JP3950806B2 - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に係り、特に試料表面をより均一に処理することのできるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体回路の高集積化に伴い、回路パターンの微細化が求められ、回路パターンの形成に際して要求される加工寸法精度はより厳しくなっている。また、半導体の製造装置に対しては、処理のスループット向上、あるいはシリコンウエハ等の試料サイズの大口径化に伴う処理のより一層の均一化が要求されている。
【0003】
このような要求に対応するには、前記試料を処理するプラズマ処理装置の処理中における試料の温度制御性が重要となる。
【0004】
例えば、高アスペクト比の溝を形成するエッチングプロセスにおいては、異方性が高いエッチングが要求される。これを実現するためには、溝の側壁を有機物である反応生成物で保護しながら溝底部のエッチングを行うプロセスが用いられている。このプロセスに用いるプラズマ処理装置では、処理容器内に処理ガスを供給すると共に処理ガスを排気して処理室内を減圧しながら処理を行う。このため前記処理ガスの排気流の影響などにより、処理容器内に生成する応生成物にはウエハの内周側で高く外周側で低くなるような濃度分布が生じる。この濃度分布はウエハのエッチング速度に影響を与え、これによりウエハ全面を均一に処理することが困難となる。
【0005】
また、前記プラズマエッチング装置は、前記ウエハを載置する試料台を備え、この試料台の表面には前記ウエハを吸着して保持する静電チャックを備える。静電チャックの載置面の直径は、静電チャックの吸着面をプラズマから保護するためウエハの直径よりも小さく設定する。このような場合には、ウエハの外周端付近からの放熱経路を充分に確保することが困難となり、ウエハの外周端付近の温度が内周側に比して高くなる。
【0006】
このような状態において、ウエハ温度の増大に伴い処理速度が増大するような処理を行う場合、ウエハ外周側の処理速度(エッチレート)は内周側のそれよりも高くなり、ウエハ面内での処理速度の均一性が大きく損なわれる。
【0007】
このような処理速度の不均一性(分布)を改善する方法として、ウエハの内周側の温度を外周側の温度よりも積極的に上昇させる手段を設けることが考えられている。
【0008】
例えば、特許文献1には、静電チャックと被処理体の裏面の間に伝熱ガスを充満させ、なおかつその圧力(以下、裏面圧力と呼称する)を変化させることで静電チャックと被処理体の間の熱伝達率を変化させ、被処理体の温度分布を制御する技術が開示されている。この従来技術は、温度の制御方法として気体はその圧力が高いほど熱伝達率が増大するという性質を利用するものである。すなわち、シリコンウエハ等の被処理体の温度を相対的に低下させるべき部分の裏面圧力を大きく、逆に温度を相対的に上昇させるべき部分の裏面圧力を小さくして、被処理体から静電チャックへの熱伝達率に分布を持たせる。これにより、被処理体の上方にあるプラズマからの入熱に対して、被処理体の面方向に所望の温度分布を生じさせることができる。このような従来技術によれば、静電チャックに吸着されたシリコンウエハ等の被処理体の温度分布を比較的簡易に、かつ短時間で効率よく制御することができる。
【0009】
【特許文献1】
特開平1−251735号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術は、試料に対するプラズマからの入熱が十分である場合、あるいは試料と試料台間に十分な温度差がある場合において、前記試料に所望の温度分布を付与することができる技術であり、プラズマからの入熱が小さい場合、あるいは試料と試料台間の温度差が少ない場合には、前記試料に所望の温度分布を形成することは困難である。特に、試料の搬入時において試料台あるいは静電チャックの温度が試料の温度よりも高い場合には、この問題点が顕著になる。以下、これを詳細に説明する。
【0011】
図10は、処理室内に配置した試料台上に試料を載置してプラズマ処理を施す場合の処理を説明する図、図11は、この場合におけるウエハ温度及び伝熱ガスの圧力変化を説明する図である。
【0012】
まず、試料を保持する静電チャックの温度を略60℃に設定し、該静電チャック上に、室温状態のウエハを搬送して載置する(ステップS101)。次に前記静電チャックに静電吸着用の電圧を印加する。なお、この状態ではプラズマは生成されていないため、静電チャックが単極型の場合、静電チャックに吸引力は働かない(ステップS102)。次に、時間t=t0においてプラズマを発生させる(ステップS103)。
【0013】
次に、ウエハ裏面と静電チャック表面間にヘリウム等の伝熱ガスを導入する。この伝熱ガスは、ウエハと静電チャックとの間の熱伝達率を向上し、また熱伝達率を調節するために導入する。また、前記伝熱ガスの圧力はウエハ内周側で低く、外周側で高くなるように制御する。
【0014】
すなわち、ウエハの温度は静電チャックの温度より低く、また、ウエハと静電チャックの間の熱伝達率はウエハの内周側で小さく、外周側で大きく設定する。このため、静電チャック側からの加熱によりウエハの外周側の温度は時間の経過とともに内周側の温度より高くなる。さらに時間が経過すると、ウエハはプラズマにより加熱される。加熱されたウエハの外周側の熱は内周側よりもより効率的に静電チャックに伝達されるた。このため、ウエハ外周側の温度は徐々に内周側の温度よりも低くなる。このようにして、時間t=t2になると内外周側の温度分布が逆転し、以後、ウエハの内周側の温度は外周側の温度より高くなるという温度分布が得られる(ステップS104)。プラズマ処理が終了すると、前記伝熱ガスを排気し、プラズマを停止する(ステップS105,106)。次いで、静電吸着電源を遮断し、ウエハを静電チャックから取り外して処理室外に搬出する(ステップS107,108)。
【0015】
ところで、プラズマ処理装置では、ウエハ温度の増大に伴い処理速度は増大する。一方、プラズマ処理に伴って生成される反応生成物の濃度は、ウエハの内周側で高く外周側で低くなるように分布する。この濃度分布は、ウエハの中心部のエッチング速度を低下させる。従って、ウエハ全面において均一な処理結果を得るためには、ウエハの温度分布は、その内周側の温度が外周側の温度より高いことが望ましい。
【0016】
この例の場合においても、最終的にはウエハの内周側の温度が高く外周側の温度が低いという、所望の温度分布が得られる。しかし、この装置では、ウエハを載置する時間t0から前記時間t2までの間は、前記とは逆の温度分布で処理を行うことになる。この場合、ウエハの内周側が高く外周側が低いという前記所望の温度分布のウエハを前提に処理特性を調整した処理装置を使用すると、前記時間t0から前記時間t2間では所望の処理結果が得られないことになる。
【0017】
一方、処理開始直後から好適な処理結果が得られるように処理特性を調節した処理装置を用いる場合には、前記時間t2後の処理の結果が劣ったものとなる。
【0018】
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたもので、試料表面をより均一に処理することのできるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段を採用した。
【0020】
処理ガスを導入する処理ガス導入手段及びプラズマ生成手段とを備え、
試料台上に載置した半導体ウエハにプラズマ処理を施すプラズマ処理室と、載置した前記半導体ウエハとの間に形成される間隙空間を内周側と外周側とに分割するリング状凸部および前記半導体ウエハを静電吸着するための静電チャックを備えて外部の室温より高い温度にされる試料台と、内周側の間隙空間及び外周側の間隙空間の各々に面して半導体ウエハ毎の処理の進行に伴ってそれぞれ異なる圧力の伝熱ガスが供給される伝熱ガス供給孔とを備えたプラズマ処理装置であって、
前記半導体ウエハの処理を開始する際に内周側の間隙空間に供給される前記伝熱ガスの圧力を外周側の間隙空間の伝熱ガスの圧力より高くし、前記半導体ウエハの処理を開始して後、前記半導体ウエハの内周側の表面温度と外周側の表面温度との差が縮小して所定値になった際に前記外周側の間隙空間に供給される前記伝熱ガスの圧力を内周側の間隙空間の伝熱ガスの圧力より高く調節する制御装置とを備えた。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態にかかるプラズマ処理装置を説明する図である。図1において、処理室100は10000分の1Pa程度の圧力の真空を達成できる真空容器の内側に形成された空間であり、その上部に電磁波を放射するアンテナ110を備える。また、前記空間の下部にはウエハなどの試料700を載置する載置台を備え、該載置台上にはウエハを吸着保持するための静電チャック131を備えている。アンテナ110と静電チャック131は、平行して対向する形で設置される。処理室100の周囲には、たとえば電磁コイルとヨークよりなる磁場形成手段101が設置されている。この装置では、アンテナ110から放射される電磁波と磁場形成手段101で形成される磁場との相互作用により、処理室内部に導入された処理ガスをプラズマ化して、プラズマPを発生させ、試料としてのウエハ700をプラズマ処理することができる。
【0022】
なお、処理室100は真空排気系106により真空排気され、圧力制御手段107により圧力が制御される。処理圧力は、0.1Pa以上10Pa以下の範囲に調整される。アンテナ110は、真空容器の一部としてのハウジング114に保持される。試料のエッチング、成膜等の処理を行なう処理ガスは、図示しないガス供給手段から所定の流量と混合比をもって供給され、所定の分布に制御されて、処理室100に供給される。
【0023】
アンテナ110には、電源120として、アンテナ電源121、アンテナバイアス電源122がそれぞれマッチング・フィルタ回路123、124を介して接続され、またフィルタ125を通してアースに接続される。アンテナ電源121は、300MHzから1GHzのUHF帯の周波数の電力を供給する。本実施形態では、アンテナ電源121の周波数を450MHzとしている。一方、アンテナバイアス電源122は、アンテナ110に数十kHzから数十MHzの範囲の周波数のバイアス電力を印加する。本実施例では、この周波数を13.56MHzとしている。
【0024】
処理室100の下部には、アンテナ110に対向して静電チャック131が設けられている。静電チャック131には、たとえば200kHzから13.56MHzの範囲のバイアス電力を供給するバイアス電源141がマッチング・フィルタ回路142を介して接続される。
【0025】
静電チャック131の上面(試料載置面)には、ウエハなどの試料700を載置保持する。本実施形態のように、プラズマ処理装置を用いてウエハ700にエッチングを施す際には、静電吸着用の直流電源144からフィルタ145を介して数100V〜数kVの直流電圧を静電チャックに印加することにより静電吸着力を発生する。また、静電チャック131は、図示しない温度制御手段によりその表面を所定の温度に制御する。静電チャック131の表面とウエハ700の裏面の間隙には、複数の系統の熱伝達用の伝熱ガス、たとえばヘリウムガスを流量制御装置151、152及び配管158、159を介して供給する。この伝熱ガスの圧力は圧力計153および154によって計測する。また、伝熱ガスは、流量制御装置156および157を介して排気する。これにより、静電チャック131と試料700間の熱伝達率を複数の独立した系毎に精密に制御することができる。
【0026】
また、本実施形態のプラズマ処理装置は、該装置の動作を調節するための主制御装置200を備える。主制御装置200は、第1の制御装置201、第2の制御装置202、第3の制御装置203と接続する。また、第1の制御装置201はアンテナ電源121、アンテナバイアス電源122、マッチング・フィルタ回路123,124及び磁場形成手段101等と接続され、これらの装置の状態を示す信号あるいは動作を指令する信号を送受信する。
【0027】
また、第2の制御装置202は、バイアス電源141、静電吸着用電源144、フィルタ143等と接続され、これらの状態を示す信号あるいは動作指令の信号を送受信する。また、第3の制御装置203は、ヘリウムガスの流量制御装置151,152、圧力計153,154と接続され、これらの動作の指令や状態を示す信号を送受信する。
【0028】
この主制御装置200は、これら第1,2,3の制御装置201,202,203からの信号を受け、各制御装置に接続されている各装置の動作を調節するための指令を含む信号を送信する。
【0029】
さらに、主制御装置200は、表示・指令手段204を備え、該表示・指令手段204を介し、主制御装置200に接続するプラズマ処理装置の状態あるいは設定を表示することができる。また、利用者は所望の動作をさせるための指令を入力することができる。
【0030】
次に前記プラズマ処理装置を用いて、たとえばシリコンのエッチングを行う場合の処理を説明する。
【0031】
図1において、まず処理の対象物であるウエハ700を、図示しない試料搬入機構を介して処理室100に搬入し、静電チャック131の上に載置する。次いで静電チャックによりウエハを吸着保持する。このとき、必要に応じて静電チャック131の高さを調整して、アンテナとの間に所定のギャップを設定する。ついで、図示しないガス供給手段を介して、試料700のエッチング処理に必要なガス、たとえば塩素、臭化水素、酸素を所定の流量及び混合比をもって処理室100内に供給する。このとき、真空排気系106および圧力制御手段107により処理室100内を所定の処理圧力に調整する。
【0032】
次に、アンテナ電源121からアンテナ110に450MHzの電力を供給してアンテナ110から電磁波を放射する。同時に磁場形成手段101により処理室100内に160ガウス(450MHzに対する電子サイクロトロン共鳴磁場強度)の略水平な磁場を形成する。このとき、前記電磁波と磁場との相互作用により、処理室100内にはプラズマPが生成され、これにより、処理ガスは解離されてイオンやラジカルを発生する。なお、このとき、アンテナバイアス電源122からのアンテナバイアス電力、あるいは下部電極のバイアス電源141からのバイアス電力等を調整することにより、プラズマ中のイオンやラジカルの組成比、あるいはエネルギーを制御して、ウエハ700に最適なエッチング処理を施すことができる。エッチング処理が終了すると、前記電磁波及び磁場の発生を停止し、更に処理ガスの供給を停止してエッチングを終了する。
【0033】
図2,3は、静電チャックの詳細を説明する図であり、図2は斜視図、図3は断面図である。
【0034】
図2に示すように、静電チャック131の上面にはリング状の凸部161および162が形成されている。静電チャック131の上面にウエハ700を吸着したときには、図3に示すように、リング状の凸部161、162の上面はそれぞれウエハ700に裏面に密着し、それぞれほぼ独立した内周側間隙空間171および外周側間隙空間172を形成する。これらの間隙空間171および172には、それぞれ独立した所定圧力の伝熱ガスがガス供給孔181および182を介して供給される。この伝熱ガスの圧力すなわち裏面圧力を制御することにより、後述するようにウエハ700の温度分布を制御することができる。
【0035】
また、図2に示すように、静電チャック131上面には複数の凸部163が形成されている。この凸部163は、その上部がウエハ700の裏面に接触することにより、静電吸着力を発生する。したがって、リング状の凸部161、162、の上面および吸着用の凸部163の上面は面一化されていることになる。なお、作図の都合上これらの凸部の高さをウエハ700の厚さと同等に描いているが、実際の静電チャックにおいては、ウエハ700の厚さに対して凸部の高さは格段に少ない。
【0036】
なお、静電チャック131とウエハ700との実質的な接触部分の面積を静電チャック131上面の面積より小さくする理由は、静電吸着の際にウエハ裏面に付着する異物の量を低減すると同時に、裏面圧力を均一化するためである。しかしながら、ウエハ吸着力は、通常、静電チャックとウエハの実質的な接触面積に比例するため、前記接触面積は適切に選択する必要がある。また、リング状の凸部161および162を設ける理由は面内圧力を部分的に制御するためであり、その詳細は後述する。
【0037】
なお、前記例では、吸着用の凸部163の平面形状を円としたが、この形状は吸着力が確保できれば、どのような平面形状であっても良い。例えば、静電チャック131の上面をミクロ的には所定の面粗さを有するが、マクロ的には単一の平面と見なせる面とし、リング状の凸部に相当する部分のみ面粗さを小さくしてもよい。一方、静電チャック131の内部には流路191が形成されている。この流路191ないに所定温度の流体を循環させることにより、静電チャック131の全体を所望の温度に制御することができる。
【0038】
図4は、処理室内に配置した試料台上に試料を載置してプラズマ処理を施す場合の処理を説明する図、図5は、この場合におけるウエハ温度及び伝熱ガスの圧力変化を説明する図である。
【0039】
まず、試料を保持する静電チャックの温度を室温より高い温度(略60℃)に設定し、該静電チャック上に、室温状態のウエハを搬送して載置する(ステップS11)。このとき前記静電チャックに静電吸着用の電圧を印加する。なお、この状態ではプラズマは生成されていないため、静電チャックが単極型の場合、静電チャックに吸引力は働かない(ステップS12)。次に、時間t=t0においてプラズマを発生させる。プラズマが発生すると、プラズマが導電体として作用するため、ウエハ700は静電力により静電チャック131に吸着する(ステップS13)。
【0040】
次に、ウエハ裏面と静電チャック表面間にヘリウム等の伝熱ガスを導入する。この伝熱ガスは、ウエハと静電チャックとの間の熱伝達率を向上し、また熱伝達率を調節するために導入する。静電チャック7の吸着面には、図3に示すようなリング型の凸部161、162が形成されており、この凸部161、162の上面はウエハの裏面と密着して伝熱ガスの漏洩を抑制する。したがって、この凸部161、162の内周側及び外周側に形成される間隙、例えば間隙171および172における伝熱ガス圧力をそれぞれ異なる圧力に調整することができる。
【0041】
この例の場合は、室温であったウエハ700を室温より高温の静電チャック131で吸着して、前述の望ましい温度分布である、ウエハ700の温度をその内周側で高く外周側で低くなるように設定する。この目的のため、ウエハ(静電チャック)の内周側におけるウエハから静電チャックまでの熱伝達率を外周側における熱伝達率より大きくする。すなわち、内周側の裏面圧力を高く、外周側の裏面圧力を低くする。
【0042】
この圧力差の付与の具体的方法としては、ウエハ700と静電チャック131の内周側および外周側に、それぞれ高圧および低圧の伝熱ガスを導入する方法と、内周側にのみ伝熱ガスを導入して、外周側から排気するという方法がある。この裏面圧力差の付与により、室温であったウエハ700の内周側の温度は、外周側の温度より高くなる。
【0043】
静電チャック上にウエハを載置した後、ウエハは静電チャック及びプラズマにより加熱される。ウエハにおける内外周の温度差は、ウエハ載置後の一定時間は拡大するが、その後、時間の経過と共に小さくなる。これは、プラズマからの入熱がウエハ面内で略均一であり、しかも前記伝熱ガスの圧力分布のため、ウエハ内周側への入熱が、外周側の入熱よりより速やかに静電チャック131に伝達(放熱)されるためである(ステップS14)。
【0044】
したがって、内周側が高い温度分布を継続するためには、内周側の熱伝達率を外周側のそれより小さくする必要がある。そこで、図1に示す流量調整装置151、152、156および157を操作して、時間t=t1において、内周側の裏面圧力を小さくし、外周側の裏面圧力を大きくする。これによりウエハ700面内における内周側の温度が外周側の温度より高いという、前記所望の温度分布を保持することができる。この状態でエッチングを行うことで、ウエハの中心から外周端付近に至るまで、事実上均一なエッチングレートを得ることができる(ステップS15)。
【0045】
プラズマ処理が終了すると、前記伝熱ガスを排気し、プラズマを停止する(ステップS16,17)。次いで、静電吸着電源を遮断し、ウエハを静電チャックから取り外して処理室外に搬出する(ステップS18,19)。
【0046】
図6,7は、他の実施形態を説明する図であり、図6は、処理室内に配置した試料台上に試料を載置してプラズマ処理を施す場合の処理を説明する図、図7は、この場合におけるウエハ温度及び伝熱ガスの圧力変化を説明する図である。
【0047】
前述の例においては、静電チャックとして、プラズマ発生時のみに充分な吸引力を発生することのできる単極型の静電チャックを使用した。このためウエハの載置と同時にウエハ裏面に伝熱ガスを導入することはできない。しかしながら、双極型の静電チャックを用いると、ウエハ載置とウエハ裏面への伝熱ガスの導入はほぼ同時に実施することができる。以下、双極型の静電チャックを用いた場合の裏面圧力の制御手順を説明する。
【0048】
まず、静電チャック131の上面にウエハ700を載置し、時間t=t0において静電チャック用電源144から数百ボルトの電圧を印加して、ウエハ700を静電吸着する。このとき、ウエハ裏面と静電チャック表面間における間隙空間のうち、内周側の間隙空間には圧力の高い伝熱ガスを、外周側の間隙空間には圧力の低い伝熱ガスを供給する。あるいは、内周側に圧力の高い伝熱ガスを供給し、
外周側の間隙空間から排気するようにしてもよい。これにより、静電チャック131からの熱は、ウエハの内周側の方が外周側よりもより速やかにウエハ伝達される。このためウエハ700の内周側の温度が外周側より高くなる。。しかし、一旦大きくなったウエハ内外周部の温度差は、時間の経過とともに小さくなる。この理由は、ウエハ700の内周側の温度が飽和温度すなわち静電チャックの温度に近づいて温度上昇が鈍化するのに対し、外周側は温度上昇を継続するからである(ステップS33)。
【0049】
そこで、所定の温度差となった時間t=t1において、内周部と外周部の裏面圧力を逆転する。すなわち、内周側の裏面圧力を小さく、外周側の裏面圧力を大きくする(ステップS34)。この圧力切り換えとほぼ同時に、プラズマを発生させる。これにより、ウエハ700面内における内周側の温度が外周側の温度より高いという、前記所望の温度分布を保持することができる。この状態でエッチングを行うことで、ウエハの中心から外周端付近に至るまで、事実上均一なエッチングレートを得ることができる(ステップS35)。プラズマ処理が終了すると、前記伝熱ガスを排気し、プラズマを停止する(ステップS36,37)。次いで、静電吸着電源を遮断し、ウエハを静電チャックから取り外して処理室外に搬出する(ステップS38,39)。
【0050】
図8は、表示・指令手段204に設たモニタに表示する画面の例を示す図である。例えば、図8(a)に示す表示画面において『温度制御』を選択することにより、図8(b)に示す温度条件入力画面が前記モニタ表示される。操作者は、入力画面の各入力領域に所望の値を入力することができる。
【0051】
図8(b)の表示画面には、内周側および外周側のガス圧力を入力する箇所が、それぞれ2箇所以上表示されている。操作者は前記表示・指令手段204を介してこれらの箇所に設定する値を入力することができる。
【0052】
図9は、更に他の実施形態を説明する図である。図において、191は静電チャック131上に載置したウエハ700にほぼ均一な熱量を与えて加熱する加熱手段である。なお、図において図1に示される部分と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0053】
静電チャック131上にウエハ700を載置・吸着した後、ウエハ700の内周側の裏面圧力を低く、外面側の裏面圧力を高くした状態で加熱手段191によりウエハ700の面内に均一な熱量を与えて加熱すると、ウエハ内周側の温度は外周側の温度より高くなる。この状態でプラズマを発生させ、同時に加熱手段による加熱を停止すると、内周側の温度が外周側より高い温度分布は継続される。これにより前述の例と同様所望の温度分布が得られる。
【0054】
前記加熱手段としては、ウエハ700に輻射熱を与える手段であれば、いかなる方法でも適用可能であるが、本実施形態では赤外線ランプを使用した。また、この例では、加熱手段191による加熱はプラズマ発生とともに停止したが、
ウエハ700の面内により大きな温度分布が必要な場合は、加熱手段191による加熱を継続しながら処理を実施することも可能である。
【0055】
以上の例では、実際のプロセスに用いる静電チャックの上でウエハ700に温度分布を付与したが、ウエハにあらかじめ面内温度分布を付与した別のステージを用意しておき、前記別のステージにウエハを載置してウエハに面内温度分布を転写し、その後、温度が均一化しない間に前記実際のプロセスに用いる静電チャックにウエハを移動して、プロセスを実施する方法も有効である。もちろん、この場合も実際にプロセスを実施する静電チャックとウエハの間隙には圧力の面内分布を付与したヘリウム等の伝熱ガスを充填することによって、プラズマの発生後も温度分布を保持させるべきである。なお、上記に述べた例はあくまでも本発明の実施の形態の例であって、本発明がかかる静電チャックおよび装置に限定されるものではない。
【0056】
以上説明したように本発明の実施形態によれば、静電チャックの温度が室温より高い場合でも、プラズマ発生の有無にかかわらず簡易な方法で任意の温度分布を付与することが可能である。また、プラズマ処理中においても任意の温度分布を継続することが可能である。また、ウエハ内周部の温度をウエハ外周部の温度より高温に維持することのできるプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
【0057】
また、温度制御方法は非常に柔軟性が高いため、この制御法を応用することにより、例えばウエハのロット内でプロセス中の温度を変更することが可能であり、更に1枚のウエハの処理中にウエハの温度を微調整することも可能である。なお、以上の例では間隙空間を内周側及び外周側に2分割したが、3以上に分割することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、試料表面をより均一に処理することのできるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるプラズマ処理装置を説明する図である。
【図2】静電チャックの詳細を説明する図である。
【図3】静電チャックの詳細を説明する図である。
【図4】プラズマ処理を施す場合の処理を説明する図である。
【図5】ウエハ温度及び伝熱ガスの圧力変化を説明する図である。
【図6】他の実施形態を説明する図であ。
【図7】他の実施形態を説明する図である。
【図8】表示・指令手段に設たモニタに表示する画面の例を示す図である。
【図9】更に他の実施形態を説明する図である。
【図10】従来のプラズマ処理を施す場合の処理を説明する図。
【図11】ウエハ温度及び伝熱ガスの圧力変化を説明するである。
【符号の説明】
100 処理室
101 磁場形成手段
106 真空排気系
107 圧力制御手段
110 アンテナ
114 ハウジング
121 アンテナ電源
122 アンテナバイアス電源
123,124,125 マッチング・フィルタ回路
131 静電チャック
141 バイアス電源
145 フィルタ回路
142,143 マッチング・フィルタ回路
144 直流電源
151,152,156,157 流量制御装置
153,154 圧力計
158,159 配管
161,162 リング状凸部
163 凸部
171 内周側間隙空間
172 外周側間隙空間
181,182 ガス供給孔
191 流路
201 主制御装置
201 第1の制御装置
202 第2の制御装置
203 第3の制御装置
700 ウエハ

Claims (3)

  1. 処理ガスを導入する処理ガス導入手段及びプラズマ生成手段とを備え、
    試料台上に載置した半導体ウエハにプラズマ処理を施すプラズマ処理室と、載置した前記半導体ウエハとの間に形成される間隙空間を内周側と外周側とに分割するリング状凸部および前記半導体ウエハを静電吸着するための静電チャックを備えて外部の室温より高い温度にされる試料台と、内周側の間隙空間及び外周側の間隙空間の各々に面して半導体ウエハ毎の処理の進行に伴ってそれぞれ異なる圧力の伝熱ガスが供給される伝熱ガス供給孔とを備えたプラズマ処理装置であって、
    前記半導体ウエハの処理を開始する際に内周側の間隙空間に供給される前記伝熱ガスの圧力を外周側の間隙空間の伝熱ガスの圧力より高くし、前記半導体ウエハの処理を開始して後、前記半導体ウエハの内周側の表面温度と外周側の表面温度との差が縮小して所定値になった際に前記外周側の間隙空間に供給される前記伝熱ガスの圧力を内周側の間隙空間の伝熱ガスの圧力より高く調節する制御装置とを備えたプラズマ処理装置。
  2. プラズマ処理室、該プラズマ処理室内に処理ガスを導入するガス導入手段を備え、前記プラズマ処理室内に配置され外部の室温より高い温度にされた試料台上に載置した半導体ウエハにプラズマ処理を施すプラズマ処理方法であって、
    前記試料台は、この試料台上に載置した前記半導体ウエハとの間に形成される間隙空間を内周側と外周側とに分割するリング状凸部と前記半導体ウエハを静電吸着するための静電チャックを備え、
    前記半導体ウエハの処理を開始する際に内周側の間隙空間の伝熱ガスの圧力を外周側の間隙空間の伝熱ガスの圧力より高くなるよう供給した後、前記半導体ウエハの内周側の表面温度と外周側の表面温度との差が縮小して所定値になった際に前記外周側の間隙空間に供給する伝熱ガスの圧力を内周側の間隙空間の伝熱ガスの圧力より高くするプラズマ処理方法。
  3. 請求項2に記載のプラズマ処理方法であって、
    前記静電チャックは、それぞれ異なる極性が与えられる複数の電極を備えて、前記半導体ウエハを処理するためのプラズマの生成前から前記複数の電極に電力を供給してウエハを吸着するプラズマ処理方法。
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