる反射防止フィルムにおいて、設計波長λ0に対して、空気側最表層の低屈折率層及び2層目の高屈折率層を、低屈折率層の膜厚をd1、屈折率をn1、高屈折率層の膜厚をd2、屈折率をn2とすると、[n2−n1>0.3]及び[0.2<n2d2/n1d1<1.0]の条件を満足するように設定する。
【選択図】なし
【解決手段】基材フィルム上に1層以上の薄膜層が積層されてなる反射フィルムにおいて、波長200nmから400nmの領域での25度入射における[絶対反射率(%)/(波長(nm)/200)]の平均値が10%以上になるようにすることで、従来よりも耐光性が格段に向上した反射防止フィルムを実現する。また空気側最表層に低屈折率層、2層目に高屈折率層の順で2層以上の薄膜層が積層されてなる反射防止フィルムにおいて、設計波長λ0に対して、空気側最表層の低屈折率層及び2層目の高屈折率層を、低屈折率層の膜厚をd1、屈折率をn1、高屈折率層の膜厚をd2、屈折率をn2とすると、[n2−n1>0.3]及び[0.2<n2d2/n1d1<1.0]の条件を満足するように設定する。
【選択図】なし
Description
本発明は、反射防止フィルムに関し、さらに詳しくは、フラットパネルディスプレイに好適な、耐久性の高い反射防止フィルムに関する。
従来から、反射防止フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTなどのフラットパネルディスプレイにおいて、蛍光灯や太陽光等の外部光による写り込み低減のため広く用いられている。
この反射防止フィルムとしては、例えば、380nmから780nmまでの視感度補正平均反射率が0.5%以下になるように金属酸化物を3層もしくはそれ以上積層し成膜したものが一般的に用いられている。また、透明プラスチックフィルム(基材フィルム)上に、真空蒸着法、スパッタリング法、常圧プラズマCVD法、塗工法などにより金属酸化物膜を積層して多層反射防止層を設けた反射防止フィルムが製造されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
しかしながら、これら手法を用いて形成した反射防止フィルムは耐光性が低く、サンシャインカーボンアーク試験において、数百時間で自然剥離が発生するという問題がある。
特開平9−25562号公報
特開平11−138677号公報
本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、視感度補正平均反射率が小さくて光学特性が良好であり、しかも耐光性に優れた反射防止フィルムの提供を目的とする。
本発明では、反射防止フィルムの膜厚・屈折率設計を変更し、波長200nmから400nmの領域での25度入射における絶対反射率を必要量以上にすることにより耐光性の向上を達成する。その具体的な構成を以下に示す。
本発明の反射防止フィルムは、基材フィルム上に、1層以上の薄膜層が積層されてなる反射防止フィルムにおいて、波長200nmから400nmの領域での25度入射における[絶対反射率(%)/(波長(nm)/200)]の平均値が10%以上であることを特徴としている。
本発明の反射防止フィルムのうち、空気側最表層に低屈折率層、2層目に高屈折率層の順で2層以上の薄膜層が積層されてなる反射防止フィルムにおいて、設計波長λ0(=550nm)に対して、空気側最表層の低屈折率層及び2層目の高屈折率層が、低屈折率層の膜厚をd1、低屈折率層の屈折率をn1、高屈折率層の膜厚をd2、高屈折率層の屈折率をn2とすると、[n2−n1>0.3]及び[0.2<n2d2/n1d1<1.0]の条件をそれぞれ満足していることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムのより具体的な形態としては、基材フィルム上に、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順で積層された4層の屈折率層、または、基材フィルム上に、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順で積層された3層の屈折率層が形成されてなる反射防止フィルムが挙げられる。
次に、本発明の詳細を説明する。
本発明の反射防止フィルムは、基材フィルム上に、1層以上の薄膜層が積層されているものであれば構成については問わないが、反射防止性能を発現するには、例えば、空気側最表層から低屈折率層、高屈折率層の順で積層した構成などが好ましい。絶対反射率は、分光光度計(島津製作所社製、型式「UV−3101PC」)で測定した値とする。
ここで、光エネルギーは波長の逆数に比例するため、200nmでの光エネルギーを1としたときに、例えば400nmでは0.5となる。この光エネルギー乗数を加味した絶対反射率は、[絶対反射率(%)/(波長(nm)/200)]で表され、その波長200nmから400nmの領域での平均値が10%以下であると耐光性が低下するため、10%以上にする必要がある。なお、耐光性評価は、例えば、スガ試験機社製のサンシャインカーボンアーク(水噴霧無し)を用いて行う。
本発明の反射防止フィルムにおいて、設計波長λ0(=550nm)に対して、空気側最表層の低屈折率層及び2層目の高屈折率層が、低屈折率層の膜厚をd1、低屈折率層の屈折率をn1、高屈折率層の膜厚をd2、高屈折率層の屈折率をn2とすると、[n2−n1>0.3]及び[0.2<n2d2/n1d1<1.0]の条件を満足する範囲であれば特に限定されるものではないが、n1とn2の差が大きいほうが、設計許容値が大きくなる。その中でも、反射防止機能を付与させるためには、[0.5<n2−n1<1.0、20nm<d2<60nm]の範囲が特に好ましい。
本発明の反射防止フィルムにおいて、基材フィルム上に、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順で4層の屈折率層を積層している場合、上記高屈折率層及び低屈折率層の屈折率は、波長550nmにおける低屈折率層の屈折率をn1、高屈折率層の屈折率をn2とすると、n1<n2であれば、特に限定されるものではないが、一般的には、n1=1.3〜1.5、n2=1.7〜2.5の範囲である。
上記高屈折率層としては、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化ハフニウム、酸化セリウム、酸化ニオブ、酸化イットリウムなどが挙げられ、特に、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化錫が好ましい。
上記低屈折率層としては、酸化ケイ素、フッ化マグネシウムなどが挙げられ、特に、酸化ケイ素が好ましい。
上記高屈折率層及び低屈折率層の成膜手法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、真空プラズマCVD法、塗工法、常圧プラズマCVD法などが挙げられる。
本発明の反射防止フィルムにおいて、基材フィルム上に、中屈折率層、低屈折率層、高屈折率層の順で3層の屈折率層を積層している場合、上記中屈折率層の波長550nmにおける屈折率n3は、n1<n3<n2であれば、特に限定されるものではないが、n1とn2の平均値を示すものが望ましく、一般的にはn3=1.5〜2.0の範囲である。
上記中屈折率層としては酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化ランタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化セリウムまたは酸化インジウム錫などが挙げられ、特に、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウムが好ましい。
上記中屈折率層の成膜手法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、真空プラズマCVD法、塗工法、常圧プラズマCVD法などが挙げられるが、加水分解性を有する金属化合物からなるガス成分を、前記基材フィルムから発生する水蒸気と反応させることにより金属酸化物薄膜層を形成する手法を用いることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムに用いる基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチルメタアクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ノルボルネン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミド、アクリル樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、再生セルロース、アルカリ処理されたトリアセチルセルロース等のプラスチック、または、ガラス、セラミクス、金属などが挙げられる。
また、基材フィルム(板状のものも含む)としては、基材裏面にプロテクトフィルムの貼り付けもしくは糊塗工されたものや、セパレートフィルムが貼り付けてあってもよい。これらの基材フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、30〜200μm程度である。
また、基材フィルムは、表面にハードコートが塗工されているものが一般的に用いられる。そのハードコートの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば5μm程度である。
本発明によれば、基材フィルム上に、1層以上の薄膜層が積層されてなる反射フィルムにおいて、波長200nmから400nmの領域での25度入射における[絶対反射率(%)/(波長(nm)/200)]の平均値が10%以上になるようにしているので、従来よりも耐光性が格段に向上した反射防止フィルムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の反射防止フィルムは、基材フィルム上に、1層以上の薄膜層が積層されてなる反射防止フィルムであって、波長200nmから400nmの領域での25度入射における[絶対反射率(%)/(波長(nm)/200)]の平均値が10%以上であることを特徴としている。
本発明の反射防止フィルムにおいて、空気側最表層に低屈折率層、2層目に高屈折率層の順で2層以上の薄膜層が積層されている場合、設計波長λ0(=550nm)に対して、空気側最表層の低屈折率層及び2層目の高屈折率層が、低屈折率層の膜厚をd1、低屈折率層の屈折率をn1、高屈折率層の膜厚をd2、高屈折率層の屈折率をn2とすると、[n2−n1>0.3]及び[0.2<n2d2/n1d1<1.0]の条件をそれぞれ満足していることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムのより具体的な形態としては、基材フィルム上に、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順で積層された4層の屈折率層、または、基材フィルム上に、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順で積層された3層の屈折率層が形成されてなる反射防止フィルムが挙げられる。
以下、本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
連続成膜型スパッタリング装置を用いて以下の条件で成膜を実施した。
連続成膜型スパッタリング装置を用いて以下の条件で成膜を実施した。
厚み75μm、幅1300mmのポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する)フィルム上に厚さ5μmのアクリル系ハードコート層が塗工された基材フィルムを用い、その基材フィルムを走行速度0.2m/分にて走行させて、まずは第1層の酸化チタン層を成膜した。第1層の酸化チタン層は、[Ar]:[O2]=1:1(体積比)、ガ
ス圧0.2Paのガス雰囲気において、カソードとTiターゲットとの間に20kHz、0.10kWの交流を印加して成膜を行った。
ス圧0.2Paのガス雰囲気において、カソードとTiターゲットとの間に20kHz、0.10kWの交流を印加して成膜を行った。
次に、連続して、第2層の酸化珪素層を成膜した。この第2層の酸化珪素層ついては、カソードとSiターゲットとの間の印加電力を0.05kWとしたこと以外は、前記した第1層の酸化チタン層と同じ条件にて成膜を行った。
続けて、第3層の酸化チタン層及び第4層の酸化珪素層を順次成膜した。これら第3層の酸化チタン層及び第4層の酸化珪素層については、それぞれ、カソードとTiターゲット(もしくはSiターゲット)との間の印加電力を0.18kW及び0.18kWとしたこと以外は、前記した第1層の酸化チタン層と同じ条件にて成膜を行った。
以上の処理により得られた反射防止フィルムの光学特性を以下の方法で測定した。
まず、作製した反射防止フィルムを5cm角に切り抜き、裏面を#400のサンドペーパーで荒らした後に、黒インクにて直径2cm程度の大きさに塗りつぶしてサンプルを作製した。この裏面処理したサンプルについて、波長200〜780nmの25度入射における反射率スペクトルを、分光光度計(島津製作所社製、型式「UV−3101PC」)を用いて測定した。その結果を図1に示す。また、測定した反射率スペクトルから、波長200nmから400nmの領域での絶対反射率の平均値及び視感度補正平均反射率(Y)を読み取った。さらに、反射率スペクトルを、光学特性計算ソフト(J.A.Woollam社 V.A.S.E.for Windows(R))にて解析し、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の各膜厚及び波長550nmにおける屈折率を算出した。その結果を下記の表1に示す。
また、得られたサンプルの耐光性を、スガ試験機社製のサンシャインカーボンアークを用いて行い、目視での剥離状況及びJIS K 5400に基づく粘着テープによるクロス密着性評価を行った。その結果を下記の表1に示す。
<実施例2>
この実施例2では、成膜装置として、図2に示すように、基材フィルム搬送用の平板1及びこの平板1に平行に対向配置された平板2からなる平行平板10と、それら一対の平板1,2間に原料ガスを供給する給気ノズル3と、原料ガスを排気する排気ノズル4とを備えた装置を用いて、以下の条件で成膜を行った。
この実施例2では、成膜装置として、図2に示すように、基材フィルム搬送用の平板1及びこの平板1に平行に対向配置された平板2からなる平行平板10と、それら一対の平板1,2間に原料ガスを供給する給気ノズル3と、原料ガスを排気する排気ノズル4とを備えた装置を用いて、以下の条件で成膜を行った。
[装置構成]
図2の成膜装置において、平板1と平板2との間隔を5mmに設定し、平板1及び平板2の平行平板の表面温度をともに90℃、原料ガスの温度を150℃、給気ノズル3及び排気ノズル4の温度をともに100℃に設定した。また、平行平板10(平板1と平板2との間)に外気の水分が入らないように、周囲を窒素ガスにて置換した。
図2の成膜装置において、平板1と平板2との間隔を5mmに設定し、平板1及び平板2の平行平板の表面温度をともに90℃、原料ガスの温度を150℃、給気ノズル3及び排気ノズル4の温度をともに100℃に設定した。また、平行平板10(平板1と平板2との間)に外気の水分が入らないように、周囲を窒素ガスにて置換した。
[基材フィルム]
実施例1で用いたPETフィルムを、25℃,50%RHの環境下で24時間保管したものを成膜に用いた。
実施例1で用いたPETフィルムを、25℃,50%RHの環境下で24時間保管したものを成膜に用いた。
[条件]
前記PETフィルムを、図2の成膜装置の平板1上に平板に密着させた状態で、走行速度1m/分にてPETフィルムを走行させた。給気ノズル3から、[窒素]:[テトラターシャリーブトキシジルコニウム]=100:0.21(体積比)の混合ガスを、平行平板10内(平板1と平板2との間)に100slm導入するとともに、排気ノズル4にて100slmの排気を行って、PETフィルム上に第1層の酸化ジルコニウム層を成膜した。
前記PETフィルムを、図2の成膜装置の平板1上に平板に密着させた状態で、走行速度1m/分にてPETフィルムを走行させた。給気ノズル3から、[窒素]:[テトラターシャリーブトキシジルコニウム]=100:0.21(体積比)の混合ガスを、平行平板10内(平板1と平板2との間)に100slm導入するとともに、排気ノズル4にて100slmの排気を行って、PETフィルム上に第1層の酸化ジルコニウム層を成膜した。
続けて連続搬送により、第2層として酸化チタンを成膜した。この第2層の酸化チタン層については、混合ガスとして、[窒素]:[テトライソプロポキシチタン」=100:0.04(体積比)を用いたこと以外は、第1層の酸化ジルコニウム層と同じ条件にて成膜を行った。
続けて連続搬送により、第3層として酸化ケイ素層を成膜した。この第3層の酸化ケイ素層については、下記の処理条件の常圧プラズマCVD法にて成膜した。
−プラズマCVDの処理条件−
電極として、ロール電極(100mm×φ700mm、表面に厚さ1.6mmのアルミナ被覆からなる固体誘電体を設置)と、曲面電極(長さ方向(幅)100mm×投影面積(長さ)100mm、表面に厚さ1.6mmのアルミナ被覆からなる固体誘電体を設置)とを用い、それらロール電極と曲面電極とを放電空間が2mmになるように対向して配置した。そして、ロール状電極の表面温度を70℃に温度制御した状態で、[窒素]:[酸素]:[テトラメトキシシラン]=84:16:0.20(体積比)の混合ガスを、ロール電極と曲面電極との間の放電空間(80℃に温度制御)に、60リットル/分の総量で供給するとともに、それらロール電極と曲面電極との間の電極間に、立ち上がり速度5μsec・印加電圧30kV/cmのパルス電界を印加してプラズマを発生させ、同時にロール電極を回転させた状態で、上記PETフィルムを走行速度1m/分にて走行させ上記放電空間に供給することにより、そのPETフィルム上に酸化ケイ素層(第3層)を成膜して反射防止フィルム(サンプル)を作製した。
電極として、ロール電極(100mm×φ700mm、表面に厚さ1.6mmのアルミナ被覆からなる固体誘電体を設置)と、曲面電極(長さ方向(幅)100mm×投影面積(長さ)100mm、表面に厚さ1.6mmのアルミナ被覆からなる固体誘電体を設置)とを用い、それらロール電極と曲面電極とを放電空間が2mmになるように対向して配置した。そして、ロール状電極の表面温度を70℃に温度制御した状態で、[窒素]:[酸素]:[テトラメトキシシラン]=84:16:0.20(体積比)の混合ガスを、ロール電極と曲面電極との間の放電空間(80℃に温度制御)に、60リットル/分の総量で供給するとともに、それらロール電極と曲面電極との間の電極間に、立ち上がり速度5μsec・印加電圧30kV/cmのパルス電界を印加してプラズマを発生させ、同時にロール電極を回転させた状態で、上記PETフィルムを走行速度1m/分にて走行させ上記放電空間に供給することにより、そのPETフィルム上に酸化ケイ素層(第3層)を成膜して反射防止フィルム(サンプル)を作製した。
以上の処理にて得られたサンプルについて、実施例1と同じ方法にて光学特性及び耐光性を評価した。その結果を図1及び下記の表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、第1層の酸化チタン層、第2層の酸化ケイ素層、第3層の酸化チタン層、及び、第4層の酸化ケイ素層の印加電力として、それぞれ0.10kW、0.04kW、0.37kW、及び、0.16kWを用いたこと以外は、実施例1と同じ条件にて成膜を行った。
実施例1において、第1層の酸化チタン層、第2層の酸化ケイ素層、第3層の酸化チタン層、及び、第4層の酸化ケイ素層の印加電力として、それぞれ0.10kW、0.04kW、0.37kW、及び、0.16kWを用いたこと以外は、実施例1と同じ条件にて成膜を行った。
以上の処理にて得られたサンプルについて、実施例1と同じ方法にて光学特性及び耐光性を評価した。その結果を図1及び下記の表1に示す。
<比較例2>
実施例2において、第1層の酸化ジルコニウム層の成膜に「窒素]:[テトラターシャリーブトキシジルコニウム]=100:0.15(体積比)の混合ガス、第2層の酸化チタン層の成膜に[窒素]:[テトライソプロポキシチタン]=100:0.16(体積比
)の混合ガス、第3層の酸化ケイ素層の成膜に[窒素」:[酸素]:[テトラメトキシシラン]=84:16:0.19(体積比)の混合ガスを用いたこと以外は、実施例2と同じ条件にて成膜を行った。
実施例2において、第1層の酸化ジルコニウム層の成膜に「窒素]:[テトラターシャリーブトキシジルコニウム]=100:0.15(体積比)の混合ガス、第2層の酸化チタン層の成膜に[窒素]:[テトライソプロポキシチタン]=100:0.16(体積比
)の混合ガス、第3層の酸化ケイ素層の成膜に[窒素」:[酸素]:[テトラメトキシシラン]=84:16:0.19(体積比)の混合ガスを用いたこと以外は、実施例2と同じ条件にて成膜を行った。
以上の処理にて得られたサンプルについて、実施例1と同じ方法にて光学特性及び耐光性を評価した。その結果を図1及び下記の表1に示す。
<実施例及び比較例の検討>
(1)表1の実施例1と比較例1とを比較すると、第3層の酸化チタン層の膜厚が大きく異なっており、実施例1では、200〜400nmの反射率平均値が15%程度になっている。これにより、耐光性が向上していることがわかる。
(2)実施例2と比較例2とを比較すると、実施例2のほうが200〜400nmの波長範囲における反射率の平均値が10%以上高くなっており、それにともない耐光性が向上していることがわかる。
なお、実施例1と実施例2との比較、及び、比較例1と比較例2との比較から、3層構成のほうが、4層構成よりも耐光性が向上していることがわかる。これは、基材フィルム上の第1層が、酸化チタンよりも酸化ジルコニウムであるほうが、光触媒活性が低いため基材フィルムの劣化が抑制され、耐光性が高くなることによる。
本発明の反射防止フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTなどのフラットパネルディスプレイなどに有効に利用できる。
1,2 平板
3 給気ノズル
4 排気ノズル
10 平行平板
S 基材フィルム
3 給気ノズル
4 排気ノズル
10 平行平板
S 基材フィルム
Claims (3)
- 基材フィルム上に、1層以上の薄膜層が積層されてなる反射防止フィルムにおいて、波長200nmから400nmの領域での25度入射における[絶対反射率(%)/(波長(nm)/200)]の平均値が10%以上であることを特徴とする反射防止フィルム。
- 請求項1記載の反射防止フィルムのうち、空気側最表層に低屈折率層、2層目に高屈折率層の順で2層以上の薄膜層が積層されてなる反射防止フィルムにおいて、設計波長λ0に対して、前記空気側最表層の低屈折率層及び2層目の高屈折率層が、前記低屈折率層の膜厚をd1、前記低屈折率層の屈折率をn1、前記高屈折率層の膜厚をd2、前記高屈折率層の屈折率をn2とすると、[n2−n1>0.3]及び[0.2<n2d2/n1d1<1.0]の条件をそれぞれ満足することを特徴とする反射防止フィルム。
- 請求項1または2記載の反射防止フィルムにおいて、前記基材フィルム上に、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順で積層された4層の屈折率層、または、前記基材フィルム上に、中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の順で積層された3層の屈折率層を有することを特徴とする反射防止フィルム。
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