JP2005072521A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被処理体を保持する静電吸着力を、最適値に制御できるプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】 被処理体700と被処理体を吸着した静電チャック131の間の間隙に気体を充満させ、その気体が前記間隙からプラズマ処理装置内に漏洩する量が規定値付近に維持されるように静電チャックの電極に印加するESC電圧を変化させ、被処理体の吸着力を制御する。被処理体の吸着力を低下させることによって、被処理体の裏面に付着する異物の数を減少させ、静電チャックの表面状態の変化に対応して吸着力を最適化することによって静電チャックのメンテナンスや交換の周期を延長することが可能となる。予め決められたESC印加電圧の範囲内で気体が漏洩する量を規定値付近に維持できないときには,異常を通報する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマ処理装置に関する。
従来のプラズマ処理装置における被処理体(ウエハ)保持力の決定および調整は、例えば、下記に示す方法で行われてきた。すなわち、まず熱伝達の計算や実測から、被処理体であるウエハの温度制御を目的として、ウエハ裏面とウエハ支持体である静電チャックの間の空隙に充満させる熱伝達ガスの圧力を、決定する。次に、決定した圧力の熱伝達ガスをウエハ裏面に充満させてもウエハがはく離せず、なおかつ、熱伝達ガスのウエハ裏面からのリーク量を、プロセスや装置などからの制約により決定された、ある上限値以下とするために十分な印加電圧を、主に経験的に決定する。以上で決定した印加電圧を、あらゆる場合に適用してウエハの吸着を行っていた。
従来の技術において、吸着エラーの判定は、例えば上記のように決定した十分な電圧を印加した場合においてもウエハ裏面からのリーク量、すなわち、熱伝達ガス流量が上記のある上限値を越えることを検知することで行っていた。また、別の従来技術における吸着エラーの判定は、例えば、上記のように十分な電圧を印加した場合でも、ある所定の流量の熱伝達ガスをある所定の時間流した際にウエハ裏面の圧力が所定の値に満たないことを検知することで行っていた。
特開平8−124913号公報
上記の従来技術を適用すれば、確かに所望する熱伝達ガス圧力に十分耐えうる吸着力を容易に得ることができた。しかしながら、上記の従来技術においては、以下に述べるような課題が存在した。すなわち、静電チャックに印加されるウエハ吸着のための直流電圧すなわちESC電圧は、ウエハに印加される吸着力が熱伝達ガス圧力に耐えるに十分な大きさとなるように与えられてはいるが、必ずしも十分に制御されてはいないため、必要な電圧に比べると過大となる可能性が高い。
ESC電圧が必要な電圧より高い場合、下記のような不都合が生じる。まず、ウエハ吸着力が過大となり、結果として静電チャックからウエハ裏面に付着する異物数が増加するという点である。ウエハ裏面に付着する異物は、ESC電圧を上昇させるにしたがって増加する。この原因は、吸着力の上昇とともにウエハと実質的に接触する静電チャックの表面積が増大すること、吸着力の増大によりウエハの裏面に生じる微小な傷の数が増大すること、および、ESC電圧の増大により、ウエハ表面に生じる静電気力が増大し、それに伴ってウエハが異物を吸着する力が増大することなどである。ウエハの裏面に異物が付着し、そのウエハが後のプロセスに搬送されると下流側の装置を汚染するおそれがある。吸着力がさらに過大の場合には、異物数を増大させるに止まらず、最悪の場合ウエハを破損するおそれもある。
また、ESC電圧が必要な電圧より高い場合、プラズマ処理の終了後にウエハを搬出する際に、静電チャックからウエハが離脱しにくくなる場合があるという不都合がある。この原因としては、ウエハや静電チャックの表面や内部に電荷が蓄積されることが考えられる。このようなウエハ離脱の不良が生じると、半導体製造のタクトタイムが長くなるため生産性が低下し、製品コストの上昇を招くおそれがある。
さらに、従来技術でのESC電圧の決定法では、静電チャックの機差や経時変化による吸着特性の変化を考慮する余地がないため、吸着性能に対する許容範囲が狭くなりがちであり、静電チャック自体の不良率や交換頻度の増大を招きやすいという課題があった。特に最近盛んに行われているウエハレス・プラズマクリーニングを適用する場合は、静電チャックの表面に直接プラズマが触れるため、静電チャックの表面状態が変化しやすく、この課題はますます緊急に解決が必要となっている。
この課題に対して、ウエハに生じる自己バイアスをモニターして、ESC電圧をフィードバック制御するエッチング装置の例が提案されており、この提案による技術を用いれば吸着力を制御できる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この提案は、あくまで、印加する直流電圧と自己バイアスの差の絶対値が一定となるようにESC電圧を調整する機構であり、自己バイアスの変化以外の吸着力の変化要因、例えば前述の静電チャック表面の状態変化や微小異物の付着等には対応できなかった。
上記課題を解決するためになされた本発明の目的は、プラズマ処理装置における静電チャックへのウエハの吸着力を最適な値に制御することによって、ウエハの裏面に付着する異物の数を低減し、ウエハの破損を防止し、ウエハ離脱を迅速化し、さらには静電チャックの機差や経時変化による吸着力の変化を修正できるようなプラズマ処理装置を提供することである。
本発明にかかるプラズマ処理装置は、プロセス中にウエハ吸着力を常に監視し、過大値あるいは過小値とならないようにESC電圧を制御する機構を具備することによってなる。吸着力の測定は、静電チャックとウエハの間を満たす熱伝達ガスの流量を測定し、熱伝達ガスの流量が規定の下限値を下回る場合には吸着力が過大と考えられるため、ESC電圧を低下させて吸着力を低減する。一方、熱伝達ガスの流量が規定の上限値を上回りそうな場合は吸着力が過小と考えられるため、ESC電圧を上昇させて吸着力を増加させる。
また、ESC電圧を予め決定した、ある規定値以上に上昇させても熱伝達ガス流量が上限値を上回る場合は、吸着エラーと判断して異常を通報し、原因究明およびメンテナンスを促す。さらに、ESC電圧を別の規定値以下に低下させても熱伝達ガス流量が規定値を下回る場合は、熱伝達ガス供給系等のエラーと判断して異常を通報し、原因究明およびメンテナンスを促す。
以上により、プラズマ処理装置におけるウエハ吸着力を常に適正な範囲に維持することが可能となる。
以下、図を用いて本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図1は、本発明にかかるプラズマ処理装置のうち、プラズマエッチング装置の概略構造を示す一部断面図である。また、図2は、図1のプラズマエッチング装置に用いる静電チャックの構造を説明する斜視断面概略図である。
図1に示すように、プラズマエッチング装置は、処理室100と、磁場形成手段101と、圧力計102と、アンテナ110と、ウエハ700を保持する静電チャック131とを有して構成される。
処理室100は、10000分の1Pa程度の圧力の真空を達成できる真空容器であり、処理室100内の圧力を、圧力計102によって計測している。処理室100の上部には電磁波を放射するアンテナ110を、下部には被処理体であるウエハ700を保持する手段である静電チャック131を備えている。アンテナ110と静電チャック131は、平行して対向する形で設置される。処理室100の周囲には、たとえば電磁コイルとヨークよりなる磁場形成手段101が設置されている。そして、アンテナ110から放射される電磁波と磁場形成手段101で形成される磁場との相互作用により、処理室内部に導入された処理ガスをプラズマ化して、プラズマPを発生させ、ウエハ700を処理する。
一方、処理室100は、真空排気系106により真空排気され、圧力制御手段107により圧力が制御される。処理圧力は、0.1Pa以上10Pa以下の範囲に調整される。アンテナ110は、真空容器の一部としてのハウジング114に保持される。被処理体のエッチング、成膜等の処理を行う処理ガスは、図示しないガス供給手段から所定の流量と混合比をもって供給され、所定の分布に制御されて、処理室100に供給される。
アンテナ110には、アンテナ電源系120として、アンテナ電源121、アンテナバイアス電源122が、それぞれマッチング回路・フィルタ123、124を介して接続され、またフィルタ125を通してアースに接続される。アンテナ電源121は、300MHzから1GHzのUHF帯周波数の電力を供給する。本実施の形態では、アンテナ電源121の周波数を450MHzとしている。一方、アンテナバイアス電源122は、アンテナ110に数十kHzから数十MHzの範囲の周波数のバイアス電力を印加する。本実施の形態では、この周波数を13.56MHzとしている。
処理室100の下部には、アンテナ110に対向して静電チャック131が設けられている。静電チャック131の構造は後に詳述するが、これには、たとえば200kHzから13.56MHzの範囲のバイアス電力を供給するバイアス電源141がマッチング回路・フィルタ系142を介して接続されて被処理体であるウエハ700に印加するバイアスを制御するとともに、フィルタ143を介してアースに接続される。本実施の形態では、バイアス電源141の周波数を400kHzとしている。
静電チャック131には、前述の通りその上面、すなわち被処理体載置面に被処理体であるウエハ700を載置保持する。本実施の形態に示すプラズマエッチング装置を用いてウエハ700にエッチングを施す際には、静電吸着用の直流電源144、146から、フィルタ145、147を通して、絶対値が数100V〜数kVのそれぞれ逆極性の直流電圧を印加することで吸着力を発生する。また、静電チャック131は、図示しない温度制御手段によりその表面が所定の温度に制御される。そして、静電チャック131の表面とウエハ700の裏面の間隙には熱伝達用ガス、たとえばヘリウムガスが、流量表示機能を持つ流量制御装置151を介して配管158から供給されており、この熱伝達用ガスの圧力は、圧力計153によって計測されている。このシステムを用いて、ウエハ700との間の熱伝達率は精密に制御することが可能である。
次に、図2を用いて、本実施例に用いた静電チャックの一例を説明する。一般にプラズマエッチング装置の静電チャックに求められる機能とは、主として以下に示す3つ、すなわち、(1)ウエハを載置・固定する機能、(2)ウエハの温度を所望の温度に調整する機能、および(3)ウエハにバイアス電圧を印加する機能である。
図2(a)において、静電チャック131の上面にはリング状の凸部161が形成されている。静電チャック131の上面にウエハ700が吸着された時には、図2(b)に示すように、リング状の凸部161上面はウエハ700の裏面に密着し、間隙171を形成する。この間隙171には、ガス供給孔182から所定圧力の熱伝達用ガスが供給される。
また、図2(a)において、静電チャック131上面には凸部163が形成されている。この凸部163は、その上部がウエハ700の裏面に接触することにより、吸着力を発生するように形成されている。したがって、リング状の凸部162および吸着用の凸部163の上面は、実質的にすべて面一化されている。なお、作図の都合上これらの凸部の高さをウエハ700の厚さと同等に描いたが、実際の静電チャックにおいては、ウエハ700の厚さに対して凸部の高さは格段に低い。
このように、静電チャック131とウエハ700の実質的な接触部分の面積を、静電チャック131上面の面積より小さくした目的は、静電吸着の際にウエハ裏面に付着する異物の数を低減すると同時に、裏面圧力を均一化するためである。ただし、一般的にウエハ吸着力は静電チャックとウエハの実質的な接触面積に比例するため、適切に選択する必要がある。また、リング状の凸部161を設けた理由は、熱伝達用ガスが間隙171から処理室100内に漏洩する量を制限するためであり、詳細は後述する。
さらに、本実施例では、吸着用の凸部163の平面形状は円としたが、この形状は吸着力が確保できればどのような平面形状でも良い。例えば、静電チャック131の上面を、ミクロ的には所定の面粗さを有するが、マクロ的には単一の平面と見なせる面とし、リング状の凸部に相当する部分のみ面粗さを小さくして、熱伝達用ガスの流出を阻止する構造とすることでも本発明の目的は達成される。
一方、静電チャック131の内部には流路191が形成されている。この流路191に、所定温度の流体を注入し、循環させることにより、静電チャック131の全体を所望の概略一定温度に制御することができる。
また、図1に示すように、本実施の形態にかかるプラズマ処理装置では、この装置の動作を調節するための主制御装置200が備えられ、この主制御装置200は、第1の制御装置201と、第2の制御装置202と、第3の制御装置203と接続されている。
この主制御装置200は、これら第1の制御装置201、第2の制御装置202、第3の制御装置203からの信号を受け、これらを介してこれらに接続されている各部の動作を調節するための指令を含む信号を発信して、プラズマ処理装置の動作を制御している。主制御装置200には、あらかじめ設定されたESC電圧の上限値と下限値、熱伝達ガス圧力の上限値と下限値、熱伝達ガス流量の上限値と下限値を保持する機能を有している。
主制御装置200は、静電チャック131の空隙171から容器100に漏洩する気体の量を予め決めた範囲内に維持するように静電チャック131の保持力をフィードバック制御する機能を有している。
また、主制御装置200は、静電チャック131に印加されるESC電圧があらかじめ設定された上限値に達しても熱伝達ガス流量があらかじめ設定された熱伝達ガス流量上限値を超えるときに、静電チャックにおける異常の発生と判断する機能を有している。
さらに、主制御装置200は、ESC電圧をあらかじめ設定されたESC電圧下限値以下に減少させても熱伝達ガス流量があらかじめ設定した熱伝達ガス流量下限値に達しないときに、ガス配管系に異常が発生したと判断する機能を有している。
第1の制御装置201は、アンテナ電源121、アンテナバイアス電源122、マッチング回路・フィルタ123、124や磁場形成手段101等に接続されて、これらの状態を示す信号や動作の指令の信号を授受する機能を有している。
第2の制御装置202は、バイアス電源141、マッチング回路・フィルタ系142、フィルタ143、静電吸着用直流電源144、146、フィルタ145、147等と接続されてこれらの状態を示す信号や動作指令の信号を授受する働きを有している。さらに、第2の制御装置202は、主制御装置200からの指令によって、静電チャック131に印加するESC電圧を制御する機能を有している。
第3の制御装置203は、熱伝達ガスであるヘリウムガスの流量制御装置151、圧力計153と接続されて、主制御装置200からの指令に基づいて流量制御装置151の動作を指令してヘリウムガスの流量を調整し、圧力計153の状態を示す信号を受け主制御装置200へ伝える機能を有している。
さらに、主制御装置200には、使用者にこのプラズマ処理装置の状態や設定を示すことができ、また、使用者がこの装置に所望の動作をさせる指令を入力することができる、表示・指令手段204が接続され、この表示・指令手段204から入力された動作の指令が主制御手段200に伝達されて、第1の制御手段201、第2の制御手段202、および第3の制御手段203が操作されて、本装置の動作が所望に調節される。表示・指令手段204から主制御装置200に設定される設定値としては、例えばESC電圧の上限値と下限値、熱伝達ガス圧力の上限値と下限値、熱伝達ガス流量の上限値と下限値などがある。このような表示・指令手段204の例としては、装置の動作の状態やエラー等の情報を表示するモニタや、設定や指令の入力を行うための操作パネルを備えたものなどが考えられる。
本実施の形態にかかるプラズマエッチング装置は以上のように構成されており、このプラズマエッチング装置を用いて、たとえばシリコンのエッチングを行う場合の具体的なプロセスを以下に説明する。
図1において、まず処理の対象物であるウエハ700は、図示しない被処理体搬入機構から処理室100に搬入された後、静電チャック131の上に載置・吸着され、必要に応じて静電チャック131の高さが調整されて、アンテナ110との間が所定のギャップに設定される。ついで、被処理体700のエッチング処理に必要なガス、たとえば塩素と臭化水素と酸素が図示しないガス供給手段から供給され、所定の流量と混合比をもって処理室100内に供給される。同時に、処理室100は、真空排気系106および圧力制御手段107により、所定の処理圧力に調整される。
次に、アンテナ電源121からの450MHzの電力供給により、アンテナ110から電磁波が放射される。そして、磁場形成手段101により処理室100の内部に形成される160ガウス(450MHzに対する電子サイクロトロン共鳴磁場強度)の概略水平な磁場との相互作用により、処理室100内にプラズマPが生成され、処理ガスが解離されてイオンやラジカルが発生する。さらにアンテナバイアス電源122からのアンテナバイアス電力や下部電極のバイアス電源141からのバイアス電力により、プラズマ中のイオンやラジカルの組成比やエネルギーを制御して、ウエハ700にエッチング処理を行う。そして、エッチング処理の終了にともない、電力・磁場および処理ガスの供給を停止してエッチングを終了する。
以下、図1および図3を参照しつつ、本装置を用いてウエハ700の表面をプラズマエッチングする際の静電吸着力の制御方法を説明する。この静電吸着力の制御方法は、ESC電圧を変化させることによって熱伝達ガスの流量すなわちガスのリーク量を制御して間隙171の圧力を規定値に維持する方法である。図3は、本実施例における経過時間と、直流電源144、直流電源146の印加電圧(ESC電圧)および熱伝達ガス圧力の関係を模式的にグラフにしたものである。
エッチング処理に先立ち、プロセス上の必要性、特に熱通過率を考慮してウエハ裏面、すなわち間隙171に充填する熱伝達ガスの圧力を規定する。次に、装置およびプロセスからの制約を考慮して、熱伝達ガスが間隙171から処理室100内に漏洩する速度、すなわち熱伝達ガスのリーク量の最大値を規定する。この熱伝達ガスの供給元は流量制御装置151および圧力計153を含む配管系であるから、流量制御装置151の表示を見ることで熱伝達ガスのリーク量を知ることができる。
次に、図示しない搬送系を用いてウエハ700を静電チャック131上に搬送・載置し、静電チャック131に直流電源144および直流電源146から所定のESC電圧を印加することによってウエハ700を静電チャック131上に固定する。
その後、ウエハ7の裏面と静電チャック131の表面の間にヘリウムを導入し、その流量を徐々に増加させる。間隙171の圧力は圧力計153を用いて常に監視しておき、間隙171の圧力が規定値に到達したらESC電圧を徐々に低下させる。このとき、ウエハの吸着力も徐々に低下するから、間隙171から処理室100内への熱伝達ガスのリーク量は増加する。このリーク量の増加に対して、間隙171の圧力を規定値に維持しようとすると、流量制御装置151を流れる熱伝達ガス流量の増加となって現れる。そして、リーク量、すなわち熱伝達ガス流量が予め決められた上限値を超えることが予測されたら、ESC電圧を徐々に増加させ吸着力を増大して、リーク量が上限値を超えないようにする。その後、熱伝達ガスの圧力を規定値に維持しながら熱伝達ガス流量が上限値となるようにESC電圧を微調整してリーク量すなわち熱伝達ガス流量を制御する。
このように、熱伝達ガスの流量すなわち熱伝達ガスのリーク量を監視してESC電圧を調整することにより、熱伝達ガスの圧力および流量をほぼ一定値に制御することができ、ESC電圧と吸着力を必要最小限に保持することが可能となる。
この状態で処理室100内にプロセスガスを導入し、プラズマを発生させてウエハ700の処理を行う。もちろん、この処理中にもESC電圧の調整は継続する。
予め決められた時間のプロセスが完了したら、まずマイクロ波、磁場およびプロセスガスの供給を停止してプラズマを消滅させる。次に熱伝達ガスの供給を停止する。熱伝達ガスは、一定の流量で間隙171から処理室100内にリークするため、間隙171の圧力は低下する。この圧力が所定の値より小さくなったところでESC電圧の印加を停止し、ウエハを脱離させ、図示しない搬送系を用いて処理済みのウエハ700を搬出する。
このように吸着力を必要最小限とすることで、ウエハ裏面に付着する異物数が従来よりも少なく、不良率が非常に低いプロセスを構築することができた。
以下、図1、図2および図4を用いて、本発明の静電吸着力の制御方法の第1の実施例を詳細に説明する。この静電吸着力の制御方法は、初期のESC電圧を低く設定した状態から熱伝達ガスの流量すなわちガスのリーク量を制御して間隙171の圧力を規定値に維持する方法である。図4は、本実施例における経過時間と、直流電源144、直流電源146の印加電圧(ESC電圧)、熱伝達ガス圧力、および熱伝達ガス流量の関係を模式的にグラフにしたものである。本実施例におけるプロセスのうち、ウエハの搬入までは実施の形態に示したプロセスと共通であるため省略する。
本実施例において、ウエハ載置後に印加するESC電圧は、当初、予め決められた熱伝達ガス圧力に耐えられると予想される電圧よりも低く設定されている。この状態で熱伝達ガスの流量を増加させると、間隙171内の圧力も上昇する。この状態で熱伝達ガスの流量が予め決められた上限値に近づいたら、ESC電圧を徐々に上昇させる。そうすることにより、静電チャックの吸着力は上昇し、間隙171から処理容器100内への熱伝達ガスのリーク量は減少する。こうして、間隙171の圧力が規定値に到達したら、熱伝達ガスの流量が予め決められた規定値より小さく維持されるように、ESC電圧を制御する。
本実施例に示した制御方法の優れた点は、プロセス全体を通して、静電チャックに印加されるESC電圧の最大値が、実施の形態に示した制御方法を用いた場合よりも小さいということである。吸着力が最大になった時に最大数の異物がウエハ裏面に付着する可能性があるため、本実施例に示した制御法の方がウエハ裏面に付着する異物の数を低減できると考えられる。
以下、図1、図2および図5を用いて、本発明の静電吸着力の制御方法のさらに別の実施例を詳細に説明する。本実施例は、本発明の静電吸着力の制御方法を用いて異常を検出する方法に関する。図5は、本実施例における経過時間と、直流電源144、直流電源146の印加電圧(ESC電圧)、熱伝達ガス流量の関係を模式的にグラフにしたものである。本実施例におけるプロセスのうち、ウエハの搬入までは実施の形態に示したプロセスと共通であるため省略する。
本実施例のグラフのように、熱伝達ガスの流量が上限値に近づいた時点でESC電圧を上昇させても熱伝達ガスの流量が増大しつづけ、熱伝達ガス流量およびESC電圧が予め決められた上限値を超えた場合に、異常の発生を通報してシーケンスを停止し、さらに原因究明および復帰等を促すメッセージを発信する。
このような症状の異常が起こる原因は、静電チャック外周部のリング状の凸部161とウエハ700の間に異物が存在するためのリークである場合が多いので、異物除去のシーケンスが確立されていればこの症状が見られた際に自動または手動で異物除去シーケンスに移行するというアルゴリズムを取り入れることは非常に有効である。
以下、図1、図2および図6を用いて、本発明のさらに別の実施例を詳細に説明する。本実施例は、本発明の静電吸着力の制御方法を用いて異常を検出する別の方法に関する。図6は、本実施例における経過時間と、直流電源144、直流電源146の印加電圧(ESC電圧)、および熱伝達ガス流量の関係を模式的にグラフにしたものである。本実施例におけるプロセスのうち、ウエハの搬入までは実施の形態のおけるプロセスと共通であるため省略する。
本実施例のグラフのように、ESC電圧をESC電圧の下限値まで低下させても熱伝達ガスの流量が予め決めた下限値を上回らず、間隙171の圧力も上昇しない場合は異常の発生を通報してシーケンスを停止し、さらに原因究明および復帰等を促すメッセージを発信する。
このような症状の異常が生じる原因は、多くの場合熱伝達ガスの配管の閉塞等であるので、ガス配管テストのシーケンスが確立されていれば、この症状が見られた際に自動または手動でガス配管テストシーケンスに移行するというアルゴリズムを取り入れることは非常に有効である。
なお、上記実施例を実現する装置における表示・指令手段204の表示内容の一例を図7に示す。表示画面には、例えばESC電圧、熱伝達ガス圧力、熱伝達ガス流量の各パラメータの上限値、下限値、設定値および現在値、さらに各パラメータの時間変化グラフが表示される。
また、上記に述べた実施の形態および実施例1ないし実施例3は、あくまで本発明の実施の形態の例であって、述べるまでもなく本発明がかかる装置に限定されるものではない。本明細書においては、半導体製造に用いるエッチング装置に関して説明したが、本発明は成膜装置などの、その他の半導体製造装置や、液晶ディスプレイの製造装置などのプラズマ処理装置に応用することも可能である。
以上のように、本発明によれば、被処理体の保持力を最適値とすることができるため、被処理体に付着する異物の数を低減でき、被処理体の破損を防止することができる。また、被処理体を保持する手段の経時変化による保持力の変化を修正することができるため、保持手段の寿命を延長することが可能となる。さらに、本発明によれば、静電チャックにおける被処理体の保持の異常やガス配管系の異常を検出することができる。
本発明にかかるプラズマ処理装置の構造の概要を説明する概念図。 本発明にかかるプラズマ処理装置の静電チャックの構造の概要を説明する概念図。 本発明にかかるプラズマ処理装置における静電吸着力のフィードバック制御の例を説明する図。 本発明の実施例1における静電吸着力のフィードバック制御の例を説明する図。 本発明の実施例2における静電吸着力のフィードバック制御の例を説明する図。 本発明の実施例3における静電吸着力のフィードバック制御の例を説明する図。 本発明かかるプラズマ処理装置の表示・指令手段の表示内容の例を説明する図。
符号の説明
100…処理室、101…コイル、102…圧力計、106…真空排気系、107…圧力制御手段、110…アンテナ120…アンテナ電源系、121…アンテナ電源、122…アンテナバイアス電源、123…マッチング回路・フィルタ、124…マッチング回路・フィルタ、125…フィルタ、131…静電チャック、141…バイアス電源、142…マッチング回路・フィルタ系、143、144…直流電源、145…フィルタ、146…直流電源、147…フィルタ、151…流量制御装置、153…圧力計、158…配管、161…リング状の凸部、163…凸部、182…ガス供給孔、200…主制御装置、201…第1の制御装置、202…第2の制御装置、203…第3の制御装置、204…表示・指令手段、700…ウエハ

Claims (5)

  1. 被処理体と被処理体保持手段との間の空隙にガスを供給し、前記被処理体を包含する容器内にプラズマを発生させて前記被処理体を処理するプラズマ処理装置において、
    前記空隙から前記容器に漏洩する気体の量を予め決めた範囲内に維持するように前記被処理体保持手段の保持力をフィードバック制御することを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    被処理体保持手段が静電チャックであり,前記保持力の制御は前記静電チャックに印加する電圧をもって行うことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    前記被処理体はシリコンなどのウエハであることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 被処理体と被処理体保持手段である静電チャックとの間の空隙にガスを供給し、前記被処理体を包含する容器内にプラズマを発生させて前記被処理体を処理するプラズマ処理装置において、
    予め決められた前記静電チャックへの印加電圧の範囲内で前記空隙から前記容器内に気体が漏洩する量を予め決められた範囲内に維持できないときには,異常と判断すること特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 被処理体と被処理体保持手段との間の空隙にガスを供給し、前記被処理体を包含する容器内にプラズマを発生させて前記被処理体を処理するプラズマ処理装置において、
    前記間隙に供給されるガスの圧力を監視する手段と、
    前記間隙に供給されるガスの流量を制御する手段と、
    前記静電チャックへの印加電圧を制御する手段と、
    前記空隙から前記容器に漏洩する気体の量を予め決めた範囲内に維持するように前記被処理体保持手段の保持力をフィードバック制御する手段とを
    備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
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