JP2009139775A - 光学系及びそれを有する光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 波長帯域特性が良く、また入射角特性が良い反射防止効果を有し、フレアやゴーストの発生が少ない光学系を得ること。
【解決手段】 凸レンズ面と凹レンズ面とが空気を介して対向して配置される部位を光路中に少なくとも1つ有する光学系において、該少なくとも1つの部位の該凸レンズ面と凹レンズ面のいずれか一方又は両方の光線有効部には、平均ピッチが400nm以下の複数の微細凹凸構造より成る反射防止用の微細構造体が形成されていること。
【選択図】 図1

Description

本発明は光学系及びそれを有する光学機器に関する。本発明は、例えばレンズ面(光学部材)の表面(光入出射面)に反射防止性を有する複数の微細凹凸構造を設け、反射防止を効果的に行ったビデオカメラ、プロジェクター等の光学機器に好適な光学系に関するものである。
従来、ガラス、プラスチックなどの透光性媒質(透光性部材)を用いたレンズにおいては、表面反射による透過光の損失を低減させるために光入出射面に反射防止膜を設けるなどの表面処理を施している。例えば可視光に対する反射防止膜としては、薄膜の誘電体膜を複数層重ねた多層膜が知られている。この多層膜は、透光性の基板表面に真空蒸着により金属酸化物等の薄膜を成膜して形成されている。
近年、デジタルカメラ用レンズなどの光学系においては、高い光学性能を有し、かつ光学系全体が小型軽量であることが求められている。そしてこれに対応して口径の大きなレンズや曲率半径の小さな面を有するレンズが多く使用されるようになってきている。
このようなレンズを光学系に用いるとレンズ周辺部では光線が大きな角度で入射する。このため誘電体薄膜を単層ないし多層積層した反射防止膜では入射角が広範囲となるため反射を十分抑制することができず、ゴーストやフレアなどの有害光が発生する原因となっている。
そうした状況を鑑み、開口絞りに対して凹面を向けている光透過部材に、ゾルーゲル法を用いて形成された層を少なくとも1層以上含む反射防止膜を形成した光学系が知られている(特許文献1)。
特許文献1では、広い入射角度範囲で低い反射率を実現し、ゴーストやフレアの発生を低減した光学系を開示している。
またレンズに用いる反射防止構造としてレンズ面上に可視光の波長よりも短いピッチの複数の微細凹凸構造を有する微細構造体を形成した構成が知られている(特許文献2、3)。
特開2005−316386号公報 特開2005−157119号公報 特開2006−10831号公報
誘電体薄膜を一層ないし多層積層した反射防止膜では、各膜の屈折率および膜厚を制御し、表面・界面で発生する反射光を干渉させることで反射率の低減を図っている。そのため、光学系のレンズ面に適用したとき、特定の波長や入射角では高性能な反射防止性能が得られる。
しかしながら、それ以外の波長やそれ以外の入射角では反射防止性能が大きく低下する、すなわち波長帯域特性や入射角度特性が悪くなるという問題点があった。
特許文献1では、光学部材に誘電体薄膜を3層積層し、その上にゾルーゲル法を用いて、屈折率が1.25の膜を一層形成することで、反射防止を行っている。
しかしながら、入射角60°における波長700nmの光線では、反射率が3.5%にもなっている。反射率が3.5%程度あると、ゴーストやフレアなどが発生する原因となる場合がある。
一方、微細凹凸構造より成る微細構造体をレンズ面に形成すると、光学系全体として高性能な反射防止特性を得ることが容易となる。
しかしながら、広い波長域で良好なる反射防止効果(波長帯域特性)が得られ、また広い入射角範囲で良好なる反射防止効果(入射角度特性)を得るためには光学系を構成するレンズ面への微細構造体の適用箇所を適切に設定することが重要と成ってくる。
微細構造体の光学系を構成するレンズ面への適用箇所が不適切であると、波長帯域特性及び入射角度特性において、良好なる反射防止効果が得られず、フレアやゴーストが多く発生し、高画質の像を得るのが難しくなってくる。
本発明は波長帯域特性が良く、また入射角度特性が良い反射防止効果を有し、フレアやゴーストの発生が少ない光学系の提供を目的とする。
本発明の光学系は、
凸レンズ面と凹レンズ面とが空気を介して対向して配置される部位を光路中に少なくとも1つ有する光学系において、
該少なくとも1つの部位の該凸レンズ面と凹レンズ面のいずれか一方又は両方の光線有効部には、平均ピッチが400nm以下の複数の微細凹凸構造より成る反射防止用の微細構造体が形成されていることを特徴としている。
本発明によれば波長帯域特性が良く、また入射角度特性が良い反射防止効果を有し、フレアやゴーストの発生が少ない光学系が得られる。
以下、図を用いて本発明の光学系及びそれを有する撮像装置について説明する。
本発明の光学系は、凸形状のレンズ面(凸レンズ面)と凹形状のレンズ面(凹レンズ面)とが空気を介して対向して配置される部位を光路中に少なくとも一箇所以上有するように構成されている。それとともに凸レンズ面または凹レンズ面のいずれか一方ないしは両方の光線有効部に、平均ピッチが使用波長(例えば可視光の波長400nm〜700nm)以下の複数の微細凹凸構造より成る反射防止用の微細構造体を形成している。
凸レンズ面と凹レンズ面が対向して配置される部位を有する光学系では、一方のレンズ面で反射された入射光線がもう一方のレンズ面で再び反射されたとき、反射されずに透過した入射光線に近い入射角度となる。このため、像面(撮像素子又はフィルム)に到達し、ゴースト光となりやすい。
そこで、凸レンズ面および凹レンズ面のいずれか一方ないしは両方に入射角度特性・波長帯域特性に優れた平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造を有する反射防止用の微細構造体を形成している。これによりフレアやゴーストなどの有害光の発生を有効に抑制している。
本発明における平均ピッチが使用波長以下の複数の微細凹凸構造(微細構造体)の製造方法は、どのような方法でも構わない。
例えば、レンズ表面にアルミニウムを含有する溶液を塗布し、皮膜を形成し、該皮膜を温水処理することで微細凹凸構造を形成する方法が適用できる。また、アルミニウムあるいはアルミニウム合金を陽極酸化する際に形成される細孔構造を金型表面に形成し、該細孔構造をレプリカ法などでレンズ表面のエネルギー硬化型の樹脂に転写するなどの方法を用いても良い。これらの方法を用いれば、大面積のレンズ表面にも、平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造を容易に形成することができる。
それ以外にも微細構造体をフォトリソグラフィーやエッチング法などを用いて形成しても良い。
図3は本発明に用いられる反射防止用の微細構造体を有する光学素子の模式断面図である。
材料の屈折率が1.7725の基板(光学部材)112上に、シリカおよびチタニアを含有する材料からなり、スピンコート法で形成された単層膜または多層膜より成る中間層としての皮膜113を67nmの厚さに形成している。そして皮膜113の上に酸化アルミニウムまたはアルミニウムを含有する材料からなり、平均ピッチが400nm以下の微細凹凸構造(微細構造)114を形成している。
尚、中間層113はシリカ、チタニア、ジルコニア、亜鉛のうちの少なくとも1つの材料を含有している。
ここで中間層の材料と微細構造の材料は異なっている。
以上の構成によって光学素子(レンズ)111を構成している。
使用波長が単波長ではなく、ある範囲に渡っているのであれば、平均ピッチを使用波長範囲の最短波長とすればよい。ここでは一例として可視域(波長400nm〜波長700nm)の場合を適用し、平均ピッチを400nm以下としている。
これは、微細凹凸構造の大きさとして使用波長の最短波長よりも大きな平均ピッチの微細凹凸構造より成る微細構造体を用いると、回折による有害光が発生してしまうためである。
また、皮膜(中間層)113の厚さを67nmとしたが、このときの厚さをレンズ中心部からレンズ周辺部において、その光学系に用いた際の光束の入射角度分布に応じて連続的に変化させても良い。例えばレンズ中心部からレンズ周辺部で入射角度が大きくなる場合は、皮膜113の厚さはレンズ周辺部にいくに従って連続的に厚くなるように変化させるのが良い。
中間層113の形成は、ウェットプロセス法や真空蒸着法が適用できる。ここでウェットプロセス法としては、ディップコート法やスピンコート法が適用できる。また中間層113は材料の屈折率が1.4以上で1.8以下の膜を一層以上有している。
図4は図3に示す反射防止用の微細構造体が形成された光学素子111の分光反射率である。図4に示したように、入射角60°という大きな入射角においても、可視域全域での反射率が1.6%以下という非常に良好な反射防止作用を有している。
本実施例では、この反射防止用の微細構造体を凸レンズ面と凹レンズ面とが空気を介して対向して配置される部位を1以上光路中に有する光学系の少なくとも1つの部位の凸レンズ面あるいは凹レンズ面の一方ないしは両方の光線有効部に適用している。これによって、ゴーストやフレアなどの原因となる有害な反射光の発生を抑制している。
本発明の光学系はデジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に用いられる撮像光学系や双眼鏡や望遠鏡などの光学機器の観察光学系に用いることができる。
図1は、本発明の実施例1の光学系の要部断面図である。
図1において、1は光学系であり、焦点距離が14mmのカメラ用の広画角レンズである。凸形状のレンズ面(凸レンズ面)と凹形状のレンズ面(凹レンズ面)とが空気を介して対向して配置される2つの部位2a、2bを光路中に有している。
5は開口絞り、6は像面である。
部位2aは凹レンズ面3aと凸レンズ面4aより成っている。部位2bは凹レンズ面3bと凸レンズ面4bより成っている。
凹レンズ面と凸レンズ面の曲率半径を各々Rc、Rvとする。このとき、微細構造体は双方の曲率半径の比Rv/Rcの値が、
0.3<Rv/Rc<3.0 ‥‥(1)
なる条件を満足する少なくとも1つの部位に設けるのが良い。
凸レンズ面と凹レンズ面が対向して配置される部位を有する光学系では、一方のレンズ面で反射された入射光線がもう一方のレンズ面で再び反射されたとき、反射されずに透過した入射光線に近い入射角度となる。このために像面(撮像素子又はフィルム)に到達し、ゴースト光となりやすい。
このとき、凸レンズ面と凹レンズ面の曲率半径が上記の条件式(1)を満たすような場合、有害光の発生の確率が高くなる。そのため、本実施例では凸レンズ面および凹レンズ面のいずれか一方ないしは両方の光線有効部に入射角度特性に優れた平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造を有する反射防止用の微細構造体を形成している。これによればフレアやゴーストなどの有害光の発生を有効に抑制することができる。
さらに好ましくは条件式(1)は
0.5<Rv/Rc<1.5 ‥‥(1a)
なる条件を満足する部位に設けるのが良い。
微細構造体は、凸レンズ面4aの曲率半径をRvとする。凹レンズ面3aと凸レンズ面4aの光軸中心での面間隔をDaとする。但し、Daの符号は常に正として取り扱う。このとき、
0<Da/|Rv|<1.0 ‥‥(2)
なる条件を満足する少なくとも1つの部位に設けるのが良い。
尚、部位が開口絞り5より像側にあり、凸レンズ面と凹レンズ面が共に像側に向いているときには、曲率半径Rvの符号は負となる。
凸レンズ面と凹レンズ面が対向して配置される部位を有する光学系では、一方のレンズ面で反射された入射光線がもう一方のレンズ面で再び反射されたとき、反射されずに透過した入射光線に近い入射角度となる。このために像面(撮像素子又はフィルム)に到達し、ゴースト光となりやすい。
このとき、凸レンズ面と凹レンズ面の曲率半径が上記の式(2)を満たすような場合、有害光の発生の確率が高くなる。そのため、凸レンズ面および凹レンズ面のいずれか一方ないしは両方の光線有効部に入射角度特性に優れた平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造を有する反射防止用の微細構造体を形成するのが良い。これによればフレアやゴーストなどの有害光の発生を有効に抑制することができる。
実施例1では一方の部位2aを形成する凹レンズ面3aの曲率半径(Rc)は、36.435mmで、凸レンズ面4aの曲率半径(Rv)は45.377mmである。条件式(1)に関する双方の曲率半径の比Rv/Rcの値は、1.245である。
また条件式(2)に関する値は、0.205である。
凹レンズ面3aおよび凸レンズ面4aを蒸着法によって反射防止膜を形成した場合、レンズ面の膜厚が不均一となり、反射率の波長帯域特性・入射角度特性が悪くなる。このためフレアやゴーストが多く発生してくる。
これに対し本実施例では、凹レンズ面3aと凸レンズ面4aのうち、凹レンズ面3aに平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造より成る反射防止用の微細構造体(図中破線で示す)を形成している。
本実施例では凹レンズ面3aと凸レンズ面4aのうち、曲率半径の小さな方の面3aに微細構造体を形成している。
光学系1に入射した光線の一部が凸レンズ面4aで反射して凹レンズ面3aに入射しても凹レンズ面3aの反射率が低く、かつ波長帯域特性・入射角度特性にも優れているため、凹レンズ面3aで反射される光は極めて少なくなる。このため凹レンズ面3aで反射し撮像素子(又はフィルム)6に到達する光の強度が低減され、ゴーストやフレアがほとんどない高品位で高解像度の画像が得られる。
また、他方の部位2bを形成する凹レンズ面3bの曲率半径(Rc)は、41.422mmで、凸レンズ面4bの曲率半径(Rv)は36.653mmである。条件式(1)に関する双方の曲率半径の比Rv/Rcの値は、0.885である。
また条件式(2)に関する値は、0.059である。
本実施例では凹レンズ面3aと同様の平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造より成る反射防止用の微細構造体(図中破線で示す)を凸レンズ面4bにも形成している。
そのため、光学系1に入射した光線の一部が凸レンズ面4bに入射しても凸レンズ面4bの反射率が低いため、凸レンズ面4bで反射し、凹レンズ面3bに入射しても再度凹レンズ面3bで反射する光は極めて小さい。このため凹レンズ面3bで反射し、撮像素子(又はフィルム)6に到達する光の強度が低減され、ゴーストやフレアがほとんどない高品位で高性能な画像が得られる。
ここで、実施例1では、凹レンズ面3aおよび凸レンズ面4bに平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造を有する反射防止用の微細構造体を形成しているが、形成するレンズ面はこれに限定するものではない。
他に凸レンズ面4aや凹レンズ面3bなどの面や、他の凸レンズ面と凹レンズ面とが空気を介して対向して配置される面の少なくとも一方に用いてもよい。
図2は、本発明の実施例2の光学系の要部断面図である。
図2において、1は光学系であり、焦点距離が24mmのカメラ用の広画角レンズである。凸レンズ面と凹レンズ面とが空気を介して対向して配置される2つの部位2a、2bを光路中に有している。
5は開口絞りである。6は像面である。
ここで、一方の部位2aを形成する凹レンズ面3aの曲率半径(Rc)は、35.799mmで、凸レンズ面4aの曲率半径(Rv)は52.033 mmである。条件式(1)に関する双方の曲率半径の比Rv/Rcの値は、1.453である。
また条件式(2)に関する値は、0.088である。
凹レンズ面3aおよび凸レンズ面4aを蒸着法によって反射防止膜を形成した場合、レンズ面の膜厚が不均一となり、反射率の波長帯域特性・入射角度特性が悪くなる。このためフレアやゴーストが多く発生してくる。
これに対し本実施例では、凹レンズ面3aに平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造より成る反射防止用の微細構造体(図中破線で示す)を形成している。
本実施例では凹レンズ面3aと凸レンズ面4aのうち、曲率半径の小さな方の面3aに微細構造体を形成している。
そのため、光学系1に入射した光線の一部が凸レンズ面4aで反射して凹レンズ面3aに入射しても凹レンズ面3aの反射率が低く、かつ入射角度特性にも優れているため、凹レンズ面3aで反射される光は極めて少なくなる。このため凹レンズ面3aで反射し撮像素子(又はフィルム)6に到達する光の強度が低減され、ゴーストやフレアがほとんどない高品位で高性能な画像が得られる。
また、前記部位2aの部位以外の部位2bを形成する凹レンズ面3bの曲率半径(Rc)は、31.016mmで、凸レンズ面4bの曲率半径(Rv)は203.468mmであり、双方の曲率半径の比Rv/Rcの値は、6.560である。
曲率半径の比Rv/Rcの値が6.560よりも大きな数値の場合、凸レンズ面4bと凹レンズ面3bとが空気を介して対向して配置されたとする。このとき凸レンズ面4bで反射された入射光線が、凹レンズ面3bに入射し、凹レンズ面3bで再度反射されても、入射光線の方向とは全く異なる方向に反射される。このため、ゴーストが発生する懸念はほとんどない。
そのため、本実施例では凹レンズ面3bおよび凸レンズ面4bをともに蒸着法による単層膜または多層膜より成る反射防止膜を施している。
ここで、実施例2では、凹レンズ面3aのみに平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造より成る反射防止用の微細構造体を形成しているが、形成するレンズ面はこれに限定するものではない。
他に凸レンズ面4aなどのレンズ面や、他の凸レンズ面と凹レンズ面とが空気を介して対向して配置される少なくとも一方のレンズ面に用いても良い。但し、双方のレンズ面の曲率半径の比Rv/Rcの値が条件式(1)を満足する部位の少なくとも一方に設けるのが好ましい。さらに好ましくは、く、Rv/Rcの値が条件式(1a)を満足する部位に設けるのが良い。
以上のように各実施例では光学系の特定の部位に配置されたレンズ面の光線有効部に、平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造より成る反射防止用の微細構造体を形成している。そのことで、ゴーストやフレアなどの原因となる有害光の発生を抑制した、高品位で高性能な画像を確保することができる光学系が得られる。
本発明の光学系は、ビデオカメラやデジタルカメラ、プロジェクター、望遠鏡等の光学機器の光学系として用いることができる。
次に実施例1、2の広画角レンズの数値実施例1、2を示す。各数値実施例において、iは物体側からの面の順番を示し、riは各面の曲率半径(単位はmm)、diは第i面と第i+1面との間の部材肉厚又は空気間隔、niとνiはそれぞれd線を基準とした屈折率、アッベ数を示す。fは焦点距離(単位はmm)、FNoはFナンバー、ωは半画角を示す。
本発明の実施例1の光学系の要部断面図 本発明の実施例2の光学系の要部断面図 平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造より成る反射防止用の微細構造体の模式断面図 平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造より成る反射防止用の微細構造体の反射率を示す図
符号の説明
1 光学系
2a、2b 凸レンズ面と凹レンズ面とが空気を介して対向して配置される部位
3a、3b 凹レンズ面
4a、4b 凸レンズ面
5 絞り
6 撮像素子又はフィルム
111 平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造を有する反射防止構造体
112 基板
113 中間膜
114 平均ピッチが使用波長以下の微細凹凸構造

Claims (14)

  1. 凸レンズ面と凹レンズ面とが空気を介して対向して配置される部位を光路中に少なくとも1つ有する光学系において、
    該少なくとも1つの部位の該凸レンズ面と凹レンズ面のいずれか一方又は両方の光線有効部には、平均ピッチが400nm以下の複数の微細凹凸構造より成る反射防止用の微細構造体が形成されていることを特徴とする光学系。
  2. 前記部位を光路中に少なくとも2つ有し、前記微細構造体が形成されている部位以外の1つの部位を形成する凸レンズ面と凹レンズ面のいずれか一方又は両方の光線有効部には、蒸着法によって形成された単層膜ないしは多層膜からなる反射防止膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記微細構造体が形成されているレンズ面は、前記凸レンズ面および凹レンズ面のうち、曲率半径の小さい方のレンズ面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
  4. 前記微細構造体が形成されている部位の凸レンズ面の曲率半径をRv、凹レンズ面の曲率半径をRcとするとき、
    0.3<Rv/Rc<3.0
    なる条件を満たすことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の光学系。
  5. 前記微細構造体が形成されている部位のうち、凸レンズ面の曲率半径をRv、該凸レンズ面と凹レンズ面の光軸中心での面間隔をDaとするとき、
    0<Da/|Rv|<1.0
    なる条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学系。
  6. 前記微細構造体は、アルミニウム又は酸化アルミニウムを含有する構造体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学系。
  7. 前記微細構造体と、 該微細構造体が設けられたレンズ面との間には、該微細構造体とは異なる材料からなる単層膜又は多層膜より成る中間層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学系。
  8. 前記中間層は、シリカ、チタニア、ジルコニア、亜鉛のうち少なくとも1つ以上の材料を含有することを特徴とする請求項7に記載の光学系。
  9. 前記中間層は、レンズ中心部からレンズ周辺部にかけて、膜厚が連続的に変化していることを特徴とする請求項7又は8に記載の光学系。
  10. 前記中間層は、レンズ中心部からレンズ周辺部にかけて、膜厚が連続的に厚くなるように変化していることを特徴とする請求項7、8又は9に記載の光学系。
  11. 前記中間層は、ウェットプロセス法もしくは真空蒸着法で形成された層であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の光学系。
  12. 前記ウェットプロセス法は、ディップコート法もしくはスピンコート法であることを特徴とする請求項11に記載の光学系。
  13. 前記中間層は、屈折率が1.4以上かつ1.8以下の膜を一層以上有していることを特徴とする請求項7乃至12のいずれか1項に記載の光学系。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項の光学系を有していることを特徴とする光学機器。
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