JP2005080454A - 渦電流式減速装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 渦電流式減速装置の制動性能を向上させる。
【解決手段】 回転軸1に取り付けられ渦電流が生起される制動ディスク7と、制動ディスク7に対向して固定側に取り付けられた電磁石8とを備えた渦電流式減速装置であって、電磁石8は、固定側に取り付けられ径方向断面がコ字状であってその両端面13、14が制動ディスク7に対向し回転軸1と同芯的に形成された円筒状の磁極部材9と、磁極部材9に回転軸1廻りに電線を巻回してなる電磁コイル10と、磁極部材9に制動ディスク7に対向させて設けられ且つ回転軸1の径方向に延びて形成された誘導極部材11とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両の摩擦ブレーキを補助する渦電流式減速装置に係り、特に、電磁石を用いた渦電流式減速装置に関する。
渦電流式減速装置として、回転軸に取り付けられた制動ディスクと、制動ディスクに対向させて固定側に取り付けられた電磁石とを備え、電磁石に通電することで制動ディスクに渦電流を生起して回転軸を減速制動し、通電を切ることで減速制動を解除するものがある。
従来、この種の渦電流式減速装置の電磁石として、制動ディスクに対向して、磁極部材を配置し、この磁極部材に、所定方向廻りに電線を巻回して複数(一般的には、八〜十六個程度)の電磁コイルを設けたものが知られている(特許文献1等参照)。
また、本出願人は、一個の電磁コイルによって、多数の磁極を得ることのできる渦電流式減速装置を出願している(特願2002−339461号)。図35に示すように、この渦電流式減速装置は、図示しない回転軸に取り付けられ渦電流が生起される制動ディスク41と、制動ディスク41に対向して固定側に取り付けられた電磁石42とを備えている。
電磁石42は、固定側に取り付けられ径方向断面がコ字状であってその両端面が制動ディスク41に対向し回転軸と同芯的に形成された円筒状の磁極部材43と、磁極部材43内に回転軸廻りに電線を巻回してなる電磁コイル44とを備えている。
減速制動時においては、電磁石42を通電する。このとき、図35に示すように、電磁コイル44は、回転軸廻りに電線を巻回して形成されているので、その径方向の両側に配置された磁極部材43の各端面がそれぞれN極、S極となる。
その結果、磁極部材43と、制動ディスク41とを循環する磁束回路W0が形成される。このとき、電磁石42と制動ディスク41との相対回転によって、制動ディスク41の側面に渦電流が生起され、回転軸が減速制動される。
ところで、図35に示す渦電流式減速装置においては、制動ディスク41の側面と対向する電磁石42側の面は、磁極部材43の両端面のみであった。この磁極部材43の両端面の面積は、制動ディスク41の側面の面積に比べ、小さい。即ち、図35に示す渦電流式減速装置では、制動ディスク41の側面に対向する電磁石42の磁極面積が小さかった。
制動ディスク41の側面に対向する電磁石42の磁極面積が小さいと、制動ディスク41の側面が局所的に発熱して、制動ディスク41が熱変形してしまう虞がある。また、図35に示す渦電流式減速装置では、制動ディスク41に作用する渦電流の発生量が少なく、制動性能的に不利であった。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、制動性能を向上することができる渦電流式減速装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第一の発明は、回転軸に取り付けられ渦電流が生起される制動ディスクと、該制動ディスクに対向して固定側に取り付けられた電磁石とを備えた渦電流式減速装置であって、上記電磁石は、上記固定側に取り付けられ径方向断面がコ字状であってその両端面が上記制動ディスクに対向し上記回転軸と同芯的に形成された円筒状の磁極部材と、該磁極部材に上記回転軸廻りに電線を巻回してなる電磁コイルと、上記磁極部材に上記制動ディスクに対向させて設けられ且つ上記回転軸の径方向に延びて形成された誘導極部材とを備えたことを特徴とする渦電流式減速装置である。
第二の発明は、固定側に取り付けられ渦電流が生起される制動ディスクと、該制動ディスクに対向して回転軸に取り付けられた電磁石とを備えた渦電流式減速装置であって、上記電磁石は、上記回転軸に取り付けられ径方向断面がコ字状であってその両端面が上記制動ディスクに対向し上記回転軸と同芯的に形成された円筒状の磁極部材と、該磁極部材に上記回転軸廻りに電線を巻回してなる電磁コイルと、上記磁極部材に上記制動ディスクに対向させて設けられ且つ上記回転軸の径方向に延びて形成された誘導極部材とを備えたことを特徴とする渦電流式減速装置である。
ここで、上記誘導極部材は、周方向に所定の間隔を隔てて複数の隙間が設けられた櫛状誘導極部材であっても良い。
また、径方向に隣接する上記櫛状誘導極部材同士が、互いに接することなく噛合するように配置されても良い。
また、上記誘導極部材の外側面に、周方向に所定間隔を隔てて複数の溝を設け、各溝で区切られた複数の誘導極片を形成しても良い。
また、上記電磁コイルは、上記回転軸の径方向に所定の間隔を隔てて複数配置され、上記磁極部材は、それら各電磁コイルを挟むように複数配置されても良い。
また、上記磁極部材に、永久磁石を埋設しても良い。
本発明は、渦電流式減速装置の制動性能を向上することができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は、一実施の形態に係る渦電流式減速装置の側面断面図である。図2は、図1の実施の形態に係る誘導極部材の正面図である。
図1に示すように、回転軸1には、スプライン2やキー等を介してアウトプットフランジ3が回転不能に被嵌され、ナット4によって固定されている。アウトプットフランジ3には、制動ロータ5が回転不能に取り付けられていると共に、図示しないプロペラシャフトが連結されるヨーク6が取り付けられている。
制動ロータ5は、渦電流が生起される制動ディスク7を備えている。この制動ディスク7は、導電体且つ磁性体(強磁性体、軟磁性体等、以下同じ)の材料(例えば、低炭素鋼、ステンレス鋼、鋳鉄等、以下同じ)からなり、回転軸1と同芯的なリング状に形成されている。
制動ディスク7の一側(図1中の左側)には、制動ディスク7に渦電流を生起するための電磁石8が配置されている。この電磁石8は、固定側に取り付けられ径方向断面がコ字状であってその両端面13、14(開放側端面)が制動ディスク7に対向し回転軸1と同芯的に形成された円筒状の磁極部材9と、磁極部材9に回転軸1廻りに電線を巻回してなる電磁コイル10と、磁極部材9に、制動ディスク7に対向させて設けられ、且つ、回転軸1の径方向に延びて形成された誘導極部材11とを備えている。
具体的には、電磁石8は、非磁性体の材料(例えば、アルミ等の低透磁率材料、以下同じ)からなる支持腕12を介して固定側に取り付けられている。支持腕12が非磁性体の材料からなるのは、磁力が支持腕12を通って固定側に漏れることを防止するためである。
詳しくは、磁極部材9は、端面13を有する外筒9aと、端面14を有する内筒9bと、これら外筒9a及び内筒9bを接続して磁路を形成するための接続部(リング板等)9cとからなる。
具体的には、電磁コイル10は、内筒9bの外周面に電線を巻き付けてなる。電磁コイル10と、接続部9cの側面及び外筒9aの内周面との間には、電気的な絶縁が施してある。なお、図4に示すように、電磁コイル10と、接続部9cの側面及び外筒9aの内周面との間に隙間を設け、その隙間を耐熱性樹脂15によりモールドしても良い。
なお、図示はしないが、電磁コイル10の側面にシール部材を貼り付けておいても良い。このシール部材は、制動ディスク7に作用する渦電流によって生じた熱が電磁コイル10側に伝達しないように断熱すると共に、ダストや水分等が電磁コイル10側に浸入することを防止する。シール部材は、隣接する磁極部材9同士(特に、外筒9aと内筒9b)が磁気的にショートすることを防止するため、非磁性体の材料からなる。
誘導極部材11は、磁極部材9(より詳しくは、外筒9aの内周端部、及び内筒9bの外周端部)にそれぞれ設けられると共に、外筒9aと内筒9bとの間の空間に延出している。つまり、両誘導極部材11は、径方向の互いに異なる方向に延びて形成されている。磁極部材9(外筒9a、内筒9b及び接続部9c)、及び誘導極部材11は、磁性体の材料からなる。また、これらは、一体形成されていても良い。
図2に示すように、誘導極部材11は、周方向に所定間隔を隔てて形成された複数の隙間11aと、各隙間11aにより区切られた複数の誘導極片11bとが設けられた櫛状誘導極部材である。本実施の形態の誘導極片11bは、曲線により形成された形状を有している。
櫛状誘導極部材11は、径方向に隣接する櫛状誘導極部材11同士が、互いに接することなく噛合するように配置される。即ち、両櫛状誘導極部材11の誘導極片11bは、周方向に交互に配置される。また、両櫛状誘導極部材11の誘導極片11bは、その先端部が対向する誘導極片11bの先端部を超えて延出する。このように櫛状誘導極部材11を配置することにより、制動ディスク7に対向する電磁石8の磁極面積を最大限に設定することができる。
ここで、一方の櫛状誘導極部材11の誘導極片11bと、他方の櫛状誘導極部材11の誘導極片11bとの間隔は、制動ディスク7と電磁石8(誘導極片11bの外側面)との間隔より大きくするものとする。このようにすることにより、隣接する櫛状誘導極部材11(誘導極片11b)間で、短絡した磁束回路が形成されることはない。
なお、本実施の形態の誘導極片11bは、曲線により形成された形状を有しているとしたが、図3に示すように、誘導極片11bを、直線により形成された形状を有する誘導極片11cとしても良い。
減速制動時においては、電磁石8を通電する。すると、電磁コイル10は、回転軸1廻りに電線を巻回して形成されているので、その径方向の内側に配置されている内筒9bの両端面がそれぞれ、N極、S極となる。また、接続部9cを介して内筒9bに接続されている外筒9aも磁化される。これにより、内筒9bの端面14がN極となると共に、外筒9aの端面13がS極となる。
このとき、外筒9aに設けられた櫛状誘導極部材11の誘導極片11bが全てS極となると共に、内筒9bに設けられた櫛状誘導極部材11の誘導極片11bが全てN極となる(図2参照)。
その結果、図1に示すように、磁極部材9(内筒9b)と、櫛状誘導極部材11(誘導極片11b)と、制動ディスク7と、櫛状誘導極部材11(誘導極片11b)と、磁極部材9(外筒9a、及び接続部9c)とを循環する磁束回路W1が形成される。これにより、電磁石8と制動ディスク7との相対回転によって、制動ディスク7の側面に渦電流が生起され、回転軸1が減速制動される。また、電磁石8の通電を切れば、減速制動が解除される。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
本実施の形態においては、磁極部材9に、制動ディスク7に対向させて誘導極部材11を設けている。この誘導極部材11は、回転軸1の径方向に延びて形成されると共に、制動ディスク7の側面に対向するように配置される。これにより、制動ディスク7に対向する電磁石8の磁極面積を、図35に示した渦電流式減速装置に比べ大きくすることができる。そのため、制動ディスク7に作用する渦電流の発生量が、図35に示した渦電流式減速装置に比べて充分に得られる。
また、誘導極部材11を、周方向に所定間隔を隔てて形成された複数の隙間11aと、各隙間11aにより区切られた誘導極片11bとを設けた櫛状誘導極部材とすると共に、これら隣接する櫛状誘導極部材11同士を互いに接することなく、噛合するように配置している。このような構造とすることにより、制動ディスク7に対向する電磁石8の磁極面積を最大限に設定することができる。
このように、本実施の形態においては、制動ディスク7の側面に対向する電磁石8の磁極面積を最大限に設定している。そのため、制動ディスク7の側面の一部に磁束が集中して作用することはなく、制動ディスク7が局所的に発熱して、熱変形してしまうことはない。
また、本実施の形態では、誘導極部材(櫛状誘導極部材)11に、上述のような誘導極片11bを設けている。各隙間11aにより区切られた誘導極片11bは、制動ディスク7と電磁石8との間の磁気を断続的に遮断して、磁極変化(強弱)を起こさせる。これにより、渦電流が電磁石8内に発生し易くなり、制動力を高めることができる。そのため、制動ディスク7に作用する渦電流の発生量が充分に得られ、図35に示した渦電流式減速装置に比べて制動性能を向上することができる。
次に、他の実施の形態について説明する。
この実施の形態は、誘導極部材11の構成のみが図1の実施の形態と異なり、その他は同様となっている。よって、図1と同一部材には、同一符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
図5及び6に示すように、この実施の形態の誘導極部材12は、周方向に隙間が無く、リング状に形成されている。これら誘導極部材12は、径方向に所定間隔を隔てて設けられている。また、誘導極部材12には、図2に示す誘導極片11bが設けられておらず、誘導極部材12自体が、図2に示す誘導極片11bと同様の役割を果たす。
また、図7及び8に示す実施の形態では、誘導極部材13を、周方向に所定間隔を隔てて複数の隙間13aと、各隙間13aにより区切られた誘導極片13bとを設けた櫛状誘導極部材としている。図8に示すように、これら櫛状誘導極部材13は、径方向に所定間隔を隔てて設けられている。誘導極片13bは、直線により形成された形状を有している。なお、誘導極片13bの形状は、直線又は曲線のいずれにより形成された形状を有していても良い。
櫛状誘導極部材13と、図1の実施の形態の櫛状誘導極部材11との相違点は、櫛状誘導極部材13が、隣接する櫛状誘導極部材13と噛合するように設けられていない点である。
図8に示すように、径方向に隣接する誘導極片13b同士は、同位相に配置されている。ここで、図9に示すように、径方向に隣接する誘導極片13b同士を、異なる位相で(位相をずらして)配置しても良い。
また、図10及び11に示す実施の形態では、誘導極部材14の外側面(制動ディスク7と対向する側面)に、周方向に所定間隔を隔てて複数の溝14aを設け、各溝14aで区切られた複数の誘導極片14bを形成している。溝14aは、誘導極部材14の側面と並行に形成されている。
図11に示すように、径方向に隣接する誘導極片14b同士は、同位相に配置されている。ここで、図12に示すように、径方向に隣接する誘導極片14b同士を、異なる位相で(位相をずらして)配置しても良い。
なお、溝14aを、誘導極部材14の側面に対して斜めに形成した溝14c(図13参照)、又は、円弧により形成した溝14d(図14参照)としても良い。
また、図15及び16に示す実施の形態では、磁極部材15の両端面(より詳しくは、外筒15aの外側面、及び内筒15bの外側面)、及び誘導極部材16の外側面に、周方向に所定間隔を隔てて複数の溝15a、16aをそれぞれ設け、これら各溝15a、16aで区切られた複数の磁極片15b、及び誘導極片16bをそれぞれ形成している。ここで、溝15a、16aを、図13及び14の溝14c及び溝14dと同様の構成としても良い。
図16に示すように、径方向に隣接する磁極片15b同士、及び誘導極片16b同士は、同位相に配置されている。ここで、図17に示すように、径方向に隣接する磁極片15b同士、及び誘導極片16b同士を、異なる位相で(位相をずらして)配置しても良い。
また、図18に示す実施の形態では、誘導極部材17を、径方向の互いに同一の方向に延びるようにそれぞれ設けている。ここで、誘導極部材17に、図7〜14と同様の隙間13a、又は溝14a、14c、14dを形成しても良い。即ち、誘導極部材17に、図7〜12と同様の誘導極片13b、14bを形成しても良い。又は、磁極部材9及び誘導極部材17に、図15〜17と同様の溝15a、16aをそれぞれ形成しても良い。即ち、磁極部材9及び誘導極部材17に、図15〜17と同様の磁極片15b及び誘導極片16bを形成しても良い。
これらの実施の形態によれば、図1の実施の形態と同様に、制動ディスク7と対向する電磁石8の磁極面積を、大きくすることができる。また、これらの実施の形態においても、図1の実施の形態と同様に、制動ディスク7に作用する渦電流の発生量が充分に得られ、制動性能を向上することができる。
次に、更に他の実施の形態について説明する。
この実施の形態は、図1に示す磁極部材9の内部に永久磁石18を設けた点のみが図1の実施の形態と異なり、その他は同様となっている。よって、図1と同一部材には、同一符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
図19に示すように、永久磁石18は、磁極部材9の接続部9cの中央部に埋設されている。この永久磁石18は、リング状に形成されている(図23参照)。永久磁石18の両側面には、磁極面が形成されている。この磁極面の極性は、電磁コイル10の磁極の向きと一致するように形成される。
また、図21に示すように、永久磁石18は、磁極部材9の外筒9a、及び内筒9bに埋設されても良い。ここで、永久磁石18は、磁極部材9の外筒9a、又は内筒9bのうちいずれか一方にだけ埋設されても良い。
これらの実施の形態によれば、図19及び21に示すように、電磁コイル10を通電したとき、永久磁石18が電磁コイル10の磁力を補助するため、図1の実施の形態と比べて、電磁コイル10の電線の巻数を減らしても同等の制動性能を確保でき、電磁コイル10の小型化を図ることができる。
図20及び22に示すように、電磁コイル10の通電を切れば、永久磁石18は、磁極部材9によって磁気的に短絡されるため、永久磁石18の磁気が制動ディスク7側に漏れて、引きずりトルクが生じることはない。
なお、図24に示すように、永久磁石18は、周方向に複数分割された分割片18aを繋げてリング状に形成しても良く、また、分割片18aを周方向に間隔を隔てて配置しても良い。また、図25に示すように、永久磁石18は、周方向に複数分割された角型の分割片18bを繋げてリング状に形成しても良く、また、分割片18bを周方向に間隔を隔てて配置しても良い。これらのようにすると、永久磁石18を、一体成形するより、低コストで製造することができる。
次に、更に他の実施の形態について説明する。
この実施の形態は、図1に示す電磁コイル10を径方向に複数並設した点のみが図1の実施の形態と異なり、その他は同様となっている。よって、図1と同一部材には、同一符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
図26に示す実施の形態では、電磁コイル10を径方向に二個並設している。この実施の形態の磁極部材19は、端面20を有する外筒19aと、端面21を有する中筒19bと、端面22を有する内筒19cと、これら外筒19a、中筒19b及び内筒19cを接続して磁路を形成するための接続部(リング板等)19dとからなる。
図26に示すように、二個の電磁コイル10の磁極は、隣接する二個の電磁コイル10に挟まれた中央の磁極部材19の中筒19bが同一極(図例ではS極)となるように設定される。即ち、隣接する電磁コイル10では、電線を巻き付ける方向が異なる。
中央に配置される中筒19bは、両側に配置される外筒19a及び内筒19cより径方向に厚く形成している。この理由としては、中央に配置される中筒19bは、二個の電磁コイル10に挟まれており、磁束が多くなるためである。中央に配置される中筒19bと、両側に配置される外筒19a及び内筒19cとを同一厚さで形成すると、中央に配置される中筒19bの磁束密度が、両側に配置される外筒19a及び内筒19cの磁束密度に比べ高くなってしまう。
中筒19bの外周端部及び内周端部には、図2に示すものと同様の櫛状誘導極部材23が設けられている。図27に示すように、この実施の形態においては、中筒19bを挟んで設けられた誘導極片23bは、同位相で形成されている。ここで、図28に示すように、中筒19bを挟んで設けられた誘導極片23b同士を、異なる位相で(位相をずらして)配置しても良い。
また、図29に示すように、中筒19bの外周端部又は内周端部のうち一方にだけ、誘導極部材23を設けても良い(図例では、外周端部)。また、図30に示すように、電磁コイル10を軸方向に三個以上並設しても良い。
また、図26〜30に示す実施の形態において、電磁コイル10を径方向に複数並設するとしたが、独立した電磁石8を径方向に複数並設しても良い。この場合、図31に示すように、支持腕12に、各電磁石8が取り付けられる。
図31に示す実施の形態では、電磁石8を径方向に二個並設している。図31に示すように、二個の電磁コイル10の磁極は、間隔を隔てて隣接する磁極部材9の外筒9a又は内筒9bが同一極(図例では、S極)となるように設定される。即ち、隣接する電磁コイル10では、電線を巻き付ける方向が異なる。
また、図32に示すように、電磁石8を軸方向に三個以上並設しても良い。
これらの実施の形態において、誘導極部材11を、図5〜18と同様の構成としても良い。また、図19〜22と同様に、永久磁石18を、磁極部材9に埋設しても良い。
これらの実施の形態によれば、図1の実施の形態よりも磁極数が大幅に増えるので、渦電流式減速装置の制動性能を更に向上することができる。
次に、更に他の実施の形態について説明する。
この実施の形態は、これまでの実施の形態とは逆に、固定側に制動ディスクを設け、回転側に電磁石を設けたものである。
詳しくは、図33に示すように、固定側には、渦電流が生起される制動ディスク31が取り付けられている。制動ディスク31は、導電体且つ磁性体の材料からなり、リング状に形成されている。制動ディスク31の内方には、回転軸32が同芯的に配置され、軸受33によって軸支されている。
回転軸32には、制動ディスク31に渦電流を生起するための電磁石34が取り付けられている。この電磁石34は、回転軸32に取り付けられ径方向断面がコ字状であってその両端面38、39(開放側端面)が制動ディスク31に対向し回転軸32と同芯的に形成された円筒状の磁極部材35と、磁極部材35に回転軸廻りに電線を巻回してなる電磁コイル36と、磁極部材35に、制動ディスク31に対向させて設けられ、且つ、回転軸32の径方向に延びて形成された誘導極部材37とを備えている。
詳しくは、磁極部材35は、端面38を有する外筒35aと、端面39を有する内筒35bと、これら外筒35a及び内筒35bを接続して磁路を形成するための接続部(リング板等)35cとからなる。
具体的には、電磁コイル36は、内筒35bの外周面に電線を巻き付けてなる。電磁コイル35と、接続部35cの側面及び外筒35aの内周面との間には、電気的な絶縁が施してある。なお、図4と同様に、電磁コイル36と、接続部35cの側面及び外筒35aの内周面との間に隙間を設け、その隙間を耐熱性樹脂によりモールドしても良い。
なお、図示はしないが、電磁コイル36の側面にシール部材を貼り付けておいても良い。このシール部材は、制動ディスク31に作用する渦電流によって生じた熱が電磁コイル36側に伝達しないように断熱すると共に、ダストや水分等が電磁コイル36側に浸入することを防止する。シール部材は、隣接する磁極部材35同士(特に、外筒35aと内筒35b)が磁気的にショートすることを防止するため、非磁性体の材料からなる。
誘導極部材37は、磁極部材35(より詳しくは、外筒35aの内周端部、及び内筒35bの外周端部)にそれぞれ設けられると共に、外筒35aと内筒35bとの間の空間に延出している。つまり、両誘導極部材37は、径方向の互いに異なる方向に延びて形成されている。磁極部材35(外筒35a、内筒35b及び接続部35c)、及び誘導極部材37は、磁性体の材料からなる。また、これらは、一体形成されていても良い。
図34に示すように、誘導極部材37は、周方向に所定間隔を隔てて形成された複数の隙間37aと、各隙間37aにより区切られた複数の誘導極片37bとが設けられた櫛状誘導極部材である。本実施の形態の誘導極片37bは、曲線により形成された形状を有している。
櫛状誘導極部材37は、軸方向に隣接する櫛状誘導極部材同37士が、互いに接することなく噛合するように配置される。即ち、両櫛状誘導極部材37の誘導極片37bは、周方向に交互に配置される。また、両櫛状誘導極部材37の誘導極片37bは、その先端部が対向する誘導極片37bの先端部を超えて延出する。このように櫛状誘導極部材37を配置することにより、制動ディスク31に対向する電磁石34の磁極面積を最大限に設定することができる。
ここで、一方の櫛状誘導極部材37の誘導極片37bと、他方の櫛状誘導極部材37の誘導極片37bとの間隔は、制動ディスク31と電磁石34(誘導極片37bの外側面)との間隔より大きくするものとする。このようにすることにより、隣接する櫛状誘導極部材37(誘導極片37b)間で、短絡した磁束回路が形成されることはない。
なお、本実施の形態の誘導極片37bは、曲線により形成された形状を有しているとしたが、誘導極片37bは、直線により形成された形状を有していても良い(図3参照)。
減速制動時においては、電磁石34をブラシやスリップリング等を介して通電する。すると、電磁コイル36は、回転軸32廻りに電線を巻回して形成されているので、その径方向の内側に配置されている内筒35bの両端面がそれぞれ、N極、S極となる。また、接続部35cを介して内筒35bに接続されている外筒35aも磁化される。これにより、内筒35bの端面39がN極となると共に、外筒35aの端面38がS極となる。
このとき、外筒35aに設けられた櫛状誘導極部材37の誘導極片37bが全てS極となると共に、内筒35bに設けられた櫛状誘導極部材37の誘導極片37bが全てN極となる(図34参照)。
その結果、図33に示すように、磁極部材35(内筒35b)と、櫛状誘導極部材37(誘導極片37b)と、制動ディスク31と、櫛状誘導極部材37(誘導極片37b)と、磁極部材35(外筒35a、及び接続部35c)とを循環する磁束回路W2が形成される。これにより、電磁石34と制動ディスク31との相対回転によって、制動ディスク31の側面に渦電流が生起され、回転軸32が減速制動される。また、電磁石34の通電を切れば、減速制動が解除される。
次に、本実施の形態の作用について説明する。
この実施の形態においては、磁極部材35に、制動ディスク31に対向して誘導極部材37を設けている。この誘導極部材37は、回転軸32の軸方向に延びて形成されると共に、制動ディスク31の側面に対向するように配置される。これにより、制動ディスク31に対向する電磁石34の磁極面積を、図35に示した渦電流式減速装置に比べ大きくすることができる。そのため、制動ディスク31に作用する渦電流の発生量が、図35に示した渦電流式減速装置に比べて充分に得られる。
また、誘導極部材37を、周方向に所定間隔を隔てて形成された複数の隙間37aと、各隙間37aにより区切られた誘導極片37bとを設けた櫛状誘導極部材とすると共に、これら隣接する櫛状誘導極部材37同士を互いに接することなく、噛合するように配置している。このような構造とすることにより、制動ディスク31に対向する電磁石34の磁極面積を最大限に設定することができる。
このように、この実施の形態においては、制動ディスク31の側面に対向する電磁石34の磁極面積を最大限に設定している。そのため、制動ディスク31の側面の一部に磁束が集中して作用することはなく、制動ディスク31が局所的に発熱して、熱変形してしまうことはない。
また、本実施の形態では、誘導極部材(櫛状誘導極部材)37に、上述のような誘導極片37bを設けている。各隙間37aにより区切られた誘導極片37bは、制動ディスク31と電磁石34との間の磁気を断続的に遮断して、磁極変化(強弱)を起こさせる。これにより、渦電流が電磁石34内に発生し易くなり、制動力を高めることができる。そのため、制動ディスク31に作用する渦電流の発生量が充分に得られ、図35に示した渦電流式減速装置に比べて制動性能を向上することができる。
なお、この実施の形態において、誘導極部材37を、図5〜18と同様の構成としても良い。また、図19〜22と同様に、永久磁石18を、磁極部材35に埋設しても良い。また、図26〜32と同様に、電磁コイル36を径方向に二個以上並設しても良い。
1 回転軸
7 制動ディスク
8 電磁石
9 磁極部材
10 電磁コイル
11 誘導極部材
11a 隙間
11b 誘導極片
14 誘導極部材
14a 溝
14b 誘導極片
18 永久磁石
31 制動ディスク
32 回転軸
34 電磁石
35 磁極部材
36 電磁コイル
37 誘導極部材
37a 隙間
37b 誘導極片
W1 磁束回路
W2 磁束回路
7 制動ディスク
8 電磁石
9 磁極部材
10 電磁コイル
11 誘導極部材
11a 隙間
11b 誘導極片
14 誘導極部材
14a 溝
14b 誘導極片
18 永久磁石
31 制動ディスク
32 回転軸
34 電磁石
35 磁極部材
36 電磁コイル
37 誘導極部材
37a 隙間
37b 誘導極片
W1 磁束回路
W2 磁束回路
Claims (7)
- 回転軸に取り付けられ渦電流が生起される制動ディスクと、該制動ディスクに対向して固定側に取り付けられた電磁石とを備えた渦電流式減速装置であって、上記電磁石は、上記固定側に取り付けられ径方向断面がコ字状であってその両端面が上記制動ディスクに対向し上記回転軸と同芯的に形成された円筒状の磁極部材と、該磁極部材に上記回転軸廻りに電線を巻回してなる電磁コイルと、上記磁極部材に上記制動ディスクに対向させて設けられ且つ上記回転軸の径方向に延びて形成された誘導極部材とを備えたことを特徴とする渦電流式減速装置。
- 固定側に取り付けられ渦電流が生起される制動ディスクと、該制動ディスクに対向して回転軸に取り付けられた電磁石とを備えた渦電流式減速装置であって、上記電磁石は、上記回転軸に取り付けられ径方向断面がコ字状であってその両端面が上記制動ディスクに対向し上記回転軸と同芯的に形成された円筒状の磁極部材と、該磁極部材に上記回転軸廻りに電線を巻回してなる電磁コイルと、上記磁極部材に上記制動ディスクに対向させて設けられ且つ上記回転軸の径方向に延びて形成された誘導極部材とを備えたことを特徴とする渦電流式減速装置。
- 上記誘導極部材は、周方向に所定の間隔を隔てて複数の隙間が設けられた櫛状誘導極部材である請求項1又は2いずれか記載の渦電流式減速装置。
- 径方向に隣接する上記櫛状誘導極部材同士が、互いに接することなく噛合するように配置された請求項3記載の渦電流式減速装置。
- 上記誘導極部材の外側面に、周方向に所定間隔を隔てて複数の溝を設け、各溝で区切られた複数の誘導極片を形成した請求項1又は2いずれか記載の渦電流式減速装置。
- 上記電磁コイルは、上記回転軸の径方向に所定の間隔を隔てて複数配置され、上記磁極部材は、それら各電磁コイルを挟むように複数配置された請求項1〜5いずれか記載の渦電流式減速装置。
- 上記磁極部材に、永久磁石を埋設した請求項1〜6いずれか記載の渦電流式減速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003310005A JP2005080454A (ja) | 2003-09-02 | 2003-09-02 | 渦電流式減速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003310005A JP2005080454A (ja) | 2003-09-02 | 2003-09-02 | 渦電流式減速装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005080454A true JP2005080454A (ja) | 2005-03-24 |
Family
ID=34411998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003310005A Pending JP2005080454A (ja) | 2003-09-02 | 2003-09-02 | 渦電流式減速装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005080454A (ja) |
-
2003
- 2003-09-02 JP JP2003310005A patent/JP2005080454A/ja active Pending
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