JP2005076216A - 框組み扉用鏡板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 立体感があり、意匠性に優れ、しかも安価に製造し得る框組み扉用鏡板及びその製造方法を提供する提供する。
【解決手段】 鏡板を矩形状のパネル板9と、該パネル板9の四辺に組み付けられる縁取り枠10の単位枠杆11とで構成し、組み付け状態で露出するパネル板9の露出面と、各単位枠杆11の露出面とに、組み付け前に化粧加工を施すとともに、各単位枠杆11とパネル板9とを、該パネル板9の主面部12に連続する外向きの段差面13a,13b,13c,13dが四周縁近傍に生じるようにして組み付ける。これにより、化粧加工として化粧シート20を貼着する場合には、一面毎に化粧シート20を貼着することができるので、その貼着を容易に効率よく低コストで行うことが可能となる。また、組み付け後の鏡板は、矩形状のパネル板9の四辺に縁取り枠10を備え、かつ、その四周縁近傍に主面部12と連続する外向きの段差面13a,13b,13c,13dが周設された複雑な形状となるため、立体感があり、意匠性に優れたものとなる。
【選択図】 図7
【解決手段】 鏡板を矩形状のパネル板9と、該パネル板9の四辺に組み付けられる縁取り枠10の単位枠杆11とで構成し、組み付け状態で露出するパネル板9の露出面と、各単位枠杆11の露出面とに、組み付け前に化粧加工を施すとともに、各単位枠杆11とパネル板9とを、該パネル板9の主面部12に連続する外向きの段差面13a,13b,13c,13dが四周縁近傍に生じるようにして組み付ける。これにより、化粧加工として化粧シート20を貼着する場合には、一面毎に化粧シート20を貼着することができるので、その貼着を容易に効率よく低コストで行うことが可能となる。また、組み付け後の鏡板は、矩形状のパネル板9の四辺に縁取り枠10を備え、かつ、その四周縁近傍に主面部12と連続する外向きの段差面13a,13b,13c,13dが周設された複雑な形状となるため、立体感があり、意匠性に優れたものとなる。
【選択図】 図7
Description
本発明は、框組み扉に用いる鏡板及び該鏡板の製造方法に関する。
一般に、住宅等の室内で用いられる扉には、高級感を有するとの理由から框組み扉が多用されている。この框組み扉は、少なくとも左右一対の縦框と上下一対の横框とが枠状に組み付けられた框枠体と、該框枠体で囲繞された開口部に外周縁が嵌合されて該開口部を遮蔽する鏡板とによって構成されている。
前記鏡板は、表裏面の全体が平坦な平板からなる矩形状のもの(例えば、特許文献1参照)や、矩形状の平板の四周縁部に外端を薄肉とする凹面状の面取り部を形成したもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
ところで、框組み扉を構成する框枠体と鏡板の材料には、豪華さの点から杢目模様に優れた無垢材を用いることが理想的であるが、このような無垢材は殆どが輸入によるものであるため、高価な上、品質の揃ったものを大量に入手することが極めて困難な状況にある。そこで現在では、主にMDF(中質繊維板),パーティクルボード,合板,集成材等の安価で量産性のよい木質系基材を素材として、その外表面に杢目模様を有する化粧シートを貼着したものが用いられている。
特開2002−309860号公報(図7)
特開2003−56257号公報(図5)
しかしながら、木質系基材を素材に用いた鏡板にあって、上記のような表裏面の全体が平坦な平板からなる矩形状のものや、矩形状の平板の四周縁部に外端を薄肉とする凹面状の面取り部を形成したもののように、木質系基材からなる板状素材の形状が比較的単純な場合には、その外表面に化粧シートを貼着することが容易であるが、このような単純形状の鏡板は、立体感に乏しく、意匠性に劣るという問題点があった。
ここで、木質系基材であるMDF(中質繊維板),パーティクルボード等は、木材を繊維状或いはチップ状に分解し、接着剤を混入して圧縮成形するものであり、板状に成形した後、比較的複雑な表面形状の切削加工が容易である。そこで、より立体感があり、かつ意匠性に優れたものとするために、図10に示すように、木質系基材からなる板状素材aの形状を、四周縁近傍に主面部bと略直交状に連続する外向きの段差面c,d,e,fを周設した複雑な形状に一体形成すると、化粧シートが貼着されることとなる外表面が、主面部b(厚み方向に向く面)と、該主面部bに連続する左右の段差面c,d(横方向に向く面)及び上下の段差面e,f(縦方向に向く面)とからなる三方向の面を持つものとなるが、このような連続する三方向の面に対して化粧シートを一度に貼着することは技術的に極めて難しく、その貼着を容易に効率よく低コストで行うことができないため、現在までのところ、このような複雑な形状、即ち、四周縁近傍に外向きの段差面c,d,e,fが周設された框組み扉用の鏡板は余り製造されていない。
本発明は、上記のような従来の実状に鑑みてなされたものであって、立体感があり、意匠性に優れ、しかも簡単かつ安価に製造し得る框組み扉用鏡板及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、縦框と横框とで構成される框枠体の開口部に外周縁が嵌合されて該開口部を遮蔽する框組み扉用鏡板において、矩形状のパネル板と、該パネル板の四辺に組み付けられる縁取り枠の単位枠杆とからなり、組み付け状態で露出する前記パネル板の露出面と、各単位枠杆の露出面とに、組み付け前に化粧加工を施したことを特徴とする框組み扉用鏡板である。
ここで、パネル板と単位枠杆の材料には、安価で量産性のよいMDF(中質繊維板),パーティクルボード,合板,集成材等の木質系基材が主体材として用いられる。また、化粧加工として化粧シートを貼着する場合には、少なくとも化粧シートを貼着する面の木質系基材として、表面平滑性及び切削加工性に優れたMDF(中質繊維板)が好適に用いられる。
また、本発明は、縦框と横框とで構成される框枠体の開口部に外周縁が嵌合されて該開口部を遮蔽する框組み扉用鏡板において、表裏両面を主面部とする矩形状のパネル板と、該パネル板の四辺に組み付けられる縁取り枠の単位枠杆とからなり、組み付け状態で露出する前記パネル板の露出面と、各単位枠杆の露出面とに、組み付け前に化粧加工を施すとともに、各単位枠杆とパネル板とを、該パネル板の主面部に連続する外向きの段差面が四周縁近傍に生じるように組み付けたことを特徴とする框組み扉用鏡板である。
ここで、パネル板と単位枠杆の材料には、上記と同様に、安価で量産性のよいMDF(中質繊維板),パーティクルボード,合板,集成材等の木質系基材が主体材として用いられる。また、化粧加工として化粧シートを貼着する場合には、少なくとも化粧シートを貼着する面の木質系基材として、表面平滑性及び切削加工性に優れたMDF(中質繊維板)が好適に用いられる。
上記両発明の框組み扉用鏡板において、パネル板の露出面が該パネル板の表裏両面と、該表裏両面に連続する外周の木口面であり、各単位枠杆の露出面が各単位枠杆の表裏両面であって、化粧加工が、パネル板の表裏両面及び木口面と、単位枠杆の表裏両面とに夫々化粧シートを貼着してなるものとする構成が提案される。
また、パネル板の露出面が該パネル板の表裏両面と、該表裏両面に連続する外周の木口面であり、各単位枠杆の露出面が各単位枠杆の表裏両面であって、化粧加工が、パネル板の表裏両面と単位枠杆の表裏両面とに夫々化粧シートを貼着してなり、かつパネル板の木口面に塗装を施してなるものとする構成が提案される。
また、パネル板は芯材の表裏両面に表面板が夫々貼着され、かつ該表面板の周縁に前記芯材から外方に若干突出する重ね代縁を備え、さらに前記芯材の外端に外周方向に沿って嵌合溝が周設されてなる一方、単位枠杆はパネル板側の内端が前記芯材の重ね代縁の内側面の相互間隔と略同じ厚みを備え、かつ該内端に前記芯材の嵌合溝に嵌合可能な嵌合突条が突成されてなり、前記重ね代縁を単位枠杆の内端側表裏面に重ね合わせた状態で、単位枠杆の嵌合突条をパネル板の嵌合溝に嵌合して接合することにより、パネル板の四辺に各単位枠杆を組み付けて縁取り枠とした構成が提案される。
さらに、単位枠杆の内端面と、該単位枠杆の内端面に対向するパネル板の芯材の外端面との間に、組み付け時に生じるゆがみを調整する調整間隙を設ける構成が提案される。
また、本発明は、縦框と横框とで構成される框枠体の開口部に外周縁が嵌合されて該開口部を遮蔽する框組み扉用鏡板の製造方法であって、矩形状のパネル板と、該パネル板の四辺に組み付けられる縁取り枠の単位枠杆からなり、組み付け状態で露出する前記パネル板の露出面と、各単位枠杆の露出面とに、化粧加工を施した後、パネル板の四辺に縁取り枠となる各単位枠杆を組み付けることを特徴とする框組み扉用鏡板の製造方法である。
この製造方法にあって、各単位枠杆とパネル板は、該パネル板の主面部と連続する外向きの段差面が四周縁近傍に生じるように組み付けられる。また、組み付け状態で露出するパネル板の露出面は、該パネル板の表裏両面と、該表裏両面に連続する外周の木口面であり、各単位枠杆の露出面は、各単位枠杆の表裏両面であって、これらの各露出面に施される化粧加工は、パネル板の表裏両面及び木口面と、単位枠杆の表裏両面とに夫々貼着する化粧シートによって構成したり、或いは、パネル板の表裏両面と単位枠杆の表裏両面とに夫々貼着する化粧シートと、パネル板の木口面に施す塗装とにより構成することができる。
本発明は、上述したように、矩形状のパネル板と、該パネル板の四辺に組み付けられる縁取り枠の単位枠杆とからなり、組み付け状態で露出する前記パネル板の露出面と、各単位枠杆の露出面とに、組み付け前に化粧加工を施したことを特徴とする框組み扉用鏡板であるから、組み付け状態で露出するパネル板の露出面と各単位枠杆の露出面とに施す化粧加工を、夫々組み付け前に一面毎に行うことができる。これにより、化粧加工として化粧シートを貼着する場合には、一面毎に化粧シートを貼着することができるので、その貼着を容易に効率よく低コストで行うことが可能となる。また、組み付け後の鏡板は、矩形状のパネル板の四辺に縁取り枠を備えた複雑な形状となるため、意匠性に優れたものとなる。
また、本発明は、表裏両面を主面部とする矩形状のパネル板と、該パネル板の四辺に組み付けられる縁取り枠の単位枠杆とからなり、組み付け状態で露出する前記パネル板の露出面と、各単位枠杆の露出面とに、組み付け前に化粧加工を施すとともに、各単位枠杆とパネル板とを、該パネル板の主面部に連続する外向きの段差面が四周縁近傍に生じるように組み付けたことを特徴とする框組み扉用鏡板であるから、上記と同様に、組み付け状態で露出するパネル板の露出面と各単位枠杆の露出面とに施す化粧加工を、夫々組み付け前に一面毎に行うことができる。これにより、化粧加工として化粧シートを貼着する場合には、一面毎に化粧シートを貼着することができるので、その貼着を容易に効率よく低コストで行うことが可能となる。また、従来困難であったパネル板の主面部(厚み方向に向く面)と、左右の段差面(横方向に向く面)と、上下の段差面(縦方向に向く面)からなる三方向の面に対する化粧シートの貼着も一面毎に容易に行うことができ、組み付け後の鏡板は、矩形状のパネル板の四辺に縁取り枠を備え、かつ、その四周縁近傍に主面部と連続する外向きの段差面が周設された複雑な形状となるため、立体感があり、意匠性に優れたものとなる。
上記両発明の框組み扉用鏡板において、パネル板の露出面が該パネル板の表裏両面と、該表裏両面に連続する外周の木口面であり、各単位枠杆の露出面が各単位枠杆の表裏両面であって、化粧加工を、パネル板の表裏両面及び木口面と、単位枠杆の表裏両面とに夫々化粧シートを貼着してなるものとする構成あっては、組み付け状態で露出するパネル板と各単位枠杆の全ての露出面に化粧シートが貼着されることとなるため、該化粧シートに美しい杢目模様を有するものを使用することにより、恰も銘木の無垢材を用いたかのような豪華な美観性を生じさせることができる。
また、パネル板の露出面が該パネル板の表裏両面と、該表裏両面に連続する外周の木口面であり、各単位枠杆の露出面が各単位枠杆の表裏両面であって、化粧加工を、パネル板の表裏両面と単位枠杆の表裏両面とに夫々化粧シートを貼着し、かつパネル板の木口面に塗装を施してなるものとする構成にあっては、パネル板の木口面の幅が極めて狭い場合に適用することにより、木口面に化粧シートを貼着する場合に比して、美観性を殆ど損なうことなく、コスト低減が可能となる。
また、パネル板は芯材の表裏両面に表面板が夫々貼着され、かつ該表面板の周縁に前記芯材から外方に若干突出する重ね代縁を備え、さらに前記芯材の外端に外周方向に沿って嵌合溝が周設されてなる一方、単位枠杆はパネル板側の内端が前記芯材の重ね代縁の内側面の相互間隔と略同じ厚みを備え、かつ該内端に前記芯材の嵌合溝に嵌合可能な嵌合突条が突成されてなり、前記重ね代縁を単位枠杆の内端側表裏面に重ね合わせた状態で、単位枠杆の嵌合突条をパネル板の嵌合溝に嵌合して接合することにより、パネル板の四辺に各単位枠杆を組み付けて縁取り枠とした構成にあっては、パネル板の重ね代縁の端面が、パネル板の主面部と連続する外向きの段差面となり、別体形成したパネル板と、縁取り枠の各単位枠杆とを上記のように組み付けることにより、矩形状のパネル板の四辺に縁取り枠を備え、かつ、その四周縁近傍に外向きの段差面が周設された複雑な形状の鏡板を簡単に製作することができる。また、接合状態で対向する単位枠杆の内端面とパネル板の芯材の外端面間の目地を、パネル板の重ね代縁によって遮蔽することができるので、その外的美観を向上させることができる。
さらに、単位枠杆の内端面と、該単位枠杆の内端面に対向するパネル板の芯材の外端面との間に、組み付け時に生じるゆがみを調整する調整間隙を設けるようにした構成にあっては、該調整間隙によって、単位枠杆及びパネル板の製作時に発生する寸法誤差に起因して組み付け時に生じる鏡板のゆがみを調整することができ、ゆがみのない適正形状の鏡板を得ることができる。
また、本発明は、矩形状のパネル板と、該パネル板の四辺に組み付けられる縁取り枠の単位枠杆からなり、組み付け状態で露出する前記パネル板の露出面と、各単位枠杆の露出面とに、化粧加工を施した後、パネル板の四辺に縁取り枠となる各単位枠杆を組み付けることを特徴とする框組み扉用鏡板の製造方法であるから、組み付け状態で露出するパネル板の露出面と各単位枠杆の露出面とに施す化粧加工を、夫々組み付け前に一面毎に行うことができる。これにより、化粧加工として化粧シートを貼着する場合には、一面毎に化粧シートを夫々貼着することができるので、その貼着を容易に効率よく低コストで行うことが可能となる。また、組み付け後の鏡板は、矩形状のパネル板の四辺に縁取り枠を備えた複雑な形状となるため、意匠性に優れた鏡板を簡単かつ安価に製造することができる。
以下に、本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる框組み扉用鏡板(以下、これを単に「鏡板」と略称する)を備えた框組み扉1を示す。該框組み扉1は、左右一対の縦框2a,2bと、上下の横框3a,3bと、下方寄りの中段高さ位置に配設された中間横框3cとによって框枠体5が構成されており、該框枠体5で区画された大小二つの矩形状開口部に、該矩形状開口部を遮蔽する本発明にかかる鏡板6a,6bが装着されている。ここで、縦框2a,2bと、中間横框3cと、横框3aまたは横框3bとによって夫々囲繞される両矩形状開口部の内周縁7には、図2に示すように、凹溝8が周設されており、該凹溝8に鏡板6a,6bの外周縁に設けられた薄肉状嵌入縁部25を嵌合することにより、鏡板6a,6bが両矩形状開口部に夫々保持されている。
図1は、本発明にかかる框組み扉用鏡板(以下、これを単に「鏡板」と略称する)を備えた框組み扉1を示す。該框組み扉1は、左右一対の縦框2a,2bと、上下の横框3a,3bと、下方寄りの中段高さ位置に配設された中間横框3cとによって框枠体5が構成されており、該框枠体5で区画された大小二つの矩形状開口部に、該矩形状開口部を遮蔽する本発明にかかる鏡板6a,6bが装着されている。ここで、縦框2a,2bと、中間横框3cと、横框3aまたは横框3bとによって夫々囲繞される両矩形状開口部の内周縁7には、図2に示すように、凹溝8が周設されており、該凹溝8に鏡板6a,6bの外周縁に設けられた薄肉状嵌入縁部25を嵌合することにより、鏡板6a,6bが両矩形状開口部に夫々保持されている。
尚、この実施例では、二つの矩形状開口部を備えた框枠体5を示したが、該框枠体5は、上記中間横框3cを除去して矩形状開口部を一つにしたり、単一若しくは複数の中間縦框及び中間横框を適宜組み合わせて複数の矩形状開口部を区画形成したものとし、各矩形状開口部に鏡板を夫々装着するようにしてもよい。また、該框枠体5の露出面には後述するパネル板9及び単位枠杆11に貼着する化粧シート20と同じ化粧シートが貼着される。
本発明にかかる上記鏡板6a,6bは、その高さ寸法が異なる以外は同一構造であり、以下に鏡板6aの構造及びその製造方法について説明する。
鏡板6aは、図3,図4に示すように、中央に配設された矩形状のパネル板9と、該パネル板9の四辺に組み付けられて縁取り枠10を構成する四本の単位枠杆11とからなり、組み付け状態で露出するパネル板9の露出面と、各単位枠杆11の露出面とに、組み付け前に化粧加工が施されている。また、各単位枠杆11とパネル板9は、該パネル板9の主面部12に連続する外向きの段差面13a,13b,13c,13dが鏡板6aの四周縁近傍に生じるように組み付けられている。
鏡板6aは、図3,図4に示すように、中央に配設された矩形状のパネル板9と、該パネル板9の四辺に組み付けられて縁取り枠10を構成する四本の単位枠杆11とからなり、組み付け状態で露出するパネル板9の露出面と、各単位枠杆11の露出面とに、組み付け前に化粧加工が施されている。また、各単位枠杆11とパネル板9は、該パネル板9の主面部12に連続する外向きの段差面13a,13b,13c,13dが鏡板6aの四周縁近傍に生じるように組み付けられている。
前記パネル板9は、図5に示すように、ハニカム構造の内装材14の外周に平行合板(LVL)からなる四本の枠杆15を矩形状に配設して芯材16としており、該芯材16の表裏両面に表面板17,17(図6参照)が貼着されている。ここで、パネル板9の主体材である表面板17,17には、MDF(中質繊維板),パーティクルボード,合板,集成材等の木質系基材が用いられ得るが、なかでも表面平滑性及び切削加工性に優れたMDF(中質繊維板)が最も好ましい。
このパネル板9の製作方法は、芯材16に対する表面板17,17の貼着に際して、図6(イ)に示すように、表面板17,17の周縁を芯材16から外方に若干突出させることにより表裏一対の重ね代縁18,18を形成する。次に、後述する単位枠杆11との組み付け状態で露出することとなる露出面としての表面板17,17の表面と、該表面に略直交状に連続する上下左右の各木口面19,19とに、図6(ロ)に示すように、化粧シート20を夫々貼着して化粧加工が施される。この化粧シート20としては、突板或いは杢目模様を印刷した紙,オレフィンシート,塩ビシート等が用いられる。ここで、化粧シート20の貼着は、パネル板9の主面部12である表面板17の表面(厚み方向に向く面)と、左右の木口面19,19(横方向に向く面)と、上下の木口面19,19(縦方向に向く面)の三方向の面に対して一面毎に行われる。これにより、従来困難であった三方向の面に対する化粧シート20の貼着を、容易に効率よく低コストで行うことができる。そして、上記のように露出面に化粧シート20を貼着した後、図6(ハ)に示すように、前記芯材16の外端に外周方向に沿って嵌合溝21が周設される。尚、この時、重ね代縁18,18の内側面22,22を僅かに切削して、両内側面相互の間隔を後述する単位枠杆11の内端側厚みに一致させる間隔調整加工が施される。これにより、単位枠杆11との組み付け精度を向上させることができる。
一方、各単位枠杆11は、図7(イ)に示すように、パネル板9側の内端が、前記芯材16に形成した重ね代縁18,18の内側面22,22の相互間隔と略同じ厚みに形成されており、該内端には前記芯材16の嵌合溝21に嵌合可能な嵌合突条23がその長手方向の全長に亘って突成されている。また、単位枠杆11の表裏両面には外端側に向けて先細り状に傾斜する湾曲した凸面状の面取り部24,24が形成されており、該面取り部24,24を介して薄肉となる外端に薄肉状嵌入縁部25が設けられている。ここで、各単位枠杆11の主体材には、MDF(中質繊維板),パーティクルボード,合板,集成材等の木質系基材が用いられ得るが、なかでも表面平滑性及び切削加工性に優れたMDF(中質繊維板)が最も好ましい。
この各単位枠杆11の製作方法としては、長尺な帯板状のMDF(中質繊維板)等からなる主体材をモルダーで切削加工することにより、図8(イ)に示すように、その上面に外端側に向けて先細り状に傾斜する湾曲した凸面状の面取り部24と、内端に表裏一対で前記嵌合突条23を構成する半割状突条部23’と、下面に長手方向に沿う雇い実矧ぎ(やといざねはぎ)用の凹溝28とを備えた半割状単位枠杆11’を形成する。この時、主体材を、下面側の平面部29を基準面として支持台上を移送させることにより、その切削加工を精度よく容易に行うことができる。次に、図8(ロ)に示すように、該半割状単位枠杆11’の上面と、その外端面及び半割状突条部23’を除く内端面とに亘って、パネル板9に貼着したものと同一の化粧シート20を一連に貼着して化粧加工を施す。この化粧シート20としては、突板或いは杢目模様を印刷した紙,オレフィンシート,塩ビシート等が用いられる。然る後、かかる半割状単位枠杆11’を表裏一対に用いて、図8(ハ)に示すように、両半割状単位枠杆11’,11’の平面部29,29相互を接着剤で張り合わせる。この時、両半割状単位枠杆11’,11’に形成された凹溝28,28内に、その溝幅に一致する木質片からなる雇い30を嵌装させることにより位置合わせ作用が得られ、両半割状単位枠杆11’,11’を精度よく表裏対称形状で接合することができる。
そして、このように接合した両半割状単位枠杆11’,11’を所定長さに切断する。これにより、パネル板9との組み付け状態で露出することとなる露出面に化粧シート20を貼着してなる化粧加工と、表裏両面に湾曲した凸面状の面取り部24,24とを備えてなる各単位枠杆11が製作される。尚、各単位枠杆11の両端部は、留接ぎ構造により相互接合できるように45度の角度で切断されることとなる(図3参照)。
そして、このようにパネル板9の露出面と、各単位枠杆11の露出面とに、化粧加工を施した後、図7(ロ)に示すように、パネル板9の重ね代縁18,18を各単位枠杆11の内端側表裏面に重ね合わせた状態で、各単位枠杆11の嵌合突条23をパネル板9の嵌合溝21に嵌合して接着剤27によって接合する。これにより、パネル板9の四辺に各単位枠杆11が組み付けられて縁取り枠10(図3参照)となり、鏡板6aが完成する。ここで、パネル板9の重ね代縁18,18の端面が、パネル板9の主面部12と連続する外向きの段差面13a,13b,13c,13d(図4参照)となる。また、該重ね代縁18,18によって、各単位枠杆11の内端面と、該単位枠杆11の内端面に対向するパネル板9の芯材16の外端面との間の目地が遮蔽される。
かかる構成にあって、組み付け後の鏡板6aは、図4に示すように、矩形状のパネル板9の四辺に縁取り枠10を備え、かつ、その四周縁近傍に主面部12と連続する外向きの段差面13a,13b,13c,13dが周設された複雑な形状となるため、立体感があり、意匠性に優れたものとなる。
尚、図7(ロ)に示すように、各単位枠杆11の内端面と、該単位枠杆11の内端面に対向するパネル板9の芯材16の外端面との間に、組み付け時に生じるゆがみを調整する調整間隙26,26を予め設けておくことにより、該調整間隙26,26によって、単位枠杆11及びパネル板9の製作時に発生する寸法誤差に起因して組み付け時に生じる鏡板1のゆがみを調整することができ、ゆがみのない適正形状の鏡板1を得ることができる。
また、上記実施例では、パネル板9を構成する表面板17,17の各木口面19,19(図6(イ)参照)に化粧シート20を貼着するようにしているが、該木口面19,19の幅が極めて狭い場合には、化粧シート20の貼着に代えて塗装による化粧加工を施してもよい。これにより、木口面19,19に化粧シート20を貼着する場合に比して、美観性を殆ど損なうことなく、コストを低減することができる。
さらに、上記実施例では、パネル板9を構成する表面板17,17の各木口面19,19を、表面板17,17の表面に略直交させて設けているが、該木口面19,19を斜めに形成することも可能である。この場合には、パネル板9の主面部12に斜めに連続する外向きの段差面13a,13b,13c,13dを鏡板6aの四周縁近傍に生じさせることができ、略直交状に連続する段差面とは異なる意匠性を生じさせることができる。
図9は、変形実施例を示し、この変形実施例は、上述した図6(ロ)に続くパネル板9の製作工程において、芯材16の外端に、重ね代縁18,18の内側面22,22に連続する所定深さの凹溝31,31を外周方向に沿って周設することにより、該重ね代縁18,18に弾性作用を付与するようにしたものである。ここで、図9(イ)に示すように、重ね代縁18,18の内側面22,22相互の間隔L1 は、単位枠杆11の内端側厚みL2 より僅かに狭く形成されている。
かかる構成にあっては、単位枠杆11とパネル板9の組み付け時において、パネル板9の重ね代縁18,18間に単位枠杆11の内端を嵌入する際に、該重ね代縁18,18の内側面22,22が単位枠杆11の内端側表裏面に押圧されると、弾性作用により重ね代縁18,18が外方に開くことにより、その嵌入を容易に行うことができる。また、嵌入後においては、図9(ロ)に示すように、重ね代縁18,18の内側面22,22が単位枠杆11の内端側表裏面に、その弾性作用を介して圧接するので、隙間が生じることがない。これにより、単位枠杆11との組み付け精度をさらに向上させることができる。
2a,2b 縦框
3a,3b 横框
5 框枠体
6a,6b 鏡板(框組み扉用鏡板)
9 パネル板
10 縁取り枠
11 単位枠杆
12 主面部
13a,13b,13c,13d 段差面
16 芯材
17 表面板
18 重ね代縁
19 木口面
20 化粧シート(化粧加工)
21 嵌合溝
23 嵌合突条
26 調整間隙
3a,3b 横框
5 框枠体
6a,6b 鏡板(框組み扉用鏡板)
9 パネル板
10 縁取り枠
11 単位枠杆
12 主面部
13a,13b,13c,13d 段差面
16 芯材
17 表面板
18 重ね代縁
19 木口面
20 化粧シート(化粧加工)
21 嵌合溝
23 嵌合突条
26 調整間隙
Claims (7)
- 縦框と横框とで構成される框枠体の開口部に外周縁が嵌合されて該開口部を遮蔽する框組み扉用鏡板において、
矩形状のパネル板と、該パネル板の四辺に組み付けられる縁取り枠の単位枠杆とからなり、組み付け状態で露出する前記パネル板の露出面と、各単位枠杆の露出面とに、組み付け前に化粧加工を施したことを特徴とする框組み扉用鏡板。 - 縦框と横框とで構成される框枠体の開口部に外周縁が嵌合されて該開口部を遮蔽する框組み扉用鏡板において、
表裏両面を主面部とする矩形状のパネル板と、該パネル板の四辺に組み付けられる縁取り枠の単位枠杆とからなり、組み付け状態で露出する前記パネル板の露出面と、各単位枠杆の露出面とに、組み付け前に化粧加工を施すとともに、各単位枠杆とパネル板とを、該パネル板の主面部に連続する外向きの段差面が四周縁近傍に生じるように組み付けたことを特徴とする框組み扉用鏡板。 - パネル板の露出面が該パネル板の表裏両面と、該表裏両面に連続する外周の木口面であり、各単位枠杆の露出面が各単位枠杆の表裏両面であって、化粧加工が、パネル板の表裏両面及び木口面と、単位枠杆の表裏両面とに夫々貼着された化粧シートにより構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の框組み扉用鏡板。
- パネル板の露出面が該パネル板の表裏両面と、該表裏両面に連続する外周の木口面であり、各単位枠杆の露出面が各単位枠杆の表裏両面であって、化粧加工が、パネル板の表裏両面と単位枠杆の表裏両面とに夫々貼着された化粧シートと、パネル板の木口面に施された塗装とにより構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の框組み扉用鏡板。
- パネル板は芯材の表裏両面に表面板が夫々貼着され、かつ該表面板の周縁に前記芯材から外方に若干突出する重ね代縁を備え、さらに前記芯材の外端に外周方向に沿って嵌合溝が周設されてなる一方、単位枠杆はパネル板側の内端が前記芯材の重ね代縁の内側面の相互間隔と略同じ厚みを備え、かつ該内端に前記芯材の嵌合溝に嵌合可能な嵌合突条が突成されてなり、前記重ね代縁を単位枠杆の内端側表裏面に重ね合わせた状態で、単位枠杆の嵌合突条をパネル板の嵌合溝に嵌合して接合することにより、パネル板の四辺に各単位枠杆を組み付けて縁取り枠としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の框組み扉用鏡板。
- 単位枠杆の内端面と、該単位枠杆の内端面に対向するパネル板の芯材の外端面との間に、組み付け時に生じるゆがみを調整する調整間隙を設けたことを特徴とする請求項5記載の框組み扉用鏡板。
- 縦框と横框とで構成される框枠体の開口部に外周縁が嵌合されて該開口部を遮蔽する框組み扉用鏡板の製造方法であって、
矩形状のパネル板と、該パネル板の四辺に組み付けられる縁取り枠の単位枠杆からなり、組み付け状態で露出する前記パネル板の露出面と、各単位枠杆の露出面とに、化粧加工を施した後、パネル板の四辺に縁取り枠となる各単位枠杆を組み付けることを特徴とする框組み扉用鏡板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003305193A JP2005076216A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | 框組み扉用鏡板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003305193A JP2005076216A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | 框組み扉用鏡板及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005076216A true JP2005076216A (ja) | 2005-03-24 |
Family
ID=34408676
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2003305193A Pending JP2005076216A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | 框組み扉用鏡板及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2005076216A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016011527A (ja) * | 2014-06-30 | 2016-01-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | パネル材及びこれを用いた表面仕上シートの貼着方法 |
-
2003
- 2003-08-28 JP JP2003305193A patent/JP2005076216A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2016011527A (ja) * | 2014-06-30 | 2016-01-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | パネル材及びこれを用いた表面仕上シートの貼着方法 |
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