JP2010271374A - 光学系及びそれを有する光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 分散が小さく、低屈折率の基板を用いても、結像性能や全体の小型化を犠牲にすることなく、良好なる反射防止効果を有し、ゴーストの発生が少なく高い光学性能が容易に得られる光学系を得ること。
【解決手段】 d線における屈折率が1.65以下の光学ガラスより成る基板と、該基板の光入出射用の光学面のうち少なくとも1つの光学面に無機物を材料とした使用波長よりも細かい複数の構造部からなる反射防止構造体を形成した光学素子を少なくとも1つ有すること。
【選択図】 図1

Description

本発明は光学系及びそれを有する光学機器に関し、例えばレンズ面(光学面)に反射防止性を有する反射防止構造体を設け、反射防止を効果的に行ったビデオカメラ、プロジェクター等の光学機器の光学系として好適なものである。
カメラやプロジェクター等の光学機器に用いられる光学系には、光学機器の高性能化に対応して高い光学性能を有することが強く要望されている。高い光学性能の光学系を得るためには、諸収差のうち、特に色収差を良好に補正することが重要である。更に各レンズ面での反射光が多くなるとゴースト、フレアーが発生して画質を低下させるので、レンズ面の反射率が小さいことが重要である。光学系の色収差を低減させるための方法として、アッベ数の大きな低分散ガラスより成るレンズを用いることが有効である。
一方レンズ面での反射光を少なくするためには、反射を防止するための反射防止構造体を設けることが有効である。反射防止構造体としては、可視域の広い波長領域で反射率が低く、かつ入射角度特性が良いことが要求される。このような要求を満足する反射防止構造体として、可視光の波長よりも短いピッチの構造部を複数配列した反射防止構造体が知られている。このような反射防止構造体をレンズ面に設けて反射光の軽減を効果的に図った光学系が知られている(特許文献1、2)。
特許文献1では入射光の波長よりも小さい周期の微細周期構造体を非球面に形成した光学素子を利用した光学系を開示している。また、特許文献2ではベース部材とは線膨張係数が異なる樹脂層を持ち、その樹脂層の表面が入射光の波長よりも小さい周期を持つ微細周期構造体より成る光学素子を用いた光学系を開示している。
特開2005−62525号公報 特開2005−62526号公報
レンズ面の反射率は光束の入射角度に依存し、入射角が大きくなるにつれて増大する。即ちレンズ面の反射率はレンズ面法線に対して斜め方向からの角度である斜入射角度が大きくなるにつれて増大する。レンズ面の斜入射による反射率は一般的にその反射防止膜と基板からなる光学素子の最も屈折率の高い材料に依存する。低屈折率の基板では反射防止に多層膜を用いている場合が多い。その場合は反射防止用の膜として高屈折率な膜を使用しているために斜入射の反射率が著しく増加してくる。一方、基板よりも低い屈折率の膜のみで反射防止をしようとすると、低屈折率の基板では屈折率のマッチングが良くないために良好なる反射防止性能が得られない。このような低屈折率の基板より成るレンズを画角の大きな光学系に用いると、光束のレンズ面への斜入射角度が大きくなり、レンズ面の反射率が高くなる。このためレンズ面からの反射光が多くなり、ゴーストが多く発生し、画質が低下してくる。
一方、光学系の色収差を低減するためには、屈折率の波長分散の小さな基板(光学ガラス)をレンズに使用するのが良い。一般的に波長分散の小さな基板(光学ガラス)は低屈折率である。低屈折率な基板を用いたレンズでは、同じパワーのレンズに比べてレンズ面の開角(曲率)が大きくなってくる。開角が大きな光学面には入射角度の大きな光束が入りやすくなり、この光学面での反射率が高くなる。この結果、この光学面で反射した光束がゴーストとなることが多い。レンズ面の開角を小さくするには、光学系で用いるレンズの枚数を増やせば良い。しかしながらレンズの枚数を増やすと光学系全体が大型化してくるため良くない。一方、開角の小さい光学面を用いても、光学系の撮影画角が大きくなるとレンズ面への光束の斜入射角度が大きくなり、光学面の反射率を小さくすることが難しくなる。このため開角を小さくしても撮影画角が大きくなると、ゴーストの発生を軽減することが難しくなってくる。
以上のように光学系の色収差の補正のため分散の小さな低屈折率の基板を用いると、色収差の補正は容易になるが、光学面(レンズ面)の開角が大きくなる。この結果、光学面からの反射光によってゴーストの発生が多くなるという課題がある。本発明は分散が小さく、低屈折率の基板を用いても、結像性能や全体の小型化を犠牲にすることなく、良好なる反射防止効果を有し、ゴーストの発生が少なく高い光学性能が容易に得られる光学系の提供を目的とする。
本発明の光学系は、d線における屈折率が1.65以下の光学ガラスより成る基板と、該基板の光入出射用の光学面のうち少なくとも1つの光学面に無機物を材料とした使用波長よりも細かい複数の構造部からなる反射防止構造体を形成した光学素子を少なくとも1つ有することを特徴としている。
本発明によれば、分散が小さく、低屈折率の基板を用いても、結像性能や全体の小型化を犠牲にすることなく、良好なる反射防止効果を有し、ゴーストの発生が少なく高い光学性能が容易に得られる光学系が得られる。
本発明の実施例1、2に関わる光学系のレンズ断面図 使用波長よりも細かい構造をもつ反射防止構造体の概略図 本発明の実施例3に関わる光学系のレンズ断面図 使用波長よりも細かい構造をもつ反射防止構造体の他の一例の概略図 本実施例を使用したデジタルカメラ
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明の光学系は、カメラ等の撮像装置に用いたとき80度以上の撮影画角を有する。光学系は、分散が小さく(例えばアッベ数45以上)、かつd線における屈折率が1.65以下の光学ガラスより成る基板と、基板の光入出射用の光学面のうち少なくとも1つの光学面に反射防止構造体を形成した光学素子を少なくとも1つ有している。ここで、反射防止構造体は、実効的な屈折率が基板の屈折率よりも低く、無機物を材料とした使用波長(波長400nm〜700nm)よりも細かい(小さい)複数の構造部からなっている。
[実施例1]
図1(A)は、本発明の実施例1の光学系のレンズ断面図である。この光学系を撮像系(撮像光学系)として用いる場合、図中左方が物体側で、右方が像側である。一方、この光学系をプロジェクターなどの投影系に用いても良い。このときは左方がスクリーン、右方が被投影画像となる。ここでは簡単のため撮像光学系を例に上げて説明するが、本発明の光学系はこれらの光学機器に限定されるものではない。図1(A)において、011は撮像光学系であり、レトロフォーカス型より成っている。012は光学素子(レンズ)である。SPは開口絞りである。014は像面であり、その面上には撮像素子が配置されている。表−1に実施例1の数値例を示す。光学系011はレトロフォーカス型に限定されず、どのようなタイプの光学系(ズームレンズ)であっても良い。
光学素子012はd線における屈折率が1.65以下の光学ガラス(基板)の光入出射用の光学面のうち少なくとも一方の光学面013に、無機物を材料とした使用波長よりも細かい複数の構造部を持つ反射防止構造体が付与されて構成されている。光学素子012以外にも光学素子012と同様な反射防止構造体が形成されていても良い。ここで使用波長とは、例えば可視域(波長400nm〜波長700nm)である。本実施例では、光学素子012の像側の光学面013に形成した反射防止構造体を構成する複数の構造部は平均ピッチが使用波長以下の凹凸形状、円錐形状、多角錐形状等から成っている。但し形状はどのようなものであっても良い。光学面013は非球面形状である。
本実施例において、光学面013に形成した使用波長よりも平均ピッチが細かい複数の構造部を持つ反射防止構造体について説明する。光学面013以外の面に反射防止構造体を形成したときも構成は全く同じである。図2は本実施例に係る反射防止構造体の概略図である。ここで、031は光学ガラスからなる基板、032は反射防止構造体、033は反射防止構造体032の構造部034の構造間のピッチ、034は反射防止構造体032を構成する1つの構造部である。
反射防止構造体032は、平均ピッチ033が使用波長よりも小さい複数の構造部034より成っている。このような反射防止構造体032の内部において、光は反射防止構造体032が均質な膜であるかのように振舞うことが知られている。反射防止構造体032の内部では、その構造をなす材料の体積比に準じた特性を示す。図2の構成を例にとると、反射防止構造体032の等価屈折率neffは、構造部034の材料の屈折率nsと構造部034の体積比ffを使って、式(1)で簡略的に求められる。
neff=ff・ns+(1−ff)(1)‥‥‥(1)
ここで体積比ffは、{(構造部034のピッチ)/(構造間のピッチ033)}で求められる。この体積比ffを適切に選択することで、等価屈折率neffは低屈折率と同様な膜の振る舞いを示す。従来使用される薄膜の材料で最も低屈折率な膜はフッ化マグネシウムであり、可視域でおよそ1.38程度である。これよりも低屈折率で反射防止構造体032を構成すると、従来の反射防止膜では得られないような非常に高性能な反射防止性能を得ることができる。ここでは説明のために反射防止構造体032が周期構造より成る例をあげたが、構造間のピッチ033が使用波長以下ならば、反射防止構造体032は非周期構造でもかまわない。また、反射防止構造体032を構成する構造部の形状は矩形構造でなくても良い。また、反射防止構造体032を使用していれば薄膜などと組み合わせた多層構造より構成しても良い。
本実施例の反射防止構造体032は無機の材料からなっている。反射防止構造体032を利用する場合、従来の反射防止膜に比べて表面積が大きくなる。樹脂に代表される耐水性や耐光性に劣る材料は表面積が大きくなると、耐環境性が著しく低下する。そのため、反射防止構造体032の材料に無機の材料を使用することで、耐環境性に優れた反射防止構造体032を得ている。また、本実施例では基板031に光学ガラスを用いている。反射防止構造体032を反射防止膜として用いると、基板への透水性、透湿性も大きくなる。そのため、樹脂などを基板として用いると、基板そのものが変質してしまう可能性がある。そこで、本実施例では基板に光学ガラスを用いている。光学ガラスは、比較的耐環境性に優れるため、基板そのものが変質してしまうことを防ぐことができる。
本実施例の光学素子は、二酸化シリコンからなる、体積比ffが0.5の反射防止構造体032を基板031の上に形成して構成されている。この反射防止構造体032の実効的な屈折率は式(1)より1.24となり、従来の薄膜材料に比べて低屈折率な反射防止構造体032を得ている。また、二酸化シリコンは無機物のため、耐環境性に優れた反射防止構造体を得ている。本発明の光学系を有する撮像装置においては、光学系011の撮像画角(画角)2ωが80度以上である(80度<2ω)。ここで画角2ωは以下の式(2)で表される。
ここで画面対角線長は撮像手段として矩形の撮像素子を用いたことを想定している。画角2ωが大きくなると、光学系011を構成する各レンズ面に入射する光の入射角(斜入射角度)が大きくなる。レンズ面への入射角が大きくなると、レンズ面での反射率が高くなる。レンズ面での反射光が像面に達するとゴーストになる。レンズ面での反射率が高くなると、それから生ずる反射光によるゴーストの強度も強くなる。ゴーストの強度が強くなると、像として目立ち、画質が低下してくるので好ましくない。そこで本実施例ではこのような面(レンズ面)に反射防止構造体032を付与している。これによって、光のレンズ面への入射角が大きくなっても反射率が低くなるようにしてゴーストの発生を効果的に抑制している。本実施例において光学系の画角2ωは90度以上、さらには100度以上になると、反射防止構造体の効果がより表われ、効果的にゴーストを抑制することができる。
本実施例では、d線における屈折率が1.65以下の光学ガラスより成り、屈折力(パワー)のある基板の光が入出射する光学面のうち少なくとも一面に反射防止構造体を形成している。複数の基板(レンズ)を光路中に用いる光学系では、波長ごとに結像性能が異なるという色収差の発生が問題となる。このような色収差の問題を解決するためには、屈折率の異なる基板、即ち分散の異なる材料より成る複数の基板(レンズ)を用いることが望ましい。
一方、光学系にd線における屈折率が1.65以下の光学ガラスより成るレンズ(光学素子)を用いると、このような光学ガラスの分散は一般に小さいので色収差の改善が容易になる。しかしながら屈折率が小さくなるとレンズ面の曲率が強くなる傾向となり、レンズ面への光束の斜入射角度が大きくなる。斜入射角度が大きくなると反射率が増大してくる。特に、本実施例のような画角2ωの大きな光学系では、レンズ面に入射する光束の斜入射角が大きくなり、その面で反射された光が多くなりゴーストが発生しやすくなる。そこで本実施例では、使用波長よりも細かい(小さい)構造部を利用した反射防止構造体を光束の斜入射角が大きくなるレンズ面に適用している。これによって色収差を補正するため屈折率の低い光学ガラスを用いた場合で、レンズ面への光束の斜入射角が大きくなってもレンズ面からの反射光が少なくなるようにして、レンズ面での反射光によるゴーストの発生を抑制している。
本実施例によれば、ゴーストの発生が少なくなるので、低屈折率材料を多く使用することができ、即ち分散の小さな材料を多く用いることができて色収差をより良好に抑制した光学系が容易に得られる。本実施例において、レンズ012は光学ガラスを基板としており、そのd線における屈折率は1.58313であり、1.65以下となっている。またアッベ数は59.4であり、45以上である。また、画角2ωは118.7度で80度以上となっている。本実施例の画角の大きな光学系において、レンズ012の光学面(レンズ面)013には斜入射角の大きな光束が入射しやすくなり、この光学面013で反射した光束がゴーストとなりやすい。そこで本実施例では、光学面013に反射防止構造体032を形成している。これにより、ゴーストの発生を少なくしつつ、光学系011の色収差の補正を良好に行っている。
本実施例では、反射防止構造体の実効的な屈折率を含めたすべての膜の屈折率が、基板031の屈折率よりも低くなるように設定している。構造体034のピッチ033が使用波長よりも小さい反射防止構造体032では、式(1)で求められる等価屈折率neffが基板031の屈折率よりも小さいことを意味している。これを満たすことで、斜入射光束の反射率を抑制することができ、ゴーストの発生をよく抑制した光学系を得ている。本実施例では、基板031に対して屈折率の低い反射防止構造体032のみを付与した構成のため、この条件を満たしている。これにより、ゴーストの発生をよく抑制した光学系を得ている。
本実施例では、光学面013の最大半開角が30度以上である。ここで半画角とはレンズ面の面法線と光軸とのなす角度である。レンズ面が球面のときは最大半画角はレンズ面の最大有効径のレンズ面端部の面法線と光軸とのなす角度となる。レンズ面が非球面のときは面法線は非球面の場所によって異なる。このため半画角は非球面の場所によって異なってくる。レンズ面の最大半開角が30度以上だと、光学面013には斜入射角度の大きな光束がはいる可能性が高くなり、この光学面013によりゴーストが発生しやすくなる。このような光学面013に反射防止構造体032を付与することで、斜入射光束の反射率を抑制することができる。本実施例では光学面013の最大半開角が57度である。そのため、光学面013には斜入射角度の大きな光束が入りやすく、ゴーストが発生しやすい。そこで本実施例では、この光学面013に反射防止構造体を適用することで、ゴーストの発生をよく抑制した光学系を得ている。
本実施例の光学系では、光学面013が開口絞りSPよりも物体側に位置するようにしている。開口絞りSPよりも物体側に位置するレンズでは、開口絞りSPより像側に位置するレンズと比較して、レンズ面への斜入射角度の大きな光束が入りやすくなる。このときレンズ面(光学面)からの反射光がゴーストとなって像面に結像しやすくなる。そこで本実施例では、そのような光学面013に反射防止構造体032を付与することで、斜入射角度の大きな光の反射率を抑制して、ゴーストの発生を軽減している。また、開口絞りSPよりも物体側に位置するレンズでは、レンズ面の開角をきつくすると斜入射光束によるゴーストが発生しやすくなるため、好ましくない。一方、結像性能と光学系の小型化のためには、レンズ一つ一つのパワー(屈折力)を強くして、開角のきついレンズを使用することが好ましい。そこで本実施例では、最大半開角が30度以上のレンズ面に反射防止構造体を適用してゴーストの発生を軽減しつつ、結像性能の良い、小型の光学系を達成している。
[実施例2]
図1(B)は、本発明の実施例2の光学系のレンズ断面図である。実施例2は図1(A)の実施例1に比べて反射防止構造体の構造部の形状及び反射防止構造体を形成するレンズ面が異なっている。その他の構成は図1(A)の実施例1と同じである。本実施例では物体側から数えて第3番目のレンズ015の像側面の光学面016に無機物を材料とした使用波長よりも細かい複数の構造体を持つ反射防止構造体が付与されている。光学素子015以外にも光学素子015と同様な反射防止構造体が形成されていても良い。
図4は光学面016に付与されている反射防止構造体の模式図である。ここで071は光学ガラスからなる基板、072は反射防止構造体、073は薄膜である。反射防止構造体072の構造部の平均ピッチは使用波長以下である。このように、反射防止構造体072は厚さ方向に密度が変わってもかまわない。反射防止構造体072のように厚さ方向で密度が変わる構造は、空気から基板に向けて屈折率がグレーデッドに変化するような膜と等価である。また、反射防止構造体072と基板071の間に薄膜073を設けている。これにより、より高性能な反射防止性能が得られる。
本実施例では、このような微細な構造部を酸化アルミの皮膜を60〜100度の温水に浸漬処理することで得られる花弁状膜で作製した。こうして得られる花弁状膜は、ピッチ100nm〜200nmと可視域の波長よりも十分に細かい構造を示し、かつランダムな構成となっている。この花弁状膜は、屈折率が基板071側から空気側に向かって1.4〜1.0まで変化する膜である。レンズ015の材料は屈折率が1.4970であり、1.65以下となっている。またアッベ数は59.4であり、45以上である。また、画角2ωは100.24度であり、80度以上となっている。
本実施例の光学系において、レンズ015の光学面016には斜入射角度の大きな光束が入射しやすくなり、この光学面016で反射した光束がゴーストとなりやすい。そこで本実施例では、光学面016に反射防止構造体072を付与している。これにより、ゴーストの発生を少なくしつつ、光学系の色収差補正を良好に行っている。また、薄膜073の屈折率は1.45である。これにより、本実施例では基板071に対して屈折率の低い反射防止構造体072、薄膜073を利用した構成である。これにより、ゴーストの発生を少なくした光学系を達成している。
また、光学面016の半開角は59度で30度以上である。光学面016には斜入射角度の大きな光束が入りやすくなり、この光学面016よりゴーストが発生しやすくなる。そこで本実施例では光学面016に反射防止構造体を適用することで、ゴーストの発生をよく抑制した光学系を得ている。また、実施例1と同様に光学面016は開口絞りSPよりも物体側に位置している。この光学面016に反射防止構造体072を適用することで、ゴーストの発生を少なくしつつ、結像性能に優れかつ小型化した光学系を達成している。
[実施例3]
図3は、本発明の実施例3の光学系のレンズ断面図である。図3において、051は撮像光学系であり、レトロフォーカス型より成っている。052は低屈折率の材料(光学ガラス)より成る光学素子(レンズ)である。053は光学面、054は像面である。表−2に、本実施例3の詳細な数値例を示す。本実施例では物体側から数えて第1番目のレンズ052の像側面の光学面053には、無機物を材料とした使用波長よりも細かい複数の構造部を持つ反射防止構造体が付与されている。光学面053に付与されている反射防止構造体は、実施例2と同様な図4に示すのと同じである。
実施例2と同様に、この花弁状膜は、屈折率が基板側から空気側に向かって1.4〜1.0まで変化する膜である。レンズ052の材料は屈折率が1.5831であり、1.65以下となっている。アッベ数は59.4であり、45以上である。また、画角2ωは100.24度であり、80度以上となっている。本実施例の光学系において、レンズ052の光学面053には斜入射角度の大きな光束が入射しやすくなり、この光学面053で反射した光束がゴーストとなりやすい。
そこで本実施例では、光学面053に反射防止構造体072を付与している。これによりゴーストの発生を少なくしつつ、光学系の色収差の補正を良好に行っている。また、薄膜073の屈折率は1.48である。本実施例では基板071に対して屈折率の低い反射防止構造体072、薄膜073を利用した構成である。これにより、ゴーストの発生を少なくした光学系を達成している。また、光学面053の半開角は51で30度以上である。光学面053には斜入射角度の大きな光束が入りやすくなり、この光学面053よりゴーストが発生しやすくなる。
そこで本実施例では、光学面053に反射防止構造体を適用することで、ゴーストの発生をよく抑制した光学系を得ている。また、実施例1、2と同様に光学面053は開口絞りSPよりも物体側に位置している。この光学面053に反射防止構造体を適用することで、ゴーストの発生を少なくしつつ、結像性能に優れかつ小型化した光学系を達成している。尚、以上の各実施例の光学系において、反射防止構造体を複数の光学面に形成するときは図2と図4に示す反射防止構造体を別々の光学面に用いても良い。
図5は本発明の実施例4の撮像装置(光学機器)の要部概略図である。図5は実施例1〜3のいずれか1つの光学系を用いた光学機器の例としてデジタルカメラを示している。図5において、080はカメラ本体、081は実施例1〜3のいずれか1つの撮像光学系である。082はカメラ本体080に内蔵され、撮影光学系081によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。083は撮像素子082によって光電変換された被写体像に対応する情報を記録するメモリである。084は液晶ディスプレイパネル等によって構成され、固体撮像素子082上に形成された被写体像を観察するための電子ビューファインダである。このように実施例の撮像光学系を利用することで、撮像光学系内での不要な反射を抑えた高い光学性能を有するカメラを実現している。なお、本実施例の光学系は、液晶プロジェクターの照明光学系及び投射光学系等にも使用することができる。そして、該光学系が上述した構成を有することで、結像性能に優れ、かつ不要なゴーストを抑制した光学機器を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
次に本発明の実施例1、2、3に対応する数値実施例を示す。数値実施例において、iは物体側からの光学面の順序を示し、riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径、diは第i面と第i+1面との間隔、ndiとνdiはそれぞれd線に対する第i番目の光学部材の材料の屈折率、アッベ数を示す。非球面形状はレンズ面の中心部の曲率半径をRとし、光軸方向をX軸とし、光軸と垂直方向をYとし、B、C、D、E、Fをそれぞれ非球面係数としたとき、以下の式で表される。
また、例えば「E-Z」の表示は「10-Z」を意味する。
[表−1]
数値実施例1
f= 17.30 Fno= 4.08 2ω=118.7° 像高 29.20
面データ
面番号 r d nd νd
1 39.032 3.50 1.78472 25.7
2 27.725 6.93
3 31.865 3.50 1.58313 59.4
4* 13.517 13.14
5 91.868 2.20 1.49700 81.5
6 15.964 7.78
7 107.797 7.29 1.65412 39.7
8 -19.345 1.40 1.83481 42.7
9 35.295 1.50
10 44.257 6.95 1.65412 39.7
11 -13.418 1.00 1.77250 49.6
12 -62.398 (可変)
13 48.270 8.00 1.74950 35.3
14 -73.913 (可変)
15(絞り) ∞ 0.50
16 33.082 2.88 1.59270 35.3
17 -68.298 0.70
18 -159.710 1.00 1.83400 37.2
19 13.505 4.58 1.56732 42.8
20 -20.235 1.15
21 -15.707 1.00 1.83400 37.2
22 92.413 0.15
23 37.208 4.78 1.49700 81.5
24 -17.223 0.15
25 323.333 1.20 1.83400 37.2
26 20.255 7.45 1.49700 81.5
27 -32.065 0.15
28 -1491.679 1.75 1.80518 25.4
29 -136.318 (可変)

非球面データ
第4面
K =-6.04712e-001 B = 2.34342e-007 C = -5.84547e-008
D = 2.31497e-010 E = -8.25084e-013
[表−2]
数値実施例2
f= 24.40 Fno= 3.56 2ω=100.24° 像高 29.20
面データ
面番号 r d nd νd

1 52.438 3.80 1.58313 59.4
2* 13.780 7.50
3 32.841 1.80 1.84666 23.8
4 17.276 7.09
5 280.581 6.33 1.68893 31.1
6 -26.041 1.40 1.83400 37.2
7 -190.133 2.93
8 -27.873 1.40 1.49700 81.5
9 64.649 0.16
10 45.028 6.86 1.51633 64.1
11 -31.077 (可変)
12 114.268 3.44 1.71736 29.5
13 -94.694 (可変)
14(絞り) ∞ 0.05
15 19.207 5.21 1.65412 39.7
16 544.261 0.50
17 92.444 1.00 1.88300 40.8
18 12.142 7.13 1.51742 52.4
19 -33.287 0.86
20 -21.599 0.90 1.83400 37.2
21 47.336 0.15
22 28.073 5.47 1.49700 81.5
23 -23.879 0.15
24 443.582 1.10 1.88300 40.8
25 19.175 6.66 1.49700 81.5
26 -40.453 0.15
27 -92.418 1.58 1.84666 23.8
28 -57.612 (可変)

非球面データ
第3面
K =-8.32287e-001 B = 1.23299e-005 C =-1.78962e-008
D= 2.37267e-010 E =-7.22792e-013 F = 9.89766e-016
011、051、081は撮像光学系 012、015、052は低屈折率な光学ガラスからなるレンズ 013、016、053は光学面 031、071は光学ガラスからなる基板 032、072は反射防止構造体 033は反射防止構造体032の構造間のピッチ 034は反射防止構造体032の構造部 073は薄膜

Claims (7)

  1. d線における屈折率が1.65以下の光学ガラスより成る基板と、該基板の光入出射用の光学面のうち少なくとも1つの光学面に無機物を材料とした使用波長よりも細かい複数の構造部からなる反射防止構造体を形成した光学素子を少なくとも1つ有することを特徴とする光学系。
  2. 前記少なくとも1つの光学面に形成される反射防止構造体は、実効的な屈折率が前記基板の屈折率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記光学面は、最大半開角が30度以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
  4. 前記光学系は開口絞りを有し、前記少なくとも1つの光学面は、該開口絞りよりも物体側に位置することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の光学系。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学系と該光学系によって形成される像を受光する撮像素子とを有していることを特徴とする撮像装置。
  6. 前記光学系の撮像画角を2ωとするとき、
    80度<2ω
    であることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学系を有することを特徴とする光学装置。
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