JP2005089522A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い効率で導電性を樹脂に付与することにより、導電性に加えて、優れた機械物性や成形性を併せ持った樹脂組成物を安価に提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂中に1〜60質量%の黒鉛質粒子を含有してなる樹脂組成物であって、この樹脂組成物についてX線回折(XRD)測定を行ったとき観測される、黒鉛層構造(002)に由来する2θ=26°付近の回折線の半値幅(W)と、前記測定を黒鉛質粒子単独について行ったときに観測される前記回折線の半値幅(W)とが、W/W≧3の関係を満たすことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂と黒鉛質粒子とからなる樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。
従来から、帯電防止等の目的で、導電性の高い金属類や黒鉛等の炭素化合物を混合して導電性を付与した熱硬化性樹脂組成物は広く利用されている。近年では、こうした樹脂組成物を燃料電池セパレーターなどの用途へ使用する検討もなされており、黒鉛並みの導電性と精密加工性、耐久性を兼備したうえで、同時に、製造コストを汎用のエンジニアリングプラスチック並みに抑制することが要望されている。
熱硬化性樹脂組成物に効率的に高い導電性を付与させるための技術として、黒鉛をあらかじめ粉砕・分級し一定以下の粒子径にしたあと樹脂と練り合わせる方法(特許文献1)、一定以上のかさ密度に加工した黒鉛を使用する方法(特許文献2)、あるいは、フェノール類とアルデヒド類とを触媒の存在下でカーボン粉末と混合し、カーボン粉末の分散性が良好な樹脂組成物を得る方法(特許文献3)などが開示されている。しかしながら、いずれの場合も導電性確保のため黒鉛質粒子を高配合率にする必要があり、それに伴って樹脂が本来有する成形加工性や機械的強度が低下してしまうという問題があった。
特開昭61−6801号公報 特開平06−100727号公報 特開2003−48934公報
本発明の課題は、上記課題を解決するものであり、非常に高い効率で導電性を樹脂に付与することにより、導電性に加えて、優れた機械物性や成形性を併せ持った樹脂組成物を安価に提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、熱硬化性樹脂中に黒鉛層を分散させることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、第一に、熱硬化性樹脂中に1〜60質量%の黒鉛質粒子を含有してなる樹脂組成物であって、この樹脂組成物についてX線回折(XRD)測定を行ったとき観測される、黒鉛層構造(002)に由来する2θ=26°付近の回折線の半値幅(W)と、前記測定を黒鉛質粒子単独について行ったときに観測される前記回折線の半値幅(W)とが、W/W≧3の関係を満たすことを特徴とする樹脂組成物であり、第二に、熱硬化性樹脂99〜40質量部を形成するモノマーに対して、黒鉛質粒子1〜60重量部を存在させた状態でモノマーの重合を行うことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂中における黒鉛質粒子の凝集が抑制されており、単一層に近い状態で黒鉛質粒子を樹脂中に分散しているので、黒鉛質粒子間の接点が飛躍的に増加して、導電性の付与効率が劇的に向上している。したがって、熱硬化性樹脂に添加すべき黒鉛質粒子量を減少させることができるので、樹脂が本来有している良好な成形性が損なわれることがなく、燃料電池セパレーターをはじめ、帯電防止を必要とする各種ハウジング、や半導体用の治具等に使用することができる。さらに、本発明の製造方法によれば、上記組成物が簡便な製造方法により得られ、従来おこなっていた黒鉛質粒子を熱硬化性樹脂に配合する工程を省略できるため、製造コストが大きく削減される。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いられる黒鉛質粒子は、いわゆる炭素原子の六角網目構造を有する層が何枚も重なり合った構造を有するものであればよく、具体的には天然黒鉛のほか、人造黒鉛やカーボンブラック、膨張黒鉛、ナノカーボンなどが挙げられ、その形状はフレーク状、粉末状、繊維状等であるが、これらに限定されるものではない。黒鉛質粒子の配合量は、1〜60質量%とすることが適当であり、3〜30質量%とすることが好ましい。黒鉛質粒子の配合量が1質量%未満の場合、導電性の付与効果が十分ではなく、60質量%を超えると、成形加工性が低下したり機械的特性が損なわれることがある。
本発明に熱硬化性樹脂組成物のマトリクス樹脂は、特に限定されないが、例えばフェノール樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられ、中でもフェノール樹脂が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂99〜40質量部を形成するモノマーに対して、黒鉛質粒子1〜60重量部を存在させた状態でモノマーの重合を行うことにより得ることができる。ここで、熱硬化性樹脂を形成するモノマー量と黒鉛質粒子との存在比は、97〜70質量部/3〜30質量部とすることが好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造方法をさらに詳しく述べれば、熱硬化性樹脂を形成するモノマーを、重合触媒等の存在下、黒鉛質粒子を共存させた状態で、モノマーを重合し、本発明の熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。例えば、フェノール樹脂をマトリクスとする樹脂組成物を得ようとする場合、フェノール樹脂を形成するモノマーであるフェノールおよびホルムアルデヒド水溶液、重合触媒である酸もしくはアルカリに黒鉛質粒子を共存させた状態でノボラック樹脂もしくはレゾール樹脂を重合すればよい。
このとき、上記樹脂組成物においては、原料である黒鉛質粒子の層構造がへき開した状態でマトリクス樹脂中に分散して存在しており、この状態により、本発明における効率的な導電性付与が達成される。黒鉛質粒子層構造におけるのへき開の状態や程度は、例えば、この樹脂組成物についてX線回折(XRD)測定を行い、観測される黒鉛層構造(002)に由来する2θ=26°付近の回折線が、初期値よりブロードになっていることにより確認することができ、具体的には、前記2θ値における樹脂組成物中の黒鉛質粒子の半値幅(W)と、前記測定を黒鉛質粒子単独について行ったときに観測される前記回折線の半値幅(W)とが、W/W≧3の関係を満たしていればよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、上記樹脂成分と黒鉛質粒子の2成分系以外に、一般に使用されるガラス繊維、成形助剤、難燃助剤、酸化防止剤、可塑剤、金属粒子等の添加物を配合させてもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、成形加工性に優れるため、射出成形、プレス成形、トランスファー成形などの公知の成形方法により各種成形体とすることができ、燃料電池セパレーターをはじめ、帯電防止を必要とする各種ハウジング、や半導体用の治具等に使用することができる。また、成形加工するにあたっては、熱硬化性樹脂の種類に応じた硬化剤等の配合や、熱処理など、公知の方法を用いることができる。たとえば、ノボラック樹脂に硬化剤であるヘキサミンを添加して混合物を得た後、成形することや、レゾール樹脂を熱硬化させて成形体とすることができる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
用いた測定・評価方法は次の通りである。
(1)XRD測定
X線回折装置として、理学電気工業(株)製RAD-rB X線回折装置を用い、線源はCu-Kα線(50kV 10mA)、WAXD反射法で、測定を行った。
原料黒鉛質粒子については、粉末を0.5mmガラスセルに入れてXRD測定を行い、成形体については、平面部分を用いてX線回折測定を行いた。
原料および成形体について得られた回折線の黒鉛層構造(002)に由来する2θ=26°付近の回折線の半値幅をそれぞれW、Wとした。
(2)曲げ強度
JIS K6911の方法に従って測定した。
(3)成形性
原料樹脂を十分に攪拌後、曲げ試験片の金型に入れて180℃でプレス成形した。得られた成形体の気泡の存在状態、バリ発生状況により、以下の基準にて成形性を評価した。
○:成形体に気泡、バリは見られなかった。
×:成形体に気泡またはバリのいずれかが発生した。
実施例1
フェノール93g、純水9.3ml、37%ホルムアルデヒド水溶液66g、シュウ酸2水和物0.7g、天然黒鉛5.8gをフラスコに入れた。この混合物を攪拌しながら30分加熱還流した後、シュウ酸2水和物をさらに0.7g加え、さらに1時間攪拌した。ここで、300mlの水を加え混合物を冷却した後、デカンテーションして上部の水分を除去し、減圧蒸留にてさらに未反応フェノールを除去して、ノボラック樹脂106gを得た。この樹脂についてXRD測定を行った。
次に、このノボラック樹脂100gにヘキサメチレンジアミン10gを添加してじゅうぶんに攪拌した後、プレス成形機を用いて180℃で成形し、厚さ2mmのフェノール樹脂板を作成した。この成形品に含まれる黒鉛量は5質量%であった。成形性、曲げ強度を評価した結果を表1に示す。
Figure 2005089522
実施例2
天然黒鉛の添加量を29gとした以外は実施例1と同様の操作を行い、黒鉛含有量20質量%のフェノール樹脂板を作成し、各種評価を行った。結果を表1に示した。
比較例1
天然黒鉛を添加しない以外は実施例1と同様にフェノール樹脂板を作成し、各種評価を行った。結果を表1に示した。
比較例2
天然黒鉛の添加量を1,044gにした以外は実施例1と同様の操作を行い、黒鉛含有量90質量%のフェノール樹脂板を作成し、各種評価を行った。結果を表1に示した。
比較例3
市販のノボラック樹脂(住友ベークライト社製スミライトレジンPR-F)100gに天然黒鉛27.5gとヘキサメチレンジアミン10gを添加し、十分攪拌後、プレス成形機を用いて180℃で成形し、黒鉛含有量20質量%のフェノール樹脂板を作成した。各種評価結果を表1に示した。
比較例4
天然黒鉛配合量を1,100gにした以外は比較3と同様にして、黒鉛含有量90質量%のフェノール樹脂板を作成した。各種評価結果を表1に示した。
実施例1〜2では、XRD測定結果から黒鉛の層構造が大きく崩れて、フェノール樹脂中で黒鉛層が分散しており、良好な機械的物性と成形性を有していた。それに較べ、比較例2〜4では、黒鉛層の分散が不十分であり、結果として成形性が不十分であり、得られた成形品の機械物性の低下が大きかった。

Claims (2)

  1. 熱硬化性樹脂中に1〜60質量%の黒鉛質粒子を含有してなる樹脂組成物であって、この樹脂組成物についてX線回折(XRD)測定を行ったとき観測される、黒鉛層構造(002)に由来する2θ=26°付近の回折線の半値幅(W)と、前記測定を黒鉛質粒子単独について行ったときに観測される前記回折線の半値幅(W)とが、W/W≧3の関係を満たすことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 熱硬化性樹脂99〜40質量部を形成するモノマーに対して、黒鉛質粒子1〜60重量部を存在させた状態でモノマーの重合を行うことを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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