JP2004333908A - 反射防止膜を有する光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズ曲率の大きいレンズ周辺部における光線の反射量を減少させることにより、レンズを透過する光量が増大した光学素子、特に光ピックアップ装置に用いる開口数(NA)が大きなレンズ及び光通信、内視鏡等に用いるボール状レンズを提供する。
【解決手段】本発明の光学素子は、レンズの表面に反射防止膜が形成され、前記反射防止膜は、前記光学素子の面内の任意の位置における入出射光線に対し反射率が最も低くなる光学膜厚で形成されている。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止膜を有し高集光能力を有する光学素子、特に光記録媒体への情報の記録及び/又は光記録媒体からの情報の再生を行う光ピックアップ装置用の対物レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクに代表される光記録媒体には記録容量の大容量化が強く要請されている。しかし光記録媒体自体の大きさは決まっているため、記録容量を増大させるためには、光記録媒体の記録密度を向上させる必要がある。記録密度の大きい媒体への書込み及び/又は読取りを行うには、情報の書込み及び/又は読取り時における光記録媒体上の光スポット径を小さくする必要がある。光スポット径は光源の波長に比例し、対物レンズの開口数(NA)に反比例する。このため光ピックアップ装置用対物レンズには、高NA化が要求されている。
【0003】
対物レンズの開口数を大きくするとレンズ曲率が大きくなるため、レンズ周辺部における光線入射角度が大きくなる。このためレンズ周辺部における反射光量が多くなり、透過光量が減少する。対物レンズを透過する光量が減少すると光記録媒体に照射される光量が減少するため、信号の再生における信号対雑音比(S/N比)が低下する。
【0004】
このため、光源側の面に反射防止膜を有する2つのレンズからなる対物レンズを使用し、この面における光線の最大入射角度を制御することにより、対物レンズの周辺部への入射光の強度が対物レンズの中心への入射光の強度に対して、40%以上80%以下である光ピックアップ装置が開示されている(特許文献1参照)。この光ピックアップ装置は、対物レンズの表面への光線の入射角を制御することにより、対物レンズの周辺部への入射光の強度の低下を軽減し、透過光量が大きくなっているものの、光線の最大入射角度を制御するために2つのレンズを組み合わせた対物レンズを使用しているため、両レンズをミクロンオーダーの高い精度で組み立てる工程が不可欠であり、製造コストが高くつくという問題がある。また2つのレンズを組み合わせた対物レンズは、小型化が要求される光ピックアップ装置においては不利である。
【0005】
最近、青色レーザ(波長405 nm)でNAが0.85の対物レンズを用いた光ピックアップ装置が提案されている。図9に屈折率1.72の硝材を用いたこのような対物レンズの一例を示す。このレンズに対するレーザ光の入射角度はレンズの中心で0°であるが最外周では65°以上になる。レンズに反射防止膜が設けられていない場合のレーザ光の入射角度と反射率(平均偏光の反射率)の関係を図10に示す。レンズ最外周の65°では入射する光の約15.5%が反射されてしまうため、非常に効率が悪い。このため、レンズ表面に反射防止膜として硝材より屈折率が低いフッ化マグネシウム(MgF)膜を真空蒸着法により形成する等の対策が施されている。
【0006】
しかしながら、真空蒸着法でMgF単層膜をレンズ表面に形成する場合、レンズへの入射角度が増大するのに伴い蒸発したMgFからなる反射防止膜の膜厚が減少する。一般に入射角度0°での光学膜厚D nmに対して、入射角度θでの光学膜厚は約Dcosθ nmとなる。レンズ硝材の屈折率が1.72のレンズ表面に真空蒸着法によりMgF膜を形成する場合、入射角0°におけるMgF膜の光学膜厚が約126 nmのとき入射角0〜70°で平均反射率が最も低くなる。このMgF膜を有する光学素子におけるレーザ光の入射角度と反射率の関係を図6に示す。レンズ最外周の65°では入射する光の約15%が反射されてしまう。また、CVD法で二酸化ケイ素(SiO)単層膜をレンズ表面に形成することによりレンズ面上の膜厚分布を均一にする方法が提案されている。レンズ硝材の屈折率が1.72のレンズ表面に均一な膜厚分布を有するSiO単層膜を形成する場合、SiO単層膜の光学膜厚が約111 nmのとき入射角度0〜70°で平均反射率が最も低くなる。このSiO膜を有する光学素子におけるレーザ光の入射角度と反射率の関係を図7に示す。レンズ最外周の65°では入射する光の約10%が反射される。入射角度0〜70°の平均反射率(Rm)は、真空蒸着法でMgF単層膜を形成する方法で約4.4%、CVD法でSiO単層膜を形成する方法で3.8%にしか下がらない。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−6204号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、レンズ曲率の大きいレンズ周辺部における光線の反射量を減少させることにより、レンズを透過する光量が増大した光学素子、特に光ピックアップ装置に用いる開口数(NA)が大きなレンズ及び光通信、内視鏡等に用いるボール状レンズを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、レンズ面内の任意の位置における入出射光線に対し、反射率が最も低くなる光学膜厚でレンズ硝材より屈折率の低い膜を形成することにより、レンズ曲率の大きいレンズ周辺部においても光線の反射量が減少し、レンズを透過する光量が増大した光学素子が得られることを発見し、本発明に想到した。
【0010】
すなわち、本発明の光学素子はレンズの表面に反射防止膜が形成されており、前記反射防止膜は、前記光学素子の面内の任意の位置における入出射光線に対し反射率が最も低くなる光学膜厚で形成されていることを特徴とする。
【0011】
前記反射防止膜は前記レンズの屈折率より低い屈折率を有する単層膜であり、前記光学素子の面内の任意の位置における波長λの単色光の入出射角がφであるとき、前記反射防止膜の光学膜厚D(φ)が下記一般式(1):
Figure 2004333908
(一般式(1)中、NIは反射防止膜の屈折率を表す。)により表される膜であるのが好ましい。
【0012】
前記反射防止膜は多層膜であり、前記光学素子の面内の任意の位置における波長λの単色光の入出射角がφであるとき、前記反射防止膜の各層の光学膜厚Dm(φ)が下記一般式(2):
Figure 2004333908
(一般式(2)中、Nfは各層の反射防止膜の屈折率を表し、Dm(0)は入出射角が0°のときの各層の光学膜厚を表す。)により表される膜であるのが好ましい。
【0013】
前記光学素子の面内の任意の位置は、好ましくは入出射光線の入出射角が0〜70°となる位置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
[1] 光学素子
図1は、本発明の光学素子の一例を示す。本明細書の図中においては、反射防止膜を実際より厚く示し、膜厚の変化を実際より強調して示してある。なお平凸レンズを例として本発明の光学素子を説明するが、本発明はこれに限定されない。図1に示すように、レンズ1の光源(図示せず)側の第一面1aが凸面であり、第一面1aの反対側の第二面1bが平面となっている。光学素子10は、単レンズであるのが好ましい。単レンズとすることにより、高精度を要するレンズの組立工程が不要となる。光学素子10のレンズ1は特に限定されないが、波長405 nmにおける屈折率が1.70以上の物質からなるのが好ましい。波長405 nmにおける屈折率が1.70以上の物質としては、S−TIH14(株式会社オハラ製)等が挙げられる。
【0015】
レンズ1の光源(図示せず)側の第一面1aには、反射防止膜2が形成されており、反射防止膜2の光線入出射角0°における光学膜厚をD(0)、光線入出射角φにおける光学膜厚をD(φ)で示している。本発明の光学素子に用いる反射防止膜2は、レンズ面内の任意の位置における入出射光線に対し反射率が最も低くなる光学膜厚で形成されている。具体的には、光線入出射角0°で反射防止膜2の光学膜厚が最も薄く、レンズ曲率の大きいレンズ周辺部になるに伴い反射防止膜2の光学膜厚が厚くなるように形成されている。従来の反射防止膜は、レンズ中心(光線入出射角0°)における反射率が最小となるように設計されている上、レンズ周辺部における光学膜厚が中心部に比して薄いため、レンズ周辺部において反射特性の短波長シフトが生じ、反射防止特性を大きく損なっている。これに対し本発明の光学素子は、反射防止膜2のレンズ周辺部/レンズ中心部の光学膜厚比が1以上であるため、反射特性の短波長シフト及び反射防止特性の低下を抑えることができる。
【0016】
本発明の光学素子に形成される反射防止膜2は、単層膜であっても複数の膜が積層された多層膜であってもよい。反射防止膜2は、単層膜の場合レンズ1の屈折率より低い屈折率を有する。反射防止膜2が単層膜であり、光学素子の面内の任意の位置における波長λの単色光の入出射角がφであるとき、反射防止膜2の光学膜厚D(φ)は下記一般式(1):
Figure 2004333908
(一般式(1)中、NIは反射防止膜の屈折率を表す。)を満たすのが好ましい。
【0017】
反射防止膜2が多層膜であり、光学素子面内の任意の位置における波長λの単色光の入出射角がφであるとき、反射防止膜2の各層の光学膜厚Dm(φ)は下記一般式(2):
Figure 2004333908
(一般式(2)中、Nfは各層の反射防止膜の屈折率を表し、Dm(0)は0°入出射のときの各層の光学膜厚を表す。)を満たすのが好ましい。
【0018】
一般式(1)及び(2)中、入出射角φは好ましくは0〜70°である。単色光の波長λは特に限定されないが、光ピックアップ装置、光通信、内視鏡等では通常300〜2000 nmの光を用いる。反射防止膜の屈折率NI、Nfも特に限定されないが、通常1.35〜3.50である。
【0019】
反射防止膜2を形成する材料は特に限定されず、SiO、MgF、SiN、CeO、ZrO等を用いることができる。反射防止膜2が多層膜の場合、同一の材料による多層膜であっても異なる材料による多層膜であってもよい。例えば、屈折率の異なる複数の膜を適宜組み合わせることにより、反射防止効率をより高めることが可能である。また、反射防止膜2の上にさらにダイヤモンドライクカーボン等からなる保護膜等が形成されていてもよい。
【0020】
[2] 反射防止膜の成膜方法
反射防止膜の成膜方法は特に限定されない。例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、熱CVD、プラズマCVD、光CVD等の化学蒸着法、ゾル−ゲルコート液を使ったディッピング法、スピン法、スプレー法等を用いることができる。以下蒸着法を例として、レンズ1の第一面1aに反射防止膜2を形成する方法を説明するが、本発明はこの方法によって製造した物に限定されない。
【0021】
図2にレンズ1の第一面1aに反射防止膜2を成膜する蒸着装置の一例を示す。蒸着装置は真空チャンバ31内にレンズホルダ32と蒸発源37を入れるヒータ33を具備している。レンズホルダ32は回転自在に支持されており、レンズ1と蒸発源37の間にはマスク38が設置されている。真空チャンバ31には真空ポンプ接続口35が設けられている。図3にマスク38の一例を示す。マスク38にはレンズ中央部が狭くレンズ周辺部が広くなるように形成された開口部38aが設けられている。
【0022】
レンズ1に反射防止膜2を成膜するには、まず第一面1aがヒータ33側になるように、レンズ1をレンズホルダ32に設置し、蒸発源37をヒータ33上に載置する。真空ポンプにより真空チャンバ31内を減圧にした後、蒸発源37をヒータ33により加熱する。蒸発源37は加熱により蒸発し、開口部38aを通してレンズ1の第一面1aに蒸着する。その際、レンズホルダ32を回転させることによりレンズ1の第一面1aの周辺部から中央部にわたって光学膜厚が滑らかに変化する反射防止膜2が得られる。レンズ1に単層の反射防止膜2を形成する場合、蒸着時間、マスク38の開口部38aの形状等を適宜設定することにより、光学膜厚が上記一般式(1)を満たす反射防止膜2を形成することができる。レンズ1に多層の反射防止膜2を形成する場合も単層膜の場合と同様である。すなわち、各層ごとに蒸発源37の種類を選択し、単層膜の場合と同様の操作で順次膜を形成すればよい。蒸着時間、マスク38の開口部38aの形状等を適宜設定することにより、各層の光学膜厚が上記一般式(2)を満たす反射防止膜2を形成することができる。
【0023】
光学膜厚が一般式(1)又は一般式(2)を満たす反射防止膜は、例えば細孔が形成されたマスクを用いることによっても成膜することができる。この場合、コンピュータで制御しながらマスクを回転、揺動等させることによりレンズ1の各位置に所定の光学膜厚の反射防止膜2を形成することができる。
【0024】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0025】
実施例1
図2に示す蒸着装置を用い、レンズホルダ32にS−LAL10(Nd=1.720503:d線−波長587.56 nmでの屈折率、株式会社オハラ製)からなるレンズ(対物レンズ)1を第一面1aがヒータ33側になるように設置し、蒸発源37としてフッ化マグネシウム(MgF)をヒータ33上に載置した。レンズ(対物レンズ)1と蒸発源37の間には所定の開口部38aを有するマスク38を設置した。真空ポンプにより真空チャンバ31内を約10−5Torrに減圧した後、フッ化マグネシウム(MgF)をヒータ33により加熱し蒸発させた。その際、レンズホルダ32を回転させ、レンズ(対物レンズ)1の第一面1aに光学膜厚が滑らかに変化する屈折率1.38の反射防止膜2を形成した。得られた光学素子に対する波長405nmの単色光の入出射角度、その入出射角度における反射防止膜2の光学膜厚及び反射率(Rm:平均偏光、Rs:s偏光、Rp:p偏光)を表1に示す。またレーザ光の入出射角度と反射率(平均偏光)の関係を図4に示す。
【0026】
【表1】
Figure 2004333908
【0027】
実施例2
図2に示す蒸着装置を用い、レンズホルダ32にS−LAL10からなるレンズ(対物レンズ)1を第一面1aがヒータ33側になるように設置し、蒸発源37として酸化ジルコニウム(ZrO)をヒータ33上に載置した。レンズ(対物レンズ)1と蒸発源の間には所定の開口部38aを有するマスク38を設置した。真空ポンプにより真空チャンバ31内を約10−5Torrに減圧した後、ヒータ33を加熱し、酸化ジルコニウム(ZrO)を蒸発させた。その際、レンズホルダ32を回転させ、レンズ(対物レンズ)1上に光学膜厚が滑らかに変化する屈折率2.04の酸化ジルコニウム膜を形成した。次に蒸発源37の交換機構(図示せず)を用い、酸化ジルコニウム(ZrO)に換えて二酸化ケイ素(SiO)をヒータ33上に載置した。酸化ジルコニウム膜のときと同様にして屈折率1.46の二酸化ケイ素(SiO)を酸化ジルコニウム膜上に蒸着した。得られた光学素子に対する波長405nmの単色光の入出射角度、その入出射角度における反射防止膜2の光学膜厚及び反射率(Rm:平均偏光、Rs:s偏光、Rp:p偏光)を表2に示す。またレーザ光の入出射角度と反射率(平均偏光)の関係を図5に示す。
【0028】
【表2】
Figure 2004333908
【0029】
比較例1
レンズ(対物レンズ)1と蒸発源37の間のマスク38を除いた以外図2に示す蒸着装置と同じ装置を用いた。実施例1と同様にレンズホルダ32にS−LAL10からなるレンズ(対物レンズ)1を設置し、フッ化マグネシウムを蒸発源37としてヒータ33上に載置した。真空ポンプにより真空チャンバ31内を約10−5Torrに減圧した後、ヒータ33を加熱し、フッ化マグネシウムを蒸発させ、レンズ(対物レンズ)1の表面に反射防止膜2を形成した。得られた光学素子に対する波長405 nmの単色光の入出射角度、その入出射角度における反射防止膜2の光学膜厚及び反射率(Rm:平均偏光、Rs:s偏光、Rp:p偏光)を表3に示す。またレーザ光の入出射角度と反射率(平均偏光)の関係を図6に示す。
【0030】
【表3】
Figure 2004333908
【0031】
比較例2
図8に示すCVD装置を用い、レンズ(対物レンズ)1の第一面1aに反射防止膜2を形成した。CVD装置は真空チャンバ41とその内部に回転自在に取り付けられたレンズホルダ42を具備し、真空チャンバ41には原料ガスの導入口45と排出口46が設けられており、真空チャンバ41の外側には外部ヒータ43が設けられている。レンズホルダ42にレンズ(対物レンズ)1を第一面1aが導入口45側になるように設置し、真空ポンプにより真空チャンバ41内を約10−5Torrに減圧した。原料ガスとしてSiH及びNOを用い、所定の比率で混合し導入口45から真空チャンバ41内に供給した。真空チャンバ41内でSiHとNOを反応させ、レンズホルダ42を回転させながらレンズ(対物レンズ)1の表面に二酸化ケイ素(SiO)からなる反射防止膜2を形成した。得られた光学素子に対する波長405 nmの単色光の入出射角度、その入出射角度における反射防止膜2の光学膜厚及び反射率(Rm:平均偏光、Rs:s偏光、Rp:p偏光)を表4に示す。またレーザ光の入出射角度と反射率(平均偏光)の関係を図7に示す。
【0032】
【表4】
Figure 2004333908
【0033】
(評価)
実施例1及び2の光学素子の入出射角0〜70°の平均反射率(Rm)はそれぞれ2.0%及び1.8%であり、比較例1及び2の光学素子の入出射角0〜70°の平均反射率(Rm)はそれぞれ4.4%及び3.8%である。これらの結果から明らかなように本発明の光学素子は従来の光学素子と比較し高い反射防止効果を有する。
【0034】
【発明の効果】
上記の通り、本発明の光学素子は、反射率が最も低くなる光学膜厚で形成された反射防止膜を有するので、レンズ曲率の大きいレンズ周辺部においても光線の反射量を低減することが可能である。そのため、透過光量が多く光の利用効率が高い光学素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子の一例を示す概略断面図である。
【図2】実施例1の反射防止膜を成膜する蒸着装置を示す概略図である。
【図3】蒸着装置に用いるマスクの一例を示す概略図である。
【図4】実施例1で得られた光学素子におけるレーザ光の入出射角度と反射率の関係を示すグラフである。
【図5】実施例2で得られた光学素子におけるレーザ光の入出射角度と反射率の関係を示すグラフである。
【図6】比較例1で得られた光学素子におけるレーザ光の入出射角度と反射率の関係を示すグラフである。
【図7】比較例2で得られた光学素子におけるレーザ光の入出射角度と反射率の関係を示すグラフである。
【図8】比較例2の反射防止膜を成膜するCVD装置を示す概略図である。
【図9】屈折率1.72の硝材を用いた対物レンズの一例を示す概略断面図である。
【図10】反射防止膜が形成されていない対物レンズにおけるレーザ光の入出射角度と反射率の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・レンズ
2・・・反射防止膜
31・・・真空チャンバ
32・・・レンズホルダ
33・・・ヒータ
35・・・真空ポンプ接続口
37・・・蒸発源
38・・・マスク
38a・・・開口部
41・・・真空チャンバ
42・・・レンズホルダ
43・・・外部ヒータ
45・・・原料ガス導入口
46・・・原料ガス排出口

Claims (4)

  1. レンズの表面に反射防止膜が形成された光学素子であって、前記反射防止膜は、前記光学素子の面内の任意の位置における入出射光線に対し反射率が最も低くなる光学膜厚で形成されていることを特徴とする光学素子。
  2. 請求項1に記載の光学素子において、前記反射防止膜は前記レンズの屈折率より低い屈折率を有する単層膜であり、前記光学素子の面内の任意の位置における波長λの単色光の入出射角がφであるとき、前記反射防止膜の光学膜厚D(φ)が下記一般式(1):
    Figure 2004333908
    (一般式(1)中、NIは反射防止膜の屈折率を表す。)により表されることを特徴とする光学素子。
  3. 請求項1に記載の光学素子において、前記反射防止膜は多層膜であり、前記光学素子の面内の任意の位置における波長λの単色光の入出射角がφであるとき、前記反射防止膜の各層の光学膜厚Dm(φ)が下記一般式(2):
    Figure 2004333908
    (一般式(2)中、Nfは各層の反射防止膜の屈折率を表し、Dm(0)は入出射角が0°のときの各層の光学膜厚を表す。)により表されることを特徴とする光学素子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子において、前記光学素子の面内の任意の位置が、入出射光線の入出射角が0〜70°となる位置であることを特徴とする光学素子。
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