JP6317954B2 - レンズユニット、撮像モジュール、及び電子機器 - Google Patents

レンズユニット、撮像モジュール、及び電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、デジタルカメラや携帯電話機等の電子機器と、この電子機器に組み込まれて使用される撮像モジュールと、撮像モジュールに搭載される光学レンズ及びレンズユニットに関する。
デジタルカメラや携帯電話機等の電子機器に組み込まれて使用される撮像モジュールにおいては、不要な入射光を除去してフレアやゴースト等の発生を防ぎ、撮像画像の画質を向上させる改良が進められている。その画質対策として、例えば撮像モジュールに使用されるレンズ表面に遮光層を直接形成する構成(特許文献1、2参照)等が提案されている。
特許文献1では、レンズ表面に設ける遮光層の表面に凹凸を形成することで、遮光層表面における入射光の反射を防いでいる。
また、撮像用のレンズに関するものではないが、2つの部材の間に、一方の部材側から他方の部材側にかけて減少する屈折率分布を持つ膜を設けることで、この2つ部材の界面における光の反射を防止することが特許文献3に開示されている。
特開2012−208391号公報 特開2011−186437号公報 特開2010−243641号公報
近年の撮像モジュールは、明るさを上げるためのレンズの大口径化と小型化のための低背化を両立させることが要求されており、この要求は今後更に厳しくなるものと予想される。このため、撮像モジュールに搭載されるレンズの遮光層部分に入射する光の入射角は今後更に大きくなり、遮光層表面における光の反射をより抑制できるような構成が求められる。
なお、画質向上施策として、撮像素子と光学レンズとの間に設けられた赤外線カットフィルタの光学レンズ側の表面に絞り機能を有する遮光層を設けることも行われており、この遮光層においても、同様に、光の入射角は今後更に大きくなる。そして、この遮光層表面における光の反射が撮像画質に与える影響を無視できなくなってくる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遮光層の表面反射を抑えて迷光の発生を防止できる光学素子、光学素子を用いたレンズユニット、このレンズユニットを用いた撮像モジュール、この撮像モジュールを用いた電子機器を提供することを目的とする。
本発明のレンズユニットは、光軸方向に並べられた複数枚の光学レンズを有するレンズユニットであって、前記光学レンズの各々は、光線を透過する光学母材と、前記光学母材の表面の一部に形成される遮光部と、を備え、前記遮光部は、遮光層と、前記遮光層における前記光学母材との非密着面に形成される反射防止層とからなり、前記反射防止層は、該反射防止層の屈折率が前記遮光層の屈折率よりも小さい材料で形成され、前記遮光層が前記反射防止層により覆われているものである。
本発明のレンズユニットは、上記光学素子が光学レンズであり、上記光学レンズが光軸方向に1枚以上並べられたものである。
本発明の撮像モジュールは、上記レンズユニットと、上記レンズユニットを通して被写体を撮像する撮像素子と、を備えるものである。
本発明の電子機器は、上記撮像モジュールを搭載するものである。
本発明によれば、遮光層の表面反射を抑えて迷光の発生を防止できる光学素子、光学素子を用いたレンズユニット、このレンズユニットを用いた撮像モジュール、この撮像モジュールを用いた電子機器を提供することができる。
本発明の一実施形態を説明するための撮像モジュールの概略断面図である。 光学レンズ15Aのレンズ光軸Axを含む断面を示す一部拡大断面図である。 図2に示す範囲Bの拡大部分の変形例を示す図である。 図2に示す範囲Bの拡大部分の変形例を示す図である。 遮光層の形状の変形例を示す図である。 撮像モジュールの変形例を示す断面模式図である。 遮光部6の平面図である。 図6に示す赤外線カットフィルタ7の遮光部6の断面模式図である。 遮光部6の製造に用いるインクジェット印刷装置のヘッドの構成を示す平面模式図である。 遮光部6の製造方法を説明するための図である。 遮光部6の製造方法を説明するための図である。 実施例の測定系を示す図である。 実施例の測定系を示す図である。 実施例の結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を説明するための撮像モジュールの概略断面図である。
撮像モジュール100は、レンズユニット110と、撮像素子を含む撮像部11とを有し、図示しない基板等の支持部材に支持されてスマートフォン、デジタルカメラ等の電子機器の筐体内に配置される。
レンズユニット110は、レンズホルダ13の内部でレンズ光軸Axの方向に重ね合わせて配置された少なくとも一枚の光学レンズ15を有する。レンズホルダ13に固定された複数の光学レンズ15は、図中下側の被写体側から図中上側の撮像部11に集光し、被写体の光学像を撮像部11の撮像素子受光面上に結像させる。
図1では、光学レンズ15として5枚の光学レンズ15A,15B,15C,15D,15Eを例示しているが、レンズ枚数はこれに限らない。また、各光学レンズ15A,15B,15C,15D,15Eは、それぞれ個別に用意された複数のレンズホルダに支持された構成であってもよく、特定の光学レンズが光軸方向に移動可能に支持されたズームレンズ機構、オートフォーカス機構、手振れ防止機構を構成したものであってもよい。
図2は、光学レンズ15Aのレンズ光軸Axを含む断面を示す一部拡大断面図である。光学レンズ15Aは、光線を透過する光学母材としてのレンズ母材18と、レンズ母材18の表面18cの一部に形成された遮光層16と、遮光層16におけるレンズ母材18との非密着面に形成された反射防止層17とを有する。遮光層16と反射防止層17とにより遮光部が構成される。
レンズ母材18は、レンズ母材本体18Aと、レンズ母材本体18Aの光出射側表面に被覆されたARコート(Anti−reflection coat)18Bとから構成される。ARコート18Bは省略してもよい。以下の説明において、レンズ母材18の屈折率とは、レンズ母材本体18Aの屈折率を意味する。
レンズ母材本体18Aの材料としては、環状オレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)等の高い光透過率、形状安定性、優れた加工性を有する透明樹脂材料が好適に用いられる。
遮光層16は、レンズ母材18表面のうちの光出射側の面18c上に形成され、遮光層16上から来る光のレンズ母材18への光の入射を制限するものである。遮光層16は、レンズ母材18表面のうちのレンズホルダ13によって支持される面18bに形成されていてもよい。また、遮光層16は、レンズ母材18表面のうちの光入射側の面18aの一部にも形成されていてもよい。遮光層16は、図2に示すように、少なくとも面18cの一部に形成されていればよい。レンズ母材18の表面のうち、遮光層16との非密着面をレンズ部ともいう。
遮光層16は、黒色顔料や黒色染料等の遮光性物質を含むインクの印刷、塗布、スタンプ等、各種方式により形成できる。中でも、高い寸法精度が得られるインクジェット方式を用いることが好適である。
遮光層16に含まれる遮光性物質は、各種公知の黒色顔料や黒色染料を用いることができる。黒色色材としては、少量で高い光学濃度を実現できるカーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄、酸化マンガン、グラファイトが好ましい。また、赤色色材、緑色色材、青色色材の混合による黒色色材を用いてもよい。
反射防止層17は、遮光層16表面での光の反射を防止するためのものである。反射防止層17は、遮光層16におけるレンズ母材18との非密着面上に少なくとも形成されていればよい。
光学レンズ15Aでは、遮光層16表面での光の反射を防ぐために、遮光層16の屈折率が、反射防止層17の屈折率よりも大きい構成となっている。
このように、空気層とレンズ母材18との間に設けられる遮光部の屈折率を設計することで、光の干渉効果等を利用することなく、遮光層16表面に入射してくる斜め光の該表面での反射を防止することができる。反射防止層17は、上記屈折率の条件を満たすものとなっていれば、使用する材料は特に限定されない。
近年の撮像モジュールは、明るさを上げるための光学レンズの大口径化と小型化のための低背化を両立させることが要求されており、この要求は今後更に厳しくなるものと予想される。低背化により焦点距離が短くなると視野角が大きくなるため、光学レンズに入射してくる光線の入射角は広角化する。また、近年のトレンドである低F値化を進めると、開口絞り径が大きくなるため、光線の入射角が広角化する。ここで、入射角は、光学レンズの光軸と光線とのなす角度のことを言う。
このように入射光線の広角化が進むとゴーストが増加する。ゴーストを低減するために黒色インク等による遮光層16を導入しても、遮光層16の反射率が高いと、遮光層16表面での反射によってゴーストが発生してしまう。
また、低背化が進むと、レンズ群を構成する各光学レンズで急激に光線経路を変化させる必要があるため、光学レンズを透過した光線が光軸に対して大きな角度でセンサ側に進むケースが増える。この結果、レンズ母材上の遮光層に対して大きな角度で入射される光線が増加する。黒色インク等の遮光層では、光線の入射角度が大きくなるほど反射率が大きくなるため、低背化によって高強度のゴーストが発生することになる。
このような事情から、遮光層16表面では、あらゆる角度で入射してくる光に対する反射防止効果が求められる。反射防止層17として、従来からある光の干渉を利用した多層構造の反射防止層を用いる場合には、レンズ母材18が湾曲していること等から、層の位置によっては反射防止効果を適切に得ることができなくなる。これに対し、本実施形態の光学レンズ15Aによれば、遮光層16表面のどの位置でも光の反射を防止することができ、ゴーストの発生を抑制することができる。
なお、図1において、5つの光学レンズ15のうち最も被写体側にある光学レンズ15Aの最も被写体側の部分から、撮像部11に含まれる固体撮像素子の受光面までの距離をTTLとし、5つの光学レンズ15の合成焦点距離をfとしたとき、TTLをfで割った値が1.3以下となっている撮像モジュール100では、低背化によって斜め光による遮光層16表面での反射が顕著となる。このため、このような条件を満たす構成の撮像モジュール100に対して光学レンズ15Aで説明した構成が特に有効となる。
以上、光学レンズ15Aに対する遮光部について説明してきたが、レンズユニット110が有する全ての光学レンズ15B,15C,15D,15Eに対しても同様に遮光部を形成する。これにより、レンズユニット110全体としてのフレアやゴーストの発生をより確実に防止できる。
なお、図1に示す光学レンズ15Aにおいて、遮光部の屈折率を、空気層と触れる表面からレンズ母材18との密着面に向かって漸増する構成とすることで、更なる反射防止効果を得ることができる。
遮光部の屈折率を空気層側からレンズ母材18側に漸増させる方法を以下に説明する。
(第一の方法)
反射防止層17として、微細凹凸の繰り返しピッチと高さが可視光の波長未満であるいわゆるMotheye(モスアイ、蛾の眼)構造を採用する。モスアイ構造を利用した反射防止構造については、例えば特開2004−50792号公報に記載されているものを採用できる。このモスアイ構造を利用した反射防止層において、空気層側から遮光層16側に向かって屈折率が漸増する構成とし、遮光層16側の端部の屈折率を遮光層16の屈折率よりも小さくした構成とする。
このようなモスアイ構造の膜としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液を溶媒とし、硝酸亜鉛とエチレンジアミンを含む水溶液を基板に塗布、乾燥させて酸化亜鉛(ZnO)を析出させることで形成できる。酸化亜鉛は、網目状の多孔構造を有しており、実質的にモスアイ構造となっている。
または、Al(アルミナ)又はAlN(窒化アルミニウム)酸化物を用いて形成することができる(特開2007−156017号公報、WO2011/111669号公報参照)。
なお、ZnOを用いてモスアイ構造の反射防止層17を形成する場合は、反射防止層17の遮光層16側の屈折率が1.65程度になる。このため、遮光層16の屈折率は1.65よりも大きくする必要がある。レンズ母材18と遮光層16は、互いの屈折率差が小さい(好ましくは0.16以下)ほど、これらの界面での光の反射が防止される。
レンズ母材18としては、波長550nmでの屈折率が1.4〜1.8程度のものが知られている。このため、ZnOを用いてモスアイ構造の反射防止層17を形成する場合は、遮光層16の波長550nmでの屈折率を1.65よりも大きくかつ1.8以下とし、レンズ母材18の波長550nmでの屈折率を1.7〜1.8とするのが、ゴーストを効果的に抑制する上で好ましい。
また、Alを用いてモスアイ構造の反射防止層17を形成する場合は、反射防止層17の遮光層16側の屈折率が1.4程度になる。このため、Alを用いてモスアイ構造の反射防止層17を形成する場合は、遮光層16の屈折率を1.4よりも大きくかつ1.6以下とし、レンズ母材18の屈折率を1.5〜1.6とするのが、ゴーストを効果的に抑制する上で好ましい。
(第二の方法)
図3に示すように、遮光層16の表面にモスアイ構造を構成する凸部17dを設ける。この方法では、凸部17dの集合体が反射防止層17として機能し、凸部17dよりも下の部分が遮光層16として機能する。
図3に示す構造は、遮光層16の材料をレンズ母材18上にインクジェット等によって塗布した後、この塗布膜を硬化させる前に、モスアイ構造の凹凸パターンが形成された石英製型17xを塗布膜に圧接し、この状態で塗布膜の硬化を行う。その後、型17xを剥がすことで、凸部17dを形成することができる。
(第三の方法)
図4に示すように、反射防止層17を複数(図4の例では3つ)の膜17a,17b,17cの積層構造とする。図4に示す反射防止層17は、膜17aの屈折率、膜17bの屈折率、膜17cの屈折率の順に屈折率が大きくなっており、膜17cの屈折率が遮光層16の屈折率よりも小さくなっていればよい。
図1に示す光学レンズ15Aでは、反射防止層17が、遮光層16が形成されていないレンズ母材18の表面にも形成されている。このような構成では、ゴーストを抑制するために、反射防止層17のレンズ母材18側の屈折率とレンズ母材18との屈折率の差が小さい方がよい。この差は、0.11以下であれば、ゴーストを効果的に抑制することが可能である。
反射防止層17のレンズ母材18側の屈折率とレンズ母材18の屈折率との差が0.11よりも大きいと、遮光層16が設けられていないレンズ母材18表面に、遮光層16上とは別に、レンズ母材18との屈折率差が0.11以下となるような材料の反射防止層を設ける必要がある。本実施形態のように、反射防止層17のレンズ母材18側の屈折率とレンズ母材18の屈折率との差を0.11以下としておくことで、遮光層16上の反射防止層と、レンズ母材18上の反射防止層とで別々に形成する必要がなくなる。このため、光学レンズの製造工程を簡略化でき、製造コストを削減することができる。
なお、本発明の適用可能なレンズの種類は、上述した円盤状の凸レンズ、凹レンズに限らず、メニスカスレンズ、円筒面状のレンズ面を有するシリンドリカルレンズ、ボールレンズ、ロッドレンズ等であってもよい。これら各種のレンズに対しても前述同様の遮光部を設けることで、フレアやゴーストの発生を防止できる。
また、遮光層16の平面形状は、図5(A)に示す円環状である他にも、図5(B)に示すように、内縁が長方形に形成された矩形開口31を有する形状の遮光層16Bとしてもよい。また、図5(C)に示すように、上下端の画角のみ制限する一対の「D」文字型の遮光層16cが、直線部33を対向させて光学レンズ上に配置された形状としてもよい。
ここまでは、遮光層を設ける光学素子として光学レンズを例にしたが、撮像素子と光学レンズとの間に設ける赤外線カットフィルタとして遮光部を有するものにおいても、本発明を適用することで、ゴーストやフレアを抑制することができる。この場合は、赤外線カットフィルタが光線(赤外線を除く光)を透過する光学母材となる。
撮像モジュールにおいて赤外線カットフィルタ表面の遮光部に入射する光は斜め光を多く含む。斜め光が赤外線カットフィルタ表面の遮光部に入射すると、遮光部で正反射する光(正反射光という)と、遮光部表面で散乱して入射光の方向に戻る光(後方反射光又は後方散乱光という)とが発生する。これら2つの光は、光学レンズ表面で反射して撮像素子に戻る可能性が高く、これがゴースト発生の要因となる。
ゴーストを抑制するために、赤外線カットフィルタとして遮光部を有するものにおいて、図3に例示したように、この遮光部の表面形状を後述する凹凸形状にする。この場合、この遮光部表面における正反射光を減らし、かつ、入射光の方向に戻る光を指向性の高い光にする(散乱を減らす)ことで、ゴーストを抑制できることを本発明者は見出した。以下、遮光部を有する赤外線カットフィルタを搭載する撮像モジュールの好ましい形態について説明する。
図6は、撮像モジュールの変形例を示す断面模式図である。
図6に示す撮像モジュール200は、筐体1と、筐体1の底部に配置された基板2及び基板2上に形成された撮像素子3を含む撮像部4と、撮像素子3上方に形成された赤外線カットフィルタ7と、赤外線カットフィルタ7上方に形成された光学レンズ8と、を備える。光学レンズ8は、図1の光学レンズ15と同様に少なくとも1つの光学レンズから構成される。
赤外線カットフィルタ7は、光線を透過する光学母材としてのフィルタ本体5と、フィルタ本体5上に形成された遮光部6とを備える。フィルタ本体5は、赤外線(一般的には波長が700nm以上の光)を減衰させる本体部分であり、周知のものが用いられる。遮光部6は、前述してきた遮光層16と同様の材料を用い、同様の方法(例えば図3に示した方法)で形成することができる。
図7は、遮光部6の平面図である。図7に示すように、遮光部6には、光学レンズ8の光軸を含む領域に開口Kが形成されている。この開口Kにより、撮像素子3に入射する斜め光を減らすことができる。
図8は、図6に示す赤外線カットフィルタ7の遮光部6の断面模式図である。
遮光部6は、全体として均一な厚みとなっている部分である平坦部62と、平坦部62上に二次元状に配列された複数の四角錐状の凸部61とから構成されている。遮光部6は、この複数の凸部61により表面が凹凸形状となっている。凸部61は四角錐状に限らず、円錐状、三角錐状、角柱状等、凸状の構成であれば何でもよい。平坦部62の厚みは光を遮光できる程度の厚みであればよい。遮光部6の平坦部62は遮光層として機能する。また、複数の凸部61の集合体が、平坦部62表面での反射を防ぐ反射防止層として機能する。複数の凸部61からなる反射防止層の屈折率は、その凹凸形状により、平坦部62の屈折率よりも小さくなる。
遮光部6表面にある全ての凸部61の高さhの平均(平均高さHとする)は、400nm以上であり、より好ましくは500nm以上1000nm以下である。図8の例では、凸部61の高さは均一であるため、高さhと平均高さHは同じ値である。
また、遮光部6表面にある全ての凸部61の平均配列ピッチ(Tとする)は、150nm以上700nm以下であり、より好ましくは150nm以上500nm以下である。図8の例では、凸部61が均一の配列ピッチtで正方格子状に配列されているため、配列ピッチtと平均配列ピッチTは同じ値である。
凸部61の配列ピッチtは、隣接する2つの凸部61で挟まれる空間(凹部)における、この2つの凸部61の並ぶ方向における幅の最大値のことをいう。隣接する2つの凸部61とは、これら2つの凸部61の間に他の凸部61が存在しないものをいう。
遮光部6表面の凹凸形状がこのような条件を満たすことで、赤外線カットフィルタ7に入射角θで入射した光のうち、反射角θで反射する正反射光(図6中の実線矢印)を低減することができる。また、赤外線カットフィルタ7に入射角θで入射した光のうち、入射方向に散乱する後方散乱(図6中の破線矢印)の散乱角度を狭めることができる。このように、正反射を低減させかつ後方散乱に指向性を持たせることで、ゴーストを抑制することができる。
図8に示す構成の遮光部6は以下のようにして製造することが好ましい。
図9は、遮光部6の製造に用いるインクジェット印刷装置のヘッドの構成を示す平面模式図である。
図9に示すヘッド10には、エネルギー硬化性材料を放出するためのノズル9が二次元状に複数(図9の例では16個)配置されている。このヘッド10を二次元状に走査することで遮光部6を形成するが、以下では、ヘッド10に含まれる1つのノズル9に着目して、遮光部6の製造方法を説明する。
図10は、遮光部6の製造方法を説明するための図である。
図10(a)に示すように、フィルタ本体5にノズル9を近づけて、フィルタ本体5に対しノズル9からエネルギー硬化性材料60を吐出する。エネルギー硬化性材料60は、熱や光等のエネルギーによって硬化する材料であれば何でもよい。ここでは、エネルギー硬化性材料60として、カーボンブラック(平均粒子径:0.3μm)を含む紫外線硬化性樹脂(表面張力30N/m、粘度100cps)を用いる。
次に、吐出した紫外線硬化性材料60とノズル9とが接触した状態で、ノズル9をフィルタ本体5表面から離す方向に移動させる。このときの紫外線硬化性樹脂60の高さは20μmとする。そして、吐出した紫外線硬化性材料60に、硬化に要するエネルギーの一部を供給して、吐出した紫外線硬化性材料60を半硬化させる(図10(b))。ここでは、紫外線硬化性材料60に、パワー2W/cm、波長385nm、照射時間30秒の条件でかつ酸素100ppm以下の雰囲気で紫外光を照射した。
上記エネルギーの一部を供給した後、ノズル9をフィルタ本体5表面から離す方向に更に移動させて、半硬化した紫外線硬化性材料60とノズル9とを切り離す(図10(c))。ここでは、ノズル9の移動速度を1.5μm/秒として1.5μm移動させた。紫外線硬化性材料60は半硬化状態であるため、ノズル9の移動に追従して、紫外線硬化性材料60を伸ばすことができる。詳細な実験の結果、ノズル9の移動速度が1.5μm/秒の場合、ノズル9の移動量fと凸部の高さhには、3f=hの関係が成立することが分かった。
次に、切り離した紫外線硬化性材料60に、硬化に要するエネルギーを供給して、切り離した紫外線硬化性材料60を完全に硬化させる。ここでは、パワー4W/cm、波長385nm、照射時間30秒の条件でかつ酸素100ppmの以下の雰囲気で紫外光を照射した。
以上の工程を、ヘッド10に搭載される全てのノズル9を用いて同時に行うと共に、ヘッド10の位置を二次元状に移動させながら同じ工程を繰返すことで、図11に示すように、厚みhaの平坦部と、平坦部上に配列ピッチtで配列された高さhの凸部とを有する遮光部6を形成することができる。
なお、ここではヘッド10に複数のノズル9を搭載する例を示したが、ヘッド10に1つのノズル9を搭載し、このヘッド10を走査することで遮光部6を形成してもよい。
以上の製造方法によれば、高価な装置は必要とせず、リソグラフィ法のような多額な初期投資が不要となるため、製造コストを削減することができる。また、エネルギー硬化性材料を塗布した後に硬化するというシンプルなプロセスのため、高い生産性を実現することができる。
以上説明した撮像モジュール100は、その組み込み対象の一例としてデジタルカメラを例示したが、これに限定されない。その他の撮像モジュール100の組み込み対象としては、例えば、PC(Personal Computer)内蔵型又は外付け型のPC用カメラ、カメラ付きインターフォン、車載用カメラ、或いは、撮影機能を有する携帯端末装置、電子内視鏡等の電子機器を挙げることができる。携帯端末装置としては、例えば、携帯電話機やスマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム機等が挙げられる。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以下、本発明の実施例について説明する。
図2に示す光学レンズ15Aについて検討した結果を以下に示す。
以下に説明する比較例1と実施例1〜9において、遮光層16には以下の表1に示すA,Bのいずれかを使用した。また、レンズ母材本体18Aには、以下の表2に示すa,bのいずれかを使用した。屈折率の測定は、J,A.Woollam Japan社製のエリプソメータVASEを使用して行った。
Figure 0006317954
Figure 0006317954
(比較例1)
材料aで形成したレンズ母材本体にARコートを施してレンズ母材を形成した後、レンズ母材の表面の一部に材料Aをインクジェットにて塗布し、その後、乾燥、硬化させて遮光層を形成した。
(実施例1)
材料aで形成したレンズ母材本体にARコートを施してレンズ母材を形成した後、レンズ母材の表面の一部に材料Aをインクジェットにて塗布した。その後、モスアイの凹凸構造を有する型を材料Aの塗布膜に圧接し、この状態で塗布膜を硬化させて、反射防止層と遮光層を形成した。硬化後の塗布膜において凹凸が形成されている部分をレンズ母材の表面に垂直な方向に10分割したときの各分割層の屈折率を測定したところ、表3に示す結果となった。表1において層Noが小さいほど、空気層に近いことを示す。
Figure 0006317954
(実施例2)
材料bで形成したレンズ母材本体にARコートを施してレンズ母材を形成した後、レンズ母材の表面の一部に材料Bをインクジェットにて塗布し、その後、乾燥、硬化させて遮光層を形成した。その後、水酸化ナトリウム水溶液を溶媒とし、硝酸亜鉛とエチレンジアミンを含む水溶液を遮光層に塗布し、これを乾燥させて酸化亜鉛を析出させてモスアイ構造の反射防止層を形成した。この反射防止層は、空気層側の屈折率が1よりも僅かに大きく、遮光層側の屈折率が1.65となっていた。
(実施例3)
比較例1で製造した光学レンズの遮光層の上に、Alからなるモスアイ構造の反射防止層を形成した。この反射防止層は、空気層側の屈折率が1よりも僅かに大きく、遮光層側の屈折率が1.4となっていた。
(実施例4)
遮光層材料をBに変更した以外は、実施例3と同様の方法で光学レンズを作製した。
(実施例5)
実施例4の光学レンズの製造過程で、遮光層の上に、材料Bを蒸着によって成膜してインデックスマッチング(IM)層を形成した。その後、IM層上に、Alからなる反射防止層を形成した。
(実施例6)
比較例1で製造した光学レンズの遮光層の表面をレーザーブラストで荒らした後、遮光層上にMgFをEB蒸着法で成膜してIM層を形成した。レーザーブラストの際に生じた遮光層の削りカスをMgFが埋めるため、IM層の屈折率は遮光層の材料AとMgFとの間の値となる。このIM層の屈折率は、波長546nmにおいて1.5であった。次に、このIM層の上に、MgFをEB蒸着法で成膜して反射防止層を形成した。反射防止層の屈折率は波長546nmにおいて1.4であった。
(実施例7)
材料aで形成したレンズ母材本体の表面の一部に材料Bをインクジェットにて塗布し、その後、乾燥、硬化させて遮光層を形成した。次に、遮光層とレンズ母材本体の表面との上に、実施例2と同様の方法でZnOからなるモスアイ構造の反射防止層を形成した。
(実施例8)
材料bで形成したレンズ母材本体の表面の一部に材料Bをインクジェットにて塗布し、その後、乾燥、硬化させて遮光層を形成した。次に、遮光層とレンズ母材本体の表面との上に、Alからなるモスアイ構造の反射防止層を形成した。
(実施例9)
材料bで形成したレンズ母材本体の表面の一部に材料Bをインクジェットにて塗布し、その後、乾燥、硬化させて遮光層を形成した。次に、遮光層とレンズ母材本体の表面との上に、実施例2と同様の方法でZnOからなるモスアイ構造の反射防止層を形成した。
比較例1で作製した光学レンズを5つ組み合わせて図1に示す撮像モジュールを作製し、図12に示す測定系を用いて撮像品質を評価した。実施例1〜9のそれぞれについても同様に、光学レンズを5つ組み合わせて図1に示す撮像モジュールを作製し、図12に示す測定系を用いて撮像品質を評価した。なお、ここで作製した撮像モジュールとしては、5つの光学レンズの最も撮像素子から離れた位置から撮像素子の受光面までの距離をTTLとし、5つの光学レンズの合成焦点距離をfとしたとき、TTLをfで割った値が1.3以下となるものを作製した。
図12に示す測定系は、ハロゲン光源40と、コリメータレンズ41と、撮像モジュール44と、からなる。ハロゲン光源40から出射した光をコリメータレンズ41で平行光に変換して撮像モジュール44のレンズ群42に入射させる。レンズ群42は、比較例、実施例で作製した光学レンズを5つ含む。レンズ群42を通った光は撮像素子43に入射する。この測定系では、レンズ群42の光軸46に垂直かつ撮像素子43の受光面に平行な回転軸45を中心に撮像モジュールを所定角度ずつ回転させながら、各回転位置において、撮像素子43に結像される主光線とそれ以外の光線(ゴースト光線)の強度を観察、測定し、ゴースト光線の主光線に対する強度比を求めた。この強度比から、ゴーストが発生しなかったケースを評価Aとし、レンズ群42内で反射した光が撮像素子43に結像するも実用上問題がないケースを評価Bとし、ゴーストが発生してしまい実用上問題があるケースを評価Cとして評価を行った。各光学レンズの構成と評価結果を以下の表4に示す。
Figure 0006317954
比較例1では、遮光層の空気側の屈折率とレンズ母材側の屈折率は同じであるため、ゴーストが発生し、撮像品質は低下した。これに対し、実施例1〜9ではゴーストが発生しないか、又は、実用上問題のない撮像品質を得られる結果となった。
実施例1〜9の結果から、レンズ母材と遮光層との屈折率差は0.16以下であれば、レンズ母材と遮光層の界面における光の反射が抑えられ、実用上問題ない撮像品質を得られることが分かる。
実施例7では、反射防止層のレンズ母材側の屈折率とレンズ母材の屈折率との差が0.11である。また、実施例9では、反射防止層のレンズ母材側の屈折率とレンズ母材の屈折率との差が0.09である。また、実施例8では、反射防止層のレンズ母材側の屈折率とレンズ母材の屈折率との差が0.34である。そして、実施例8は、実施例7,9よりも評価が低下する結果となっている。このため、反射防止層のレンズ母材側の屈折率とレンズ母材の屈折率との差が0.11以下であれば、反射防止層とレンズ母材との界面における反射を防いで撮像品質を向上させられることが分かる。
次に、図8に示す構成の遮光部6について反射特性を検討した。
図10に説明した方法で、シリコン基板上に図8に示す構成の遮光部6を形成した。遮光部6としては、凸部61の平均高さHをそれぞれ55nm、165nm、275nm、360nm、400nm、500nm、620nm、880nm、1000nm、1150nm、1400nmとし、各平均高さHに対し凸部61の平均配列ピッチTをそれぞれ55nm、110nm、150nm、200nm、300nm、500nm、550nm、650nm、700nm、850nmとしたものを作製した。なお、ここで作製した遮光部において、凸部61の平均高さH及び平均配列ピッチTは、共焦点レーザ顕微鏡(例えば、オリンパス株式会社製OLS3000)を用いて測定した。
このようにして作製した遮光部6に対し、図13に示す測定系を用いて、4項目の反射特性を測定した。
図13は、実施例の測定系を示す図である。図13に示す測定系では、シリコン基板に対して垂直な方向を、シリコン基板に対し90°の方向と定義し、この方向から右に傾くにしたがって角度が減少し、シリコン基板に水平かつ紙面右に向かう方向で0°としている。また、90°の方向から左に傾くにしたがって角度が増加し、シリコン基板に水平かつ紙面左に向かう方向で180°としている。
そして、以下の表5に示すように、入射光の角度を設定し、かつ、光量検出器70とカメラ71の配置角度を設定して、光量検出器70により正反射光量及び後方反射光量を測定した。また、カメラ71により正反射光分布及び後方反射光分布を測定した。なお、入射光は、シングルモードHe−Neレーザ(波長633nm)を用い、グラントムソン偏光子及び位相差板を介して円偏光にしたものを使用した。
Figure 0006317954
測定1においては、遮光部の代わりにミラーを用いて測定した正反射光量を100%として、この100%の光量に対する、遮光部に対して測定した正反射光量の比である反射率(正反射率)を算出した。
測定3においては、150°の方向を中心にプラスマイナス20°の範囲に広がる散乱光量をレンズで集めて光量検出器に導入して、後方反射光量を測定した。入射光量のパワーを1Wとし、このパワーの1/1000のパワー(1mW)を閾値として設定し、測定した後方反射光量のパワーが閾値以上であれば後方散乱ありと判定し、測定した後方反射光量のパワーが閾値未満であれば後方散乱なしと判定した。
なお、測定3は、測定1とは異なる入射光角度としている。これは、入射光角度を150°にすると、150°の方向に光量検出器を置くことができず、150°の方向を中心とする範囲に広がる散乱光量を測定できないためである。
上記作製した全ての遮光部について求めた正反射率と後方散乱の発生有無について纏めた結果を図14に示す。
図14において、“−−”で示した結果は、後方散乱あり、正反射率1%以下であることを示す。また、“−”で示した結果は、後方散乱なし、正反射率5%以上であることを示す。また、“+”で示した結果は、後方散乱なし、正反射率1%以上5%以下であることを示す。また、“++”で示した結果は、後方散乱なし、正反射率1%以下であることを示す。
また、図6の構成をモデルとして、上記作製した各遮光部を有する赤外線カットフィルタを搭載する撮像モジュールにおいて発生するゴーストの強度(入射角150°のときのもの)をシミュレーションした。この結果、図14において、“−−”が付いた遮光部と“−”が付いた遮光部については、実用上問題になる強度のゴーストが発生することがわかった。一方、“+”が付いた遮光部については、ゴーストは発生したものの、その強度は実用上問題にならない程度であった。また、“++”が付いた遮光部については、ゴーストが発生しない結果となった。
以上のことから、遮光部6表面にある凸部61の平均高さHを400nm以上とし、かつ、凸部61の平均配列ピッチTを150nm以上700nm以下にすることで、ゴーストを実用上問題ないレベルにまで抑制することができることがわかる。
また、遮光部6表面にある凸部61の平均高さHを500nm以上1000nm以下とし、かつ、凸部61の平均配列ピッチTを150nm以上500nm以下とすることで、ゴースト発生を確実に抑制できることがわかる。
以上説明したように、本明細書には以下の事項が開示されている。
開示された光学素子は、光線を透過する光学母材と、上記光学母材の表面の一部に形成される遮光部と、を備え、上記遮光部は、遮光層と、上記遮光層における上記レンズ母材との非密着面に形成される反射防止層とからなり、上記反射防止層の屈折率は、上記遮光層の屈折率よりも小さいものである。
開示された光学素子は、上記反射防止層が、上記光学母材の表面における上記遮光層との非密着面の少なくとも一部にも形成されるものである。
開示された光学素子は、上記反射防止層が、上記非密着面の全てにも形成されており、上記光学母材の屈折率と上記反射防止層の屈折率の差は0.11以下であるものを含む。
開示された光学素子は、上記反射防止層が、空気と触れる表面から上記遮光層に向かって屈折率が漸増するものであるものを含む。
開示された光学素子は、上記反射防止層が、屈折率の異なる複数の膜の積層体により構成されるものである。
開示された光学素子は、上記光学母材と上記遮光層との屈折率差は0.16以下であるものを含む。
開示された光学素子は、上記光学母材が赤外線を減衰させる機能を有し、上記反射防止層は、上記遮光層上に複数の凸部が二次元状に配列された構成であり、上記凸部の平均高さが400nm以上であり、上記凸部の平均配列ピッチが150nm以上700nm以下であるものを含む。
開示された光学素子は、上記凸部の平均高さが500nm以上1000nm以下であり、上記凸部の平均配列ピッチが150nm以上500nm以下であるものを含む。
開示されたレンズユニットは、上記光学素子が光学レンズであり、上記光学レンズが光軸方向に1枚以上並べられたものである。
開示された撮像モジュールは、上記レンズユニットと、上記レンズユニットを通して被写体を撮像する撮像素子と、を備えるものである。
開示された撮像モジュールは、上記1枚以上の光学レンズの最も被写体側の部分から上記撮像素子までの距離をTTLとし、上記1枚以上の光学レンズの合成焦点距離をfとしたとき、TTL/f≦1.3となっているものである。
開示された電子機器は、上記撮像モジュールを搭載するものである。
本発明は、特にデジタルカメラや携帯電話機等の携帯型電子機器に適用して利便性が高く、有効である。
100 撮像モジュール
11 撮像部
110 レンズユニット
3 撮像素子
5 フィルタ本体
6 遮光部
7 赤外線カットフィルタ
61 凸部(反射防止層)
62 平坦部(遮光層)
K 開口
9 ノズル
10 ヘッド
15 光学レンズ
16 遮光層
17 反射防止層
18 レンズ母材
18A レンズ母材本体
18B ARコート

Claims (9)

  1. 光軸方向に並べられた複数枚の光学レンズを有するレンズユニットであって、
    前記光学レンズの各々は、光線を透過する光学母材と、前記光学母材の表面の一部に形成される遮光部と、を備え、
    前記遮光部は、遮光層と、前記遮光層における前記光学母材との非密着面に形成される反射防止層とからなり、
    前記反射防止層は、該反射防止層の屈折率が前記遮光層の屈折率よりも小さい材料で形成され、
    前記遮光層が前記反射防止層により覆われている、レンズユニット
  2. 請求項1記載のレンズユニットであって、
    前記反射防止層は、前記光学母材の表面における前記遮光層との非密着面の少なくとも一部にも形成されるレンズユニット
  3. 請求項2記載のレンズユニットであって、
    前記反射防止層は、前記非密着面の全てにも形成されており、
    前記光学母材の屈折率と前記反射防止層の屈折率の差は0.11以下であるレンズユニット
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のレンズユニットであって、
    前記反射防止層は、空気と触れる表面から前記遮光層に向かって屈折率が漸増するものであるレンズユニット
  5. 請求項4記載のレンズユニットであって、
    前記反射防止層は、屈折率の異なる複数の膜の積層体により構成されるレンズユニット
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のレンズユニットであって、
    前記光学母材と前記遮光層との屈折率差は0.16以下であるレンズユニット
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のレンズユニットと、
    前記レンズユニットを通して被写体を撮像する撮像素子と、を備える撮像モジュール。
  8. 請求項記載の撮像モジュールであって、
    前記複数枚の光学レンズの最も被写体側の部分から前記撮像素子までの距離をTTLとし、前記複数枚の光学レンズの合成焦点距離をfとしたとき、TTL/f≦1.3となっている撮像モジュール。
  9. 請求項又は記載の撮像モジュールを搭載する電子機器。
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