JP2005084273A - 絞り構造体およびこれを備えた複合レンズ装置 - Google Patents

絞り構造体およびこれを備えた複合レンズ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 コストが最低限に抑えられ、内縁部(開口周縁部)における不測の反射を最低限に抑え得且つ高い寸法精度の絞り構造体を提供すること
【解決手段】 絞り構造体1は、光透過性板状体10と、該板状体10の両面11,12に形成された遮光性の絞りパターン層20,30とを有する。光透過性板状体10は、平行平板からなり、絞りパターン層20,30は、気相もしくは液相からの堆積または印刷により光透過性板状体10の両面11,12上に形成された薄膜からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像用レンズ等に用いられる絞り構造体に係り、より詳しくは、複合レンズの形態の広角撮像レンズに用いられるに適した絞り構造体に係る。
有効な光線のみを通過させるために、撮像用レンズ系には、絞りが設けられる。この絞りは、好ましくは、中心部に集光される光束の周辺をカットする役割と、外側(外周縁)部に集光される光束の周辺をカットする役割とを有する。この場合、中心用の絞りが前側(表側)に、外側用の絞りが後側(裏側)に配置されることになり、絞り自体が厚さを備える必要がある。
しかしながら、絞りが厚くなると、遮光性材料からなる絞りの内壁ないし内縁(開口部の周壁)における入射光束の反射により結像画像にフレアやゴーストが生じるのを無視し難くなる。墨塗り等により内縁部の反射を抑える処理を要すると、部品コストが高くなるのを避け難い。
このような反射を避けるためには、絞りの内壁をナイフエッジ状にすることが考えられる。しかしながら、エッジの先端の加工・成形を行うことは容易でないことから、部品コストが高くなってしまうのを避け難い。また、エッジ先端にある程度の平面が残る虞れがあるだけでなく、先端部につぶれやバリ等の如き加工・成形不良などが発生する虞れもあることから、完全なエッジ形状は容易には実現され難く、加工不良ないし成形不良部分に起因して、結像画像にフレアやゴーストが生じる虞れがある。絞りの内縁をナイフエッジ状にする場合、二つの絞りを要する。
なお、部品点数を少なくすることを目的として、印刷により形成してなる印刷絞り自体は、提案されている(例えば、特許文献1)。また、光学系において、高精度の位置決めに、導電薄層を利用すること自体も、知られている(例えば、特許文献2)。
特開平6−186475号公報 特開2002−325193号公報
本発明は、前記した点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、コストが最低限に抑えられ、内縁部(開口の周壁)における反射を最低限に抑え、且つ高い寸法精度の絞り構造体及びこれを備えた複合レンズ装置を提供することにある。
本発明の絞り構造体は、前記目的を達成すべく、光透過性板状体と、該板状体の両面に形成された遮光性の絞りパターン層とを有する。
本発明の絞り構造体では、遮光性の絞りパターン層が光透過性板状体の表面に形成されているので、薄くて高い寸法精度の絞りが形成され易く、また、絞りパターン層の内縁(開口の周壁)が十分に薄く形成され易いから、内縁での反射の虞れを最低限に抑えた高精度の絞り構造体が得られる。また、本発明の絞り構造体では、光透過性板状体の両面に遮光性の絞りパターン層が形成されているので、二つの遮光性の絞りパターン層が、夫々、中心部に集光される光束の周辺をカットする役割と、外側(外周縁)部に集光される光束の周辺をカットする役割とを備え得、光透過性板状体を高い寸法精度及び一様な材質で形成するだけで、高精度の絞り構造体として働き得る。従って、例えば、携帯電話の如き小型の機器に組込まれるような小型のカメラのレンズ系の如くサイズの小さいものに用いられる場合でも、所望の絞り特性を発揮し易い。
本発明の絞り構造体において、光透過性板状体は、典型的には、平行平板からなる。その場合、絞りパターン層の形状及び厚さが高い寸法精度で形成され易いだけでなく、光透過性板状体が比較的低コストで高精度に形成され易く、全体として、安価で高精度の絞り構造体が得られる。但し、両面の絞りパターン層が、内縁(開口の周壁)の形状(三次元寸法)及び厚さの点で、十分な精度で形成され得る限り、光透過性板状体の両面は平行でなくてもよく、場合によっては、平面でなくてもよい。従って、場合によっては、複合レンズを構成する一つのレンズ自体が光透過性板状体になっていてもよい。
光透過性板状体は、典型的には、ガラスからなる。但し、高い寸法精度で且つ一様(均質)な状態で成形・加工され得る限り、他の材料、例えば、プラスチックやセラミックからなっていてもよい。
光透過性板状体の表面には、絞りパターン層の形成前に、予め反射防止膜(ARコート)や赤外線透過防止ないし吸収膜(IRコート)が、その実質上全域に形成されていてもよい。全域の代わりに、光透過性板状体の表面のうち絞りパターン層の開口の領域のみに反射防止膜(ARコート)や赤外線透過防止ないし吸収膜(IRコート)を形成してもよい。ここで、光透過性板状体の二つの表面のうち後側の表面の反射防止膜は、光透過性板状体内を通った光が該板状体の後側の表面で反射されるのを最小限に抑えるような構造にしておく。この反射防止膜は、後側の絞りと光透過性板状体との界面(光透過性板状体の後側の表面)において光透過性板状体の内部に反射が生じるのを最小限に抑える役割をもつ。
遮光性の絞りパターン層は、例えば、蒸着やスパッタリングなどによって、光透過性板状体の表面に堆積ないし付着・形成される。但し、所望の厚さの層が形成され得る限り、気相からの堆積の代わりに、液相からの析出・堆積により形成されても、スクリーン印刷などによりプリント(印刷)されても、塗布により形成されても、場合によっては熱分解など他の薄膜形成方法で形成されてもよい。絞り層のパターンは、マスクパターンを介して層形成することにより得ても、層形成後にマスクを介してエッチングを行うことにより得ても、他の手段で実現してもよい。絞りパターン層は、内縁(開口の周壁部)における厚さが十分に小さい限り、他の部分ではより厚くてもよい。即ち、絞りパターン層は、その厚さが層の全域で一定でなくてもよい。
遮光性の絞りパターン層は、典型的には、例えば、数10μm程度の厚さを有する。但し、遮光性が保たれ且つその厚さが実質的に一様になる限り、より薄くてもよく、例えば、1μm程度〜10μm程度の厚さでもよい。また、開口を規定する内縁部での反射が問題にならない限り、より厚くてもよく、例えば、100μm程度又はそれ以上でもよい。
遮光性の絞りパターン層は、該層ないし薄膜の遮光性だけでなく、該層ないし薄膜の厚さ及び形状の寸法精度を高め易いことから、該層が蒸着やスパッタリング等で形成される場合には、典型的には金属(合金を含む)が用いられ、その場合、好ましくは、黒化処理が施される。絞りパターン層が、印刷や塗布により形成される場合には、セラミックやプラスチックなどの如き他の材料で又は該材料を含む状態で形成される。
絞り構造体が、複合レンズと組み合わされる場合、典型的には、複合レンズを構成する複数のレンズのうち二つの隣接するレンズの間に絞り構造体が配置されて複合レンズ装置が形成される。その場合、典型的には、二つの隣接するレンズの対向面に両面が当接する状態で、絞り構造体が配置される。この場合、夫々の絞りパターン層の表面が隣接するレンズの対向面に当接せしめられることにより、絞りの位置決めも確実に行われ得る。なお、絞り構造体は、複合レンズを構成する複数のレンズの間に配置される代わりに、所望ならば、複合レンズの如き撮像用レンズ系の前側(物体側)に配置されても、後側(像側)に配置されても、複数の複合レンズの間に配置されてもよい。
次に、本発明の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
本発明による好ましい一実施例の絞り構造体1は、図1の(a)に示したように、光透過性板状体としてのガラス板10と、ガラス板10の両面11,12上に形成された環状の遮光性の絞りパターン層としての印刷絞りないし薄膜絞り20,30とを有する。
ガラス板10は、一様な組成及び構造(組織)のガラスからなり、例えば、円板13の形態であって、円板13の二つの円形の主面11,12は、相互に高精度に平行で、主面11,12の平面度は高く且つ表面粗さは低い。但し、主面12は、ガラス板10と薄膜絞り30との界面での反射を最小限にすべく、薄膜絞り30の開口31以外の領域である程度粗面化されていてもよい。また、主面11も、ガラス板10と薄膜絞り20との界面におけるガラス板10の内部側への反射を最小限にすべく、薄膜絞り20の開口21以外の領域である程度粗面化されていてもよい。また、ガラス板10の周面14は、ガラス板10の内部を通って外周面14に当たる光があっても、その光の実質的な反射が生じ難いように粗面化されている。
中心部に集光される光束の周辺をカットする役割を有する前面側ないし前側の環状の印刷絞りないし薄膜絞り20は、内径Dif,外径Def及び一様な厚さTfを有し、径Difの開口21の周縁部22で中心部に集光される光束の周辺をカットする。但し、開口21の内縁22が反射の生起を実質的に避け得るように十分に薄い限り、他の部分はより厚くてもよい。一方、外側(外周縁)部に集光される光束の周辺をカットする役割を有する背面側ないし後側の印刷絞りないし薄膜絞り30は、内径Dir,外径Der及び一様な厚さTrを有し、径Dirの開口31の周縁部32で外側(外周縁)部に集光される光束の周辺をカットする。但し、開口31の内縁32が反射の生起を実質的に避け得るように十分に薄い限り、他の部分はより厚くてもよい。
図示の例では、前側及び後側の環状絞り20,30の内径すなわち開口21,31の径Dif,Dirは等しくDif=Dirになっているけれども、前側及び後側の絞り20,30は、夫々の内径Dif,Dir絞りの役割に応じて、異なる径を有してもよく、また、典型的には、夫々、光軸に一致する中心軸線Cのまわりで回転対称な円形であるけれども、円形の代わりに多角形でもよく、場合によっては、軸線Cのまわりの回転対称性を欠く形状であってもよい。
図示の例では、説明の簡明化及び製造の容易さの観点から、前側及び後側の環状絞り20,30の外径Def,Derは等しくDef=Derになっているけれども、前側及び後側の絞り20,30が開口21,31よりも外側の光束をカットし得る限り、外径Def,Derは異なっていてもよい。
内縁22,32での反射の生起を避けるためには、絞り20,30の厚さTf,Trは、薄膜の形態の絞り20,30が光束Bc,Bp(図1の(b)参照)のうちの余分な外周部分Bcp,Bpp(図1の(b)参照)の透過を実質的に遮断し得且つ製造の容易さの観点で実質的に一様な厚さが確保され得る限り、薄い方が好ましい。なお、製造の便宜や機械的な強度を保証するためには、内縁22,32での反射を実際上無視し得る限り、ある程度厚い方が好ましい場合もあり、例えば、数10μm程度の厚さで形成される。但し、数10μm程度よりも薄くても厚くてもよい。
ガラス板10の主面11,12上には、薄膜絞り20,30の形成前に、予め反射防止膜(ARコート)や赤外線透過防止ないし吸収膜(IRコート)が、その全域に形成されていてもよい。その代わりに、ガラス板10の主面11,12のうち薄膜絞り20,30の開口21,31の領域のみに反射防止膜(ARコート)や赤外線透過防止ないし吸収膜(IRコート)を形成してもよく、その場合、例えば、反射防止膜(ARコート)や赤外線透過防止ないし吸収膜(IRコート)の厚さは、全体として、薄膜絞り20,30の厚さよりも小さくてもよいけれども、薄膜絞り20がその実質上全面で対向レンズ面に密接されるような場合には、薄膜絞り20と同様に対向レンズ面に密接されるように薄膜絞り20と実質的に同程度に形成されてもよい。
印刷絞りないし薄膜絞り20,30は、典型的には、スクリーン印刷の如き印刷により形成されるけれども、金属(合金を含む)の蒸着やスパッタリングなどで形成されても、塗布等他の方法で形成されてもよい。金属薄膜の場合には、黒化処理が施される。また、薄膜絞り30が金属薄膜からなる場合には、下地に他の非反射性材料層が形成されてもよい。
以上の如く構成された絞り構造体1は、薄膜絞り20,30が、ガラス板10の両面11,12に堆積・形成されるだけでよいので、高精度の薄膜20,30が容易且つ確実に形成され得るから、その製造コストが最低限に抑えられ得る。従って、絞り構造体1の精度は、むしろ、ガラス板10の主面11,12の平行度や、その材質の一様性(均質性)に依存する可能性があるけれども、平行平板を均質且つ高精度に形成することは比較的容易に行われ得るから、開口21,31の縁部22,32での反射を避け得、且つ精度の高い絞り構造体1が、全体として、低コストで製造され易い。
図1の(b)には、(a)の絞り構造体1を、複合レンズ50を構成する前側レンズ60と後側レンズ70との間に組み込んでなる複合レンズ装置2が示されている。複合レンズ50は、前側及び後側レンズ60,70以外に図示しないレンズを含んでいてもよい。
複合レンズ装置2では、前側レンズ60が後側(背面側)に平面部61を有し、後側レンズ70が前側(前面側)に平面部71を有する。また、複合レンズ装置2では、絞り構造体10の前側薄膜絞り20の表面ないし前面23が前側レンズ60の平面部61に密接ないし当接し、絞り構造体10の後側薄膜絞り30の表面ないし前面33が後側レンズ70の平面部71に密接ないし当接する状態で、絞り構造体1が、前側及び後側レンズ60,70の間に、装着され、実際上、一体化されている。
この複合レンズ装置2では、絞り構造体1がレンズ60,70と一体的に組込まれることにより、複合レンズ50のレンズ部分60とレンズ部分70とを相互に固定する役割をも果たすので、レンズ部分60及びレンズ部分70の間のレンズ間寸法ないしレンズ60,70間の相対的な位置精度を高めることが容易になり、複合レンズ50自体を安定に形成し易くなる。なお、この例では、レンズ部分60,70が平面部分61,71を有し絞り構造体10の絞り20,30の表面23,33に対して密接しているけれども、レンズ部分60,70が平面部分を欠く場合には、対向表面部分の最突出部に当接するようにしてもよい。
この複合レンズ装置2では、前側及び後側のレンズ60,70と一体的に組込まれた絞り構造体1の前側の薄膜絞り20が、直径Difの開口21の周縁部22で中心部に集光される光束Bcの周辺Bcpをカットし、絞り構造体1の後側の薄膜絞り30が、直径Dirの開口31の周縁部32で外側(外周縁)部に集光される光束Bpの周辺Bppをカットする。
絞り構造体1において、光束Bpの周辺部分Bppが、仮に、ガラス板10の後側平面12で反射されても、該反射光は中心軸線Cから遠ざかる向きに進むので、ガラス板10の周面14を実質的な反射が生じ難いように粗面化等しておくことにより、該反射光が明光となって撮像素子40に達する虞れは実際上回避され得る。但し、所望ならば、前述のように、ガラス板10の表面12上に、ガラス板10の内部からの光が該ガラス板10の内部側へ反射されるのを抑制する反射防止膜を形成しておけばよい。
なお、図1の(b)においては、図示の簡明化のために、ガラス板10の屈折率を無視したような光路が示されているけれども、実際には、当然ながら、ガラス板10の屈折率を考慮して光学系の設計が行われる。複合レンズ装置2が、例えば、携帯電話機等に組み込まれる小型のデジタルカメラ等のレンズ系である場合、レンズ60,70の厚さは夫々1mm程度、CCD40の一辺の有効長さは4mm程度である。これらのサイズはより大きくてもより小さくてもよい。特に、CCDの一辺の有効長さがより長くなり且つレンズの広角化もより進む可能性が高いことから、この絞り構造体1の役割がより高くなり得る。
また、この複合レンズ装置2では、薄膜絞り20,30の厚さTf,Trが非常に薄いので、各薄膜絞り20,30の開口21,31の周縁部22,32で実質的な反射が生じる虞れが最低限に抑えられ、CCDの如き撮像素子40上に結像される画像に、フレアやゴーストが発生する虞れが少ない。
すなわち、絞り自体の厚さが無視され難い場合、図2の(a)に示したように、絞り101の内壁ないし内縁102すなわち絞り101の開口部103の周壁102において入射光束Biの反射BRが生じ、結像画像にフレアやゴーストが生じる虞れがあるけれども、複合レンズ装置2の絞り構造体1では、フレアやゴーストを生じさせる反射を最低限に抑え得る。なお、図2の(a)において、104は結像レンズ系又はその一部、105はCCDの如き撮像素子である。
なお、絞りの厚さが厚い場合に生じる図2の(a)のような反射を避けるためには、図2の(b)に示したように、絞り111の内壁112をナイフエッジ状113にすることが考えられる。しかしながら、エッジ113の先端114の加工・成形を行うことは容易でないことから、部品コストが高くなってしまうのを避け難い。また、エッジ先端114にある程度の平面115が残る虞れがあるだけでなく、先端部114につぶれやバリ116等の如き成形・加工不良が発生する虞れもあることから、完全なエッジ形状は容易には実現され難く、このような成形・加工不良部分に起因して、結像画像にフレアやゴーストが生じる虞れがある。
図2の(b)のような絞り111と比較した場合、この複合レンズ装置2では、薄膜絞り20,30の内縁22,32の厚さTf,Trが小さいにもかかわらず、所望の薄膜形成方法により薄い絞りが高い寸法精度で形成され得るので、従来のナイフエッジ状の内縁を備える絞りと異なり、バリ等に起因する反射等の虞れが少ないので、フレアやゴーストを生じさせる反射を最低限に抑え得る。
更に、例えば、図3のように、光遮蔽性の板状体120の内縁122すなわち開口部123の周壁122をナイフエッジ状124にして絞り121を形成する場合、ナイフエッジ124の前縁125によって中心部に集光される光束Bcの周辺Bcpをカットすることは可能であるけれども、ナイフエッジ状テーパ面124が後方ほど拡がっているので、外側(外周縁)部に集光される光束Bpの周辺Bpp又はその一部がナイフエッジ状テーパ面124に沿って撮像部に達してしまい、外周側の光束Bpの周辺Bppがフレアやゴーストとして画像に悪影響を及ぼすのを避け難くなる。例えば、携帯電話等に組込まれたデジタルカメラのレンズ系のようなサイズの小さいものでは、板状体120の厚さが1mm程度又はそれ以下でCCD105の有効領域の一辺が4mm程度になり、このような問題が避け難い。図3において、複合レンズ150は、複合レンズ50と同様に、レンズ部分60,70と同様なレンズ部分160,170を有する。
図3の比較例からもわかるように、開口部123の周壁122をナイフエッジ状にする場合には、光遮蔽性の板状体120は、一つの絞りを規定し得るだけであるので、もう一つ絞りを設けることが必要になってしまう。しかも、後側の絞りをもナイフエッジ状にしようとすると、絞り規定用板状体の全体の厚さが厚くなり過ぎる虞れもある。一方ナイフエッジの斜面が前向きになるようにすると、該斜面が反射光を生じさせる虞れがある。
この図3の絞り121と比較した場合、複合レンズ装置2の絞り構造体1は、ガラス板10の厚さで形成されて、中心部に集光される光束Bcの周辺Bcpを前側の絞り20によりカットし得るだけでなく、外側(外周縁)部に集光される光束Bpの周辺Bppを後側の絞り30によりカットし得る点で、絞り121と比較して、鮮明な画像を結像させ得る。
なお、図3の比較例において、開口部123の周縁122をナイフエッジ状にする代わりに、単に、円筒状にするか近づけると、外側(外周縁)部に集光される光束Bpの周辺Bppもある程度カットし得るようになる反面、図2の(a)に関連して説明した反射が生じるのを避け難くなる。これに対して、複合レンズ装置2の絞り構造体1では、薄膜絞り20と薄膜絞り30との間は、ガラス板の如き光透過性板状体10からなっていて反射面がないから、内縁での反射が生じる虞れがない。
本発明による好ましい一実施例を示したもので、(a)は本発明による好ましい一実施例の絞り構造体の断面説明図、(b)は(a)の絞り構造体を備えた複合レンズ装置の断面説明図。 図1の絞り構造体と比較すべく従来の絞りの問題点を示したもので、(a)は厚みがある絞りの内縁で反射が生じる状態を示した断面説明図、(b)は絞りの内縁をナイフエッジ状にした場合にバリが生じた状態を示した断面説明図。 図1の絞り構造体と比較すべく従来の絞りの別の問題点を示したもので、絞りの内縁をナイフエッジ状にした場合に外側(外周縁)部に集光される光束の周辺をカットすべき後側の絞りが機能し難いことを示した断面説明図。
符号の説明
1 絞り構造体
2 複合レンズ装置
10 ガラス板(光透過性板状体)
20 前側(表側)の薄膜絞り(絞りパターン層)
30 後側(裏側)の薄膜絞り(絞りパターン層)
Bc 中心部に集光される光束
Bcp 中心部に集光される光束の周辺
Bp 外側(外周縁)部に集光される光束
Bpp 外側(外周縁)部に集光される光束の周辺

Claims (4)

  1. 光透過性板状体と、該板状体の両面に形成された遮光性の絞りパターン層とを有する絞り構造体。
  2. 光透過性板状体が、平行平板からなる請求項1に記載の絞り構造体。
  3. 絞りパターン層が、印刷または気相もしくは液相からの堆積により光透過性板状体の両面上に形成された薄膜からなる請求項1又は2に記載の絞り構造体。
  4. 複合レンズを構成する複数のレンズのうち二つの隣接するレンズの間に請求項1から3までのいずれか一つの項に記載の絞り構造体を有する複合レンズ装置。
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