JP2005082021A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 折り畳まれたエアバッグの外面を包持して、非展開時所定形状に保持するシート体6を具備し、該シート体6は、エアバッグの自己復元力により加わる張力で変形する張力指示部6gを備えることで折り畳み状態の目視確認ができ、上記課題を解決することができる。
【選択図】図4
Description
そこで本発明は、エアバッグをラッピングするシート体にエアバッグの自己復元力により加わる張力で変形する張力指示部を備え、目視によりエアバッグの折り畳み状態が所定の折り畳み方か否かが確認できるようにしたエアバッグ装置を提供するものである。
車輌に搭載されるエアバッグ装置において、折り畳まれたエアバッグの外面を包持して、非展開時所定形状に保持するシート体を具備し、該シート体は、エアバッグの自己復元力により加わる張力で変形する張力指示部を備えた構成である。
請求項1記載の張力指示部は、所定の形状の打ち抜き孔またはプリント図形である。
(1)折り畳まれたエアバッグが所定の折り畳み手順および形状でなく折り畳まれたときの嵩寸法の違いを張力の差異として確認できるので、一定のエアバッグの展開特性を有するエアバッグモジュールが量産できる。
(2)ラッピングシートの伸びの差異を張力として目視できるので、特別な検査手段が不要であり、設備コスト増大や大幅な検査工程増加がなく、コストアップしない。
(3)簡単な打ち抜き孔や図形をプリントするのみでよく、エアバッグモジュールのサイズを増加させない。
図1は本発明に係る助手席用エアバッグ装置の分解斜視図、図2はエアバッグの裏面側を上に向けた状態の分解斜視図、図3はエアバッグ装置のエアバッグ、フラップ布、ラッピングシートの折り畳み手順を示す説明図、図4は本発明に係る助手席用エアバッグ装置の斜視図である。
エアバッグ1は、図2のようにガス導入口を有する袋状に形成されている。このガス導入口には、ガス導入口の周縁を補強する図示しないミッドリテーナが内側より固着されているとともに、ガス導入口の外側には、フラップ布9、ラッピングシート6、補強布10が縫着されている。
フラップ布9は、乗員がエアバック装置に対して近接した状態の場合に、リテーナ2のエアバッグ収納部2aに収納されたエアバッグ1が膨張展開時に乗員への加害性を軽減させるために設けられたもので、エアバッグ1よりも外側に配設される。フラップ布9は、例えばナイロン66の織布からなり、シリコーンゴムなどをコーティングしていない、いわゆるノンコートのシート状物である。本実施例では、フラップ布9を用いて説明しているが、必要に応じてフラップ布9を用いなくてもよいものである。
シート体としてのラッピングシート6は、リテーナ2のエアバッグ収納部2aに収納されたエアバッグ1が膨張展開する際、リテーナ2のエアバッグ収納部2a内面との擦れ抵抗を低減してエアバッグ1の膨張展開を円滑に行うと同時に、エアバッグ1を保護するものである。ラッピングシート6は、例えばナイロン66の織布からなり、シリコーンゴムなどをコーティングしていない、いわゆるノンコートのシート状物であり、幅広な一対のラッピング片6a、6bと、これらラッピング片6a、6bの連設部6cに設けられた幅狭な一対のラッピング片6d、6eによりほぼ十字形に形成されている。
ラッピング片6aはエアバッグ1を折り畳み状態に保持するもので矩形状である。ガス導入口に隣接する位置に、図示されないミッドリテーナの取付ボルト挿入孔を4個設けている。また、ラッピング片6aのガス導入口とは反対側の端末に隣接する位置に図示されないミッドリテーナの取付ボルト挿入孔を3個設けている。ガス導入口から所定の位置に、幅方向に一直線上に並べたスリット6fを3本設けている。なお、スリット6fの数は3本に限られず、必要に応じて2本、4本以上あってもよい。本実施例では、スリット6fが折り畳んだエアバッグの上面一方の角部になるようにしている。複数のスリット6fを一直線に配置せずに段違いに設けてもよい。このスリットとスリットとの間には連設部6cを設けている。ラッピング片6aの幅方向の両端から所定の距離を開けてスリット6fを設けているが、両端からすぐにスリットを設けても良い。張力指示部(開口)6gは、ガス導入口から所定の位置に設けている。張力指示部はラッピング片6aの幅方向に長い楕円の張力指示部(開口)6gを2個設けているが、スリット6fの数に応じて張力指示部6gを設ければよい。
張力指示部6gの形状は、ラッピングシート6の幅方向に長径の楕円に限られず、幅方向に短径の楕円、円、幅方向に寸法の大きい矩形や多角形、幅方向に寸法の小さい矩形や多角形であってもよい。
スリット6fおよび楕円の開口の張力指示部6gは、ラッピングシート6の裁断時にスリット6f、開口6gを同時に形成するので、特別な後加工が必要でない。また、張力指示部6gをラッピングシート6にプリント印刷や塗料によるスタンプでマーキングするなどして、張力指示部6gを形成してもよい。
張力指示部6gを設ける位置は、図3からも理解できるように、スリット6fとスリット6fとの連設部6cが存在する位置で、ラッピングシート6の長手方向に設ける。ラッピング片6aを引っ張ってエアバッグ1を包み込む時に、ラッピング片6aの長さが最も安定している箇所である。例えば、スリット6fの位置で、ラッピングシート6の長手方向に張力指示部6gを設けると、ラッピング片6aを引っ張った時に、スリット6fに大きく開口が開く。また、スリット位置で幅方向に僅かに位置を移動しただけでも張力指示部6gの変形量が大きく異なる。そのため、張力指示部6gの楕円の形状が本来の張力確認手段として適格に機能しない。
ラッピング片6bは、リテーナ2のエアバッグ収納部2aに収納されたエアバッグ1が膨張展開時に、リテーナ2のエアバッグ収納部2a内面との擦れを防止できる大きさであれば良い。ガス導入口に隣接する位置に、図示されないミッドリテーナの取付ボルト挿入孔を3個設けている。ラッピング片6d、6eは、リテーナ2のエアバッグ収納部2aに収納されたエアバッグ1が膨張展開時に、リテーナ2のエアバッグ収納部2a内面との擦れを防止できる大きさであればよい。
インフレータ収納部2は、一端面にインフレータ挿入口(図示しない)が開口されていて、このインフレータ挿入口より挿入したインフレータ3の先端部に、インフレータ収納部2cの外側よりフランジ付きナット8を螺合することにより、リテーナ2に対してインフレータ3が固定されている。
エアバッグ収納部2aの開口部2b周辺には、複数の係止フック2gが突設されている。係止フック2gに、開口部2bの上方より覆うインストルメントパネル4の脚部4aに開口された係止孔4bが係止されている。インストルメントパネル4は合成樹脂により形成され、上面にはエアバッグ1が膨張展開する際、破断されるテアラインが施されている。なお、エアバッグ収納部2aの開口部2bの上方より覆うものは、本実施例のインストルメントパネル4に限らず、インストルメントパネルの一部を形成する、いわゆるリッドタイプのカバー体であってもよい。
エアバッグ装置を組み立てるに当たって、まずエアバッグ1を手作業または自動折り畳み装置(図示しない)により蛇腹状などの所定形状に折り畳んだ後(イ)、手作業でラッピングシート6のラッピング片6d、6eをエアバッグ1の上に重なるように折り畳む(ロ)。次に、フラップ布9をロール状などの所定形状に折り畳み、エアバッグ1およびラッピング片6d、6eの上に重ね置く(ハ)。最後にラッピング片6aを引っ張りながらエアバッグ1及びフラップ布9を包み込み、ラッピング片6aの端部に設けた3個の係止孔11をミッドリテーナの底面に突設された3個の固定具7にそれぞれ固定する(ニ)。
ここで、フラップ布9を(ハ)の状態で折り重ねることで、乗員がエアバッグ装置に接近して乗車していても、エアバッグ1の膨張展開時にエアバッグ1が乗員に当接する前に、フラップ布9が乗員と当接することで、エアバッグ展開に伴う乗員への加害性を大幅に軽減することができる。フラップ布9の折り畳み方もロール状に限られず、所望の形状に折り畳むことができる。
2・・・・リテーナ
2a・・・・エアバッグ収納部
2b・・・・開口部
2c・・・・インフレータ収納部
2g・・・・係止フック
3・・・・インフレータ
4・・・・インストルメントパネル
4a・・・・脚部
4b・・・・係止孔
6・・・・ラッピングシート
6a・・・・ラッピング片
6b・・・・ラッピング片
6c・・・・連設部
6d・・・・ラッピング片
6e・・・・ラッピング片
6f・・・・スリット
6g・・・・張力指示部
7・・・・固定具
8・・・・フランジ付きナット
9・・・・フラップ布
10・・・・補強布
11・・・・係止孔
Claims (2)
- 車輌に搭載されるエアバッグ装置において、折り畳まれたエアバッグの外面を包持して、非展開時所定形状に保持するシート体を具備し、該シート体は、エアバッグの自己復元力により加わる張力で変形する張力指示部を備えたことを特徴とするエアバッグ装置。
- 張力指示部は、所定の形状の打ち抜き孔またはプリント図形である請求項1記載のエアバック装置。
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