JP2005096081A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、電子写真式印刷装置などの少なくとも2台の印刷装置からなる印刷システムに関する。
通常、長尺状記録媒体(以下、「ウェブ」と称す)に印刷する印刷装置は、例えば印刷後に切断される所定長さで区切られた単位領域毎に、印刷データに基づいた画像や文字を印刷する構成をとっている。例えば、電子写真式印刷装置では、ウェブに印刷される印刷データが、レーザスキャンにより所定周期で感光ドラムに露光される。次に、感光ドラムに露光されたパターンは、トナーによって視覚化された後、転写部にて、一定速度で搬送されてくるウェブに転写される。パターンが転写されたウェブは、加熱によりパターンが定着されて印刷が終了する。
しかし、従来の印刷装置では、印刷するウェブの単位領域の長さを単位領域毎に変化させたい場合や、不測の事態により単位領域の長さが変化する場合、印刷データを単位領域に適切に印刷することができないという問題があった。同様の問題は、複数の印刷装置を直列に連結し、1台目の印刷装置でウェブの表面を、2台目の印刷装置で裏面を印刷する場合にも存在する。即ち、例えば印刷の中断により1台目の印刷装置でウェブが予定より長く加熱されると、ウェブから水分が蒸発してウェブが縮むことがある。印刷の再開後、2台目の印刷装置でこのウェブに印刷する際に、縮みのために、裏面に印刷されたパターンが、表面に印刷されたパターンに対してずれてしまうことがあった。
そこで、本発明の目的は、上記問題点に鑑みて、複数の印刷装置を直列に連結して印刷する場合に、前段の印刷装置による印刷に、後段の印刷装置による印刷を整合可能な印刷システムを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1記載の印刷システムは、ウェブに第1の画像を描画する第1の描画手段と、前記第1の画像の描画後に前記ウェブを加熱する加熱手段と、前記ウェブに第2の画像を描画する第2の描画手段と、前記ウェブの搬送を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記ウェブが前記加熱手段により所定温度以上に加熱されたことに基づいて、前記第2の描画手段における前記ウェブの搬送速度を変更することを特徴とする。
また、請求項2記載の印刷システムは、ウェブに印刷する第1の印刷装置と、前記第1の印刷装置の後段に設けられて前記ウェブに印刷する第2の印刷装置とを有する印刷システムであって、前記第1の印刷装置に設けられて第1の画像を描画する第1の描画手段と、前記第1の画像の描画後に前記ウェブを加熱する加熱手段と、前記第2の印刷装置に設けられて前記ウェブに第2の画像を描画する第2の描画手段と、前記ウェブの搬送を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記ウェブが前記加熱手段により所定温度以上に加熱されたことに基づいて、前記第2の描画手段における前記ウェブの搬送速度を変更することを特徴とする。
上記各構成では、第1の描画手段が、ウェブの搬送方向において所定長で区画した単位領域毎に第1の画像を描画し、加熱手段がウェブを加熱することによって第1の画像がウェブへ定着されて、第1の印刷が終了する。第2の描画手段では、第1の描画手段に続いて、同ウェブへの印刷がさらに行われる。第1の描画手段において、単位領域が加熱手段によって過剰加熱された場合、通知手段が、過剰加熱の発生を第2の描画手段に通知する。単位領域の過剰加熱とは、例えば、所定時間を超えた単位領域の加熱、若しくは、加熱により単位領域の温度が所定温度を超える加熱を指すものである。通知手段からの出力に応じて、制御手段は、過剰加熱された単位領域の搬送速度を変更する。通常、過剰加熱された単位領域は、ウェブの収縮が生じるなど、寸法が、他の単位領域と比較するとかなり変化していることが多い。そこで、第2の描画手段において、過剰加熱された単位領域の搬送速度を変更することによって、第2の描画手段によって所定周期で行われている描画を、かかる単位領域に対しても、第1の描画手段による印刷と整合するように、適切に行うことが可能になる。
加熱手段による過剰加熱が生じた単位領域は、所定時間を超えて加熱された場合、または加熱によりその温度が所定温度を超えた場合の何れにおいても、水分がウェブから蒸発して、長さが縮んだり、或いは形状が歪んだりする。従って、寸法や形状の変化が生じた単位領域に対して、搬送速度を変えずに第2の描画手段によって描画すると、かかる単位領域内に印刷データに基づいて適切に描画し終えることができなくなる。そこで、過剰加熱が生じた単位領域の搬送速度を変更すれば、所定周期で行われる第2の描画手段による印刷データに基づいた描画を、寸法が変化した単位領域に対しても、既に印刷された第1の画像に対して整合させつつ行える。
請求項3記載の印刷システムは、請求項1または2記載の印刷システムであって、前記加熱手段の前段に設けられて前記単位領域に対応する位置合わせマークを形成するマーク形成手段と、前記第2の描画手段の前段に設けられて前記位置合わせマークを検出してマーク検出信号を出力する検出手段と、所定周期毎に前記印刷データに対応したウェブ送り制御信号を発生するウェブ送り制御信号生成手段と、前記マーク検出手段からのマーク検出信号と前記ウェブ送り制御信号との発生タイミングを測定し、この測定結果に基づき、搬送速度を設定するためのフィードバックゲインを決定する手段とをさらに有することを特徴とする。
上記構成により、第1の描画手段では、マーク形成手段が、単位領域に対応してウェブに位置合わせマークを形成する。この位置合わせマークは、第2の描画手段において検出手段によって検出され、検出手段は、位置合わせマークの検出に応じてマーク検出信号を出力する。また、第2の描画手段では、ウェブ送り制御信号生成手段が、ウェブの単位領域に印刷する印刷データに対応したウェブ送り制御信号を、第2の描画手段によって行われる描画と同じ周期で生成している。そして、マーク検出信号とウェブ送り制御信号との発生タイミングを測定し、この測定結果に基づいて、搬送速度を設定するためのフィードバックゲインを決定する。フィードバックゲインは、搬送速度を変更する際の変更量に相当する。このようにして求められるフィードバックゲインを用いて当該単位領域の搬送速度を変更して、第2の描画手段により当該単位領域に印刷する。従って、第2の描画手段による印刷を、第1の描画手段による印刷に整合させることができる。
請求項4記載の印刷システムは、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷システムであって、前記制御手段は、前記加熱手段により過剰加熱された単位領域への前記第2の描画手段による描画が終了した後、前記搬送速度を変更前の速度に戻すことを特徴とする。上記構成によって、過剰加熱された単位領域の次に位置する単位領域は、変更される前の速度で搬送されつつ第2の描画手段による描画が行われる。従って、過剰加熱を被っていない、通常の単位領域に対する第2の描画手段による描画は、直前の過剰加熱された単位領域に対する制御の影響を受けることなく行われる。従って、通常の単位領域に対する第2の描画手段による印刷を、第1の描画手段による印刷に整合させることが可能になる。
なお、本発明の印刷システムにおいて、前記描画手段は、前記印刷データに基づき感光体の走査方向に潜像を前記所定周期で形成する露光手段と、前記感光体上の潜像を可視像化して前記ウェブに転写する転写手段とを含むことにより、印刷データに基づいて感光体の走査方向に潜像が所定周期で形成される。一方、ウェブの搬送速度は、検出手段によって検出された連続する2つの位置合わせマーク間の長さに応じて設定される。また、この時、ウェブの搬送速度の設定に伴い、感光体の移動速度も搬送速度に応じた速度になる。その理由は、可視像化された潜像のウェブへ転写する際、ウェブの搬送速度と感光体の移動速度とが異なると、ウェブに転写される像を擦ってしまい、像の画質を低下させてしまうからである。そして、設定された速度で搬送されているウェブに対して、同じ速度で移動している感光体上の潜像が可視像化されて転写されて、描画が行われる。より好ましくは、感光体は、感光ドラムや、感光ベルトにて構成される。
なお、描画手段としては、上記構成の他に、所定周期でカラーインクやブラックインクなどのインクを所定解像度で直接ウェブに塗布してモノクロやカラーの画像を描画するユニットを用いることができる。
請求項1または2記載の印刷システムによれば、単位領域が加熱手段により過剰加熱された場合、第2の描画手段は、第1の描画手段での過剰加熱の発生を知ることができ、過剰加熱の発生に応じた印刷をウェブに対して行うことができる。例えば、制御手段が、この通知に反応して、過剰加熱された単位領域の搬送速度を変更し、変更した速度で搬送されてくる単位領域に対して第2の描画手段による描画が行われるので、この単位領域に第1の描画手段によって描画された第1の画像に対して、第2の描画手段による描画を整合させることができる。
請求項3記載の印刷システムによれば、過剰加熱により搬送方向の長さが変化した単位領域に対しても、第2の描画手段による描画を、第1の描画手段によって印刷された第1の画像と整合させて行うことができる。
請求項4記載の印刷システムによれば、過剰加熱された単位領域への第2の描画手段による描画が終了した後、ウェブの搬送速度を変更する前の速度に戻すので、この次に位置する単位領域、すなわち過剰加熱されていない、いわゆる通常の単位領域に対する第2の描画手段による描画は、直前の過剰加熱された単位領域への制御の影響を受けることなく行うことができる。従って、第2の描画手段による単位領域への印刷を、同単位領域への第1の描画手段による印刷に整合させることができる。
その他、本発明の印刷システムによれば、単位領域の搬送速度の長さに応じて、印刷データを露光及び転写を経てウェブに適切に描画することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明を電子写真式印刷装置Pに適用した実施の形態を示す。図1において、印刷装置Pは、ウェブバッファ機構2と、異物除去機構4と、張力付与機構5と、印写部10と、定着装置13とから構成される。Wは、ウェブであり、具体的には長尺の帯状の紙である。一般に、ウェブには、両縁に送り孔を備えた形態の連続紙と、送り孔を持たない連続紙の2種類があるが、本実施の形態では、送り孔を持たない連続紙を用いている。
図1に、本発明を電子写真式印刷装置Pに適用した実施の形態を示す。図1において、印刷装置Pは、ウェブバッファ機構2と、異物除去機構4と、張力付与機構5と、印写部10と、定着装置13とから構成される。Wは、ウェブであり、具体的には長尺の帯状の紙である。一般に、ウェブには、両縁に送り孔を備えた形態の連続紙と、送り孔を持たない連続紙の2種類があるが、本実施の形態では、送り孔を持たない連続紙を用いている。
ウェブWは、印刷装置P内に設けられたウェブ搬送路Rに沿って搬送され、ウェブバッファ機構2、異物除去機構4、張力付与機構5、印写部10、及び定着装置13を順次通過することによって印刷が行われる。ウェブWは、給送装置(図示せず)から印刷装置Pの内部に送り込まれ、ガイドローラ1に案内されてウェブバッファ機構2に搬送される。
ウェブバッファ機構2は、搬送されるウェブWを一時的に蓄える蓄積部2aと、ウェブWの弛み量(バッファ量)を検出する複数の光学的センサ2d、2e、2f、2gと、ウェブ搬送方向の上流部に位置する1対のローラ2b、2cとを備えている。ローラ2cには、ローラ2bへの圧接力を調節する調節機構が装備されている。本実施の形態では、ローラ2cの一端から突出した軸2hに錘2iを摺動可能に設け、この錘2iの位置を変えることにより、ローラ2cのローラ2bに対する圧接力を調節している。
ガイド部材3を通過したウェブWは、次に異物除去機構4に送り込まれる。異物除去機構4には、シャフト4a、4b、4c、4dが固定して設けられている。シャフト4a、4bは、予め設定された狭い間隔を介して固定され、異物の侵入を阻止する。
次に、ウェブWは、張力付与機構5に搬送される。張力付与機構5は、ドラム5aと、ドラム5aに圧接して設けられたローラ5bと、ウェブ搬送路上において移動可能に支持されたドラム5cとから構成されている。ドラム5cは、回動可能に支持されたアーム5dの自由端に固定されており、バネ5eによってウェブWに付勢されている。上記張力付与機構5によって、ウェブWの張力が一定に保たれている。
さらに、ウェブWは、ガイドシャフト6及びガイド板7を経て、搬送ローラ8、9によって印写部10へ搬送され、印写部10からは、搬送ベルト11によって後段へと搬送される。搬送ローラ8は、図示せぬモータにより回転するローラである。搬送ローラ9は、駆動源を持たない従動ローラである。搬送ローラ9は、搬送ローラ8に対してバネ9aの弾性力によってウェブWを介して圧接されることによって、搬送ローラ8の回転に伴い回転する。搬送ベルト11は、駆動ローラ11aと従動ローラ11bとの間に掛け渡されて支持されるとともに、吸引装置(図示せず)を備え、ウェブWの背面を搬送ベルト11に吸着させた状態で搬送するように構成されている。このように、搬送ローラ8、9と搬送ベルト11とによって、ウェブWを印写部10に通過させる搬送機構が構成される。また、搬送ローラ8、9の回転と搬送ベルト11の移動とは、図2に示す制御回路200によって制御されている。
次に、印写部10では、モータにより感光体ドラム101が回転を開始すると、コロナ帯電器102に印加された高電圧により、感光体ドラム101は、表面に均一に例えば正電荷が帯電する。感光体ドラム101は、光源103が半導体レーザで構成される場合、レーザから出力される光によって所定周期でその幅方向に走査されて表面が線条に露光される。また、光源103が発光ダイオードで構成される場合、感光体ドラム101は、所定周期での発光ダイオードの発光により、表面の幅方向には線条の露光パターンが形成される。このようにして、感光体ドラム101の表面には、印刷データに基づいた静電潜像が形成される。感光体ドラム101上の静電潜像が、ドラム101の回転により現像装置104と対向する位置に到達すると、静電潜像に現像剤が供給され、感光体ドラム101上に可視像化されたトナー像が形成される。感光体ドラム101は、通常、予め設定された所定の速度で定速回転されるように制御されている。感光体ドラム101の回転も、制御回路200によって制御されている。
感光体ドラム101上に形成されたトナー像は、ウェブWの背面側に設けられた、トナー像と逆極性の電荷を付与する転写器105の作用によってウェブW上に吸引されて転写される。感光体ドラム101は、転写位置を通過した後、表面が清掃装置106で清掃され、次の露光動作に備える。なお、トナー像を感光体ドラム101からウェブWに転写する際のトナー像の擦りを防止するために、通常、搬送ローラ8の回転及び搬送ベルト11の移動により設定されるウェブWの搬送速度と、感光体ドラム101の回転速度とは、同一になるように制御されている。従って、ウェブWの搬送速度が変化する時は、これに応じて感光体ドラム101の回転速度も変化してウェブWの速度と同期がとられている。
上記のようにして印写部10からトナー像が転写されたウェブWは、搬送ベルト11によって後段へと搬送される。
搬送ベルト11から送り出されたウェブWは、バッファプレート12を経て定着装置13に搬送される。定着装置13に到達したウェブWは、予備加熱プレート13aで予熱された後、加熱ローラ13bと加圧ローラ13cとからなる一対の定着ローラを含むニップ部によって加熱加圧されながら挟持搬送される。これによって、トナー像がウェブWに溶融定着される。
搬送ベルト11から送り出されたウェブWは、バッファプレート12を経て定着装置13に搬送される。定着装置13に到達したウェブWは、予備加熱プレート13aで予熱された後、加熱ローラ13bと加圧ローラ13cとからなる一対の定着ローラを含むニップ部によって加熱加圧されながら挟持搬送される。これによって、トナー像がウェブWに溶融定着される。
加熱ローラ13bと加圧ローラ13cによって送り出されたウェブWは、送出しローラ14を経て、通常は、スイングフィン15の振り子動作によって交互に折り分けられ、印刷装置P内で折りたたまれて積み重ねられる。これに対し、印刷装置Pの後段に印刷装置Pを配置してウェブWにさらに印刷する場合は、加熱ローラ13bと加圧ローラ13cによって送り出されたウェブWは、送出しローラ14を経て、折りたたまれずに、図1に破線で示すように印刷装置Pの外へと排出される。
上述のバッファプレート12は、ウェブWに一定の張力を作用させるように制御系が構成されている。また、バッファプレート12は、搬送ベルト11のウェブ搬送速度と定着ローラ13b、13cによるウェブ搬送速度との間に差が生じた場合に、ウェブWに発生する弛みや張りを吸収するためのものである。バッファプレート12が予め設定されたニュートラルポジションよりも上方位置に傾いた場合には、加熱ローラ13bの回転速度を増加させて、バッファプレート12がニュートラルポジションまで下降するように制御する。これとは反対に、バッファプレート12がニュートラルポジションよりも下方位置に傾いた場合には、加熱ローラ13bの回転速度を低下させて、バッファプレート12がニュートラルポジションまで上昇するように制御する。
センサ13dは、ウェブ搬送路Rにおいてバッファプレート12の下流に設けられて、ウェブWの蛇行を検出する。ニップ部は、センサ13dからの出力に応じて、加熱ローラ13bに対する加圧ローラ13cの一端側と他端側とへの圧接力をそれぞれ調整し、蛇行状態にあるウェブWの走行位置を矯正する。
マークセンサ16が、印写部10の前段の、例えばガイドシャフト6と、搬送ローラ8との間のウェブ搬送路Rに配置されている。マークセンサ16は、ウェブWに例えばページ先頭を示す位置合わせマークが形成されている場合、この位置合わせマークを検出する。マークセンサ16の出力は、制御回路200に送られて、ウェブWの搬送速度を設定するためのパラメータとして用いられる。
次に、ウェブWの搬送を制御する制御回路200について、図2を参照して説明する。制御回路200は、マイコン部210と、CPF信号処理部220と、CPF信号生成部230とから構成され、マイコン部210とCPF信号処理部220とは、バスBを介して接続されている。マイコン部210は、印刷装置Pの動作を指示すると共にその動作に必要な演算を行うCPU211と、CPU211で実行される様々なプログラムが格納されるROM212と、演算結果などを一時的に記憶するRAM213とから構成される。また、マイコン部210は、キーボードやコントロールパネルなどの入力装置240を介して、印刷装置Pの動作に関する指令を受け取る。本実施の形態においては、マイコン部210は、特にウェブWの搬送を制御する。そのために、マイコン部210に、マークセンサ16が、I/Oインターフェース16a及びバスBを介して接続されると共に、搬送ローラ8、9、搬送ベルト11、及び感光体ドラム101を駆動する各モータMも、I/OインターフェースMa及びバスBを介して接続されている。
CPF信号生成部230は、ウェブWに印刷される印刷データに対応したウェブ送り制御信号(以下、「CPF−N信号」と称す)を所定周期で生成する。CPF信号処理部220は、波形成形回路221と、カウンタ222とから構成される。波形成形回路221は、CPF−N信号が入力され、入力されたCPF−N信号の波形を成形してカウンタ222に向けて出力する。カウンタ222は、CPF−N信号の入力に反応して、外部から供給されるクロックによりカウントを開始する。
次に、上記印刷装置Pの動作について、図3乃至図5を参照して説明する。
印刷装置Pにて印刷されるウェブWは、図3に示すように、搬送方向の所定長毎に印刷データの先頭に対応して、単位領域(以下、「ページ」と称す)に区切られている。各ページには、先頭に相当する部分に位置合わせマーク(トナーマーク)Rmが予め形成されており、各ページには印刷データに基づいて画像Imが印刷されることになっている。トナーマークRmは、ページ毎に形成される。なお、ページの搬送方向の長さは、通常は一定であるが、ページに印刷される印刷データやウェブの用途によっては、ページ毎に変えてもよい。
印刷装置Pにて印刷されるウェブWは、図3に示すように、搬送方向の所定長毎に印刷データの先頭に対応して、単位領域(以下、「ページ」と称す)に区切られている。各ページには、先頭に相当する部分に位置合わせマーク(トナーマーク)Rmが予め形成されており、各ページには印刷データに基づいて画像Imが印刷されることになっている。トナーマークRmは、ページ毎に形成される。なお、ページの搬送方向の長さは、通常は一定であるが、ページに印刷される印刷データやウェブの用途によっては、ページ毎に変えてもよい。
印刷装置Pに、入力装置200を介して制御回路200にウェブWへの印刷が指示されると、制御回路200によって、ウェブWは、例えば初期速度v0で搬送が開始される。同時に、図4に示すように、CPF−N信号が所定周期C1で生成されて、ウェブWへの画像の転写も開始される(図4(a))。
図5に、印刷装置P内部の転写器105及び感光体ドラム101近傍の詳細を示す。図4(a)に示すように、時刻T0でCPF−N信号がHIGHからLOWになると、感光体ドラム101への露光が開始される。そして、光が感光体ドラム101の走査方向に所定周期C1よりも相当短い周期で走査されて、ページの先頭に相当する印刷データから露光ポイントEPに露光され、感光体ドラム101に潜像が形成される。潜像は、矢印Aに示すように、感光体ドラム101の回転に伴い、インクによりトナー像になって、転写ポイントTPまで運ばれる。
一方、ウェブWは、矢印Bに示すように、搬送路Rに沿ってマークセンサ16を通過し、次に転写器105の転写ポイントTPを通過する。この時、ウェブW上に位置合わせマークRmがマークセンサ16を通過すると、位置合わせマークRmは、マークセンサ16によって検出パルスDTとして検出される(図4(b)参照)。位置合わせマークRmは、間隔毎にウェブWの搬送方向に複数形成されているので、ウェブWの搬送に伴い、マークセンサ16により順次検出される。マークセンサ16の出力は、図2に示す制御回路200のマイコン部に送られる。
例えば、ウェブWの搬送に伴い、図4(c)に示すように、ウェブWのページP1の位置合わせマークRmが時刻T1で検出パルスDT1としてマークセンサ16に検出され、次に、ページP2の位置合わせマークRmが時刻T3で検出パルスDT2として検出される。この時、制御回路200は、検出パルスDT1,DT2が検出される時間間隔ΔDT1と、ウェブWの搬送速度v0とから、時間ΔDT1の間、すなわち時刻T1からT3間での間に、マークセンサ16を通過したウェブWの正確な長さを算出する。このようにして算出されるウェブWの長さは、ページP1の搬送方向の長さPL1に相当する。そして、制御回路200は、算出したページP1の長さPL1に基づいて、ページの先頭から末端までの間に印刷データに基づいた画像を適切に収めるために、ウェブWのページP1の転写ポイントTPにおける搬送速度v1を設定する。次に、ページP1の位置合わせマークRmが転写ポイントTPに到達した時、例えば時刻T3にて、ウェブWの搬送速度をv0からv1に変更して、感光体ドラム101に形成されたトナー像のページP1への転写を転写器105により開始する(図4(d)参照)。
例えば、ウェブWのページP1の長さPL1が、予測される長さよりも短い場合は、ウェブWの搬送速度v1を、直前の速度v0よりも遅くして、ウェブの単位時間あたりの搬送長さを短くして画像を転写する。一方、ウェブWのページP1の長さPL1が、予測される長さよりも長い場合は、ウェブWの搬送速度v1を、直前の速度v0よりも速くして、ウェブの単位時間あたりの搬送長さを長くして画像を転写する。このように、ウェブWのページの長さに応じて搬送速度を変更し、単位時間あたりのウェブWの搬送量を変えることによって、ページの搬送方向の長さに応じて画像を転写することができる。
次に、時刻T5で、ページP3の位置合わせマークRmが検出されると、制御回路200は、前のページP2の位置合わせマークRmの検出時刻T3までの時間ΔDT2と、ウェブWの搬送速度v1とからページP2の長さPL2を算出する。そして、算出した長さPL2に応じて、ページP2の搬送速度v2を設定する。次に、ページP2が転写ポイントTPに到達した時、例えば時刻T5にて、ウェブWの搬送速度をv1からv2に変更して、感光体ドラム101に形成されたトナー像のページP2への転写を転写器105により開始する(図4(d)参照)。このように、連続する2つの位置合わせマークRmをマークセンサ16によって検出することで、2つの位置合わせマークRmの検出間隔とそのときのウェブWの搬送速度vからマークRm間のウェブWの長さを算出し、算出した長さに応じてかかるウェブWの転写ポイントTPにおける搬送速度を設定していく。
上述のように、位置合わせマークRmの間隔を算出し、かかる位置合わせマークRm間のウェブWを転写ポイントTPを通過させる際の搬送速度を設定することによって、ページPの搬送方向の長さに応じて、このページに印刷データに基づいた印刷を適切に行うことができる。また、上記動作をページ毎に繰り返すことによって、各ページに対する印刷を適切に行うことができる。
従って、ウェブWのページPの長さが、ページ毎に変化する場合において、各ページに印刷データに基づいた適切な印刷を行うことができる。すなわち、搬送されてくるページの長さに拘わらず、何れのページにも印刷データをページの先頭や末端からはみ出したり必要以上の余白を残さずに、適切に印刷することができる。
また、所定長のページが連続するウェブWに印刷する場合において、不測の事態により一部のページ長が印刷データの転写前に変動してしまった場合でも、長さが変化したページに対しても、長さの変化のないページと同様に、印刷データに基づいた印刷を適切に行うことができる。
上記の実施の形態では、単一の印刷装置PによりウェブWの片面に印刷を行ったが、例えば、用途によっては、複数の印刷装置を用いて、ウェブWの両面に印刷したり、或いは、ウェブWの一面に多重印刷を行うことにも需要がある。そこで、次に、本発明による印刷装置Pの2台以上を使用してウェブWに印刷する印刷システムを、本発明の他の実施の形態として、図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、2台の印刷装置P1、P2を直列に設置し、さらに、2台の印刷装置P1、P2の各々に、両印刷装置P1、P2を制御するコントローラ17を接続して印刷システムSを構成する。印刷システムSは、ウェブWの表裏2面に印刷する場合、前段の第1の印刷装置P1と、後段の第2の印刷装置P2との間に、ウェブWの面を反転させる反転装置Tbが配置される。
第1の印刷装置P1にウェブWが搬送されると、図7(a)に示すように、印刷データに基づいて画像Imが印刷されるとともに、各ページの先頭に相当する部分には位置合わせマーク(以下、「トナーマーク」と称す)Rmが形成され、第1印刷装置P1から排出される。トナーマークRmは、ウェブWのページに相当する所定距離PL0毎に形成され、この所定距離PL0は、ウェブWに印刷される画像Imの元である印刷データに基づいて変更される。位置合わせマークRmを形成する手段は、画像Imを描画する手段とは独立に設けてもよい。また、位置合わせマークRmは、感光体ドラム101上で画像Imと一緒に形成して、ウェブWに描画してもよい。
次に、第1の印刷装置P1から排出されたウェブWは、反転装置Tbによってその表裏が反転され、その後、第2の印刷装置P2に送り込まれて、ウェブWにさらに印刷が行われる。第2の印刷装置P2において、トナーマークRmを保持した側のウェブ面(第1の面)は、マークセンサ16と対向し、また、白紙状態のウェブ面(第2の面)は感光体ドラム101と対向するので、第2の面に印刷される。なお、ウェブWの両面に印刷する代わりに、ウェブWの片面に多重印刷する場合は、反転装置Tbは省略できる。
コントローラ17は、通常、第1の印刷装置P1と第2の印刷装置P2の間に存在するページ数を認識している。コントローラ17は、第1の印刷装置P1の転写ポイントTPと第2の印刷装置P2の転写ポイントTPとの間に存在するウェブのページ数Xを、第2の印刷装置P2の制御回路200に向けて出力する。第2の印刷装置P2は、コントローラ17から出力されてくるウェブWのページ数Xを、制御回路200のRAM213に記憶させてもよい。
上記の印刷システムSでは、ウェブWは、画像の定着のために、各印刷装置P1、P2の予備加熱プレート13aで予熱される。従って、ウェブWを第1の印刷装置P1と第2の印刷装置P2とに通したまま停止させていた場合、第1の印刷装置P1の予備加熱プレート13a上で停止している部分のウェブWのページPは、加熱され続けて水分が蒸発し、その結果、図7(b)に示すように、一部分が縦横の方向へ大きく縮むことがある。大きく縮んだページPを持つウェブWは、印刷の再開後、第1の印刷装置P1から排出され、次に反転装置Tbにて表裏が反転されて第2の印刷装置P2へと送られる。
第2の印刷装置では、ウェブWのページ先頭マークRmをマークセンサ16で検出して、表面への印刷に対応するように、裏面への印刷を行っている。しかし、一部が大きく縮んだページPがマークセンサ16を通過する場合、後続のマークRmの検出が予定よりも相当早いために、ウェブ搬送速度vを相当量減速させる必要がある。しかし、この後続のマークRmを先頭に有するページPに縮みが無い場合は、この次に搬送されてくるページPのマークRmの検出が予定よりもかなり遅れることになり、表面の印刷に対して裏面の印刷が大きくずれてしまう。そこで、2台以上の印刷装置P1、P2からなる印刷システムSにより同一のウェブWに印刷する場合、後段の第2の印刷装置P2には、前段の第1の印刷装置P1とは異なる制御が必要である。
次に、印刷システムSにおける第2の印刷装置P2のウェブWへの印刷について、図5乃至図9を参照して説明する。第2の印刷装置P2において、感光体ドラム101上に仮想的に設定されるページ先頭は、コントローラ17からの指令に応じて制御回路200のCPF−N信号生成部230で生成されるCPF−N信号のタイミングによって設定される。CPF−N信号は、コントローラ17からの指令に応じて、第2の印刷装置P2によって印刷される印刷データに基づいて生成され、HIGHからLOWに切り替わるタイミング(以下、「立ち下がりタイミング」と称す)は、ページ先頭と対応する。また、感光体ドラム101は、予め設定された速度v0で定速回転するように制御されているため、ページ先頭に対応した感光体ドラム101の走査ライン(図示せず)は、CPF−N信号の一周期毎、すなわちCPFサイクル毎に、転写ポイントTPに到達する。CPFサイクルは、第2の印刷装置P2によって印刷される印刷データの転写に必要な時間間隔に対応している。従って、CPF−N信号の立ち下がりタイミングと、マークセンサ16がトナーマークRmを検出するタイミングとの時間差が、常時一定になるようにウェブ搬送速度を制御することにより、感光体ドラム101上のページ先頭と、ウェブWのページ先頭とを転写ポイントTPで一致させることが可能となる。
本実施の形態では、図5に示すように、転写器105による転写ポイントTPから露光ポイントEPまでの感光体ドラム101の表面上での距離をL1とし、マークセンサ16による検出ポイントDPから転写ポイントTPまでのウェブ搬送路R上での距離をL2とする。感光体ドラム101上に仮想的に設定されるページ先頭PPと、ウェブWのトナーマークRmとが転写ポイントTPで一致するようにウェブWが搬送される場合の、トナーマークRmの検出タイミングを「制御タイミング」CTとする。
通常、第2の印刷装置P2により時刻T0から開始される第1ページの印刷に関しては、オペレータが、予めウェブWの所定位置への装填を確認してから印刷を開始するので、第2の印刷装置P2による印刷のページ先頭位置と、既に終了した第1の印刷装置P1による印刷のページ先頭位置とは一致する。
図8に示すように、時刻T0から1つのCPFサイクルが経過した時刻T1にて、第1ページに対する印刷データに基づいた潜像を感光体ドラム101上に形成し終える直前に、制御回路200は、コントローラ17から、次のページの印刷を指示するCPF_LEG・P信号を受信する。CPF_LEG・P信号を受信すると、所定時間内にCPF−N信号生成部230は、CPF−N信号を生成するので、感光体ドラム101への感光が開始されると共に、制御回路200は、制御タイミングCTを算出する。以下に、制御タイミングCTを算出する一例を説明する。
例えば、感光体ドラム101上に仮想的に設定される第2ページ目のページ先頭と、ウェブWの第2ページ目のトナーマークRmとを転写ポイントTPで一致させるには、感光体ドラム101上の第2ページ目のページ先頭が、転写ポイントTPからL2だけ手前の位置に来た時に、マークセンサ16によって第2ページ目のトナーマークRmが検出される必要がある。従って、CPF−N信号が生成されてから制御タイミングまでの時間をST、印刷装置のプロセス速度をvpとすると、Tは次式にて表される。
ST=(L1−L2)/vp ・・・ (1)
ST=(L1−L2)/vp ・・・ (1)
また、印刷データのページ先頭を示す感光体ドラム101上の潜像が、CPFサイクル毎に転写ポイントTPに到達することから、これ以降の制御タイミングCTは、最初の制御タイミングCTから、CPFサイクル毎に、順次時刻T2,T3と現れる。
また、CPFサイクルは、以下に示す方法によって検出される。制御回路200では、CPF−N信号が生成されてHIGHからLOWに切り替わると、カウンタ222は、クロックによりカウントダウンを開始する。カウンタ222は、次のCPF−N信号の立ち下がりタイミングでカウントダウンを停止する。マイコン部210は、このときのカウンタ値を読み出すことで、CPFサイクルの長さを認識する。このCPFサイクルを計測することによって、制御回路200は、これから印刷するウェブWの1ページの長さPLを知ることができる。
上記から、制御タイミングCTと、実際にマークセンサ16によるトナーマークRmの検出パルスDTとが一致することが、最も望ましい。しかし、実際には、制御タイミングCTと検出パルスDTとが、ページ長の変動により一致しないことがある。そこで、最初に、制御タイミングCTに対する検出パルスDTの時間のずれ量から、第1の印刷装置P1によって印刷されたページ先頭に対し、第2の印刷装置P2によって印刷されたページ先頭が、どの程度ずれているかを検出する。そして、この検出により、トナーマークRmの検出パルスDTが、前記制御タイミングCTよりも遅れている場合は、ウェブ搬送速度vを増加させる。一方、トナーマークRmの検出パルスCTが制御タイミングCTよりも早い場合は、ウェブ搬送速度vを減速させる。すなわち、トナーマークRmを検出するタイミングDTが制御タイミングCTと一致するように、ウェブ搬送速度vを制御する。
なお、制御回路200は、トナーマークRmが検出される毎に、CPF−N信号の立ち下がりタイミングからトナーマークRmの検出パルスDTまでの時間MT(以下、「マーク時間」と称す)を記憶するメモリ(図示せず)を備えていてもよい。
次に、ウェブWの搬送速度を変更する方法を、図9を参照して説明する。ウェブWの搬送速度は、(1) トナーマークRmの検出パルスDTを制御タイミングCTに一致させるための位置補正と、(2) 複数のページを順次同じように搬送するためのページ長補正との2種類の補正によって設定される。
〔位置補正〕
次に、位置補正について説明する。図9に示すように、制御回路200は、例えばトナーマークRmを検出した時刻T4にて、直前のCPF−N信号の立ち下がりタイミングから制御タイミングCTまでの時間tと、直前のCPF−N信号の立ち下がりタイミングからマーク時間(図9においては時間t1)との差を、次式により算出する。
Δt=t−t1 ・・・ (2)
次に、位置補正について説明する。図9に示すように、制御回路200は、例えばトナーマークRmを検出した時刻T4にて、直前のCPF−N信号の立ち下がりタイミングから制御タイミングCTまでの時間tと、直前のCPF−N信号の立ち下がりタイミングからマーク時間(図9においては時間t1)との差を、次式により算出する。
Δt=t−t1 ・・・ (2)
このΔtに相当するウェブWの位置ずれを、次のCPFサイクル内で補正するために、CPFサイクルに対するΔtの割合に相当する分だけ、時刻T4以前のウェブのページP4の搬送速度を変更する。時刻T4までのウェブWの搬送速度をv2、ウェブWの搬送速度の変更量をΔvt3とすると、Δvt3は次式にて求められる。
Δvt3=(Δt / CPFサイクル)×v2 ・・・ (3)
Δvt3=(Δt / CPFサイクル)×v2 ・・・ (3)
Δvt3は、時刻T4で検出されたトナーマークRmと、時刻T4よりも時間t1前のCPF−N信号の立ち下がりタイミングにより感光体ドラム101上に設定されたページ先頭とを、転写ポイントTPで一致させるために必要な、ウェブWの搬送速度の変更量、すなわちフィードバックゲインである。フィードバックゲインを用いた上記のウェブWの搬送速度vの変更は、実際に搬送されてくるウェブWのページの先頭を、印刷データに基づいて設定されるページ先頭に整合させるために行われる。この位置補正は、1つのCPFサイクルが終了して次のCPFサイクルが開始される度に、搬送されてくるウェブWのページ先頭に対して行われる。
〔ページ長補正〕
次に、ページ長補正について説明する。トナーマークRmを検出するときに、例えば、時刻T4にて、以前のトナーマークRm検出時に計測されたマーク時間MT(図9においては時間t0)と、今回のトナーマークRm検出時にメモリに記憶されたマーク時間MT(図9においては時間t1)とに基づき、時刻T4から開始されるCPFサイクルに対して、CPFサイクルに対する(t0−t1)の割合に相当する分だけ、時刻T4以前のウェブWの搬送速度を変更する。時刻T4までのウェブWの搬送速度をv2、ウェブWの搬送速度を加速あるいは減速させる速度をΔvT3とすると、ΔvT3は、次式にて求められる。
ΔvT3=((t0−t1)/ CPFサイクル)×v2 ・・・ (4)
次に、ページ長補正について説明する。トナーマークRmを検出するときに、例えば、時刻T4にて、以前のトナーマークRm検出時に計測されたマーク時間MT(図9においては時間t0)と、今回のトナーマークRm検出時にメモリに記憶されたマーク時間MT(図9においては時間t1)とに基づき、時刻T4から開始されるCPFサイクルに対して、CPFサイクルに対する(t0−t1)の割合に相当する分だけ、時刻T4以前のウェブWの搬送速度を変更する。時刻T4までのウェブWの搬送速度をv2、ウェブWの搬送速度を加速あるいは減速させる速度をΔvT3とすると、ΔvT3は、次式にて求められる。
ΔvT3=((t0−t1)/ CPFサイクル)×v2 ・・・ (4)
ΔvT3は、前回検出されたトナーマークと今回検出されたトナーマークの時間間隔、つまり1ページのウェブWを搬送するのに要する時間が、CPFサイクルと同等になるようにウェブWの搬送速度を変更するための補正速度量である。
このΔvT3を、位置補正用に求めたΔvt3と共に、時刻T4以前のウェブWの搬送速度v2に加えてウェブWの時刻T4以降の搬送速度v3を設定する。このようにして搬送速度を設定することにより、速度v3で搬送されるウェブWのページの先頭は、感光ドラム101上に形成された印刷データに基づいた先頭と、転写器105にて一致し、そのページの末端部まで、印刷データに基づいて感光体ドラム101からウェブWへの転写が適切に行われる。また、ページに設けられたトナーマークRmを検出することによって生じる検出パルスDTが、制御タイミングCTと一致するようになる。このように、連続する2つのトナーマークRmがマークセンサ16を通過して検出されるタイミングの時間間隔をCPFサイクルと比較することによって、連続する2つのトナーマークRmのうち最後に検出されるトナーマークRmに対応したページに対して、既に印刷された第1の印刷装置P1による印刷に整合するように、第2の印刷装置P2による印刷を行うことができる。
図6に示すように、2台の印刷装置P1、P2を直列に連結して印刷する場合、印刷装置P1、P2は、常時稼働しているとは限らず、必要に応じて、ウェブWを印刷装置P1、P2に通したまま稼働を停止させることがある。以下に、印刷装置P1、P2の稼働を停止した後で再度開始した後の動作について、図10乃至図11を参照して説明する。
印刷動作を所定時間を超えて停止させた時、図10に示すように、第1の印刷装置P1では、ウェブWの一部が、予備加熱プレート13a上に留まってこの部分への加熱が継続されるので、ウェブWの縮みが発生する。従って、第2の印刷装置P2では、縮みが生じたウェブWに対して適切な印刷を行うために、ウェブWの搬送速度の変更が必要になる。
そこで、図11に示すように、印刷を再び開始した時(ステップS1)、コントローラ17は、印刷装置P1、P2の印刷停止時間が所定時間を超えたかどうかを判定する(ステップ2)。または、予備加熱プレート13a上に特定のページが留まっていた時間が所定時間を超えていたかどうかでも判定することもできる。印刷停止時間が所定時間を超えている場合、すなわち予備加熱プレート13aで停止していたウェブWが縮んでいる可能性が大である。従って、次に、このウェブWが、第2の印刷装置P2の印刷再開後にいつ搬送されてくるかを求める(ステップS3、S4)。
第1及び第2の印刷装置P1、P2からなる印刷システムにおいて、図10に示すように、第1の印刷装置P1のマークセンサ16から予備加熱プレート13a上までのウェブWの長さをL3、予備加熱プレート13aの搬送方向の長さをL4とする。印刷されるウェブWの1ページの長さをPL、第1印刷装置P1の転写ポイントTPと第2印刷装置P2の転写ポイントTPとの間にあるウェブのページ総数をXとした時、予備加熱プレート13a上で停止していたページが印刷再開から第2の印刷装置P2のマークセンサ16を通過開始するまでのページ総数をY1、通過終了するまでのページ総数をY2とすると、Y1、Y2は、次式で表される。
Y1 = X−(L2+L3+L4)/PL ・・・ (5)
Y2 = X−(L2+L3)/PL ・・・ (6)
Y2 = X−(L2+L3)/PL ・・・ (6)
すなわち、印刷再開後のウェブの第Y1ページから第Y2ページまでが縮みが発生したページとみなされ、第2印刷装置P2のマークセンサ16によって検出されることになる。また、第Y1ページから第Y2ページまでの間のページは、図9(d)に示すように、1ページの長さが、予備加熱が所定時間の通常のページ長PLに比較して、例えば(PL−α0)と極端に短いことが想定される。しかし、第Y2ページがマークセンサ16を通過した後は、予備加熱が所定時間以下で行われていたページが通過することを、コントローラ17は、予め認識している。従って、第Y2ページがマークセンサ16を通過した後は、ウェブWの搬送速度を、第Y1ページがマークセンサ16を通過する前の速度に戻して、印刷を継続する。
そこで、コントローラ17は、ステップS3、S4において、縮みの大きなページが、いつ第2の印刷装置P2に搬入されるかを求め、第2の印刷装置P2の制御回路200に、その結果を通知する。
一方、第2の印刷装置P2の制御回路200では、コントローラ17からの通知を受け取った後、トナーマークRmを検出すると(ステップS5)、トナーマークRmの検出タイミングDTと制御タイミングCTとに基づいて、式(3), (4)から、位置補正用及びページ長補正用の各々の搬送速度の補正量を算出する(ステップS6、S7)。
次に、第2の印刷装置P2の転写器105へ搬送されるウェブWのページ、すなわちマークセンサ16を通過したページが、縮んだ可能性の高い第Y1ページからY2ページまでに含まれるかどうかを判定する(ステップS8)。マークセンサ16を通過したページが第Y1ページからY2ページまでに含まれている場合は、式(3)によって算出された位置補正に必要な速度変更量のみを、ウェブ搬送速度の変更速度とする(ステップS9)。ウェブWのページPが縮んでいる場合、このページの長さは、縮みのないページの長さとはかなり異なっているので、このページの前を通過するページ長に基づいたページ長補正を行う必要が無いからである。
一方、マークセンサ16を通過したページが、第Y1ページからY2ページまでに含まれていない場合、このページが第Y2ページの直後であるかどうかを判定する(ステップS10)。さらに、このページが第Y2ページの直後のページであれば(ステップS10;YES)、ウェブの搬送速度は、第Y1ページの直前のページの搬送速度に戻す(ステップS11)。一方、このページが第Y2ページの直後のページで無ければ(ステップS10;NO)、式(3)と式(4)とによってそれぞれ算出された位置補正とページ長補正との両方の速度変更量の和を、ウェブ搬送速度の変更速度とする(ステップS12)。両方の補正によって、ページの先頭が感光体ドラム101上のページ先頭と一致するようになると共に、このページの前に搬送されたページの搬送状態に基づいて当該ページが搬送されて画像の転写が行われるので、第2の印刷装置P2による印刷の位置を、第1の印刷装置P1による印刷の位置に整合させることができる。
次に、算出した速度変化量に応じて、ウェブ搬送速度を変更する(ステップS13)。そして、次に搬送されてくるページに対しても印刷を行う場合(ステップS14)、ステップ5に戻る。
以上のように第2の印刷装置P2において印刷を行うことによって、第1の印刷装置による印刷時に定着熱などの影響により極端に大きく熱収縮してしまったウェブWが、後段の第2の印刷装置に送り込まれたとしても、第1の印刷装置による印刷に対して第2の印刷装置による印刷を正確に整合させることができる。従って、例えば、送り孔を持たないウェブに対する印刷信頼性を高めることができる。
なお、上記実施の形態では、ウェブWの縮みは、第1の印刷装置の予備加熱プレート13aにて所定時間を超えておかれた場合を一例にして説明したが、ウェブWの縮みは、ウェブWが、例えば予備加熱プレート13aや第1の印刷装置の制御回路の故障や異常動作などの不測の事態により所定温度以上に加熱された場合にも生じる。この場合も、図11に示すフローチャートのステップS3,S4において、許容範囲を超えた縮みを有するページが、第2の印刷装置による印刷開始後、いつ転写器に到達するかを、コントローラ17から第2の印刷装置の制御回路200に通知することによって、上記実施の形態と同様な処理を行って、印刷することができる。この場合も、ウェブの縮みに拘わらず、第2の印刷装置による印刷を、既に印刷された第1の印刷装置による印刷に整合させることができる。
さらに、上記実施の形態では、印刷データに基づき感光体及び転写器を用いてウェブに印刷する電子写真式印刷装置に本発明を適用した構成を説明したが、本発明によるウェブに対する印刷は、例えばインクジェット方式による印刷装置でも実施することができる。この場合は、ヘッドから、直接ウェブの走査方向に印刷データに基づいた描画が行われる。このように、第2の印刷装置をインクジェット方式の印刷装置で構成した場合においても、第2の印刷装置による印刷を、第1の印刷装置による印刷に整合させることができる。なお、インクジェット方式による印刷の場合は、ウェブの加熱は、例えば、通常ウェブでのインクの乾燥を促進させるために行われる。そこで、ウェブの加熱が、第2の印刷装置において、ウェブ搬送路においてマークセンサ16の上流で行われる場合、本発明と同様な印刷制御を行うと、許容範囲を超えて縮んだウェブに対しても、第2の印刷装置による印刷を、第1の印刷装置による印刷に正確に整合されることができる。
P1,P2:印刷装置 Rm:位置合わせマーク W:ウェブ 8,9:搬送ローラ
11:搬送ベルト 13a:予備加熱プレート 16:マークセンサ 17:コントローラ 101:感光体 105:転写器 200:制御回路
11:搬送ベルト 13a:予備加熱プレート 16:マークセンサ 17:コントローラ 101:感光体 105:転写器 200:制御回路
Claims (4)
- ウェブに第1の画像を描画する第1の描画手段と、
前記第1の画像の描画後に前記ウェブを加熱する加熱手段と、
前記ウェブに第2の画像を描画する第2の描画手段と、
前記ウェブの搬送を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記ウェブが前記加熱手段により所定温度以上に加熱されたことに基づいて、前記第2の描画手段における前記ウェブの搬送速度を変更することを特徴とする印刷システム。 - ウェブに印刷する第1の印刷装置と、前記第1の印刷装置の後段に設けられて前記ウェブに印刷する第2の印刷装置とを有する印刷システムであって、
前記第1の印刷装置に設けられて第1の画像を描画する第1の描画手段と、
前記第1の画像の描画後に前記ウェブを加熱する加熱手段と、
前記第2の印刷装置に設けられて前記ウェブに第2の画像を描画する第2の描画手段と、
前記ウェブの搬送を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記ウェブが前記加熱手段により所定温度以上に加熱されたことに基づいて、前記第2の描画手段における前記ウェブの搬送速度を変更することを特徴とする印刷システム。 - 前記加熱手段の前段に設けられて、前記ウェブを搬送方向の所定長で区画した単位領域に対応する位置合わせマークを形成するマーク形成手段と、
前記第2の描画手段の前段に設けられて前記位置合わせマークを検出してマーク検出信号を出力する検出手段と、
所定周期毎に印刷データに対応したウェブ送り制御信号を発生するウェブ送り制御信号生成手段と、
前記マーク検出手段からのマーク検出信号と前記ウェブ送り制御信号との発生タイミングを測定し、この測定結果に基づき、搬送速度を設定するためのフィードバックゲインを決定する手段と
をさらに有することを特徴とする請求項1又は2記載の印刷システム。 - 前記制御手段は、前記加熱手段により所定温度以上に加熱された領域への前記第2の描画手段による描画が終了した後、前記搬送速度を変更前の速度に戻すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷システム。
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