JP2009034850A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成位置の変動を抑制することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、シート材3に画像を形成する画像形成手段5と、ステッピングモータ55と、これからの駆動力を受けて回転し、シート材3を画像形成手段5へと搬送するローラ12と、記シート材3が画像形成手段3に対する上流側に位置するときにローラ12を停止させ、その後にローラ12を再回転させる駆動手段50と、ステッピングモータ55のステップ数に基づきローラ12の停止時におけるシート材3の停止位置を特定する特定手段50と、その特定された停止位置に基づき、上記再回転された前記ローラによって搬送されるシート材に対する画像形成開始タイミングを制御する制御手段50と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、画像形成装置に関し、特にシート材への画像形成開始タイミングの制御に関する。
画像形成装置の中には、感光体の手前で一時的にシート材を停止させ、画像形成の準備が完了するのを待ってシート材を感光体に向けて再搬送するものがある(特許文献1参照)。例えば、画像形成装置には、上記感光体の上流側にセンサが設けられ、その更に上流側にレジストレーションローラが設けられている。レジストレーションローラは、給紙カセットから搬送されてきたシート材や手差しトレイから挿入されたシート材の搬送姿勢を補正し、その補正後にシート材を挟みつつ回転して当該シート材の先端を感光体側に突出させた状態で一時停止し、画像形成の準備が完了するまで待機する。画像形成の準備が完了すると、レジストレーションローラが再び回転し、シート材の先端が上記センサによって検出された時点から一定時間後に感光体の露光を開始するようにしている。なお、この露光の開始タイミングに応じてシート材への画像形成開始タイミングが決まることになる。
特開2006−47664公報
ところが、上記従来の画像形成装置では、レジストレーションローラの駆動機構によってシート材の停止位置がばらつくことがある。その結果、再び回転し始めたレジストレーションローラの加速途中でシート材の先端がセンサの検出領域を通過する場合と、定速に達した後にシート材が検出領域を通過する場合とが生じ得る。前者の場合と後者の場合とでは、シート材の先端が検出領域を通過してから上記露光開始タイミングに対応した位置に到達するまでの時間が異なるため、これに伴って画像形成開始タイミング、即ち、シート材への副走査方向における画像形成位置が変動してしまうという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、画像形成位置の変動を抑制することが可能な画像形成装置を提供するところにある。
上記の目的を達成するための手段として、第1の発明に係る画像形成装置は、シート材に画像を形成する画像形成手段と、ステッピングモータと、前記ステッピングモータからの駆動力を受けて回転し、前記シート材を前記画像形成手段へと搬送するローラと、前記シート材が前記画像形成手段に対する上流側に位置するときに前記ローラを停止させ、その後に前記ローラを再回転させる駆動手段と、前記ステッピングモータのステップ数に基づき前記ローラの停止時における前記シート材の停止位置を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された前記シート材の前記停止位置に基づき、前記再回転された前記ローラによって搬送される前記シート材に対する前記画像形成手段の画像形成開始タイミングを制御する制御手段と、を備える。
本発明によれば、ローラの駆動源としてステッピングモータを採用し、そのステップ数に基づいてローラの停止時におけるシート材の停止位置を特定する構成とした。これによりシート材の停止位置を正確に特定することができる。そして、その正確に特定された停止位置を基にシート材に対する画像形成開始タイミングを制御する構成であるから、画像形成位置の変動を抑制できる。
第2の発明は、第1の発明の画像形成装置であって、前記駆動手段は、前記ステッピングモータの駆動を入り切りすることで前記ローラの停止及び回転の切り替えをする構成である。
例えばステッピングモータを常時駆動させつつ、クラッチ機構によってローラの停止及び回転の切り替えをする構成でもよいが、本発明ではこのようなクラッチ機構を設けずにステッピングモータの駆動を直接入り切りすることでローラの停止及び回転の切り替えをする構成とした。従って、クラッチ機構に起因するステッピングモータのステップ数とシート材の実際の停止位置との誤差を抑制できる。
第3の発明は、第2の発明の画像形成装置であって、前記ローラの下流側に位置する搬送系の駆動源は、前記ローラの駆動源とは異なる。
本発明によれば、ローラの下流側に位置する搬送系の駆動源と、ローラの駆動源とは異なるから、ローラの停止中でも上記搬送系を駆動させることできる。
第4の発明は、第1から第3のいずれか一つの発明の画像形成装置であって、前記画像形成手段は、感光体と当該感光体を露光する露光手段とを備える構成であり、前記制御手段は、前記再回転の前に前記感光体の露光を開始させる。
本発明によれば、シート材の停止位置と感光体との距離を短くでき、これに伴って装置全体の小型化を図ることが可能となる。
第5の発明は、第1から第4のいずれか一つの発明の画像形成装置であって、前記制御手段は、前記特定手段によって特定された停止位置に基づき前記再回転の開始タイミングと、前記画像形成開始タイミングとの先後を決定する。
例えば搬送速度を変えることができる場合に、それに伴って停止位置が異なることがあるが、本発明によれば、各停止位置に基づき画像形成開始タイミングを適切なタイミングに変更することができる。
第6の発明は、第1から第4のいずれか一つの発明の画像形成装置であって、前記ローラは、前記シート材の斜行矯正ローラであり、前記ローラと前記画像形成手段との間に検出領域を有するセンサを備え、前記駆動手段は、シート材が前記センサにて検出された後に前記シート材を停止させ、前記特定手段は、前記センサによる前記シート材の検出時点からの前記ステップ数に基づき前記停止位置を特定する。
例えばローラの上流側にセンサを設けて、このセンサによるシート材の検出時点からのステップ数に基づき停止位置を特定する構成とすると、センサの検出領域と停止位置との距離が長い分だけ停止位置の特定に誤差が生じ得る。また、ローラにシート材が接触するときに位置ずれが生じることもあり得る。これに対して、本発明によればセンサをローラと画像形成手段との間に設けて、このセンサの検出時点からのステップ数に基づき停止位置を特定する構成であるから、精度よく停止位置を特定することができる。
本発明によれば、画像形成位置の変動を抑制できる。
本発明の一実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
(レーザプリンタの全体構成)
図1は、レーザプリンタ(以下、「プリンタ1」という。画像形成装置の一例。)の要部を示す側断面図である。なお、以下、図1で紙面右側をプリンタ1の前側、図1で紙面左側をプリンタ1の後側として説明する。図1において、プリンタ1は、本体フレーム2内に、用紙3(シート材の一例)を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
(1)フィーダ部
フィーダ部4は、給紙トレイ6と、用紙押圧板7と、給紙ローラ8と、分離ローラ9と、レジストレーションローラ12(ローラ、斜行矯正ローラの一例)とを備えている。用紙押圧板7は、その後端部を中心に回転可能とされており、この用紙押圧板7上の最上位にある用紙3が給紙ローラ8に向かって押圧されている。そして、用紙押圧板7上の用紙3は、その給紙ローラ8の回転によって給紙され、回転する分離ローラ9にて1枚毎に分離されてレジストレーションローラ12へと搬送される。
搬送された用紙3は、レジストレーションローラ12によって斜行が矯正された後に転写位置X1に送られる。なお、この転写位置X1は、用紙3に感光ドラム27上のトナー像を転写する位置であって、感光ドラム27(感光体の一例)と転写ローラ30(転写手段の一例)との接触位置とされる。
また、本体フレーム2の前面には手差し挿入口2Aが開口形成されており、この手差し挿入口2Aから用紙3をユーザが手差しで挿入することもできる。更に、プリンタ1には用紙3の搬送経路上の各位置で、搬送される用紙3の先端を検出するための第1センサ22及び第2センサ23が設けられている。第1センサ22は、用紙3の搬送経路中においてレジストレーションローラ12の上流側の位置(図3〜5のX3参照)を検出領域とする。第2センサ23(センサの一例)はレジストレーションローラ12と上記転写位置X1との間の位置(図3〜5のX5)を検出領域とする。なお、本実施形態では第1センサ22及び第2センサ23は光学式のセンサであるが、これに限らず、例えば用紙3と接触することで揺動する揺動部材を有して、この揺動部材の変位に基づき用紙3の先端を検出する機械的なセンサなどであってもよい。
(2)画像形成部
画像形成部5(画像形成手段の一例)は、スキャナ部16、プロセスカートリッジ17および定着部18を備えている。
スキャナ部16(露光手段の一例)は、レーザ発光部(図示せず)、ポリゴンミラー19等を備えている。レーザ発光部から出射されたレーザ光は、ポリゴンミラー19によって偏向されつつ感光ドラム27の表面上に照射される。
また、プロセスカートリッジ17は、現像ローラ31(現像手段の一例)、感光ドラム27、スコロトロン型の帯電器29及び転写ローラ30を備えている。帯電器29は、感光ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させる。その後、感光ドラム27の表面は、スキャナ部16からのレーザ光により露光され、静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像は、現像ローラ31の表面上に担持されたトナーが供給されることで現像化される。転写ローラ30は、転写動作時に転写バイアスが印加されることで、感光ドラム27上に形成された現像剤像を用紙3上に転写する。
定着部18は、用紙3上のトナーを、用紙3が加熱ローラ41と押圧ローラ42との間を通過する間に熱定着させる。その熱定着後の用紙3は排紙パス44を介して排紙ローラ45によって排紙トレイ46上に排紙される。
(ハードウエア構成)
図2は、プリンタ1のハードウエア構成の一部を示すブロック図である。
コントローラ50はCPU51、ROM52及びRAM53を備え、プリンタ1の全体の制御を行う役割を果たす。
具体的には、コントローラ50はメインモータ54及び給紙モータ55の駆動の入り切りを制御する。このとき、コントローラ50は駆動手段として機能する。給紙モータ55はステッピングモータで構成されている。ステッピングモータは、コントローラ50から出力されるパルス信号の各パルスが入力されるごとに一定角度(ステップ角)ずつ回転するモータであり、モータの回転制御(回転角度、回転速度)を一定角度のパルス数とその周波数で行うことができる。なお、メインモータ54は本実施形態ではステッピングモータであるが、DCモータなどであってもよい。
メインモータ54(ローラの下流側に位置する搬送系の駆動源の一例)は、レジストレーションローラ12よりも下流側に位置する搬送系に駆動力を与える。この下流側に位置する搬送系とは、例えば感光ドラム27、転写ローラ30、現像ローラ31、加熱ローラ41、押圧ローラ42及び排紙ローラ45である。一方、給紙モータ55(ローラの駆動源の一例)は、レジストレーションローラ12、及び、当該レジストレーションローラ12よりも上流側に位置する搬送系に駆動力を与える。この上流側に位置する搬送系とは例えば給紙ローラ8、分離ローラ9である。
また、コントローラ50は第1ソレノイドスイッチ56及び第2ソレノイドスイッチ57のオンオフ制御を行う。第1ソレノイドスイッチ56は、オフされている時に給紙モータ55の駆動力を上記上流側に位置する搬送系等に伝達し、オンされている時にその伝達を解除する。また、第2ソレノイドスイッチ57は、オフされているときに給紙モータ55の駆動力をレジストレーションローラ12に伝達し、オンされている時にその伝達を解除する。
また、コントローラ50は第1センサ22及び第2センサ23からの検出信号を受ける。更に、コントローラ50はバイアス回路58、スキャナ部16及び定着部18の制御を行う。バイアス回路58は、現像ローラ31に現像バイアス、帯電器29に帯電バイアス、転写ローラ30に転写バイアスをそれぞれ印加する役割を果たす。
(露光開始タイミングの制御)
コントローラ50は、給紙モータ55及びスキャナ部16を制御して感光ドラム27に対するスキャナ部16の露光開始タイミングを制御している。本実施形態のプリンタ1では、搬送速度の設定等に関する各種のモード(例えば高速モード、低速モード、手差しモードなど)に応じて図3から図5に示す3つパターン1〜3の状況が起こり得る。本実施形態では、レジストレーションローラ12による用紙3の搬送速度と、感光ドラム27の回転速度とが略一致している。ここで、各図の符号X2は、転写位置X1を原点として、用紙3の搬送方向上流側に向かって距離Eだけ移動した位置を示している。また、この距離Eは、感光ドラム27上においてスキャナ部16の露光点から転写位置X1までの円弧長Fと同一としている。つまり、符号X2は、レジストレーションローラ12による用紙3の搬送速度と、感光ドラム27の回転速度とが略一致した状態において、ある瞬間に行われたスキャナ部16の露光による現像剤像が、用紙3のどの位置に転写されるかの対応関係を示す位置であり、以下、符号X2を仮想露光位置という。なお、各図で仮想露光位置X2と第2センサ23の検出領域X5との間の距離Aは同じ(例えば300mm)である。
ここで、本実施形態のプリンタ1は、例えばコントローラ50における画像形成の準備(例えば画像データの展開処理など)が完了するまで、レジストレーションローラ12の回転を一時停止させて用紙3の先端を転写位置X1よりも上流側で停止させることがある。この場合、画像形成の準備が完了した後にレジストレーションローラ12を再回転させて転写位置X1への用紙3の搬送を再開することになる。そして、本実施形態では、給紙モータ55の駆動を直接入り切りすることでレジストレーションローラ12の上記一時停止及び再回転を行うため、用紙3の搬送速度は常に一定ではなく、一時停止の際には減速段階が存在し、再回転の際には加速段階が存在する。また、遅くとも用紙3の先端(正確には画像形成を開始すべき所定の箇所)が転写位置X1に到達するまでには給紙モータ55が定速段階に達している必要がある。さもなければ用紙3上において副走査方向における走査ライン間の間隔が不均一になってしまい画像品質が低下してしまうからである。なお、感光ドラム27及び転写ローラ30はメインモータ54からの駆動力を受けて、用紙3が転写位置X1に到達する事前に定速段階で回転しているものとする。
コントローラ50は、以上の点を考慮して各パターンに応じた制御を実行する。
(1)パターン1について
図3に示すパターン1は、給紙モータ55の再回転により用紙3の搬送が再開された後、給紙モータ55(用紙3の搬送速度)が目標の搬送速度(例えば100mm/sec)に達した定速段階になってから露光開始すればよいパターンである。図6にはコントローラ50によるパターン1に対する制御内容が示されている。
例えば低速モードに設定され、給紙トレイ6から用紙3が給紙される場合、給紙モータ55は既に回転し、第1ソレノイドスイッチ56はオフしているため、給紙ローラ8及び分離ローラ9の回転により用紙3がレジストレーションローラ12へと搬送される。一方、第2ソレノイドスイッチ57はオンしておりレジストレーションローラ12は停止している。このため、その用紙3の先端が停止しているレジストレーションローラ12に突き当たる。この搬送過程で、第1センサ22はレジストレーションローラ12の手前の検出領域X3で用紙3の先端を検出し、この検出信号をコントローラ50が受ける(S1:Y)。その後、コントローラ50はS2で第1待機時間(例えば1sec)だけ待つ。このとき、第2ソレノイドスイッチ57はまだオンしておりレジストレーションローラ12は停止している。従って、上記第1待機時間中に、用紙3はその先端がレジストレーションローラ12に突き当たり(図3中の位置X4)、且つ、分離ローラ9の搬送力により後方に向けて押し込まれた状態になるため、搬送方向に沿った向きに用紙3の姿勢を補正(斜行矯正)することができる。
コントローラ50は、上記第1待機時間経過後に第2ソレノイドスイッチ57をオフし(S3)、給紙モータ55からの駆動力によってレジストレーションローラ12が回転し、用紙3を挟み込みつつ転写位置X1側へと搬送し始める。その後、第2センサ23が検出領域X5で用紙3の先端を検出し、その検出信号をコントローラ50が受ける(S4:Y)。すると、コントローラ50は、S5で給紙モータ55に減速のパルス信号(周波数を逓減させたパルス信号)を与える。これにより給紙モータ55及びレジストレーションローラ12が減速段階に入り、最終的に停止する。パターン1では用紙3の先端は検出領域X5から距離B1(例えば15mm その間の移動時間200ms)だけ下流側の位置X6に停止している。
ここで、本実施形態では、レジストレーションローラ12の駆動源としての給紙モータ55はステッピングモータである。従って、コントローラ50は、上記減速のパルス信号を給紙モータ55に与えることにより、用紙3の先端を所定の停止位置X6に正確に停止させることができる。そして、コントローラ50は、上記減速のパルス信号のパルス数(ステップ数)、上記ステップ角及びレジストレーションローラ12の径に基づき上記停止位置X6を正確に特定することができる。このとき、コントローラ50は特定手段として機能する。
次に、コントローラ50は、S6で上記画像形成の準備が完了したかどうかを判断し、完了したと判断した場合には(S6:Y)、S7で給紙モータ55に加速のパルス信号(周波数を逓増させたパルス信号)に続いて定速のパルス信号(周波数が一定のパルス信号)を与える。これにより給紙モータ55及びレジストレーションローラ12が再回転し加速段階に入り、用紙3の搬送が再開する。
このパターン1では、用紙3の先端が停止位置X6から距離C1(例えば10mm その間の移動時間150ms)だけ下流側の位置X7(仮想露光位置X2の上流側)に達した時点で加速段階から定速段階に移行する。その後、用紙3の先端が位置X7から距離D1(例えば5mm その間の移動時間50ms)だけ下流側の仮想露光位置X2に達した時点で、感光ドラム27に対するスキャナ部16の露光を開始すればよい。
そこで、コントローラ50は、S7で給紙モータ55に加速のパルス信号を与えた時点から第2待機時間だけ経過したときに(S8:Y)、スキャナ部16に、上記画像形成の準備中に形成された展開データに基づくビデオ信号を与えて感光ドラム27に対する露光を開始する(S9)。上記第2待機時間は、上記距離C1の移動時間(150ms)と距離D1の移動時間(50ms)とを足した時間(200ms)である。これにより、転写位置X1において、用紙3上の上記所定の箇所から感光ドラム27上の現像剤像を転写して画像形成することができる。このときコントローラ50は制御手段として機能する。
その後、用紙3の後端が第2センサ23の検出領域X5を通過するときにコントローラ50は第2センサ23から上記検出信号を受けなくなる(S10:Y)。するとコントローラ50は給紙モータ55の駆動を停止し(S11)、図6に示す制御を終了する。
(2)パターン2
図4に示すパターン2は、用紙3の搬送の再開後、給紙モータ55(用紙3の搬送速度)の加速段階中に露光開始せざるをえないパターンである。なお、プリンタ1は各種の画像形成条件によって用紙3の搬送速度を変えることがある。例えば用紙3が通常のコピー用紙である場合には高速モードを実行する一方で、用紙3が厚紙であり定着部18での熱定着性を向上させる場合や、副走査方向の画像解像度を向上させる場合には、上記高速モードよりも用紙3の搬送速度を遅くした上記低速モードを実行するようになっている。このように用紙3の搬送速度を変えることでパターン1(例えば低速モード時)になったりパターン2(高速モード時)になったりする。具体的には、高速モードの場合は、低速モードに比べて搬送速度が速い。このため、高速モードでは、パターン2のように、減速段階の移動距離(検出領域X5から停止位置X8までの距離B2)が、低速モード(パターン1)における減速段階の移動距離(検出領域X5から停止位置X6までの距離B1)よりも長くなる。また、同様に、高速モードでは、パターン2のように、加速段階の移動距離(停止位置X8から下流側の位置X9までの距離C2)が、低速モード(パターン1)における加速段階の移動距離(停止位置X6から下流側のX7までの距離C1)よりも長くなる。
図7にはコントローラ50によるパターン2に対する制御内容が示されている。なお、図6との相違点は給紙モータ55の再駆動(S7)時から露光開始までの待機時間が異なるだけであり、他のステップについては同じ処理であるから図面上同じ符号を付して説明を割愛する。
パターン2では用紙3の先端は検出領域X5から距離B2(例えば25mm その間の移動時間350ms)だけ下流側の位置X8に停止する。また、用紙3の先端が停止位置X8から距離C2(例えば20mm その間の移動時間300ms)だけ下流側の位置X9(仮想露光位置X2の下流側)に達した時点で加速段階から定速段階に移行する。この位置X9は仮想露光位置X2から距離D2(例えば15mm その間の移動時間150ms)だけ下流側に位置する。
そこで、コントローラ50は、S7で給紙モータ55に加速のパルス信号を与えた時点から第3待機時間だけ経過したときに(S21:Y)、スキャナ部16に、上記ビデオ信号を与えて感光ドラム27に対する露光を開始する。上記第3待機時間は、距離C2の加速段階に要する時間(300ms)から距離D2の加速段階に要する時間(150ms)を差し引いた時間(150ms)である。これにより、転写位置X1において、用紙3上の上記所定の箇所から感光ドラム27上の現像剤像を転写して画像形成することができる。
(3)パターン3
図5に示すパターン3は、用紙3の搬送を再開する前に露光開始せざるをえないパターンである。なお、用紙3の搬送の再開後、加速段階終了時に用紙3の先端が仮想露光位置X2よりも下流側に位置していることを前提条件として、加速段階に要する時間(C2,C3)が、仮想露光位置X2と加速段階終了時の位置との間の距離(D2,D3)を上記目標の搬送速度で搬送したときの所要時間よりも長い場合にはパターン2となり、同時間以下の場合にはパターン3となる。
具体的には、パターン3はユーザが1枚の用紙3を手差し挿入口20Aから挿入して給紙する手差しモードの場合である。この場合、手差しモードでは、給紙トレイ6からの給紙の場合に比べてレジストレーションローラ12に用紙3を確実に挟み込ませ、用紙3を安定して保持する必要であるため、パターン3のように、減速段階の移動距離(検出領域X5から停止位置X10までの距離B3)は、低速モードにおける距離B1及び高速モードにおける距離B2よりも更に長く設定されている。手差しモードにおける用紙3の搬送速度は、低速モードと同じ搬送速度で動作するよう構成しているため、加速段階の移動距離(停止位置X10から下流側の位置X11までの距離C3)は、低速モードにおける距離C1と同じ値に設定されている。
図8にはコントローラ50によるパターン3に対する制御内容が示されている。なお、図6との相違点は、給紙モータ55の駆動タイミング、第2ソレノイドスイッチ57のオンオフタイミング、給紙モータ55の再駆動よりも前に露光開始することと、その露光開始時から給紙モータ55の再駆動までの待機時間が異なり、他のステップについては同じ処理であるから図面上同じ符号を付して説明を割愛する。
まず、ユーザは1枚の用紙3を手差し挿入口20Aから挿入していき、その用紙3の先端をレジストレーションローラ12に突き当てる。この挿入過程で、第1センサ22はレジストレーションローラ12の手前の検出領域X3で用紙3の先端を検出し、この検出信号をコントローラ50が受ける(S1:Y)。その後、コントローラ50はS2で第1待機時間(例えば1sec)だけ待つ。このとき、給紙モータ55はまだ駆動されておらず、レジストレーションローラ12は停止している。従って、上記第1待機時間中に、用紙3はその先端がレジストレーションローラ12に突き当たり(図3中の位置X4)、且つ、ユーザにより手差し挿入口20A側から後方に向けて押し込まれた状態になるため、搬送方向に沿った向きに用紙3の姿勢を補正(斜行矯正)することができる。
コントローラ50は、上記第1待機時間経過後に給紙モータ55の回転駆動を開始する(S3')。このとき、既に、第2ソレノイドスイッチ57はオフしており、給紙モータ55からの駆動力をレジストレーションローラ12に伝達可能になっているため、給紙モータ55の回転駆動の開始と同時にレジストレーションローラ12も回転し、用紙3を挟み込みつつ転写位置X1側へと搬送し始める。その後、第2センサ23が検出領域X5で用紙3の先端を検出し、その検出信号をコントローラ50が受ける(S4:Y)。すると、コントローラ50は、S5で給紙モータ55に減速のパルス信号(周波数を逓減させたパルス信号)を与える。
パターン3では用紙3の先端は検出領域X5から距離B3(例えば40mm その間の移動時間500ms)だけ下流側の位置X10(仮想露光位置X2の下流側)に停止する。また、用紙3の先端が停止位置X10から距離C3(例えば10mm その間の移動時間150ms)だけ下流側の位置X11に達した時点で加速段階から定速段階に移行する。この位置X11は仮想露光位置X2から距離D3(例えば20mm その間の移動時間200ms)だけ下流側に位置する。
そこで、コントローラ50は、画像形成の準備が完了(S6:Y)した後に、まずS9で露光を開始(上記図6のS9と同様)し、それから第4待機時間だけ経過したときに(S32:Y)、S33で給紙モータ55に加速のパルス信号を与える。上記第4待機時間は、距離D3の搬送に要する時間(200ms)から距離C3の加速段階に要する時間(150ms)を差し引いた時間(50ms)である。これにより、転写位置X1において、用紙3上の上記所定の箇所から感光ドラム27上の現像剤像を転写して画像形成することができる。
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、レジストレーションローラ12の駆動源としてステッピングモータを採用し、そのステップ数(パルス数)に基づいてレジストレーションローラ12の停止時における用紙3の停止位置(X6,X8,X10)を特定する構成とした。これにより用紙3の停止位置を正確に特定することができる。そして、この停止位置が正確に特定できるからこそ、当該停止位置を基準に予め設定した待機時間(第2から第4の待機時間)に基づく制御によって副走査方向における用紙3上の画像形成位置の変動を抑制できる。
なお、第2センサ23の検出領域X5と仮想露光位置X2との距離を長くすれば、あらゆるモードにおいて例えばパターン1にすることが可能であるが、そうすると、装置の大型化に繋がるおそれがあり好ましくない。また、給紙モータ55にステッピングモータの代わりに例えば直流モータ(DCモータ)及びエンコーダを利用し、エンコーダからのパルス信号に基づき用紙3の停止位置を測定する構成も考えられるが、DCモータは追従遅れ等による影響で、上記ステッピングモータを採用する本実施形態ほどの効果を得ることができない。
例えば給紙モータ55を用紙3が転写位置X1に到達する事前に定速段階で駆動させつつクラッチ機構でレジストレーションローラ12の一時的停止及び再回転を行う構成であってもよい。この場合には、例えば用紙3の先端が第1センサ22または第2センサ23にて検出された時点からクラッチ機構によってレジストレーションローラ12を一時停止させるまでにコントローラ50が給紙モータ55に与えたパルス信号のパルス数に基づき用紙3の先端の停止位置を特定することになる。
また、給紙モータ55を用紙3が転写位置X1に到達する事前に定速段階で駆動させるため、上記実施形態とは異なり一時停止及び再回転時に加減速段階が存在することはない。しかし、コントローラ50からの停止指令に対する、クラッチ機構の機械的な動作遅れに起因して、上記パルス数に基づき特定される停止位置と、実際の停止位置との誤差が生じるおそれがある。これに対して本実施形態ではこのようなクラッチ機構を設けずに給紙モータ55の駆動を直接入り切りすることでレジストレーションローラ12の停止及び回転の切り替えをする構成とした。従って、クラッチ機構に起因する上記誤差を抑制できる。
更に、本実施形態によれば、レジストレーションローラ12の下流側に位置する搬送系の駆動源(メインモータ54)と、レジストレーションローラ12の駆動源(給紙モータ55)とが異なるから、給紙モータ55の駆動を直接入り切りすることでレジストレーションローラ12の停止及び回転の切り替えをしつつ、これとは独立に画像形成済みの用紙3の搬送を続行することができる。
また、パターン3では、用紙3の搬送の再開前に露光を開始する構成であるから、用紙3の停止位置と感光ドラム27との距離を短くでき、これに伴って装置全体の小型化を図ることが可能となる。
また、各モードに応じて搬送速度が変わる場合に、それに伴って停止位置が異なることがあるが、本実施形態によれば、各停止位置に基づき画像形成開始タイミング(露光開始タイミング)を適切なタイミングに変更することができる。具体的には、上記実施形態では、用紙3の停止位置によってレジストレーションローラ12の再回転後に露光をするのか(パターン1)、露光後にレジストレーションローラ12の再回転するのか(パターン2,3)を切り替えている。
また、例えばレジストレーションローラ12の上流側の第1センサ22による用紙3の検出時点からのステップ数に基づき停止位置を特定する構成であってもよい。しかし、本実施形態に比べてセンサの検出領域と停止位置との距離が長い分だけ停止位置の特定に誤差が生じ得る。また、レジストレーションローラ12に用紙3が接触するときに位置ずれが生じることもあり得る。これに対して、本実施形態によればレジストレーションローラ12の下流側の第2センサ23の検出時点からのステップ数に基づき停止位置を特定する構成であるから、精度よく停止位置を特定することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態はレーザプリンタに適用した例であったが、これに限らず、インクジェットプリンタにも適用することができる。この場合、画像形成タイミングとはインクノズルからシート材にインクを吐出するタイミングである。
(2)上記実施形態ではセンサによる用紙の検出をトリガとして、その検出時点からのパルス信号のパルス数に基づき用紙3の先端の停止位置を特定する構成であった。しかし、用紙3の搬送開始当初からレジストレーションローラ12の回転に連動して用紙3が搬送移動する構成であれば、その搬送当初からのパルス数から用紙3の停止位置を特定できるため、センサが不要となる。
(3)「ローラ」として、上記実施形態ではレジストレーションローラ12を例に挙げて説明したが、一時停止及び再回転する、用紙3の搬送用ローラであれば他のローラ(例えば両面機構の搬送経路中のローラなど)であってもよい。
(4)上記実施形態では、1つのプリンタ1において上記パターン1〜3の状況が生じ、それぞれに対応する制御を行う構成であったが、これに限らず、1つのプリンタにおいて1〜3のパターンのうちの1または2つのパターンのみに対応する制御を行う構成であってもよい。
本発明の一実施形態に係るプリンタの要部構成を示す側断面図 プリンタのハードウエア構成の一部を示すブロック図 パターン1を示す感光ドラム、転写ローラ及びレジストレーションローラ等の模式図 パターン2を示す感光ドラム、転写ローラ及びレジストレーションローラ等の模式図 パターン3を示す感光ドラム、転写ローラ及びレジストレーションローラ等の模式図 パターン1に対する制御内容を示すフローチャート パターン2に対する制御内容を示すフローチャート パターン3に対する制御内容を示すフローチャート
符号の説明
1…プリンタ(画像形成装置)
3…用紙(シート材)
5…画像形成部(画像形成手段)
12…レジストレーションローラ(ローラ、斜行矯正ローラ)
16…スキャナ部(露光手段)
23…第2センサ(センサ)
27…感光ドラム(感光体)
50…コントローラ(特定手段、制御手段、駆動手段)
54…メインモータ(ローラの下流側に位置する搬送系の駆動源)
55…給紙モータ(ローラの駆動源)
X6,X8,X10…停止位置

Claims (6)

  1. シート材に画像を形成する画像形成手段と、
    ステッピングモータと、
    前記ステッピングモータからの駆動力を受けて回転し、前記シート材を前記画像形成手段へと搬送するローラと、
    前記シート材が前記画像形成手段に対する上流側に位置するときに前記ローラを停止させ、その後に前記ローラを再回転させる駆動手段と、
    前記ステッピングモータのステップ数に基づき前記ローラの停止時における前記シート材の停止位置を特定する特定手段と、
    前記特定手段によって特定された前記シート材の前記停止位置に基づき、前記再回転された前記ローラによって搬送される前記シート材に対する前記画像形成手段の画像形成開始タイミングを制御する制御手段と、を備える画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置であって、
    前記駆動手段は、前記ステッピングモータの駆動を入り切りすることで前記ローラの停止及び回転の切り替えをする構成である。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置であって、
    前記ローラの下流側に位置する搬送系の駆動源は、前記ローラの駆動源とは異なる。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
    前記画像形成手段は、感光体と当該感光体を露光する露光手段とを備える構成であり、
    前記制御手段は、前記再回転の前に前記感光体の露光を開始させる。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
    前記制御手段は、前記特定手段によって特定された停止位置に基づき前記再回転の開始タイミングと、前記画像形成開始タイミングとの先後を決定する。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
    前記ローラは、前記シート材の斜行矯正ローラであり、
    前記ローラと前記画像形成手段との間に検出領域を有するセンサを備え、
    前記駆動手段は、シート材が前記センサにて検出された後に前記シート材を停止させ、
    前記特定手段は、前記センサによる前記シート材の検出時点からの前記ステップ数に基づき前記停止位置を特定する。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011197047A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2016128877A (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 キヤノン株式会社 画像形成システム、画像形成装置及び後処理装置

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