JP2008086166A - ミシン駆動用モータ - Google Patents
ミシン駆動用モータ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008086166A JP2008086166A JP2006265726A JP2006265726A JP2008086166A JP 2008086166 A JP2008086166 A JP 2008086166A JP 2006265726 A JP2006265726 A JP 2006265726A JP 2006265726 A JP2006265726 A JP 2006265726A JP 2008086166 A JP2008086166 A JP 2008086166A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- yoke
- sewing machine
- magnetic
- driving motor
- permanent magnets
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
- Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
Abstract
【課題】モータ駆動中に、ヨークのうち複数の永久磁石の間の隙間に対応する部位に磁束が集中してヨークの磁束密度が飽和状態になりモータの効率が低下する。ヨークを厚肉化すると慣性モーメントが増大して、モータの加減速特性が低下し、モータが大型化し製作コストが高価になる。
【解決手段】ミシン駆動用モータ1はアウターロータ形のブラシレスモータであり、モータ駆動中に、9つの励磁コイル27付き固定励磁体4に駆動電流が供給されると、8つの永久磁石7と、ヨーク6と、非磁性カバー5と、円筒ホルダー12及び軸部材3が一体的に回転し、ミシン主軸を回転駆動する。ヨーク6外周部のうち、複数の永久磁石7の間の間隙に対応する部位に磁路拡大用突出部28が夫々形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】ミシン駆動用モータ1はアウターロータ形のブラシレスモータであり、モータ駆動中に、9つの励磁コイル27付き固定励磁体4に駆動電流が供給されると、8つの永久磁石7と、ヨーク6と、非磁性カバー5と、円筒ホルダー12及び軸部材3が一体的に回転し、ミシン主軸を回転駆動する。ヨーク6外周部のうち、複数の永久磁石7の間の間隙に対応する部位に磁路拡大用突出部28が夫々形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、アウターロータ形のミシン駆動用モータに関し、特に、複数の永久磁石の間の間隙に対応する部位でヨークの外周部に磁路拡大用突出部を形成して、漏洩磁束を少なくして出力向上を可能にしたミシン駆動用モータに関するものである。
従来から、ミシンの主軸を駆動する駆動モータとして、ステータの外側に回転子を設けたアウターロータ形の駆動モータ(ブラシレスモータ)が使用されていた。
例えば、特許文献1には、複数の励磁コイル付きの固定励磁体に選択的に駆動電流を供給して、ミシン主軸に連結された回転軸と、カバーと、永久磁石と、ヨーク(継鉄)とを一体的に回転するように構成したミシンの駆動装置が開示されている。
例えば、特許文献1には、複数の励磁コイル付きの固定励磁体に選択的に駆動電流を供給して、ミシン主軸に連結された回転軸と、カバーと、永久磁石と、ヨーク(継鉄)とを一体的に回転するように構成したミシンの駆動装置が開示されている。
このミシンの駆動装置は、ミシン機枠に複数(例えば12個)の励磁コイル付きの固定励磁体と、回転軸に回転可能に支持された円筒形状の非磁性カバーと、この非磁性カバーの内周面に固着された円筒形のヨークと、このヨークの内周面に沿って所定間隔おきに複数の固定励磁体に対向するように環状に配置された複数(例えば4個)の永久磁石とが設けられている。
永久磁石の近傍に配設された複数(例えば2個)のホール素子(磁気検出センサ)により、回転する永久磁石のN極の回転位置が検出され、その検出信号が励磁回路に出力される。励磁回路により、複数の固定励磁体の励磁コイルに駆動電流が供給され、そのホール素子からの検出信号に基づいて、永久磁石の位置と励磁コイルを励磁するタイミングが最適となるように前記駆動電流が切換え制御される。そして、励磁コイルで発生する磁界と永久磁石との吸引・反発作用により、複数の永久磁石が、ヨーク及び非磁性カバーと一体的に回転駆動される。この回転駆動力を回転軸からミシン主軸へ伝達してミシン主軸を回転駆動するようになっている。
特開昭56−89296号公報
特許文献1のアウターロータ形ブラシレスモータを含めて、従来のアウターロータ形ブラシレスモータでは、図6(磁束密度分布図)に示すように、全周にわたって等しい厚さのヨーク102が採用されている。8つの永久磁石100は、放射方向外向きの磁界を発生させる磁石と、放射方向内向きの磁界を発生させる磁石とが交互に配設され、各永久磁石100からの磁束101(磁力線)はヨーク102を透過して隣接する永久磁石100へ導くように構成されている。モータ駆動状態のとき、ヨーク102における、8つの永久磁石100の間の間隙100aに対応する部位では、N極からS極へ向かう全部の磁束が集中するため、ヨーク102における磁束密度が飽和状態に達し、かなりの磁束101は漏洩磁束としてヨークの外部へ漏洩する。その結果、永久磁石100で発生する磁束を出力トルクに有効に変換できず、モータ効率の低下、出力低下を招くという問題がある。
ここで、前記ヨークの全体を厚くすることが考えられるが、ヨークを厚くするとヨークの重量が増加し、ロータの慣性モーメントが大きくなり、モータ起動時の加速特性が低下する。また、モータが大型化し、ミシンの製作コストが高価になる。
本発明の目的は、永久磁石の間の隙間に対応するヨークの部位における磁束密度の飽和を確実に防止しつつ、ヨークを薄肉化してロータの慣性モーメントを低減し、モータの加速特性、減速特性を向上させることのできるミシン駆動用モータを提供することである。
請求項1のミシン駆動モータは、ミシンの主軸に作動的に連結された回転軸と、回転軸の外側に配置されるとともにミシン機枠に固定配置され、回転軸を中心とする放射方向の磁界を発生し得る複数の励磁コイル付きの固定励磁体と、回転軸に固着され且つ複数の固定励磁体を収容する円筒部を有する非磁性カバーと、非磁性カバーの円筒部の内周部に取り付けられたヨークと、固定励磁体に対向するようにヨークの内周面に所定間隔おきに固着された複数の永久磁石とを備えたミシン駆動用モータにおいて、ヨーク外周部のうち複数の永久磁石の間の間隙に対応する部位に、磁路拡大用突出部を形成したものである。
このミシン駆動用モータはアウターロータ形のモータであり、モータ駆動状態のとき、複数の固定励磁体の励磁コイルに駆動電流が供給されると、回転軸と、非磁性カバーと、ヨークと、複数の永久磁石とが一体となって回転する。
ヨークの外周部には複数の磁路拡大用突出部が形成され、この複数の磁路拡大用突出部が、複数の永久磁石の間の間隙に対応する部位に設けられたので、永久磁石の間の間隙に対応する部位においてヨークに磁束が集中しても、磁路拡大用突出部により磁路が拡大しているため、その永久磁石の間の間隙に対応する部位における磁束の磁束密度が飽和状態に達することはない。
ヨークの外周部には複数の磁路拡大用突出部が形成され、この複数の磁路拡大用突出部が、複数の永久磁石の間の間隙に対応する部位に設けられたので、永久磁石の間の間隙に対応する部位においてヨークに磁束が集中しても、磁路拡大用突出部により磁路が拡大しているため、その永久磁石の間の間隙に対応する部位における磁束の磁束密度が飽和状態に達することはない。
請求項2のミシン駆動用モータは、請求項1の発明において、ヨーク内周部のうち複数の永久磁石の間の間隙に対応する部位に、間隙に係合する回り止め用凸部を形成したものである。
請求項3のミシン駆動用モータは、請求項1又は2の発明において、非磁性カバーは、合成樹脂材料で構成されて主軸を手動で回転操作するハンドホイールを兼用するように構成されたものである。
請求項3のミシン駆動用モータは、請求項1又は2の発明において、非磁性カバーは、合成樹脂材料で構成されて主軸を手動で回転操作するハンドホイールを兼用するように構成されたものである。
請求項4のミシン駆動用モータは、請求項1〜3の何れかの発明において、ブラシレスモータである。
請求項5のミシン駆動用モータは、請求項1又は2の発明において、ヨークは磁性材料の焼結材で構成されたものである。
請求項6のミシン駆動用モータは、請求項1又は2の発明において、ヨークは軟磁性材料からなるものである。
請求項5のミシン駆動用モータは、請求項1又は2の発明において、ヨークは磁性材料の焼結材で構成されたものである。
請求項6のミシン駆動用モータは、請求項1又は2の発明において、ヨークは軟磁性材料からなるものである。
請求項1の発明によれば、回転軸の外側に配置されるとともにミシン機枠に固定配置された複数の励磁コイル付きの固定励磁体と、回転軸に固着され且つ複数の固定励磁体を収容する非磁性カバーと、この非磁性カバーの内周部に取り付けられたヨークと、固定励磁体に対向するようにヨークの内周面に所定間隔おきに固着された複数の永久磁石とを備え、ヨーク外周部のうち複数の永久磁石の間の間隙に対応する部位に、磁路拡大用突出部を形成したので、モータ駆動状態のとき、前記磁路拡大用突出部によりヨークのうちの前記複数の部位における磁路が拡大されているため、ヨークを透過する磁束の磁束密度が飽和状態に達することはなく、漏洩磁束が殆ど解消されるため、複数の永久磁石からの磁束を回転軸を回転させる出力トルクに有効に変換でき、モータ効率を高めることができる。
前記ヨークに複数の磁路拡大用突出部を形成するため、複数の磁路拡大用突出部以外のヨークの部分の肉厚(径方向肉厚)を薄肉化でき、アウターロータの慣性モーメントを低減できるため、モータの加速特性、減速特性の向上を図ることができる。
請求項2の発明によれば、ヨーク内周部のうち複数の永久磁石の間の間隙に対応する部位に、前記間隙に係合する回り止め用凸部を形成したので、その回り止め用凸部により、組み立て時において複数の永久磁石の位置決めを容易に行うことができるうえ、前記ヨークと複数の永久磁石の周方向の相対位置が変動しないように規制することができる。
請求項3の発明によれば、非磁性カバーは、合成樹脂材料で構成されて主軸を手動で回転操作するハンドホイールを兼用するように構成されたので、部品点数を削減してモータの製作費を低減することができる。
請求項4の発明によれば、ミシン駆動用モータはブラシレスモータであるので、ロータが回転軸とヨークと複数の永久磁石からなるロータの慣性モーメントを低減できる。
請求項5の発明によれば、ヨークは磁性材料の焼結材で構成されたので、所望形状のヨークを容易に製作することができる。
請求項6の発明によれば、ヨークは軟磁性材料からなるので、永久磁石で発生する磁束をヨークを通して強い磁場を発生させることができる。
請求項6の発明によれば、ヨークは軟磁性材料からなるので、永久磁石で発生する磁束をヨークを通して強い磁場を発生させることができる。
本発明のミシン駆動用モータは、回転軸の外側に配置されるとともにミシン機枠に固定配置された複数の励磁コイル付きの固定励磁体と、回転軸に固着され且つ複数の固定励磁体を収容する非磁性カバーと、この非磁性カバーの内周部に取り付けられたヨークと、固定励磁体に対向するようにヨークの内周面に所定間隔おきに固着された複数の永久磁石とを備え、ヨーク外周部のうち複数の永久磁石の間の間隙に対応する部位に、磁路拡大用突出部を形成して、ヨークを流れる磁束の磁束密度の飽和状態を防止するよう構成されたものである。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ミシン駆動用モータ1は、アウターロータ形のブラシレスモータであり、ミシンの主軸2に連結された円筒ホルダー12及び軸部材3と、9個の励磁コイル付きの固定励磁体4と、これら各固定励磁体4を収容する非磁性カバー5と、ヨーク6と、8個の永久磁石7とを備えている。尚、円筒ホルダー12と軸部材3が、このミシン駆動用モータ1の「回転軸」に相当する。
図1に示すように、ミシン駆動用モータ1は、アウターロータ形のブラシレスモータであり、ミシンの主軸2に連結された円筒ホルダー12及び軸部材3と、9個の励磁コイル付きの固定励磁体4と、これら各固定励磁体4を収容する非磁性カバー5と、ヨーク6と、8個の永久磁石7とを備えている。尚、円筒ホルダー12と軸部材3が、このミシン駆動用モータ1の「回転軸」に相当する。
主軸2は、ボールベアリング10を介してミシン機枠8に形成された開口11に回転可能に支持され、ボールベアリング10はミシン機枠8に複数のビス9で固定保持された部材で支持されている。主軸2の右端部分はミシン機枠8の右端面から所定長さ突出し、この主軸2の突出部分には、円筒ホルダー12の左側約半分が外嵌され、この円筒ホルダー12の穴付き環状壁14に右方から挿通させたボルト13を主軸2の右端部のボルト穴に螺合することで、円筒ホルダー12が主軸2に固定されている。
円筒ホルダー12の途中部に形成したネジ孔に螺合したセットビス17の先端を、ミシンの主軸2に形成した面取り部16に当接させることで、主軸2に対して円筒ホルダー12が軸心方向に位置決めされ、両者の相対回転も規制されている。
円筒ホルダー12の途中部に形成したネジ孔に螺合したセットビス17の先端を、ミシンの主軸2に形成した面取り部16に当接させることで、主軸2に対して円筒ホルダー12が軸心方向に位置決めされ、両者の相対回転も規制されている。
軸部材3は、円筒ホルダー12の右半部に形成された収容穴18に前方から挿入されて、軸部材3の先端部が収容穴18の奥部のネジ穴に螺合され、軸部材3の鍔部19が環状段付部20に当接している。軸部材3には右端に開放状の六角穴が形成されている。
非磁性カバー5は、断熱性に優れた工業用合成樹脂材料で形成され、前記各固定励磁体4を収容する円筒部21と、円筒部21の右端寄り部の内周側の端壁部22とを有している。円筒ホルダー12の鍔部12aが端壁部22の左端面の嵌合凹部に嵌合され、その鍔部12aが複数のビス23により端壁部22に固定されている。非磁性カバー5は、主軸2と円筒ホルダー12及び軸部材3と一体回転するように構成されている。非磁性カバー5の円筒部21は、作業者がミシンの主軸2を手動で回転操作するハンドホイールを兼用するように構成されている。
非磁性カバー5は、断熱性に優れた工業用合成樹脂材料で形成され、前記各固定励磁体4を収容する円筒部21と、円筒部21の右端寄り部の内周側の端壁部22とを有している。円筒ホルダー12の鍔部12aが端壁部22の左端面の嵌合凹部に嵌合され、その鍔部12aが複数のビス23により端壁部22に固定されている。非磁性カバー5は、主軸2と円筒ホルダー12及び軸部材3と一体回転するように構成されている。非磁性カバー5の円筒部21は、作業者がミシンの主軸2を手動で回転操作するハンドホイールを兼用するように構成されている。
前記各固定励磁体4をミシン機枠8に固定する為の円筒段付台25は、大径部25aと、この大径部25aの右端部に段付き状に一体形成されて右方へ延び且つ円筒ホルダー12に僅かの隙間をあけて外嵌された小径筒部25bとを有し、大径部25aが複数のボルト24によりミシン機枠8に固定されている。
図2、図3に示すように、前記各固定励磁体4は、円筒ホルダー12の軸心に対して周方向に等間隔おきに放射方向(半径方向)向きに配設されている。各固定励磁体4における励磁コイル27を巻装する突極部26aは、内周リング部26bから半径方向(放射方向)へ突出するように一体的に形成され、9個の突極部26aと内周リング部26bからなる磁極鉄心26は、図3に示す形状の磁極板を多数積層して構成されている。前記磁極板は鉄板又は珪素鋼板からなる。
内周リング部26bは、円筒段付台25の小径筒部25bに外嵌固着され、こうして、前記各固定励磁体4は、円筒段付台25を介してミシン機枠8に固定されている。前記各固定励磁体4は、磁極鉄心26の突極部26aに多重に外装され円筒ホルダー12の軸心に対して半径方向外向き又は内向き磁界を発生し得る励磁コイル27を有する。
図1,図2に示すように、非磁性カバー5の円筒部21の左半部の内側には、環状のヨーク6が取り付けられている。そのヨーク6の内周面に8個の断面円弧状の永久磁石7が、前記各固定励磁体4に対向するように等間隔おきに配設されている。これら永久磁石7は、放射方向外向きの磁界を発生させる磁石と、放射方向内向きの磁界を発生させる磁石とを周方向に交互に配置し、隣接する永久磁石7の間には数mmの間隙7aが形成されている。これらの永久磁石7は、エポシキ系接着剤によりヨーク6の内周面に接着されている。これらの永久磁石7は、強力な磁界を発生する希土類磁石からなる。
図2,図3に示すように、ヨーク6は軟磁性材料でもって軸方向に所定の長さ(突極部の軸方向長さとほぼ等しい長さ)を有する円環体に形成されている。前記ヨーク6外周部には8つの磁路拡大用突出部28が形成され、ヨーク6内周部には8つの回り止め用凸部29が形成されている。このヨーク6は、薄い軟電磁鋼板を多数積層して構成されている。図4に示すように、前記ヨーク6は、非磁性カバー5を成形する際にインサート成形することで非磁性カバー5に一体化される。
磁路拡大用突出部28は、外側へ湾曲状に山形に膨らんだ形状に形成され、前記間隙7aに対応する部位に夫々形成されている。磁路拡大用突出部28の内周側端部の周方向幅は前記間隙7aの約3〜4倍の幅に形成され、磁路拡大用突出部28の厚さは、ヨーク6の薄肉部6aの厚さとほぼ等しい厚さに形成されている。
磁路拡大用突出部28により磁路の半径方向の厚さが拡大されているため、磁路が拡大する。従って、前記各永久磁石7から隣接する永久磁石7へ向かう磁束がヨーク6内を透過する際に、前記間隙7aに対応する部位において集中したとしても、ヨーク6内の磁束が飽和状態になることはなく、ヨーク6外への磁束の漏洩が殆ど生じなくなる。このヨーク6に形成された前記各磁路拡大用突出部28が、ミシン駆動用モータ1の駆動中における非磁性カバー5とヨーク6との相対的な回り止めに役立つ。
前記各回り止め用凸部29は、主に、磁路の拡大と、ミシン駆動用モータ1駆動中におけるヨーク6に対する各永久磁石7の回り止めのためのものである。前記各回り止め用凸部29は、ヨーク6内周部のうちの前記各永久磁石7の間の間隙7aに対応する部位に形成され、前記間隙7aに夫々係合されている。これら回り止め用凸部29があるため、永久磁石7をヨーク6に組み付ける際の位置決めが簡単になる。
前記各固定励磁体4は、120度の位置関係にある3つの固定励磁体4を1群とする3群にグループ化されている。各群の固定励磁体4の励磁コイル27は接続されて共通の駆動電流が供給されるが、3群の励磁コイル27に対しては、永久磁石7の位置と励磁コイル27を励磁するタイミングが最適となるように切換えながら駆動電流が供給される。固定励磁体4の突極部26aの極性と永久磁石7の磁極との磁力(吸引・反発)が発生して永久磁石7に回転トルクが発生し、永久磁石7と、ヨーク6と、非磁性カバー5と、円筒ホルダー12及び軸部材3と、主軸2が一体となって回転する。
励磁コイル27を駆動制御する駆動回路(励磁回路)の構成は、通常のブラシレスモータの駆動回路と同様であるので詳細な説明は省略する。円筒段付き台25には、永久磁石7の回転位置を検出する1または複数のレゾルバー30が設けられており、レゾルバー30からの検出信号に基づいて、3群の励磁コイル27を駆動する駆動電流が切換え制御される。
以上説明したミシン駆動用モータ1の作用、効果について説明する。
ヨーク6外周部のうち8つの永久磁石7の間の間隙7aに対応する部位に、磁路拡大用突出部28をヨーク6に夫々形成したので、ミシン駆動用モータ1が駆動中に、前記各永久磁石7の間の間隙7aに対応するヨーク6の部位に磁束が集中した場合でも、磁路拡大用突出部28により磁路が拡大される。従って、ヨーク6を透過する磁束の磁束密度が飽和状態に達することはなく、磁束がヨーク6外部へ漏洩することもない。そのため、永久磁石7で発生する磁束により非磁性カバー5などの回転部材を回転させる回転トルク(出力トルク)を高めることができ、モータ効率を向上することができる。
ヨーク6外周部のうち8つの永久磁石7の間の間隙7aに対応する部位に、磁路拡大用突出部28をヨーク6に夫々形成したので、ミシン駆動用モータ1が駆動中に、前記各永久磁石7の間の間隙7aに対応するヨーク6の部位に磁束が集中した場合でも、磁路拡大用突出部28により磁路が拡大される。従って、ヨーク6を透過する磁束の磁束密度が飽和状態に達することはなく、磁束がヨーク6外部へ漏洩することもない。そのため、永久磁石7で発生する磁束により非磁性カバー5などの回転部材を回転させる回転トルク(出力トルク)を高めることができ、モータ効率を向上することができる。
しかも、前記ヨーク6に8つの磁路拡大用突出部28を形成するため、前記各磁路拡大用突出部28以外のヨーク6の部分の肉厚(径方向肉厚)を薄肉化でき、非磁性カバー5などの回転部材の慣性モーメントを低減できるため、モータの加速特性、減速特性の向上を図ることができる。
ヨーク6内周部のうち前記各永久磁石7の間の間隙7aに対応する部位に、前記間隙7aに係合する回り止め用凸部29をヨーク6に夫々形成したので、この回り止め用凸部29により、磁路を拡大できる。更に、ミシン駆動用モータ1駆動中におけるヨーク6に対する永久磁石7の相対回転を防止することができるうえ、永久磁石7をヨーク6に組み付ける際の永久磁石7の位置決めを容易に行うことができる。
非磁性カバー5は、主軸2を手動で回転操作するハンドホイールを兼用するように構成されたので、部品点数を削減して小型化を図り、モータの製作費を低減できる。
非磁性カバー5は、主軸2を手動で回転操作するハンドホイールを兼用するように構成されたので、部品点数を削減して小型化を図り、モータの製作費を低減できる。
ここで、実施例を部分的に変更する変更例について説明する。
1]前記磁路拡大用突出部28の代わりに、図5に示すような形状の磁路拡大用突出部28Aを形成してもよい。この磁路拡大用突出部28Aでは、その内周側端部の周方向幅と半径方向の厚さが拡大され、外形形状がほぼ三角山形に形成されている。この磁路拡大用突出部28Aも、前記磁路拡大用突出部28と同様の作用、効果を奏する。
1]前記磁路拡大用突出部28の代わりに、図5に示すような形状の磁路拡大用突出部28Aを形成してもよい。この磁路拡大用突出部28Aでは、その内周側端部の周方向幅と半径方向の厚さが拡大され、外形形状がほぼ三角山形に形成されている。この磁路拡大用突出部28Aも、前記磁路拡大用突出部28と同様の作用、効果を奏する。
2]前記実施例では、磁路拡大用突出部28と回り止め用凸部29を設けたヨーク6を電磁鋼板の積層体で構成したが、磁性材料からなる焼結材で構成してもよい。磁性材料は、軟磁性材料(ソフトフェライトや軟鉄など)で構成してもよい。この場合、焼結材を成形型を用いて成形することでヨークの焼結体を製作してもよく、ワイヤーカットにより加工して製作してもよい。
1 ミシン駆動用モータ
2 ミシンの主軸
3 軸部材
4 固定励磁体
5 非磁性カバー
6 ヨーク
7 永久磁石
7a 間隙
12 円筒ホルダー
21 円筒部
27 励磁コイル
28 磁路拡大用突出部
29 回り止め用凸部
2 ミシンの主軸
3 軸部材
4 固定励磁体
5 非磁性カバー
6 ヨーク
7 永久磁石
7a 間隙
12 円筒ホルダー
21 円筒部
27 励磁コイル
28 磁路拡大用突出部
29 回り止め用凸部
Claims (6)
- ミシンの主軸に作動的に連結された回転軸と、前記回転軸の外側に配置されるとともにミシン機枠に固定配置され、回転軸を中心とする放射方向の磁界を発生し得る複数の励磁コイル付きの固定励磁体と、前記回転軸に固着され且つ前記複数の固定励磁体を収容する円筒部を有する非磁性カバーと、前記非磁性カバーの円筒部の内周部に取り付けられたヨークと、前記固定励磁体に対向するように前記ヨークの内周面に所定間隔おきに固着された複数の永久磁石とを備えたミシン駆動用モータにおいて、
前記ヨーク外周部のうち前記複数の永久磁石の間の間隙に対応する部位に、磁路拡大用突出部を形成したことを特徴とするミシン駆動用モータ。 - 前記ヨーク内周部のうち複数の永久磁石の間の間隙に対応する部位に、前記間隙に係合する回り止め用凸部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のミシン駆動用モータ。
- 前記非磁性カバーは、合成樹脂材料で構成されて前記主軸を手動で回転操作するハンドホイールを兼用するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン駆動用モータ。
- 前記ミシン駆動用モータは、ブラシレスモータであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のミシン駆動用モータ。
- 前記ヨークは磁性材料の焼結材で構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン駆動用モータ。
- 前記ヨークは軟磁性材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン駆動用モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006265726A JP2008086166A (ja) | 2006-09-28 | 2006-09-28 | ミシン駆動用モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006265726A JP2008086166A (ja) | 2006-09-28 | 2006-09-28 | ミシン駆動用モータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008086166A true JP2008086166A (ja) | 2008-04-10 |
Family
ID=39356439
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006265726A Pending JP2008086166A (ja) | 2006-09-28 | 2006-09-28 | ミシン駆動用モータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008086166A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010178493A (ja) * | 2009-01-29 | 2010-08-12 | Mitsuba Corp | アウターロータ型ブラシレスモータ |
JP2011147338A (ja) * | 2010-01-15 | 2011-07-28 | Gate Srl | 永久磁石回転子 |
JP2012100425A (ja) * | 2010-11-01 | 2012-05-24 | Honda Motor Co Ltd | 外転型の電動機 |
WO2014050261A1 (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-03 | ダイキン工業株式会社 | ラジアルギャップ型回転電機、送風機、圧縮機、空気調和機 |
WO2014204056A1 (ko) * | 2013-06-21 | 2014-12-24 | 한국파워트레인 주식회사 | 브러시리스 디씨 모터와 이 모터를 이용하는 전기자전거 |
KR20200072894A (ko) * | 2018-12-13 | 2020-06-23 | 엘지전자 주식회사 | 아우터 로터 타입의 모터 |
WO2020250647A1 (ja) * | 2019-06-10 | 2020-12-17 | 株式会社デンソー | 回転子及び回転電機 |
-
2006
- 2006-09-28 JP JP2006265726A patent/JP2008086166A/ja active Pending
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010178493A (ja) * | 2009-01-29 | 2010-08-12 | Mitsuba Corp | アウターロータ型ブラシレスモータ |
JP2011147338A (ja) * | 2010-01-15 | 2011-07-28 | Gate Srl | 永久磁石回転子 |
JP2012100425A (ja) * | 2010-11-01 | 2012-05-24 | Honda Motor Co Ltd | 外転型の電動機 |
US9923424B2 (en) | 2012-09-26 | 2018-03-20 | Daikin Industries, Ltd. | Radial gap type rotating electrical machine, blower, compressor, and air conditioner |
JP2014068470A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Daikin Ind Ltd | ラジアルギャップ型回転電機、送風機、圧縮機、空気調和機 |
CN104662778A (zh) * | 2012-09-26 | 2015-05-27 | 大金工业株式会社 | 径向间隙型旋转电机、送风机、压缩机和空调机 |
AU2013321755B2 (en) * | 2012-09-26 | 2015-11-26 | Daikin Industries,Ltd. | Radial gap type rotating electrical machine, blower, compressor, and air conditioner |
WO2014050261A1 (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-03 | ダイキン工業株式会社 | ラジアルギャップ型回転電機、送風機、圧縮機、空気調和機 |
WO2014204056A1 (ko) * | 2013-06-21 | 2014-12-24 | 한국파워트레인 주식회사 | 브러시리스 디씨 모터와 이 모터를 이용하는 전기자전거 |
KR101514822B1 (ko) * | 2013-06-21 | 2015-04-23 | 한국파워트레인 주식회사 | 비엘디씨 모터 |
KR20200072894A (ko) * | 2018-12-13 | 2020-06-23 | 엘지전자 주식회사 | 아우터 로터 타입의 모터 |
KR102159798B1 (ko) * | 2018-12-13 | 2020-09-25 | 엘지전자 주식회사 | 아우터 로터 타입의 모터 |
WO2020250647A1 (ja) * | 2019-06-10 | 2020-12-17 | 株式会社デンソー | 回転子及び回転電機 |
JP2020202654A (ja) * | 2019-06-10 | 2020-12-17 | 株式会社デンソー | 回転子及び回転電機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10270306B2 (en) | Motor and rotor | |
JP5861660B2 (ja) | 回転電機 | |
JP4616122B2 (ja) | 磁気軸受 | |
JP2008086166A (ja) | ミシン駆動用モータ | |
JP2009296691A (ja) | ハイブリッド励磁型同期機 | |
US9705365B2 (en) | Motor | |
JP2006174526A (ja) | モータ | |
JP2007151314A (ja) | モータ | |
EP1445851B1 (en) | Motor | |
JPWO2007083724A1 (ja) | ギャップワインディング形モータ | |
JP2010183648A (ja) | 永久磁石回転電機及びそれを用いた電動車両 | |
JP5365049B2 (ja) | 回転機、ラジアル型回転機、及び回転機におけるバックヨークの厚みの決定方法 | |
JP2006304532A (ja) | アキシャルギャップ型回転電機のロータ構造 | |
JP2007037244A5 (ja) | ||
JP2013192291A (ja) | ロータ及びモータ | |
JP5359452B2 (ja) | ブラシレスモータ | |
JP6609138B2 (ja) | アキシャルギャップ型回転電機 | |
JP2019022393A (ja) | モータ | |
JP2007221877A (ja) | 磁石回転子 | |
JP2017204926A (ja) | 電動機の回転子 | |
JP6922153B2 (ja) | ランデル型ロータ及びランデル型モータ | |
JP2006314196A (ja) | 永久磁石埋込型電動機 | |
JP6301662B2 (ja) | モータ | |
JP2007151315A (ja) | モータ | |
WO2021106637A1 (ja) | アウターロータ形電動機、及びアウターロータ形電動機のロータヨークの製造方法 |