本発明は、半導体基板、液晶表示器のガラス基板、フォトマスク用のガラス基板、光ディスク用の基板(以下、単に基板と称する)に対して基板処理を行う基板処理方法およびその装置に係り、特に、基板に処理液を供給する、または基板の処理面に物理的に接触して洗浄を行う技術に関する。
基板に処理液を供給する処理液供給手段として、基板の中心付近(センタ)と周縁部(エッジ)との間を走査しながら処理液として洗浄液を供給するスキャンノズルが挙げられるとともに、基板の処理面に物理的に接触して洗浄を行う接触型洗浄手段として、基板の中心付近と周縁部との間を走査しながらスクラブ洗浄を行うブラシが挙げられる。このようなスキャンノズルやブラシでは基板を水平面内で回転させながら走査を行う。スキャンノズルやブラシの走査速度は一定、あるいは基板の中心から離れるにしたがって速度が次第に小さくなる(減速する)ように一定の速度変化率でリニアに(すなわち直線的に)変化させている(例えば、特許文献1、特許文献3参照)。また、上述した走査速度を基板の中心からの距離に応じて放物線状に加速あるいは減速させるものもある(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−113429号公報(第2,3,6頁、図9)
特開平9−148295号公報(第1−5頁、図3,6)
特開2002−66467号公報(第2−4,6,7頁、図10)
しかしながら、基板の中心から離れるにしたがって基板の面積が大きくなるので、一定の速度で走査すると基板の中心から離れるにしたがって単位面積当たりの洗浄時間が短くなって、周縁部での洗浄効率が悪くなる。そこで、上述した特許文献1、特許文献3のように基板の中心から離れるにしたがって一定の速度変化率でリニアに減速すると、周縁部での洗浄効率は一定の速度のときよりも向上するが、中心付近と周縁部との中間付近で洗浄効率が悪くなることが判明した。なお、上述した特許文献2のように速度を放物線状に変更しても、放物線が予め決定されたパターンであるので、全ての基板や基板の水平面内での回転条件に対応できるものでない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって基板にまんべんなく処理液を供給するあるいは洗浄を行う基板処理装置およびその方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意研究した結果、次のような知見を得た。
図10は本発明に至った知見を説明するための図であって、図10(a)は側面図、図10(b)は平面図である。水平面内で回転する基板上を1本のスキャンノズルが走査することについて考えてみる。図10(a)に示すように、スキャンノズル101の洗浄幅をwとする。図10(a)では説明の便宜上、基板Wの半径の長さを洗浄幅wで割った数のスキャンノズル101を洗浄幅wが重ならないように並べると、それぞれの洗浄領域は図10(b)に示すように洗浄幅wの円環状となる。
円環状の各洗浄領域における面積Sは、基板Wの中心から洗浄幅wの中間点までの距離をrとすると、洗浄幅wが狭いことから近似すると、下記(1)式のようになる。
S=r×w … (1)
ここで、この円環状の洗浄領域を洗浄する時間について考えてみる。基板Wの中心から周縁部までの距離、すなわち基板Wの半径をRとし、基板Wが基板Wの半径Rを移動する時間をtとすると、スキャンノズル101の移動速度(走査速度)vは、下記(2)式のようになる。
v=R/t … (2)
したがって、速度vで基板Wの半径Rを走査する条件の場合、円環状の各洗浄領域の幅wを移動する時間tWは、下記(3)式のようになる。
tW =w/v … (3)
この移動時間tWが、円環状の洗浄領域全体を洗浄する時間となる。また、中心と周縁部とでこの時間tWに差はない。したがって、基板Wの単位面積当たりの洗浄時間tCは、洗浄幅wを移動する時間tWと、各洗浄領域における面積Sとを用いると、下記(4)式のようになる。
tC =tW /S … (4)
この(4)式と(3)式とを用いると、単位面積当たりの洗浄時間tCは下記(5)式のようになり、
tC =w/(v×S) … (5)
この(5)式と(1)式とを用いると、単位面積当たりの洗浄時間tCは下記(6)式のようになり、
tC =1/(v×r) … (6)
この(6)式と(2)式とを用いると、単位面積当たりの洗浄時間tCは下記(7)式のようになる。
tC =t/(R×r) … (7)
スキャンノズル101が基板Wに与える単位面積当たりのエネルギEは、この単位面積当たりの洗浄時間tCに比例すると考えられ、比例定数をkとしたときには、下記(8)式のようになる。
E=k×t/(R×r) … (8)
半径Rの移動時間tおよび半径Rは一定であるので、上記(8)式よりエネルギEは1/rに比例、すなわちエネルギEは基板Wの中心から洗浄幅wの中間点までの距離rに反比例すると考えられる。
ここではスキャンノズル101の移動速度vが一定であるとして説明したが、移動速度vが可変の場合でも上記(6)式より速度vのときにおける単位面積当たりの洗浄時間のtCを求めることができる。中心での速度をV0とし、周縁部での速度をV1としたとき、スキャンノズル101の移動速度vは下記(9)式のようになる。
v=(V1 −V0 )/R×r+V0 … (9)
上記(9)式を(6)式に代入すると、単位面積当たりの洗浄時間tCは下記(10)式のようになる。
tC =1/{(V1 −V0 )/R×r2 +V0 ×r} … (10)
上記(10)式から単位面積当たりの洗浄時間のtCを求めることができる。
なお、移動速度vが一定の場合にはエネルギEは距離rに反比例するが、単位面積当たりのエネルギEを一定、すなわち単位面積当たりの洗浄時間tCを一定にする場合には、半径Rの移動時間tを距離rに応じて可変にすればよい。つまり、基板Wの中心から離れる場合には距離rが長くなるのでそれに比例して移動時間tが長くなるようにし、基板Wの中心に向かう場合には距離rが短くなるのでそれに比例して移動時間tが短くなるようにする。移動時間が長くなるということはそれに反比例して移動速度が減速することになり、移動時間が短くなるということはそれに反比例して移動速度が加速することになる。したがって、基板Wにまんべんなく処理液(ここでは洗浄液)を供給するあるいは洗浄を行うためには単位面積当たりの洗浄時間tCを一定にすべく距離rに反比例するようにスキャンノズル101の速度を設定すればよい。
上述した知見が得られる一方、基板Wの中心においては上述したエネルギEが無限大になり、エネルギE(または単位面積当たりの洗浄時間tC)を一定にした場合には基板Wの中心においてはスキャンノズル101の速度は無限大になってしまう。したがって、実際には反比例の式を利用して、速度が距離rにほぼ反比例するように、設定すべき特定箇所間で速度を一定の速度変化率で直線的に変化させればよい。
また、このことから反比例に必ずしも設定する必要はなく、基板Wにまんべんなく処理液を供給するあるいは洗浄を行うような速度に設定すればよい。すなわち、反比例に変更しなくとも、基板Wの中心付近と周縁部との間に少なくとも1つ定められた特定個所で、スキャンノズル101の速度が所定速度となり、基板の中心付近から特定個所の間では、スキャンノズル101が基板Wの中心から離れるにしたがって移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の移動速度を基準として、移動速度を第1の速度変化率で直線的に変化させ、特定個所から基板Wの周縁部の間では、スキャンノズル101が基板Wの中心から離れるにしたがって移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の移動速度を基準として、相対移動速度を第2の速度変化率で直線的に変化させ、第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定すれば(図5中の点線)、基板Wにまんべんなく処理液を供給するあるいは洗浄を行うことができるという知見をも得た。
なお、第1の速度変化率と第2の速度変化率とが等しい場合には、特許文献1、特許文献3のように基板Wの中心から周縁部まで一定の速度変化率でリニアに減速してしまい、上述したように中心付近と周縁部との中間付近で洗浄効率が悪くなる。一方、第2の速度変化率が第1の速度変化率よりも大きくなるように設定すると、中心付近と周縁部との間のいずれかの箇所で洗浄効率が悪くなる。したがって、第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定するのが前提となる。
このような知見に基づくこの発明は、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板を水平面内で回転させながら基板に処理液を供給して基板の処理を行う基板処理方法であって、基板に処理液を供給する処理液供給手段が、基板の中心付近と周縁部との間で処理液を供給しながら相対移動する際に、その相対移動速度が次のように定められている、(A)基板の中心付近と周縁部との間に少なくとも1つ定められた特定個所で、前記相対移動速度が所定速度となり、(B)基板の中心付近から特定個所の間では、処理液供給手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第1の速度変化率で直線的に変化させ、(C)特定個所から基板の周縁部の間では、処理液供給手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第2の速度変化率で直線的に変化させ、(D)第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、基板を水平面内で回転させながら基板に処理液を供給して基板の処理を行う場合において、基板に処理液を供給する処理液供給手段が、基板の中心付近と周縁部との間で処理液を供給しながら相対移動する際に、(A)基板の中心付近と周縁部との間に少なくとも1つ定められた特定個所で、相対移動速度が所定速度となり、(B)基板の中心付近から特定個所の間では、処理液供給手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第1の速度変化率で直線的に変化させ、(C)特定個所から基板の周縁部の間では、処理液供給手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第2の速度変化率で直線的に変化させ、(D)第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されている。このように上述した特定箇所で相対移動速度を所定速度に設定し、特定箇所を基準とした各位置で相対移動速度を変化させることで、従来のように中心付近と周縁部との全範囲において距離に応じて相対速度を直線的に変更する場合や、距離に応じて相対速度を予め決定された放物線状に変更する場合と比較して速度を柔軟に変更することができる。その結果、基板にまんべんなく処理液を供給することができる。
また、請求項2に記載の発明は、基板を水平面内で回転させながら基板に処理液を供給して基板の処理を行う基板処理方法であって、基板に処理液を供給する処理液供給手段が、基板の中心付近と周縁部との間で処理液を供給しながら相対移動する際に、その相対移動速度が次のように定められている、(E)基板の中心付近と周縁部との間に定められた複数個の特定箇所で、前記相対移動速度が所定速度となり、(F)各特定箇所における相対移動速度が、基板の中心からの距離に反比例するように設定されていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、基板を水平面内で回転させながら基板に処理液を供給して基板の処理を行う場合において、基板に処理液を供給する処理液供給手段が、基板の中心付近と周縁部との間で処理液を供給しながら相対移動する際に、(E)基板の中心付近と周縁部との間に定められた複数個の特定箇所で、相対移動速度が所定速度となり、(F)各特定箇所における相対移動速度が、基板の中心からの距離に反比例するように設定されている。このように上述した各特定箇所における相対移動速度を、基板の中心からの距離に反比例するように設定することで、単位面積当たりの処理液の供給時間をほぼ一定にすることができて、基板にまんべんなく処理液を供給することができる。
また、請求項3に記載の発明は、基板を水平面内で回転させながら基板を洗浄して基板の処理を行う基板処理方法であって、基板の処理面に物理的に接触して洗浄を行う接触型洗浄手段が、基板の中心付近と周縁部との間で接触しながら相対移動する際に、その相対移動速度が次のように定められている、(a)基板の中心付近と周縁部との間に少なくとも1つ定められた特定個所で、前記相対移動速度が所定速度となり、(b)基板の中心付近から特定個所の間では、接触型洗浄手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第1の速度変化率で直線的に変化させ、(c)特定個所から基板の周縁部の間では、接触型洗浄手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第2の速度変化率で直線的に変化させ、(d)第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項3に記載の発明によれば、基板を水平面内で回転させながら基板を洗浄して基板の処理を行う場合において、基板の処理面に物理的に接触して洗浄を行う接触型洗浄手段が、基板の中心付近と周縁部との間で接触しながら相対移動する際に、(a)基板の中心付近と周縁部との間に少なくとも1つ定められた特定個所で、相対移動速度が所定速度となり、(b)基板の中心付近から特定個所の間では、接触型洗浄手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第1の速度変化率で直線的に変化させ、(c)特定個所から基板の周縁部の間では、接触型洗浄手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第2の速度変化率で直線的に変化させ、(d)第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されている。このように上述した特定箇所で相対移動速度を所定速度に設定し、特定箇所を基準とした各位置で相対移動速度を変化させることで、従来のように中心付近と周縁部との全範囲において距離に応じて相対速度を直線的に変更する場合や、距離に応じて相対速度を予め決定された放物線状に変更する場合と比較して速度を柔軟に変更することができる。その結果、基板にまんべんなく洗浄を行うことができる。
また、請求項4に記載の発明は、基板を水平面内で回転させながら基板を洗浄して基板の処理を行う基板処理方法であって、基板の処理面に物理的に接触して洗浄を行う接触型洗浄手段が、基板の中心付近と周縁部との間で接触しながら相対移動する際に、その相対移動速度が次のように定められている、(e)基板の中心付近と周縁部との間に定められた複数個の特定箇所で、前記相対移動速度が所定速度となり、(f)各特定箇所における相対移動速度が、基板の中心からの距離に反比例するように設定されていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項4に記載の発明によれば、基板を水平面内で回転させながら基板を洗浄して基板の処理を行う場合において、基板の処理面に物理的に接触して洗浄を行う接触型洗浄手段が、基板の中心付近と周縁部との間で接触しながら相対移動する際に、(e)基板の中心付近と周縁部との間に定められた複数個の特定箇所で、相対移動速度が所定速度となり、(f)各特定箇所における相対移動速度が、基板の中心からの距離に反比例するように設定されている。このように上述した各特定箇所における相対移動速度を、基板の中心からの距離に反比例するように設定することで、単位面積当たりの洗浄時間をほぼ一定にすることができて、基板にまんべんなく洗浄を行うことができる。
上述した発明(請求項1または請求項3に記載の発明)において、上述した特定箇所が複数個であって、各特定箇所に関連して定められた速度変化率が基板の周縁部から中心に向かうにしたがって大きくなるように設定されていること(請求項5に記載の発明)が一例として挙げられる。このように速度変化率を設定することで、速度をより一層柔軟に変更することができる。その結果、より一層、基板にまんべんなく処理液を供給することができる。
上述した発明(請求項1,請求項3,または請求項5に記載の発明)において、上述した特定箇所における相対移動速度が、基板の中心からの距離にほぼ反比例するように設定されているのが好ましい(請求項6に記載の発明)。このように相対速度を設定することで、単位面積当たりの処理液の供給時間をほぼ一定にすることができて、より一層、基板にまんべんなく処理液を供給する、あるいは洗浄を行うことができる。
また、請求項7に記載の発明は、基板を水平面内で回転させながら基板に処理液を供給して基板の処理を行う基板処理装置であって、基板を水平面内で回転させる基板回転手段と、基板に処理液を供給する処理液供給手段と、処理液供給手段と基板との相対移動を行う移動手段と、移動手段を操作する制御手段とを備え、制御手段は、処理液供給手段が、基板の中心付近と周縁部との間で処理液を供給しながら相対移動する際に、その相対移動速度が次のように定められるように移動手段を操作する、(A)基板の中心付近と周縁部との間に少なくとも1つ定められた特定個所で、前記相対移動速度が所定速度となり、(B)基板の中心付近から特定個所の間では、処理液供給手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第1の速度変化率で直線的に変化させ、(C)特定個所から基板の周縁部の間では、処理液供給手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第2の速度変化率で直線的に変化させ、(D)第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項7に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の方法を好適に行うことができる。
また、請求項8に記載の発明は、基板を水平面内で回転させながら基板に処理液を供給して基板の処理を行う基板処理装置であって、基板を水平面内で回転させる基板回転手段と、基板に処理液を供給する処理液供給手段と、処理液供給手段と基板との相対移動を行う移動手段と、移動手段を操作する制御手段とを備え、制御手段は、処理液供給手段が、基板の中心付近と周縁部との間で処理液を供給しながら相対移動する際に、その相対移動速度が次のように定められるように移動手段を操作する、(E)基板の中心付近と周縁部との間に定められた複数個の特定箇所で、前記相対移動速度が所定速度となり、(F)各特定箇所における相対移動速度が、基板の中心からの距離に反比例するように設定されていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項8に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の方法を好適に行うことができる。
また、請求項9に記載の発明は、基板を水平面内で回転させながら基板を洗浄して基板の処理を行う基板処理装置であって、基板を水平面内で回転させる基板回転手段と、基板の処理面に物理的に接触して洗浄を行う接触型洗浄手段と、接触型洗浄手段と基板との相対移動を行う移動手段と、移動手段を操作する制御手段とを備え、制御手段は、接触型洗浄手段が、基板の中心付近と周縁部との間で接触しながら相対移動する際に、その相対移動速度が次のように定められるように移動手段を操作する、(a)基板の中心付近と周縁部との間に少なくとも1つ定められた特定個所で、前記相対移動速度が所定速度となり、(b)基板の中心付近から特定個所の間では、接触型洗浄手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第1の速度変化率で直線的に変化させ、(c)特定個所から基板の周縁部の間では、接触型洗浄手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第2の速度変化率で直線的に変化させ、(d)第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されていることを特徴するものである。
[作用・効果]請求項9に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の方法を好適に行うことができる。
また、請求項10に記載の発明は、基板を水平面内で回転させながら基板を洗浄して基板の処理を行う基板処理装置であって、基板を水平面内で回転させる基板回転手段と、基板の処理面に物理的に接触して洗浄を行う接触型洗浄手段と、接触型洗浄手段と基板との相対移動を行う移動手段と、移動手段を操作する制御手段とを備え、制御手段は、接触型洗浄手段が、基板の中心付近と周縁部との間で接触しながら相対移動する際に、その相対移動速度が次のように定められるように移動手段を操作する、(e)基板の中心付近と周縁部との間に定められた複数個の特定箇所で、前記相対移動速度が所定速度となり、(f)各特定箇所における相対移動速度が、基板の中心からの距離に反比例するように設定されていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項10に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の方法を好適に行うことができる。
また、請求項11に記載の発明は、請求項7または請求項9に記載の基板処理装置において、前記特定箇所が複数個であって、前記制御手段は、各特定箇所に関連して定められた速度変化率が基板の周縁部から中心に向かうにしたがって大きくなるように設定することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項11に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の方法を好適に行うことができる。
また、請求項12に記載の発明は、請求項7,請求項9,または請求項11のいずれかに記載の基板処理装置において、前記制御手段は、前記特定箇所における相対移動速度が、基板の中心からの距離にほぼ反比例するように設定することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項12に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の方法を好適に行うことができる。
本発明に係る基板処理方法およびその装置によれば、処理液供給手段/接触型洗浄手段が、基板の中心付近と周縁部との間で処理液を供給あるいは接触しながら相対移動する際に、(A)/(a)基板の中心付近と周縁部との間に少なくとも1つ定められた特定個所で、相対移動速度が所定速度となり、(B)/(b)基板の中心付近から特定個所の間では、処理液供給手段/接触型洗浄手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第1の速度変化率で直線的に変化させ、(C)/(c)特定個所から基板の周縁部の間では、処理液供給手段/接触型洗浄手段が基板の中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第2の速度変化率で直線的に変化させ、(D)第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されている。または、(E)/(e)基板の中心付近と周縁部との間に定められた複数個の特定箇所で、相対移動速度が所定速度となり、(F)/(f)各特定箇所における相対移動速度が、基板の中心からの距離に反比例するように設定されているので、基板にまんべんなく処理液を供給するあるいは洗浄を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は、実施例1に係るスピンチャックの平面図であり、図3は、実施例1に係る洗浄ノズルの構成を示す縦断面図である。
実施例1に係る基板処理装置は、図1に示すように、スピンチャック1,回転軸2,電動モータ3,洗浄ノズル4,および飛散防止カップ5などを備えて構成されている。スピンチャック1の形状は円板状となっており、円柱状に形成されてなる6個の支持ピン1a(図1では2個のみ図示)を立設して構成されている。このスピンチャック1は、底面に連結された回転軸2を介して電動モータ3によって回転駆動され、この回転駆動により、支持ピン1aで周縁部(エッジ)を当接支持された基板Wが回転中心P周りに水平面内で回転される。なお、スピンチャック1は基板Wを吸着することで保持するタイプであってもよい。スピンチャック1は、本発明における基板回転手段に相当する。
飛散防止カップ5はスピンチャック1の周囲に配設され、洗浄ノズル4から供給された洗浄液(本実施例1では超純水)が飛散することを防止する。この飛散防止カップ5は、未洗浄の基板Wをスピンチャック1から受け取る際にスピンチャック1に対して昇降するように構成されている。
本実施例1では洗浄ノズル4は、図3に示すように、洗浄液Sと加圧された気体Gとを混合してミストMを生成する2流体式ノズルで構成されている。洗浄ノズル4は、図1に示すように、吐出口が基板Wの処理面に向くように配設されており、この吐出口からミストMが吐出されて、基板Wにミスト化された洗浄液が供給されて洗浄処理が行われる。洗浄液Sとして本実施例1および後述する実施例2では超純水が用いられている。洗浄ノズル4は、本発明における処理液供給手段に相当する。
洗浄ノズル4は、図1に示すように、支持アーム6によって吐出口を基板Wの水平面に対して傾斜姿勢で支持されており、図中に矢印で示すようにノズル駆動機構7によって支持アーム6ごと昇降/揺動させる。このノズル駆動機構7は、回転軸7a,回転モータ7b,エンコーダ7c,昇降ベース7d,ガイド軸7e,ボールネジ7f,昇降モータ7g,エンコーダ7hなどを備えて構成されている。
支持アーム6は、底面に連結された回転軸7aを介して回転モータ7bによって回転駆動され、この回転駆動により、支持アーム6に支持された洗浄ノズル4が回転中心Pb周りに回転されて、この回転中心Pbを支点にして揺動する。回転モータ7bの回転量は、回転モータ7bの底面に連結されたエンコーダ7cによって検出されて、その検出結果がコントローラ9にフィードバックされる。本実施例1ではその回転量に基づいて洗浄ノズル4の水平方向の位置をコントロール9が換算する。
回転モータ7bとエンコーダ7cとを搭載した昇降ベース7dは、立設されたガイド軸7eに摺動自在に嵌合されており、ガイド軸7eに並設されたボールネジ7fによって螺合されている。このボールネジ7fは昇降モータ7gの回転軸に連結されている。昇降モータ7gの回転駆動により、ガイド軸7eに摺動しながら昇降ベース7dが昇降し、それに伴って支持アーム6に支持された洗浄ノズル4が昇降する。昇降モータ7gの回転量は、昇降モータ7gの底面に連結されたエンコーダ7hによって検出され、その検出結果がコントローラ9にフィードバックされる。本実施例1ではその回転量に基づいて洗浄ノズル4の鉛直方向の位置をコントロール9が換算する。上述した洗浄ノズル4の水平/鉛直方向の位置および洗浄ノズル4の傾斜角によって洗浄ノズル4によって供給される洗浄液Sの供給位置が求められる。また、上述した供給位置は基板Wの中心を基準にして求められ、供給位置を求めるのと同時に基板Wの中心からの(径方向の)距離が求まる。
回転中心Pbを支点にして支持アーム6を揺動させることで洗浄ノズル4は、基板Wの上方に位置する洗浄位置と、基板Wおよび飛散防止カップ5の側方に離れた待機位置との間を往復移動するように走査する。また洗浄時には洗浄ノズル4は、図2に示すように、基板Wの中心P付近を通って揺動し、これにより洗浄ノズル4は基板Wの中心P付近と基板Wのエッジとの間でミスト化された洗浄液Sを供給しながら走査する。ノズル駆動機構7は、本発明における移動手段に相当する。
洗浄ノズル4の胴部には、洗浄液Sを供給する供給管8aと、加圧圧搾された気体Gを導入するガス導入管8bとが連結されている。供給管8aには、コントローラ9によって開閉制御される制御弁10を介して接続された超純水供給タンク11から、二酸化炭素(CO2 )が添加された超純水が洗浄液Sとして供給されるように構成されている。また、ガス導入管8bには、コントローラ9によって開閉制御される制御弁12と、同じくコントローラ9によって気体Gの加圧や減圧などの圧力調整を行う圧力調整器13を介して接続された気体供給タンク14から、気体Gが供給されるように構成されている。
なお、本実施例1では、洗浄液Sとして二酸化炭素が添加された超純水を使用しているが、酸、アルカリ、純水のみ、およびオゾンを純水に溶解したオゾン水などに例示されるように、基板処理において通常に用いられる洗浄液ならば、特に限定されない。また、実施例1では、二酸化炭素が添加された超純水を洗浄液Sとして使用することで、比抵抗値が下がり、基板Wの処理面と洗浄液Sとの摩擦により発生する静電気が抑制されて、基板Wの絶縁破壊を防止することができる。
また気体Gに用いられるガスとして、本実施例1では不活性ガスである窒素(N2 )を用いている。不活性ガスとして、例えば空気、アルゴン(Ar)などがある。本実施例1では、不活性ガスを用いることで洗浄液Sや基板Wに対して化学反応を起こさないので、洗浄液Sや基板Wに悪影響を与えることはない。
なお、上述した電動モータ3、ノズル駆動機構7、制御弁10,12、超純水供給タンク11、圧力調整器13、気体供給タンク14は、コントローラ9によって統括的に制御されるようになっている。また、コントローラ9は後述する基板処理方法(図4〜図6参照)を制御する。コントローラ9は、本発明における制御部に相当する。
洗浄ノズル4内の混合部15は、図3に示すように、ガス導入管8bの外側を、供給管8aが取り囲む構造、つまり供給管8aの中をガス導入管8bが挿入されている2重管の構造で構成されている。また洗浄ノズル4の先端部17は、オリフィス状の管と、ミストMを加速させる直状円管筒である加速管とで連接されて構成されている。
次に、実施例1に係る基板処理方法について、図4〜図6を参照して説明する。図4は、洗浄ノズルの移動に関するシーケンスであって、図5は、基板の中心からの距離と洗浄ノズルの移動速度との対応関係を示した図であって、図6は、図5をより具体的に示した対応図である。本実施例1では、直径が300〔mm〕(すなわち半径Rが150〔mm〕)の基板Wを用いている。
本実施例1では洗浄ノズル4は、図4に示すように、中心(センタ)『3』→第1周縁部(エッジ)『2』→第2エッジ『4』→待機位置『1』の順に移動する(図4中の矢印参照)。まず、洗浄ノズル4はセンタ『3』から第1エッジ『2』に最大限の速度で移動する。なお、移動の順序を明確に示すべく図4では矢印が重ならないように上下にそれぞれ表したが、実際の洗浄ノズル4は同一水平面内で移動することに留意されたい。この移動中に基板Wを水平面内で回転させる。具体的には、回転モータ7bの回転により洗浄ノズル4が揺動して、センタ『3』から第1エッジ『2』に移動する。その一方で電動モータ3の回転によりスピンチャック1に水平姿勢で保持された基板Wが水平面内で回転する。本実施例1では開始から0.5〔s〕で回転速度が0〔rpm〕から500〔rpm〕となるように制御する。
洗浄ノズル4が第1エッジ『2』にまで移動したら、制御弁10を開いて超純水供給タンク11から洗浄液Sを供給管8aに供給するとともに、制御弁12を開いて気体供給タンク14から気体Gをガス導入管8bに供給する。気体Gは圧力調整器13によって加圧圧搾されている。洗浄液Sとこの加圧圧搾された気体Gとを混合部15にて混合してミストMを生成し、そのミストMを洗浄ノズル4から吐出する。そして、基板Wにミスト化された洗浄液が供給されて洗浄処理が行われる。この洗浄処理の間には、回転速度を500〔rpm〕に保ったまま基板Wが水平面内に回転し、洗浄ノズル4が第1エッジ『2』から第2エッジ『4』まで移動する。
洗浄処理中において洗浄ノズル4が第1エッジ『2』から第2エッジ『4』まで移動するときの移動速度は、図6に示すとおりである。センタ『3』と第1/第2エッジ『2』,『4』との間に中間点を等分に2点分それぞれ設定する。本実施例1では半径Rは150〔mm〕であるので、50〔mm〕ごとに中間点を設定する。したがって、基板Wのセンタ(中心)からの径方向の距離rは、センタ『3』では0〔mm〕,センタに近い方の中間点『Pa』(以下、この中間点を『第1中間点』と呼ぶ)では50〔mm〕,エッジに近い方の中間点『Pb』(以下、この中間点を『第2中間点』と呼ぶ)では100〔mm〕,第1/第2エッジ『2』,『4』では150〔mm〕となる。第1/第2中間点『Pa』,『Pb』は、本発明における特定箇所に相当する。
図6の対応図において3列目の欄には、半径Rを移動する時間tがそれぞれ設定されているとともに、4列目の欄には、洗浄ノズル4の移動速度vがそれぞれ設定されている。ここで、3列目の欄での移動時間tは、半径Rを実際に移動する時間ではなく、4列目の欄での移動速度vを固定にした場合に半径Rを移動するのにかかる時間を示すことに留意されたい。したがって、3列目の欄での移動時間tは、上記(2)式よりR/vとなる。例えば、センタ『3』での移動時間tは1〔s〕で、このとき移動速度vは150〔mm/s〕(=R〔mm〕/1〔s〕)となり、移動速度vを150〔mm/s〕と固定にした場合に半径Rを移動するにかかる時間が1〔s〕であることを示す。同様に、第1中間点『Pa』での移動時間tは8〔s〕で、このとき移動速度vは18.75〔mm/s〕(=R〔mm〕/8〔s〕)となり、移動速度vを18.75〔mm/s〕と固定にした場合に半径Rを移動するにかかる時間が8〔s〕であることを示し、第2中間点『Pb』での移動時間tは15〔s〕で、このとき移動速度vは10〔mm/s〕(=R〔mm〕/15〔s〕)となり、移動速度vを10〔mm/s〕と固定にした場合に半径Rを移動するにかかる時間が15〔s〕であることを示し、第1/第2エッジ『2』,『4』での移動時間tは30〔s〕で、このとき移動速度vは5〔mm/s〕(=R〔mm〕/30〔s〕)となり、移動速度vを5〔mm/s〕と固定にした場合に半径Rを移動するにかかる時間が30〔s〕であることを示す。
図5に示すように、センタ『3』から第1中間位置『Pa』の間では、洗浄ノズル4が基板Wのセンタ『3』から離れるにしたがって移動速度vが次第に小さくなるように、第1中間位置『Pa』での移動速度vを基準として、移動速度vを第1の速度変化率で直線的に変化させ、第1中間位置『Pa』から第2中間点『Pa』の間では、洗浄ノズル4が基板Wのセンタ『3』から離れるにしたがって移動速度vが次第に小さくなるように、第1中間位置『Pa』または第2中間点『Pb』での移動速度vを基準として、移動速度vを一定の速度変化率で直線的に変化させ、第2中間点『Pb』から第1/第2エッジ『2』,『4』の間では、洗浄ノズル4が基板Wのセンタ『3』から離れるにしたがって移動速度vが次第に小さくなるように、第2中間位置『Pb』での移動速度vを基準として、移動速度vを第2の速度変化率で直線的に変化させる。
具体的には、センタ『3』(すなわち距離rが0〔mm〕)から第1中間点『Pa』(すなわち距離rが50〔mm〕)の間では、基板Wのセンタ『3』から離れるにしたがってセンタ『3』での移動速度vである150〔mm/s〕から第1中間点『Pa』での移動速度vである18.75〔mm/s〕に第1の速度変化率で直線的に変化し、第1中間点『Pa』から第2中間点『Pb』(すなわち距離rが150〔mm〕)の間では、基板Wのセンタ『3』から離れるにしたがって第1中間点『Pa』での移動速度vである18.75〔mm/s〕から第2中間点『Pb』での移動速度vである10〔mm/s〕に一定の速度変化率で直線的に変更し、第2中間点から第1/第2エッジ『2』,『4』(すなわち距離rが150〔mm〕)の間では、第2中間点『Pb』での移動速度vである10〔mm/s〕から第1/第2エッジ『2』,『4』での移動速度である5〔mm/s〕に第2の速度変化率で直線的に変更する。その直線的な変更は、図5中の点線に示すとおりである。
第1中間位置『Pa』での移動速度vを基準としたセンタ『3』から第1中間位置『Pa』の間で定められた第1の速度変化率は、{150〔mm/s〕−18.75〔mm/s〕}/50〔mm〕=2.625となり、第1中間位置『Pa』または第2中間点『Pb』での移動速度vを基準とした第1中間位置『Pa』から第2中間点『Pa』の間で定められた速度変化率は、{18.75〔mm/s〕−10〔mm/s〕}/50〔mm〕=0.175となり、第2中間位置『Pb』での移動速度vを基準とした第2中間点『Pb』から第1/第2エッジ『2』,『4』の間で定められた第2の速度変化率は、{10〔mm/s〕−5〔mm/s〕}/50〔mm〕=0.1となる。このように、第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されているとともに、各特定箇所(第1/第2中間点)に関連して定められた速度変化率が基板の周縁部(第1/第2エッジ『2』,『4』)から中心(センタ『3』)に向かうにしたがって大きくなるように設定されている。
また、本実施例1では、特定箇所(第1/第2中間点)における移動速度vが、基板の中心(センタ『3』)からの距離rにほぼ反比例するように設定されている。より具体的には、v×r=aを満たす比例定数aを1,000〔mm/s〕×〔mm〕とすると、反比例は図5中の実線に示す軌跡を描き、この軌跡に沿って近似した移動速度vを設定する。第2中間点『Pb』である移動速度vである10〔mm/s〕は、『Pb』における距離が100〔mm〕でv×r=aを満たしており、10〔mm/s〕は反比例の軌跡上に位置している。第1中間点『Pb』での移動速度vである18.75〔mm/s〕や、第1/第2エッジ『2』,『4』での移動速度vである150〔mm/s〕は反比例の軌跡上には位置していないが、反比例から求まった速度から近似された移動速度vとして、その軌跡の近傍に位置している。ただし、本実施例1のように洗浄ノズル4が基板Wに与えるエネルギを一定に図る場合には、図5中の実線に示すように基板Wの中心(センタ『3』)においては洗浄ノズル4の移動速度vは無限大になってしまう。そこで、本実施例1では、センタ『3』での移動速度vについては、第1中間点『Pa』での移動速度vである18.75〔mm/s〕よりも十分に大きい150〔mm/s〕に設定する。
このように、第1エッジ『2』から第2エッジ『4』まで移動するときの移動速度は、第1エッジ『2』から第1エッジ『2』側の第2中間点『Pb』に移動するまでは5〔mm/s〕から10〔mm/s〕に第2の速度変化率で直線的に加速し、第1エッジ『2』側の第2中間点『Pb』から第1エッジ『2』側の第1中間点『Pa』に移動するまでは10〔mm/s〕から18.75〔mm/s〕に一定の速度変化率で直線的に加速し、第1エッジ『2』側の第1中間点『Pa』からセンタ『3』に移動するまでは18.75〔mm/s〕から150〔mm/s〕に第1の速度変化率で直線的に加速する。そして、センタ『3』から第2エッジ『4』側の第1中間点『Pa』に移動するまでは150〔mm/s〕から18.75〔mm/s〕に第1の速度変化率で直線的に減速し、第2エッジ『4』側の第1中間点『Pa』から第2エッジ『4』側の第2中間点『Pb』に移動するまでは18.75〔mm/s〕から10〔mm/s〕に一定の速度変化率で直線的に減速し、第2エッジ『4』側の第2中間点『Pb』から第2エッジ『4』に移動するまでは10〔mm/s〕から5〔mm/s〕に第2の速度変化率で直線的に減速する。
洗浄ノズル4が第2エッジ『4』まで移動したら、制御弁10を閉じて超純水供給タンク11から供給管8aへの洗浄液Sの供給を停止するとともに、制御弁12を閉じて気体供給タンク14からガス導入管8bへの気体Gの供給を停止することで、洗浄処理を終了する。そして、第2エッジ『4』から待機位置『1』に移動するまでの間の0.5〔s〕で回転速度が500〔rpm〕から0〔rpm〕となるように制御する。本実施例1では、説明の便宜上、第1エッジ『2』と第2エッジ『4』との間を1回のみ揺動して洗浄処理を行ったが、実際には第1エッジ『2』と第2エッジ『4』との間を所定回数揺動することで往復移動して洗浄処理を行う。第1エッジ『2』と第2エッジ『4』との間での移動速度は上述したとおりである。
以上のように、本実施例1によれば、基板Wを水平面内で回転させながら基板Wに洗浄液Sを供給して基板Wの処理を行う場合において、基板Wに洗浄液Sを供給する洗浄ノズル4が、基板Wの中心(センタ)と周縁部(エッジ)との間で洗浄液Sを供給しながら移動する際に、基板Wの中心付近と周縁部との間に定められた特定箇所(第1/第2中間点)で、洗浄ノズル4の移動速度vが所定速度(第1中間点では18.75〔mm/s〕,第2中間点では10〔mm/s〕)となり、基板Wの中心付近から特定個所の1つである第1中間点の間では、洗浄ノズル4が基板Wの中心から離れるにしたがって移動速度vが次第に小さくなるように、第1中間点での移動速度v(18.75〔mm/s〕)を基準として、移動速度vを第1の速度変化率で直線的に変化させ、特定箇所の1つである第2中間点から基板Wの周縁部の間では、洗浄ノズル4が基板Wの中心から離れるにしたがって移動速度vが次第に小さくなるように、第2中間点での移動速度v(10〔mm/s〕)を基準として、移動速度vを第2の速度変化率で直線的に変化させ、第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されている。このように上述した特定箇所で移動速度vを所定速度を設定し、特定箇所を基準とした各位置で移動速度vを変化させることで、従来のように中心と周縁部との全範囲において距離rに応じて移動速度を直線的(リニア)に変更する場合や、距離rに応じて移動速度を予め決定された放物線状に変更する場合と比較して速度を柔軟に変更することができる。その結果、基板Wにまんべんなく洗浄液Sを供給して洗浄を行うことができる。
また、本実施例1では第1中間点『Pa』,第2中間点『Pb』と、上述した特定箇所が2個であって、各特定箇所に関連して定められた速度変化率を基板Wの周縁部から中心に向かうにしたがって大きくなるように設定することで、速度をより一層柔軟に変更することができる。その結果、より一層、基板Wにまんべんなく洗浄液を供給して洗浄を行うことができる。
また、上述した特定箇所における移動速度vが、基板Wの中心からの(径方向の)距離rにほぼ反比例するように設定することで、単位当たりの洗浄液Sの供給時間、ひいては洗浄時間をほぼ一定にすることができて、より一層、基板Wにまんべんなく洗浄液Sを供給して洗浄を行うことができる。なお、中心付近から周縁部に向かってリニアに減速する場合には、上述したように中心付近から周縁部との中間付近で洗浄による除去率が悪いが、本実施例のように速度を設定した場合にはかかる中間付近においても周縁部付近においても、除去率がほぼ一定になることが実験により確認された。ここで、本実施例1では、洗浄前に基板Wにシリコン(Si)屑をばらまき、洗浄後に基板W上に残ったシリコン屑をパーティクルカウンタで計測し、(洗浄前のシリコン屑の全数−洗浄後のシリコン屑の数)/(洗浄後のシリコン屑の数)で各箇所における除去率を求めている。
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。
図7は、実施例2に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。なお、図1での実施例1に係る装置と共通する構成について同一の符号を付し、その説明については省略する。また、コントローラ9や超純水供給タンク11などについてはその図示を省略する。
実施例2に係る基板処理装置は、図7に示すように、実施例1と同様に、スピンチャック1,回転軸2,電動モータ3,洗浄ノズル4,および飛散防止カップ5などを備えて構成されている。本実施例2では、洗浄ブラシ20を新たに備えている。洗浄ブラシ20は、基板Wの処理面に物理的に接触して洗浄を行うスクラブ洗浄を行うようになっている。このように本実施例2では、洗浄ノズル4による洗浄処理と洗浄ブラシ20によるスクラブ洗浄とを並行に行っている。洗浄ブラシ20は、本発明における接触型洗浄手段に相当する。
洗浄ブラシ20は、図7に示すように、支持アーム21によって支持されており、図中に矢印で示すようにブラシ駆動機構22によって支持アーム21ごと昇降/揺動させる。このブラシ駆動機構22は、ノズル駆動機構7と同様に、回転軸22a,回転モータ22b,エンコーダ22c,昇降ベース22d,ガイド軸22e,ボールネジ22f,昇降モータ22g,エンコーダ22hなどを備えて構成されている。
支持アーム21は、底面に連結された回転軸22aを介して回転モータ22bによって回転駆動され、この回転駆動により、支持アーム21に支持された洗浄ブラシ20が回転中心Pc周りに回転されて、この回転中心Pcを支点にして揺動する。回転モータ22bの回転量は、回転モータ22bの底面に連結されたエンコーダ22cによって検出されて、その検出結果がコントローラ9(図1参照)にフィードバックされる。本実施例2ではその回転量に基づいて洗浄ブラシ20の水平方向の位置をコントロール9が換算する。上述した洗浄ブラシ20の水平位置によって洗浄ブラシ20によってスクラブ洗浄される基板Wの箇所が求められる。また、上述した洗浄箇所は基板Wの中心を基準にして求められ、洗浄箇所を求めるのと同時に基板Wの中心からの(径方向の)距離が求まる。
回転モータ22bとエンコーダ22cとを搭載した昇降ベース22dは、立設されたガイド軸22eに摺動自在に嵌合されており、ガイド軸22eに並設されたボールネジ22fによって螺合されている。このボールネジ22fは昇降モータ22gの回転軸に連結されている。昇降モータ22gの回転駆動により、ガイド軸22eに摺動しながら昇降ベース22dが昇降し、それに伴って支持アーム21に支持された洗浄ブラシ20が昇降する。昇降モータ22gの回転量は、昇降モータ22gの底面に連結されたエンコーダ22hによって検出され、その検出結果がコントローラ9にフィードバックされる。本実施例2ではその回転量に基づいて洗浄ブラシ20の鉛直方向の位置をコントロール9が換算する。
回転中心Pcを支点にして支持アーム21を揺動させることで洗浄ブラシ20は、洗浄ノズル4と同様に、基板Wの上方に位置する洗浄位置と、基板Wおよび飛散防止カップ5の側方に離れた待機位置との間を往復移動するように走査する。このとき、洗浄ノズル4と洗浄ブラシ20とが干渉しないように、例えば洗浄ノズル4が中心付近を揺動しているときには洗浄ブラシ20は周縁部付近を揺動し、洗浄ノズル4が周縁部付近を揺動しているときには洗浄ブラシ20は中心付近を揺動するようにする。ブラシ駆動機構22は、本発明における移動手段に相当する。
また、支持アーム21には、洗浄ブラシ31が鉛直軸心周りに回転(自転)することができるように、自転モータ23が支持アーム21の上面に搭載されている。この自転モータ23の回転が、支持アーム21内のベルト24を介して、洗浄ブラシ20の回転軸25に伝達されて、洗浄ブラシ20を鉛直軸心周りに回転させる。
洗浄ブラシ20の回転軸25内には、洗浄液Sを供給する供給管26が配設されており、この供給管26は超純水供給タンク11に接続されている。つまり、洗浄ノズル4と共有して超純水供給タンク11から洗浄液Sが洗浄ブラシ20の供給管26に供給されるように構成されている。もちろん、洗浄ノズル4用の超純水供給タンク11とは別に超純水供給タンクを設け、その超純水供給タンクから洗浄ブラシ20の供給管26に供給するように構成してもよい。供給管26内の洗浄液Sを洗浄ブラシ20から吐出しつつ洗浄ブラシ20によるスクラブ洗浄を行う。
実施例2に係る基板処理方法は実施例1と同様で、洗浄ブラシ20を図5中の点線に示すような移動速度vで移動させる。なお、洗浄ブラシ20の場合には洗浄処理では基板Wに直接接触するので、洗浄以外で移動する場合には洗浄ブラシ20を昇降移動させて基板Wから離間させる。
以上のように、本実施例2によれば、基板Wを水平面内で回転させながら基板Wを洗浄して基板Wの処理を行う場合において、洗浄ノズル4と並行に基板Wの処理面に物理的に接触して洗浄を行う洗浄ブラシ20が、基板Wの中心(センタ)と周縁部(エッジ)との間で接触しながら移動する際に、基板Wの中心付近と周縁部との間に定められた特定箇所(第1/第2中間点)で、洗浄ノズル4の移動速度vが所定速度となり、基板Wの中心付近から特定個所(第1中間点)の間では、洗浄ノズル4が基板Wの中心から離れるにしたがって移動速度vが次第に小さくなるように、第1中間点での移動速度vを基準として、移動速度vを第1の速度変化率で直線的に変化させ、特定箇所(第2中間点)から基板Wの周縁部の間では、洗浄ノズル4が基板Wの中心から離れるにしたがって移動速度vが次第に小さくなるように、第2中間点での移動速度vを基準として、移動速度vを第2の速度変化率で直線的に変化させ、第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されている。このように移動速度vの設定・変更を行うことで、従来のように中心と周縁部との全範囲において距離rに応じて移動速度を直線的(リニア)に変更する場合や、距離rに応じて移動速度を予め決定された放物線状に変更する場合と比較して速度を柔軟に変更することができる。その結果、基板Wにまんべんなく洗浄を行うことができる。
また、本実施例2では、洗浄ノズル4がミストMを吐出して洗浄液Sによる洗浄を行うのに並行して、洗浄ブラシ20は洗浄液Sを吐出しながら洗浄を行ったが、洗浄ブラシ20から洗浄液Sを吐出せずに、洗浄ノズル4による洗浄液Sの供給に続いて洗浄ブラシ20がスクラブ処理のみを行うようにしてもよい。この場合においても、洗浄ブラシ20を図5中の点線に示すような移動速度vで移動させる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した第1,第2実施例では洗浄ノズル4は洗浄液を供給して基板Wの洗浄処理を行うものであったが、洗浄液の供給に並行して別の基板処理を行う装置に洗浄ノズル4を用いてもよい。例えば、フォトリソグラフィ処理中における基板への塗布形成処理においては塗布形成処理と並行して基板の処理面の裏面に洗浄液を供給して裏面を洗浄するバックリンスがある。このバックリンスに洗浄ノズル4を用いて、洗浄液ノズル4を図5中の点線に示すような移動速度vで移動させる。なお、バックリンスの場合には、スピンチャック1や回転軸2などが邪魔で走査して裏面全体を洗浄し難いし、スピンチャック1が基板Wを吸着することで保持するタイプであれば裏面の中心が洗浄し難いが、中心に限定されず中心付近と周縁部との間を移動できればよい。
(2)上述した第1,第2実施例では、処理液供給手段として2流体ノズルの洗浄ノズル4を用いたが、例えば洗浄液のみを供給する洗浄ノズルや、超音波を付与した超純水を基板の処理面に供給して超音波振動を基板に付与する超音波ノズルであってもよい。また、図2に示すように揺動するタイプのノズルに限定されず、図8に示すように基板Wの中心付近を通って径方向に移動するタイプのノズルであってもよい。このように、基板に洗浄液を供給するものであれば特に限定されない。
(3)上述した第2実施例では、接触型洗浄手段として洗浄ブラシ20を用いたが、ブラシ以外のスクラブ洗浄、例えばスポンジを直接的に基板に接触させて行う洗浄や、上述した超音波を付与した超純水を組み合わせたスクラブ洗浄など、基板に直接的に接触して洗浄を行うものであれば特に限定されない。また、洗浄ノズル4と同様に図2に示すように揺動するタイプの機構に限定されず、図8に示すように基板Wの中心付近を通って径方向に移動するタイプの機構であってもよい。
(4)上述した第2実施例では、洗浄ノズル4と洗浄ブラシ20との双方を用いて洗浄を行ったが、洗浄ブラシ20のみによるスクラブ洗浄であってもよい。
(5)上述した第1,第2実施例では、処理液供給手段の供給対象である処理液として洗浄液を用いたが、洗浄液以外の処理液であってもよい。例えば、酸やアルカリの溶液を基板Wに供給してエッチングを行う場合においても、本発明は適用することができる。
(6)上述した第1,第2実施例では、基板Wは水平面内を回転して径方向に移動しなかったが、図9に示すように基板Wを水平面内に回転させつつ径方向に移動してもよい。この場合には、洗浄ノズル4や洗浄ブラシ20などに代表される処理液供給手段や接触型洗浄手段は固定あるいは第1,第2実施例と同様に移動してもよい。第1実施例のように洗浄ノズル4によって洗浄処理を行い、かつ基板Wが径方向に移動する場合には、図9(a)に示す供給位置に基板Wの周縁部が位置したときには基板Wの径方向への移動速度をもっとも遅く設定し(例えば5〔mm/s〕)、図9(b)に示す供給位置に基板Wが位置(基板Wの中心付近と周縁部との間に定められた特定箇所:例えば第1,第2中間点)するまでは基板Wの径方向への移動速度を直線的に加速し(例えば10〔mm/s〕または18.75〔mm/s〕)、図9(c)に示す供給位置に基板Wの中心が位置するまでは基板Wの径方向への移動速度を直線的に加速する(例えば150〔mm/s〕)。中心から周縁部へ向かう場合にはその逆の手順で、直線的に減速させる。つまり、基板Wを図5中の点線に示すような移動速度vで径方向へ移動させればよい。
このように、処理液供給手段(例えば洗浄ノズル4)/接触型洗浄手段(例えば洗浄ブラシ20)が、基板Wの中心付近と周縁部との間で処理液を供給あるいは接触しながら相対移動する際に、基板Wの中心付近と周縁部との間に少なくとも1つ定められた特定個所で、処理液供給手段/接触型洗浄手段と基板Wとの相対移動速度が所定速度となり、基板Wの中心付近から特定個所の間では、処理液供給手段/接触型洗浄手段が基板Wの中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第1の速度変化率で直線的に変化させ、特定個所から基板Wの周縁部の間では、処理液供給手段/接触型洗浄手段が基板Wの中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第2の速度変化率で直線的に変化させ、第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されていればよい。
(7)上述した第1,第2実施例では、図5に示すように、第1中間点『Pa』と第2中間点『Pb』との2点で、すなわち特定箇所の2点で移動速度vがそれぞれ所定速度となるように設定したが、第1中間点『Pa』のように1点の特定箇所のみで速度が所定速度となるように設定してもよいし、3点以上の特定箇所で速度がそれぞれ所定速度となるように設定してもよい。すなわち、基板Wの中心付近と周縁部との間に少なくとも1つ定められた特定個所で、処理液供給手段/接触型洗浄手段と基板Wとの相対移動速度が所定速度となり、基板Wの中心付近から特定個所の間では、処理液供給手段/接触型洗浄手段が基板Wの中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第1の速度変化率で直線的に変化させ、特定個所から基板Wの周縁部の間では、処理液供給手段/接触型洗浄手段が基板Wの中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第2の速度変化率で直線的に変化させ、第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されていればよい。
なお、1点の特定箇所のみで速度が所定速度となるように設定する場合には、速度変化率は、第1の速度変化率と第2の速度変化率との2つで構成され、2点以上の特定箇所で速度がそれぞれ所定速度となるように設定する場合には、速度変化率は、第1の速度変化率と第2の速度変化率との他に、別の速度変化率とからも構成され、各特定箇所に関連して定められた速度変化率(第1/第2の速度変化率も含む)が基板の周縁部から中心に向かうにしたがって大きくなるように設定されている。
(8)上述した第1,第2実施例では、特定箇所における処理液供給手段/接触型洗浄手段と基板Wとの相対移動速度が、基板Wの中心からの距離rにほぼ反比例するように設定されていたが、基板Wの中心付近を除いてそれ以外の箇所では、基板Wの中心付近と周縁部との間に定められた複数個の特定箇所で、相対移動速度が所定速度となり、各特定箇所における相対移動速度が、基板Wの中心からの距離rに反比例するように設定されていてもよい。図5を例に採ると、図5中の実線に示す軌跡に沿って相対移動速度を逐次に変更してもよい。なお、基板Wの中心付近を除いてとしたのは、図5中の実線に示す軌跡で相対移動速度を逐次に変更する場合には、上述したように基板Wの中心においては相対移動速度が無限大になってしまうからである。
(9)上述した第1,第2実施例では、特定箇所における処理液供給手段/接触型洗浄手段と基板Wとの相対移動速度が、基板Wの中心からの距離にほぼ反比例するように設定されていたが、必ずしも基板Wの中心からの径方向の距離rに反比例した速度を近似して所定速度として設定する必要はない。
基板Wの中心付近と周縁部との間に少なくとも1つ定められた特定個所で、処理液供給手段/接触型洗浄手段と基板Wとの相対移動速度が所定速度となり、基板Wの中心付近から特定個所の間では、処理液供給手段/接触型洗浄手段が基板Wの中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第1の速度変化率で直線的に変化させ、特定個所から基板Wの周縁部の間では、処理液供給手段/接触型洗浄手段が基板Wの中心から離れるにしたがって相対移動速度が次第に小さくなるように、特定個所の相対移動速度を基準として、相対移動速度を第2の速度変化率で直線的に変化させ、第1の速度変化率が第2の速度変化率よりも大きくなるように設定されていれば、図5中の実線に示す反比例の軌跡から大きく外れていてもよい。
実施例1に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
実施例1に係るスピンチャックの平面図である。
実施例1に係る洗浄ノズルの構成を示す縦断面図である。
洗浄ノズルの移動に関するシーケンスである。
基板の中心からの距離と洗浄ノズルの移動速度との対応関係を示した図である。
図5をより具体的に示した対応図である。
実施例2に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図である。
変形例に係る移動する軌跡を描いた平面図である。
(a)〜(c)は、変形例に係る基板と洗浄ノズルとの位置関係を示した平面図である。
本発明に至った知見を説明するための図であって、(a)は側面図、(b)は平面図である。
符号の説明
1 … スピンチャック
4 … 洗浄ノズル
7 … ノズル駆動機構
9 … コントローラ
20 … 洗浄ブラシ
22 … ブラシ駆動機構
P … 回転中心
W … 基板