JP2001108802A - 反射防止膜 - Google Patents

反射防止膜

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JP2001108802A
JP2001108802A JP28527699A JP28527699A JP2001108802A JP 2001108802 A JP2001108802 A JP 2001108802A JP 28527699 A JP28527699 A JP 28527699A JP 28527699 A JP28527699 A JP 28527699A JP 2001108802 A JP2001108802 A JP 2001108802A
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film
refractive index
antireflection film
antireflection
layer
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Shinichi Hiraki
信一 平木
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に紫外域に於いて、低反射、且つ広帯域
であり、耐久性が高く、安全衛生上問題の少ない反射防
止膜を提供すること。 【解決手段】反射防止膜を構成する層の少なくとも1層
を、低屈折率物質を物理的な方法で入射角60゜以上で
成膜し、低屈折率化した層とすることにより課題を解決
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学薄膜、特に反
射防止膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学系を構成する光学素子には多種多様
な光学薄膜が施されている。光学薄膜のうち特に反射防
止膜は好ましくない反射を低減するために、または透過
率を増加させるために施され、それらは広くレンズ、プ
リズム、反射鏡等の光学素子表面に適用されている。
【0003】一般にこのような反射防止膜は、光学素子
上に薄膜を1層以上成膜することにより形成される。反
射防止膜は、薄膜の材料や、それぞれの薄膜の厚みを適
当に組み合わせることにより設計される。高性能(広帯
域で低い反射率)な反射防止膜を得るためには、一般に
高屈折率薄膜と低屈折率薄膜とが組み合わせて積層さ
れ、その低屈折率薄膜の屈折率が低い程有利であること
が知られている。
【0004】例えば、低屈折率薄膜の屈折率がそれほど
低くなくても、反射防止膜を構成する薄膜の層数を増や
すことにより低反射率の反射防止膜を作製することは可
能ではあるが、波長依存性がより強くなるので、反射防
止が有効な帯域幅が狭くなる問題がある。低屈折率薄膜
の屈折率を低くすることができれば、少ない層数で低反
射率の反射防止膜を実現することができ、反射防止効果
が高い帯域幅も広くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、使用可能な低屈
折率の薄膜の材料としては二酸化ケイ素(波長400n
mで屈折率が約1.47)やフッ化マグネシウム(波長
400nmで屈折率が約1.39)がある。これよりも
低屈折率物質も存在するが、耐久性に乏しく、また安全
衛生上劣るので、ほとんど使用されない。
【0006】更に,短波長の紫外光に対してはこれらの
薄膜材料の屈折率は分散のために更に高くなる。このた
めに紫外光に対する反射防止膜の設計はより困難にな
り、低反射且つ広帯域の反射防止膜を形成することは困
難である。本発明は、以上の問題を解決し、特に紫外域
で使用可能な、より低反射且つ広帯域の反射防止膜、等
の光学薄膜を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は第一に「光学基板上に入射角60゜以上で
物理的方法で成膜、形成された低屈折率物質の薄膜を1
層以上具えることを特徴とした反射防止膜」(請求項
1)を提供する。また、本発明は第二に「前記低屈折率
物質が、フッ化マグネシウムまたは酸化ケイ素の何れか
一方または両方であることを特徴とした請求項1記載の
反射防止膜」(請求項2)を提供する。
【0008】また、本発明は第三に「前記低屈折率物質
が、フッ化マグネシウムであり、前記低屈折率物質の薄
膜の屈折率が1.27(400nm)であることを特徴
とした請求項1記載の反射防止膜」(請求項3)を提供
する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の反射防止膜は、基板上に
斜入射成膜の薄膜を少なくとも1層具えている。ここ
で、斜入射成膜の薄膜の意味は、図1(a)に示され
る。図1(a)にて、1は光学基板、4は飛来する蒸着
粒子の方向、θは斜入射の入射角を示す。このような蒸
着粒子が光学基板上に到達し、光学基板1上に薄膜3が
形成される。3が斜入射成膜の薄膜である。斜入射成膜
の薄膜との対比のために、図1(b)に従来の垂直前後
の角度で成膜された薄膜2をしめす。
【0010】斜入射成膜の薄膜は、耐久性が高く、且つ
安全衛生上の問題が少ない低屈折率の物質を材料に選ん
で成膜される。低屈折率物質としては、前記条件に合え
ば特に限定されないが、二酸化ケイ素(波長400nm
で通常成膜薄膜の屈折率が約1.47)やフッ化マグネ
シウム(波長400nmで通常成膜薄膜の屈折率が約
1.39)が好ましく用いられる。
【0011】飛来する蒸着粒子は、真空蒸着の場合は一
般に、成膜中の圧力が低く平均自由行程が長く、且つ蒸
発源及び光学基板の寸法と較べて光学基板と蒸発源との
間の距離が充分に長いため、光学基板の近傍で図1
(a)4に示すように平行と見做すことができる。その
ために、斜入射成膜の薄膜の入射角θは、光学基板法線
と蒸着粒子の飛来方向の為す角度として明確に定義され
る。しかしながら、スパッタリングやイオンプレーティ
ングの場合は、成膜中の圧力が高いために蒸着粒子の散
乱度が高く、また成膜源(スパッタターゲット等)の寸
法が大きく、また成膜距離が近い等の理由により、入射
角は飛来する個々の蒸着粒子の入射角の平均値として定
義されるが、通常光学基板と成膜源との幾何学的配置に
より規定しても大きな誤差は生じない。
【0012】以上の意味で本発明に用いる成膜法として
は真空蒸着法が最も好ましい。入射角度は、余り小さい
と屈折率の低減効果が少ない。逆に余り大き過ぎると付
着強度が低下する等の問題が発生する。この意味で入射
角は60度以上80度以下が好ましい。本発明の反射防
止膜は、屈折率が低いために反射防止効果が高い。
【0013】本発明の反射防止膜は、斜入射成膜の薄膜
を1層のみ用いた単層であっても、またはこの層を少な
くとも1層具えた多層であってもどちらでも良い。本発
明の反射防止膜は、紫外域の透過率が高い低屈折率物質
をもちいているので、波長300nm以下の紫外域で特
に好ましく使用され、193nmのエキシマレーザ光波
長、及び157nmのフッ素レーザ光波長付近でも使用
可能である。
【0014】本発明の反射防止膜は、光学装置、特に半
導体等の露光装置用の投影レンズ等の光学系の光学素子
に好ましく適用される。更に、本発明の反射防止膜が具
える斜入射成膜の薄膜は、反射防止膜以外の他の機能の
光学薄膜にも適用することができる。 [実施例1]図4の真空蒸着装置7の抵抗加熱蒸発源8
にフッ化マグネシウム試料9を、基板ホルダ12に2枚
の合成石英ガラス基板(波長400nmで屈折率1.4
7)1をセットした。その内1枚を蒸発源8に対する入
射角を80度に、他の1枚を0度(垂直)に調整した。
真空蒸着装置7を真空排気系により真空に排気し、ガラ
ス基板1を基板加熱装置11により加熱し、蒸発源のフ
ッ化マグネシウムを抵抗加熱蒸発させることにより、真
空蒸着法でフッ化マグネシウム膜の成膜を行った。この
ときの成膜条件は以下の通りである。
【0015】基板温度 :200℃ 成膜レート:4Å/sec 蒸着圧力 :3×10-4Pa 以上の条件で光学的膜厚0.25λ0 (λ0 =400n
m)の単層反射防止膜を成膜した。成膜後この方法で成
膜した反射防止膜の反射率特性を測定した。この反射率
特性図を図2に示す。この結果は、通常の成膜法(0
°)による単層反射防止膜の分光特性200の極小反射
率が1.8%であるのに対し、入射角80度の斜入射成
膜の単層反射防止膜の分光特性100の極小反射率が
0.2%であり、斜入射成膜の反射防止膜の反射防止効
果が優れていることが分かる。
【0016】この斜入射成膜の反射防止膜をメチルアル
コールを含んだ布巾でこすったところ、膜剥がれ等の外
傷はなく、膜強度も充分にあることがわかった。本発明
のこの斜入射成膜のフッ化マグネシウム膜の屈折率は
1.27(400nm)であり、通常の成膜法(0°)
によるフッ化マグネシウム膜の屈折率は1.39(40
0nm)だった。 [実施例2]本実施例の反射防止膜は、実施例1で示し
た方法と同じ方法で斜入射成膜したフッ化マグネシウム
層を用いたBK7基板に対する7層反射防止膜であり、
第1層、第3層、及び第5層としてAl2 3 層を、そ
して第2層、第4層、及び第6層としてTiO2 層を、
更に第7層として斜入射成膜したフッ化マグネシウム層
を積層した。
【0017】ここで、Al2 3 層及びTiO2 層は、
図4の図示されない電子線加熱蒸発源から真空蒸着法に
より成膜された。図3の300にその反射防止膜の分光
特性を示す。比較のために、第7層のみを通常の成膜法
(0°)によるフッ化マグネシウム層に変えた7層反射
防止膜の特性を400に示した。図3の特性300と4
00とを比較をすれば分かるように、本発明の斜入射成
膜のフッ化マグネシウム膜を用いた7層反射防止膜は、
従来の7層反射防止膜よりも低反射性及び広帯域性に於
いて反射防止効果が優れている。
【0018】
【発明の効果】以上本発明の反射防止膜は少なくとも1
層の斜入射成膜の低屈折率薄膜を具えるので、反射防止
効果が高く、且つ紫外域で有効に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止膜の成膜法を示す。
【図2】本発明の単層反射防止膜の特性を従来の単層反
射防止膜と比較して示す。
【図3】本発明の7層反射防止膜の特性を従来の通常の
成膜法(0°)によるフッ化マグネシウム膜を用いた7
層反射防止膜と比較して示す。
【図4】本発明の反射防止膜を作製する装置を示す。
【符号の説明】
1 光学基板(ガラス基板) 2 通常成膜の薄膜(フッ化マグネシウム) 3 斜入射成膜の薄膜(フッ化マグネシウム) 4 蒸着粒子の方向 300 斜入射成膜のフッ化マグネシウムを使用した反
射防止膜 400 通常成膜のフッ化マグネシウムを使用した反射
防止膜 7 真空蒸着装置 8 蒸発源(抵抗加熱) 9 蒸発試料(フッ化マグネシウム) 10真空排気系 11基板加熱ヒータ 12基板ホルダ θ 入射角

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学基板上に入射角60゜以上で物理的方
    法で成膜、形成された低屈折率物質の薄膜を1層以上具
    えることを特徴とした反射防止膜。
  2. 【請求項2】前記低屈折率物質が、フッ化マグネシウム
    または酸化ケイ素の何れか一方または両方であることを
    特徴とした請求項1記載の反射防止膜。
  3. 【請求項3】前記低屈折率物質が、フッ化マグネシウム
    であり、前記低屈折率物質の薄膜の屈折率が1.27
    (400nm)であることを特徴とした請求項1記載の
    反射防止膜。
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