JP5973841B2 - 静電チャックのガス制御装置およびガス制御方法 - Google Patents

静電チャックのガス制御装置およびガス制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電チャックのガス制御装置およびガス制御方法に関する。
静電力によって被保持物(例えば、半導体のウェハ)を吸着して保持する静電チャックが知られている。例えば、被保持物を加工する装置(例えば、エッチング装置)において、静電チャックは、真空のチャンバー内に配置されて被保持物を保持する。この際、静電チャックと被保持物との間に形成される空間に熱伝達用の熱媒体ガス(例えば、ヘリウム(He))を充満させて、静電チャックに備え付けられた電熱体または冷却水等の熱を熱媒体ガスを介して被保持物に伝達することで、被保持物の表面上の温度を効率良く調整する技術が知られている。
従来、静電チャックが被保持物と対向する面の形状において、静電チャックが被保持物を保持する際に、静電チャックと被保持物との空間を複数の空間に分けるシールバンドを形成して、それぞれの空間に異なる圧力の熱媒体ガスを供給する方法がある。しかし、この方法では、シールバンド付近において、被保持物の表面における温度分布が不均一となり、被保持物に対する十分な加工精度が得られない場合があった。そのため、静電チャックのシールバンドに複数の切り欠きを形成することで、被保持物におけるシールバンド付近の温度分布を均一に保つ技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−16573号公報 特開2003−168725号公報 特開平7−335731号公報 特開平4−287344号公報
しかし、上記従来の技術では、静電チャックを使用すると、シールバンドにおける被保持物と接触する接触面の状態が変化することで、被保持物とシールバンドの接触面との隙間から漏れるガスの流量が変化して、被保持物と静電チャックとが形成するそれぞれの空間のガス圧力が変化する。そのため、静電チャックが保持した被保持物の表面における温度を均一に近づけるのに改善の余地があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、被保持物の表面における温度を均一に近づけることを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、被保持物を保持する保持面の外縁に形成されている凸状の外周突出部と、前記外周突出部より内側に形成されている凸状の内周突出部と、前記内周突出部よりも内側に形成される第1の領域と、前記外周突出部と前記内周突出部との間に形成される第2の領域と、吸着電極と、を有する静電チャックと前記被保持物との間に流れるガスを制御する静電チャックのガス制御装置において、
前記第1の領域に連通する内側流路に内側流路ガスを供給する内側ガス供給手段と、
前記第2の領域に連通する外側流路に外側流路ガスを供給する外側ガス供給手段と、
前記内側流路における内側流路ガスの流量値である内側ガス流量値を推定する内側ガス流量推定手段と、
供給される内側流路ガスの圧力値をあらかじめ定められた所定値に維持するように調整する内側ガス調整手段と、
前記内側ガス流量推定手段により推定された前記内側ガス流量値に基づいて前記外側流路に供給される外側流路ガスの圧力値または流量値を調整する外側ガス調整手段と、
を備えることを特徴とする。
この静電チャックのガス制御装置では、静電チャックを使用することで、外周突出部における被保持物との接触面の状態が変化しても、被保持物と第1の領域とで形成された空間におけるガス圧力の変動を効果的に抑制することができる。そのため、被保持物と第1の領域とで形成された空間に充満したガスによる熱伝導率の変化を抑制できるので、被保持物の温度分布が均一に近づくことで被保持物の加工精度を上昇させ、被保持物の加工不良の数を少なくできる。また、被保持物と第2の領域とで形成された空間から被保持物と外周突出部における被保持物と接触面との隙間を介して外部に流出するガスの漏れ量が増加し、流出するガス流量と所定の流量との比較によって静電チャックの寿命を決定する場合に、当該漏れ量が増加しても被保持物と第1の領域とで形成された空間のガス圧力の変動を効果的に抑制できるので静電チャックの寿命を長くすることができる。
(2)上記形態の静電チャックのガス制御装置において、前記外側ガス調整手段は、前記内側ガス流量値があらかじめ定められた所定値となるように、前記外側流路ガスの圧力値または流量値を調整する
この静電チャックのガス制御装置では、被保持物と第1の領域とで形成された空間におけるガス圧力はあらかじめ定められた所定の圧力値と等しくなり、安定制御することができる。
(3)上記形態の静電チャックのガス制御装置において、前記外側ガス調整手段は、前記内側ガス流量値が前記所定値よりも大きい場合に、前記外側ガスの圧力値または流量値を上げ、前記内側ガス流量値が前記所定値よりも小さい場合に、前記外側ガスの圧力値または流量値を下げ、前記内側ガス流量値が前記所定値と等しい場合に、前記外側ガスの圧力値または流量値を維持しても良い。
この静電チャックの制御装置では、被保持物と第1の領域とで形成された空間におけるガス圧力はあらかじめ定められた所定の圧力値と等しくなり、安定制御することができる。
(4)上記形態の静電チャックのガス制御装置において、推定された前記内側流路におけるガスの流れの向きである内側ガス流れ方向が前記内側流路から前記第1の領域へと流れる方向である場合に、前記内側ガス流量値は正の値とし、推定された前記内側ガス流れ方向が前記第1の領域から前記内側流路へと流れる方向である場合に、前記内側ガス流量値は負の値とすると、前記外側ガス調整手段は、前記内側ガス流量値が正の値の場合に、前記外側ガスの圧力値または流量値を上げ、前記内側ガス流量値が負の値の場合に、前記外側ガスの圧力値または流量値を下げ、前記内側ガス流量値が0の場合に、前記外側ガスの圧力値または流量値を維持しても良い。
この静電チャックの制御装置では、被保持物と第1の領域とで形成された空間におけるガス圧力はあらかじめ定められた所定の圧力値と等しくなり、安定制御することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、被保持物を吸着して保持する保持装置および保持方法、半導体製造装置および半導体搬送装置、被保持物の搬送装置および搬送方法、静電チャックといった保持装置に制御したガスを供給するガス制御装置およびガス制御方法等の形態で使用することができる。
本発明の実施形態における半導体製造装置10の構成を示す説明図である。 静電チャック200の外観構成を示す説明図である。 静電チャック200の詳細構成を示す説明図である。 制御部100が静電チャック200に供給するガス制御の流れを示すフローチャートである。 静電チャック200および供給装置300におけるガスの流れの概要を示す説明図である。 静電チャック200および供給装置300におけるガスの流れの概要を示す説明図である。 静電チャック200および供給装置300におけるガスの流れの概要を示す説明図である。 変形例における制御部100が静電チャック200に供給するガス制御の流れを示すフローチャートである。
A.実施形態:
図1は、本発明の実施形態における半導体製造装置10の構成を示す説明図である。半導体製造装置10は、被保持物90の加工を行なう装置である。本実施形態では、被保持物90は、円板状の誘電体であるシリコン製のウェハである。
半導体製造装置10は、制御部100と、静電チャック200と、供給装置300と、吸着電極駆動部110と、熱媒体ガス供給部(ガス供給部)120と、電熱体駆動部130と、冷却水供給部140と、を備える。
半導体製造装置10の制御部100は、吸着電極駆動部110、ガス供給部120、電熱体駆動部130、および冷却水供給部140の各部の動作を制御する。本実施形態では、制御部100の機能は、コンピュータプログラムに基づいてCPU(Central Processing Unit)が動作することによって実現される。他の実施形態において、制御部100の一部または全部の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)がその回路構成に基づいて動作することによって実現されても良い。
半導体製造装置10の供給装置300は、静電チャック200を固定して、静電チャック200と、吸着電極駆動部110、ガス供給部120、電熱体駆動部130、および冷却水供給部140と、を接続して静電チャック200に各種供給を行う装置である。
本実施形態では、静電チャック200は、吸着電極駆動部110から電力の供給を受けることによって、誘電体である被保持物90を静電力で吸着可能に構成されている。静電チャック200の構成の詳細については後述する。
本実施形態では、静電チャック200は、ガス供給部120から熱伝達用の熱媒体ガス(例えば、ヘリウム(He)。以下、単に「ガス」とも呼ぶ)の供給を受けることによって、被保持物90との間に形成される空間にガスを充満できるように構成されている。本実施形態では、ガス供給部120によって静電チャック200に供給されるガスは、静電チャック200の熱を被保持物90に伝達させるためのガスである。静電チャック200におけるガスを供給するための構成の詳細については後述する。
本実施形態では、静電チャック200は、電熱体駆動部130から電力の供給を受けることによって発熱可能に構成されている。静電チャック200の内部には、導電性材料を用いた電熱体が形成されている。静電チャック200は、被保持物90との間に充満したガスを介して被保持物90を加熱することができる。
本実施形態では、静電チャック200は、冷却水供給部140から冷却水の供給を受けることによって冷却可能に構成されている。静電チャック200の内部には、冷却水が流れる冷却水路が形成されている。静電チャック200は、被保持物90との間に充満したガスを介して被保持物90を冷却することができる。
図2は、静電チャック200の外観構成を示す説明図である。図3は、静電チャック200の詳細構成を示す説明図である。図3には、図2におけるA−A断面を示している。
図3には、静電チャック200に被保持物90が吸着した状態を示している。
図3に示すように、静電チャック200は、セラミック材料で形成された基部205と、冷却板290と、を備えている。基部205と冷却板290とは、接着剤の層である接着層292によって接着されている。図2および図3に示すように、静電チャック200は、円盤状の形状に形成されており、基部205は、外径が被保持物90よりも小さい円盤状の形状であり、冷却板290は、外径が被保持物90よりも大きい円盤状の形状である。
基部205は、絶縁性セラミック材料を一体焼成して形成されている。基部205の内部には、導電性材料を用いた導体パターンが形成されている。
本実施形態では、基部205に用いられる絶縁性セラミック材料の主成分は、酸化アルミニウム(アルミナ)(Al)である。他の実施形態において、絶縁性セラミック材料の主成分は、酸化イットリア(Y)、酸化ケイ素(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化マグネシウム(MgO)、ムライト(3Al・2SiO)、またはガラスセラミック(例えば、アルミナとホウケイ酸ガラスとの混合物)であっても良い。
本実施形態では、基部205に用いられる導電性材料の主成分は、タングステン(W)である。他の実施形態において、導電性材料の主成分は、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、銀(Ag)、または銅(Cu)であっても良いし、これら導電性金属の合金や、導電性炭化ケイ素(SiC)であっても良い。
静電チャック200の基部205の内部には、被保持物90を吸着する吸着電極210と、基部205の温度を上昇させるための電熱体230と、が形成されている。吸着電極210および電熱体230は、基部205の材料であるセラミックを積層する際に導電体材料を含有する導電体ペーストを基部205の内部にスクリーン印刷することによって形成され、本実施形態では薄い円盤状に形成されている。吸着電極210は、基部205において電熱体230よりも被保持物90を吸着する側に配置されている。なお、本実施形態では吸着電極210および電熱体230の形状は、円盤状としたが、他の実施形態では、異なる形状であっても良い。
静電チャック200の基部205は、被保持物90を保持する際に被保持物90と対向する基準面220と、基準面220上に複数形成された突起部225と、基準面220上に形成された内周シールバンド250と、基準面220上に内周シールバンド250の外側に形成された外周シールバンド260と、を有する。図2に示すように、基準面220は、略正円の平面である。
基部205の突起部225は、基準面220上に形成された複数の円柱状の突起である。突起部225は、静電チャック200が被保持物90を保持する際に、被保持物90と接触する。各突起部225は、基準面220からの高さが内周シールバンド250および外周シールバンド260の高さになるように形成されている。
図2に示すように、基部205の内周シールバンド250は、静電チャック200における直径L1よりも内周部分の領域AR1を囲む線上に沿って基準面220から突出して形成されている。内周シールバンド250は、基準面220から高さH1になるように形成されている。なお、内周シールバンド250は、本発明における内周突出部に相当する。
内周シールバンド250は、静電チャック200が被保持物90を保持する際に、被保持物90に対向して内周接触面252で接触する。内周接触面252の外周方向における中央部分253から内周方向と基準面220とによってインナーゾーン270を形成する。なお、内周接触面252は、基準面220と平行な平面になるように形成されており、ミクロ的に見ればある程度の粗さがあるのでインナーゾーン270は完全に密閉された空間ではない。インナーゾーン270は、本発明における内側空間に相当する。
また、図3に示すように、基部205の内部には、内側流路275と、インナートンネル277と、複数の小さな孔279(図2では図示していない)と、が形成されている。内側流路275は、冷却板290の内部にも形成されており、インナートンネル277に連通する。本実施形態では、内側流路275は、静電チャック200に1箇所形成されているが、他の実施形態では、2箇所以上形成されていても良い。
インナートンネル277は、基部205の内部に形成された基準面220の中心を中心とするドーナツ状の空間であり、内側流路275と連通している。インナートンネル277は、内側流路275を通過したガスを複数の孔279へと分岐させるために形成された空間である。孔279は、インナートンネル277とインナーゾーン270とを接続する穴状の空間であり、基部205に複数形成されている。内側流路275を通過したガスは、インナートンネル277および孔279を通過して、インナーゾーン270に充満する。
基部205の外周シールバンド260は、静電チャック200における直径(L1+L2)よりも内周部分の領域AR2を囲む線上に沿って基準面220から突出して形成されている。領域AR2は、静電チャック200における直径(L1+L2)の内周部分の領域なので、領域AR1を包含する領域である。なお、領域AR2が領域AR1を包含するとは、領域AR2が領域AR1よりも大きい領域であることを意味し、領域AR1と領域AR2が同じ領域である場合を含まない。また、領域AR1から領域AR2を差し引いた領域、すなわち、内周シールバンド250と外周シールバンド260とに挟まれる領域を領域AR3とも呼ぶ。領域AR1および領域AR3は、本発明における第1の領域および第2の領域に相当する。
本実施形態では、距離L2が直径L1の10分の1の長さとなるように形成されている。外周シールバンド260は、基準面220から高さが内周シールバンド250と同じ高さH1になるように形成されている。本実施形態では、内周シールバンド250および外周シールバンド260の高さH1は、直径(L1+L2)の2万分の1の長さとなるように形成されている。なお、外周シールバンド260は、本発明における外周突出部に相当する。
外周シールバンド260は、静電チャック200が被保持物90を保持する際に、被保持物90に対向して外周接触面262で接触する。外周接触面262の円周方向における外縁266から内周接触面252の中央部分253までと基準面220とによってアウターゾーン280を形成する。なお、外周接触面262は、基準面220と平行な面になるように形成されており、ミクロ的に見ればある程度の粗さがあるのでアウターゾーン280は完全に密閉された空間ではない。アウターゾーン280は、本発明における外側空間に相当する。
また、図3に示すように、基部205の内部には、外側流路285と、アウタートンネル287と、複数の小さな孔289(図2では図示していない)と、が形成されている。外側流路285は、冷却板290の内部にも形成されており、アウタートンネル287に連通する。本実施形態では、外側流路285は、静電チャック200に1箇所形成されているが、他の実施形態では、2箇所以上形成されていても良い。
アウタートンネル287は、基部205の内部に形成された基準面220の中心を中心とするドーナツ状の空間であり、外側流路285と連通している。アウタートンネル287は、外側流路285を通過したガスを複数の孔289へと分岐させるために形成された空間である。孔289は、アウタートンネル287とアウターゾーン280とを接続する穴状の空間であり、基部205に複数形成されている。外側流路285を通過したガスは、アウタートンネル287および孔289を通過して、アウターゾーン280に充満する。
基部205の吸着電極210は、基準面220と平行な面において、基準面220における中心と、吸着電極210の中心と、電熱体230の中心とが重なるように形成されている。すなわち、基部205と吸着電極210と電熱体230とにおける中心は同じである。
静電チャック200の冷却板290には、冷却板290を冷却するためのフッ素系不活性液体が流れる冷却水路240が形成されている。静電チャック200の冷却水路240は、冷却板290の内部に円周方向に沿って複数形成されている。なお、他の実施形態では、冷却板290の内部に円周方向に沿って形成された冷却水路240の数は複数でなくても良いし、冷却水路240の形状も円周方向に沿った形状に限られず種々変形可能である。
図3に示すように、供給装置300は、ボルト410によって冷却板290と固定されることで、静電チャック200と固定されている。供給装置300は、インナーゾーン270にガスを供給するインナーガス装置370と、オリフィス310と、アウターゾーン280にガスを供給するアウターガス装置380と、Oリング305と、を備えている。なお、インナーガス装置370およびアウターガス装置380は、本発明における内側ガス供給手段および外側ガス供給手段に相当する。
また、供給装置300は、インナーガス装置370と静電チャック200の内側流路275とを連通するインナーガス流路375と、アウターガス装置380と静電チャック200の外側流路285とを連通するアウターガス流路385と、インナーガス流路375から外部にガスを排出する逃がし流路315と、を有している。
供給装置300のインナーガス装置370は、ガス供給部120と接続しており、制御部100からの信号に基づいて供給するガスの圧力を任意のガス圧力Psに維持するように調整してインナーガス流路375にガスを供給する装置である。インナーガス装置370が供給したガスは、静電チャック200のインナーゾーン270に流入、または、逃がし流路315を通ってオリフィス310を介して外部に排出される。供給装置300のオリフィス310は、逃がし流路315を通って外部に排出されるガス流量を測定する流量測定器を有している。オリフィス310は、測定した流量についての情報を制御部100に送信する。逃がし流路315のガス圧力はガス圧力Psとほぼ等しい。なお、制御部100およびインナーガス装置370は、本発明における内側ガス調整手段に相当する。
供給装置300のアウターガス装置380は、インナーガス装置370と同様に、ガス供給部120と接続しており、制御部100からの信号に基づいて供給するガスの圧力および流量を調整してインナーガス流路375にガスを供給する装置である。本実施形態では、アウターガス装置380は、供給圧力Pxでアウターガス流路385にガスを供給する。アウターガス装置380が供給したガスは、すべて静電チャック200の外側流路285を介してアウターゾーン280に流入する。なお、制御部100およびアウターガス装置380は、本発明における外側ガス調整手段に相当する。
供給装置300のOリング305は、インナーガス流路375と内側流路275との接続部およびアウターガス流路385と外側流路285との接続部を流れるガスが外部に漏れないようにシールしている。他の実施形態では、Oリング305以外のパッキン等のシール部材を採用しても良いし、本実施形態の態様に限定されずに種々変形可能である。
図4は、制御部100が静電チャック200に供給するガス制御の流れを示すフローチャートである。制御部100は、オリフィス310で検出したガス流量に基づいて、内側流路275におけるガス流量が0になるように、アウターガス装置380が静電チャック200のアウターゾーン280に供給するガスの供給圧力Pxを調整する。なお、制御部100およびオリフィス310は、本発明における内側ガス流量推定手段に相当する。
初めに、制御部100は、静電チャック200に被保持物90を吸着させていない状態で、電熱体駆動部130によって電熱体230を加熱し、冷却水供給部140によって冷却水路240に冷却水を流し、静電チャック200の基部205の温度を安定させる(ステップS410)。本実施形態では、静電チャック200は、真空となっているチャンバー内に配置される。
次に、静電チャック200は被保持物90を吸着する(ステップS420)。制御部100は、吸着電極駆動部110から供給された電力によって静電チャック200の吸着電極210に電圧を印加させ、被保持物90を静電チャック200に静電力によって吸着する。
次に、静電チャック200に被保持物90が吸着されると、制御部100は、ガス供給部120によってインナーガス装置370にインナーゾーン270へとガスを供給させる。インナーガス装置370は、インナーゾーン270に被保持物90の温度や被保持物90の加工内容に基づいてあらかじめ設定されたガス圧力Psで内側流路275を介してガスを供給する(ステップS430)。なお、インナーガス装置370がインナーガス流路375に供給するガス流量をインナーガス流量Qinとする。本実施形態では、インナーガス装置370は、一定のガス圧力Psでガスを供給し続けるが、他の実施形態では、インナーガス装置370は、加工中にガス圧力Psを制御して変更しても良い。
次に、制御部100は、ガス供給部120によってアウターガス装置380にアウターゾーン280へとガスを供給させる。アウターガス装置380は、アウターゾーン280に供給圧力Pxを初期圧力P0として外側流路285を介してガスを供給する(ステップS440)。初期圧力P0は、制御部100によって変更可能である。なお、インナーガス装置370がインナーガス流路375に供給するガス流量をアウターガス流量Qoutとする。
所定の時間が経過すると、インナーゾーン270およびアウターゾーン280にガスが充満する。なお、被保持物90と内周接触面252との間および被保持物90と外周接触面262との間には隙間があるため、当該隙間を通じてガスが流入または流出する。
制御部100は、オリフィス310を通過するオリフィスガス流量Qofを検出する(ステップS450)。制御部100は、オリフィスガス流量Qofを常時検出しており、検出したオリフィスガス流量Qofとインナーガス流量Qinとを比較する(ステップS460)。
図5ないし図7は、静電チャック200および供給装置300におけるガスの流れの概要を示す説明図である。図5には、オリフィスガス流量Qofがインナーガス流量Qinよりも大きい場合において、静電チャック200および供給装置300の内部におけるガスの流れの向きを示している。図5に示すように、インナーガス装置370からインナーガス流路375へと供給されたインナーガス流量Qinは、すべてオリフィス310を通って外部へと排出される。アウターガス装置380からアウターガス流路385へと供給されたアウターガス流量Qoutのうち一部は、アウターゾーン280から被保持物90と外周シールバンド260の外周接触面262との隙間を介してチャンバー内へと漏れる。また、アウターガス流量Qoutのうち残りは、アウターゾーン280から被保持物90と内周シールバンド250の内周接触面252との隙間を通り、内側流路275およびインナーガス流路375を介してオリフィス310を通って外部へと排出される。オリフィスガス流量Qofがインナーガス流量Qinよりも大きい場合(ステップS460:Qof>Qin)、すなわち、インナーゾーン270から内側流路275への向きにガスが流れる場合、制御部100は、アウターガス装置380からアウターガス流路385へと供給されるガスの供給圧力Pxを減少させる(ステップS462)。なお、内側流路275からインナーゾーン270への向きにガスが流れる場合に、内側流路275を流れるガス流量を正の値とし、インナーゾーン270から内側流路275への向きにガスが流れる場合に、内側流路275を流れるガス流量を負の値とする。このときに、制御部100は、内側流路275を流れるガス流量が負の値の場合に、供給圧力Pxを減少させるとも言い換えることができる。
図6には、オリフィスガス流量Qofがインナーガス流量Qinよりも小さい場合において、静電チャック200および供給装置300の内部におけるガスの流れの向きを示している。図6に示すように、インナーガス装置370からインナーガス流路375へと供給されたインナーガス流量Qinのうち一部は、オリフィス310を通って外部へと排出される。また、インナーガス流量Qinのうち残りは、インナーゾーン270から被保持物90と内周接触面252との隙間を通り、アウターゾーン280を通り、被保持物90と外周接触面262との隙間からチャンバー内へと漏れる。アウターガス装置380からアウターガス流路385へと供給されたアウターガス流量Qoutは、アウターゾーン280から被保持物90と外周接触面262との隙間を介してチャンバー内へと漏れる。オリフィスガス流量Qofがインナーガス流量Qinよりも小さい場合(ステップS460:Qof<Qin)、すなわち、内側流路275からインナーゾーン270への向きにガスが流れる場合、制御部100は、アウターガス装置380からアウターガス流路385へと供給されるガスの供給圧力Pxを上昇させる(ステップS464)。なお、制御部100は、内側流路275を流れるガス流量が正の値の場合に、供給圧力Pxを上昇させるとも言い換えることができる。
図7には、オリフィスガス流量Qofがインナーガス流量Qinと同じ場合において、静電チャック200および供給装置300の内部におけるガスの流れの向きを示している。図7に示すように、インナーガス装置370からインナーガス流路375へと供給されたインナーガス流量Qinは、オリフィス310を通って外部へと排出される。アウターガス装置380からアウターガス流路385へと供給されたアウターガス流量Qoutは、アウターゾーン280から被保持物90と外周接触面262との隙間からチャンバー内へと漏れる。オリフィスガス流量Qofがインナーガス流量Qinと同じ場合、インナーゾーン270は、一定のガス圧力、すなわち、インナーガス装置370が供給する一定のガス圧力Psに保たれており、被保持物90と内周接触面252との間において、インナーゾーン270への流入とアウターゾーン280への流入とが平衡状態に保たれているため、ガスの流れは無い。オリフィスガス流量Qofがインナーガス流量Qinと同じ場合(ステップS460:Qof=Qin)、すなわち、内側流路275からインナーゾーン270へとガスが流れない場合、制御部100は、アウターガス装置380からアウターガス流路385へと供給されるガスの供給圧力Pxを変化させずに一定に保つ(ステップS466)。なお、制御部100は、内側流路275を流れるガス流量が0の場合に、供給圧力Pxを維持させるとも言い換えることができる。
制御部100は、供給圧力Pxを調整した後(ステップS460:Qof>Qin,Qof<Qin,Qof=Qin)、再びオリフィス310を通過するガス流量を検出する(ステップS450)。
以上説明したように、静電チャック200は、基準面220上の外縁に形成されて突出した外周シールバンド260と、基準面220上の外周シールバンド260よりも内側に形成された内周シールバンド250と、を備える。静電チャック200において、内周シールバンド250の内側には領域AR1が形成され、内周シールバンド250と外周シールバンド260との間には領域AR3が形成される。静電チャック200を固定した供給装置300において、インナーガス装置370は、領域AR1に内側流路275を介してガスを供給し、アウターガス装置380は、領域AR3に外側流路285を介してガスを供給する。制御部100は、内側流路275を通過するガス流量を推定するために、オリフィス310を通過するオリフィスガス流量Qofを検出する。制御部100は、検出されたガス流量に基づいてアウターガス装置380が供給するガスの供給圧力Pxを調整するので、領域AR1おけるガス圧力の変動を制御することができる。本実施形態によれば、静電チャック200を使用することで、外周接触面262の状態が変化、例えば、外周接触面262の面粗度が変化することにより被保持物90と内周接触面252との隙間から漏れるガス流量が変化しても、インナーゾーン270におけるガス圧力の変動を効果的に抑制することができる。そのため、インナーゾーン270に充満したガスによる熱伝導率の変化を抑制できるので、被保持物90の温度分布が均一に近づくことで被保持物90の加工精度を上昇させ、被保持物90の加工不良の数を少なくできる。また、従来において、アウターゾーン280から被保持物90と外周接触面262との隙間を介して外部に流出するガスの漏れ量が増加し、流出するガス流量と所定の流量との比較によって静電チャック200の寿命を決定する場合があったが、当該漏れ量が増加してもインナーゾーン270のガス圧力の変動を効果的に抑制できるので静電チャック200の寿命を長くすることができる。
また、本実施形態の制御方法では、内側流路275を介して外部に排出されるガス流量を検出し、内側流路275を通過するガス流量が0、すなわち、インナーガス装置370から供給されたインナーガス流量Qinがすべてオリフィス310を通過して排出されるように、制御部100が供給圧力Pxを調整する。本実施形態によれば、インナーゾーン270におけるガス圧力はインナーガス装置370の設定したガス圧力Psと等しくなり、安定制御することができる。
また、本実施形態の制御方法では、内側流路275におけるガス流量(内側ガス流量)の向きが内側流路275から領域AR1へと流れる場合に、内側ガス流量の値を正の値とし、内側ガス流量の向きが領域AR1から内側流路275へと流れる場合に、内側ガス流量の値を負の値とする。その場合に、制御部100は、内側ガス流量が正の値のとき、アウターガス装置380から供給されるガスの供給圧力Pxを増加させ、内側ガス流量が負の値のとき、供給圧力Pxを減少させる。また、内側ガス流量の値が0のとき、供給圧力Pxを維持する。本実施形態によれば、インナーゾーン270におけるガス圧力はインナーガス装置370の設定したガス圧力Psと等しくなり、安定制御することができる。
また、本実施形態の制御方法では、オリフィス310は、内側流路275と接続して外部にガスを排出する逃がし流路315に形成され、逃がし流路315を通って外部に排出されるガス流量を測定する。供給圧力Pxは、測定されるオリフィス310を通過するガス流量に基づいて調整される。本実施形態によれば、インナーゾーン270におけるガス圧力はインナーガス装置370の設定したガス圧力Psと等しくなり、安定制御することができる。
また、本実施形態の制御方法では、静電チャック200における外周シールバンド260の中心から外周シールバンド260の内周側面264までの距離は(L1/2)である。内周シールバンド250の内周側面254から外周シールバンド260の内周側面264までの距離L2は、距離(L1/2)の5分の1であり、5分の1より小さいとより好ましい。本実施形態によれば、インナーゾーン270の基準面220における面積がアウターゾーン280の基準面220における面積と比べて大きいため、被保持物90は、基準面220と対向する面においてより広い範囲においてガス圧力の変動が抑制されたガスと接触して、被保持物90のより広い範囲で温度分布を均一に近づけることができる。
また、本実施形態の制御方法では、静電チャック200における外周シールバンド260の中心から外周シールバンド260の内周側面264までの距離は(L1+L2)/2である。内周シールバンド250および外周シールバンド260の基準面220からの高さH1は、距離(L1+L2)/2の1万分の1である。本実施形態によれば、静電チャック200の基準面220の面積に比べて内周シールバンド250および外周シールバンド260の高さH1が小さいのでインナーゾーン270およびアウターゾーン280の容積が小さい。そのため、インナーゾーン270およびアウターゾーン280に短時間でガスを充満させることができ、被保持物90の加工時間を短くすることができる。また、インナーゾーン270におけるガス圧力を制御する場合に、供給圧力Pxの変化に基づいて迅速にガス圧力の変動を抑制することができ、被保持物90の温度分布を迅速に均一に近づけることができる。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B1.変形例1:
図8は、変形例における制御部100が静電チャック200に供給するガス制御の流れを示すフローチャートである。図8に示すフローチャートでは、上記実施形態における図4に示すフローチャートのオリフィスガス流量Qofとインナーガス流量Qinとにおける比較(ステップS560)が異なり、他のフローについては図4に示すフローと同様である。上記実施形態では、オリフィスガス流量Qofとインナーガス流量Qinとの大小関係に基づいてアウターガス装置380が供給するガスの供給圧力Pxを調整したが、この変形例では、内側流路275を流れるガス流量が予め定められた所定値Xよりも大きいか小さいかで判断されて、供給圧力Pxが調整される。すなわち、インナーガス流量Qinからオリフィスガス流量Qofを差し引いたガス流量値Qdが所定値Xよりも大きいか小さいかによって判断されて、供給圧力Pxが調整される。
ガス流量値Qdが所定値Xよりも小さい場合(ステップS560:Qd<X)、すなわち、インナーゾーン270から内側流路275への向きに流れるガス流量が所定値Xよりも大きい場合、制御部100は、アウターガス装置380からアウターガス流路385へと供給されるガスの供給圧力Pxを減少させる(ステップS562)。
ガス流量値Qdが所定値Xよりも大きい場合(ステップS560:Qd>X)、すなわち、インナーゾーン270から内側流路275への向きに流れるガス流量が所定値Xよりも小さい場合、制御部100は、アウターガス装置380からアウターガス流路385へと供給されるガスの供給圧力Pxを上昇させる(ステップS562)。
ガス流量値Qdが所定値Xと同じ場合、(ステップS560:Qd=X)、すなわち、インナーゾーン270から内側流路275への向きに流れるガス流量が所定値Xである場合、制御部100は、アウターガス装置380からアウターガス流路385へと供給されるガスの供給圧力Pxを変化させずに一定に保つ(ステップS566)。
この変形例の実施形態では、制御部100は、ガス流量値Qdが所定値Xよりも小さい場合に供給圧力Pxを減少させ、ガス流量値Qdが所定値Xよりも大きい場合に供給圧力Pxを上昇させ、ガス流量値Qdと所定値Xとが等しい場合に供給圧力Pxを一定に保つ。そのため、この変形例の実施形態では、予め定められた所定値Xの値との比較によって供給圧力Pxを制御するので、簡便な制御によって、インナーゾーン270におけるガス圧力の変動を制御することができる。
B2.変形例2:
上記実施形態では、制御部100は、インナーガス装置370から供給されたインナーガス流量Qinとオリフィス310を通過して排出されるオリフィスガス流量Qofとが同じになるように供給圧力Pxを制御しているが、インナーガス流量Qinとオリフィスガス流量Qofとが同じになる態様に限定されず、供給圧力Pxの制御については種々変形可能である。例えば、制御部100は、オリフィス310を通過して排出されるオリフィスガス流量Qofがインナーガス流量Qinに流量ΔQ(±ΔQ)を加えた範囲になるように、供給圧力Pxを制御しても良い。具体的には、制御部100は、オリフィスガス流量Qofが流量(Qin+ΔQ)よりも大きい場合に供給圧力Pxを上昇させ、オリフィスガス流量Qofが流量(Qin−ΔQ)よりも小さい場合に供給圧力Pxを減少させ、オリフィスガス流量Qofが流量(Qin±ΔQ)である場合に供給圧力Pxを維持させる。この変形例の実施形態では、供給圧力Pxを制御する基となるインナーガス装置370からインナーゾーン270に流れるガス流量が0ではなく、一定の幅を持っているため、内側ガス流量値の微妙な変化に対して供給圧力Pxを制御する必要がない。そのため、簡便な制御によって、インナーゾーン270におけるガス圧力の変動を制御することができる。なお、この変形例の実施形態では、制御部100は、オリフィス310におけるオリフィスガス流量Qofを検出して供給圧力Pxを制御したが、検出および制御するのは、ガスの流量値であっても圧力値であっても良い。
B3.変形例3:
上記実施形態では、静電チャック200の内側流路275に接続している逃がし流路315において、オリフィス310がオリフィスガス流量Qofを検出して供給圧力Pxを調整する態様としたが、供給圧力Pxを調整するために検出されるガスの流れに相関する値は、上記実施例の態様に限定されない。例えば、内側流路275に圧力測定器を配置して、内側流路275のガス圧力を検出し、圧力測定器が検出する検出圧力Pと内側流路275に供給されるインナーガス装置370が設定されたガス圧力Psとが同じ圧力に近づくように供給圧力Pxを調整しても良い。また、内側流路275に配置された圧力測定器が検出した検出圧力Pが内側流路275に供給されるガス圧力Psよりも小さい場合に供給圧力Pxを増加させ、検出圧力Pがガス圧力Psよりも大きい場合に供給圧力Pxを減少させる態様としても良い。また、検出するのはガスの圧力に限定されず、ガス流量の値であっても良い。
また、上記実施形態では、逃がし流路315およびオリフィス310が供給装置300に配置される態様としたが、逃がし流路315およびオリフィス310の配置については種々変形可能である。例えば、逃がし流路315およびオリフィス310が静電チャック200の内部に形成され、静電チャック200の内部で内側流路275におけるガス流量およびガス圧力といったガスの流れに相関する値を取得する態様としても良い。
また、インナーガス装置370およびアウターガス装置380の配置についても種々変形可能である。インナーガス装置370およびアウターガス装置380は、例えば、1つのガスタンクから配管および開閉弁によって分岐して、内側流路275および外側流路285へとガスを供給する態様としても良い。
上記実施形態では、インナーゾーン270にあらかじめ設定された一定のガス圧力Psでガスを供給する態様としたが、インナーゾーン270に供給するガスのガス圧力Psは種々変形可能である。ガス圧力Psは変動しても良いし、供給圧力Pxとの相関によって調整されるガス圧力としても良い。
B4.変形例4:
上記実施形態では、静電チャック200に形成された内側流路275および外側流路285の数を各々1つとしたが、数および配置については種々変形可能である。被保持物90に応じて、内側流路275および外側流路285の数は各々複数であって、その配置が、例えば、静電チャック200の中心に対して対称な構成であっても良い。また、内側流路275と外側流路285との数および配置が異なっていても良い。
また、上記実施形態では、静電チャック200における内周シールバンド250と外周シールバンド260とは、同心円状に形成される態様としたが、内周シールバンド250と外周シールバンド260との位置関係については、種々変形可能である。例えば、内側流路275および外側流路285の数、配置、半導体製造装置10の重力向きに対する角度および被保持物90の形状に応じて、内周シールバンド250と外周シールバンド260との位置態様は、種々変形可能であり、例えば、一部つながっている態様としても良い。また、突起部225の配置についても、上記実施形態の配置に限定されず、種々変形可能である。
また、上記実施形態では、静電チャック200の各種寸法に対して具体的な数値(例えば、直径L1、距離L2、高さH1)を例示したが、各種寸法は種々変形可能である。例えば、静電チャック200において、アウターゾーン280からチャンバー内へのガスの漏れ量を減少させるために、外周シールバンド260の高さを内周シールバンド250および突起部225よりも高くする態様としても良い。逆に外周シールバンド260または突起部225の高さを高くする態様としても良いし、基準面220上に突起部225が形成されない静電チャック200としても良い。また、静電チャック200において、被保持物90と対向する面における直径L1および距離L2についても、上記実施形態の寸法関係に限定されず、種々変形可能である。
B5.変形例5:
上記実施形態では、静電チャック200は、電熱体230および冷却水路240を内部に有する態様としたが、電熱体230および冷却水路240の配置については、種々変形可能である。例えば、静電チャック200の内部に、電熱体230が形成されない態様としても良いし、冷却水路240が形成されない態様としても良い。また、静電チャック200の外部に電熱体230が配置される態様であっても良いし、被保持物90を加熱するために電熱体230以外の構成であっても良い。同様に、被保持物90を冷却するために冷却水路240以外の構成であっても良い。
また、上述した実施形態における本発明の構成要素のうち、独立請求項に記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略、または、組み合わせが可能である。
10…半導体製造装置
90…被保持物
100…制御部
110…吸着電極駆動部
120…ガス供給部
130…電熱体駆動部
140…冷却水供給部
200…静電チャック
205…基部
210…吸着電極
220…基準面
225…突起部
230…電熱体
240…冷却水路
250…内周シールバンド
252…内周接触面
254…内周側面
260…外周シールバンド
262…外周接触面
264…内周側面
266…外縁
270…インナーゾーン
275…内側流路
277…インナートンネル
279…孔
280…アウターゾーン
285…外側流路
287…アウタートンネル
289…孔
290…冷却板
292…接着層
300…供給装置
305…Oリング
310…オリフィス
315…逃がし流路
370…インナーガス装置
375…インナーガス流路
380…アウターガス装置
385…アウターガス流路
410…ボルト
Ps…インナーガス供給設定圧力
Px…アウターガス供給圧力
P0…アウターガス供給圧力Pxの初期圧力
L1…直径
L2…距離
H1…高さ
AR1…領域
AR2…領域
AR3…領域
ΔQ…流量
Qin…インナーガス流量
Qout…アウターガス流量
Qof…オリフィスガス流量
Qd…ガス流量値

Claims (4)

  1. 被保持物を保持する保持面の外縁に形成されている凸状の外周突出部と、前記外周突出部より内側に形成されている凸状の内周突出部と、前記内周突出部よりも内側に形成される第1の領域と、前記外周突出部と前記内周突出部との間に形成される第2の領域と、吸着電極と、を有する静電チャックと前記被保持物との間に流れるガスを制御する静電チャックのガス制御装置において、
    前記第1の領域に連通する内側流路に内側流路ガスを供給する内側ガス供給手段と、
    前記第2の領域に連通する外側流路に外側流路ガスを供給する外側ガス供給手段と、
    前記内側流路における内側流路ガスの流量値である内側ガス流量値を推定する内側ガス流量推定手段と、
    供給される内側流路ガスの圧力値をあらかじめ定められた所定値に維持するように調整する内側ガス調整手段と、
    前記内側ガス流量推定手段により推定された前記内側ガス流量値に基づいて前記外側流路に供給される外側流路ガスの圧力値または流量値を調整する外側ガス調整手段と、
    を備え
    前記外側ガス調整手段は、前記内側ガス流量値があらかじめ定められた所定値となるように、前記外側流路ガスの圧力値または流量値を調整することを特徴とする、静電チャックのガス制御装置。
  2. 請求項に記載の静電チャックのガス制御装置において、
    前記外側ガス調整手段は、
    前記内側ガス流量値が前記所定値よりも大きい場合に、前記外側ガスの圧力値または流量値を上げ、
    前記内側ガス流量値が前記所定値よりも小さい場合に、前記外側ガスの圧力値または流量値を下げ、
    前記内側ガス流量値が前記所定値と等しい場合に、前記外側ガスの圧力値または流量値を維持することを特徴とする、静電チャックのガス制御装置。
  3. 請求項に記載の静電チャックのガス制御装置において、
    推定された前記内側流路におけるガスの流れの向きである内側ガス流れ方向が前記内側流路から前記第1の領域へと流れる方向である場合に、前記内側ガス流量値は正の値とし、推定された前記内側ガス流れ方向が前記第1の領域から前記内側流路へと流れる方向である場合に、前記内側ガス流量値は負の値とすると、
    前記外側ガス調整手段は、
    前記内側ガス流量値が正の値の場合に、前記外側ガスの圧力値または流量値を上げ、
    前記内側ガス流量値が負の値の場合に、前記外側ガスの圧力値または流量値を下げ、
    前記内側ガス流量値が0の場合に、前記外側ガスの圧力値または流量値を維持することを特徴とする、静電チャックのガス制御装置。
  4. 被保持物を保持する保持面の外縁に形成されている凸状の外周突出部と、前記外周突出部より内側に形成される凸状の内周突出部と、前記内周突出部よりも内側に形成される第1の領域と、前記外周突出部と前記内周突出部との間に形成される第2の領域と、吸着電極と、を有する静電チャックと前記被保持物との間に流れるガスを制御する静電チャックのガス制御方法において、
    前記第1の領域に連通する内側流路に内側流路ガスを供給するステップ1と、
    前記第2の領域に連通する外側流路に外側流路ガスを供給するステップ2と、
    供給される内側流路ガスの圧力値をあらかじめ定められた所定値に維持するステップ3と、
    前記内側流路における内側流路ガスの流量値である内側ガス流量値を推定するステップ4と、
    前記ステップ4により推定された前記内側ガス流量値に基づいて、前記内側ガス流量値があらかじめ定められた所定値となるように、前記外側流路に供給される外側流路ガスの圧力値または流量値を調整するステップ5と、
    を備えることを特徴とする、静電チャックのガス制御方法。
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