JP6903418B2 - 光学体、原盤、及び光学体の製造方法 - Google Patents

光学体、原盤、及び光学体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学体、原盤、及び光学体の製造方法に関する。
一般的に、テレビなどの表示装置、およびカメラレンズなどの光学素子では、表面反射を減少させ、かつ透過光を増加させるために、光の入射面に反射抑制処理が施されている。このような反射抑制処理としては、例えば、表面に凹凸構造が形成された光学体を光の入射面に形成させることが提案されている。ここで、光学体の表面に形成された凹凸構造は、複数の凸部及び凹部で形成され、凸部間の配列ピッチ及び凹部間の配列ピッチが可視光波長以下となっている。
このような光学体の表面では、入射光に対する屈折率の変化が緩やかになるため、反射の原因となる急激な屈折率の変化が発生しない。したがって、このような凹凸構造を光の入射面の表面に形成することにより、広い波長帯域にわたって入射光の反射を抑制することができる。
特許文献1〜3は、このような光学体に関する技術を開示する。特許文献1に開示された技術では、鋳型への転写材の充填不良、剥離抵抗による転写品の凸部欠損、及び、転写された微細凹凸構造の凸部のパターン倒れを防止するために、光学体の表面に凸部の密集箇所をランダムに配置する。
特許文献2に開示された技術では、回折光の発生を抑制するために、凹凸の配列パターンを正多角形状の配列パターンからずらす。特許文献3に開示された技術では、凹凸の配列ピッチ等を容易に制御するために、スパッタリング法により凹凸をランダムに形成する。特許文献4に開示された技術では、対称な形状を有する凹凸を所定の配列パターンで配列する。
特開2014−066976号公報 特開2015−038579号公報 特開2015−060983号公報 特開2009−258751号公報
しかしながら、特許文献1〜4に開示された技術では、光学体の反射防止特性が依然として十分ではなかった。なお、光学体の反射防止特性を高める方法として、特許文献4に開示されているように、凹凸構造を構成する凸部同士を重なり合わせる方法が提案されている。この方法によれば、凹凸構造の密度が向上するので、光学体の反射防止特性が向上することが期待できる。しかし、従来の凹凸構造にこの方法を適用する場合、所望の反射防止特性を実現させるためには、凸部同士を大きく重なり合わせる必要があった。このため、原盤の凹凸構造の転写性が悪化するという別の問題があった。
すなわち、光学体は、表面に凹凸構造が形成された原盤を転写型として用いて作製される。原盤の表面に形成された凹凸構造は、光学体の表面に形成された凹凸構造の反転形状を有する。この方法では、基材上に未硬化樹脂層を形成し、この未硬化樹脂層に原盤の凹凸構造を転写する。その後、未硬化樹脂層を硬化する。ついで、原盤を硬化した未硬化樹脂層、すなわち硬化樹脂層から剥離する。硬化樹脂層には、原盤の凹凸構造が転写されている。以上の工程により、光学体を作製する。ここで、凸部同士を大きく重なり合わせた場合、凹部が非常に微細な形状となる。すなわち、凹部の底面積が非常に小さくなる。したがって、原盤上に形成される凸部は非常に微細な形状となる。このため、原盤の凹凸構造を未硬化樹脂層に正確に転写することが非常に難しくなる。すなわち、原盤の凹凸構造の転写性が悪化する。そして、転写性が悪化すると、原盤の凹凸構造が正確に光学体に反映されないので、光学体の反射防止特性が悪化する可能性がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、反射防止特性がさらに向上し、かつ、作製が容易な、新規かつ改良された光学体、原盤、及び光学体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、
凸形状または凹形状を有する複数の構造体が可視光波長以下の平均周期で配列された凹凸構造を有する光学体であって、
前記構造体は、前記光学体の厚さ方向に垂直な面方向のうち、前記構造体が配列されるトラック方向に関して非対称な形状を有するとともに、前記トラック方向に対して垂直な方向に関して対称な形状を有し、
前記構造体の垂直断面形状は、前記トラック方向に傾斜した形状であ
前記構造体の平面視形状は、前記トラック方向に関して非対称に歪んだ形状を有し
前記構造体に外接する四角形を前記トラック方向に二等分する直線で前記構造体の平面視形状を2つの領域に分割した場合、それぞれの面積が異なり
前記2つの領域のうち、小さい方の領域の面積を大きい方の領域の面積で除算することで得られる面積比は、0.83以上、0.97以下であり、
前記構造体の底面比率は、8%以上、10%以下である、光学体が提供される。
また、面積比が0.95以下であってもよい。
また、前記構造体の垂直断面形状が前記トラック方向に関して非対称な形状を有していてもよい。
また、構造体の垂直断面形状の頂点の位置が、構造体のトラック方向の中心点に対してトラック方向に変位していてもよい。
また、頂点の位置の変位量を、構造体のドットピッチで除した変位比が0.03以上であってもよい。
また、変位比が0.03以上、0.5以下あってもよい。
また、前記構造体の前記トラック方向上の配列ピッチは、前記凹凸構造の前記トラック方向に対して垂直な方向上の配列ピッチと異なっていてもよい。
また、構造体は凸形状を有していてもよい。
また、構造体は凹形状を有していてもよい。
また、構造体は、硬化性樹脂の硬化物で構成されていてもよい。
また、隣接する構造体同士が接していてもよい。
前記構造体は、前記トラック方向に周期的に配列されていてもよい。
前記構造体は、前記トラック方向に可視光波長以下の平均周期でランダムに配列されていてもよい。
前記構造体の底面比率は、10%未満であってもよい。
本発明の他の観点によれば、上記に記載の光学体が有する前記凹凸構造の反転形状が表面に形成された原盤が提供される。
ここで、原盤は、板状、円筒形状、または円柱形状であってもよい。
本発明の他の観点によれば、上記の原盤を転写型として用いて基材上に凹凸構造を形成する、光学体の製造方法が提供される。
上記観点によれば、構造体は、光学体の厚さ方向に垂直ないずれか一の面方向に関して非対称な形状を有する。したがって、構造体同士を大きく重なって合わせなくても、高い反射防止特性が実現される。このため、原盤の凹凸構造の転写性が高いので、光学体の作製も容易となる。
以上説明したように上記観点によれば、反射防止特性がさらに向上し、かつ、作製が容易となる。
本発明の実施形態に係る光学体の外観例を示す平面図である。 同実施形態に係る光学体のCC断面図である。 凸部の面積比の算出方法を説明するための説明図である。 凹凸構造の変形例を示す平面図である。 凹凸構造の変形例を示す平面図である。 凹凸構造の変形例を示す顕微鏡写真である。 凹凸構造の変形例を示す側断面図である。 本実施形態に係る原盤の外観例を示す斜視図である。 露光装置の構成例を示すブロック図である。 レーザ光のパルス波形の従来例を示すタイミングチャートである。 本実施形態に係るパルス波形の一例を示すタイミングチャートである。 本実施形態に係るパルス波形の一例を示すタイミングチャートである。 本実施形態に係るパルス波形の一例を示すタイミングチャートである。 本実施形態に係るパルス波形の一例を示すタイミングチャートである。 光学体をロールツーロールで製造する転写装置の一例を示す模式図である。 実施例1に係る光学体の反射スペクトルを示すグラフである。 実施例2に係る光学体の反射スペクトルを示すグラフである。 比較例1に係る光学体の反射スペクトルを示すグラフである。 比較例2に係る光学体の反射スペクトルを示すグラフである。 実施例1に係る光学体の外観を示す顕微鏡写真である。 実施例3に係る光学体の外観を示す顕微鏡写真である。 比較例1に係る光学体の外観を示す顕微鏡写真である。 実施例1、3及び比較例1に係る光学体の反射スペクトルを示すグラフである。 実施例4に係る光学体の反射スペクトルを示すグラフである。 実施例5に係る光学体の反射スペクトルを示すグラフである。 凸部の平面視形状の面積比の下限値を説明するための模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.光学体の構成>
次に、図1〜図3に基づいて、光学体10の構成について説明する。光学体10は、基材11と、基材11の一方の表面に形成された凹凸構造12とを備える。なお、基材11と凹凸構造12とは一体成型されてもよい。例えば、基材11を熱可塑性樹脂フィルムとすることで、基材11と凹凸構造12とを一体成型することができる。詳細は後述する。
凹凸構造12は、光学体10の膜厚方向に凸である複数の凸部13(構造体)と、光学体10の膜厚方向に凹である複数の凹部14(構造体)とを有する。凸部13及び凹部14は、光学体10上に周期的に配置される。例えば、図1の例では、凸部13及び凹部14は正六方格子状(言い換えれば、対称な千鳥格子状)に配置される。
すなわち、凹凸構造12は、複数の凸部13及び凹部14からなるトラック(行)が互いに平行に配列されたものであると言える。なお、どの方向に並んだ凸部13及び凹部14をトラックと定義するのかについて特に制限はないが、例えば、光学体10が長尺な光学体(あるいは長尺な光学体を切断することで得られる光学体)となる場合、長尺な光学体の長さ方向に並んだ凸部13及び凹部14をトラックと定義しても良い。図1の例では、この方法に従ってトラックを定義している。具体的には、図1の例では、トラックは矢印B方向(すなわち、左右方向)に伸びており、上下方向に並んでいる。また、隣接するトラック間に配置された凸部13(または凹部14)は、互いに凸部13(または凹部14)の半分の長さだけトラックの長さ方向(すなわち、トラック方向)にずれている。
もちろん、凸部13及び凹部14は他の配列パターンで配置されていても良い。例えば、凸部13及び凹部14は他の正多角格子状(例えば矩形格子状)に配置されていても良い。また、凸部13及び凹部14は、歪んだ多角格子状に配置されていても良い。また、凸部13及び凹部14は、ランダムに配置されていてもよい。
また、凸部13は、光学体10の厚さ方向に垂直ないずれか一の面方向に関して非対称な形状を有する。図1の例では、凸部13は、矢印B方向に関して非対称な形状を有する。すなわち、凸部13は、対称な形状を矢印B方向に歪ませた形状を有する。以下、凸部13の形状について詳細に説明する。
本実施形態では、図3に示すように、凸部13の平面視形状は、矢印B方向に関して非対称となっている。ここで、凸部13の平面視形状とは、凸部13を光学体10の厚さ方向に垂直な平面に投影することで得られる形状(すなわち、図1や図3に示す形状)である。
そして、凸部13の平面視形状に外接する四角形Xを描く。ここで、四角形Xは、凸部13の平面視形状を内包する四角形のうち、最小の四角形を意味する。そして、この四角形Xを矢印Bに垂直な線分X1で二等分する。ここで、線分X1は、凸部13の配列方向に沿って四角形Xを二等分する線分である。そして、線分X1の中点Aを凸部13の中心点(すなわち、凸部13のトラック方向の中心点)と定義する。凸部13の平面視形状は、この線分X1によって2つの領域X11、X12に区分される。そして、「凸部13の平面視形状が矢印B方向に関して非対称である」とは、これらの領域X11、X12が線分X1に関して非対称であること、すなわち、領域X11、X12の面積が異なることを意味する。したがって、凸部13の平面視形状は、線分X1に関して対称な形状(例えば真円)を矢印B方向に歪ませた形状となっている。領域X11と領域X12との面積比は特に制限されないが、0.97以下であることが好ましく、0.95以下であることがより好ましく、0.95以下0.33以上であることがより好ましい。面積比が0.97以下となる場合、後に述べる底面積を大きくすることができる。また、凸部13の平面視形状が物理的な非対称性の限界となる三角形形状となる場合(図26参照)、面積比が0.33となる。このため、下限値の好ましい範囲を0.33とした。ここで、領域X11と領域X12との面積比は、領域X11及び領域X12のうち、小さい方の面積を大きい方の面積で除算することで得られる。この場合、光学体10の反射防止特性が特に向上する。なお、凸部13の平面視形状が真円となる場合、領域X11、X12は線分X1に関して対称な形状となる。なお、凸部13毎に面積比が異なる場合もありうる。この場合、いくつかの凸部13の面積比を求め、これらを算術平均してもよい。
凸部13の平面視形状同士は互いに離間していても、接触していても(すなわち、隣接する凸部13同士が互いに接していても)、一部で重なりあっていても良い。図1の例では、凸部13の平面視形状同士が接触している。光学体10の反射防止特性を高めるという観点からは、凸部13の平面視形状同士が接触しているか、一部で重なりあっていることが好ましい。ただし、凸部13の平面視形状同士が大きく重なり合っていると、凹部14の底面積が小さくなるので、原盤100の転写性が悪化する可能性がある。このため、原盤100の転写性が悪化しない程度で凸部13の平面視形状同士を重なり合わせれば良い。また、平面視形状の観察方法としては、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)、あるいは断面透過型電子顕微鏡(断面TEM)等を用いることができ、平面視時の構造体の境界観察が困難な場合は、構造体の高さに対して5%程度の高さの面で断面加工を行い底面に相当する形状を観察することもできる。
さらに、本実施形態では、図1及び図2に示すように、凸部13のCC断面形状(すなわち、垂直断面形状)が矢印B方向に関して非対称となっている。ここで、CC断面は、点Aを通り、かつ、矢印B方向及び光学体10の厚さ方向に平行な断面を意味する。
そして、凸部13の頂点13aは、CC断面上に配置される。そして、頂点13aは、点Aを通り、かつ光学体10の厚さ方向に平行な直線L1からずれた(変位した)位置に配置される。すなわち、凸部13の垂直断面形状の頂点13aの位置が、凸部13のトラック方向の中心点Aに対してトラック方向に変位している。具体的には、頂点13aを通り、かつ光学体10の厚さ方向に平行な直線L2は、直線L1から矢印B方向に距離T1(頂点の位置の変位量)だけ離れている。したがって、「凸部13の垂直断面形状が矢印B方向に関して非対称である」とは、頂点13aが直線L1から矢印B方向にずれた位置に配置されることを意味する。したがって、凸部13の垂直断面形状は、直線L1に関して対称な形状を矢印B方向に歪ませた形状となっている。したがって、凸部13は、矢印B方向に傾斜していると言える。距離T1の長さは特に制限されないが、平面視形状の半径rの2%以上であることが好ましい。ここで、平面視形状の半径rは、CC断面と凸部13の外縁部分との交点から中心点までの距離を意味する。また、距離L1(nm)を構造体のドットピッチ(nm)で除した値、すなわち変位比(%)は0.03以上であることが好ましく、0.03以上、0.5以下であることがより好ましく、0.03以上、0.1以下であることがより好ましい。なお、凸部13及び凹部14がランダムに配置されている場合、変位比は、距離L1を凹凸構造12の平均周期で除算した値となる。また、距離L1が構造体12毎に異なる場合、いくつかの構造体12について距離L1を算出し、これらの算術平均値を距離L1とすればよい。
なお、図1に示す例では、凸部13の平面視形状及び垂直断面形状の双方が矢印B方向に関して非対称となっているが、いずれか一方の形状のみが矢印B方向に関して非対称となっていてもよい。また、凸部13は、矢印B方向以外の面方向に関しては対称であっても非対称であってもよいが、対称であることがより好ましい。原盤100の転写性を向上させるためである。
一方、凸部13同士の間に凹部14が配置される。すなわち、凹部14は、凸部13の外周面によって形成される。したがって、凹部14の形状も、必然的に凸部13と同様の特徴を有する。すなわち、凹部14の平面視形状及び垂直断面形状は、矢印B方向に関して非対称となる。凹部14の平面視形状及び垂直断面形状は、凸部13の平面視形状及び垂直断面形状と同様に定義される。なお、凹部14の平面視形状は凹部14の開口面の形状となり、凹部14の平面視形状の重心が凸部13の頂点13aに対応する。
本実施形態では、凸部13及び凹部14が矢印B方向に関して非対称な形状となっているので、後述する実施例に開示されるように、凸部13同士を重なり合わせないことや、もしくは、大きく重なり合わせなくても、高い反射防止特性を実現できる。このため、本実施形態では、凸部13同士を大きく重なり合わせなくても、高い反射防止特性を実現できる。すなわち、本実施形態では、特許文献4のように凸部13同士を大きく重なり合わせなくても、高い反射防止特性を得ることができる。さらに、本実施形態では、原盤100の剥離性が向上する。すなわち、本実施形態では、凸部13が矢印B方向に関して非対称な形状となっているので、原盤100を光学体10から矢印B方向に剥離することで、原盤100を容易に光学体10から剥離することができる。
凸部13及び凹部14の形状は、上述した要件が満たされるのであれば特に制限されない。凸部13及び凹部14の形状は、例えば、砲弾型、錐体状、柱状、針状であってもよい。
また、凸部13及び凹部14の平均周期(構造体の平均周期)は、可視光波長以下(例えば、830nm以下)であり、好ましくは、100nm以上350nm以下であり、さらに好ましくは120nm以上280nm以下であり、さらに好ましくは130〜270nmである。したがって、凹凸構造12は、いわゆるモスアイ構造となっている。ここで、平均周期が100nm未満である場合、凹凸構造12の形成が困難になる可能性があるため好ましくない。また、平均周期が350nmを超える場合、可視光の回折現象が生じる可能性があるため好ましくない。
ここで、凸部13及び凹部14の平均周期は、例えば、互いに隣り合う凸部13間及び凹部14間の距離の算術平均値である。なお、凹凸構造12は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)、あるいは断面透過型電子顕微鏡(断面TEM)等によって観察可能である。凸部13の平均周期は、例えば以下の方法によって測定される。すなわち、隣り合う凸部13の組み合わせを複数個ピックアップする。そして、凸部13の頂点間の距離を測定する。そして、測定値の算術平均値を凸部13の平均周期とすればよい。また、凹部14の平均周期は、例えば以下の方法によって測定される。すなわち、隣り合う凹部14の組み合わせを複数個ピックアップする。そして、凹部14の重心間の距離を測定する。そして、測定値を算術平均することで、凹部14の平均周期を算出すればよい。
なお、凸部13及び凹部14が光学体10上に周期的に配列される場合、凸部13及び凹部14の平均周期(すなわち、平均ピッチ)は、例えば、ドットピッチL12及びトラックピッチL13に区分される。ドットピッチL12は、トラックの長さ方向上に配列された凸部13(または凹部14)間の平均周期である。トラックピッチL13は、トラックの配列方向(図1中上下方向)上に配列された凸部13(または凹部14)間の平均周期である。本実施形態では、ドットピッチL12及びトラックピッチL13はいずれも可視光波長以下となる。ドットピッチL12及びトラックピッチL13は同じであっても異なっていても良い。凸部13及び凹部14の平均周期は、ドットピッチL12とトラックピッチL13の算術平均値となる。
また、凸部13の高さ(言い換えれば、凹部14の深さ)は特に制限はなく、好ましくは100nm以上300nm以下、より好ましくは130nm以上300nm以下、より好ましくは150nm以上230nm以下である。
凹凸構造12の平均周期及び高さを上記の範囲内の値とすることで、光学体10の反射防止特性をより向上させることができる。具体的には、凹凸構造12の分光反射率(波長350〜800nmにおける分光正反射率)の下限値を0.01〜0.1%程度とすることができる。また、上限値を0.5%以下、好ましくは0.4%以下、更に好ましくは0.3%以下、更に好ましくは0.2%以下とすることができる。また、後述するように凹凸構造12を転写法によって形成する場合、転写後に光学体10を原盤100から容易に剥離することができる。なお、凸部13の高さは、凸部13毎に異なっていてもよい。
凹凸構造12は、例えば硬化性樹脂の硬化物で構成される。硬化性樹脂の硬化物は、透明性を有することが好ましい。硬化性樹脂は、重合性化合物と硬化開始剤とを含む。重合性化合物は、硬化開始剤によって硬化する樹脂である。重合性化合物としては、例えばエポキシ重合性化合物、及びアクリル重合性化合物等が挙げられる。エポキシ重合性化合物は、分子内に1つまたは2つ以上のエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、またはプレポリマーである。エポキシ重合性化合物としては、各種ビスフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型、F型等)、ノボラック型エポキシ樹脂、ゴムおよびウレタン等の各種変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、及びこれらのプレポリマー等が挙げられる。
アクリル重合性化合物は、分子内に1つまたは2つ以上のアクリル基を有するモノマー、オリゴマー、またはプレポリマーである。ここで、モノマーは、さらに分子内にアクリル基を1つ有する単官能モノマー、分子内にアクリル基を2つ有する二官能モノマー、分子内にアクリル基を3つ以上有する多官能モノマーに分類される。
「単官能モノマー」としては、例えば、カルボン酸類(アクリル酸)、ヒドロキシ類(2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート)、アルキル又は脂環類のモノマー(イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート)、その他機能性モノマー(2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル−アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル−アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチルアクリレート)、2,4,6−トリブロモフェノールアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノールメタクリレート、2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレート)、2−エチルヘキシルアクリレートなどが挙げられる。
「二官能モノマー」としては、例えば、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、トリメチロールプロパン−ジアリルエーテル、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。
「多官能モノマー」としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどが挙げられる。
上記で列挙したアクリル重合性化合物以外の例としては、アクリルモルフォリン、グリセロールアクリレート、ポリエーテル系アクリレート、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクトン、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、脂肪族ウレタンオリゴマー、ポリエステルオリゴマー等が挙げられる。重合性化合物は、光学体10の透明性の観点からは、アクリル重合性化合物が好ましい。
硬化開始剤は、硬化性樹脂を硬化させる材料である。硬化開始剤の例としては、例えば、熱硬化開始剤、光硬化開始剤等が挙げられる。硬化開始剤は、熱、光以外の何らかのエネルギー線(例えば電子線)等によって硬化するものであってもよい。硬化開始剤が熱硬化開始剤となる場合、硬化性樹脂は熱硬化性樹脂となり、硬化開始剤が光硬化開始剤となる場合、硬化性樹脂は光硬化性樹脂となる。
ここで、光学体10の透明性の観点からは、硬化開始剤は、紫外線硬化開始剤であることが好ましい。したがって、硬化性樹脂は、紫外線硬化性アクリル樹脂であることが好ましい。紫外線硬化開始剤は、光硬化開始剤の一種である。紫外線硬化開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
また、凹凸構造12を構成する樹脂は、親水性、撥水性、曇り防止等の機能性が付与された樹脂であっても良い。
また、凹凸構造12には、光学体10の用途に応じた添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては、例えば、無機フィラー、有機フィラー、レベリング剤、表面調整剤、消泡剤などが挙げられる。なお、無機フィラーの種類としては、例えば、SiO、TiO、ZrO、SnO、Alなどの金属酸化物微粒子が挙げられる。
基材11の種類は特に制限されないが、光学体10を反射防止フィルムとして使用する場合、透明かつ破断しにくいフィルムであることが好ましい。基材11の例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやTAC(トリアセチルセルロース)フィルム等が挙げられる。光学体10を反射防止フィルムとして使用する場合には、基材11は、透明性に優れた材料で構成されることが好ましい。また、基材11の厚さは、光学体10の用途、すなわち光学体10に求められるハンドリング性によって適宜調整すればよい。基材11はケイ素系の材料で構成されていてもよい。また、基材11の形状はフィルム形状に限定されるものではなく、板状、曲面状、レンズ形状といった各種の形状のものを用いても良い。また、基材11の材料としては、無機系材料、例えば、ガラス材料やAl系の材料を用いてもよい。基材11と凹凸構造12とは異なる材料で構成されていてもよく、同一の材料で構成されていてもよい。基材11と凹凸構造12とを異なる材料で構成した場合、これらの間に屈折率調整用のインデックスマッチ層等を形成してもよい。基材11の厚さは、例えば50〜125μmであってもよい。基材11は平板状であってもよく、他の形状(例えば凹形状、凸形状)であってもよい。また、基材11及び凹凸構造12のうち、少なくとも一方は着色されていても良い。
<2.凹凸構造の変形例>
(2−1.第1の変形例)
次に、凹凸構造の各種変形例について説明する。図4は、凹凸構造12の第1の変形例を示す。第1の変形例では、凸部13の平面視形状は、図1に示す平面視形状にくらべて上下方向にやや扁平している。第1の変形例においても、図1の凹凸構造12と同様の効果が期待できる。
(2−2.第2の変形例)
図5は、凹凸構造12の第2の変形例を示す。第2の変形例では、凸部13及び凹部14の配列パターンが正六方格子パターンからずれたパターンとなっている。具体的には、第2の変形例では、トラックピッチL3が図1に示すトラックピッチL3よりも若干狭くなっている。第2の変形例においても、図1の凹凸構造12と同様の効果が期待できる。
なお、第2の変形例のような凹凸構造12を得るためには、トラックピッチ及びドットピッチを適宜変更すればよい。例えば、トラックピッチを100〜180nm、ドットピッチを180〜270nmとすればよい。
(2−3.第3の変形例)
図6は、凹凸構造12の第3の変形例を示す。図6中、上下方向がトラック方向(矢印B方向に相当)となる。第3の変形例では、凸部13は、トラック方向とは異なる方向(ここでは、右上方向)に関して非対称な形状となっている。すなわち、凸部13の平面視形状は、右上方向に関して非対称な形状となっている。例えば、図3と同様の領域X11、X12を定義した場合、右上側の領域X11は、左下側の領域X12よりも大きい。また、頂点13aは、中心点Aよりも右上方向にずれている。第3の変形例においても、図1の凹凸構造12と同様の効果が期待できる。なお、図6に示すような凹凸構造12を得るためには、後述する露光装置200において、対物レンズ223の光路方向手前側に非対称形状のアパーチャを設ければ良い。アパーチャの平面視形状は、凸部13の平面視形状に略一致する。このようなアパーチャを配置することで、対物レンズ223によりフーリエ変換後の像として集光されるレーザ光を非対称な形状とすることができる。
(2−4.第4の変形例)
第4の変形例では、凹凸構造12は、図1に示す凹凸構造12の反転形状を有する。すなわち、第4の変形例では、図1の凸部13が凹部14に置き換わり、図1の凹部14が凸部13に置き換わっている。図7は、第4の変形例に係る凹凸構造12のCC断面図を示す。第4の変形例においても、図1の凹凸構造12と同様の効果が期待できる。この場合、凹部14の平面視形状及び垂直断面形状は、矢印B方向に関して非対称となる。凹部14の平面視形状及び垂直断面形状は、図1に示す凸部13の平面視形状及び垂直断面形状と同様に定義される。なお、凹部14の平面視形状は凹部14の開口面の形状となり、凹部14の平面視形状の重心が図1に示す凸部13の頂点13aに対応する。
<3.原盤の構成>
凹凸構造12は、例えば図8に示す原盤100を用いて作製される。そこで、次に、原盤100の構成について説明する。原盤100は、例えば、ナノインプリント法で使用される原盤であり、円筒形状となっている。原盤100は円柱形状であっても、他の形状(例えば平板状)であってもよい。ただし、原盤100が円柱または円筒形状である場合、ロールツーロール方式によって原盤100の凹凸構造(すなわち、原盤凹凸構造)120を樹脂基材等にシームレス的に転写することができる。これにより、原盤100の原盤凹凸構造120が転写された光学体10を高い生産効率で作製することができる。このような観点からは、原盤100の形状は、円筒形状または円柱形状であることが好ましい。
原盤100は、原盤基材110と、原盤基材110の周面に形成された原盤凹凸構造120とを備える。原盤基材110は、例えば、ガラス体であり、具体的には、石英ガラスで形成される。ただし、原盤基材110は、SiO純度が高いものであれば、特に限定されず、溶融石英ガラスまたは合成石英ガラス等で形成されてもよい。原盤基材110は、金属母材上に上記の材料を積層したものや金属母材であってもよい。原盤基材110の形状は円筒形状であるが、円柱形状、他の形状であってもよい。ただし、上述のように、原盤基材110は円筒形状または円柱形状であることが好ましい。原盤凹凸構造120は、凹凸構造12の反転形状を有する。
<4.原盤の製造方法>
つぎに、原盤100の製造方法を説明する。まず、原盤基材110上に、基材レジスト層を形成(成膜)する。ここで、基材レジスト層を構成するレジスト材は特に制限されず、有機レジスト材及び無機レジスト材のいずれであってもよい。有機レジスト材としては、例えば、ノボラック系レジスト、または化学増幅型レジストなどが挙げられる。また、無機レジスト材としては、例えば、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)などの1種または2種以上の遷移金属を含む金属酸化物等が挙げられる。ただし、熱反応リソグラフィを行うためには、基材レジスト層は、金属酸化物を含む熱反応型レジストで形成されることが好ましい。
有機レジスト材を使用する場合、基材レジスト層は、スピンコーティング、スリットコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、またはスクリーン印刷等を用いることで原盤基材110上に形成されてもよい。また、基材レジスト層に無機レジスト材を使用する場合、基材レジスト層は、スパッタ法を用いることで形成されてもよい。
次に、露光装置200(図9参照)により基材レジスト層の一部を露光することで、基材レジスト層に潜像を形成する。具体的には、露光装置200は、レーザ光200Aを変調し、レーザ光200Aを基材レジスト層に対して照射する。これにより、レーザ光200Aが照射された基材レジスト層の一部が変性するため、基材レジスト層に原盤凹凸構造120に対応する潜像を形成することができる。潜像は、可視光波長以下の平均周期で基材レジスト層に形成される。
続いて、潜像が形成された基材レジスト層上に現像液を滴下することで、基材レジスト層を現像する。これにより、基材レジスト層に凹凸構造が形成される。ついで、基材レジスト層をマスクとして原盤基材110及び基材レジスト層をエッチングすることで、原盤基材110上に原盤凹凸構造120を形成する。なお、エッチングの方法は特に制限されないが、垂直異方性を有するドライエッチングであることが好ましく、例えば、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)であることが好ましい。以上の工程により、原盤100を作製する。なお、アルミニウムを陽極酸化して得られる陽極酸化ポーラスアルミナを原盤として使用してもよい。陽極酸化ポーラスアルミナは、例えば国際公開第2006/059686号公報に開示されている。また、非対称形状のレチクルマスクを用いたステッパーにより原盤100を作製してもよい。
ここで、詳細は後述するが、本実施形態では、レーザ光200Aの照射態様を調整することで、原盤凹凸構造120を形成する。これにより、原盤凹凸構造120の形状を凹凸構造12の反転形状とすることができる。すなわち、原盤凹凸構造120の形状は、原盤100のいずれか一の面方向(ここでは、原盤100の周方向)に関して非対称な形状となる。
<5.露光装置の構成>
次に、図9に基づいて、露光装置200の構成について説明する。露光装置200は、基材レジスト層を露光する装置である。露光装置200は、レーザ光源201と、第1ミラー203と、フォトダイオード(Photodiode:PD)205と、偏向光学系と、制御機構230と、第2ミラー213と、移動光学テーブル220と、スピンドルモータ225と、ターンテーブル227とを備える。また、原盤基材110は、ターンテーブル227上に載置され、回転することができるようになっている。
レーザ光源201は、レーザ光200Aを発する光源であり、例えば、固体レーザまたは半導体レーザなどである。レーザ光源201が発するレーザ光200Aの波長は、特に限定されないが、例えば、400nm〜500nmの青色光帯域の波長であってもよい。また、レーザ光200Aのスポット径(レジスト層に照射されるスポットの直径)は、原盤凹凸構造120の凹部の開口面の直径より小さければよく、例えば200nm程度であればよい。レーザ光源201から発せられるレーザ光200Aは制御機構230によって制御される。
レーザ光源201から出射されたレーザ光200Aは、平行ビームのまま直進し、第1ミラー203で反射され、偏向光学系に導かれる。
第1ミラー203は、偏光ビームスプリッタで構成されており、偏光成分の一方を反射させ、偏光成分の他方を透過させる機能を有する。第1ミラー203を透過した偏光成分は、フォトダイオード205によって受光され、光電変換される。また、フォトダイオード205によって光電変換された受光信号は、レーザ光源201に入力され、レーザ光源201は、入力された受光信号に基づいてレーザ光200Aの位相変調を行う。
また、偏向光学系は、集光レンズ207と、電気光学偏向素子(Electro Optic Deflector:EOD)209と、コリメータレンズ211とを備える。
偏向光学系において、レーザ光200Aは、集光レンズ207によって、電気光学偏向素子209に集光される。電気光学偏向素子209は、レーザ光200Aの照射位置を制御することが可能な素子である。露光装置200は、電気光学偏向素子209により、移動光学テーブル220上に導かれるレーザ光200Aの照射位置を変化させることも可能である(いわゆる、Wobble機構)。レーザ光200Aは、電気光学偏向素子209によって照射位置を調整された後、コリメータレンズ211によって、再度、平行ビーム化される。偏向光学系から出射されたレーザ光200Aは、第2ミラー213によって反射され、移動光学テーブル220上に水平かつ平行に導かれる。
移動光学テーブル220は、ビームエキスパンダ(Beam expader:BEX)221と、対物レンズ223とを備える。移動光学テーブル220に導かれたレーザ光200Aは、ビームエキスパンダ221により所望のビーム形状に整形された後、対物レンズ223を介して、原盤基材110上に形成された基材レジスト層に照射される。また、移動光学テーブル220は、原盤基材110が1回転する毎に矢印R方向(送りピッチ方向)に1送りピッチ(トラックピッチ)だけ移動する。ターンテーブル227上には、原盤基材110が設置される。スピンドルモータ225はターンテーブル227を回転させることで、原盤基材110を回転させる。これにより、レーザ光200Aを基材レジスト層上で走査させる。ここで、レーザ光200Aの走査方向に沿って、基材レジスト層の潜像が形成される。したがって、凹凸構造12のトラック方向(すなわち、矢印B方向)は、レーザ光200Aの走査方向に対応する。
また、制御機構230は、フォーマッタ231と、ドライバ233とを備え、レーザ光200Aの照射を制御する。フォーマッタ231は、レーザ光200Aの照射を制御する変調信号を生成し、ドライバ233は、フォーマッタ231が生成した変調信号に基づいて、レーザ光源201を制御する。これにより、原盤基材110へのレーザ光200Aの照射が制御される。
フォーマッタ231は、基材レジスト層に描画する任意のパターンが描かれた入力画像に基づいて、基材レジスト層にレーザ光200Aを照射するための制御信号を生成する。具体的には、まず、フォーマッタ231は、基材レジスト層に描画する任意のパターンが描かれた入力画像を取得する。入力画像は、軸方向に基材レジスト層の外周面を切り開いて一平面に伸ばした、基材レジスト層の外周面の展開図に相当する画像である。次に、フォーマッタ231は、入力画像を所定の大きさの小領域に分割し(例えば、格子状に分割し)、小領域の各々に描画パターンが含まれるか否かを判断する。続いて、フォーマッタ231は、描画パターンが含まれると判断した各小領域にレーザ光200Aを照射するよう制御する制御信号に生成する。この制御信号(すなわち、露光信号)は、スピンドルモータ225の回転と同期されることが好ましいが、同期されていなくてもよい。また、制御信号とスピンドルモータ225の回転との同期は原盤基材110が1回転する毎に取り直されても良い。さらに、ドライバ233は、フォーマッタ231が生成した制御信号に基づいてレーザ光源201の出力を制御する。これにより、基材レジスト層へのレーザ光200Aの照射が制御される。なお、露光装置200は、フォーカスサーボ、レーザ光200Aの照射スポットの位置補正等のような公知の露光制御処理を行ってもよい。フォーカスサーボはレーザ光200Aの波長を用いてもよく、他の波長を参照用に用いても良い。
また、レーザ光源201から照射されたレーザ光200Aは、複数系統の光学系に分岐された後に基材レジスト層に照射されても良い。この場合、複数の照射スポットが基材レジスト層に形成される。この場合、一方の光学系から出射されたレーザ光200Aが他方の光学系によって形成された潜像に到達した際に、露光を終了すればよい。
<6.レーザ光の照射態様の例>
本実施形態では、レーザ光の照射態様を調整することで、原盤凹凸構造120を原盤基材110上に形成する。レーザ照射態様の例として、レーザ光のパルス波形が挙げられる。そこで、レーザ光のパルス波形について説明する。
図10は、パルス波形の従来例を示す。図10の横軸は時刻、縦軸はレーザ光の出力レベルを示す。図10の例では、露光装置200は、高レベル(=Iw)のレーザ光と低レベル(=Ib)のレーザ光とを交互に原盤基材110に照射することで、原盤基材110上に原盤凹凸構造120を形成する。したがって、レーザ光のパルス波形は、高出力パルスP1と、低出力パルスP2とに区分される。基材レジスト層は、高レベルのレーザ光が照射された際に潜像が形成されるが、潜像の形状は、低レベルのレーザ光の影響も受ける。この従来例では、高出力パルスP1の出力レベルはIwとなり、低出力パルスP2の出力レベルはIbとなる。また、高出力パルスP1の出力時間及び提出力パルスP2の出力時間はいずれもt1となる。この従来例で形成される原盤凹凸構造120は、全ての面方向に関して対称な形状を有する。したがって、原盤100を用いて形成される凹凸構造12の平面視形状は、例えば真円となる。また、頂点13aは直線L1(図2参照)上に配置される。
図11は、本実施形態のパルス波形の一例を示す。この例では低出力パルスP2の出力レベルIb1が図10の出力レベルIbよりも高くなっている。本発明者は、低出力パルスP2の出力レベルIb1を図10の出力レベルIbよりも高くすることで、原盤凹凸構造120の形状をレーザ光200Aの走査方向に関して非対称にできることを見出した。すなわち、原盤凹凸構造120は、図1及び図2に示す凹凸構造12の凹凸が反転した反転形状を有する。また、レーザ光200Aの走査方向と矢印B方向とは逆方向になる。以下の図12〜図14の例においても同様である。この例では、低出力パルスP2の出力レベルが変動するので、基材レジスト層の温度の時間変化が変わる。このため、原盤凹凸構造120の形状がレーザ光200Aの走査方向に関して非対称になると考えられる。
また、出力レベルIb1と出力レベルIbとの出力差を小さくすると、領域X11と領域X12との面積比が大きくなる。また、直線L2と直線L1との距離T1(すなわち、凸部13の頂点13aから凸部13の中心点Aまでの矢印B方向の距離。図2参照)は、大きくなる。なお、出力レベルIb1と出力レベルIbとの出力差は、出力レベルIbの30%以上であることが好ましい。この場合、領域X11と領域X12との面積比を上述した好ましい範囲内の値とすることができるからである。また、出力レベルIwと出力レベルIbとの比はIw:Ib=3:1よりIbが小さい値であることが好ましい。この場合、凹凸構造12を矢印B方向に関して非対称な形状とすることができるからである。
なお、図11の例では、高出力パルスP1及び低出力パルスP2の1周期分の出力時間は図10の例と変わらない。このため、図11の例によって形成される原盤凹凸構造120の平均周期は、図10の従来例によって形成される原盤凹凸構造120の平均周期とほぼ一致する。高出力パルスP1及び低出力パルスP2の1周期分の出力時間によって凹凸構造12の平均周期(具体的には、ドットピッチL2)が変動する。したがって、高出力パルスP1及び低出力パルスP2の1周期分の出力時間は光学体10に要求される反射防止特性等に応じて任意に調整されれば良い。以下の図12〜図14の例においても同様である。
図12は、本実施形態のパルス波形の一例を示す。この例では、低出力パルスP2の出力レベルIb1が図10の出力レベルIbよりも高くなっている。さらに、高出力パルスP1の出力時間がt1より長いt2となっている。一方、低出力パルスP2の出力時間t3はt2よりも短くなる。この例では、低出力パルスP2の出力時間t3は2*t1−t2となる。本発明者は、高出力パルスP1の出力時間t2を低出力パルスの出力時間t3よりも長くすることで、原盤凹凸構造120の形状をレーザ光200Aの走査方向に関して非対称にできることを見出した。すなわち、原盤凹凸構造120は、図1及び図2に示す凹凸構造12の反転形状を有する。この例では、高出力パルスP1の出力時間が変動するので、基材レジスト層の温度の時間変化が変わる。このため、原盤凹凸構造120の形状がレーザ光200Aの走査方向に関して非対称になると考えられる。なお、この例では、低出力パルスP2の出力レベルIb1が図10の出力レベルIbよりも高くなっている。さらに、高出力パルスP1の出力時間がt1より長いt2となっている。このため、非対称の程度は図11の例よりも大きくなる。したがって、例えば、図4に示す形状の凸部13が形成される。
また、高出力パルスP1の出力時間t2が長くなるほど、領域X11と領域X12との面積比が大きくなる。また、直線L2と直線L1との距離T1は、大きくなる。出力時間t2と出力時間t3との関係(t3/(t2+t3))は、40%以上90%以下であることが好ましい。この場合、凹凸構造12を矢印B方向に関して非対称な形状とすることができるからである。
図13は、本実施形態のパルス波形の一例を示す。この例では、高出力パルスP1の出力レベルが時間の経過とともに直線的に低下している。本発明者は、高出力パルスP1の出力レベルを時間の経過とともに直線的に低下させることで、原盤凹凸構造120の形状をレーザ光200Aの走査方向に関して非対称にできることを見出した。すなわち、原盤凹凸構造120は、図1及び図2に示す凹凸構造12の反転形状を有する。この例でも、基材レジスト層の温度の時間変化が変わる。このため、原盤凹凸構造120の形状がレーザ光200Aの走査方向に関して非対称になると考えられる。
また、高出力パルスP1の出力レベルの傾きが小さくなる(すなわち、単位時間あたりの出力レベルの減少量が大きくなる)ほど、領域X11と領域X12との面積比が大きくなる。また、直線L2と直線L1との距離T1は、大きくなる。なお、高出力パルスP1の出力レベルの傾きは、Iwに対して97%以下であることが好ましい。この場合、凹凸構造12を矢印B方向に関して非対称な形状とすることができるからである。また、高出力パルスP1の出力レベルの傾きは、Iwに対して50%以上であることがさらに好ましい。この場合、領域X11と領域X12との面積比を上述した好ましい範囲内の値とすることができるからである。
図14は、本実施形態のパルス波形の一例を示す。この例では、高出力パルスP1の出力レベルが時間の経過とともに段階的に低下している。本発明者は、高出力パルスP1の出力レベルを時間の経過とともに段階的に低下させることで、原盤凹凸構造120の形状をレーザ光200Aの走査方向に関して非対称にできることを見出した。すなわち、原盤凹凸構造120は、図1及び図2に示す凹凸構造12の反転形状を有する。この例でも、基材レジスト層の温度の時間変化が変わる。このため、原盤凹凸構造120の形状がレーザ光200Aの走査方向に関して非対称になると考えられる。
また、高出力パルスP1の最大値と最小値との差が大きくなるほど、領域X11と領域X12との面積比が大きくなる。また、直線L2と直線L1との距離T1は、大きくなる。なお、高出力パルスP1の最大値と最小値との差は、Iwに対して97%以下であることが好ましい。この場合、凹凸構造12を矢印B方向に関して非対称な形状とすることができるからである。また、高出力パルスP1の最大値と最小値との差は、Iwに対して50%以上であることがさらに好ましい。この場合、領域X11と領域X12との面積比を上述した好ましい範囲内の値とすることができるからである。
また、高出力パルスP1の出力レベルを低下させる段数は、図14の例では1段となっている。もちろん、高出力パルスP1の出力レベルを低下させる段数は、他の段数であってもよい。例えば、段数を増やすことで、凸部13の形状を円滑な転写しやすい形状にすることができるという効果が期待できる。
なお、図13及び図14の例では、時間とともにパルス出力が下がるものを用いたが、出力が上がるようなパルスを用いてもよい。この場合、図13及び図14の例と同様の効果が得られるが、非対称の向きがほぼ逆になる。
なお、レーザ光200Aの他の照射態様としては、レーザ光200Aが基材レジスト層上に形成するレーザスポットの形状が挙げられる。レーザスポットの形状をレーザ光200Aの走査方向と異なる方向に関して非対称な形状とすることで、原盤凹凸構造120の形状をレーザ光200Aの走査方向と異なる方向に関して非対称な形状とすることができる。この場合、例えば図6に示す凹凸構造12を形成することが可能となる。
また、高出力パルスP1及び低出力パルスP2の具体的な出力レベルは、基材レジスト層の材質、レーザ光200Aの波長等によって適宜調整されれば良い。すなわち、原盤基材110上に本実施形態に係る原盤凹凸構造120が形成されるように、高出力パルスP1及び低出力パルスP2の出力レベルを調整すればよい。
また、基材レジスト層として熱反応型レジストを用いた際、照射するパルスのパワーのレベルによって温度分布が変わるため、非対称な形状を作製することができる。また、基材レジスト層として光反応型レジストを用いた際は、光量によりレジストの反応スポット形状が変わるため、非対称な形状を作製することができる。
<7.原盤を用いた光学体の製造方法について>
次に、図14を参照して、原盤100を用いた光学体10の製造方法の一例について説明する。光学体10は、原盤100を用いたロールツーロール方式の転写装置300によって製造可能である。図14に示す転写装置300では、光硬化性樹脂を用いて光学体10を作製する。
転写装置300は、原盤100と、基材供給ロール301と、巻取りロール302と、ガイドロール303、304と、ニップロール305と、剥離ロール306と、塗布装置307と、光源309とを備える。
基材供給ロール301は、長尺な基材11がロール状に巻かれたロールであり、巻取りロール302は、光学体10を巻き取るロールである。また、ガイドロール303、304は、基材11を搬送するロールである。ニップロール305は、未硬化樹脂層310が積層された基材11、すなわち被転写フィルム3aを原盤100に密着させるロールである。剥離ロール306は、凹凸構造12が形成された基材11、すなわち光学体10を原盤100から剥離するロールである。
塗布装置307は、コーターなどの塗布手段を備え、未硬化の光硬化性樹脂組成物を基材11に塗布し、未硬化樹脂層310を形成する。塗布装置307は、例えば、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター、またはダイコーターなどであってもよい。また、光源309は、光硬化性樹脂組成物を硬化可能な波長の光を発する光源であり、例えば、紫外線ランプなどであってもよい。
転写装置300では、まず、基材供給ロール301からガイドロール303を介して、基材11が連続的に送出される。なお、送出の途中で基材供給ロール301を別ロットの基材供給ロール301に変更してもよい。送出された基材11に対して、塗布装置307により未硬化の光硬化性樹脂組成物が塗布され、基材11に未硬化樹脂層310が積層される。これにより、被転写フィルム3aが作製される。被転写フィルム3aは、ニップロール305により、原盤100と密着させられる。光源309は、原盤100に密着した未硬化樹脂層310に光を照射することで、未硬化樹脂層310を硬化する。これにより、原盤100の外周面に形成された原盤凹凸構造120が未硬化樹脂層310に転写される。すなわち、原盤凹凸構造120の反転形状を有する凹凸構造12が基材11上に形成される。続いて、凹凸構造12が形成された基材11、すなわち光学体10は、剥離ロール306により原盤100から剥離される。ついで、光学体10は、ガイドロール304を介して、巻取りロール302によって巻き取られる。なお、原盤100は縦置きであっても横置きであってもよく、原盤100の回転時の角度、偏芯を補正する機構を別途設けても良い。例えば、チャッキング機構に偏芯チルト機構を設けても良い。
このように、転写装置300では、被転写フィルム3aをロールツーロールで搬送する一方で、原盤100の周面形状を被転写フィルム3aに転写する。これにより、光学体10が作製される。
なお、光学体10を熱可塑性樹脂で作製する場合、塗布装置307及び光源309は不要となる。また、基材11を熱可塑性樹脂フィルムとし、原盤100よりも上流側に加熱装置を配置する。この加熱装置によって基材11を加熱して柔らかくし、その後、基材11を原盤100に押し付ける。これにより、原盤100の周面に形成された原盤凹凸構造120が基材11に転写される。なお、基材11を熱可塑性樹脂以外の樹脂で構成されたフィルムとし、基材11と熱可塑性樹脂フィルムとを積層してもよい。この場合、積層フィルムは、加熱装置で加熱された後、原盤100に押し付けられる。したがって、転写装置300は、原盤100に形成された原盤凹凸構造120が転写された転写物、すなわち光学体10を連続的に作製することができる。
また、原盤100の原盤凹凸構造120が転写された転写用フィルムを作製し、この転写用フィルムを転写型として用いて光学体10を作製してもよい。また、電鋳や熱転写などにより原盤100を複製し、この複製品を転写型として用いてもよい。さらに、原盤100の形状はロール形状に限られる必要は無く平面状の原盤でもよく、レーザ光200Aをレジスト照射する方法のほか、マスクを用いた半導体露光、電子線描画、機械加工、陽極酸化等、種々の加工方法を選択することができる。
また、原盤100から光学体10を剥離する際には、凸部13が非対称となっている方向(図1の例では、矢印B方向)に剥離することが好ましい。この場合、凸部13の傾斜方向と光学体10の剥離方向とが一致するので、より容易に光学体10を原盤100から剥離することができる。また、原盤100の原盤凹凸構造120をより確実に光学体10に転写することができる。もちろん、本実施形態では、凹部14の底面積も十分に広いので、光学体10を他の方向に剥離してもよい。この場合にも、容易に光学体10を原盤100から剥離することができる。また、原盤100の原盤凹凸構造120をより確実に光学体10に転写することができる。
<1.実施例1>
(1−1.光学体の作製)
実施例1では、以下の工程により原盤100を作製した。熱酸化ケイ素からなる平板状の原盤基材110を準備した。ついで、原盤基材110上にポジ型のレジスト材をスピンコートすることで、原盤基材110上に基材レジスト層を形成した。ここで、レジスト材としては、タングステン(W)を含む金属酸化物レジストを用いた。
ついで、露光装置200を用いて基材レジスト層に正六方格子状の潜像を形成した。ここで、レーザ光200Aの波長は405nmとし、対物レンズ223のNAは0.85とした。また、レーザ光200Aのパルス波形を図11に示すものとした。また、高出力パルスP1の出力レベルIwを9.5MW/cm(基材レジスト層の単位面積あたりの出力レベル)とし、低出力パルスP2の出力レベルIb1を1.6MW/cmとした。また、高出力パルスP1及び低出力パルスP2の出力時間t1を20nsとした。
続いて、基材レジスト層上に現像液を滴下することで、潜像を除去した。すなわち、現像処理を行った。ついで、基材レジスト層をマスクとして用いてドライエッチングを行った。これにより、原盤基材110上に原盤凹凸構造120を形成した。エッチングガスはCHFを用いた。ついで、原盤凹凸構造120上にフッ素系の離型処理剤をコーティングした。
ついで、原盤100を転写型として用いて光学体10を作製した。具体的には、基材11としてポリエチレンテレフタレートフィルムを準備し、この基材11上にアクリル樹脂アクリレートからなる未硬化樹脂層を形成した。ついで、未硬化樹脂層に原盤100の原盤凹凸構造120を転写した。ついで、未硬化樹脂層に1000mJ/cmの紫外線を照射することで未硬化樹脂層を硬化させた。ついで、光学体10を矢印B方向(すなわち、トラック方向)に原盤100から剥離した。以上の工程により、光学体10を作製した。
(1−2.特性評価)
光学体10の表面構造をSEM及びTEMで確認した。SEM写真を図20に示す。図20から明らかな通り、光学体10の表面に凹凸構造12が形成されていることを確認できた。また、凹凸構造12の欠落はほとんど確認されなかった。したがって、原盤100の転写性が良好であることが確認できた。この理由として、後述するように、底面比率が大きいこと、凸部13が矢印B方向に非対称な形状を有していることが考えられる。また、ドットピッチは250nm、トラックピッチは200nmであった。
また、凸部13は矢印B方向に非対称な形状となっていた。具体的には、領域X11と領域X12との面積比は0.95であった。また、凸部13の高さは180nmであった。また、凸部13同士は隣接していたものの、ほとんど重なりあっていなかった。
ついで、シミュレーションにより光学体10の分光反射スペクトルを計算した。シミュレーションの手法としてはRCWA法を用いた。また、非対称の面積比を0.95とした。また、シミュレーションで用いた他のパラメータは以下の通りとした。
構造体配置:六方格子
偏光:無偏光
屈折率:1.52
格子間隔(ドットピッチ):250nm
構造体高さ(凸部の高さ):180nm
この結果を図16に示す。図16の横軸は入射光の波長を示し、縦軸は光学体10の分光反射率を示す。この結果、400〜650nmの波長に対する分光反射率は0.1〜0.45%程度であることが確認できた。また、550nmの波長に対する分光反射率は0.15%であった。したがって、光学体10が広い波長帯域に対して高い反射防止特性を有していることを確認できた。
また、市販のデータ解析ソフト(Wolfram社 Mathematica、以下同じ)を用いて底面比率を測定した。底面比率は、基材11の表面(すなわち、凹凸構造12が形成された表面)の総面積に対する全凹部14の底面積の比率である。この結果、底面比率は8.0%と比較的大きな値となった。
このように、実施例1では、凸部13同士が重なりあっていない(すなわち、底面比率が比較的大きい)にも関わらず、高い反射防止特性が得られた。本発明者は、凸部13が矢印B方向に関して非対称な形状を有するために、このような反射防止特性が得られたと考えている。
<2.実施例2>
(2−1.光学体の作製)
光学体10を作製する際の条件を以下のように変更した他は、実施例1と同様の処理を行うことで、光学体10を作製した。具体的には、レーザ光200Aのパルス波形を図12に示すものとした。また、高出力パルスP1の出力レベルIwを9.5MW/cmとし、低出力パルスP2の出力レベルIb1を1.6MW/cmとした。また、高出力パルスP1の出力時間t2を24nsとし、低出力パルスP2の出力時間t3を2*t1−t2=16nsとした。
(2−2.特性評価)
光学体10の表面構造をSEM及びTEMで確認した。この結果、光学体10の表面に凹凸構造12が形成されていることを確認できた。また、凹凸構造12の欠落はほとんど確認されなかった。したがって、原盤100の転写性が良好であることが確認できた。また、ドットピッチは250nm、トラックピッチは200nmであった。
また、凸部13は矢印B方向に非対称な形状となっていた。具体的には、領域X11と領域X12との面積比は0.83であり、距離T1は20nmであった。また、凸部13の高さは180nmであった。また、凸部13同士は隣接していたものの、ほとんど重なりあっていなかった。
ついで、実施例1と同様の方法により、光学体10の分光反射スペクトルを計算した。結果を図17に示す。この結果、400〜650nmの波長に対する分光反射率は0.01〜0.3%程度であることが確認できた。また、550nmの波長に対する分光反射率は0.02%であった。
また、市販のデータ解析ソフトを用いて底面比率を測定したところ、底面比率は9.7%と実施例1よりも大きな値となった。
したがって、光学体10が広い波長帯域に対して高い反射防止特性を有していることを確認できた。また、実施例1よりも底面比率が高いにもかかわらず、高い反射防止特性が得られた。この理由として、実施例2の面積比が好ましい範囲内の値であることが考えられる。
<3.比較例1>
(3−1.光学体の作製)
光学体を作製する際の条件を以下のように変更した他は、実施例1と同様の処理を行うことで、光学体を作製した。具体的には、レーザ光200Aのパルス波形を図10に示すものとした。また、高出力パルスP1の出力レベルIwを9.5MW/cmとし、低出力パルスP2の出力レベルIbを1.1MW/cm(0.35mW)とした。また、高出力パルスP1及び低出力パルスP2の出力時間t1を20nsとした。
(3−2.特性評価)
光学体の表面構造をSEM及びTEMで確認した。SEM写真を図22に示す。図22から明らかな通り、光学体の表面に凹凸構造(凸部500、凹部600)が形成されていることを確認できた。また、凹凸構造の欠落はほとんど確認されなかった。したがって、原盤の転写性が良好であることが確認できた。また、ドットピッチは250nmであった。
また、凸部500は全ての面方向に関して対称であった。具体的には、凸部500の平面視形状は真円であり(すなわち、面積比はほぼ1.0であり)、距離T1はほぼゼロであった。また、凸部の高さは180nmであった。また、凸部500同士は隣接していたものの、ほとんど重なりあっていなかった。
ついで、実施例1と同様の方法により、光学体の分光反射スペクトルを計算した。結果を図18に示す。この結果、400〜650nmの波長に対する分光反射率は0.1〜0.55%程度であることが確認できた。さらに、450〜550nmの波長帯域で分光反射率が特に高くなっていた。また、550nmの波長に対する分光反射率は0.29%であった。
また、市販のデータ解析ソフトを用いて底面比率を測定したところ、底面比率は10%であった。
したがって、光学体の分光反射率は、実施例1に対して全体的に高くなった。さらに、450〜550nmの波長帯域で分光反射率が特に高くなっていた。比較例1では、底面比率が大きいため、凹部14の底面で入射光の反射が起こっていると考えられる。また、実際の測定では、凹凸構造の欠陥などにより、分光反射率は図18に示す値よりも高くなった(図23参照)。
<4.比較例2>
(4−1.光学体の作製)
高出力パルスP1の出力レベルIwを11.0MW/cmとした他は、比較例1と同様の処理を行うことで、光学体を作製した。
(4−2.特性評価)
光学体の表面構造をSEM及びTEMで確認した。この結果、光学体の表面に凹凸構造が形成されていることを確認できた。ただし、凸部同士が大きく重なり合っており、凹凸構造の欠落が散見された。また、ドットピッチは250nmであった。
また、凸部は全ての面方向に関して対称であった。具体的には、凸部の平面視形状は真円であり(すなわち、面積比はほぼ1.0であり)、距離T1はほぼゼロであった。また、凸部の高さは180nmであった。ついで、実施例1と同様の方法により、光学体の分光反射スペクトルを計算した。結果を図19に示す。この結果、400〜650nmの波長に対する分光反射率は0.01〜0.3%程度であることが確認できた。また、550nmの波長に対する分光反射率は0.02%であった。ただし、この分光反射率は、あくまでシミュレーションの結果である。上述したように、比較例2では、凹凸構造の欠陥が散見された。したがって、実際の分光反射率は図19よりも高くなることが予想される。
また、市販のデータ解析ソフトを用いて底面比率を測定したところ、底面比率は5.5%と非常に小さな値となった。比較例2では、凸部同士が大きく重なりあっているために、底面比率が小さくなった。このため、シミュレーションでは分光反射率が良好な値となった。しかし、実際に凹凸構造を観察したところ、凹凸構造の欠陥が散見されたため、実際の分光反射率は図19よりも高くなることが予想される。すなわち、特許文献4のように凸部13同士を大きく重なり合わせた場合、凹凸構造の欠陥により分光反射率が低下することが予想される。
<5.実施例3>
(5−1.光学体の作製)
高出力パルスP1の出力時間t2を22〜25nsの間でランダムに変更しながら露光を行った他は、実施例2と同様の処理を行うことで、光学体10を作製した。
(5−2.特性評価)
光学体10の表面構造をSEM及びTEMで確認した。SEM写真を図21に示す。この結果、光学体10の表面に凹凸構造12が形成されていることを確認できた。また、凹凸構造12の欠落はほとんど確認されなかった。したがって、原盤100の転写性が良好であることが確認できた。また、実施例4では凹凸がランダムに配置されている。そこで、隣接する凸部13の組み合わせを複数ピックアップし、これらのピッチの算術平均値を平均周期として算出した。この結果、平均周期は、250nmであった。
また、凸部13は矢印B方向(図21の上下方向)に非対称な形状となっていた。具体的には、領域X11と領域X12との面積比は0.83であり、距離T1は25nmであった。また、凸部13の高さは180nmであった。また、凸部13同士はほとんど重なりあっていなかった。
ついで、光学体10の分光反射スペクトルを実測した。測定には、日本分光社V−550を用いた。結果を図23に示す。図23には、比較のために、実施例1、比較例1の実測データも記載した。この結果、実施例3の350〜800nmの波長に対する分光反射率は0.08〜0.2%程度であることが確認できた。また、550nmの波長に対する分光反射率は0.09%であった。したがって、光学体10が広い波長帯域に対して高い反射防止特性を有していることを確認できた。また、実施例1の分光反射率も概ね0.2%以下であることが確認できたが、実施例3では、実施例1よりも高い反射防止特性が得られた。この理由として、凸部13がランダムに配置されていることが考えられる。
また、市販のデータ解析ソフトを用いて底面比率を測定したところ、底面比率は10%であった。
<6.実施例4>
(6−1.光学体の作製)
実施例1にて作製された原盤100の原盤凹凸構造120が転写された転写用フィルムを作製した。そして、この転写用フィルムを原盤100の代わりに用いた他は、実施例1と同様の処理を行うことで、光学体10を作製した。
(6−2.特性評価)
光学体10の表面構造をSEM及びTEMで確認した。この結果、光学体10の表面に凹凸構造12が形成されていることを確認できた。凹凸構造12のCC断面は図7に示す形状となっていた。また、凹凸構造12の欠落はほとんど確認されなかった。したがって、原盤100の転写性が良好であることが確認できた。また、ドットピッチは250nm、トラックピッチは200nmであった。
また、凹部14は矢印B方向に非対称な形状となっていた。具体的には、領域X11と領域X12との面積比は0.9であり、距離T1は15nmであった。また、凹部14の深さは180nmであった。また、凹部14同士はほとんど重なりあっていなかった。
ついで、実施例1と同様の方法により、光学体10の分光反射スペクトルを計算した。結果を図24に示す。この結果、400〜650nmの波長に対する分光反射率は0.05〜0.3%程度であることが確認できた。また、550nmの波長に対する分光反射率は0.10%であった。したがって、光学体10が広い波長帯域に対して高い反射防止特性を有していることを確認できた。
また、市販のデータ解析ソフトを用いて平面視した底面比率を測定したところ、底面比率は9.8%であった。なおここでいう底面とは、原盤の代わりに用いた転写用フィルムの底面にあたり、得られた光学体10では凸部13の上面(上端面)となる。
<7.実施例5>
(7−1.光学体の作製)
光学体10を作製する際の条件を以下のように変更した他は、実施例1と同様の処理を行うことで、光学体10を作製した。具体的には、原盤凹凸構造120上に無機材料系の離型処理剤をコーティングした。
(7−2.特性評価)
光学体10の表面構造をSEM及びTEMで確認した。この結果、光学体10の表面に凹凸構造12が形成されていることを確認できた。また、凹凸構造12の欠落はほとんど確認されなかった。したがって、原盤100の転写性が良好であることが確認できた。また、ドットピッチは250nm、トラックピッチは200nmであった。
また、凸部13は矢印B方向に非対称な形状となっていた。具体的には、領域X11と領域X12との面積比は0.97であった。また、凸部13の高さは180nmであり、距離T1は8nmであった。また、凸部13同士は隣接していたものの、ほとんど重なりあっていなかった。面積比が実施例1と変化したのは、離形処理剤のコーティングの状態が変わったためと考えられる。
ついで、実施例1と同様の方法により、光学体10の分光反射スペクトルを計算した。結果を図25に示す。この結果、400〜650nmの波長に対する分光反射率は0.15〜0.5%程度であることが確認できた。また、550nmの波長に対する分光反射率は0.17%であった。
また、市販のデータ解析ソフトを用いて底面比率を測定したところ、底面比率は8.0%と実施例1と誤差範囲で同じ値となった。表1に結果をまとめて示す。なお、表1において、実施例1、2、4、5、比較例1、2の550nm反射率の値はシミュレーションの値であり、実施例3の550nm反射率の値は実測値である。また、表1には、変位比も示した。したがって、実施例に係る光学体10が広い波長帯域に対して高い反射防止特性を有していることを確認できた。
Figure 0006903418
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 光学体
11 基材
12 凹凸構造
13 凸部
13a 頂点
14 凹部
100 原盤
110 原盤基材
120 原盤凹凸構造

Claims (16)

  1. 凸形状または凹形状を有する複数の構造体が可視光波長以下の平均周期で配列された凹凸構造を有する光学体であって、
    前記構造体は、前記光学体の厚さ方向に垂直な面方向のうち、前記構造体が配列されるトラック方向に関して非対称な形状を有するとともに、前記トラック方向に対して垂直な方向に関して対称な形状を有し、
    前記構造体の垂直断面形状は、前記トラック方向に傾斜した形状であ
    前記構造体の平面視形状は、前記トラック方向に関して非対称に歪んだ形状を有し
    前記構造体に外接する四角形を前記トラック方向に二等分する直線で前記構造体の平面視形状を2つの領域に分割した場合、それぞれの面積が異なり
    前記2つの領域のうち、小さい方の領域の面積を大きい方の領域の面積で除算することで得られる面積比は、0.83以上、0.97以下であり、
    前記構造体の底面比率は、8%以上、10%以下である、光学体。
  2. 前記面積比が0.95以下であることを特徴とする、請求項記載の光学体。
  3. 前記構造体の垂直断面形状が前記トラック方向に関して非対称な形状を有する、請求項1又は2に記載の光学体。
  4. 前記構造体の垂直断面形状の頂点の位置が、前記構造体の前記トラック方向の中心点に対して前記トラック方向に変位していることを特徴とする、請求項記載の光学体。
  5. 前記頂点の位置の変位量を、前記構造体のドットピッチで除した変位比が0.03以上であることを特徴とする、請求項記載の光学体。
  6. 前記変位比が0.03以上、0.5以下あることを特徴とする、請求項記載の光学体。
  7. 前記構造体の前記トラック方向上の配列ピッチは、前記凹凸構造の前記トラック方向に対して垂直な方向上の配列ピッチと異なる、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学体。
  8. 前記構造体は凸形状を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学体。
  9. 前記構造体は凹形状を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学体。
  10. 前記構造体は、硬化性樹脂の硬化物で構成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の光学体。
  11. 隣接する前記構造体同士が接している、請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学体。
  12. 前記構造体は、前記トラック方向に周期的に配列されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学体。
  13. 前記構造体は、前記トラック方向に可視光波長以下の平均周期でランダムに配列されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学体。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の光学体が有する前記凹凸構造の反転形状が表面に形成された原盤。
  15. 前記原盤は、板状、円筒形状、または円柱形状である、請求項14記載の原盤。
  16. 請求項14または15記載の原盤を転写型として用いて基材上に前記凹凸構造を形成する、光学体の製造方法。
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