JP2005074944A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 不吐補完による画像品質の低下を改善した記録装置及び記録方法の提供。
【解決手段】 複数のノズルの内、インク吐出不良ノズルにより記録されるインクジェット記録ヘッドの走査方向の複数ドット分の記録データに基づいて、さらにその走査方向の所定ドットにわたり仮想データを生成し、これらの記録データと仮想データとに基づき、これらの記録データと仮想データとが記録される周辺の所定領域に含まれる複数ドットにおいて補完記録を行なうべきドットの優先順位を決定し、その優先順位と記録データと仮想データとに基づいて、補完記録を行なうべき場所を決定し、その場所で記録がなされるように、実際にインク吐出を発生させる記録データと仮想データとを移動させ、その移動後のデータに基づいて、実際に記録を行なうための補正済みの記録データを生成し、その補正済み記録データに基づいて、インクジェット記録ヘッドを駆動し記録を行なう。
【選択図】 図4

Description

本発明は記録装置及び記録方法に関し、特に、例えば、インクジェット記録ヘッドを搭載した記録装置及び記録方法に関するものである。
複数個のノズルを有するインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)を用いたプリンタで記録を行なう際には、その記録ヘッドに1個でもインク吐出不良のノズル(以下、不吐ノズル)があると、記録がなされた成果物の上に白筋が発生し、正式には使用できない印刷物となる。このように、記録ヘッドの中に不吐ノズルが1つでも発生し、その不吐出が回復処理を行っても回復できない理由によるものであると、不吐ノズルをもった記録ヘッドの使用を停止する以外には、記録不良に対処する手段がなかった。
具体的には、記録ヘッドの製造段階において解消できない程度の不吐出ノズルが発見された場合は、その不吐ノズルをもった記録ヘッドを廃棄する以外に対処方法は無く、また、記録ヘッドがユーザの手に渡った後に、回復処理で解消されない不吐ノズルが記録ヘッドに見つかった場合には、そのユーザは記録ヘッドを交換する以外に対処方法は無かった。
また、不吐出に限らず、吐出方向が正常な方向と大きくずれて正常な記録が行えないノズルや、吐出されるインク滴のサイズが正常なものと大きく異なり、記録に影響を与えるノズルについても、通常の記録においては適さないことから、異常ノズルとして不吐出ノズルと同等に扱われ、この異常ノズルの発生によってその記録ヘッドを不良な記録ヘッドとみなしていた。
このように、記録ヘッドに不吐ノズル(以下、異常ノズルともいう)が発生することは、その製造メーカ側、及び、ユーザ側の双方にとって、経済的負担強いるものと言える。
しかも、昨今の記録ヘッドはインク吐出ノズル(以下、ノズル)の数が非常に多く、例えば、1色のインクを吐出するために512個のノズルを備え、6色の異なるインクを吐出するように構成された記録ヘッドの場合には、そのノズルの総計は3072ノズルにも上る。このようにノズルの数が増えれば、その中に不吐ノズルが発生する確率も増えるので、不吐ノズルに対する対策を施すことで、製造メーカ側、及び、ユーザ側の双方の経済的負担を軽減する必要性が高まってきている。
このような状況を回避すべく、昨今、幾つかのプリンタメーカから、記録ヘッド内の不吐ノズルの記録を補完する、所謂、不吐補完に関係する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、記録ヘッド内に不吐ノズルがある場合、正常ノズルを用いて不吐ノズルの位置に対応する記録データを用いて記録する技術が開示されている。
ここで、正常ノズルにより不吐ノズルの位置に対応する記録データを用いて、例えば、マルチパス記録により補完記録する場合を考える。マルチパス記録では、通常、1走査分の記録が完了するたびごとに、記録ヘッドの記録幅をマルチパス記録のパス回数で割って得られた幅分だけ記録媒体を搬送する。
具体例で説明すると、記録ヘッドが512個のノズルを持っていて、4パスで完結する記録を行っている場合、主走査方向に1スキャンした後の紙送り量は、凡そ、512÷4 =128ノズル分の記録ヘッドの記録幅に等しい量である。この時、必ず、各パスにおいて、記録ヘッド内の異なったノズルで、紙面上の同じラスタを記録することになる。記録ヘッドが512個のノズルを備え、4パス記録を行なう例では、1パス目に記録ヘッドの最上端から数えて1番目のノズルによって記録されたラスタは、2パス目には128ノズル分ずれ記録ヘッドの最上端から数えて129番目のノズルが記録するラスタと同じである。この原理からすると、記録ヘッドの最上端から数えて1番目のノズルが不吐であった場合、1番目のノズルで記録されるべきデータを2パス目の記録で記録ヘッドの最上端から数えて129番目のノズルで記録することにより、1番目のノズルの不吐を補完して記録することができる。
また、シングルパス記録する場合も、通常記録のパスの他に、不吐補完用の記録パスを設ければ、原理的には補完は可能である。
上述の例と同じように、512個のノズルを備えた記録ヘッドにおいて、記録ヘッドの最上端から数えて1番目のノズルが不吐であった場合、1パス目は普通にシングルパス記録を行い、次に、記録ヘッドの記録幅で128ノズル分の紙送りを行った後、記録ヘッドの上から数えて129番目のノズルに不吐ノズルであった1番目のノズルで用いるはずであった記録データを用いて記録を行ない、その他のノズルからの記録を行なわなければ同様の不吐補完が可能となる。
また、キャリッジを往路方向に走査する時に不吐出のノズル以外のノズルによる記録を行った後、微小の紙送りを行い、キャリッジを復路方向に走査する際に、不吐出で記録されなかった領域へ他のノズルを用いて記録する構成も知られている(例えば、特許文献2参照)。
このような従来の手法で不吐を補完しようとした場合、キャリッジを少なくとも2回、その走査方向に走査することが必須である。
また、他の不吐補完の手法としては、例えば、特許文献3に、他の色のノズルを用い、同一走査時に補完を行う手法や、不吐出のノズルに隣接するノズルの記録デューティを高めて不吐出で記録されない部分を補完する方法が開示されている。
しかしながら、このような従来の不吐補完の技術には、次のような問題があり、通常、あまり使われていない。
まず、マルチパス記録について考える。
現在のプリンタによく用いられている記録手法として「ふち無し記録」がある。これは、例えば、記録用紙の大きさがA4サイズであるなら、そのサイズの紙面いっぱいに記録を施す記録モードである。通常、このような記録では、紙の上下のふちにあたる部分(副走査方向に対して)の記録は、同じマルチパスを使っていても紙送り量が異なることがある。例えば、512個のノズルを備えた記録ヘッドを用いて4パス記録を行なう時には、その紙送り量は、凡そ、128ノズル分の記録ヘッドの記録幅に等しいと述べたが、記録用紙の上下のふちにあたる部分では、512ノズルを全て使用せず、その一部、例えば、128ノズルのみを使用して記録を行ったりするので、その時の紙送り量は、128÷4=32ノズル分となる。
この場合、記録ヘッドの上から数えて1番目のノズルによって記録されたラスタは、2パス目には、32ノズル分ずれ、記録ヘッドの上から数えて33番目のノズルが記録するラスタと同じとなる。このことは、上述の例のように、記録ヘッドの最上端から数えて1番目のノズルが不吐であった場合、その不吐ノズルに対応した記録データは記録ヘッドの最上端から数えて129番目のノズルで補完可能と一律に決定していた場合と比べ、補完可能なノズルの位置が同じ記録紙面上で動的に変化することを意味している。
この不吐ノズルと補完ノズルの動的に変化する関係を、ある程度のリアルタイム性を保ちつつ処理をすることは、従来の記録システムにおいては大きな負荷となっていた。さらに、6色の異なるインクを用いた記録に対応するために、512個のノズルを記録ヘッドの走査方向に6列配列した構成の記録ヘッドを用いた場合、各ノズル列の異なる位置に不吐ノズルが発生した場合などは、不吐補完を行なうことは事実上、不可能であった。
また、上述したシングルパス記録の場合での不吐補完には、この補完処理だけのために余計な主走査方向に関するスキャンが必要となるので、記録速度を低下させてしまうという問題もあった。
このような問題を解決する手法として、従来より、不吐補完をマルチパス記録により行なわず、記録ヘッドをたった1回のスキャンで完成させる手法があった(例えば、特許文献3参照)。
この方法によれば、記録ヘッド内に不吐ノズルがある場合、そのノズルに割り当てられた記録データを不吐ノズル近傍に存在する同じノズル列の正常記録ノズルに振り分けてしまうのである。このような手法を用いれば、不吐補完においても、マルチパスに跨る複雑なデータ処理を行なう必要もなく、不吐補完のためだけの記録パスと言うものが存在しなくなり、比較的、安価で簡素に、且つ、高速な処理が得ることが可能である。
特開平6−226982号公報 特開平8−25700号公報 特開2002−19101号公報
しかしながら上記従来例の記録ヘッドをたった1回のスキャンで不吐補完を完成させる技術には、以下のような問題があった。
即ち、不吐ノズルに割り当てられた記録データを、不吐ノズル近傍に存在する同じノズル列の正常記録ノズルに振り分けると言う手法では、実際に記録ドットが割り当てられた紙面上の位置とは、若干ずれた位置に記録が行われることは原理上避けることができず、その結果、特に、薄い色のグラデーションがあるような画像では、不吐ノズルの記録ラスタがあるはずの位置(即ち、不吐補完の入ったラスタ)に、うっすらと白い筋が見えてしまう場合がある。
例えば、512個のノズルが存在し、各々のノズルの間隔が1200dpiの幅で規則正しく並んでいる場合を想定する。このような場合、そのノズル列の中の1つのノズルが不吐ノズルであると言うことは、記録画像の中で1200dpiの幅で規則正しく並んでいるはずの記録ドットの中の1つが全く記録されないことを意味し、結果として記録画像には1200dpiの幅で白い筋が形成されてしまうことになる。これに上記従来例で説明した記録ヘッドたった1回のスキャンで不吐補完を完成させる方法を適用した場合、不吐ノズルに割り当てられた1個の記録ドットを、不吐ノズル近傍に存在する同じノズル列の正常ノズルにその1個の記録ドットを移動させて補完記録を行なったとしても、その補完記録によりこの1200dpiの幅の白い筋が完全には補完されないことがある。
多くのパスで完成されるマルチパス記録(例えば、4パス記録、8パス記録等)であれば、記録ヘッドの1回のスキャンで記録されるドットの数も少なく、1回のスキャンで記録されるドットの数が少なければ、当然、不吐ノズルに割り当てられる記録ドットの数も少なくなり、1ラスタ中で補完が起こる回数が少なくなるので、この1200dpiの幅の白い筋も目立たなくなるのであるが、2パス記録やシングルパス記録などでは、1回のスキャンで記録されるドットの数が、比較的多いので、この白い筋が意外と目立つことが多い。
このように従来の記録ヘッド1回の走査で不吐補完を完成させる方法では画像品質の低下が避けられなかった。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、不吐補完による画像品質の低下を改善した記録装置及び記録方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため本発明の記録装置は以下の構成からなる。
即ち、インクを吐出する複数のノズルから構成されるノズル列を備えたインクジェット記録ヘッドを用いて記録を行なう記録装置であって、前記インクジェット記録ヘッドを前記ノズル列の方向とは異なる方向に走査する走査手段と、前記複数のノズルの内、インク吐出不良ノズルにより記録される前記走査方向の複数ドット分の記録データに基づいて、さらに前記走査方向の所定ドットにわたり仮想データを生成する仮想データ生成手段と、前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとに基づいて、前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとが記録される周辺の所定領域に含まれる複数ドットにおいて補完記録を行なうべきドットの優先順位を決定する優先順位決定手段と、前記優先順位決定手段によって決定された優先順位と前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとに基づいて、補完記録を行なうべき場所を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された補完記録場所で記録がなされるように、実際にインク吐出を発生させる記録データと仮想データとを移動させる移動手段と、前記移動手段によって移動させられた記録データ及び仮想データに基づいて、実際に前記インクジェット記録ヘッドにより記録を行なうための補正済みの記録データを生成する補正済み記録データ生成手段と、前記補正済み記録データ生成手段により生成された補正済み記録データに基づいて、前記インクジェット記録ヘッドを駆動し記録を行なう記録手段とを有することを特徴とする。
なお、前記仮想データ生成手段は、前記複数ドット分の記録データから前記仮想データを生成するためのテーブルを有していることが望ましい。
また、前記補完記録を行なうための対象となる前記周辺の所定領域とは、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する複数ドットと前記インク吐出不良ノズルを囲む前記ノズル列に関する複数ドットによって囲まれる領域であることが望ましい。
さらに、前記優先順位決定手段は、前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとが対応する各ドットについて補完記録を行なうべきドットの優先順位を定めた優先順位データを有していることが望ましい。
以上述べた仮想データ生成手段、優先順位決定手段、決定手段、移動手段、及び補正済み記録データ生成はASICによって構成されることが望ましい。
またさらに、前記インクジェット記録ヘッドには、複数の異なるインクに対応してノズル列を複数備えるようにしても良い。
なおまた、前記インクジェット記録ヘッドには、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることが望ましい。
さて、上記のような複数のノズル列を備えたインクジェット記録ヘッドを用いる場合、これら複数のノズル列夫々に対応した補完記録を行なうべきドットの優先順位を定めた優先順位データと仮想データを生成するためのテーブルとを格納するメモリをさらに備えることが望ましく、さらには、これら複数のノズル列においてインクを吐出するノズル列が異なるタイミングとなる毎にそのメモリからインクを吐出するために用いるノズル列に対応した前記優先順位データと前記テーブルとを読み出す制御手段をさらに有することが望ましい。
また、本発明の記録方法は以下のような工程からなる。
即ち、インクを吐出する複数のノズルから構成されるノズル列を備えたインクジェット記録ヘッドにインク吐出不良ノズルが生じたとき補完記録が可能な記録方法であって、前記複数のノズルの内、インク吐出不良ノズルにより記録される前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の複数ドット分の記録データに基づいて、さらに前記走査方向の所定ドットにわたり仮想データを生成する仮想データ生成工程と、前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとに基づいて、前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとが記録される周辺の所定領域に含まれる複数ドットにおいて補完記録を行なうべきドットの優先順位を決定する優先順位決定工程と、前記優先順位決定工程において決定された優先順位と前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとに基づいて、補完記録を行なうべき場所を決定する決定工程と、前記決定工程において決定された補完記録場所で記録がなされるように、実際にインク吐出を発生させる記録データと仮想データとを移動させる移動工程と、前記移動工程において移動させられた記録データ及び仮想データに基づいて、実際に前記インクジェット記録ヘッドにより記録を行なうための補正済みの記録データを生成する補正済み記録データ生成工程と、前記補正済み記録データ生成工程において生成された補正済み記録データに基づいて、前記インクジェット記録ヘッドを駆動し記録を行なう記録工程とを有することを特徴とする。
従って以上説明したように本発明によれば、仮想ドットと言う概念の導入することにより、インク吐出不良ノズルによって記録されるべきであった記録ドットを意図的に拡張し、さらに拡張された記録ヘッドをその周辺領域のドットを用いて補完記録を行なうようにすることができるので、より多くのドットを用いて補完記録がなされることにより、従来の不吐補完の手法では目立ちがちだった、補完記録による画質の低下を抑え、より高品位な補完記録を行なうことができるという効果がある。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
またさらに、以下に説明する実施形態においては、吐出が行えなくなったノズルに限らず、吐出方向や吐出されるインク滴の大きさが正常なノズルに対して大きく異なり、異常なノズルとして扱われるものも含めて異常ノズル、もしくは不吐出ノズル(不吐ノズル)と称して説明する。
最初に本発明を実施するために必要な原理について説明する。
1.原 理
図1は不吐ノズルがある場合の記録の様子を簡易的に表現した図である。
図1では、記録ヘッド3内のある特定のノズル列3−1を抜き出して記述している。このノズル列の中には、図に示されたように正常ノズル3−2(当然、これは多数ある)と不吐ノズル3−3(この例では、ノズル列3−1内に1つだけあるものと仮定する)が存在するものとする。また、3−4は記録ヘッド3のノズル列3−1によって記録媒体上に形成される記録画像である。このとき、記録ヘッド3は主走査方向に移動しながら記録画像を記録する。
この時さらに、記録ヘッド3からのインク吐出タイミングが決められ、記録ヘッド3のノズル列3−1は、主走査方向に対し規定の間隔(即ち、カラム間隔3−5)と主走査方向と直交する方向に対しても規定の間隔(即ち、ラスタ間隔3−6(通常これはノズル列3−1の機械的な間隔に順ずる場合が多い)とを維持しながら、記録画像3−4を形成する。ここで、図示した記録画像3−4は、記録ヘッド3が主走査方向に1回走査する時に記録される画像である。言い換えると、マルチパス完了後の記録画像ではない。
この時、記録画像3−4の中で、正常ノズル3−2は●で表される位置にインクを吐出する(以下、●を記録ドットという)。また、不吐ノズル3−3は○で表される位置に本来インク吐出を行うはずであるが、実際にはその位置へのインク吐出は行われない(以下、○を記録不良ドットという)。
この実施形態の目的は、○で表される位置に画像品質の低下を招くことなく不吐補完を行うことである。
なお、この実施形態で例示する不吐補完は、不吐ノズルの上下2ノズル分、主走査方向に4カラムの記録エリア(以下、補完対象エリア)内でその処理が行われるものと仮定する。そこで、説明を分かりやすくするために、補完対象エリア3−7のみを用いて、このエリアの中の記録不良ドットが補完される様子を説明する。
図2は不吐補完の原理を簡単に表現した図である。
まず、図2(a)は図1に示した補完対象エリア3−7を取り出した図である。この中には、3つの記録ドット(●)と2つの記録不良ドット(○)が含まれる。ここで説明の便宜上、各カラムの記録不良ドットの位置に名前を付けておく。即ち、左から、T1、T2、T3、T4と呼ぶことにする(“T”は不吐補完ターゲット(target)の頭文字のTである)。
従来例では、不吐ノズルの位置に1つの記録を行なうべきドットがあれば、それを正常ノズルの記録位置のどこか1つに(ただし、その正常ノズルに記録データが無い場所に)移動していた。即ち、従来例によれば、図1或いは図2(a)の場合、不吐により記録が行なわれないドットが2つあるので、これら2つが元々存在している3つの記録ドットを避けて、図2(a)内の正常ノズルの記録エリアのどこかで補完記録が行われていた。
これに対して、この実施形態では、以下のような処理を行なう。
即ち、まず不吐ノズルは、4カラム分の記録エリアの外に、図2(a)に示すような仮想ドットエリア(この例では、4カラム分=4ドット分あると仮定)を有するものと考える。当然、この仮想ドットエリアは、記録媒体空間上に存在するものではないし、そのデータも、所謂、記録装置のプリントバッファ上に存在しない。これは、この実施形態に従う不吐補完処理で存在する、正に仮想的な記録データエリアである。ここで説明の便宜上、これら4ドットの仮想ドットの位置に名前を付けておく。即ち、左から、v1、v2、v3、v4と呼ぶことにする(“v”は仮想(virtual)の頭文字のvである)。
次に、図2(b)を参照して、この仮想ドットエリアがどのように生成されるかを説明する。即ち、4カラム分の不吐ドットの位置にどのような記録パターンが存在するかに依存して、仮想ドットエリアのパターンを決定する。ちなみに、図2(a)に示す不吐ドットの記録パターンの場合は破線で囲んだ部分のパターンに該当する。
また、この部分の回路構成例としては、図2(c)に示すような論理構成のものが考えられる。簡単に説明すると、図2(c)において、inp(4ビットの信号)は4カラム分の不吐ドットの記録パターン、outp(4ビットの信号)はそこから生成された4ドット分の仮想ドットパターン、table0〜table15(各々4ビットの信号)は各4カラム分の不吐ドットの記録パターンに対しどのような4ドット分の仮想ドットパターンを発生させるかを与える仮想ドット発生用テーブルである。ちなみに、このテーブルは、ファームウェアで変更可能なような構成にしておくことが望ましい。
このように、図2(c)が表わすような論理回路を用いることで、不吐ドットの記録ドット数を仮想ドットエリア内に増やすことができる。そのドット数は、この実施形態では最大4ドットである。しかしながら、前述のように、これは記録媒体(例えば、記録用紙の紙面)空間上に存在しないエリアなので、このままでは記録も何もされることも無い。
そこで次に、図3〜図5を参照して、この仮想ドットエリア内のドットが、どのように不吐補完に関与していくのかについて説明する。さらに、この実施形態で利用している不吐補完の方法についても併せて説明する。
図3(a)は、図1に示した補完対象エリアの1つである補完対象エリア3−7が、図2で示した仮想ドット生成過程を経た後の状態を表す図である。補完対象エリア3−7には3つの記録ドットと2つの記録不良ドットとが含まれ、さらに上記の過程により生成された1つの仮想ドットが含まれる。
図3(b)は、図3(a)に示す記録不良ドットに対し補完を行うために、記録不良ドットがある位置以外の場所に、即ち、不吐ノズルでは無い正常な記録ノズルが存在するために記録可能であるはずのドット位置に、記録不良ドットを補完するための優先順位を付けている様子を示した図である。この図では不吐ノズルの記録エリアは4ドット、さらに仮想ドットのエリアが4ドットの合計で8ドットが存在するので、図3(b)に示すように8つのパターンが存在する。
まず、この段階では優先順位を与えるドット位置に記録すべきドットが有るか無いかに関係なく優先順位の番号を付けていく。この優先順位は、各不吐ドット、及び、各仮想ドット、即ち、T1、T2、T3、T4、及び、v1、v2、v3、v4に対して、別々の優先順位が与えられる。また、不吐補完の対象となるドット位置は16箇所なので、8つのパターン各々に関して、不吐補完を行なう優先順位が図3(b)に示すように、“1”〜“16”の番号で与えられる。この優先順位には、勿論、T1、T2、T3、T4、および、v1、v2、v3、v4で、皆同じパターンで与えることも可能であるが、画像の品質を考慮した場合、図3(b)に例示のように別々のパターンで与えることが望ましい。
図4は、図3(b)に示すように与えられた不吐補完優先順位に従って、不吐ドットの補完が行われる様子を示したものである。ここでは、補完対象エリア3−7の中にある記録ドットの位置を図3(a)のように固定的に考えず、いくつかの場合について、T1、T2、T3、T4、v1、v2、v3、v4の各々の不吐補完について、それぞれどのような処理が行われるかを説明したものである。
先ず、記録不良ドットT1の位置に記録ドットが存在した場合について考える。
図4のT1不吐補完(ケース1)401はその1例である。この図の指し示す状況は、“0”個の記録ドットと、1つの不吐により記録が行われなかった記録不良ドットが存在する状況である。この場合、1つの記録不良ドットは、そのまま、不吐補完優先順位の最も高い位置に移される(即ち、ドット補完が行われる)。図4の401では、それは不吐補完優先順位“1”を有するドットの位置である。
次に、T1不吐補完(ケース2)402について考える。この図の指し示す状況は、1個の記録ドットと、1つの不吐により記録が行われなかった記録不良ドットが存在する状況である。この場合、1個の記録ドットは不吐補完優先順位“1”が与えられた位置に存在している。従って、その記録不良ドットは、次に不吐補完優先順位の高い位置に移される。図4の402では、それは、不吐補完優先順位“2”を有するドットの位置である。
次に、記録不良ドットT2の位置に記録ドットが存在した場合について考える。
図1に示したような記録ヘッドの走査方向から考えて、T2の不吐補完処理はT1の処理が終了した後に行われなければならないと仮定する。T2不吐補完(ケース1)403はその1例である。この図の指し示す状況は、0個の記録ドットと、1つの不吐により記録が行われなかった記録不良ドットが存在する状況である。この場合、その記録不良ドットは、そのまま、不吐補完優先順位の最も高い位置に補完される。図4の403では、それは、不吐補完優先順位“1”を有するドットの位置である。
次に、T2不吐補完(ケース2)404について考える。この図の指し示す状況は、1個の記録ドットと、1つの不吐により記録が行われなかった記録不良ドットが存在する状況である。この場合、1個の記録ドットは不吐補完優先順位の“1”が与えられた位置に存在している。従って、その記録不良ドットは、次に不吐補完優先順位の高い位置に移される。図4の404では、それは不吐補完優先順位“2”を有するドットの位置である。
さらに、T2不吐補完(ケース3)405について考える。この図の指し示す状況は、1個の記録ドットと、1つの補完ドット(T2の処理の前に行われたT1の処理の時点で発生したと仮定)が存在する状況である。そして、その補完ドットは、不吐補完優先順位の“1”が与えられた位置に存在している。この場合、記録不良ドットは、次に不吐補完優先順位の高い位置に移される。図4の405では、それは、不吐補完優先順位“2”を有するドットの位置である。
このようにT1→T2と不吐補完処理を行った後、T3→T4の順番で、上と同様のアルゴリズムで処理を行う。以下、この点について簡単に説明する。
図4のT3不吐補完406において、もし、ドットT3の位置に記録ドットが存在すれば、T1、T2において形成された補完ドットと、元からある記録ドットを避けて、補完処理が行われる。図4の406の場合は、不吐補完優先順位の“1”が与えられた位置に補完が行われる。ドットT3の位置に記録ドットが無ければ何の処理も行われない。
同様に図4のT4不吐補完407においても、もし、ドットT4の位置に記録ドットが存在すれば、T1、T2、T3において形成された補完ドットと元からある記録ドットとを避けて補完処理が行われる。図4の407の場合は、不吐補完優先順位の“1”が与えられた位置に補完が行われる。ドットT4の位置に記録ドットが無ければ何の処理も行われない。
このように、ドットT1〜T4に関する補完処理が終了した後、これと全く同じアルゴリズムで、v1、v2、v3、v4について補完処理を行う。
この点について、以下、簡単に説明する。
図4のv1不吐補完408において、もし、ドットv1の位置に記録ドットが存在すれば、T1〜T4において形成された補完ドットと元からある記録ドットとを避けて補完処理が行われる。図4の408の場合は、不吐補完優先順位の“3”が与えられた位置に補完が行われる。ドットv1の位置に記録ドットが無ければ何の処理も行われない。
図4のv2不吐補完409において、もし、ドットv2の位置に記録ドットが存在すれば、T1〜T4とv1とで形成された補完ドットと元からある記録ドットとを避けて、補完処理が行われる。図4の409の場合は、不吐補完優先順位の“1”が与えられた位置に補完が行われる。ドットv2の位置に記録ドットが無ければ何の処理も行われない。
図4のv3不吐補完410において、もし、ドットv3の位置に記録ドットが存在すれば、T1〜T4とv1〜v2とで形成された補完ドットと元からある記録ドットとを避けて、補完処理が行われる。図4の410の場合は、不吐補完優先順位の“1”が与えられた位置に補完が行われる。ドットv3の位置に記録ドットが無ければ何の処理も行われない。
図4のv4不吐補完411において、もし、ドットv4の位置に記録ドットが存在すれば、T1〜T4とv1〜v3とで形成された補完ドットと元からある記録ドットとを避けて、補完処理が行われる。図4の411の場合は、不吐補完優先順位の“1”が与えられた位置に補完が行われる。ドットv4の位置に記録ドットが無ければ何の処理も行われない。
図5は、以上のようなアルゴリズムを適用して、図3(a)に示す補完対象エリア3−7に含まれる不吐ノズルの記録エリアと仮想ドットと対し不吐補完を行った様子を示す図である。この図は、補完前に、各不吐ドットの不吐補完優先順位として、図3(b)に示す順番が与えられているものと仮定している。
図5のT1不吐補完501は、T1の不吐補完が行われている様子を示している。この場合、ドットT1の位置には記録ドットが存在し、かつ、不吐補完優先順位“1”の位置には記録ドットが無いので、T1の記録不良ドットは不吐補完優先順位“1”の位置に移動される。
次に実行される図5のT2不吐補完502では、ドットT2の位置には記録ドットが存在し、かつ、不吐補完優先順位“1”の位置には記録ドットがある。従って、次に高い不吐補完優先順位を探すと、不吐補完優先順位“2”が空いているので、T2の記録不良ドットは不吐補完優先順位“2”の位置に移動される。
さらに次に実行されるのは、図5のT3不吐補完503の処理である。この場合、ドットT3の位置には記録ドットが存在しないので、補完処理は行われない。
またさらに次に実行されるのは、図5のT4不吐補完504の処理である。この場合、ドットT4の位置には記録ドットが存在しないので、補完処理は行われない。
またさらに次に実行されるのが、図5のv1不吐補完505の処理である。しかし、ドットv1の位置には記録ドットが存在しないので、補完処理は行われない。
またさらに次に実行されるのが、図5のv2不吐補完506の処理である。この場合、ドットv2の位置には記録ドットが存在し、かつ、不吐補完優先順位“1”の位置には記録ドットが無いので、ドットv2は不吐補完優先順位“1”の位置に移動される。
またさらに次に実行されるのが、図5のv3不吐補完507の処理である。しかし、ドットv3の位置には記録ドットが存在しないので、補完処理は行われない。
最後に実行されるのが、図5のv4不吐補完508の処理である。しかし、ドットv4の位置には記録ドットが存在しないので、補完処理は行われない。
最後に、以上説明した補完処理の原理を簡単にまとめると、従来例では1個の記録不良ドットを単に別の正常ノズルの1つの場所に移動すると言う考えに基づいていたのに対し、この実施形態によれば、仮想ドットエリアという概念を導入し、数カラム内に存在する記録不良ドットのパターンから仮想ドットを発生させ、あたかもそれが記録不良ドットの一部で有るかの様にデータ処理を実行する。
次に本発明が実現される記録装置について説明する。
2. 記録装置の構成
<インクジェット記録装置の説明(図6)>
図6は本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
図6に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置という)は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2にキャリッジ(CR)モータM1によって発生する駆動力を伝達機構4より伝え、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させるとともに、例えば、記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
また、記録ヘッド3の状態を良好に維持するためにキャリッジ2を回復装置10の位置まで移動させ、間欠的に記録ヘッド3の吐出回復処理を行う。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
図6に示した記録装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
さて、キャリッジ2と記録ヘッド3とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、この実施形態の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用し、熱エネルギーを発生するために電気熱変換体を備え、その電気熱変換体に印加される電気エネルギーが熱エネルギーへと変換され、その熱エネルギーをインクに与えることにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させる。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
図6に示されているように、キャリッジ2はキャリッジ(CR)モータM1の駆動力を伝達する伝達機構4の駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。従って、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転及び逆転によってガイドシャフト13に沿って往復移動する。また、キャリッジ2の移動方向(矢印A方向)に沿ってキャリッジ2の絶対位置を示すためのスケール8が備えられている。この実施形態では、スケール8は透明なPETフィルムに必要なピッチで黒色のバーを印刷したものを用いており、その一方はシャーシ9に固着され、他方は板バネ(不図示)で支持されている。
また、記録装置1には、記録ヘッド3の吐出口(不図示)が形成された吐出口面に対向してプラテン(不図示)が設けられており、キャリッジ(CR)モータM1の駆動力によって記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が往復移動されると同時に、記録ヘッド3に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン上に搬送された記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。
さらに、図1において、14は記録媒体Pを搬送するために搬送(LF)モータM2によって駆動される搬送ローラ、15はバネ(不図示)により記録媒体Pを搬送ローラ14に当接するピンチローラ、16はピンチローラ15を回転自在に支持するピンチローラホルダ、17は搬送ローラ14の一端に固着された搬送ローラギアである。そして、搬送ローラギア17に中間ギア(不図示)を介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ14が駆動される。
またさらに、20は記録ヘッド3によって画像が形成された記録媒体Pを記録装置外ヘ排出するための排出ローラであり、搬送モータM2の回転が伝達されることで駆動されるようになっている。なお、排出ローラ20は記録媒体Pをバネ(不図示)により圧接する拍車ローラ(不図示)により当接する。22は拍車ローラを回転自在に支持する拍車ホルダである。
またさらに、記録装置1には、図1に示されているように、記録ヘッド3を搭載するキャリッジ2の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えば、ホームポジションに対応する位置)に、記録ヘッド3の吐出不良を回復するための回復装置10が配設されている。
回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構11と記録ヘッド3の吐出口面をクリーニングするワイピング機構12を備えており、キャッピング機構11による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の吸引手段(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させ、それによって、記録ヘッド3のインク流路内の粘度の増したインクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行う。
また、非記録動作時等には、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピング機構11によるキャッピングすることによって、記録ヘッド3を保護するとともにインクの蒸発や乾燥を防止することができる。一方、ワイピング機構12はキャッピング機構11の近傍に配され、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク液滴を拭き取るようになっている。
これらキャッピング機構11及びワイピング機構12により、記録ヘッド3のインク吐出状態を正常に保つことが可能となっている。
図7は図6に示す記録装置の電気回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。
この実施形態における電気回路は、主にキャリッジ基板(CRPCB)113、メインPCB(Printed Circuit Board)114、電源ユニット115、フロントパネル106等によって構成されている。
電源ユニット115は、メインPCB114と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。また、キャリッジ基板113は、キャリッジ2に搭載されたプリント基板ユニットであり、ヘッドコネクタ101を通じて記録ヘッド3との信号の授受を行うインタフェースとして機能する他、キャリッジ2の移動に伴ってエンコーダセンサ103から出力されるパルス信号に基づき、スケール8とエンコーダセンサ103との相対的位置関係の変化を検出し、その出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)112を通じてメインPCB114へと出力する。さらに、キャリッジ基板113はOnCRセンサ102を搭載し、サーミスタ(不図示)による周囲温度情報や光学センサによる反射光情報を、記録ヘッド3からのヘッド温度情報とともに、同じくフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)112を通じてメインPCB114へと出力する。
さらに、メインPCB114はこの実施形態における記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、紙端検出センサ(PEセンサ)107、自動給紙機構(ASF)センサ109、カバーセンサ122、ホストインタフェース(ホストI/F)117を基板上に有する。
また、メインPCB114はキャリッジ2を走査させるための駆動源であるCRモータM1、記録媒体を搬送するための駆動源であるLFモータM2、記録ヘッドの回復動作の駆動源であるPGモータM3、記録媒体の給紙動作の駆動源であるASFモータM4と接続されてこれらの駆動を制御する他、インク有無検出センサ、媒体判別センサ、キャリッジ位置(高さ)センサ、LFエンコーダセンサ、PGセンサ、各種オプションユニットの装着/動作状態を示すスイッチセンサ類からなるセンサ信号104の入力部と、各種オプションユニットの駆動制御を行うオプション制御信号108を出力する出力部を有する。さらに、CRFFC112、電源ユニット115、フロントパネル106との接続インタフェース(パネル信号116)を有する。
フロントパネル106は、ユーザ操作の利便性のため記録装置本体正面に設けられたユニットであり、電源キー118、リジュームキー119、LED120、さらにデジタルカメラ等の周辺デバイスとの接続に用いるデバイスI/F110を有する。
図8は、メインPCB114の内部構成を示すブロック図である。
図8において、1102はASIC(アプリケーション専用集積回路:Application Specific Integrated Circuit)であり、制御バス1014を通じてROM1004に接続され、ROM1004に格納されたプログラムに従って、メインPCB114上の各センサ出力と、センサ信号104の入力、CRPCB112からのOnCRセンサ信号1105、エンコーダ信号1020と、フロントパネル106上の電源キー118、リジュームキー119からの出力の状態を検出し、またホストI/F117、フロントパネル上のデバイスI/F110の接続/データ入力状態に応じて、各種論理演算・条件判断等を行い、前述または後述する各構成要素を制御し、記録装置の駆動制御を司る。
1103はドライバリセット回路であって、モータ電源(VM)1040を駆動源とし、ASIC1102からのモータ制御信号1106に従って、CRモータ駆動信号1037、LFモータ駆動信号1035、PGモータ駆動信号1034、ASFモータ駆動信号1104を生成し、各モータを駆動する他、電源回路を有し、メインPCB114、CRPCB113、フロントパネル106など各部に必要な電源(不図示)を供給し、さらには電源電圧の低下を検出して、リセット信号1015を発生、初期化を行う。
1010は電源制御回路であり、ASIC1102からの電源制御信号1024に従って発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。ホストI/F117は、ASIC1102からのホストI/F信号1028を外部接続されるホストI/Fケーブル1029に伝達し、またホストI/Fケーブル1029からの信号をASIC1102に伝達する。一方、電源ユニット115からは、ヘッド電源(VH)1039及びモータ電源(VM)1040、ロジック電源(VDD)1041が供給される。
また、ASIC1102からのヘッド電源ON信号(VHON)E1022及びモータ電源ON信号(VMOM)1023が電源ユニット115に入力され、それぞれヘッド電源1039及びモータ電源1040のON/OFFを制御する。電源ユニット115から供給されたロジック電源(VDD)1041は、必要に応じて電圧変換された上で、メインPCB114内外の各部へ供給される。
さらに、ヘッド電源信号1039は、メインPCB114上で平滑化された後にCRFFC112へと送出され、記録ヘッド3の駆動に用いられる。ASIC1102は1チップの演算処理装置内蔵半導体集積回路であり、モータ制御信号1106、オプション制御信号108,電源制御信号1024、ヘッド電源ON信号1022、及びモータ電源ON信号1023等を出力し、ホストI/F117との信号の授受を行うとともに、パネル信号116を通じて、フロントパネル上のデバイスI/F110との信号の授受をおこなう他、PEセンサ107からのPE検出信号(PES)1025、ASFセンサ109からのASF検出信号(ASFS)1026、カバーセンサ122からのカバー検出信号(COVS)1042、パネル信号116、センサ信号104、OnCRセンサ信号1105の状態を検知して、パネル信号116の駆動を制御してフロントパネル上のLED120を点滅させる。
さらに、エンコーダ信号(ENC)1020の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド制御信号1021により記録ヘッド3とのインタフェースをとり記録動作を制御する。ここにおいて、エンコーダ信号(ENC)1020はCRFFC112を通じて入力されるCRエンコーダセンサ103の出力信号である。また、ヘッド制御信号1021は、フレキシブルフラットケーブル(CRFFC)112、キャリッジ基板113、及びヘッドコネクタ101を経て記録ヘッド3に供給される。
図9はASIC1102の内部機能構成、及び、そのデータの流れの概略を示すブロック図である。なお、実際の記録装置のASICはこの図で図示した以上の複雑な構造を有しているが、ここでは、この実施形態に関係する不吐補完機能に関係のある部分に沿ってのみ、その内部構成を説明する。
まず、ASIC1102以外に不吐補完機能のデータフローを説明する上で、機能に対する理解を促すために附加しておくべき要素が2つある。1つはパーソナルコンピュータ(PC)1200、そして、記録ヘッド3である。PC1200はこの実施形態に従う不吐補完機能が内蔵される記録装置の外部に存在し、記録データをその記録装置に対し、より厳密には、ASIC1102のデータ受信部に対し転送する。また、記録ヘッド3は記録装置が動作することにより得られる成果物である記録画像を生成するためのものであり、前述のように、記録ヘッド3に正常ノズルに混じって不吐ノズルが存在するのである。また、記録ヘッド3の動作を制御するデータ、即ち、記録データや吐出パルス信号などはASIC1102の内部で生成される。
3.不吐補完データ生成処理と記録データ生成処理
次に、ASIC1102の内部機能について説明する。
図9を参照して主要な機能ブロックについて述べると、1201はASIC1102全体の動作を統括・管理するCPU、1202はこの記録装置のメインメモリであるSDRAMである。なお、そのメインメモリは必ずしもSDRAMである必要は無く、DRAMでもSRAMでも、RAMの定義の範疇に属するメモリであれば、特に、SDRAM以外のメモリでも構わない。そして、ASIC1102中、それ以外のブロックは、所謂、ランダムロジックと言われる部分で、これらにより、記録装置特有の動作、及びに、この実施形態に従う不吐補完機能特有の動作が実現される部分である。
以下、このランダムロジック部分について説明する。
まず、311はPC1200から転送されるデータを受信するインタフェース部である。例えば、インタフェース部311は、IEEE1284やUSBやIEEE1394などに準拠したインタフェースプロトコルに合わせて信号の取り込みを行い、ASIC1102が扱いやすいフォーマット(通常、データを1バイト単位の形に整形している場合が多い)にデータを生成する。インタフェース部311によってASIC1102の内部に取り込まれたデータは、次に受信データ制御部312に送られる。
受信データ制御部312ではインタフェース部311が受信したデータを受け取り、SDRAM1202に保存する。なお、SDRAM1202の中で受信データ制御部312によって制御される部分を受信バッファと呼ばれることが多い。
受信データ制御部312によりSDRAM1202の中に保存されたデータは、各記録制御のタインミングに応じて記録データ生成部314に読み込まれ記録データが生成される。通常、記録データ生成部314は、その役割によって、H−V変換部、データ展開部、マルチパスマスク制御部など様々な機能に分割される。また、上記の機能各々がSDRAM1202にアクセスし、その独自の機能によるデータ処理を行う場合、SDRAM1202内のアクセス領域を、ワークバッファ、プリントバッファ、または、マスクバッファ等と名前を変えて呼ぶのが一般的である。しかしながら、ここでは、これらの機能について詳しく述べることは、不吐補完機能を説明することと関連が薄いので、上記の機能を一括して「記録データ生成部」として扱う。
記録データ生成部314にて作成された記録データは、記録データ格納用SRAM315に保存される。記録データ格納用SRAM315は、システム上、必須のものではないのだが、昨今の記録装置では記録データを予め大量に生成しておき、記録速度を向上させている場合が多く、このように記録データをSRAMのような高速アクセス可能なメモリ(DRAMはアクセス時間がかかり過ぎるので不適である)に一旦格納する場合が多い。また、ここで非常に重要なことは、ここで扱われている記録データは、マルチパス、インデックスデータ展開、また、マスク処理と言った各種データ処理を完全に施された後のデータでこれを記録ヘッド制御部317に送れば、即座に記録可能な形態のデータである。この実施形態で説明している不吐補完機能は、このデータに対して更に不吐補完処理を行うものである。
さて、記録データ格納用SRAM315から記録データ読み出し部316によって読み出しが行われる。この時、記録ヘッド3内部に不吐ノズルが存在しなければ、記録データ読み出し部316に読み出されたデータは、直接、記録ヘッド制御部317に送られる。記録ヘッド制御部317は、受信した記録データを記録ヘッド3に転送したり、記録ヘッド3へヒートパルス信号を転送するといった記録ヘッド3に特有の制御を行う。
また、記録タイミング生成部318はエンコーダ信号1020から各種記録タイミングを生成する。記録タイミング生成部318は、エンコーダ信号1020から適切な間隔で信号を生成し、記録データ生成部314、記録データ読み出し部316、記録ヘッド制御部317、そして、後述する不吐補完データ読み出し部367が、適切なタイミングでデータのやり取りを行えるようにすることである。
次に、この実施形態に従う不吐補完機能に関する部分について説明する。不吐補完機能に関するブロックは、ASIC1102内部で不吐補完ブロック36で示される破線で囲まれた領域の中の各ブロックのことである。
まず、必要なのが不吐情報格納部361であり、これにより記録ヘッド内部のどのノズル位置に不吐ノズルがあるのかを設定する。この設定は、CPU1201によって行われる。不吐情報格納部361に設定された不吐ノズル情報は、不吐補完データ抽出タイミング生成部362と記録データ読み出し部316と不吐補完後のデータ生成部368とに転送される。
不吐補完データ抽出タイミング生成部362は、転送されたデータに基づき、不吐補完データ抽出タイミング信号を生成する。一方、記録データ生成部314は、現在、記録ヘッド3のどの(正常か不吐かによらず)ノズルのデータを生成し、記録データ格納用SRAM315に書き込みを行っているかを判別可能である。故に、この現在扱っている記録データと記録ヘッド3内のノズルの関係を示す情報を、記録データ生成部314から受信することで、現在扱っているのは不吐ノズルの吐出データなのか否か、もしくは、原理の項で説明した不吐ノズル近傍上下の不吐補完を行うべきノズル位置の吐出データなのか否かが判断可能である。勿論、記録ヘッド内に不吐ノズルが無ければ、この不吐補完データ抽出タイミング生成部362は何の信号も出力しない。
このデータに基づき、不吐補完データ抽出タイミング生成部362は、不吐補完用データ(不吐ノズルの吐出データと不吐補完をすべき正常ノズル位置の記録データの双方を示す)を取り込むタイミングを不吐補完用データ抽出部363知らせる。不吐補完データ抽出部362は、記録データ生成部314が出力する記録データの信号線と接続されているため、不吐補完データ抽出タイミング生成部362が通知するタイミングに従って、記録データの中から不吐補完用データのみを抜き出すことができる。その抜き出された不吐補完用データは、不吐補完アルゴリズム実行部363に転送される。不吐補完アルゴリズム実行部363は、原理の項で示した不吐補完データ演算を行うブロックである。
上述した原理によれば、不吐補完データ演算を行うためには、不吐補完優先順位が必要である。不吐補完優先順位設定部365によって、不吐補完アルゴリズム実行部363にその不吐補完優先順位データが転送される。不吐補完優先順位設定部365はCPU1201の設定により、不吐補完優先順位を設定することが可能な機能を有するものである。ここで言う不吐補完優先順位とは、上述した原理によれば不吐ドット補完用、及び、仮想ドット補完の双方を言う。
また、不吐補完データ演算を行うためには仮想ドット生成用のテーブルが必要である。仮想ドット生成用テーブル設定部369によって、不吐補完アルゴリズム実行部363にその仮想ドット生成用のテーブルデータが転送される。
このような不吐補完優先順位設定部365や仮想ドット生成用テーブル設定部369を設けることで、ASIC1102を設計製造してしまった後でも、不吐補完優先順位をファームウェアにより柔軟に変更できる。
不吐補完アルゴリズム実行部363は、この実施形態の中でも重要な機能であるため、別途、図を用いて詳しく説明する。
図10は不吐補完アルゴリズム実行部363の機構を更に詳しく描写したブロック図である。
前述したように、不吐補完アルゴリズム実行部363には、不吐補完優先順位データと、抽出された不吐補完用データ(不吐ノズルの吐出データと不吐補完をすべき正常ノズル位置の記録データ)と、仮想ドット生成用のテーブルデータとが入力される。図10を参照して説明する前に、この不吐補完に関して設定しておくべき仮定がある。それは、図10に示されているように、上述の原理で説明したのと同様、図2に示したように不吐ノズルの上下2ノズルの正常ノズル位置、及び、4カラムの範囲において、不吐補完を行うことと、その処理はT1→T2→T3→T4→v1→v2→v3→v4の順でなされる点である。
先ず、不吐補完アルゴリズム実行部364は、不吐補完データ抽出タイミング生成部362からタイミング信号を受け取り、不吐補完データ抽出部363から不吐補完用データを取り込む。4カラムの範囲に渡って不吐補完用データを取り込んだ後、各カラムに関して順次演算を行わなければならない制御が必要であるが、この制御は不吐補完アルゴリズム実行部364の全体動作を統括する不吐補完アルゴリズム管理部が364aが担当する。このブロックでは、不吐補完データ抽出タイミング生成部362からタイミング信号を受け取り、そのタイミング信号に基づいて、不吐補完データラッチ部364bに不吐補完用データをラッチするよう信号を出力する。そして、不吐補完アルゴリズム管理部364aは4カラム分の不吐補完データをラッチし終わると、不吐補完処理を開始する。
この時、同時に仮想ドット生成部364cが、仮想ドット生成用のテーブルデータと不吐補完用データとに基づいて、仮想ドットデータを生成する。この生成は上述の原理に従って行なわれ、不吐補完用データが入力されると規定のゲート遅延経過後ほぼリアルタイムに仮想ドットデータが出力される。
図10に描かれているように、不吐補完データラッチ部364bにおいてラッチされた不吐補完用データと仮想ドットデータ(合計24ビット)は、動作クロックの周波数などと関係なく、常時、不吐補完処理部364dに出力される。
これに対して、不吐補完優先順位データに関しては、図10に示したように、不吐補完優先順位設定部365から、T1〜T4、v1〜v4各ビットでの変換用に8つのデータパターン(図3(b)参照)が転送されてきているので、現在変換中の不吐ドットの位置に従って適切に選択する必要がある。従って、不吐補完アルゴリズム管理部364aは、先ず、T1の位置にある不吐ドットに関して処理を行うので、不吐補完優先順位選択部364eにT1処理用の不吐補完優先順位データ(T1P)を出力するよう選択信号(SEL)を転送する。
こうして、不吐補完データラッチ部364から出力された4カラム分の不吐補完用データと、不吐補完優先順位選択部364eから出力されたT1処理用の不吐補完優先順位データ(T1P)は不吐補完処理演算部364dに入力される。
ここで、不吐補完処理演算部364dの機能詳細について説明する。
図11は不吐補完処理演算部364dの機能詳細を示すブロック図である。
図11に示されているように、不吐補完処理演算部364dに入力された2つのデータ、即ち、不吐補完優先順位データと抽出された不吐補完用データとは、先ず、不吐補完可能位置の抽出部364d1に入力される。このブロックでは不吐補完優先順位データの中で、正常ノズルによる記録データが無く不吐補完が可能な優先順位のみを抽出する。
図11に示す例の場合、不吐補完優先順位データの内で、優先順位が“7”、“9”、“15”の位置に記録データが存在するので、不吐補完が可能な有効な優先順位はそれ以外となる。ここで抽出された不吐補完が可能な優先順位データは、次に、優先順位判断部364d2に転送される。このブロックでは、不吐補完が可能な優先順位の中から最も高い優先順位を1つだけ決定する。図11に示す例の場合、不吐補完が可能な優先順位の中から一番高い優先順位は“1”と言うことになる。
最後に、不吐補完データ合成部364d3でデータ合成処理を実行し、不吐補完を完成させる。このブロックでは、優先順位判断部364d2が出力した一番高い優先順位の位置のデータと抽出された不吐補完用データとを合成し、不吐補完後の記録データを作成する。即ち、入力された抽出された不吐補完用データを決定された優先順位の示す位置に移動させる処理を実行する。ただし、この処理を実行するに当たり、不吐ノズルの位置に元々、記録データが有るのか否かを判断をする。そして、その場所に記録データがあれば、上述のように不吐補完後の記録データを生成し、それを不吐補完アルゴリズム実行部364の出力として出力する。これに対して、その場所に記録データが無ければ、抽出された不吐補完用データをそのまま不吐補完アルゴリズム実行部364の出力として出力する。
つまり、不吐補完可能位置の抽出部364d1が、不吐補完用データとT1処理用の不吐補完優先順位データ(T1P)から不吐補完の可能な位置を判断し、次に、優先順位判断部364d2が不吐補完の可能な位置の中から最も高い優先順位を判断し、最後に、不吐補完データ合成部364d3が、不吐補完の可能な位置の中から最も高い優先順位の位置と不吐補完用データとを用いて不吐補完を行う。即ち、不吐ドット位置T1に記録データがあれば、不吐補完の可能な位置の中から最も高い優先順位の位置にその記録データを移動する一方、不吐ドット位置T1に記録データがなければ、入力された記録データをそのまま出力するというように不吐補完を行う。
このようにして、記録ドットT1に関する不吐補完を施した新たな4カラム分の不吐補完用データをラッチした不吐補完処理データラッチ部364bはこれを不吐補完処理演算部364dに対して、再度出力する。
次に、不吐補完アルゴリズム管理部364aは、T2の位置の不吐ドットに関して処理を行うために、不吐補完優先順位選択部364eにT2処理用の不吐補完優先順位データ(T2P)を出力するよう選択信号(SEL)を転送する。こうして、不吐補完処理演算部364dにはT1の記録ドットに関する不吐補完処理を施した4カラム分の不吐補完用データとT2処理用の不吐補完優先順位データ(T2P)とが入力されたため、上述した手順に従い、適当なゲート遅延後にT1とT2の記録ドットに関する不吐補完処理を施した4カラム分の不吐補完用データを出力する。
不吐補完アルゴリズム管理部364aは適当な動作クロック(約2クロック分で十分)が入力されるまで待機し、その後、不吐補完処理演算部364dが出力したデータを新たな4カラム分の不吐補完用データとして更新するよう、不吐補完処理データラッチ部364bに制御信号を転送する。こうして、T1とT2の記録ドットに関する不吐補完処理を施した新たな4カラム分の不吐補完用データをラッチした不吐補完処理データラッチ部364bはこれを不吐補完処理演算部364dに対して、再度出力する。
さらに、不吐補完アルゴリズム管理部364aは、T3の位置の不吐ドットに関して処理を行うために、不吐補完優先順位選択部364eにT3処理用の不吐補完優先順位データ(T3P)を出力するよう選択信号(SEL)を転送する。こうして、不吐補完処理演算部364dには、T1とT2の記録ドットに関する不吐補完処理を施した4カラム分の不吐補完用データとT3処理用の不吐補完優先順位データ(T3P)がと入力されたため、上述した手順に従い、適当なゲート遅延後に、T1〜T3の記録ドットに関する不吐補完処理を施した4カラム分の不吐補完用データを出力する。
不吐補完アルゴリズム管理部364aは適当な動作クロック(約2クロック分で十分)が入力されるまで待機し、その後、不吐補完処理演算部364dが出力したデータを新たな4カラム分の不吐補完用データとして更新するよう、不吐補完処理データラッチ部364bに制御信号を転送する。こうして、T1〜T3の記録ドットに関する不吐補完処理を施した新たな4カラム分の不吐補完用データをラッチした不吐補完処理データラッチ部364bはこれを不吐補完処理演算部364dに対して、再度出力する。
以下同様な手順で、T4→v1→v2→v4→v4と不吐補完処理を行う。こうして完成した不吐補完処理を施した新たな4カラム分の不吐補完用データを不吐補完処理データラッチ部364bは不吐補完データ用SRAM366に転送し、4カラム分の不吐補完の不吐補完処理を終了する。
後は、この処理を4カラム分の不吐補完用の記録データを取り込む毎に繰り返していくのである。
ここからは、再度図9を参照して、ASIC1102の内部機能について、その続きを説明する。
不吐補完アルゴリズム実行部363の成果物である不吐補完処理が施されたデータは不吐補完データ用SRAM366に書き込まれる。これは、記録データを記憶している記録データ格納用SRAM315に対応しているものである。当然、不吐補完処理が施されたデータは、最終的な記録データでもあるので、記録データ格納用SRAM315に記憶しても良いのであるが、そうした場合、記録データ格納用SRAM315に対する書き込みブロックが、記録データ生成部314と不吐補完アルゴリズム実行部364との2つになり、バス調停やアクセス競合が発生することが予想される。このような事象が発生すると、プリンタシステムとしてのスループットの低下が懸念されるので、ここでは、別途、不吐補完処理が施されたデータ専用にSRAMを設けている。しかし、今後、プリンタシステムの能力が、飛躍的に向上した場合、記録データ格納用SRAM315を併用することも可能であることは言うまでもない。
次に、不吐補完データ用SRAM366に書き込まれた不吐補完処理が施されたデータは、規定のタイミングで不吐補完データ読み出し部367によって読み出しが行われる。ここで言う規定のタイミングとは、記録データ読み出し部316と同期していると言う意味である。
即ち、記録データ格納用SRAM315には、当然、正常ノズルの記録データと不吐ノズルの記録データの両方が全て含まれているわけであるが、不吐補完データ用SRAM366には不吐ノズル周辺のノズル記録データしか記憶されていない。そして、この実施形態の目指すところは、最終的に、記録データ格納用SRAM315が格納するデータ(正常ノズルの記録データも不吐ノズルも含まれた記録データ)が不吐補完データ用SRAM366のデータ(不吐ノズル周辺ノズル記録データ、即ち、不吐補完処理を施した後のデータ)で適切に置換されることである。
従って、記録データ読み出し部316が不吐補完に関係するノズルのデータを読み出しているとき、不吐補完データ用SRAM366からもそれに対応するデータを読み出し、その2つを適切に選択して記録ヘッドに転送すべき処理済みの記録データとして完成させることが必要とある。もちろん、これら2つのSRAMからの読出しタイミングを互いに同期をとらずに読出して、後に、別途、その2つを適切に選択して組みかえる処理を行なうことも可能であるが、この場合、その処理を実行する回路の規模が大きくなるので、小規模、簡素、安価にシステムを提供すると言う本発明の目的からすると、望ましい手段とは言えない。
以上の理由から、不吐補完データ読み出し部367は、記録データ読み出し部316からの読出信号を基に、そして、それに同期した形で、不吐補完処理が施されたデータの読み出しを行う必要がある。また、記録データ読み出し部316は、現在自分自身が読出している記録データが不吐補完に関係するか否かを判断した後に、不吐補完データ読み出し部367に読出信号を出力するために、不吐情報格納部361が出力する不吐ノズル情報を必要とする。
さて、不吐補完データ読み出し部367で読み出された不吐補完処理が施されたデータは、それと同期して記録データ読み出し部316から読み出された記録データ(この記録データは不吐補完に関係するノズル位置のデータでなければならない)と共に、不吐補完後データ生成部368に転送され、2つの読出し元から転送されたデータをマージする。
図12は不吐補完処理が施されたデータと記録データとをマージする処理の様子を示した図である。
ここで、図12を参照して、そのマージ処理について簡単に説明する。
まず前述したように、不吐補完処理が施されたデータと記録データとが入力される。次に、不吐補完処理が施されたデータは、記録データと同じビット数に拡張される。通常のプリンタシステムにおいて、記録データは、バイトやワード等の8の倍数のビット単位でデータが処理される。しかしながら、不吐補完処理が施されたデータは、8の倍数のビット数にはならず、それより少ないビット数の場合がある。例えば、この実施形態で説明している例では、不吐ノズル分が1ビット、不吐補完の対象となるノズル分(不吐ノズルの上下2つのノズル)が4ビットで、合わせて5ビットである。そのような場合、不吐補完処理が施されたデータのビット長を記録データの処理単位と同じビット数に合わせる必要がある。
この実施形態では、図12に示したように記録データは8ビット(= 1バイト)単位で扱われると考え、不吐補完処理が施されたデータは5ビットから8ビットに拡張される。この拡張は、不吐情報格納部361から転送される不吐ノズルの位置情報を基に、どの位置を拡張するかを決定し、その拡張する位置には“0(NULLデータ)”を埋め込むようにしてなされる。
このようにして拡張された不吐補完処理が施されたデータと記録データとはビットOR回路368aに転送され、各ビット同士の論理OR演算をおこなって、その演算結果を不吐補完後データ生成部368から出力する。
さて、図12を見ると、不吐補完後データ生成部368の入力である不吐補完処理が施されたデータ(ただし、ビット拡張されたデータ)と、不吐補完後データ生成部368からの出力データとは全く同じデータとなっている。この場合、ビットOR回路368aが必要ないように思われるかもしれないが、そうではない場合も存在する。
この実施形態では、同じ1バイトの記録データの中に隣接するノズルの記録データは、記録ヘッド3のノズル形態と同じ様に隣接していると仮定している。しかし、プリンタのシステムによっては、隣接するノズルの記録データが異なる1バイトの記録データの中に存在する場合もある。これは、記録ヘッドの形態や記録ヘッドの駆動方法の違いに基づくものなので、記録データがここで例示したようなフォーマットになるとは一概に定義することはできない。従って、記録データのフォーマットに応じて、不吐補完処理が施されたデータを加工すること(必要なビットを抜き出すこと)と拡張すること(記録データのビット幅に合わせて“0”を埋め込むこと)が必要である。当然、その場合、記録データの中に不吐補完処理に関係するノズルに対応したデータが現われる位置や読出しタイミングが変化するので、それに合わせて、記録データ読み出し部316と不吐補完データ読み出し部367は連携して動作する必要がある。
ともあれ、以上のようにして生成された不吐補完データが埋め込まれた記録データは、記録ヘッド制御部317に転送され、記録ヘッドド制御部317は記録ヘッド3との間の通信プロトコルに合わせて記録データを転送して記録を行う。なお、この動作は、不吐が無い場合と全く同じである。
従って以上説明した実施形態に従えば、従来技術に従う不吐補完は1個の不吐記録ドットを別の正常ノズルの場所に1個移動すると言う考えに基づいていたのに対し、仮想ドットエリアと言う概念を導入し、まず、数カラム内に存在する記録不良ドットのパターンから仮想ドットを発生し、あたかも、それが記録不良ドットの一部であるかの様にデータ処理することで、1個の記録不良ドットに対し別の正常ノズルの場所に1個以上(この実施形態では仮想ドットとして4ドットを定義したので、1個の記録不良ドットに対し4個まで記録ドットを増やすことが可能)の記録ドットを移動することが可能になる。
これにより、仮想ドットを適切に制御することで、不吐ノズル周りの記録濃度を制御することが可能になり、たとえ不吐ノズルが存在していてもこの実施形態に従うような不吐補完処理を行なうことで高品位な画像記録を維持することができる。
<他の実施形態>
上述の実施形態によれば、従来の課題やその他の問題点に対して、ほとんど完全なる解決策を提供しており、記録ヘッドの中の全ての色のノズルの中のバラバラの位置に不吐ノズルが存在していようとも補完処理が可能である。ただし、その不吐補完処理の実行に当たっては、補完用の優先順位データと仮想ドット生成用テーブルを備えることが不可欠である。
従って、上述の実施形態によれば、例えば、記録ヘッドが7色インクに対応したものである場合(2003年時点で1つの記録装置が所有するインクの色の最大数は“7”であった)、補完用の優先順位データと仮想ドット生成用テーブルはその色の数に合わせて7セット必要なことになる。これをハードウェアで実現するためには、データ書込み/読出し可能なレジスタの数が多くなり、ASIC内のゲート数のかなりの増加に繋がる。
1つの記録装置が所有するインクの色の数は、今後も増加していくことが予想されるので、これに合わせて不吐補完処理を実現するためのハードウェアの規模も増大しつづけることが予想される。勿論、全ての色のインク対して、全く同じ優先順位データと仮想ドット生成用テーブルを用いるならば、ASICの規模の増大はなくなるのであるが、インクの色味により不吐ノズルが画像に及ぼす影響が異なるので、各インクの色毎に、優先順位データと仮想ドット生成用テーブルを別々に備え、ファームウェアでチューニング可能なシステムにしておくことが望ましい。
以上の検討を踏まえ、この実施形態では、将来の使用インク色の数の増大にも対応した不吐補完処理について説明する。
図13はこの実施形態に従うASIC1102の内部機能構成、及び、そのデータの流れの概略を示すブロック図である。
図13と図9とを比較すれば明らかであるが両者の構成はほぼ同じであり、相違点は不吐補完設定データ格納用SRAM370の存在だけである。
前述の実施形態では、不吐補完優先順位設定部365に関して厳密な仕様を考慮しなかったが、この実施形態では明確に定義する。この実施形態では、不吐補完優先順位設定部365と仮想ドット生成用テーブル設定部369は、1ノズル列(→インク1色分のノズル列に相当する)の不吐補完を行うのに必要なハード構成(=レジスタセット)しか備えないものと考える。
その代わりに、不吐補完設定データ格納用SRAM370に各色のノズル列に対応した不吐補完優先順位データと仮想ドット生成用テーブルを格納する。そして、不吐補完優先順位設定部365と仮想ドット生成用テーブル設定部369は、不吐補完データ抽出タイミング生成部362からタイミング信号を受信し、不吐補完設定データ格納用SRAM370から必要な不吐補完優先順位データと仮想ドット生成用テーブルとを読出し(これらのデータは、予めCPU1201が設定しておく必要がある)、この読出したデータを不吐補完優先順位設定部365と仮想ドット生成用テーブル設定部369内部のレジスタセットに設定する。
即ち、不吐補完データ抽出タイミング生成部362と不吐補完優先順位設定部365と仮想ドット生成用テーブル設定部369とは、次のように機能することが必要である。
まず、不吐補完データ抽出タイミング生成部362は、不吐情報格納部361から情報を受信し、不吐補完用データを抽出する位置を特定するのであるが、その時、自分がどの色成分の記録データについて不吐補完用データを抽出するか否かを監視しているのか、認識していなければならない(でなければ、各色インクに対応したノズル列にバラバラの位置に存在する不吐ノズル周辺の記録データを抽出することはできない)。
従って、不吐補完データ抽出タイミング生成部362はタイミング信号を出力する際に、不吐補完優先順位設定部365と仮想ドット生成用テーブル設定部369に対して、不吐補完処理の開始とどの色のインクに対応したノズル列の不吐補完であるかを、信号で通知することが可能である。その信号通知をトリガとして、不吐補完優先順位設定部365と仮想ドット生成用テーブル設定部369とは、不吐補完設定データ格納用SRAM370内の現在処理が進行しているノズル列の不吐補完優先順位と仮想ドット生成用テーブルとを読み出す。
このように、不吐補完設定データ格納用SRAM370には各色インクに対応したノズル列分の不吐補完優先順位データと仮想ドット生成用テーブルデータとを記憶するので、不吐補完優先順位設定部365と仮想ドット生成用テーブル設定部369は、1ノズル列分の不吐補完用のレジスタセットを備えるだけで(即ち、小さなハードウェア規模で)、各インク色毎(即ち、各ノズル列毎)に不吐補完のチューニングが可能であり、これによって記録画像の品質を高品位に維持することができる。
ここで不吐補完設定データ格納用SRAM370を新たに備えることについて、不吐補完設定データ格納用SRAM370と不吐補完データ用SRAM366は、同じSRAMを使用することが可能であり、このとき、不吐補完設定データが格納される領域と不吐補完データが格納される領域とは、アドレス空間を別にすること同じSRAM上に格納することができる。このように、同じSRAM内に2つの異なるデータを格納したとしても、不吐補完設定データ格納用SRAM370の内容を読み出すのは不吐補完処理の前であり、また、不吐補完データ用SRAM366に書き込みを行うのは不吐補完処理の後であるため、読み出しアクセスと書き込みアクセスとが同時に行なわれることはなく、ハードウェア構成を小さくしつつも、システムの処理パフォーマンスが低下することもない。
当然、同じSRAMが、不吐補完設定データ格納用SRAM370と不吐補完データ用SRAM366の2つの役割を担うので、SRAMのサイズ(容量)は大きくはなるが、レジスタセットを各色インクに対応したノズル列の数だけ備えるよりは、かなりハードウェア規模を小さくすることができる。
従って以上説明した実施形態によれば、不吐補完設定データ格納用SRAMを設け、そこに不吐補完に必要なデータを格納しておき、必要に応じてそれを読み出すことでハードウェアの増大と記録画像に対する悪影響という問題の両方を解決することができる。
さらに、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
以上の実施形態は、インクジェット記録方式の態様に限らず、適用することが可能である。なお、インクジェット記録方式の中でも、熱エネルギーを発生する電気熱変換体を用いてインクを吐出するバブルジェット記録方式は、記録の高密度化、高精細化を達成するものであり、不吐出によって記録されない領域を、不吐出のノズルの周辺の複数のノズルを用いて補完する不吐補完手法を好適に採用することが可能である。
この際、記録ヘッドに印加する駆動信号のパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
また、以上の実施形態は記録ヘッドを走査して記録を行なうシリアルタイプの記録装置であったが、記録媒体の幅に対応した長さを有する記録ヘッドを用いたフルラインタイプの記録装置であっても良い。フルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
不吐ノズルがある場合の記録の様子を簡易的に表現した図である。 不吐補完の原理を簡単に表現した図である。 仮想ドットエリア内のドットが、どのように不吐補完に関与していくのかについて説明した図である。 仮想ドットエリア内のドットが、どのように不吐補完に関与していくのかについて説明した図である。 仮想ドットエリア内のドットが、どのように不吐補完に関与していくのかについて説明した図である。 本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置の概要を示す外観斜視図である。 図6に示す記録装置の電気回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。 メインPCB114の内部構成を示すブロック図である。 ASIC1102の内部機能構成、及び、そのデータの流れの概略を示すブロック図である。 不吐補完アルゴリズム実行部363の機構を更に詳しく描写したブロック図である。 不吐補完処理演算部364dの機能詳細を示すブロック図である。 不吐補完処理が施されたデータと記録データとのマージする処理の様子を示した図である。 他の実施形態に従うASIC1102の内部機能構成、及び、そのデータの流れの概略を示すブロック図である。
符号の説明
1 記録装置
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
36 不吐補完ブロック
106 フロントパネル
114 メインPCB
115 電源ユニット
361 不吐情報格納部
362 不吐補完データ抽出タイミング生成部
363 不吐補完用データ抽出部
364 不吐補完アルゴリズム実行部
365 不吐補完優先順位設定部
366 不吐補完データ用SRAM
367 不吐補完データ読み出し部
368 不吐補完後のデータ生成部
369 仮想ドット生成用テーブル設定部
370 不吐補完設定データ格納用SRAM
1102 ASIC
1103 ドライバリセット回路
1200 PC
1201 CPU
1202 SDRAM

Claims (10)

  1. インクを吐出する複数のノズルから構成されるノズル列を備えたインクジェット記録ヘッドを用いて記録を行なう記録装置であって、
    前記インクジェット記録ヘッドを前記ノズル列の方向とは異なる方向に走査する走査手段と、
    前記複数のノズルの内、インク吐出不良ノズルにより記録される前記走査方向の複数ドット分の記録データに基づいて、さらに前記走査方向の所定ドットにわたり仮想データを生成する仮想データ生成手段と、
    前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとに基づいて、前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとが記録される周辺の所定領域に含まれる複数ドットにおいて補完記録を行なうべきドットの優先順位を決定する優先順位決定手段と、
    前記優先順位決定手段によって決定された優先順位と前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとに基づいて、補完記録を行なうべき場所を決定する決定手段と、
    前記決定手段によって決定された補完記録場所で記録がなされるように、実際にインク吐出を発生させる記録データと仮想データとを移動させる移動手段と、
    前記移動手段によって移動させられた記録データ及び仮想データに基づいて、実際に前記インクジェット記録ヘッドにより記録を行なうための補正済みの記録データを生成する補正済み記録データ生成手段と、
    前記補正済み記録データ生成手段により生成された補正済み記録データに基づいて、前記インクジェット記録ヘッドを駆動し記録を行なう記録手段とを有することを特徴とする記録装置。
  2. 前記仮想データ生成手段は、前記複数ドット分の記録データから前記仮想データを生成するためのテーブルを有していることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記補完記録を行なうための対象となる前記周辺の所定領域とは、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する複数ドットと前記インク吐出不良ノズルを囲む前記ノズル列に関する複数ドットによって囲まれる領域であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記優先順位決定手段は、前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとが対応する各ドットについて補完記録を行なうべきドットの優先順位を定めた優先順位データを有していることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  5. 前記仮想データ生成手段、前記優先順位決定手段、前記決定手段、前記移動手段、及び前記補正済み記録データ生成はASICによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  6. 前記インクジェット記録ヘッドは、複数の異なるインクに対応して前記ノズル列を複数備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の記録装置。
  7. 前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の記録装置。
  8. 前記複数のノズル列夫々に対応した補完記録を行なうべきドットの優先順位を定めた優先順位データと仮想データを生成するためのテーブルとを格納するメモリをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  9. 前記複数のノズル列においてインクを吐出するノズル列が異なるタイミングとなる毎に前記メモリからインクを吐出するために用いるノズル列に対応した前記優先順位データと前記テーブルとを読み出す制御手段をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
  10. インクを吐出する複数のノズルから構成されるノズル列を備えたインクジェット記録ヘッドにインク吐出不良ノズルが生じたとき補完記録が可能な記録方法であって、
    前記複数のノズルの内、インク吐出不良ノズルにより記録される前記インクジェット記録ヘッドの走査方向の複数ドット分の記録データに基づいて、さらに前記走査方向の所定ドットにわたり仮想データを生成する仮想データ生成工程と、
    前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとに基づいて、前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとが記録される周辺の所定領域に含まれる複数ドットにおいて補完記録を行なうべきドットの優先順位を決定する優先順位決定工程と、
    前記優先順位決定工程において決定された優先順位と前記複数ドット分の記録データと前記仮想データとに基づいて、補完記録を行なうべき場所を決定する決定工程と、
    前記決定工程において決定された補完記録場所で記録がなされるように、実際にインク吐出を発生させる記録データと仮想データとを移動させる移動工程と、
    前記移動工程において移動させられた記録データ及び仮想データに基づいて、実際に前記インクジェット記録ヘッドにより記録を行なうための補正済みの記録データを生成する補正済み記録データ生成工程と、
    前記補正済み記録データ生成工程において生成された補正済み記録データに基づいて、前記インクジェット記録ヘッドを駆動し記録を行なう記録工程とを有することを特徴とする記録方法。
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