JP2005086992A - Dc−dcコンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】DC−DCコンバータにおいて通常動作条件内での入力電圧変動に迅速かつ適確に対応して定常状態に戻すこと。
【解決手段】このDC−DCコンバータは、高周波数でオン・オフ可能なスイッチング素子をオン・オフ動作させて直流の入力電圧Vinを直流の出力電圧Voutに変換するスイッチング電源部10と、このスイッチング電源部10における該スイッチング素子のオン・オフ動作を制御するための制御部12とで構成される。制御部12では、直流出力電圧Voutが監視値AMの範囲を出たときは、制御系のスイッチング制御動作を停止させるのではなく、フィードバック・ループ系の応答特性(特に誤差増幅器14の応答特性)を応答性の高いものに切り換えてスイッチング制御動作を続行させる。

【選択図】 図1

Description

本発明は、入力するDC(直流)を任意のDC(直流)に変換するためのDC−DCコンバータに関する。
DC−DCコンバータは、半導体のスイッチング素子を用いる小型・軽量・高効率の直流電源であり、電子機器等に広く利用されており、近年、小型・軽量・高効率の要求が高くなっている。DC−DCコンバータの基本原理は、スイッチング素子を高周波数でオン・オフさせて、オン時間とオフ時間の比率つまりデューティ比を可変制御して、直流の出力電圧を一定レベルに維持するものである。通常は、出力電圧を負帰還して定電圧制御を行うようにしている。より詳細には、出力電圧をフィードバックして誤差増幅器で基準値と比較して誤差を求め、誤差増幅器からの誤差信号に応じてスイッチング制御回路がスイッチング素子に与えるスイッチング駆動パルスのデューティ比を可変制御するようにしている。
従来のDC−DCコンバータでは、負荷の回路を過電圧から保護するために、直流の出力電圧が予め設定された過電圧用の監視値を超えた時に、コンパレータまたはツェナー・ダイオード等からなる保護回路が作動して、制御系(特にスイッチング制御回路)にスイッチング制御動作を停止させるようにしている。こうして制御系を停止させた後に通常動作への復帰を行うには、出力電圧を零ボルトまで落した後に外部から起動コマンドを与える方法か、あるいは出力電圧が所定値たとえば上記監視値よりも低くなったことを検出して制御系にスイッチング制御動作を再開させる方法が採られている。
上記のように、従来のDC−DCコンバータにおける過電圧保護機能は、直流の出力電圧が過電圧監視値を超えた時に制御系のスイッチング制御動作を停止させるものである。しかしながら、実際には、出力過電圧の原因が破壊モードではない場合、つまり通常動作条件内での入力電圧変動に対する応答結果であることが多々ある。たとえば、携帯型の電子機器において、電源ソケットにACアダプタのプラグ(直流出力端子)を差し込むと、DC−DCコンバータに対する入力電源電圧がそれまでの内部バッテリの電源電圧からACアダプタの電源電圧へとステップ的に上昇し、その入力電圧の急激な変化に定電圧制御が追い付けずに一時的に出力過電圧状態になることがある。
このような一時的な過渡現象に対して、制御系全体の動作をいったん停止させてしまうのは不適当であり、却って信頼性を損ねることにもなる。すなわち、従来のDC−DCコンバータにおいて、出力を完全に遮断して改めて外部から起動コマンドを与える復帰方法は、過剰な保護動作であるだけでなく、システムを再起動させるのに時間を要し、当該電子機器の機能を低下させてしまう。また、出力電圧が安全レベルまで下がってからスイッチング制御動作を再開させる方法は、再開直後に制御系の状態が保証されず、不安定であり、再び出力過電圧になったり、あるいは定格電圧よりも低い出力低電圧になることがある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、通常動作条件内での入力電圧変動に迅速かつ適確に対応できるDC−DCコンバータを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の第1のDC−DCコンバータは、高周波数でオン・オフ可能なスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子をオン・オフ動作させて直流の入力電圧を直流の出力電圧に変換するスイッチング電源部と、前記スイッチング電源部より得られる前記直流の出力電圧を基準値と比較し、その比較誤差に応じた誤差信号を第1の応答特性および前記第1の応答特性よりも応答性の高い第2の応答特性の中の選択された方で出力する誤差増幅器と、前記誤差増幅器からの前記誤差信号に応じて前記直流出力電圧を前記基準値に一致させるためのスイッチング駆動パルスを生成して前記スイッチング素子に与えるスイッチング制御部と、前記直流出力電圧を所望の監視値と比較し、前記誤差増幅器の応答特性として、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ていない時は前記第1の応答特性を選択し、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ている時は前記第2の応答特性を選択する応答特性選択回路とを有する。
上記の構成においては、直流出力電圧が監視値の範囲を出ていない時は、誤差増幅器の応答特性として定常用の第1の応答特性を選択して、フィードバック・ループ系に安定性重視の定電圧制御を行わせることができるとともに、直流出力電圧が監視値の範囲を出た時は非常用の第2の応答特性を選択してフィードバック・ループ系に高速性重視の定電圧制御を行なわせることができる。このことにより、通常動作条件内で入力電圧が急激かつ大幅に変動しても、制御系のスイッチング制御動作を停止させずに制御系自体の自律的復帰機能により出力過電圧を迅速かつ適確に回避ないし解消することができる。
本発明の第2のDC−DCコンバータは、高周波数でオン・オフ可能なスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子をオン・オフ動作させて直流の入力電圧を直流の出力電圧に変換するスイッチング電源部と、前記スイッチング電源部より得られる前記直流の出力電圧を基準値と比較し、その比較誤差に応じた誤差信号を第1の応答速度および前記第1の応答速度よりも高い第2の応答速度の中の選択された方で出力する誤差増幅器と、前記誤差増幅器からの前記誤差信号に応じて前記直流出力電圧を前記基準値に一致させるためのスイッチング駆動パルスを生成して前記スイッチング素子に与えるスイッチング制御部と、前記直流出力電圧を所望の監視値と比較し、前記誤差増幅器における応答速度として、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ていない時は前記第1の応答速度を選択し、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ている時は前記第2の応答速度を選択する応答速度選択回路とを有する。
上記の構成においては、直流出力電圧が監視値の範囲を出ていない時は、誤差増幅器の応答速度として定常用の第1の応答速度を選択して、フィードバック・ループ系に安定性重視の定電圧制御を行わせることができるとともに、直流出力電圧が監視値の範囲を出た時は非常用の第2の応答速度を選択してフィードバック・ループ系に高速性重視の定電圧制御を行なわせることができる。このことにより、上記第1のDC−DCコンバータと同様の効果が得られる。
本発明の第3のDC−DCコンバータは、高周波数でオン・オフ可能なスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子をオン・オフ動作させて直流の入力電圧を直流の出力電圧に変換するスイッチング電源部と、前記スイッチング電源部より得られる前記直流の出力電圧を基準値と比較し、その比較誤差に応じた誤差信号を第1のゲインおよび前記第1のゲインよりも高い第2のゲインの中の選択された方で出力する誤差増幅器と、前記誤差増幅器からの誤差信号に応じて前記直流出力電圧を前記基準値に一致させるためのスイッチング駆動パルスを生成して前記スイッチング素子に与えるスイッチング制御部と、前記直流出力電圧を所望の監視値と比較し、前記誤差増幅器におけるゲインとして、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ていない時は前記第1のゲインを選択し、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ている時は前記第2のゲインを選択するゲイン選択回路とを有する。
上記の構成においては、直流出力電圧が監視値の範囲を出ていない時は、誤差増幅器のゲインとして定常用の第1のゲインを選択して、フィードバック・ループ系に安定性重視の定電圧制御を行わせることができるとともに、直流出力電圧が監視値の範囲を出た時は非常用の第2のゲインを選択してフィードバック・ループ系に高速性重視の定電圧制御を行なわせることができる。このことにより、上記第1のDC−DCコンバータと同様の効果が得られる。
本発明の第4のDC−DCコンバータは、高周波数でオン・オフ可能なスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子をオン・オフ動作させて直流の入力電圧を直流の出力電圧に変換するスイッチング電源部と、前記スイッチング電源部より得られる前記直流の出力電圧を基準値と比較し、その比較誤差に応じた誤差信号を第1のバイアス電流および前記第1のバイアス電流よりも大きい第2のバイアス電流の中の選択された方を用いて出力する誤差増幅器と、前記誤差増幅器からの前記誤差信号に応じて前記直流出力電圧を前記基準値に一致させるためのスイッチング駆動パルスを生成して前記スイッチング素子に与えるスイッチング制御部と、前記直流出力電圧を所望の監視値と比較し、前記誤差増幅器におけるバイアス電流として、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ていない時は前記第1のバイアス電流を選択し、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ている時は前記第2のバイアス電流を選択するバイアス電流選択回路とを有する。
上記の構成においては、直流出力電圧が監視値の範囲を出ていない時は、誤差増幅器におけるバイアス電流として定常用の第1のバイアス電流を選択して、フィードバック・ループ系に安定性重視の定電圧制御を行わせることができるとともに、直流出力電圧が監視値の範囲を出た時は非常用の第2のバイアス電流を選択してフィードバック・ループ系に高速性重視の定電圧制御を行なわせることができる。このことにより、上記第1のDC−DCコンバータと同様の効果が得られるとともに、両定電圧制御モード間の切り換えを高速かつ適確に行える。
本発明の第5のDC−DCコンバータは、高周波数でオン・オフ可能なスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子をオン・オフ動作させて直流の入力電圧を直流の出力電圧に変換するスイッチング電源部と、前記スイッチング電源部より得られる前記直流の出力電圧を基準値と比較し、その比較誤差に応じた誤差信号を出力する差動増幅器と、前記差動増幅器の出力端子とグランド電位との間に直列に接続される出力抵抗およびコンデンサを含む出力回路とを有し、前記出力抵抗の抵抗値を第1の抵抗値および前記第1の抵抗値よりも高い第2の抵抗値の中で選択可能な誤差増幅器と、前記誤差増幅器からの前記誤差信号に応じて前記直流出力電圧を前記基準値に一致させるためのスイッチング駆動パルスを生成して前記スイッチング素子に与えるスイッチング制御部と、前記直流出力電圧を所望の監視値と比較し、前記誤差増幅器における前記出力抵抗の抵抗値として、前記直流出力電圧が前記監視値を超えない時は前記第1の抵抗値を選択し、前記直流出力電圧が前記監視値を超えている時は前記第2の抵抗値を選択する出力抵抗選択回路とを有する。
上記の構成においては、直流出力電圧が監視値の範囲を出ていない時は、誤差増幅器における出力抵抗の抵抗値として定常用の第1の抵抗値を選択して、フィードバック・ループ系に安定性重視の定電圧制御を行わせることができるとともに、直流出力電圧が監視値の範囲を出た時は非常用の第2の抵抗値を選択してフィードバック・ループ系に高速性重視の定電圧制御を行なわせることができる。このことにより、上記第1のDC−DCコンバータと同様の効果が得られるとともに、両定電圧制御モード間の切り換えを高速かつ適確に行える。
本発明のDC−DCコンバータにおいて、好ましくは、スイッチング電源部を、直流の入力電圧をスイッチング素子を介して矩形波の直流に変換し、矩形波の直流を整流平滑して直流の出力電圧に変換するチョッパ方式のスイッチング電源部に構成してよい。この場合、スイッチング電源部が、好適な一形態としてチョークコイルと平滑コンデンサとを含む整流平滑回路を有してよく、さらに好適な一形態として主スイッチング用の第1のトランジスタと同期整流用の第2のトランジスタとを有してよい。これらの第1および第2のトランジスタは、スイッチング制御部からの互いに反対の極性を有する第1および第2のスイッチング駆動パルスで駆動される。すなわち、第1のトランジスタがオンする時は、第2のトランジスタがオフで、直流の入力電圧が第1のトランジスタを介してチョークコイルに供給され、チョークコイルにエネルギーが蓄積される。第2のトランジスタがオフすると、これと入れ替わりに第2のトランジスタがオンして還流電流が流れ、チョークコイルから負荷にエネルギーが放出される。しかし、出力が過電圧になると、第2のトランジスタはオン状態で出力端子側からの逆向きの電流がグランドへ流れるのを許容し、これによって出力過電圧の解消を促進することができる。
また、別の好ましい一態様として、スイッチング制御部が、誤差増幅器からの誤差信号に応じてスイッチング駆動パルスのパルス幅を可変制御するようにしてよい。
本発明のDC−DCコンバータによれば、通常動作条件内で入力電圧が急激かつ大幅に変動しても、制御系の動作を停止させることなく迅速かつ適確に対応して安定確実に定常状態に戻すことができる。
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1に、本発明によるDC−DCコンバータの基本構成を示す。本発明のDC−DCコンバータは、高周波数でオン・オフ可能なスイッチング素子を有し、該スイッチング素子をオン・オフ動作させて直流の入力電圧Vinを直流の出力電圧Voutに変換するスイッチング電源部10と、このスイッチング電源部10における該スイッチング素子のオン・オフ動作を制御するための制御部12とで構成される。
制御部12は、誤差増幅器14、スイッチング制御回路16、基準電圧発生回路18、監視値設定回路20および応答特性選択回路22を有している。誤差増幅器14には、スイッチング電源部10からの出力電圧Voutが入力されるとともに、基準電圧発生回路18からの基準値または基準電圧Vrefが入力される。誤差増幅器14は、たとえば差動増幅器からなり、帰還電圧Voutを基準電圧Vrefと比較して、その比較誤差(Vref−Vout)に応じた電圧レベルを有する誤差信号ERを出力する。この誤差増幅器14は、帰還電圧Voutに対して応答性が段階的に異なる少なくとも2種類(第1および第2)の応答特性を有しており、後述する応答特性選択回路22によって選択された方の応答特性で誤差信号を出力するようになっている。ここで、応答性つまり応答感度または応答速度において第1の応答特性よりも第2の応答特性の方が高いものとする。
スイッチング制御回路16は、スイッチング電源部10内のスイッチング素子にたとえばPWM(Pulse Width Modulation)方式のスイッチング駆動パルスSCを与えるもので、発振回路を有しており、誤差増幅器14からの誤差信号ERに応じて出力電圧Voutを基準電圧Vrefに一致させる方向にスイッチング駆動パルスSCのデューティ比を可変制御する。スイッチング制御回路16内の発振回路はスイッチング電源部10から独立したもの(他励式)でもよく、あるいはスイッチング電源部10内のトランスや分布容量等を利用して構成されたもの(自励式)であってもよい。
監視値設定回路20は、このDC−DCコンバータにおける出力電圧Voutについて過大電圧または過小電圧保護用の監視値を設定する回路であり、設定した監視値AMを応答特性選択回路22に与える。応答特性選択回路22は、出力電圧Voutが上記監視値AMの範囲を出ていないかどうかを常時監視し、監視結果に応じて誤差増幅器14において第1および第2の応答特性の中のいずれか一方を選択する。
このDC−DCコンバータにおいては、スイッチング電源部10より得られる直流の出力電圧Voutが監視値設定回路20で設定された監視値AMの範囲を出ていない間は、応答特性選択回路22により誤差増幅器14における応答特性として第1の応答特性が選択され、第1の応答特性の下で定電圧制御が行なわれる。すなわち、誤差増幅器14は、第1の応答特性で、帰還電圧Voutを基準電圧Vrefと比較して、その比較誤差に応じた誤差信号ERを出力する。この誤差信号ERに応じて、スイッチング制御回路16が、出力電圧Voutを基準電圧Vrefに一致させる方向に、スイッチング電源部10内のスイッチング素子に与えるスイッチング駆動パルスSCのデューティ比を可変制御する。こうした定常時の定電圧制御では、フィードバック・ループ系の応答特性として安定性が最重視され、多少の遅れがあってもよい。
しかし、何らかの原因で直流出力電圧Voutが上記監視値AMの範囲を出たときは、応答特性選択回路22により誤差増幅器14における応答特性としてそれまでの第1の応答特性よりも高感度または高速の第2の応答特性が選択され、その第2の応答特性の下で定電圧制御が行なわれる。すなわち、誤差増幅器14が第2の応答特性で誤差信号ERを出力し、この誤差信号ERに応じてスイッチング制御回路16がスイッチング駆動パルスSCのデューティ比を可変制御する。このような過電圧時の定電圧制御では、フィードバック・ループ系の応答特性として高速性が最重視され、遅れは小さい方がよい。
このように、本発明のDC−DCコンバータは、直流出力電圧Voutが監視値AMの範囲を出たときは、制御系のスイッチング制御動作を停止させるのではなく、フィードバック・ループ系の応答特性(特に誤差増幅器14の応答特性)を応答性の高いものに切り換えてスイッチング制御動作を続行させる点を特徴としている。これによって、当該出力過電圧の原因が破壊モードではなくて通常動作条件内での入力電圧変動に対する応答結果であった場合は、上記のように誤差増幅器14における応答特性を第1の応答特性から第2の応答特性へ切り換えることによって出力電圧Voutのレベルを速やかに監視値AMの範囲内に引き戻し、かつ短時間のうちに定電圧制御を新たな定常状態に到達させて出力電圧Voutを元のレベルに戻すことができる。したがって、負荷に対する電源電圧供給を安定に維持できるうえ、制御系がスイッチング制御動作を中断無しに継続するので定電圧制御の方向性を見失うようなことがなく、安定確実な復帰動作を保証できる。
なお、本発明のDC−DCコンバータに、破壊モードの過電圧に対する保護機能(図示せず)を併設してもよいことは無論である。本発明は主として通常動作条件内での過電圧を対象とするため、本発明における監視値AMはそのような破壊モードの過電圧に対する監視値(BMとする)よりも低い値(絶対値)に設定してよい。たとえば、定常時の出力電圧レベルに対して、本発明における上限監視値AMUを120%の値に設定し、破壊モード過電圧用の監視値BMを150%の値に設定することができる。本発明においては、出力電圧Voutが上限監視値AMUを超えたときはフィードバック・ループ系(特に誤差増幅器)の応答特性を高感度または高速なものに切り換えることにより、通常動作条件内での過電圧であれば速やかに上限監視値AMUの範囲内に引き戻すことが可能であるから、出力電圧Voutを破壊モード過電圧用の監視値BMに到達させずに、したがって破壊モード過電圧用の保護回路を起動させずに済ますことができる。本発明の制御が利かないような過電圧は破壊モードの過電圧であり、いずれは監視値BMを超えるので、その時点で該保護回路を起動させ、制御系のスイッチング制御動作を停止させて負荷に対する出力電圧Voutの供給を遮断してよい。上記のような破壊モード過電圧用の保護回路だけでなく、過電流保護回路や過熱保護回路等も併設可能である。
本発明の誤差増幅器14における応答特性としては、具体的には応答速度あるいはゲインが好ましい。後述する実施例では、誤差増幅器14における応答特性を高速かつ適確に切り換えるための好適な手法を開示している。
図2に、本発明の具体例として第1の実施例によるDC−DCコンバータの構成を示す。このDC−DCコンバータにおいて、スイッチング電源部10はチョッパ方式降圧型であり、スイッチング素子として主スイッチング用のMOSFET24と同期整流用のMOSFET26とを有し、整流平滑回路をチョークコイル28と平滑コンデンサ30とで構成している。
より詳細には、主スイッチング用のMOSFET24は、一方の端子が直流の入力電圧Vinを入力する電源入力端子32に接続され、他方の端子がスイッチング出力端子(ノード)34に接続されている。同期整流用のMOSFET26は、一方の端子がスイッチング出力端子(ノード)34に接続され、他方の端子がグランド電位に接続されている。チョークコイル28は、一方の端子がスイッチング出力端子(ノード)34に接続され、他方の端子が直流の出力電圧Voutを負荷に供給する電源出力端子36に接続されている。平滑コンデンサ30は、一方の端子が電源出力端子36に接続され、他方の端子がグランド電位に接続されている。
両MOSFET24,26の制御端子には、スイッチング制御回路16より互いに極性の反転したスイッチング駆動パルスSCa,SCbがそれぞれ供給される。したがって、主スイッチング用のMOSFET24がオンしている時は、同期整流用のMOSFET26はオフ状態にあり、入力電圧VinがMOSFET24を介してチョークコイル28に供給され、チョークコイル28にエネルギーが蓄積される。主スイッチング用のMOSFET24がオフ状態になると、それと入れ替わりに同期整流用のMOSFET26がオンし、この期間中にチョークコイル28からエネルギーが出力側(負荷側)に放出されるようになっている。主スイッチング用MOSFET24のオン時間比率またはデューティ比を可変制御することで、入力電圧Vinよりも低い条件下で出力電圧Voutを任意の電圧レベルに制御することができる。
このDC−DCコンバータにおいて、誤差増幅器14は、演算増幅器からなる差動増幅器38と、この差動増幅器38内の各部にバイアス電流を供給する定電流源回路40と、差動増幅器38の出力端子とグランド電位との間に接続された出力回路42とを有している。
差動増幅器38は、たとえば演算増幅器からなり、その非反転入力端子(+)には基準電圧発生回路18(図1)からの基準電圧Vrefが入力され、その反転入力端子(-)にはスイッチング電源部10からの出力電圧Voutを抵抗分圧回路44で分圧して得られる帰還信号KVout(0<K<1)が入力される。差動増幅器38の内部には、両入力信号Vref,KVoutの差分(Vref−KVout)を表す差分電圧を生成する差動入力部や、この差動入力部から取り出された差分電圧を増幅する電圧増幅部等が含まれており、これらの各段または各部が定電流源回路40からのバイアス電流Iの下で動作するようになっている。そして、バイアス電流Iが大きいほど、差動増幅器38の応答感度または応答速度が増大するようになっている。
定電流源回路40には並列接続された少なくとも2つの独立した定電流源40A,40Bが含まれている。第1の定電流源40Aは、差動増幅器38内の各部(差動入力部、電圧増幅部等)に一定のバイアス電流IAを定常的に供給する。第2の定電流源40Bは、後述するバイアス電流選択回路22Aによるオン・オフ制御を受け、誤差増幅器14に第1の応答特性を持たせるときはオフ状態に保たれ、誤差増幅器14に第2の応答特性を持たせるときにオン状態に切り換えられる。第2の定電流源40Bがオンすると、第1の定電流源40Aからのバイアス電流IAと第2の定電流源40Bからのバイアス電流IBとを足し合わせたバイアス電流(IA+IB)が差動増幅器38内の各部に与えられる。両バイアス電流IA,IBの大きさおよび比率は任意に設定可能であり、たとえば比率としてIA:IB=1:2に設定されてよい。
出力回路42は、出力抵抗46とコンデンサ48の直列回路で構成されている。より詳細には、出力抵抗46の一方の端子が差動増幅器38の出力端子に接続されるとともに、コンデンサ48の一方の端子がグランド電位に接続され、抵抗46の他方の端子とコンデンサ48の他方の端子とが互いに接続されている。この出力回路42に対して差動増幅器38よりソース電流またはシンク電流が流れ、出力抵抗46を介してコンデンサ48の充放電が行なわれる。
バイアス電流選択回路22Aは、図1の応答特性選択回路22に相当するものであり、スイッチング電源部10で得られる出力電圧Voutまたは抵抗分圧回路44からの帰還信号KVoutを監視値設定回路20(図1)からの上限監視値AMUと比較して、定電流源回路40より差動増幅器38内の各部に供給するバイアス電流として、Vout≦AMUのときはIAを選択し(第2の定電流源40Bをオフ状態に保ち)、Vout>AMUのときは(IA+IB)を選択する(第2の定電流源40Bをオン状態にする)ようになっている。
スイッチング制御回路16は、たとえば、一定の三角波または鋸波信号を一定周波数たとえば500kHzで発生する発振回路と、この発振回路からの三角波信号と誤差増幅器14からの誤差信号ERとを入力して両入力信号の電圧レベルの高低関係に応じたパルス幅を有する矩形波パルスまたは2値信号を発生するコンパレータと、このコンパレータの出力に応じてスイッチング電源部10のスイッチング素子24,26に対するスイッチング駆動パルスSCa,SCbを出力する駆動回路とを有している。
図3および図4に、この実施例のDC−DCコンバータにおける作用を説明するための入力電圧変動および出力電圧応答の一例を示す。たとえば、このDC−DCコンバータを搭載している携帯型の電子機器にACアダプタのプラグ(直流出力端子)を差し込むと、図3に示すように入力電圧Vinがそれまでの内部バッテリの電源電圧VA(たとえば2ボルト)からACアダプタの電源電圧VB(たとえば5ボルト)へとステップ的に上昇することがある。
この場合、このDC−DCコンバータにおいては、差動増幅器38がバイアス電流IAで動作していて、定常時の定電圧制御が行なわれているので、入力電圧Vinの突然の上昇に対してフィードバック・ループ系がスイッチング駆動パルスSCaのデューティ比を小さくしながら追従するもののステップ的な大幅上昇(VA→VB)には追い付けず、入力電圧Vinに吊られるようにして出力電圧Voutのレベルがそれまでの定常値VC(たとえば1.8ボルト)から急上昇する。
そして、出力電圧Voutが上限監視値AMU(たとえば2.2ボルト)を超えると、この時点でバイアス電流選択回路22Aが作動して、定電流源回路40の第2の定電流源40Bをオンにする。そうすると、差動増幅器38がバイアス電流(IA+IB)で動作することにより、誤差増幅器14の応答感度または応答速度が一段アップし、図4に示すように誤差信号ERの変化率が一段アップする。すなわち、差動増幅器38の出力電流(この場合はシンク電流)が一段増えることにより、出力回路42の出力抵抗46における電圧降下分がコンデンサ48の充放電の制約を受けることなく瞬時かつ大幅に増大し、差動増幅器38の出力端子に得られる誤差信号ERの変化率が一段アップする。こうして、フィードバック・ループ系の応答特性が切り換わって高速かつ強力な負帰還がかけられることにより、いったん上限監視値AMUを超えた出力電圧Voutは直ぐに上限監視値AMUよりも低いレベルまで引き戻される。
この実施例では、出力電圧Voutが上限監視値AMUより下がった時点でバイアス電流選択回路22Aが第2の定電流源40Bをオフにし、差動増幅器38に対するバイアス電流をIAに戻す。これによって、フィードバック・ループ系の応答性が低下または緩和し、図4に示すように出力電圧Voutが再び上限監視値AMUを超えることもあり得る。そうなったときは、フィードバック・ループ系の方も差動増幅器38に対するバイアス電流を(IA+IB)に切り換えることによって再び上記のような強力な負帰還をかけるので、出力電圧Voutは直ぐに上限監視値AMUよりも低いレベルまで引き戻される。こうしてハンチングを1回ないし数回繰り返すうちに、フィードバック・ループ系が入力電圧Vinの新たなレベルVBに追い付くので、それ以降はバイアス電流IAの下で、つまり第1の応答特性の下で出力電圧Voutは漸次的かつ安定に定常値VCに復帰する。
この実施例では、差動増幅器38に対するバイアス電流を(IA+IB)に切り換えている間に出力回路42におけるコンデンサ46の放電電流を増やせることにより、コンデンサ46の放電時間を短くし、定常状態に到達または復帰するまでの所要時間を一層短縮できる。
また、この実施例では、スイッチング電源部10に同期整流用のMOSFET26を設けている。通常、このMOSFET26がオンになっている時(主スイッチング用のMOSFET24がオフになっている時)は、還流電流がグランドからMOSFET26を通ってチョークコイル10側へ流れる。しかし、ダイオードを用いる非同期整流方式とは異なり、上記のような出力過電圧状態においては、MOSFET26がオンになると出力端子側から逆向きの電流が流れるのを許容することができる。これによって、出力側の電荷またはエネルギーをMOSFET26を介して入力側に返してやることが可能である。特に、出力電圧に比べて動作デューティが低い場合にはほぼ100%この状態になるので、出力過電圧をより積極的に解消することができる。
一変形例として、バイアス電流選択回路22Aの切り換え動作にヒステリシス特性をもたせることも可能である。すなわち、差動増幅器38に対するバイアス電流をIAから(IA+IB)に切り換えるときの上限監視値AMUと、(IA+IB)からIAに戻すときの上限監視値AMUとの間に任意のオフセットをもたせることも可能である。なお、図4では、本発明の作用を説明するための模式的な波形を示しており、説明の便宜を図るためにフィードバック・ループ系の遅れを無視している。
図5に、第2の実施例によるDC−DCコンバータの構成を示す。図中、上記第1の実施例(図2)のものと同様の構成または機能を有するものには同一の符号を附している。
この第2の実施例では、誤差増幅器14において、定電流源回路40より差動増幅器38に対しては常時一定のバイアス電流Iを供給し、代わりに応答特性選択回路22(図1)に相当する出力抵抗選択回路22Bの制御の下でスイッチ50により出力回路42における出力抵抗46の抵抗値をRAと(RA+RB)の2通りに切り換えられるようにしている。抵抗値RA,RBの大きさおよび比率は任意に設定されてよく、たとえば比率をRA:RB=1:1に設定してよい。
一般に、DC−DCコンバータでは、通常動作条件内で入力電圧Vinが急激に低下することもある。たとえば、DC−DCコンバータを搭載している携帯型の電子機器において、ACアダプタのプラグ(直流出力端子)を抜き取ると、入力電圧VinがそれまでのACアダプタの電源電圧VB(たとえば5ボルト)から内部バッテリの電源電圧VA(たとえば2ボルト)にステップ的に低下することがある。この第2の実施例は、そのような通常動作条件内での入力電圧Vinの急激な低下に対して特に有効である。
図6につき、この第2実施例の作用を説明する。この第2の実施例のDC−DCコンバータにおいても、定常状態では誤差増幅器14で第1の応答特性が選択されている。すなわち、出力抵抗選択回路22Bが、出力回路42のスイッチ50を閉じて出力抵抗46の抵抗値としてRAを選択している。
この状態の下で入力電圧Vinが図6に示すようにVB(5ボルト)からVA(2ボルト)へステップ的に下がると、この入力電圧Vinの突然の大幅な低下に対してフィードバック・ループ系がスイッチング駆動パルスCSaのデューティ比を大きくしながら追従しても追い付けず、入力電圧Vinに連動して出力電圧Voutのレベルがそれまでの定常値VC(たとえば1.8ボルト)から急低下する。そして、出力電圧Voutが下限監視値AML(たとえば1.4ボルト)の範囲を出ると(割ると)、この時点で抵抗値選択回路22Bが作動してスイッチ50を開いて、出力抵抗46の抵抗値として(RA+RB)を選択する。
そうすると、出力抵抗46の抵抗値が一段アップすることで、誤差増幅器14の応答感度または応答速度が一段アップし、誤差信号ERの変化率が一段アップする。すなわち、定電流源回路40より供給されるバイアス電流Iが一定であるため差動増幅器38の出力電流(この場合はソース電流)の一段アップは起こらないが、出力抵抗46の抵抗値がRAから(RA+RB)へと一段アップすることにより、出力抵抗46における電圧降下分がコンデンサ48の充放電の制約を受けることなく瞬時かつ大幅に増大し、差動増幅器38の出力端子に得られる誤差信号ERの変化率が一段アップする。
こうして、フィードバック・ループ系の応答特性が切り換わって高速かつ強力な負帰還がかけられることにより、いったん下限監視値AMLを割った出力電圧Voutは直ぐに下限監視値AMLよりも高いレベルまで引き戻される。そして、第1の実施例と同様に、下限監視値AMLを挟んで1回ないし数回のハンチングを伴なったとしても、そうこうするうちにフィードバック・ループ系が入力電圧Vinの新たなレベルVAに追い付くので、それ以降はハンチングを起こさずに出力抵抗切換用スイッチ50を開けた状態で、つまり第1の応答特性の下で出力電圧Voutは漸次的かつ安定に定常値VCに復帰する。
この実施例でも、一変形例として、出力抵抗選択回路22Bのスイッチ切り換え動作にヒステリシス特性をもたせることも可能である。すなわち、出力抵抗64の抵抗値をRAから(RA+RB)に切り換えるときの下限監視値AMLと、(RA+RB)からRAに戻すときの下限監視値AMLとの間に任意のオフセットをもたせることも可能である。
以上説明したように、本発明のDC−DCコンバータによれば、通常動作条件内で入力電圧が急激かつ大幅に変動しても、制御系の動作を停止させることなく迅速かつ適確に対応することができる。通常の電子機器では、保護回路が多重化されており、それぞれの保護機能が全ての異常ないし故障モードに個別に対応する必要はない。本発明は、通常動作条件内の入力電圧変動という一時的な過渡現象の問題対策に特化することで、保護機能のシステムに及ぼす影響を最小限にしている。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の変形・変更が可能である。たとえば、スイッチング電源部10の回路構成または制御方式は種々変形可能であり、たとえば同期整流用のMOSFET26をダイオードに置き換えて非同期整流方式とすることも可能である。また、上記第1および第2の実施例は他励式のDC−DCコンバータに係わるものであったが、自励式も可能である。誤差増幅器14やスイッチング制御回路16等の構成または方式も種々の変形が可能である。上記第1の実施例と第2の実施例を組合せる構成も可能であり、3種類以上の応答特性を設定して、それらの中から1つを選択する方式も可能である。
本発明によるDC−DCコンバータの基本構成を示すブロック図である。 第1の実施例によるDC−DCコンバータの構成を示す回路図である。 第1の実施例における作用を説明するための波形図である。 第1の実施例における作用を説明するための要部の波形図である。 第2の実施例によるDC−DCコンバータの構成を示す回路図である。 第2の実施例における作用を説明するための波形図である。
符号の説明
10 スイッチング電源部
12 制御部
14 誤差増幅器
16 スイッチング制御回路
18 基準電圧発生回路
20 監視値設定回路
22 応答特性選択回路
22A バイアス電流選択回路
22B 出力抵抗選択回路
24 主スイッチング用MOSFET
26 同期整流用MOSFET
28 チョークコイル
30 コンデンサ
32 電源入力端子
34 スイッチング出力端子(ノード)
36 電源出力端子
38 差動増幅器
40 定電流源回路
40A 第1の定電流源
40B 第2の定電流源
42 出力回路
46 出力抵抗
48 コンデンサ
50 出力抵抗切換用スイッチ

Claims (9)

  1. 高周波数でオン・オフ可能なスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子をオン・オフ動作させて直流の入力電圧を直流の出力電圧に変換するスイッチング電源部と、
    前記スイッチング電源部より得られる前記直流の出力電圧を基準値と比較し、その比較誤差に応じた誤差信号を第1の応答特性および前記第1の応答特性よりも応答性の高い第2の応答特性の中の選択された方で出力する誤差増幅器と、
    前記誤差増幅器からの前記誤差信号に応じて前記直流出力電圧を前記基準値に一致させるためのスイッチング駆動パルスを生成して前記スイッチング素子に与えるスイッチング制御部と、
    前記直流出力電圧を所望の監視値と比較し、前記誤差増幅器の応答特性として、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ていない時は前記第1の応答特性を選択し、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ている時は前記第2の応答特性を選択する応答特性選択回路と
    を有するDC−DCコンバータ。
  2. 高周波数でオン・オフ可能なスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子をオン・オフ動作させて直流の入力電圧を直流の出力電圧に変換するスイッチング電源部と、
    前記スイッチング電源部より得られる前記直流の出力電圧を基準値と比較し、その比較誤差に応じた誤差信号を第1の応答速度および前記第1の応答速度よりも高い第2の応答速度の中の選択された方で出力する誤差増幅器と、
    前記誤差増幅器からの前記誤差信号に応じて前記直流出力電圧を前記基準値に一致させるためのスイッチング駆動パルスを生成して前記スイッチング素子に与えるスイッチング制御部と、
    前記直流出力電圧を所望の監視値と比較し、前記誤差増幅器における応答速度として、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ていない時は前記第1の応答速度を選択し、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ている時は前記第2の応答速度を選択する応答速度選択回路と
    を有するDC−DCコンバータ。
  3. 高周波数でオン・オフ可能なスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子をオン・オフ動作させて直流の入力電圧を直流の出力電圧に変換するスイッチング電源部と、
    前記スイッチング電源部より得られる前記直流の出力電圧を基準値と比較し、その比較誤差に応じた誤差信号を第1のゲインおよび前記第1のゲインよりも高い第2のゲインの中の選択された方で出力する誤差増幅器と、
    前記誤差増幅器からの誤差信号に応じて前記直流出力電圧を前記基準値に一致させるためのスイッチング駆動パルスを生成して前記スイッチング素子に与えるスイッチング制御部と、
    前記直流出力電圧を所望の監視値と比較し、前記誤差増幅器におけるゲインとして、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ていない時は前記第1のゲインを選択し、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ている時は前記第2のゲインを選択するゲイン選択回路と
    を有するDC−DCコンバータ。
  4. 高周波数でオン・オフ可能なスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子をオン・オフ動作させて直流の入力電圧を直流の出力電圧に変換するスイッチング電源部と、
    前記スイッチング電源部より得られる前記直流の出力電圧を基準値と比較し、その比較誤差に応じた誤差信号を第1のバイアス電流および前記第1のバイアス電流よりも大きい第2のバイアス電流の中の選択された方を用いて出力する誤差増幅器と、
    前記誤差増幅器からの前記誤差信号に応じて前記直流出力電圧を前記基準値に一致させるためのスイッチング駆動パルスを生成して前記スイッチング素子に与えるスイッチング制御部と、
    前記直流出力電圧を所望の監視値と比較し、前記誤差増幅器におけるバイアス電流として、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ていない時は前記第1のバイアス電流を選択し、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ている時は前記第2のバイアス電流を選択するバイアス電流選択回路と
    を有するDC−DCコンバータ。
  5. 高周波数でオン・オフ可能なスイッチング素子を有し、前記スイッチング素子をオン・オフ動作させて直流の入力電圧を直流の出力電圧に変換するスイッチング電源部と、
    前記スイッチング電源部より得られる前記直流の出力電圧を基準値と比較し、その比較誤差に応じた誤差信号を出力する差動増幅器と、前記差動増幅器の出力端子とグランド電位との間に直列に接続される出力抵抗およびコンデンサを含む出力回路とを有し、前記出力抵抗の抵抗値を第1の抵抗値および前記第1の抵抗値よりも高い第2の抵抗値の中で選択可能な誤差増幅器と、
    前記誤差増幅器からの前記誤差信号に応じて前記直流出力電圧を前記基準値に一致させるためのスイッチング駆動パルスを生成して前記スイッチング素子に与えるスイッチング制御部と、
    前記直流出力電圧を所望の監視値と比較し、前記誤差増幅器における前記出力抵抗の抵抗値として、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ていない時は前記第1の抵抗値を選択し、前記直流出力電圧が前記監視値の範囲を出ている時は前記第2の抵抗値を選択する出力抵抗選択回路と
    を有するDC−DCコンバータ。
  6. 前記スイッチング電源部が、前記直流の入力電圧を前記スイッチング素子を介して矩形波の直流に変換し、前記矩形波の直流を整流平滑して前記直流の出力電圧に変換するチョッパ方式のスイッチング電源部である請求項1〜5のいずれか一項に記載のDC−DCコンバータ。
  7. 前記スイッチング電源部が、前記スイッチング素子と前記直流出力電圧の出力端子との間に接続されたチョークコイルと、前記直流出力電圧の出力端子とグランド電位との間に接続されたコンデンサとを有する請求項6に記載のDC−DCコンバータ。
  8. 前記スイッチング素子が、前記直流入力電圧の入力端子と前記スイッチング素子の出力端子との間に接続された第1のトランジスタと、前記スイッチング素子の出力端子とグランド電位との間に接続された第2のトランジスタとを有し、
    前記スイッチング制御部が、前記第1のトランジスタと前記第2のトランジスタとを互いに反対の極性を有する第1および第2のスイッチング駆動パルスでそれぞれ駆動する請求項7に記載のDC−DCコンバータ。
  9. 前記スイッチング制御部が、前記誤差増幅器からの前記誤差信号に応じて前記スイッチング駆動パルスのパルス幅を可変制御する請求項1〜8のいずれか一項に記載のDC−DCコンバータ。
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