JP2005089779A - 電解用電極及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 弁金属基材、該基材表面に被覆された導電性酸化チタン粒子を有する被覆層、該被覆層表面に形成され、酸化イリジウムと酸化タンタルを含み前記酸化イリジウムの含有量が5から30重量%である中間層、及び該中間層表面に形成された酸化イリジウムを主とする電極物質層を含んで成る電解用電極。この電解用電極は金属メッキ装置11における陽極18として使用し、その際に逆電流が流れて陰分極が生じても前記中間層中の酸化イリジウムにより逆電流に対する耐久性が付与されると共に、被覆層及び中間層が実質的の弁金属基材を覆って基材の耐食性を向上させ、電極としての性能が改善されて、長期間安定した操業を行うことが可能になる。
【選択図】 図1
Description
しかしながら実際には陽極では理論通りの溶解が起こるのに対して、陰極の電析は必ずしも理論通りには進行せず、電解液中の金属濃度が高くなる傾向があること、また陽極が消耗するに従って電極間距離が大きくなって行き、消費電力が常に変化するとともに、一定の電圧を保持するには常に電極間距離の調整を行わなければならないという問題があった。従って近年では不溶性で寸法変化のない電極を使用し、電解液の調整と通電を別に行う方法が採られるようになって来ている。
この問題の対策として、基材にチタンまたはチタン合金などの弁金属を使用し、その表面に白金族金属酸化物を被覆したいわゆるDSAと呼ばれる電極が使用されるようになった。このDSAを陽極酸素発生用に使用する場合には、前記白金族金属酸化物として酸化イリジウムが使用され、これにより実質的に電極自身の形状変化が無くなり、安定した電流/電圧特性を得ることができるようになった。酸化イリジウムを電極物質とする電極では高電流で長時間の電解が可能になり、広く使用されている。
この種の電極は特に高電流密度での安定性が高いことから、広く工業的に使用されるようになって来ていて、現在では実用価値の観点から標準的に使われている。
前述した問題点、特に酸化イリジウムを触媒とする電極に係る問題点を解決するために、例えば特許文献2に開示されているように、基材と酸化イリジウム層間に金属イリジウム層を挿入した電極、つまり基材−金属イリジウム層−酸化イリジウム層の積層構造を有する電極が提案され、この特許文献2では酸化イリジウム層の被覆をイオンプレーティングで行うようにしている。
この酸化イリジウム層のイオンプレーティングによる被覆の際に金属イリジウム層が存在しないと、つまり基材表面に直接酸化イリジウム層を形成すると、基材表面の金属例えばチタンが僅かではあるが酸化されて基材と酸化イリジウム層の界面に酸化チタンが形成されて通電を阻害することがある。特許文献2に記載の通り、基材と酸化イリジウム層間に金属イリジウム層が存在すると、基材表面の酸化が抑制されて通電阻害が防止される。
従ってこの金属イリジウム層−酸化イリジウム層の積層構造を有する電極は、基材表面の酸化防止という観点からは有用な電極ではあるが、基材表面に酸化イリジウムの単層を被覆した電極と比較して性能劣化が大き過ぎ、到底実用化できるものではなかった。またイオンプレーティングでは、酸化イリジウム単体であり、他の安定化剤との複合化ができず、その面での安定化も十分にできないという欠点があった。
本発明の電解用電極の特徴は、弁金属基材と電極物質層との間に、被覆層と中間層を形成した点、特に中間層に酸化イリジウムを含有する点にある。被覆層は導電性酸化チタン粒子を含み、その他に金属タンタルや金属チタンを含んでいても良い。
本発明の電解用電極では大電流を流せることが望ましいが、前記導電性酸化チタン粒子の電気抵抗が大きくなって導電性が低下する可能性がある。
従って本発明では、この弁金属基材と電極物質層との間の導電性を適正に維持するため及び過度の発熱を避けるために、中間層に酸化イリジウムを添加する。
本発明の電解用電極では、酸化イリジウムの添加量は中間層に対して5〜30重量%とする。5重量%未満では下地層の導電性が悪いこと、及び発熱しやすく短寿命化する傾向がある。又イリジウム含有量が30モル%を超えると、下地層で電解を起こすことから表面電極層に影響を及ぼし、短寿命化が起こり易い。
逆電流に対する耐性は逆電流時の弁金属基材表面の変化が少ないことで改善されるが、本発明の電解用電極では前記基材表面に下地層が形成されて酸化物となっているため、逆電流に対する耐性が大きくなっている。更に中間層に白金族金属酸化物である酸化イリジウムが存在するため、基材を構成するチタン等の弁金属が水素により腐食されることが防止される。
前記下地層をこのように構成することによって、つまり特に被覆層中の導電性酸化チタン粒子と中間層中の活性をあまり有しない酸化イリジウムの存在により、前記基材が極めて安定化し、逆電流による消耗が起こり難くなる。しかし下地層の電極活性が高くなると、電極物質層の下の下地層で電解が起こって電極物質層の破壊を引き起こし、電解用電極の短寿命化に繋がる。本発明者の検討によると、白金族金属酸化物の中で酸化イリジウムが最適の電極活性を有していることが分かった。
又下地層をある程度多孔質として電極物質層との親和性を向上させると共に表面の電極物質層で下地層を実質的に封孔し、かつ電極としての実表面積を極めて大きくする態様では、電解液が基材に接触する可能性が生じるが、この場合にも酸化イリジウムにより基材は防食される。これにより基材の水素化が防止され、更に逆電流が流れて電極が陰分極する場合にも酸化イリジウムは安定で被覆の消耗が起こり難くなる。
1)電解液による基材の腐食を防止する。
2)下地層は順電流/逆電流の両電流に対して耐久性を有し、逆電流が発生した場合の基材の腐食をほぼ完全に防止する。
3)電解は表面の酸化イリジウムを含む電極物質層が行うので、その消耗が極めて小さく効果的である。電極物質層の表面積を大きくできるため、逆電流時の電極物質に対する負荷を小さくすることができ、これによって電極消耗を更に小さくすることができる。
従って高電流密度で酸素発生を行う工業電解、例えば高速亜鉛メッキや銅箔製造用電極特に陽極として使用できる。
本発明の電解用電極の被覆層や中間層の形成を熱分解法で行うと、緻密な層が形成されるとともに、電極物質層が三次元的に形成されるため前記欠点が解消される。
酸化イリジウム単独では、製法によっては前述した欠点が生じ易いのに対し、酸化イリジウムに他の金属酸化物である、例えば、酸化チタン、酸化タンタルや酸化スズ等を添加すると、この金属酸化物があたかも安定剤のように機能して酸化イリジウムを安定化し、歪みを生じ難くし、表面積を大きくし、電解電圧を低下させ、消耗も最小限に抑える、といった効果の内の少なくとも1つが達成できる。
本発明で使用する弁金属基材は、JIS1種又は2種の純チタンが最も好ましく使用されるが、電解液の条件によってはタンタルやニオブなどのより耐食性の高い弁金属を使用することも可能で、弁金属合金の使用も可能である。なお弁金属は、陽極として使用するときにはそのままでも表面が酸化してしまい、いわゆる不働体となって表面酸化物の電気抵抗から通電が困難になり、陰極としては金属としての作用により通電性が生じる、つまり電気の方向によって通電できたりできなかったりする弁のような役目をする金属であることから名付けられたもので、チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブのような4族及び5族の金属が知られている。またこれらの金属の合金も弁金属と同様の特性を有し、本発明で使用可能である。
基材の形状は目的の応じて決めれば良く、例えば高速亜鉛連続メッキ(EGL)などでは板状の基材が使用されるが、他の用途や電解によって発生するガスの除去を進めるためにはエキスパンドメッシュや穴あき板などが使われ、目的に応じて使い分ければ良い。
前記酸洗の条件も特に限定されないが、例えば20%沸騰塩酸中で10〜30分保持する、あるいは80〜100℃の25〜40%の硫酸中で1〜3時間程度酸洗を行い、表面洗浄を行う。
この前処理を施した弁金属基材表面に直接被覆層を形成しても良いが、被覆層形成前に導電性酸化物被覆を形成しても良い。この導電性酸化物は、弁金属基材表面を酸化物に変換し、耐食性を向上させるとともに、酸化物としてチタン系の酸化物を使用すると、親和性がより向上し、更に安定した状態で被覆層を保持できるようになる。
導電性酸化チタンは、市販のルチル型酸化チタンやその他の酸化チタンと金属チタンを目的の組成になるように粉砕混合し、例えば真空中で加熱焼成して得ることができる。導電性酸化チタンとしてはTiO、Ti3O5,Ti4O7,Ti5O9などで示されるマグネリ相チタン等があり、化学的な安定性と導電性の両面からマグネリ相酸化チタンの使用が望ましく、これらを粉砕し分級して被覆層の原料とする。
この導電性酸化チタン粒子の粒度は基材表面の安定に保持できれば特に限定されないが、通常は1〜50μm程度が適当である。必要に応じてこのような粉末をバインダーであるチタン化合物やタンタル化合物の単独又は混合溶液に懸濁させ、これを塗布液として弁金属基材に塗布し熱分解して導電性酸化チタン粒子を被覆層として固定する。この場合、チタン−タンタル溶液はブチルタンタレートとテトラブチルチタネートの混合アルコール溶液とし、この溶液に、導電性酸化チタン粒子の沈降を遅らせるための増粘剤として僅少量のキサンタンガムと添加した液を塗布直前まで十分に攪拌し、塗布し、空気中で480〜510℃で熱分解することが望ましい。又生成する層の厚さが所望値に達しない場合は塗布−熱分解を複数回繰り返せば良い。
この中間層は前述した通り、少なくとも酸化イリジウムと酸化タンタルを含み、特に下地層に導電性を付与する機能を有する前記酸化イリジウムの含有量が5から30重量%であるように調節する。これは前述した通り、5重量%未満であると十分な導電性が得られず、かつ粒子を含む比較的熱い被覆による電圧の上昇、並びに通電抵抗に依る発熱のために電極の温度が上昇して電極としての寿命が短くなるからである。他方30重量%を超えると、酸化イリジウム自体に電極としての機能が顕著になり、基材に近い部位での電解反応により電極被覆の消耗が起こり易くなるからである。
なお前記範囲の酸化イリジウムにより、電極被覆と基材との間で起こる可能性のある、電極内での間隙腐食あるいはそれに近い現象を防ぐことができる。
更にこれらの塗布液は目的に応じて選択すれば良く、一般に高速亜鉛メッキのような場合には、酸濃度が比較例低く、酸による腐食力が小さいため、アルコキシドを含む溶液を使用することが望ましい。これに対し、銅箔製造用など酸濃度が高い電解液中で使う場合には、揮発性物質が少なく、より密な被覆の生成が期待できる塩化物溶液を使用することが望ましい。
このようにして得られた電解用電極は必要に応じて安定化のための加熱処理を行っても良く、例えば500〜515℃で1〜3時間加熱する。
このように基材表面に被覆層及び中間層を形成すると、前記基材が実質的に酸化物で被覆され、同時に電解は表面の電極物質層で起こるようになり、更に十分な表面積が与えられ、これは電極全体としての負荷は大きくても実面積当たりの負荷が十分に小さくなり、長寿命化が可能になる。
この電解用電極は、被覆層と中間層とで弁金属基材を十分に被覆して電解液による基材の腐食が防止できる。更に白金族金属酸化物である酸化イリジウムを含有する中間層は順電流/逆電流の両電流に対して耐久性を有し、逆電流が発生した場合の基材の腐食をほぼ完全に防止する。又電解は表面の酸化イリジウムを含む電極物質層が行うので、中間層や被覆層の消耗が極めて小さく効果的である。電極物質層の表面積を大きくできるため、逆電流時の電極物質に対する負荷を小さくすることができ、これによって電極消耗を更に小さくすることができる。
更に被覆層で粒子を担持するようにしたため、実表面積が大きくなり、電極物質の実電流密度が低下して負荷を抑えることができ、又粒子等のその周辺の被覆層や中間層で基材を保護し、極めて優れた耐食性が得られるようになる。
更に被覆層や中間層を熱分解法で形成する場合は、高価な設備や維持費を要する溶射法やイオンプレーティング法と異なり、安価に高性能の電解用電極を製造できる。
図1の態様では、弁金属基材の表面に、導電性酸化チタン粒子から成る被覆層が形成され、該被覆層上に酸化イリジウムと酸化タンタルから成る中間層が積層され、該中間層上に酸化イリジウムを主とする電極物質層が被覆されて電解用電極が形成されている。
図2の態様では、図1の各要素に加えて、弁金属基材と被覆層の間に導電性酸化チタン層が形成されている。
図3は本発明の電解用電極を装着した金属メッキ装置を例示する概略縦断面図、図4は図3のA−A線矢示図である。
従来のメッキ用電極では、逆電流に対する耐久性が乏しく、逆電流が流れると触媒物質が剥離又は溶出したりして極端に電極寿命が短くなっていた。これに対し図示の陽極18は上記の通りの構成を有し逆電流に対する優れた耐久性を有するため、逆電流が生じる環境で使用を継続しても長期間操業を実施できる。
厚さ1mmのチタン板を基材として用い、この基材に次のような前処理を施した。
グリットブラストにより前記基材の平均粗度をJIS Ra=10μmとし、その表面を沸騰20%塩酸で酸処理をして活性化した。
この基材表面に次のようにして酸化チタン/酸化タンタル=9/1(モル比)の複合酸化物(導電性酸化チタン被覆)を形成した。つまり塩化チタンと塩化タンタルの希塩酸溶液を前記基材表面に塗布し、乾燥後マッフル炉中にて540℃で10分間熱分解を行い、これを4回繰り返し、チタンとタンタルの合計で1g/m2である導電性酸化チタン被覆を形成した。
まずルチル粉末と金属チタン粉末を出来上がり組成でTi3O5となるように配合した混合粉末を自動乳鉢で3時間粉砕混合を行った後、プレスでペレット化しこのペレットを10-3mmHg程度の真空中で1150℃3時間保持して導電性酸化チタンとした。この導電性酸化チタンの主成分はTi4O7であったが、その他Ti3O5からTi5O9までの幾つかの酸化チタンの混合物であった。この酸化チタン混合物は粉砕して粒径1〜20μmの粉体とした。
チタン/タンタル=9/1(モル比)としたブチルチタネートとブチルタンタレートのブチルアルコール溶液に、前記酸化チタン混合物の粉体と、分散剤としてのキサンタンガムを粉体に対して5重量%加えて混合攪拌して懸濁液を得た。
この懸濁液を前記導電性酸化チタン被覆の表面に塗布し、60℃で乾燥後、マッフル炉により480℃で加熱焼き付け処理を行い、この塗布及び焼付けを4回繰り返した。これによって薄い青色の多孔質の被覆層が形成された。なお被覆層中のチタン/タンタルと導電性酸化チタンの量比は5:95(重量比)とした。
イリジウム/タンタル=4/1(モル比)となるように配合した塩化イリジウムとブチルタンタレートのブチルアルコール溶液を塗布液として塗布し、室温で乾燥した後、更に60℃で10分間乾燥し、490℃の空気を流通させたマッフル炉中で10分間熱分解を行った。冷却後、更に塗布−熱分解を繰り返し、計15回の繰り返しによって中間層表面に酸化イリジウムと酸化タンタルから成る複合酸化物の電極物質層を形成し、後述する電解試験用の試料電極とした。なおこの電極物質層の被覆厚は、断面の顕微鏡観察により見掛け上約3μmであった。
まず60℃の150g/リットルの硫酸ナトリウム溶液に硫酸を加えてpH=1.8とし、これを電解液とした。表1の各試料電極を陽極とし、白金板を対極とし、電流密度が3A/cm2となるように通電した。4時間50分間正方向に通電し、その後10分間電流を逆転させるサイクルで電解を継続した。
このような条件で電解した際の各試料電極の電解電圧(V)及び電解寿命(時間)を表1に纏めた。表1に示されるように、中間層のイリジウムの含有量が5モル%未満であると、電解電圧が高くなった。これは下地層の導電性が悪いこと、及び発熱のため電圧が高くなり寿命が短くなっていると推測できる。又中間層のイリジウム含有量が30モル%を超えると、電解電圧には実質的な差異は見られなかったが、下地層で電解を起こしてしまうためか短寿命化が見られた。
中間層の組成にチタンを加えイリジウム:タンタル:チタン=10:85:5としたこと以外は、実施例1と同じ条件で、計10個の基材上に被覆層、次いで中間層を形成した。
この中間層表面に、次のようにして酸化イリジウムと酸化タンタルの複合酸化物から成る電極物質層を形成して実施例6〜15の試料電極とした。各電極物質層中のイリジウムの含有量(モル%)は表2に示す通りで、残部はタンタルとした。
つまり塩化イリジウムと塩化タンタルの希薄塩酸溶液を塗布液として、前記基材の中間層表面に塗布し、10分間室温で更に60℃で乾燥し、505℃のマッフル炉で熱分解を行い、この塗布−熱分解を15回繰り返して計10個の試料電極を作製した(実施例6〜15)。
各試料電極を実施例1と同じ条件で電解試験を行った。表2から電極物質層中のイリジウムの含有量が50モル%未満になると電解寿命が短くなる傾向があり、又イリジウム含有量が90モル%以上になると寿命が短くなることが観察され、100モル%では極端な短寿命化が見られた。
被覆層及び中間層を形成せずに、実施例1の基材上に直接電極物質層を形成した。電極物質層は実施例1と同じ組成とし、実施例1と同じ熱分解法で形成し、これにより比較例5の試料電極とした。
この試料電極を使用して実施例1の場合と同様にして電解試験を行った。その結果を表2に示した。表2から、下地層(被覆層及び中間層)を形成した方が寿命が長くなることが分かった。
12 金属メッキ槽
13 メッキ液
14 被メッキシート
18 陽極
19 陰極
Claims (9)
- 弁金属基材、該基材表面に被覆された導電性酸化チタン粒子を有する被覆層、該被覆層表面に形成され、酸化イリジウムと酸化タンタルを含み前記酸化イリジウムの含有量が5から30重量%である中間層、及び該中間層表面に形成された酸化イリジウムを含む電極物質層を含んで成ることを特徴とする電解用電極。
- 弁金属基材表面に導電性酸化チタン被覆を形成した請求項1に記載の電解用電極。
- 被覆層中の導電性酸化チタン粒子がマグネリ相酸化チタンであり、該マグネリ相酸化チタンのバインダーとして導電性酸化タンタルを有する請求項1又は2に記載の電解用電極。
- 中間層が、5から30重量%の酸化イリジウム、10重量%以下の酸化チタン、及び残部酸化タンタルを有する請求項1から3までのいずれかに記載の電解用電極。
- 電極物質層の酸化イリジウム含有量が50から90モル%である請求項1から4までのいずれかに記載の電解用電極。
- 弁金属基材表面の前処理を行った後、導電性酸化チタン粉末をタンタル及びチタンを含む溶液中に懸濁させた懸濁液を前記基材表面に塗布し熱分解により導電性酸化チタン粒子を有する被覆層を形成し、次いでイリジウム化合物とタンタル化合物を含む溶液を前記被覆層表面と塗布し熱分解により酸化イリジウムと酸化タンタルを含む中間層を形成し、イリジウム化合物を含む溶液を前記中間層表面に塗布し熱分解することにより酸化イリジウムを含む電極物質層を形成することを特徴とする電解用電極の製造方法。
- 導電性チタン粉末として粒径1から50μmのマグネリ相酸化チタンを使用し、該酸化チタンを、増粘剤を付加した溶液に懸濁させて塗布液とし、該塗布液を弁金属基材表面と塗布し熱分解して被覆層を形成する請求項6に記載の電解用電極の製造方法。
- 中間層形成用のイリジウム化合物とタンタル化合物がそれぞれ塩化イリジウム及びタンタルのアルコキシドであり、該塩化イリジウム及びタンタルのアルコキシドの酸性アルコール溶液を被覆層表面に塗布して、空気中510℃以下の温度で熱分解するようにした請求項6又は7に記載の電解用電極の製造方法。
- 電極物質層が酸化イリジウムと酸化タンタルを含み、塩化イリジウムとタンタルアルコキシドの酸性アルコール溶液を中間層表面に塗布し、520℃以下の空気流通雰囲気中で熱分解して前記電極物質層を形成するようにした請求項6から8までのいずれかに記載の電解用電極の製造方法。
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