JP3631788B2 - モータ - Google Patents
モータ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3631788B2 JP3631788B2 JP30456794A JP30456794A JP3631788B2 JP 3631788 B2 JP3631788 B2 JP 3631788B2 JP 30456794 A JP30456794 A JP 30456794A JP 30456794 A JP30456794 A JP 30456794A JP 3631788 B2 JP3631788 B2 JP 3631788B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnet
- divided
- eddy current
- motor
- armature coil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Brushless Motors (AREA)
- Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はステータとロータのうちいずれか一方に界磁用のマグネットを設け、他方に電機子コイルを設けたモータに係わり、特にマグネットの渦電流損の減少化を図ったモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばマグネット形ロータを備えた直流モータにあっては、ロータコアの外周部に筒状の界磁用マグネットを取着し、ステータに複数個の電機子コイルを装着する構成としている。そして、電機子コイルを順次通断電制御することにより、ロータを回転させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電機子コイルの通断電により、該電機子コイルの磁界の強さは強弱変化し、これに伴い界磁用のマグネットには、図7に矢印Aで示すような渦電流が誘起される。特に、マグネットをネオジューム−鉄−ボロン系、サマリューム−コバルト系の材料により形成したものでは、それらの抵抗率が前者では0.00013 Ω・cm、後者で0.00009 Ω・cmと小さいため、大きな渦電流が流れ、その損失が無視できないものとなり、モータとしての効率が低下したり、マグネットが発熱する等の問題を生じていた。
【0004】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電機子コイルの通電により界磁用マグネットに誘起される渦電流を減少し、渦電流損による電力損失を減少することができるモータを提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、第1の手段として、ステータとロータのうちいずれか一方に界磁用のマグネットを設け、他方に電機子コイルを設けたモータにおいて、前記マグネットを磁極の並ぶ方向と交差する方向に複数分割し、それら分割マグネットの相互間を絶縁したことを特徴とするものである。
【0006】
この場合、分割マグネットの相互間の絶縁は、絶縁層をコーティングした磁性体製の薄肉の板材により行う。また、更なる渦電流の減少化を図るために、分割マグネットのうち電機子コイルとの対向面に磁極の並ぶ方向に延びる凸部または凹部を磁極の並ぶ方向と交差する方向に複数形成することが好ましい。
【0008】
【作用】
上記第1の手段によれば、マグネットが複数個に分割された形態となっているから、渦電流の通路が狭くなって電気抵抗が増加する。このため、電機子コイルの通断電により生ずる磁界の強弱変化によってマグネットに誘起される渦電流を小さくすることができ、渦電流損による電力損失を減少できる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明をラジアルギャップ形の直流モータに適用した第1の実施例を図1〜図3に基づいて説明する。
モータの全体構成を示す図1において、一対の分割ケース1,2からなるモータケース3の内側には、積層鋼板からなるステータコア4の複数個の各ティース4aに電機子コイル5を巻装してなるステータ6が嵌着されている。
【0011】
一方、上記分割ケース1,2の端面部中央にはボールベアリングからなる軸受7,8が装着されており、この軸受7,8にロータ9のシャフト10が回転可能に支承されている。そして、シャフト10にはハブ11を介してロータ本体12が取着されており、このロータ本体12は鉄等の磁性体により有底の円筒状に形成されたロータヨーク13にマグネット14を取着して成る。
【0012】
上記マグネット14は、リング状の分割マグネット15を複数個軸方向に重ねて構成されており、それら分割マグネット15は例えばネオジューム−鉄−ボロン系、サマリューム−コバルト系の材料により形成され、N極とS極とが円周方向に交互に並ぶように着磁されている。従って、マグネット14は磁極の並ぶ方向と交差する方向すなわち軸方向に複数分割された形態となっている。そして、各分割マグネット15間には、図2に示すように表面に樹脂層などの絶縁層16aをコーティングした珪素鋼板などの磁性体からなる比較的薄肉のリング状の板材16が挟み付けられており、この板材16の絶縁層16aによって分割マグネット15の相互間が電気的に絶縁されている。
【0013】
上記構成において、モータの運転時、複数個の電機子コイル5は順次通断電制御される。この電機子コイル5の通断電により該電機子コイル5の磁界の強さが変化するため、その影響を受けてマグネット14に渦電流が発生する。この場合、マグネットが単一のマグネットで構成されている従来では渦電流は図10に矢印Aで示すようにマグネットMの軸方向全体を通路として流れるので、渦電流の通路としては広く、その電気的抵抗が小さいため、大きな電流値となる。
【0014】
しかしながら、本実施例によれば、マグネット14は磁極の並ぶ方向と交差する方向すなわちラジアルギャップ形モータにあっては軸方向に複数の分割マグネット15に分割されていることにより、渦電流は図3に矢印Bで示すように各分割マグネット15に流れるようになるので、渦電流の通路が狭くなり、この結果、分割マグネット15がネオジューム−鉄−ボロン系、サマリューム−コバルト系等の電気抵抗の小さな材料により形成されていても、渦電流の通路の電気抵抗としては大きくなり、小さな渦電流しか流れなくなる。従って、渦電流損が小さくなり、モータ効率が高くなる。
【0015】
ここで、渦電流損Weは一般には、We=σe・t2・f2・B2で表される。なお、σeは材料によって決まる定数、tは厚さ、fは交番磁界の周波数、Bは最大磁束密度である。従って、マグネット14を分割して厚さ(軸方向長さ)を小さくすることにより、渦電流損を小さくできることが理解される。
【0016】
ちなみに、渦電流は表層を流れるので、その渦電流を小さくするために、積層鋼板で構成された筒体をマグネットの外周部に嵌合することが考えられるが、このようにすると、ステータコアとマグネットとの間の距離が長くなるため、有効磁束密度が減少し、モータ効率が低下する。しかるに、本実施例では、積層鋼板からなる筒体を設けずとも渦電流の減少化を図ることができるので、ステータコア4とマグネット14との間の距離を短くでき、効率低下を避けることができるものである。
【0017】
また、本実施例では、分割マグネット15相互間の絶縁を、絶縁層16aをコーティングした磁性体製の板材16により行う構成としたことにより、板材16も磁化されて両側の分割マグネット16を吸引する力が生ずるので、分割マグネット15相互をS,Nの両極が円周方向に関して同一位置となるようにロータヨーク13に固定する場合、分割マグネット15の相互間に作用する反発力を小さくでき、その固定作業が行い易くなる。
【0019】
図4は本発明の第2の実施例を示すもので、前記第1の実施例との相違は、各分割マグネット15のうち電機子コイル5との対向面である外周面に、磁極の並ぶ方向である円周方向に延びて分割マグネット15を一周する凹部、この実施例では幅の狭い溝17を軸方向に複数本並行状態に形成したところにある。
【0020】
このように構成した場合には、渦電流が分割マグネット15の表層に流れることを考慮すると、各分割マグネット15が渦電流の通路に関して更に軸方向に分割されたことと同等となるので、当該通路が更に狭められたこととなり、渦電流を一層小さくすることができる。
【0021】
図5は本発明の第3の実施例を示すもので、前記第1の実施例との相違は、各分割マグネット15のうち電機子コイル5との対向面である外周面に、磁極の並ぶ方向である円周方向に延びて分割マグネット15を一周する凸部18を軸方向に複数個並行状態に形成したところにある。ここで、凸部18の軸方向幅寸法は、当該突部18を形成することによって凹部となる部分(符号19で示す部分)と同等に設定されている。
このように構成しても、各分割マグネット15が渦電流の通路に関して更に軸方向に分割されたと同等となるので、その通路が更に狭められたこととなり、渦電流を一層小さくすることができる。
なお、凸部18としては、溝17と同様の下幅の狭いものとしても良い。
【0026】
図6は本発明の第4の実施例を示す。この実施例は、界磁用のマグネット25と図示しない電機子コイルとが軸方向に対向するように配置したアキシャルギャップ形のモータに適用したもので、電機子コイルは、例えばステータヨークを構成する鋼板の表面上に絶縁部材を介して円形配置され、マグネット25は円盤状に形成され、電機子コイルと軸方向に対向するように円盤状のロータヨークに取着される。
【0027】
しかして、マグネット25は、N,Sの磁極の並ぶ方向である円周方向と交差する方向、すなわち径方向に複数に分割され、これら分割マグネット26を同心状に配置して構成されている。なお、分割マグネット26の相互間は図示はしないが、絶縁層によりコーティングされたリング状の鋼板、分割マグネット26にコーティングされた絶縁層等により電気的に絶縁されている。
このように構成しても、マグネット25において渦電流は径方向に流れるが、マグネット25は径方向に複数分割されているので、渦電流の通路が狭くなり、渦電流を小さくすることができる。
【0028】
本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、次のような変更または拡張が可能である。
分割マグネット26の電機子コイルとの対向面には、円周方向に延びる凸部或いは凹部を径方向に複数個形成しても良い。
電機子コイルをロータ側に設け、界磁用のマグネットをステータ側に設けるようにしても良い。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次のような効果を得ることができる
請求項1記載のモータでは、マグネットを磁極の並ぶ方向と交差する方向に複数分割し、それら分割マグネットの相互間を電気的に絶縁したことにより、マグネットに流れる渦電流(渦電流損)を小さくすることができ、効率が高くなる。
しかも、分割マグネットの相互間の電気的絶縁を、構成としたことにより、分割マグネットを結合するとき、分割マグネット間に作用する反発力を軽減することができるので、作業性が向上する。
【0032】
請求項2記載のモータでは、分割マグネットのうち電機子コイルとの対向面に磁極の並ぶ方向に延びる凸部または凹部を磁極の並ぶ方向と交差する方向に複数形成する構成としたことにより、渦電流を更に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す縦断側面図
【図2】界磁用のマグネットの部分縦断面図
【図3】界磁用のマグネットの部分展開図
【図4】本発明の第2の実施例を示す図2相当図
【図5】本発明の第3の実施例を示す図2相当図
【図6】本発明の第4の実施例を示す図2相当図
【図7】従来の界磁用のマグネットを示す図3相当図
【符号の説明】
3はモータケース、5は電機子コイル、6はステータ、9はロータ、14は界磁用のマグネット、15は分割マグネット、16は板材、16aは絶縁層、17は溝(凹部)、18は凸部、25はマグネット、26は分割マグネットである。
【産業上の利用分野】
本発明はステータとロータのうちいずれか一方に界磁用のマグネットを設け、他方に電機子コイルを設けたモータに係わり、特にマグネットの渦電流損の減少化を図ったモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばマグネット形ロータを備えた直流モータにあっては、ロータコアの外周部に筒状の界磁用マグネットを取着し、ステータに複数個の電機子コイルを装着する構成としている。そして、電機子コイルを順次通断電制御することにより、ロータを回転させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電機子コイルの通断電により、該電機子コイルの磁界の強さは強弱変化し、これに伴い界磁用のマグネットには、図7に矢印Aで示すような渦電流が誘起される。特に、マグネットをネオジューム−鉄−ボロン系、サマリューム−コバルト系の材料により形成したものでは、それらの抵抗率が前者では0.00013 Ω・cm、後者で0.00009 Ω・cmと小さいため、大きな渦電流が流れ、その損失が無視できないものとなり、モータとしての効率が低下したり、マグネットが発熱する等の問題を生じていた。
【0004】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電機子コイルの通電により界磁用マグネットに誘起される渦電流を減少し、渦電流損による電力損失を減少することができるモータを提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、第1の手段として、ステータとロータのうちいずれか一方に界磁用のマグネットを設け、他方に電機子コイルを設けたモータにおいて、前記マグネットを磁極の並ぶ方向と交差する方向に複数分割し、それら分割マグネットの相互間を絶縁したことを特徴とするものである。
【0006】
この場合、分割マグネットの相互間の絶縁は、絶縁層をコーティングした磁性体製の薄肉の板材により行う。また、更なる渦電流の減少化を図るために、分割マグネットのうち電機子コイルとの対向面に磁極の並ぶ方向に延びる凸部または凹部を磁極の並ぶ方向と交差する方向に複数形成することが好ましい。
【0008】
【作用】
上記第1の手段によれば、マグネットが複数個に分割された形態となっているから、渦電流の通路が狭くなって電気抵抗が増加する。このため、電機子コイルの通断電により生ずる磁界の強弱変化によってマグネットに誘起される渦電流を小さくすることができ、渦電流損による電力損失を減少できる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明をラジアルギャップ形の直流モータに適用した第1の実施例を図1〜図3に基づいて説明する。
モータの全体構成を示す図1において、一対の分割ケース1,2からなるモータケース3の内側には、積層鋼板からなるステータコア4の複数個の各ティース4aに電機子コイル5を巻装してなるステータ6が嵌着されている。
【0011】
一方、上記分割ケース1,2の端面部中央にはボールベアリングからなる軸受7,8が装着されており、この軸受7,8にロータ9のシャフト10が回転可能に支承されている。そして、シャフト10にはハブ11を介してロータ本体12が取着されており、このロータ本体12は鉄等の磁性体により有底の円筒状に形成されたロータヨーク13にマグネット14を取着して成る。
【0012】
上記マグネット14は、リング状の分割マグネット15を複数個軸方向に重ねて構成されており、それら分割マグネット15は例えばネオジューム−鉄−ボロン系、サマリューム−コバルト系の材料により形成され、N極とS極とが円周方向に交互に並ぶように着磁されている。従って、マグネット14は磁極の並ぶ方向と交差する方向すなわち軸方向に複数分割された形態となっている。そして、各分割マグネット15間には、図2に示すように表面に樹脂層などの絶縁層16aをコーティングした珪素鋼板などの磁性体からなる比較的薄肉のリング状の板材16が挟み付けられており、この板材16の絶縁層16aによって分割マグネット15の相互間が電気的に絶縁されている。
【0013】
上記構成において、モータの運転時、複数個の電機子コイル5は順次通断電制御される。この電機子コイル5の通断電により該電機子コイル5の磁界の強さが変化するため、その影響を受けてマグネット14に渦電流が発生する。この場合、マグネットが単一のマグネットで構成されている従来では渦電流は図10に矢印Aで示すようにマグネットMの軸方向全体を通路として流れるので、渦電流の通路としては広く、その電気的抵抗が小さいため、大きな電流値となる。
【0014】
しかしながら、本実施例によれば、マグネット14は磁極の並ぶ方向と交差する方向すなわちラジアルギャップ形モータにあっては軸方向に複数の分割マグネット15に分割されていることにより、渦電流は図3に矢印Bで示すように各分割マグネット15に流れるようになるので、渦電流の通路が狭くなり、この結果、分割マグネット15がネオジューム−鉄−ボロン系、サマリューム−コバルト系等の電気抵抗の小さな材料により形成されていても、渦電流の通路の電気抵抗としては大きくなり、小さな渦電流しか流れなくなる。従って、渦電流損が小さくなり、モータ効率が高くなる。
【0015】
ここで、渦電流損Weは一般には、We=σe・t2・f2・B2で表される。なお、σeは材料によって決まる定数、tは厚さ、fは交番磁界の周波数、Bは最大磁束密度である。従って、マグネット14を分割して厚さ(軸方向長さ)を小さくすることにより、渦電流損を小さくできることが理解される。
【0016】
ちなみに、渦電流は表層を流れるので、その渦電流を小さくするために、積層鋼板で構成された筒体をマグネットの外周部に嵌合することが考えられるが、このようにすると、ステータコアとマグネットとの間の距離が長くなるため、有効磁束密度が減少し、モータ効率が低下する。しかるに、本実施例では、積層鋼板からなる筒体を設けずとも渦電流の減少化を図ることができるので、ステータコア4とマグネット14との間の距離を短くでき、効率低下を避けることができるものである。
【0017】
また、本実施例では、分割マグネット15相互間の絶縁を、絶縁層16aをコーティングした磁性体製の板材16により行う構成としたことにより、板材16も磁化されて両側の分割マグネット16を吸引する力が生ずるので、分割マグネット15相互をS,Nの両極が円周方向に関して同一位置となるようにロータヨーク13に固定する場合、分割マグネット15の相互間に作用する反発力を小さくでき、その固定作業が行い易くなる。
【0019】
図4は本発明の第2の実施例を示すもので、前記第1の実施例との相違は、各分割マグネット15のうち電機子コイル5との対向面である外周面に、磁極の並ぶ方向である円周方向に延びて分割マグネット15を一周する凹部、この実施例では幅の狭い溝17を軸方向に複数本並行状態に形成したところにある。
【0020】
このように構成した場合には、渦電流が分割マグネット15の表層に流れることを考慮すると、各分割マグネット15が渦電流の通路に関して更に軸方向に分割されたことと同等となるので、当該通路が更に狭められたこととなり、渦電流を一層小さくすることができる。
【0021】
図5は本発明の第3の実施例を示すもので、前記第1の実施例との相違は、各分割マグネット15のうち電機子コイル5との対向面である外周面に、磁極の並ぶ方向である円周方向に延びて分割マグネット15を一周する凸部18を軸方向に複数個並行状態に形成したところにある。ここで、凸部18の軸方向幅寸法は、当該突部18を形成することによって凹部となる部分(符号19で示す部分)と同等に設定されている。
このように構成しても、各分割マグネット15が渦電流の通路に関して更に軸方向に分割されたと同等となるので、その通路が更に狭められたこととなり、渦電流を一層小さくすることができる。
なお、凸部18としては、溝17と同様の下幅の狭いものとしても良い。
【0026】
図6は本発明の第4の実施例を示す。この実施例は、界磁用のマグネット25と図示しない電機子コイルとが軸方向に対向するように配置したアキシャルギャップ形のモータに適用したもので、電機子コイルは、例えばステータヨークを構成する鋼板の表面上に絶縁部材を介して円形配置され、マグネット25は円盤状に形成され、電機子コイルと軸方向に対向するように円盤状のロータヨークに取着される。
【0027】
しかして、マグネット25は、N,Sの磁極の並ぶ方向である円周方向と交差する方向、すなわち径方向に複数に分割され、これら分割マグネット26を同心状に配置して構成されている。なお、分割マグネット26の相互間は図示はしないが、絶縁層によりコーティングされたリング状の鋼板、分割マグネット26にコーティングされた絶縁層等により電気的に絶縁されている。
このように構成しても、マグネット25において渦電流は径方向に流れるが、マグネット25は径方向に複数分割されているので、渦電流の通路が狭くなり、渦電流を小さくすることができる。
【0028】
本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、次のような変更または拡張が可能である。
分割マグネット26の電機子コイルとの対向面には、円周方向に延びる凸部或いは凹部を径方向に複数個形成しても良い。
電機子コイルをロータ側に設け、界磁用のマグネットをステータ側に設けるようにしても良い。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次のような効果を得ることができる
請求項1記載のモータでは、マグネットを磁極の並ぶ方向と交差する方向に複数分割し、それら分割マグネットの相互間を電気的に絶縁したことにより、マグネットに流れる渦電流(渦電流損)を小さくすることができ、効率が高くなる。
しかも、分割マグネットの相互間の電気的絶縁を、構成としたことにより、分割マグネットを結合するとき、分割マグネット間に作用する反発力を軽減することができるので、作業性が向上する。
【0032】
請求項2記載のモータでは、分割マグネットのうち電機子コイルとの対向面に磁極の並ぶ方向に延びる凸部または凹部を磁極の並ぶ方向と交差する方向に複数形成する構成としたことにより、渦電流を更に小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す縦断側面図
【図2】界磁用のマグネットの部分縦断面図
【図3】界磁用のマグネットの部分展開図
【図4】本発明の第2の実施例を示す図2相当図
【図5】本発明の第3の実施例を示す図2相当図
【図6】本発明の第4の実施例を示す図2相当図
【図7】従来の界磁用のマグネットを示す図3相当図
【符号の説明】
3はモータケース、5は電機子コイル、6はステータ、9はロータ、14は界磁用のマグネット、15は分割マグネット、16は板材、16aは絶縁層、17は溝(凹部)、18は凸部、25はマグネット、26は分割マグネットである。
Claims (2)
- ステータとロータのうちいずれか一方に界磁用のマグネットを設け、他方に電機子コイルを設けたモータにおいて、前記マグネットを磁極の並ぶ方向と交差する方向に複数分割し、それら分割マグネットの相互間を、絶縁層をコーティングした磁性体製の薄肉の板材により電気的に絶縁したことを特徴とするモータ。
- 分割マグネットのうち電機子コイルとの対向面に磁極の並ぶ方向に延びる凸部または凹部を磁極の並ぶ方向と交差する方向に複数形成したことを特徴とする請求項1記載のモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30456794A JP3631788B2 (ja) | 1994-12-08 | 1994-12-08 | モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30456794A JP3631788B2 (ja) | 1994-12-08 | 1994-12-08 | モータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08163801A JPH08163801A (ja) | 1996-06-21 |
JP3631788B2 true JP3631788B2 (ja) | 2005-03-23 |
Family
ID=17934553
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30456794A Expired - Fee Related JP3631788B2 (ja) | 1994-12-08 | 1994-12-08 | モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3631788B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000228838A (ja) | 1998-12-01 | 2000-08-15 | Toyota Motor Corp | 永久磁石モータ |
JP2000324736A (ja) * | 1999-05-12 | 2000-11-24 | Mitsubishi Electric Corp | 永久磁石型モータ |
JP2005354899A (ja) * | 2005-09-09 | 2005-12-22 | Mitsubishi Electric Corp | 永久磁石型モータ |
JP2008017671A (ja) * | 2006-07-10 | 2008-01-24 | Meidensha Corp | 永久磁石形回転電機 |
JP4241855B2 (ja) * | 2007-05-23 | 2009-03-18 | トヨタ自動車株式会社 | 永久磁石式回転電機および永久磁石式回転電機のロータ製造方法 |
JP5555982B2 (ja) * | 2008-03-21 | 2014-07-23 | セイコーエプソン株式会社 | ブラシレス電気機械 |
JP2020129890A (ja) * | 2019-02-08 | 2020-08-27 | 株式会社日立インダストリアルプロダクツ | 回転電機、及びエレベーター用巻上げ機システム |
-
1994
- 1994-12-08 JP JP30456794A patent/JP3631788B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08163801A (ja) | 1996-06-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7535145B2 (en) | Axial air gap-type electric motor | |
AU553994B2 (en) | Brushless disc-type dc motor or generator | |
US6172438B1 (en) | Two-phase permanent-magnet electric rotating machine | |
US6617746B1 (en) | Rotary electric motor having axially aligned stator poles and/or rotor poles | |
US6791222B1 (en) | Rotary electric motor having at least two axially air gaps separating stator and rotor segments | |
EP2394351B1 (en) | Electrical machine | |
US4322648A (en) | Permanent magnet motor armature | |
US4496887A (en) | Direct-current brushless motor | |
WO2003056688A1 (fr) | Generateur | |
JP2009136046A (ja) | トロイダル巻式回転電機 | |
JPS61180019A (ja) | 磁気軸受 | |
JPH0479741A (ja) | 永久磁石回転子 | |
JP3631788B2 (ja) | モータ | |
JP2001025183A (ja) | 電動機のステータ | |
JP3683455B2 (ja) | 永久磁石式モータ | |
JP5903510B2 (ja) | 回転電気機器 | |
CN111030402A (zh) | 方向性硅钢片轴向磁场电动机 | |
JP7172979B2 (ja) | 回転電機 | |
JP2004350492A (ja) | 軸流構造形式の電気機械 | |
JPS5932985B2 (ja) | 面対向モ−タ | |
CN112787438B (zh) | 旋转电机 | |
JP3109022B2 (ja) | インダクター型電動機 | |
JPS63202247A (ja) | 永久磁石を用いた電動機のロ−タ構造 | |
JP2875357B2 (ja) | 着磁装置 | |
JP2004222490A (ja) | 励磁機、界磁機、およびそれを用いた電動機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041214 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041220 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071224 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |