JP5947946B2 - 無励磁作動型電磁ブレーキ - Google Patents
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Description
ナーヨークの先端の磁極部に所定形状の切り欠き部を形成して、該インナーヨークとアウ
ターヨークとの間の磁気空隙部の部分を適正な体積となるように増大させる技術が開示さ
れている。
の状態とするためには、アウターヨークとインナーヨークとの間に所定のギャップを設け
る必要がある。そのギャップの精度を保つためには、インナーヨーク及びアウターヨーク
の高い加工精度及び組立精度が求められていた。
立精度に依存せずに、インナーヨークとアウターヨークとの間のギャップの精度を保つこ
とを目的とする。
ずに、インナーヨークとアウターヨークとの間のギャップの精度を保つことができる。
図1において、符号1は、静止体2から突出して設けられた回転軸3に装備された電磁
ブレーキである。この電磁ブレーキ1は、回転軸3に一体的に設けられたリング状のアー
マチュア4と、静止体2に固定され、かつ前記アーマチュア4と一定のギャップGaを置
いて対向して配置された電磁石組立体5とを備えている。
ト7により支持され、かつ軸方向に沿って電磁石組立体5と接離可能に装着されている。
このアーマチュア4は、軟磁性体で成形され、ばねプレート7により、常時、前記電磁石
組立体5から引き離される方向(図示左方向)に付勢されている。
びインナーヨーク521を備えている。つまり、回転軸3は、電磁石組立体5の軸線上に
挿通されている。アウターヨーク511とインナーヨーク521との間にある円筒状空隙
531内には、インナーヨーク521に巻回された電磁コイル541が収容されている。
部51a1が設けられ、この鍔部51a1が静止体2に固定されている。さらに、鍔部5
1a1の軸方向アーマチュア4側の面には、リング状かつ回転軸3と同軸方向の凸部51
b1が設けられ、この凸部51b1の内周側にリング状の凹部51c1が形成されている
。
にかつ前記アウターヨーク511の鍔部51a1と軸方向に対向するようにリング状の鍔
部52a1が設けられている。この鍔部52a1の軸方向静止体2側の面の外周側には、
リング状かつ回転軸3と同軸方向の凸部52b1が設けられ、この凸部52b1の内周側
にリング状の凹部52c1が形成されている。インナーヨーク521の凸部52b1及び
凹部52c1はそれぞれ、アウターヨーク51の凸部51b1及び凹部51c1と軸方向
に対向するように位置合わせがなされている。
1とで形成される円環状空間には、リング状の永久磁石551が設けられている。永久磁
石551は、インナーヨーク521の鍔部52a1側の軸方向端面がN極、アウターヨー
ク511の鍔部51a1側の軸方向端面がS極となるように着磁されている。
1とに挟まれるようにリング状のギャップ材561が設けられている。ギャップ材561
の内径は、永久磁石551の外径よりも大きいか又は等しい。このギャップ材561の材
質は非磁性体であり、銅又はステンレス鋼が好ましい。このようなギャップ材561によ
り、アウターヨーク511の凸部51b1と、インナーヨーク521の凸部52b1との
間にリング状のギャップGb1が軸方向に設けられる。このギャップGb1は、前記永久
磁石551の径方向外側に位置している。ギャップGb1の軸方向の長さLGb1は、ギ
ャップ材561の軸方向の肉厚と等しく、かつ永久磁石551の軸方向の肉厚L1よりも
小さい。
破線矢印により示している。永久磁石551の漏れ磁束については後述する。有効磁束φ
mは、永久磁石551のN極から、インナーヨーク521内をアーマチュア4に向かって
軸方向に通過しアーマチュア4の内周側の領域に流入する。この有効磁束φmは、アーマ
チュア4内を径方向外向きに通過してアーマチュア4の外周側の領域からアウターヨーク
511に流入する。有効磁束φmはさらに、アウターヨーク511内を鍔部51a1に向
かって軸方向に通過し、鍔部51a1内を径方向内向きに通過して永久磁石551のS極
に至る。このように還流する有効磁束φmにより、電磁コイル541が無励磁の状態では
、アーマチュア4がばねプレート7の付勢力に抗して電磁石組立体5に吸着されるため、
回転軸3の回転にブレーキが働く。
に所定値の電流を流すと、磁束φmと大きさがほぼ同じで向きが逆方向の磁束φcが図1
(B)の破線矢印に示すように生じる。磁束φcは、インナーヨーク521内を鍔部52
a1に向けて軸方向に通過し、永久磁石551を迂回するように、鍔部52a1内を径方
向外向きに通過し、かつ凸部52b1内を軸方向に通過してギャップGb1に流入する。
この磁束φcは、ギャップGb1を軸方向に通過してアウターヨーク511の凸部51b
1に流入し、鍔部51a1内を径方向外向きに通過し、アウターヨーク511内をアーマ
チュア4に向かって軸方向に通過する。磁束φcはさらに、ギャップGaを経たうえでア
ーマチュア4の外周側の領域に流入し、アーマチュア4内を径方向内向きに通過してアー
マチュア4の内周側の領域からギャップGaを経たうえでインナーヨーク521に流入す
る。このように、磁束φcが前記有効磁束φmとは逆方向に還流することにより、磁束φ
mと磁束φcとが互いに打ち消し合って、その差がある値以下となるため、ばねプレート
7の付勢力によりアーマチュア4は電磁石組立体5への吸着から解放される。その結果、
ブレーキトルクは零となる。
さを上回り、その差が大きくなるため、アーマチュア4は再び電磁石組立体5に吸着され
る。つまり、ブレーキトルクが再び生じる。したがって、永久磁石551により生じる磁
界の強さと、ばねプレート7の付勢力とに合わせて、電磁コイル541への励磁電流の向
き及び大きさを調整することにより、ブレーキトルクを制御することができる。
成されたギャップGb1を通過する。そのため、ギャップ材561及びギャップGb1を
それぞれ、バイパスギャップ材561及びバイパスギャップGb1とも呼ぶ。
対応する等価な磁気回路を図2(A)及び(B)に示している。
回路を示している。同図において、起磁力Emの永久磁石551により生じる磁束は、ア
ーマチュア4に達する前記有効磁束φmと、アーマチュア4には達せずにバイパスギャッ
プGb1を通る漏れ磁束φmLとに分けられる。まず有効磁束φmは、アーマチュア4と
電磁石組立体5との間のギャップGaによる磁気抵抗Rga1及びRga2を通過する。
これに対し、漏れ磁束φmLは、バイパスギャップGb1による磁気抵抗Rgbを通過す
る。アーマチュア4側に流れる有効磁束φmにより、アーマチュア4が電磁石組立体5に
吸着され、同図において電磁ブレーキ1は作動状態にある。
価な磁気回路を示している。同図において、起磁力Ecの電磁コイル541により生じる
磁束φcは、磁気抵抗Rga1及びRga2を、永久磁石551の有効磁束φmとは逆向
きに通過するとともに、磁気抵抗Rgbを通過する。そして、永久磁石551による有効
磁束φmと電磁コイル541による磁束φcとが互いに打ち消し合い、その差がある値以
下になるため、アーマチュア4が電磁石組立体5への吸着から解放され、同図において電
磁ブレーキ1は非作動状態になる。
ュア4の解放に必要な電磁コイル541の起磁力Ecを小さくすることができ、結果とし
てアーマチュア4を容易に解放することができる。その一方で、磁気抵抗Rgbをある程
度大きくして、永久磁石551の漏れ磁束φmLを小さくすることで、無励磁の状態にお
いて電磁ブレーキ1を効率的に作動させることができる。つまり、バイパスギャップGb
1による磁気抵抗Rgbの値は、ある数値範囲内に収める必要があり、そのためには、バ
イパスギャップGb1の軸方向の長さLGb1を適当な数値範囲に限定する必要がある。
ることができるため、アウターヨーク511及びインナーヨーク521の加工精度及び組
立精度に依存せずしてバイパスギャップGb1の長さLGb1の精度を保つことができる
。加えて、バイパスギャップ材561が設けられていることにより、バイパスギャップG
b1を経由したゴミなどの侵入及び付着を防ぐことができる。
上記第1の実施形態を変更した実施形態を図3に示している。まず、アウターヨーク5
12とインナーヨーク522との間にある円筒状空隙532内には、インナーヨーク52
2に巻回された電磁コイル542が収容されている。そして、インナーヨーク522の鍔
部52a2が静止体2に固定されている。さらに、鍔部52a2の軸方向アーマチュア4
側の面には、リング状かつ回転軸3と同軸方向の凸部52b2が設けられ、この凸部52
b2の外周側にリング状の凹部52c2が形成されている。
向に対向するように設けられている。この鍔部51a2の軸方向静止体2側の面の内周側
には、リング状かつ回転軸3と同軸方向の凸部51b2が設けられ、この凸部51b2の
外周側にリング状の凹部51c2が形成されている。アウターヨーク51の凸部51b2
及び凹部51c2はそれぞれ、インナーヨーク522の凸部52b2及び凹部52c2と
軸方向に対向するように位置合わせがなされている。
2とに挟まれるように、リング状の永久磁石552が設けられている。さらに、アウター
ヨーク512の凸部51b2と、インナーヨーク522の凸部52b2とに挟まれるよう
にリング状のバイパスギャップ材562が設けられている。バイパスギャップ材562の
外径は、永久磁石552の内径よりも小さいか又は等しい。このバイパスギャップ材56
2によるバイパスギャップGb2は、前記永久磁石552の径方向内側に位置している。
バイパスギャップGb2の軸方向の長さLGb2は、ギャップ材562の軸方向の肉厚と
等しく、かつ永久磁石552の軸方向の肉厚L2よりも小さい。
方向内側にバイパスギャップGb2を設けている。このような本実施形態によっても、図
2に示したような磁気回路が得られ、第1の実施形態と同様の作用及び効果を得ることが
できる。
ハイブリッド型ステッピングモーターのロータに使用している永久磁石を電磁ブレーキ
1の永久磁石551及び552として流用することができる。静止体2がハイブリッド型
ステッピングモーターの場合には、部品の種類を削減することができる。さらに、ハイブ
リッド型ステッピングモーターのロータと電磁石組立体5とに、永久磁石のもととなる着
磁前の素材を組み込んだうえで、電磁ブレーキ1をハイブリッド型ステッピングモーター
に組み付け、前記ロータの着磁前の素材と電磁石組立体5の着磁前の素材とに対して同時
に着磁を施すことができる。これにより、工数を削減することができる。
弧状に分割した形状でもよい。
付勢する任意の付勢手段を用いることができる。
る磁束φcの方向は、図示したものに限られず、磁束φmとは逆方向に磁束φcが生じれ
ばよい。
的に説明した。しかし、本発明は、このような実施形態に限定されず、当業者にとって明
らかな変更、修正は、全て本発明の技術的範囲に含まれる。
2 静止体
3 回転軸
4 アーマチュア
5 電磁石組立体
6 ハブ
7 ばねプレート
511、512 アウターヨーク
51a1、51a2 鍔部
51b1、51b2 凸部
51c1、51c2 凹部
521、522 インナーヨーク
52a1、52a2 鍔部
52b1、52b2 凸部
52c1、52c2 凹部
531、532 円筒状空隙
541、542 電磁コイル
551、552 永久磁石
561、562 ギャップ材
Ga ギャップ
Gb1、Gb2 バイパスギャップ
LGb1 バイパスギャップGb1の軸方向の長さ
LGb2 バイパスギャップGb2の軸方向の長さ
L1、L2 肉厚
Em 永久磁石の起磁力
Ec コイルの起磁力
φm 永久磁石の有効磁束
φmL 永久磁石の漏れ磁束
φc 電磁コイルによる磁束
Rga1 ギャップGaによる磁気抵抗
Rga2 ギャップGaによる磁気抵抗
Rgb バイパスギャップGbによる磁気抵抗
Claims (2)
- アウターヨーク及びインナーヨークを同軸二重円筒状に形成して静止体に固定し、前記アウターヨークと前記インナーヨークとの間の円筒状空隙部に電磁コイルを収容して電磁石組立体を構成し、リング状又はリングを周方向に所定の間隔で略円弧状に分割した形状の永久磁石を前記電磁石組立体内に設け、前記電磁石組立体と軸方向に対向するようにアーマチュアを前記電磁石組立体に対して接離可能に配置するとともに、該アーマチュアを、前記電磁石組立体の軸線上に挿通した、前記静止体から突出するように設けられた回転軸に一体的に設け、かつ該アーマチュアを前記電磁石組立体から引き離す方向に付勢する付勢手段を設け、前記永久磁石によって、前記電磁コイルが励磁されない状態では、前記アーマチュアを前記付勢手段の付勢力に抗して前記電磁石組立体に吸着させて前記回転軸の回転を制動するとともに、前記電磁コイルが励磁されると前記永久磁石の磁束を打ち消す磁束が発生し、前記付勢手段の付勢力により前記アーマチュアを吸着から解放して前記回転軸に対する制動を解除する無励磁作動型電磁ブレーキにおいて、
前記アウターヨークの軸方向一端から径方向内側に突出するようにリング状の鍔部が設けられるとともに、前記インナーヨークの軸方向一端から径方向外側に突出するようにリング状の鍔部が設けられ、前記アウターヨークの鍔部又は前記インナーヨークの鍔部が直接、前記静止体に固定され、一方の鍔部に他方の鍔部と軸方向に対向させて凸部が設けられ、前記凸部により形成される凹部と前記他方の鍔部との間に、軸方向に着磁された前記永久磁石が配置され、前記凸部と前記他方の鍔部との間に非磁性体からなるギャップ材が設けられることを特徴とする無励磁作動型電磁ブレーキ。 - 前記ギャップ材が銅又はステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1に記載の無励磁作動型電磁ブレーキ。
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