JP4541470B2 - 記録方法及び記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録方法及び記録装置に関し、特に、例えば、インクジェット方式を用いたシリアルプリンタの記録方法及び記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェットプリンタでは、記録ヘッドのノズル毎にインク液滴が所定の方向とは異なる方向へ吐出(以下、「ヘッドのヨレ」という)されたり、記録媒体の搬送量のバラツキなどによって記録媒体上の吐出位置が所定の位置とは異なり記録画像にスジ(以下、「吐出位置誤差によるスジ」という)が発生したり、記録ヘッドのノズル毎の吐出インク液滴量の違いによるムラ(濃度ムラ)が発生したりするのを低減するため、記録ヘッド1走査分の画像を複数のスキャンに分割して画像を形成するマルチパス記録が行なわれていた。
【0003】
図7は従来のインクジェットプリンタのマルチパス記録制御の概要を示すブロック図である。
【0004】
入力端子11から入力されたビットマップデータはバッファ制御部12の制御によって記録バッファ13の所定のアドレスに格納される。記録バッファ13は記録ヘッド1走査+紙送り量分のビットマップデータを格納できる容量を持ち、紙送り量単位のリングバッファを構成している。
【0005】
さて、バッファ制御部12が記録バッファ13を制御して、記録ヘッド1走査分のビットマップデータが記録バッファ13に格納されると、プリンタエンジン(不図示)を起動し、記録ヘッド1の移動に応じて記録バッファ13よりビットマップデータを読み出し、マスク部17に出力する。また、入力端子11からビットマップデータが入力されると記録バッファ13の空き領域(記録が完了した領域)に格納するように記録バッファ13を制御する。
【0006】
一方、プリンタエンジンが起動されると、パス番号検出部16は記録バッファ13より読み出されたビットマップデータに該当する記録ヘッド1のノズルの位置よりパス番号を検出しアドレス生成部15へパス番号を出力する。アドレス生成部15は、そのパス番号と記録ヘッドの位置よりマスク生成部14の読出アドレスを生成する。
【0007】
マスク生成部14はルックアップテーブル(LUT)で構成され、アドレス生成部15で生成された読出アドレスに該当するマスクデータをマスク部17に出力する。マスク部17は記録バッファ13より読み出されたビットマップデータとマスク生成部14から読み出されたマスクデータとの論理和をとることにより、ビットマップデータを記録ヘッドの複数の走査(パス)によって記録が完成されるようにビットマップデータをマスクし、そのマスクされたビットマップデータがヘッドドライバ18より記録ヘッド1に転送される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来例では、マスク生成部14にパス番号によって指定される複数の異なるマスクパターンをLUT形式で格納していたため、装置構成としてパス番号検出部16が必須となり、アドレス生成部15の構成を複雑にしていた。
【0009】
また、高解像度プリンタにおいては、吐出インク液滴によって記録されるドットの径に対する記録ドット位置の揺らぎ(以下、「記録誤差」という)の割合が高くなり、マルチパス記録によってスジを目立たなくするには、分割パス数をかなり増やす必要があり、その結果、プリント出力時間が非常に長くなるという欠点があった。
【0010】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたものであり、高速で、低コストで、高品位な画像を記録できる記録方法及び記録装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の記録方法は、以下のような工程からなる。
【0012】
即ち、記録媒体の搬送方向に配列された複数の記録要素を備えたインクジェット記録ヘッドを前記搬送方向と交差する方向に走査しながら、マルチパス記録によって前記記録媒体に記録を行なう記録方法であって、
前記記録媒体の搬送方向に関する誤差と、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する誤差と、前記記録媒体の搬送方向及び前記インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する誤差のいずれかを、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されるインク液滴によって前記記録媒体に記録されるドット位置の誤差として、前記複数の記録要素毎に検出する検出工程と、
前記検出工程において検出される検出結果に従って、前記誤差が小さい記録要素を用いる頻度が大きくなるように生成したマスクパターンを用いて記録を行なう記録工程とを有し、
前記マルチパス記録の各パス記録に合わせて記録データをマスクする前記マスクパターンの前記搬送方向に関するサイズは、前記インクジェット記録ヘッドに配列された前記複数の記録要素の数であり、前記マスクパターンは、前記各パス記録に関して共通化されている、
ことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
<インクジェット記録装置の構成(図1〜図2)>
図1は本発明の代表的な実施形態であるインクジェット方式に従って記録を行う記録ヘッドを備えた記録装置の槻略構成を示す斜視図である。この実施形態では、図1に示すように記録ヘッド1はこれにインクを供給するインクタンク7とともに連結され一体となってインクカートリッジ20を構成する。なお、この実施形態ではインクカートリッジ20は記録ヘッド1とインクタンク7とが分離可能な構成となっているが、記録ヘッドとインクタンクとが一体化したインクカートリッジを用いても良い。
【0016】
また、インクタンク7の底面にはインク残量検出を行うための光反射面が設けられている。
【0017】
図1において、記録ヘッド1は図中下向きにインクを吐出する姿勢でキャリッジ2に搭載されており、キヤリッジ2をガイド軸3に沿って移動させながらインク液滴を吐出して記録用紙のような記録媒体(不図示)上に画像を形成していく。なお、キヤリッジ2の左右移動(往復移動)はキヤリッジモータ4の回転によりタイミングベルト5を介して行われる。キヤリッジ2には係合爪6が設けられ、インクタンクの係合穴7aと係合して、キヤリッジ2にインクタンク7は固定される.
さて、記録ヘッド1走査分の記録が終了すると、記録動作を中断し、プラテン8上に位置する記録媒体をフイードモータ9の駆動により所定量だけ搬送し、次いで再びキヤリッジ2をガイド軸3に沿って移動させながら次の1走査分の画像形成を行う。
【0018】
詳細については後述するが、この実施形態では、記録ヘッド1走査分の記録に関し、記録媒体を搬送せずに、その記録媒体の同一領域を記録ヘッド1を搭載したキャリッジ2が複数回走査して記録を完成させるように記録制御(マルチパス記録)することができる。
【0019】
装置本体の右側には記録ヘッド1のインク吐出状態を良好に保つための回復動作を行う回復機器10が配設されており、その機器10には記録ヘッド1をキャップするキャップ11、記録ヘッド1のインク吐出面を拭うワイパ12、及び、記録ヘッド1のインク吐出ノズルからインクを吸引するための吸引ポンプ(不図示)などが設けられている。
【0020】
また、記録媒体を搬送するためのフイードモータ9の駆動力は本来の記録媒体搬送機構に伝達される他に、自動給紙装置(ASF)13へも伝達される。
【0021】
さらに、回復機器10の横側には赤外LED(発光素子)15及びフォトトランジスタ(受光素子)16から成るインク残量検出を行うための反射型センサを構成する光学ユニット14が設けられている。これらの発光素子15と受光素子16とは記録用紙の搬送方向(矢印Fの方向)に沿って並ぶように取り付けられている。光学ユニット14は装置本体のシヤーシ17に取り付けられている。インクカートリッジ20がキヤリッジ2に搭載され、図4に示された位置より右方向へと移動すると、インクカートリッジ20は光学ユニット14上に位置するようになる。そして、インクタンク7の底面よりインクの状態を光学ユニット14によって検出することが可能となる。
【0022】
このように上記の記録装置はインク残量検出のために反射型センサを用いている。
【0023】
次に、上述した装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。
【0024】
図2は記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す図2において、1700は記録信号を入力するインタフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROM、1703は各種データ(上記記録信号や記録ヘッド1に供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。1704は記録ヘッド1に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インタフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。1705は記録ヘッド1を駆動するヘッドドライパ、1706、1707はそれぞれフイードモータ9、キヤリッジモータ4を駆動するためのモータドライバである。
【0025】
上記制御構成の動作を説明すると、インタフエース1700に記録信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データに従って記録ヘッド1が駆動され、記録が行われる。
【0026】
なお、1710は記録動作や記録装置の拭態に係る種々のメッセージを表示するLCD1711や記録動作や記録装置の状態を知らせる種々の色のLEDランプ1712や警告音を発するブザー(不図示)を備えた表示部である。
【0027】
また、記録ヘッド1と一体となったインクタンク7のインク有無を検出するインク残量検出部25の動作はMPU1701によって制御される。
【0028】
次に、上記のような記録装置が実行するマルチパス記録に係る画像処理のいくつかの実施形態について説明する。
【0029】
<第1実施形態>
図3は第1実施形態に従う画像処理の機能構成を示すブロック図である。
【0030】
なお、図3において、従来例の図7で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
【0031】
図3に示しているように、記録ヘッド1にはN個のノズルが設けられており、このノズル列は記録媒体の搬送方向に配列されている。また、マスク部17に含まれるLUTのサイズは、記録媒体の搬送方向にはNビットとなっており、記録ヘッドのノズル数とLUTの記録媒体搬送方向のサイズとが同じとなるようになっている。
【0032】
記録バッファ13に格納されたビットマップデータは、記録ヘッド1のノズルの位置に応じて読み出され、マスク部17に出力される。また、入力端子11から次の走査記録のためのビットマップデータが入力されると記録バッファ13の空き領域(マルチパス記録が完了して不要になったデータが格納されている領域であり、記録媒体の搬送方向に関してはマルチパス記録における紙送り量に相当する領域)にこれを格納するように制御される。
【0033】
一方、図1で示した記録装置が起動されると、アドレス生成部15は記録ヘッドの位置よりマスク生成部14が用いる読み出しアドレスを生成する。そして、マスク生成部14がその読出しアドレスを用いてマスクデータをマスク部17に出力する。マスク部17は従来例でも説明したように、記録バッファ13より読み出されたビットマップデータとマスク生成部14から読み出されたマスクデータとの論理和をとることにより、ビットマップデータを記録ヘッドの複数の走査(パス)によって記録が完成されるようにビットマップデータをマスクし、そのマスクされたビットマップデータがヘッドドライバ18より記録ヘッド1に転送される。
【0034】
図4は4パス記録におけるマスク生成部14のLUTの各パスとの対応関係を示した図である。ここで、Nは記録ヘッド1のノズル数であり、4パス記録であるので、各走査毎の記録媒体搬送量はN/4である。
【0035】
図4において、(a)はマスクパターンのLUTのどの部分がどのパス記録に用いられるのかについての関係のみを示した図であり、(b)は実際のマルチパス記録におけるマスクパターンのLUTの用いられ方を示す図である。図4(b)のように、各パス記録毎にヘッド走査方向にa画素分づつマスクパターンをずらすことで、マスクの処理単位を目立たなくしている。
【0036】
以上説明したようにこの実施形態に従えば、LUTの記録媒体搬送方向のサイズを記録ヘッドのノズル数に一致させているため、この方向に関するマスクパターンとノズルが1対1に対応するので、記録ヘッドのノズルの位置によりパス番号が固定され、パス毎に別々のLUTを持つ必要がなく、1つのLUTを共通に用いることができる。従って、どのパスでどのLUTを用いるのかという検出制御に関する処理が不要になり、従来のマルチパス記録に係る制御構成をより単純にすることができる。
【0037】
<第2実施形態>
図5は第2実施形態に従う画像処理の機能構成を示すブロック図である。
【0038】
なお、図5において、第1実施形態の図3及び従来例の図7で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
【0039】
また、この実施形態において説明するマルチパス記録も第1実施形態と同様に4パス記録とし、記録ヘッド1のノズル数はN、マスクパターンLUTの記録媒体搬送方向のサイズはNビット、各パス記録毎の記録媒体搬送量はN/4であるとする。
【0040】
図5におけるヨレ検出部21は、記録ヘッド1のノズル毎のヨレ量を検出するための、例えば、LEDとCCDを組み合わせて構成された回路を有しており、画像が記録された記録媒体にLEDから光を照射し、その反射光をCCDで受光し、その受光信号を分析することで「ヨレ量」を検出する。この検出測定は通常の記録動作に連動してリアルタイムに行なっても良いし、あるいは、別途、所定のパターンを記録媒体に記録して行なっても良い。また、記録媒体に記録されたパターンをCCDスキャナ等で解析した結果をデータとしてヨレ検出部21に入力する様にしてもよい。
【0041】
ともあれ、上記のような手順によりヨレ検出部21に記録ヘッド1のノズル毎のヨレ量が格納されると、そのヨレ量に従って、マスク生成部14のLUTが更新される。
【0042】
次にマスク生成部14のLUTの生成方法について述べる。
【0043】
4パス記録の場合、ビットマップデータの各ドットは4つのいずれかのパスで記録される。即ち、ビットマップデータの各ドットは、4つのノズルのうちのいずれかで形成されることになる。この時、ヨレの絶対値の大きなノズルでドットが形成されると、記録画像にはスジが発生する。従って、ノズル毎のヨレ量が既知の場合、ヨレの絶対値が十分少ないノズルでドットを形成すればそのスジは発生しないことになる。
【0044】
(1)第1の生成方法
この方法によれば、ビットマップデータ上の同一ドットを形成する可能性のあるノズルの内、ヨレの絶対値の最小のノズルでドットを形成する様にLUTを生成する。
【0045】
例えば、N=64ならば、16ノズルずつ4つのパスにノズルが分割され、ビットマップ上の1ドットは、16ノズルずつ離れた4つのノズルのいずれか1つを用いて形成される。よって、16ノズルずつ離れた4つのノズルの内、ヨレの絶対値の最小のノズル位置に対応するLUTのアドレスには「1(記録を行なわせる)」を格納し、他のノズル位置に対応するLUTのアドレスには「0(記録を行なわせない)」を格納する。
【0046】
この方法によれば、記録ヘッドのノズル列方向に関するヨレの絶対値の最小のノズル以外をマスクするだけのLUTを生成すれば良いため、そのLUTのサイズ(容量)はN(ノズル列方向)×1(記録ヘッドの移動方向)(ビット)で良い。
【0047】
(2)第2の生成方法
この方法によれば、ビットマップデータ上の同一ドットを形成する可能性のあるノズルの内、ノズル列方向のヨレの絶対値が所定値以上のノズルを使用しないでドットを形成する様にLUTを生成する。
【0048】
例えば、ドットピッチをd、ドット径をr、ノズル列方向のヨレ量をy、紙送り等によるずれをαとしたとき、yの値が式(1)の条件を満たすならば、ノズル列方向に関する上下のドットはつながり、白スジは発生しない(ただし、記録ヘッドの移動方向のヨレ量は無視できるものとする)。
【0049】
(d−r+α)/2<y<(r−d−α)/2 (r−d−α>0の時)…(1)
従って、LUTには式(1)の条件を満たさないノズル位置に対応するLUTのアドレスに「0」を格納し、他のノズル位置の内、いずれか1つに対応するLUTのアドレスに「1」を、残りのノズル位置に対応するLUTのアドレスに「0」を格納する。
【0050】
なお、そのLUTで「1」が格納されるアドレスに対応する記録ヘッドのノズルは式(1)の条件を満たすノズルの中からランダムに選択する。また、4つのノズル全てが式(1)の条件を満たさなかった場合は、上述の第1の生成方法に従って、ノズル列方向のヨレの絶対値の最も少ないノズル位置に対応するLUTのアドレスに「1」を格納する。
【0051】
この方法によれば、ノズル列方向のヨレの絶対値の所定値以上のノズルをマスクし、残りのノズルをランダムに使用して出力画像を形成するため、紙送りのずれによるスジの影響を少なくできる。
【0052】
なお、このようなランダム使用のパターンを目立たせないようにするため、このLUTのサイズ(容量)はN(ノズル列方向)×M(記録ヘッドの移動方向)(ビット)必要になる。
【0053】
(3)第3の生成方法
この方法によれば、ビットマップデータ上の同一ドットを形成する可能性のあるノズルの内、下記のような条件を満足するノズルの組み合わせで出力画像を形成する様にLUTを生成する。
【0054】
例えば、ドットピッチをd、ドット径をr、ノズル列方向に関し隣り合う2つのドットの内、第1のドットのヨレ量(第2のドットの方向を+とする)をy1、第2のドットのヨレ量をy2、紙送りによるずれに対するマージンをα(α>0とする)としたとき、これら2つの連続するドットの間に隙間ができない条件は(同一パスのドットの時はα=0)、式(2)を満たす。
【0055】
r−(d−y1+y2+α)>0 ……(2)
(異なるパスのドットで、r−d−α>0の時)
また、2つのドット位置が逆転しない条件は式(3)を満たす。
【0056】
y1−y2<d−α ……(3)
式(2)、式(3)より、条件式(4)が得られる。
【0057】
d−r+α<y1−y2<d−α ……(4)
この方法では、以下のような手順でLUTを生成する。
【0058】
▲1▼LUTを全て「0」に初期化する。
【0059】
▲2▼1パス目を形成するノズルのうちヨレの絶対値が所定値(例えば、d)以下のノズルを選択する。この時、上記条件式を満足するノズルが存在しないドットがある場合は、そのドットを形成するノズルの内、第1の生成方法のように、ヨレの絶対値が最小のものを選択する(または所定値をドットを形成するノズルのヨレの絶対値の最小値に設定してノズルを選択し直す)。
【0060】
▲3▼選択されたノズルの内、LUTのノズル列方向の任意の1ノズルの位置に対応するLUTのアドレスに「1」を設定する。
【0061】
▲4▼「1」が設定したアドレスに対応するドットの隣接する2つのドットのいずれかのドットで式(4)を満足するノズル位置の中から任意の1ノズルの位置に対応するLUTのアドレスに「1」を設定する。なお、各パスが隣接する境界は連続しているものとする(例えば、1パス目の一番下のドットの下のドットは2パス目の一番上のドットである)。
【0062】
▲5▼全ドット位置にパス1〜4のいずれかに「1」が格納されるまで、▲4▼の手順を繰り返す。なお、式(4)を満足するノズル位置がない場合は、注目ドットに隣接する2つのドットのいずれか1つのドットの位置に対応するLUTのアドレスを「0」で初期化した後、▲3▼に戻り、他の任意の1ノズルの位置に対応するLUTのアドレスに「1」を設定して、▲4▼よりやり直す。
【0063】
所定回やり直しても、式(4)を満足するノズル位置がない場合は、最も式(4)の条件に近かったものを選択する。
【0064】
なお、この方法でもLUTのサイズ(容量)はN(ノズル列方向)×M(記録ヘッドの移動方向)(ビット)必要になる。
【0065】
(4)第4の生成方法
この方法によれば、ビットマップデータ上の同一ドットを形成する可能性のあるノズルの内、ノズル列方向のヨレ量に応じてノズル使用率が変わる様にLUTを生成する。即ち、ヨレの絶対値が少ないノズルほど使用される割合が高くなるように、或いは、ヨレの絶対値の少ない方より使用率が減少するように(例えば、2/5,1/5,0)LUTを設定する。ここでは、4パス記録を考慮しているので、同一ドットを形成する可能性のあるノズルは4つある。
【0066】
例えば、ドットピッチをd、ノズル列方向のヨレの絶対値をyとした時、その絶対値を2つの閾値“d/2”、“d”と比較し、yの値を3つの領域(y<d/2、d/2≦y<d、d≦y)に分類し、各領域のノズル数に応じて使用率を設定し、LUT生成する。表1に使用率の例を示す。
【0067】
Figure 0004541470
Figure 0004541470
なお、この方法でもLUTのサイズ(容量)はN(ノズル列方向)×M(記録ヘッドの移動方向)(ビット)必要になる。
【0068】
(5)第5の生成方法
この方法によれば、ビットマップデータ上の同一ドットを形成する可能性のあるノズルの内、ノズル配列方向に隣り合う2つのドットの重なる面積をノズル配列方向に累計したときの累計値が記録ヘッドの移動方向に関しほぼ一定になるようなノズルの組み合わせで出力画像を形成する様にLUTを生成する。
【0069】
即ち、記録媒体へのインク吐出位置の誤差が“0”の理想状態でのドットの重なる面積を“a”、ヨレを考慮したドットの重なる面積をb1,b2,b3,……,bNとしたとき、N×a≒Σbiとなるように使用ノズルを制御する。
【0070】
これらドットの重なる面積はドット径及びドット間距離によって規定される。ここで、ドット径(r)の変動を無視すれば、これらドットの重なる面積はドット間距離βの関数S(β)となる。また、ヨレが“0”の理想状態のとき、隣接するドット間距離(β)は、記録ヘッドのドットピッチ“d”となり、そのときの隣接するドットの重なる面積(理想面積)はS(d)となる。
【0071】
この方法では、以下のような手順でLUTを生成する。
【0072】
なお、この方法でもLUTのサイズ(容量)はN(ノズル列方向(列方向))×M(記録ヘッドの移動方向(行方向))(ビット)必要になる。
【0073】
▲1▼LUT、各ドット間毎の累積誤差を格納するレジスタ(以下、累積誤差レジスタという)の値を全て「0」に初期化する。
【0074】
▲2▼まず、M=1に関し、同一ドットを形成する可能性のあるノズルの内、ヨレの絶対値が最小のものを選択し、N×MサイズのLUTの1列目(M=1)の選択ノズルの位置に対応するアドレスに「1」を設定する。
【0075】
▲3▼選択されたノズルによって形成される隣接ドット間距離(β)を求め、理想面積との差分{S(d)−S(β)}(=ΔS)を各ドット間毎に算出し、次列のノズル選択のため累積誤差レジスタに保持する(この時、記録ヘッドの最下位部のノズルによって記録されるドットは最上位部のノズルによって記録されるドットに連続するものとしてドット間距離を算出する)。
【0076】
▲4▼累積誤差レジスタにセットされたΔSが最大となるドット間を見出し、その位置と同じ行で次列のドットに関し、理想面積との差分(ΔS)の累積が最小となるようなノズルの組合せを選択し、N×MサイズのLUTの次列目の選択ノズルの位置に対応するアドレスに「1」を設定する。この時、次列のノズル選択のため理想面積との差分(ΔS)の累積を累積誤差レジスタに保持する。
【0077】
このようにして行方向にLUTの値を設定していく。
【0078】
▲5▼このドットにノズル列方向に隣接してドットを形成するノズルのうち、理想面積との差分(ΔS)の累積が最小となるノズルを選択し、そのノズル位置に対応するLUTのアドレスに「1」を設定する。この時、次列のノズル選択のため理想面積との差分(ΔS)の累積を累積誤差レジスタに保持する。なお、記録ヘッドの最下位のノズルによって記録されるドットは最上位のノズルによって記録されるドットに連続するものとする。
【0079】
このようにして列方向にLUTの値を設定していく。
【0080】
▲6▼全ドット位置を記録するために用いる記録ヘッドのノズルが確定するまで、▲4▼〜▲5▼の処理を繰り返す。
【0081】
▲7▼全ドット位置を記録するために用いる記録ヘッドのノズルが確定したら、各累積誤差レジスタの値を所定値(Th)と比較し、全ての累積誤差レジスタの絶対値が所定値Th以下になるまで、ノズルの組み合わせを変えながら、▲4▼〜▲5▼の処理を繰り返す。
【0082】
ここで、Mは▲7▼の条件を満たすように定めなければならない。
【0083】
また、理想面積との差分の累積が最小となるノズルが複数存在する場合は、記録ヘッドの移動方向にドット間の重なる面積と理想面積との差分が最小となるノズルを選択する。
【0084】
なお、ここでは、ノズル列方向にドットの重なる面積を考慮してLUTの生成を行ったが、記録ヘッドの移動方向にドットの重なる面積をも考慮してLUTの生成を行なう構成としてもよい。この場合、ノズル列方向と記録ヘッドの移動方向の両方に関して隣接するドットの重なりを格納するため累積誤差レジスタの数は2倍以上となる。
【0085】
従って以上説明した実施形態によれば、記録ヘッドの各ノズルのヨレ量を考慮した、できる限りヨレの小さいノズルを用いて記録を行なわせるようなマスクパターンを格納したLUTを用いてマルチパス記録を行なうことができるので、より高品位な記録を行なうことができる。
【0086】
また、このような画像記録の高品位化はマルチパスにおけるパス数を増やすことなく達成できるので、記録速度を高速に維持することにも貢献する。
【0087】
<第3実施形態>
図6は第3実施形態に従う画像処理の機能構成を示すブロック図である。
【0088】
なお、図6において、第1実施形態の図3、第2実施形態の図5、及び従来例の図7で説明したのと同じ構成要素には同じ参照番号を付し、その説明は省略する。
【0089】
また、この実施形態において説明するマルチパス記録も第1実施形態と同様に4パス記録とし、記録ヘッド1のノズル数はN、マスクパターンLUTの記録媒体搬送方向のサイズはNビット、各パス記録毎の記録媒体搬送量はN/4であるとする。
【0090】
図6において、25は記録データのノズル列方向に関する配列順序を入れ替えるノズル順序変更部であり、ヨレ検出部21からの検出結果に従って、その配列順序を入れ替えるように動作する。
【0091】
即ち、記録ヘッド1のノズル毎のヨレ量を検出するヨレ検出部21が、記録ヘッド1のノズル列方向に関し、ヨレ量が非常に大きく、記録媒体上で実際にインク液滴の付着位置に逆転が生じると判断した場合、ノズル順序変更部25に指示して、ノズル割当て順を変更すると共に、ヨレ量をノズル割当て順の変更に合わせて修正する。
【0092】
例えば、ノズルA、ノズルBの順に配置されたノズルから記録媒体に吐出されたインク液滴によって生成されるドットの位置が、ノズルAからのドット、ノズルBからのドットの順に並ぶのではなく、ノズルBからのドット、ノズルAからのドットの順に並んでしまう場合、ノズルAに割り当てる記録データと、ノズルBに割り当てる記録データとを入れ替え、ノズルBには元々ノズルAに割当られるはずであったデータを、ノズルAには元々ノズルBに割当られるはずであったデータを割り当てるように、言いかえると、ノズルA、ノズルBの順に配置されているデータをノズルB、ノズルAの順に配置されているものとなるように、ビットマップデータを割当てる。
【0093】
即ち、ノズルAでのインク吐出に用いられるデータをノズルBで用い、ノズルBでのインク吐出に用いられるデータをノズルAで用いるのである。
【0094】
ノズル順序変更部25は、具体的には、RAM或いはセレクタで構成され、ヨレ検出部21の検出結果に従い、吐出インク液滴によって記録されるドット位置が逆転しないようにビットマップデータの並び替えを行う。
【0095】
例えば、RAMで構成する場合には、少なくとも、Nドット分以上記録データを格納できる容量をもつRAMを備え、そのRAMにビットマップデータを1ドットずつシリアルに書込む構成とし、データ書込み時に書きこみアドレスの変更により、記録データの入れ替えを行うようにする。或いは、記録データ読出し時にそのデータ入れ替えを行う構成とする場合は、N+2ドット分のビットマップデータを書込み(1度に書込み可)、読出しアドレスの変更によりデータ入れ替えを行う。従って、ノズル順序変更部25の出力はシリアルとなる。
【0096】
一方、データ入れ替えをセレクタで実現する構成にした場合には、例えば、データの入れ替えが隣り合うドットの範囲内でなされる場合、N個の3入力1出力のセレクタが必要になる。この場合は、ノズル順序変更部25の入出力は共にパラレルとなる。なお、ノズル順序変更部25の入出力を共にシリアルにする場合には、例えば、データの入れ替えが隣り合うドットの範囲内でなされるなら、2つのフリップフロップと1つの3入力1出力のセレクタで構成できる。
【0097】
なお、あるパスによる記録の両端部のドットと、その直前及びその直後のパスの両端部のドットとは隣り合うドットとなるため、このような隣り合うドットを構成するデータの入れ替えも必要になる。従って、このようなデータ入れ替えを考慮して、この実施形態における記録バッファ13′は第1〜第2の実施形態の記録バッファ13よりも2ノズル分多くの記録データを格納する分、メモリ容量が多くなり、1スキャン+紙送り量+2ライン分のビットマップデータを格納できる容量が必要となる。
【0098】
さて、バッファ制御部12は記録バッファ13′を制御して、記録ヘッドのノズル列方向に、N+2ノズル分のビットマップデータをノズル順序変更部25に入力する。一方、ヨレ検出部21で得られたヨレ検出結果に基づいて、ノズル順序変更部25は、ノズル割当て順を確定し、その確定結果に従って記録データの並びを変更する。これと共に、ヨレ検出部21では、ヨレ量をノズル割当て順の変更(記録データの並びの変更)に合わせて修正する。
【0099】
例えば、記録ヘッドのノズル列が上下方向に並んでいるとすれば、本来より1つ上側のノズルを用いて記録を行なう場合、ノズル列方向のヨレ量をノズルピッチ分(移動量分)減算し、一方、本来より1つ下側のノズルを用いて記録を行なう場合、ノズル列方向のヨレ量をノズルピッチ分(移動量分)加算する。
【0100】
なお、この実施形態では記録ヘッドのノズル列方向に関するデータの入れ替えを行ったが、記録ヘッドの移動方向のヨレに対してはその移動方向に関するデータの入れ替えを行なえば良い。
【0101】
従って以上説明した実施形態に従えば、記録ヘッドの各ノズル毎のヨレがノズルピッチを超えるような場合には、ビットマップデータとして展開される記録データの並びを入れ替えて、記録を行なうことができるので、たとえ、大きなヨレがあっても高品位な記録を行うことができる。
【0102】
また、このような画像記録の高品位化はマルチパスにおけるパス数を増やすことなく達成できるので、記録速度を高速に維持することにも貢献する。
【0103】
なお、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0104】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0105】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0106】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0107】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0108】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0109】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0110】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0111】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0112】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0113】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0114】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0115】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インタフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0116】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0117】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0118】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0119】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0120】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、マルチパス記録において各パス毎にLUTを持つ必要がなく、パス検出等のパス制御に関する処理が不要となり、より簡単な構成で、つまり、より低いコストで、マルチパス記録を行なうことができるという効果がある。
【0122】
また、記録ヘッドの各記録要素によって記録されるドット位置の誤差を検出するようにした場合には、その検出結果を考慮し、できる限り誤差の小さいノズルを用いてマルチパス記録を行なうことができるので、より高品位な記録を行なうことができる。
【0123】
さらに、記録データの並びを入れ替えて、記録を行なうことができるので、例えば、記録ヘッドの各記録要素毎の誤差が記録要素間のピッチを超えるような場合でも、高品位な記録を行うことができる。
【0124】
また、このような画像記録の高品位化はマルチパスにおけるパス数を増やすことなく達成できるので、記録速度を高速に維持することにも貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態であるインクジェット方式に従って記録を行う記録ヘッドを備えた記録装置の槻略構成を示す斜視図である。
【図2】記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に従う画像処理の機能構成を示すブロック図である。
【図4】4パス記録におけるマスク生成部14のLUTの各パスとの対応関係を示した図である。
【図5】本発明の第2実施形態に従う画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3実施形態に従う画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図7】従来のインクジェットプリンタのマルチパス記録制御の概要を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
12 記録バッファ制御部
13、13′ 記録バッファ
14 マスク生成部
15 アドレス生成部
17 マスク部
21 ヨレ検出部
25 ノズル順序変更部
1705 ヘッドドライバ

Claims (10)

  1. 記録媒体の搬送方向に配列された複数の記録要素を備えたインクジェット記録ヘッドを前記搬送方向と交差する方向に走査しながら、マルチパス記録によって前記記録媒体に記録を行なう記録方法であって
    前記記録媒体の搬送方向に関する誤差と、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する誤差と、前記記録媒体の搬送方向及び前記インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する誤差とのいずれかを、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されるインク液滴によって前記記録媒体に記録されるドット位置の誤差として、前記複数の記録要素毎に検出する検出工程と、
    前記検出工程において検出される検出結果に従って、前記誤差が小さい記録要素を用いる頻度が大きくなるように生成したマスクパターンを用いて記録を行なう記録工程とを有し、
    前記マルチパス記録の各パス記録に合わせて記録データをマスクする前記マスクパターンの前記搬送方向に関するサイズは、前記インクジェット記録ヘッドに配列された前記複数の記録要素の数であり、前記マスクパターンは、前記各パス記録に関して共通化されている、
    ことを特徴とする記録方法。
  2. 前記マスクパターンは、ルックアップテーブル形式で形成され、
    前記検出工程において検出される検出結果に従って、前記ルックアップテーブルの内容を更新する更新工程をさらに有することを特徴とする請求項に記載の記録方法。
  3. 前記検出工程において検出された結果、前記記録媒体の搬送方向に関する誤差により前記記録媒体上で記録されるドット位置が前記複数の記録要素間で逆転する場合に、前記ドット位置が前記複数の記録要素間で逆転しないように、前記記録媒体の搬送方向に関する記録データの並びを入替える第1の入替工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の記録方法。
  4. 前記検出工程において検出された結果、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する誤差により前記記録媒体上で記録されるドット位置が前記複数の記録要素間で逆転する場合に、前記ドット位置が前記複数の記録要素間で逆転しないように、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する記録データの並びを入替える第2の入替工程をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の記録方法。
  5. 前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項に記載の記録方法。
  6. 記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記記録媒体の搬送方向に複数の記録要素を備えたインクジェット記録ヘッドと、
    前記インクジェット記録ヘッドを往復走査する走査手段と、
    記録データを一時的に格納する記録バッファと、
    前記記録バッファに格納された記録データに基づいて、前記インクジェット記録ヘッドを用いながら、さらに、各パス記録に合わせて記録データをマスクするマスクパターンを用いたマルチパス記録によって、前記記録媒体に記録を行なうよう制御する制御手段と、
    前記記録媒体の搬送方向に関する誤差と、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する誤差と、前記記録媒体の搬送方向及び前記インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する誤差とのいずれかを、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されるインク液滴によって前記記録媒体に記録されるドット位置の誤差として、前記複数の記録要素毎に検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出される検出結果に従って、前記誤差が小さい記録要素を用いる頻度が大きくなるように生成した前記マスクパターンを用いて記録を行なう記録手段とを有し、
    前記マスクパターンの前記搬送方向に関するサイズは、前記インクジェット記録ヘッドに配列された前記複数の記録要素の数であり、前記マスクパターンは、前記各パス記録に関して共通化されている、ことを特徴とする記録装置。
  7. 前記マスクパターンは、ルックアップテーブル形式で形成され、
    前記検出手段によって検出される検出結果に従って、前記ルックアップテーブルの内容を更新する更新手段をさらに有することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  8. 前記検出手段により検出された結果、前記記録媒体の搬送方向に関する誤差により前記記録媒体上で記録されるドット位置が前記複数の記録要素間で逆転する場合に、前記ドット位置が前記複数の記録要素間で逆転しないように、前記記録媒体の搬送方向に関する記録データの並びを入替える第1の入替手段をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  9. 前記検出手段により検出された結果、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する誤差により前記記録媒体上で記録されるドット位置が前記複数の記録要素間で逆転する場合に、前記ドット位置が前記複数の記録要素間で逆転しないように、前記インクジェット記録ヘッドの走査方向に関する記録データの並びを入替える第2の入替手段をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
  10. 前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
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