JP2005082870A - 積層基板の洗浄方法および基板の貼り合わせ方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも最表層としてSiGe層を有する積層基板の洗浄方法であって、前記SiGe層の表面に保護膜を形成し、その後に前記保護膜をエッチング可能な第1の洗浄液により前記保護膜が残存するように前記積層基板を洗浄することを特徴とする積層基板の洗浄方法、また前記洗浄した積層基板を、前記保護膜をエッチング可能でかつ第1の洗浄液よりも前記保護膜に対するエッチレートが小さい第2の洗浄液により前記保護膜を除去し前記SiGe層を露出させるように前記積層基板を洗浄することを特徴とする積層基板の洗浄方法、及び上記洗浄方法を用いて洗浄された積層基板の最表層と他の基板の表面とを直接もしくは絶縁膜を介して貼り合わせることを特徴とする基板の貼り合わせ方法。
【選択図】図1
Description
このように、第1の洗浄液の組成または温度もしくは洗浄時間を調整することで、容易に保護膜の残存厚さを調整することができるので、保護膜の厚さを好適な厚さとすることができる。
このように、残存する保護膜の厚さが1nm以上100nm以下であれば、洗浄による面荒れからSiGe層を保護するのに十分な厚さであり、かつその後貼り合わせにより歪みSi層を有する貼り合わせSOIウェーハを作製する場合にも歪Si層から酸化膜までの厚みを十分に薄いものとすることができる。
このように、前記保護膜をSiからなるものとし、第1の洗浄液をNH4OHとH2O2との混合水溶液であるいわゆるSC−1洗浄液とすれば、貼り合わせ面となる保護膜の表面の面荒れを防止しつつ洗浄効果を十分に高いものとでき、貼り合わせ面の結合力の低下を防止するのに十分である。
このように、第2の洗浄液を第1の洗浄液よりエッチレートを遅くしたNH4OHとH2O2との混合水溶液からなるSC−1洗浄液とすれば、貼り合わせ面となるSiGe層の表面の面荒れを防止しつつ洗浄効果を十分に高いものとでき、貼り合わせ面の結合力の低下を防止するのに十分である。
このように、第2の洗浄液の温度を第1の洗浄液の温度よりも低温とすれば、第2の洗浄液のエッチレートをSiGe層の面荒れを起こさないように小さくすることが容易にできるので、貼り合わせ面となるSiGe層の表面の面荒れを防止しつつ洗浄効果を十分に高いものとでき、貼り合わせ面の結合力の低下を防止することができる。
前述したように、歪みSi層を形成する際に、ボンドウェーハとなるシリコン基板上に形成したSiGe層の表面を酸化膜を介して他のシリコン基板と貼り合わせる方法を用いた場合、貼り合わせ前に貼り合わせ面の表面のパーティクルや汚染物を除去するために、通常のシリコン基板の洗浄に用いられるSC−1洗浄等をSiGe層に施すと、GeのエッチレートはSiのエッチレートより大きいため、洗浄後の表面粗さがシリコン表面にSC−1洗浄を施した場合と比べて粗くなり、この表面粗さはGe濃度が高くなるに従って大きくなる。Ge濃度は高い方が、歪みSi層の歪みを大きくできることから、SiGe層のGe濃度は高いほうが望ましいが、洗浄後の表面粗さが一層大きくなってしまう。このような面荒れしたSiGe層の表面をベースウェーハとなるシリコン基板と酸化膜を介して貼り合わせて作製した貼り合わせ基板は貼り合わせ面の結合力が低下しており、例えばその後、ボンドウェーハのシリコン基板の薄膜化などの工程の際に貼り合わせ面での結合不良が起こる原因となり、貼り合わせ基板の製造歩留まりの低下を招く。
図1は、本発明の第一の実施形態に従った積層基板の洗浄工程の一例を示す図である。
まず、図1(a)のように最表層としてSiGe層2を有する積層基板1を用意する。この積層基板1は最表層としてSiGe層を有すれば特に制限がないが、例えばシリコン単結晶ウェーハの表面にSiGe層をエピタキシャル成長させたもの等を用いることができる。
図2(a)〜(c)は図1(a)〜(c)に示した工程と同様に行うことができる。その後、図2(d)のように、第1の洗浄液で洗浄後に残存する保護膜3’を第2の洗浄液により除去しSiGe層2’を露出させるように洗浄する。洗浄は例えば第2の洗浄液に積層基板1’を浸漬することで行うことができる。第2の洗浄液は保護膜3’をエッチング可能なものであり、かつ第1の洗浄液よりも保護膜に対するエッチレートが小さいものであり、例えば保護膜3’がシリコンからなるものであれば、第2の洗浄液として第1の洗浄液よりエッチレートが遅くなるように調整したNH4OHとH2O2との混合水溶液からなるSC−1洗浄液を用いてもよい。このように第2の洗浄液により保護膜3’を除去しSiGe層2’を露出させるように洗浄をおこなうことによってSiGe層2’は面荒れを起こさないようにエッチング洗浄されるので、貼り合わせ面となるSiGe層2’の表面の面荒れを防止しつつ洗浄効果を非常に高いものとでき、貼り合わせ面の結合力の低下を確実に防止できる。
(実施例1,2、比較例1〜3)
直径200mmのシリコン単結晶ウェーハの表面(鏡面研磨面)に、下記の表1に示すようにGe濃度が5%または15%のSiGe層をエピタキシャル法により50nmだけ堆積しそれを最表層としたもの(比較例1,2)と、さらにその上に保護膜として保護シリコン層をエピタキシャル法により20nmだけ堆積しそれを最表層としたもの(実施例1,2)との計4種類のサンプルウェーハを作製した。また、リファレンス用として、上記のエピタキシャル層を形成しない通常の鏡面研磨シリコン単結晶ウェーハ(比較例3)も用意した。
組成 29wt%NH4OH:30wt%H2O2:H2O=1:1:5(容量比)
液温 80℃
洗浄時間 3分
また、表3に示されるように、同一の洗浄条件であっても、実施例1,2のエッチング量は比較例1,2に比べて小さく、表面粗さの大きいサンプルではエッチレートが高いことが確認できる。
表1に示した実施例2と同一条件で作製されたサンプルウェーハ(実施例3)と、比較例2と同一条件で作製されたサンプルウェーハ(比較例4)とを用いて、前述したSC−1洗浄条件の中の液温のみを25℃、50℃、80℃と変化させてSC−1洗浄を行い、各サンプルウェーハの最表層のエッチング量を比較した。その結果を表4及び図5に示す。表4及び図5より、いずれの液温でも実施例3の方が比較例4よりエッチング量が小さく、しかも液温が高くなるにつれて両者の差が大きくなった。また、SC−1洗浄液の液温を低くすることによりエッチング量を小さくすることができ、液温の調整によりエッチング量を調整できることが確認できた。
2、2’…SiGe層、
3、3’…保護膜、 4…最表層、
5…ベースウェーハ、 6…貼り合わせ面。
Claims (8)
- 少なくとも最表層としてSiGe層を有する積層基板の洗浄方法であって、少なくとも、前記SiGe層の表面に保護膜を形成し、その後に前記保護膜をエッチング可能な第1の洗浄液により前記保護膜が残存するように前記積層基板を洗浄することを特徴とする積層基板の洗浄方法。
- 第1の洗浄液の組成または温度もしくは洗浄時間を調整することにより前記残存する保護膜の厚さを調整することを特徴とする請求項1に記載の積層基板の洗浄方法。
- 前記残存する保護膜の厚さを1nm以上100nm以下とするように洗浄することを特徴とする請求項1または2に記載の積層基板の洗浄方法。
- 前記保護膜をSiからなるものとし、第1の洗浄液をNH4OHとH2O2との混合水溶液からなるものとすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層基板の洗浄方法。
- 前記第1の洗浄液により洗浄した積層基板を、前記保護膜をエッチング可能でかつ第1の洗浄液よりも前記保護膜に対するエッチレートが小さい第2の洗浄液により前記保護膜を除去し前記SiGe層を露出させるように洗浄することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層基板の洗浄方法。
- 第2の洗浄液をNH4OHとH2O2との混合水溶液からなるものとすることを特徴とする請求項5に記載の積層基板の洗浄方法。
- 第2の洗浄液の温度を第1の洗浄液の温度よりも低温にすることを特徴とする請求項5または6に記載の積層基板の洗浄方法。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の積層基板の洗浄方法を用いて洗浄された積層基板の最表層であるSiGe層または保護膜の表面と他の基板の表面とを直接もしくは絶縁膜を介して貼り合わせることを特徴とする基板の貼り合わせ方法。
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