JP2005070504A - 光学装置、プロジェクタ及び光学装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】最適な画像を投写することができる光学装置、プロジェクタ及び光学装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】光学部品用筐体の取付部213のピン215を投写レンズ3のつば部321の孔321Aに挿入し、紫外線硬化型の接着剤Sを孔321A内に充填させる。ピン215の先端部215Bは、投写レンズ3のつば部321の孔321Aの挿入方向先端に向かって径が小さくなっている。次に、電気光学装置を駆動させて、この電気光学装置から射出された光束を投写レンズ3を介して、スクリーン上に表示させる。画像の状態に応じて投写レンズ3の位置調整を行い、その後、接着剤Sを硬化させて、投写レンズ3を固定する。
【選択図】 図5
【解決手段】光学部品用筐体の取付部213のピン215を投写レンズ3のつば部321の孔321Aに挿入し、紫外線硬化型の接着剤Sを孔321A内に充填させる。ピン215の先端部215Bは、投写レンズ3のつば部321の孔321Aの挿入方向先端に向かって径が小さくなっている。次に、電気光学装置を駆動させて、この電気光学装置から射出された光束を投写レンズ3を介して、スクリーン上に表示させる。画像の状態に応じて投写レンズ3の位置調整を行い、その後、接着剤Sを硬化させて、投写レンズ3を固定する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、光学装置、プロジェクタ及び光学装置の製造方法に関する。
従来から、複数の色光を画像情報に応じて各色光ごとに変調する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された色光を合成する色合成光学系と、この色合成光学系で合成された光束を拡大投写して投写画像を形成する投写光学系とを備えるプロジェクタが利用されている。このようなプロジェクタでは、光変調装置は、色合成光学系の光束入射側端面に固定されて一体化された電気光学装置として構成されている(POP構造( Panel On Prism構造))。この電気光学装置は、投写光学系が取り付けられた光学部品用筐体(台座)に固定されている(例えば、特許文献1参照)。
近年、このようなプロジェクタにおいては、予め色合成光学系に光変調装置を固定した電気光学装置を製造し、その後、この製造された電気光学装置を光学部品用筐体内に収納し、固定している。
電気光学装置の製造時には、標準的な投写光学系としてマスターレンズを使用し、電気光学装置およびこのマスターレンズを経た光束をスクリーン上に投写して、色合成光学系に対する光変調装置の固定位置を調整している(マスターレンズ方式)。
近年、このようなプロジェクタにおいては、予め色合成光学系に光変調装置を固定した電気光学装置を製造し、その後、この製造された電気光学装置を光学部品用筐体内に収納し、固定している。
電気光学装置の製造時には、標準的な投写光学系としてマスターレンズを使用し、電気光学装置およびこのマスターレンズを経た光束をスクリーン上に投写して、色合成光学系に対する光変調装置の固定位置を調整している(マスターレンズ方式)。
しかしながら、このようなマスターレンズ方式では、実際に光学部品用筐体に取り付けられる投写光学系とマスターレンズとの間に、バックフォーカス位置の像面の状態や軸上色収差等の偏差が存在するため、マスターレンズを用いて精度よく電気光学装置を製造しても、組み合わされる投写光学系によっては、必ずしも鮮明な画像が得られないという問題があった。
本発明の目的は、最適な画像を投写することができる光学装置、プロジェクタ及び光学装置の製造方法を提供することである。
本発明の光学装置は、複数の色光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、この光変調装置から射出された光束を拡大投写する投写光学系とを備えた光学装置であって、前記光変調装置が固定されるとともに、前記投写光学系が取り付けられる台座を備え、前記投写光学系は、投写画像に基づいて、位置調整が行われた後、前記台座に固定されたことを特徴とする。
ここで、投写光学系と台座との固定方法としては、接着剤による固定や、熱かしめによる固定が例示できる。
このような本発明によれば、投写画像に基づいて、投写光学系の固定位置を調整した後、投写光学系が台座に固定されているため、投写画像が最適となる位置に投写光学系を固定することができ、画像品質の向上を図ることができる。
例えば、投写光学系のバックフォーカス位置に光変調装置が配置されるように、投写光学系の位置を調整したり、投写光学系の像面の状態に応じて位置調整を行ったりした後、投写光学系を固定することができる。
そして、実際に使用される投写光学系の状態に応じた位置調整を行っているため、マスターレンズ方式で大量生産された光学装置を使用した場合であっても、確実に画像品質の向上を図ることができる。
ここで、投写光学系と台座との固定方法としては、接着剤による固定や、熱かしめによる固定が例示できる。
このような本発明によれば、投写画像に基づいて、投写光学系の固定位置を調整した後、投写光学系が台座に固定されているため、投写画像が最適となる位置に投写光学系を固定することができ、画像品質の向上を図ることができる。
例えば、投写光学系のバックフォーカス位置に光変調装置が配置されるように、投写光学系の位置を調整したり、投写光学系の像面の状態に応じて位置調整を行ったりした後、投写光学系を固定することができる。
そして、実際に使用される投写光学系の状態に応じた位置調整を行っているため、マスターレンズ方式で大量生産された光学装置を使用した場合であっても、確実に画像品質の向上を図ることができる。
本発明では、前記投写光学系は、前記台座に接着剤により接着固定されていることが好ましい。
このように、接着剤を用いることで、投写光学系の位置調整を行った後、接着剤を硬化させて、投写光学系と台座とを固定することができる。
本発明では、前記投写光学系は、そのバックフォーカス位置に前記光変調装置が配置されるように位置調整されて固定されることが好ましい。
このような本発明では、光変調装置の位置が投写光学系のバックフォーカス位置となるように、投写光学系を配置することで、鮮明な画像を得ることができる。
このように、接着剤を用いることで、投写光学系の位置調整を行った後、接着剤を硬化させて、投写光学系と台座とを固定することができる。
本発明では、前記投写光学系は、そのバックフォーカス位置に前記光変調装置が配置されるように位置調整されて固定されることが好ましい。
このような本発明では、光変調装置の位置が投写光学系のバックフォーカス位置となるように、投写光学系を配置することで、鮮明な画像を得ることができる。
さらに、本発明では、前記投写光学系は、前記台座に接着剤により接着固定されており、前記接着剤は、光硬化型の接着剤であり、前記投写光学系は、前記台座に固定される固定部を備え、前記固定部又は前記台座の何れか一方には、ピンが形成され、他方には、前記ピンが挿入されるとともに、接着剤が注入される孔が形成され、前記ピンは孔への挿入方向先端に向かって縮径していること、及び/又は、前記孔は、ピンの挿入方向先端に向かって径が大きくなることが好ましい。
このような本発明において、ピンの径を、孔への挿入方向先端に向かって小さくなるようにすれば、ピンの先端と孔との間には隙間が形成されることとなる。この隙間から光を照射させることで、孔に充填された接着剤を確実に硬化させることができる。
また、孔をピンの挿入方向先端に向かって径が大きくなるようにした場合においても、ピンの先端と孔との間には隙間が形成されることとなるので、この隙間から光を照射させることで、確実に接着剤を硬化させることができる。
さらに、ピンの径を孔への挿入方向先端に向かって小さくなるようにし、かつ、孔をピンの挿入方向先端に向かって径が大きくなるようにすれば、ピンの先端と、孔との間にはより大きな隙間が形成されるので、より効率よく接着剤を硬化させることができる。
また、孔をピンの挿入方向先端に向かって径が大きくなるようにした場合においても、ピンの先端と孔との間には隙間が形成されることとなるので、この隙間から光を照射させることで、確実に接着剤を硬化させることができる。
さらに、ピンの径を孔への挿入方向先端に向かって小さくなるようにし、かつ、孔をピンの挿入方向先端に向かって径が大きくなるようにすれば、ピンの先端と、孔との間にはより大きな隙間が形成されるので、より効率よく接着剤を硬化させることができる。
本発明のプロジェクタは、上述した何れかの光学装置は前記光変調装置で変調された光学像を合成する色合成光学系を有し、この光学装置と、前記光学装置に対し光束を射出する光源とを備えることを特徴とする。
本発明のプロジェクタは、上述した何れかの光学装置を備えているので、光学装置と略同様の効果を奏することができる。
本発明のプロジェクタは、上述した何れかの光学装置を備えているので、光学装置と略同様の効果を奏することができる。
本発明の光学装置の製造方法は、複数の色光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、この光変調装置から射出された光束を拡大投写する投写光学系とを備えた光学装置の製造方法であって、前記光学装置は、光変調装置が固定されるとともに、前記投写光学系が取り付けられる台座を備え、前記台座に光変調装置を固定した後、光変調装置を駆動させて、光変調装置から射出された光束を投写光学系によりスクリーン上に投写させ、投写画像に基づいて投写光学系の位置調整を行った後、前記投写光学系を前記台座に固定することを特徴とする。
このような本発明によれば、前述した光学装置と同様の効果を奏することができる。すなわち、投写画像に基づいて、投写光学系の固定位置を調整した後、投写光学系が台座に固定されているため、投写画像が最適となる位置に投写光学系を固定することができ、画像品質の向上を図ることができる。
このような本発明によれば、前述した光学装置と同様の効果を奏することができる。すなわち、投写画像に基づいて、投写光学系の固定位置を調整した後、投写光学系が台座に固定されているため、投写画像が最適となる位置に投写光学系を固定することができ、画像品質の向上を図ることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)光学系の構成
図1には本実施形態のプロジェクタ1の光学系4の模式図を示す。プロジェクタ1は、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光変調光学系および色合成光学系を一体化した電気光学装置44と、投写レンズ3とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系であり、光源装置411、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413、偏光変換素子414、および重畳レンズ415を備えて構成される。
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)光学系の構成
図1には本実施形態のプロジェクタ1の光学系4の模式図を示す。プロジェクタ1は、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光変調光学系および色合成光学系を一体化した電気光学装置44と、投写レンズ3とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系であり、光源装置411、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413、偏光変換素子414、および重畳レンズ415を備えて構成される。
光源装置411は、放射光源としての光源ランプ416およびリフレクタ417を備え、光源ランプ416から射出された放射状の光線をリフレクタ417で反射して略平行光線とし、外部へと射出する。本例では、光源ランプ416として高圧水銀ランプを採用しているが、これ以外にメタルハライドランプやハロゲンランプを採用することもある。また、本例では、リフレクタ417として放物面鏡を採用しているが、楕円面鏡からなるリフレクタの射出面に平行化凹レンズを配置した構成も採用することもできる。
第1レンズアレイ412は、照明光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備している。各小レンズは、光源ランプ416から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。各小レンズの輪郭形状は、後述する液晶パネル441の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定される。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる機能を有する。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる機能を有する。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、電気光学装置44での光の利用率が高められている。
具体的に、偏光変換素子414によって1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ415によって最終的に電気光学装置44の液晶パネル441上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441を用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ416からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ416から射出された光束を略1種類の偏光光に変換し、電気光学装置44における光の利用効率を高めている。なお。このような偏光変換素子414は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
具体的に、偏光変換素子414によって1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ415によって最終的に電気光学装置44の液晶パネル441上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441を用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ416からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子414を用いることにより、光源ランプ416から射出された光束を略1種類の偏光光に変換し、電気光学装置44における光の利用効率を高めている。なお。このような偏光変換素子414は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421、422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432、434とを備え、色分離光学系42で分離された色光である赤色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432、434とを備え、色分離光学系42で分離された色光である赤色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束のうち、赤色光成分と緑色光成分とは透過し、青色光成分は反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418を通って、青色用の液晶パネル441Bに到達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
また、ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418を通って、緑色用の液晶パネル441Gに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って、赤色光用の液晶パネル441Rに到達する。
なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
電気光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段に配置される光変調素子としての液晶パネル441R、441G、441Bと、各液晶パネル441R、441G、441Bの後段に配置される射出側偏光板443と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム444とを備える。
液晶パネル441R、441G、441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、液晶パネル441は、液晶パネル本体441Xと、液晶パネル本体Xの光束入射側および光束射出側に密着して貼り付けられる防塵ガラス441D、441Cとを備えて構成されている(図2参照)。
液晶パネル本体441Xは、駆動基板(例えば複数のライン状の電極と、画素を構成する電極と、これらの間に電気的に接続されたTFT素子とが形成された基板)441Aと、対向基板(例えば、共通電極が形成された基板)441Eと、の間に液晶が封入されたものであり、これらのガラス基板の間から制御用ケーブル441Fが延びて構成されている。
液晶パネル本体441Xは、駆動基板(例えば複数のライン状の電極と、画素を構成する電極と、これらの間に電気的に接続されたTFT素子とが形成された基板)441Aと、対向基板(例えば、共通電極が形成された基板)441Eと、の間に液晶が封入されたものであり、これらのガラス基板の間から制御用ケーブル441Fが延びて構成されている。
防塵ガラス441C、441Dは、それぞれ駆動基板441Aおよび対向基板441E上に、透明接着剤等で固着されている。
これら防塵ガラス441C、441Dは、通常、投写レンズ3のバックフォーカス位置から液晶パネル441のパネル面の位置をずらして光学的にパネル表面に付着したゴミを目立たなくするためのものである。
色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R,441G,441B、入射側偏光板442、および射出側偏光板443によって画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
これら防塵ガラス441C、441Dは、通常、投写レンズ3のバックフォーカス位置から液晶パネル441のパネル面の位置をずらして光学的にパネル表面に付着したゴミを目立たなくするためのものである。
色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R,441G,441B、入射側偏光板442、および射出側偏光板443によって画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。また、基板を用いずに、偏光膜をフィールドレンズ418に貼り付けてもよい。
射出側偏光板443も、入射側偏光板442と略同様に構成され、液晶パネル441(441R,441G,441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、基板を用いずに、偏光膜をクロスダイクロイックプリズム444に貼り付けてもよい。
これらの入射側偏光板442および射出側偏光板443は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
射出側偏光板443も、入射側偏光板442と略同様に構成され、液晶パネル441(441R,441G,441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、基板を用いずに、偏光膜をクロスダイクロイックプリズム444に貼り付けてもよい。
これらの入射側偏光板442および射出側偏光板443は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出され、色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム444には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
クロスダイクロイックプリズム444には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
以上のような電気光学装置44は、図2に示すように、上述した液晶パネル441、入射側偏光板442、射出側偏光板443、クロスダイクロイックプリズム444の他に、クロスダイクロイックプリズム444の上面に固定されたマグネシウム合金製の台座447と、クロスダイクロイックプリズム444の光束入射端面に取り付けられ、射出側偏光板443を保持する金属製の保持板446と、保持枠445とを備える。
台座447は、マグネシウム合金で構成され、クロスダイクロイックプリズム444の上面に固定されており、外周形状はクロスダイクロイックプリズム444と略同じである。
さらに、クロスダイクロイックプリズム444の上面に固定された台座447の角隅部分には、電気光学装置44を下ライトガイド21(後述)にねじ止め固定するための、4つの腕部447Aが形成されている。
腕部447Aの先端部分には、丸穴447Bが形成されている。
また、台座447の側面には、対向する上下の辺縁にわたって凹部447Cが形成され、接着固定される保持板446と台座447との間にドライバー等の工具が差し込めるようになっている。
さらに、クロスダイクロイックプリズム444の上面に固定された台座447の角隅部分には、電気光学装置44を下ライトガイド21(後述)にねじ止め固定するための、4つの腕部447Aが形成されている。
腕部447Aの先端部分には、丸穴447Bが形成されている。
また、台座447の側面には、対向する上下の辺縁にわたって凹部447Cが形成され、接着固定される保持板446と台座447との間にドライバー等の工具が差し込めるようになっている。
保持板446は、マグネシウム合金で構成され、各液晶パネル441R,441G,441Bを保持固定するものであり矩形板状体446Aと、この矩形板状体446Aの四隅から突設されたピン446Pとを備えている。ここで、ピン446Pの位置は、矩形板状体446Aの隅である必要は無い。また、ピン446Pの数は、4つに限らず、2つ以上あれば良い。
この保持板446は、台座447と後述する保持枠445との間に介在している。該保持板446のピン446Pと反対側の端面が台座447の側面に接着固定される。また、該保持板446のピン446Pと保持枠445の孔445Fとを介して、保持板446と保持枠445とが互いに接着固定されている。
この矩形板状体446Aには、略中央に矩形状の開口部446Bが形成され、その上下辺縁にわたって凹部446Nが形成されている。この開口部446Bは、液晶パネル441(441G)の装着時、液晶パネル441(441G)の画像形成領域と対応する。
また、この開口部446Bを囲うように係合溝446Cが形成され、この係合溝446Cに係合するように、射出側偏光板443が取り付けられる。
また、この開口部446Bを囲うように係合溝446Cが形成され、この係合溝446Cに係合するように、射出側偏光板443が取り付けられる。
保持枠445は、マグネシウム合金で構成され、液晶パネル441を収容し、保持するものであり、液晶パネル441を収納する収納部445A1を有する保持枠本体445Aと、保持枠本体445Aと係合し、液晶パネル441を押圧固定する枠状部材445Bとを備える。
保持枠445の保持枠本体445Aの液晶パネル本体441Xのパネル面に対応する位置には開口部445Eが設けられており、また、その四隅には孔445Fが形成されている。また、この保持枠本体445Aには、液晶パネル441を収容するための凹部(図示略)が形成されている。
この保持枠本体445Aと枠状部材445Bとの固定は、枠状部材445Bの左右両側に設けたフック445Dと、保持枠本体445Aの対応する箇所に設けたフック係合部445Cとの係合により行う。
ここで、液晶パネル本体441Xは、保持枠445の開口部445Eで露出し、この部分が画像形成領域となる。すなわち、液晶パネル本体441Xのこの部分に各色光R,G,Bが導入され、画像情報に応じて光学像が形成される。
この保持枠本体445Aと枠状部材445Bとの固定は、枠状部材445Bの左右両側に設けたフック445Dと、保持枠本体445Aの対応する箇所に設けたフック係合部445Cとの係合により行う。
ここで、液晶パネル本体441Xは、保持枠445の開口部445Eで露出し、この部分が画像形成領域となる。すなわち、液晶パネル本体441Xのこの部分に各色光R,G,Bが導入され、画像情報に応じて光学像が形成される。
以上のような電気光学装置44は、次のようにして製造される。まず、クロスダイクロイックプリズム444に保持板446及び射出側偏光板443を固定する。次に、液晶パネル441を収容した保持枠445の孔445Fに紫外線硬化型接着剤を塗布したピン446Pを挿入する。この状態で、液晶パネル441の画像形成領域に光束を導入し、この光束を標準的な投写光学系としてマスターレンズから射出してスクリーン上に投写し、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面に対する進退位置、平面位置、および回転位置を調整して、液晶パネル441のフォーカス・アライメント調整を行う。そして、接着剤を完全に硬化させ、電気光学装置44が完成する。
そして、このような電気光学装置44と、後述する光学部品用筐体2と、電気光学装置44のクロスダイクロイックプリズム444で合成されたカラー画像を拡大して投写する投写レンズ3とで光学装置が形成される。
(2)光学部品用筐体の構造
以上のような、光学系4のインテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、リレー光学系43、電気光学装置44を構成する光学部品は、図3及び図4に示すような光学部品用筐体(台座)2に収容される。
この光学部品用筐体2は、上面が開口した箱型の下ライトガイド21と、この下ライトガイド21の開口を塞ぐ蓋状の上ライトガイド22とを備える。
下ライトガイド21は、平面略L字型形状であり、光源装置411を収容する第一収容部211と、他の光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434,44を収容する第二収容部212とを備える。第二収容部212には、光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434をスライド式に嵌め込むために溝部(図示略)が形成されている。
以上のような、光学系4のインテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、リレー光学系43、電気光学装置44を構成する光学部品は、図3及び図4に示すような光学部品用筐体(台座)2に収容される。
この光学部品用筐体2は、上面が開口した箱型の下ライトガイド21と、この下ライトガイド21の開口を塞ぐ蓋状の上ライトガイド22とを備える。
下ライトガイド21は、平面略L字型形状であり、光源装置411を収容する第一収容部211と、他の光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434,44を収容する第二収容部212とを備える。第二収容部212には、光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434をスライド式に嵌め込むために溝部(図示略)が形成されている。
このような下ライトガイド21の第二収容部212には、投写レンズ3を取り付け、固定するための取付部213が形成されている。この取付部213は、第二収容部212の電気光学装置44が設置される部分の光束射出側に形成されている。
取付部213は、投写方向正面から見て平面矩形形状の取付部本体214と、取付部本体214の四隅に形成された4本のピン215とを備える。
取付部本体214の中心部には、電気光学装置44から射出された光束が透過する孔214Aが形成されている。
ピン215は、取付部本体214から投写方向に延びるように設けられており、取付部本体214に固定された円柱状の基部215Aと、基部215Aの先端に設けられた先端部215Bとを備える。先端部215Bは投写方向先端に向かって縮径している。すなわち、このピン215の先端部215Bは、後述するつば部321の孔321Aの挿入方向先端に向かって径が小さくなっている。
取付部213は、投写方向正面から見て平面矩形形状の取付部本体214と、取付部本体214の四隅に形成された4本のピン215とを備える。
取付部本体214の中心部には、電気光学装置44から射出された光束が透過する孔214Aが形成されている。
ピン215は、取付部本体214から投写方向に延びるように設けられており、取付部本体214に固定された円柱状の基部215Aと、基部215Aの先端に設けられた先端部215Bとを備える。先端部215Bは投写方向先端に向かって縮径している。すなわち、このピン215の先端部215Bは、後述するつば部321の孔321Aの挿入方向先端に向かって径が小さくなっている。
(3)投写レンズ3の構造及び投写レンズ3の固定方法
以上のような取付部213に固定される投写レンズ3の構造について図3〜図6を参照して詳細に説明する。ここで、図5は、投写レンズ3を光学部品用筐体2の下ライトガイド21の取付部213に固定した状態を示す断面図であり、図6は、投写レンズ3を示す斜視図である。
投写レンズ3は、図3〜図6にも示すように、内部に所定の光路が設定された樹脂製等の鏡筒31と、この鏡筒31内の光路の照明光軸上に順次配置される複数のレンズ(図示略)とを備える。本実施形態の投写レンズ3は、複数のレンズの相互位置を変更することにより、投写される画像の拡大縮小を行うズーム機能を備えている。
以上のような取付部213に固定される投写レンズ3の構造について図3〜図6を参照して詳細に説明する。ここで、図5は、投写レンズ3を光学部品用筐体2の下ライトガイド21の取付部213に固定した状態を示す断面図であり、図6は、投写レンズ3を示す斜視図である。
投写レンズ3は、図3〜図6にも示すように、内部に所定の光路が設定された樹脂製等の鏡筒31と、この鏡筒31内の光路の照明光軸上に順次配置される複数のレンズ(図示略)とを備える。本実施形態の投写レンズ3は、複数のレンズの相互位置を変更することにより、投写される画像の拡大縮小を行うズーム機能を備えている。
鏡筒31は、図4に示すように、鏡筒本体32と、この鏡筒本体32の投写側に取り付けられた前枠33と、鏡筒本体32の投写側と反対側に取り付けられた後枠34とを備える。なお、図5及び図6、さらに後述する図7から図9においては、前枠33及び後枠34の図示を省略している。
鏡筒本体32は、図4から図6に示すように、下ライトガイド21の取付部213に固定される平面矩形形状のつば部(固定部)321と、つば部321の投写側に形成された筒状部322とを備える。
つば部321には、4つの孔321Aと、2つの孔321Bとが形成されている。
孔321Aは、つば部321の四隅に形成されており、つば部321の表面(投写側の面)及び裏面(投写側の面と反対側の面)を貫通している。この孔321Aには、図5に示すように、取付部213のピン215の先端部215Bが挿入され、接着剤Sにより固定される。これにより、投写レンズ3が下ライトガイド21の取付部213に固定されることとなる。なお、接着剤Sは、紫外線硬化型の接着剤であり、この接着剤Sは、ピン215の先端部215Bと、孔321Aの周縁のみならず、つば部321の孔321Aの投写側と反対側の周縁と、ピン215の基部215Aの投写側の端面とを固定している。また、接着剤Sは、取付部213のピン215の先端部215Bを覆っている。
鏡筒本体32は、図4から図6に示すように、下ライトガイド21の取付部213に固定される平面矩形形状のつば部(固定部)321と、つば部321の投写側に形成された筒状部322とを備える。
つば部321には、4つの孔321Aと、2つの孔321Bとが形成されている。
孔321Aは、つば部321の四隅に形成されており、つば部321の表面(投写側の面)及び裏面(投写側の面と反対側の面)を貫通している。この孔321Aには、図5に示すように、取付部213のピン215の先端部215Bが挿入され、接着剤Sにより固定される。これにより、投写レンズ3が下ライトガイド21の取付部213に固定されることとなる。なお、接着剤Sは、紫外線硬化型の接着剤であり、この接着剤Sは、ピン215の先端部215Bと、孔321Aの周縁のみならず、つば部321の孔321Aの投写側と反対側の周縁と、ピン215の基部215Aの投写側の端面とを固定している。また、接着剤Sは、取付部213のピン215の先端部215Bを覆っている。
この孔321Aの径は、ピン215の先端部215Bの基部215A側の径よりも大きいものとなっている。従って、接着剤Sを硬化させていない状態においては、ピン215の先端部215Bを孔321A内で移動させることが可能となる。
さらに、この孔321Aの投写方向先端側及び後端側の周縁は、面取りされており、孔321Aの周縁には、面取り部321A1が形成されている。
さらに、つば部321の裏面の外周縁であって、前記孔321Aの近傍部分には、投写方向に窪んだ段部321Dが形成されている。これにより、段部321Dと、この段部321Dに隣接する取付部213のピン215の基部215Aとの間には隙間が形成されることとなる。従って、接着剤Sにより固定された投写レンズ3を取り外す際、段部321Dにリワーク用の治具を引っ掛けて、固定を解除することができる。
孔321Bは、図6に示すように、筒状部322を挟んで形成されており、この孔321Bには、後述する治具8の位置決め突起81が挿入される。
また、図6及び図7に示すように、つば部321の一対の側面321Cは、傾斜面となっており、つば部321の裏面に向かって傾斜している。
さらに、この孔321Aの投写方向先端側及び後端側の周縁は、面取りされており、孔321Aの周縁には、面取り部321A1が形成されている。
さらに、つば部321の裏面の外周縁であって、前記孔321Aの近傍部分には、投写方向に窪んだ段部321Dが形成されている。これにより、段部321Dと、この段部321Dに隣接する取付部213のピン215の基部215Aとの間には隙間が形成されることとなる。従って、接着剤Sにより固定された投写レンズ3を取り外す際、段部321Dにリワーク用の治具を引っ掛けて、固定を解除することができる。
孔321Bは、図6に示すように、筒状部322を挟んで形成されており、この孔321Bには、後述する治具8の位置決め突起81が挿入される。
また、図6及び図7に示すように、つば部321の一対の側面321Cは、傾斜面となっており、つば部321の裏面に向かって傾斜している。
次に、投写レンズ3の下ライトガイド21の取付部213への固定方法について説明する。
なお、下ライトガイド21へ投写レンズ3を取り付ける際には、下ライトガイド21内には、すでに、電気光学装置44等の光学部品が収容された状態となっている。
まず、図7に示すように治具8の位置決め突起81をつば部321の孔321Bに挿入し、治具8の取り付け位置を決定する。また、治具8の爪82をつば部321の側面321Cに当接させ、つば部321を挟持するとともに、つば部321を治具8に押し付ける。このようにして、治具8により投写レンズ3を保持しながら、図8に示すように、投写レンズ3のつば部321の孔321Aに、取付部213のピン215の先端部215Bを挿入する。この際、予め、つば部321の孔321Aの投写方向後端側の周縁に形成された面取り部321A1に接着剤Sを塗布しておく。この接着剤Sは、孔321Aにピン215の先端部215Bを挿入すると同時に、ピン215の基部215A及び先端部215Bに付着することとなる。
なお、下ライトガイド21へ投写レンズ3を取り付ける際には、下ライトガイド21内には、すでに、電気光学装置44等の光学部品が収容された状態となっている。
まず、図7に示すように治具8の位置決め突起81をつば部321の孔321Bに挿入し、治具8の取り付け位置を決定する。また、治具8の爪82をつば部321の側面321Cに当接させ、つば部321を挟持するとともに、つば部321を治具8に押し付ける。このようにして、治具8により投写レンズ3を保持しながら、図8に示すように、投写レンズ3のつば部321の孔321Aに、取付部213のピン215の先端部215Bを挿入する。この際、予め、つば部321の孔321Aの投写方向後端側の周縁に形成された面取り部321A1に接着剤Sを塗布しておく。この接着剤Sは、孔321Aにピン215の先端部215Bを挿入すると同時に、ピン215の基部215A及び先端部215Bに付着することとなる。
次に、図9に示すように、ピン215の先端部215Bの先端に、接着剤Sを塗布する。そして、この接着剤Sを孔321Aに充填する(図5参照)。
さらに、下ライトガイド21の第二収容部212に収容された電気光学装置44を駆動させて、この電気光学装置44から射出された光束を投写レンズ3を介して、スクリーン上に表示させる。ここでは、所定のテストパターンがスクリーン上に映し出され、この画像を観察し、その画像の状態に応じて、治具8を図示しない位置調整装置により、移動させて、投写レンズ3の位置調整を行う。ここで、位置調整装置により投写レンズ3は、図3のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向、Z軸を中心とした回転方向(Z1方向)、X軸を中心とした回転方向(X1方向)の5方向に調整可能となっている。例えば、電気光学装置44の液晶パネル441の位置を投写レンズ3のバックフォーカス位置としたい場合には、投写レンズ3をY軸方向に沿って移動させ、投写レンズ3のバックフォーカス位置が電気光学装置44の位置となるように調整すればよい。
なお、本実施形態では、位置調整装置により、投写レンズ3は5方向に調整可能であるとしたが、これには限られない。例えば、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3方向に調整可能としてもよい。また、投写レンズ3のバックフォーカス位置のみを調整すればよい場合には、Y軸方向にのみ調整可能としてもよい。
このようにして、調整が終了した投写レンズ3を光学部品用筐体2に固定する。具体的には、接着剤Sに図示しない紫外線照射用ファイバーから紫外線を照射して接着剤Sを硬化させる。ここで、紫外線は、投写レンズ3の孔321Aの投写方向側、及び投写レンズ3の段部321D側から照射する。これにより、接着剤Sが硬化し、光学部品用筐体2に対する投写レンズ3の固定が完成する。
さらに、下ライトガイド21の第二収容部212に収容された電気光学装置44を駆動させて、この電気光学装置44から射出された光束を投写レンズ3を介して、スクリーン上に表示させる。ここでは、所定のテストパターンがスクリーン上に映し出され、この画像を観察し、その画像の状態に応じて、治具8を図示しない位置調整装置により、移動させて、投写レンズ3の位置調整を行う。ここで、位置調整装置により投写レンズ3は、図3のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向、Z軸を中心とした回転方向(Z1方向)、X軸を中心とした回転方向(X1方向)の5方向に調整可能となっている。例えば、電気光学装置44の液晶パネル441の位置を投写レンズ3のバックフォーカス位置としたい場合には、投写レンズ3をY軸方向に沿って移動させ、投写レンズ3のバックフォーカス位置が電気光学装置44の位置となるように調整すればよい。
なお、本実施形態では、位置調整装置により、投写レンズ3は5方向に調整可能であるとしたが、これには限られない。例えば、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3方向に調整可能としてもよい。また、投写レンズ3のバックフォーカス位置のみを調整すればよい場合には、Y軸方向にのみ調整可能としてもよい。
このようにして、調整が終了した投写レンズ3を光学部品用筐体2に固定する。具体的には、接着剤Sに図示しない紫外線照射用ファイバーから紫外線を照射して接着剤Sを硬化させる。ここで、紫外線は、投写レンズ3の孔321Aの投写方向側、及び投写レンズ3の段部321D側から照射する。これにより、接着剤Sが硬化し、光学部品用筐体2に対する投写レンズ3の固定が完成する。
(4)第一実施形態の効果
従って、このような本実施の形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(4-1)投写レンズ3を光学部品用筐体2の取付部213に接着剤Sにより接着固定しているので、投写レンズ3の固定位置を、投写画像が最適となる位置に調整した後、接着剤Sを硬化させることができ、画像品質の向上を図ることができる。例えば、投写レンズ3のバックフォーカス位置に電気光学装置44の液晶パネル441が配置されるように、投写レンズ3の位置を調整し、その後接着剤Sを硬化し、固定することができる。
また、本実施形態では投写レンズ3は5方向に位置調整可能とされているので、投写レンズ3の像面のばらつきや、投写画像の歪等も解消することができ、これによってもさらなる画像品質の向上を図ることができる。
そして、このように投写レンズ3側の位置調整を行うことで、画像品質の向上を行うことができるので、本実施形態のようにマスターレンズ方式で大量生産された電気光学装置44を使用した場合であっても、プロジェクタに搭載される各投写レンズに応じて製造された電気光学装置を使用する場合と略同様の画像を得ることができる。従って、プロジェクタ1の製造コストの低減と、画像品質の向上とを同時に図ることができる。
従って、このような本実施の形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(4-1)投写レンズ3を光学部品用筐体2の取付部213に接着剤Sにより接着固定しているので、投写レンズ3の固定位置を、投写画像が最適となる位置に調整した後、接着剤Sを硬化させることができ、画像品質の向上を図ることができる。例えば、投写レンズ3のバックフォーカス位置に電気光学装置44の液晶パネル441が配置されるように、投写レンズ3の位置を調整し、その後接着剤Sを硬化し、固定することができる。
また、本実施形態では投写レンズ3は5方向に位置調整可能とされているので、投写レンズ3の像面のばらつきや、投写画像の歪等も解消することができ、これによってもさらなる画像品質の向上を図ることができる。
そして、このように投写レンズ3側の位置調整を行うことで、画像品質の向上を行うことができるので、本実施形態のようにマスターレンズ方式で大量生産された電気光学装置44を使用した場合であっても、プロジェクタに搭載される各投写レンズに応じて製造された電気光学装置を使用する場合と略同様の画像を得ることができる。従って、プロジェクタ1の製造コストの低減と、画像品質の向上とを同時に図ることができる。
(4-2)光学部品用筐体2の取付部213のピン215の先端部215Bを先端に向かって縮径するものとしているので、投写レンズ3の孔321Aと、ピン215の先端部215Bの先端との間には、大きな隙間が形成されることとなる。そのため、孔321Aと、ピン215の先端部215Bとの間に充填された接着剤Sに紫外線を確実に照射することができる。さらに、孔321Aの投写側の周縁には、面取り部321A1が形成されているので、面取り部321A1と、ピン215の先端部215Bの先端との間には、より大きな隙間が形成されることとなり、接着剤Sに紫外線をさらに確実に照射することができる。
(4-3)また、投写レンズ3のつば部321には段部321Dが形成されているため、段部321Dと、この段部321Dに隣接する取付部213のピン215の基部215Aとの間には隙間が形成されることとなる。従って、段部321D側から紫外線が接着剤Sにあたりやすくなり、これによっても、接着剤Sを確実に照射することができる。
(4-3)また、投写レンズ3のつば部321には段部321Dが形成されているため、段部321Dと、この段部321Dに隣接する取付部213のピン215の基部215Aとの間には隙間が形成されることとなる。従って、段部321D側から紫外線が接着剤Sにあたりやすくなり、これによっても、接着剤Sを確実に照射することができる。
(4-4)さらに、投写レンズ3のつば部321には、孔321Bが形成されており、この孔321Bに治具8の位置決め突起81を挿入することで、治具8の取り付け位置を容易に決定することができる。
また、つば部321の側面321Cは傾斜面となっているので、治具8の爪82を側面321Cに合わせて固定することができる。
(4-5)また、投写レンズ3のつば部321の裏面の外周縁部分に、段部321Dを形成したので、投写レンズ3を交換する際に、段部321Dにリワーク用の治具を引っ掛けて、投写レンズ3と取付部213との固定を解除することができる。
これにより、投写レンズ3のリワーク性を向上させることができる。
また、つば部321の側面321Cは傾斜面となっているので、治具8の爪82を側面321Cに合わせて固定することができる。
(4-5)また、投写レンズ3のつば部321の裏面の外周縁部分に、段部321Dを形成したので、投写レンズ3を交換する際に、段部321Dにリワーク用の治具を引っ掛けて、投写レンズ3と取付部213との固定を解除することができる。
これにより、投写レンズ3のリワーク性を向上させることができる。
(4-6)さらに、従来から、投写レンズと光学部品用筐体とをねじ止め固定する方法があるが、投写レンズのバックフォーカス位置と、電気光学装置の液晶パネルの位置とがずれている場合には、投写レンズと光学部品用筐体との間に板金のスペーサを設置し、調整することがあった。特に、ズーム機能付きの投写レンズを使用する際には、液晶パネルを投写レンズのバックフォーカス位置に正確に配置する必要があるため、投写レンズごとのずれに応じた寸法(例えば、0.1mm、0.4mm等)の板金のスペーサを成形し、これを配置していた。
これに対し、本実施形態では、接着剤Sにより、投写レンズ3と、光学部品用筐体2の取付部213との距離を調整して固定できるので、板金のスペーサが不要となり、部材点数の削減を図ることができる。
これに対し、本実施形態では、接着剤Sにより、投写レンズ3と、光学部品用筐体2の取付部213との距離を調整して固定できるので、板金のスペーサが不要となり、部材点数の削減を図ることができる。
(4-7)また、孔321Aの周縁に面取り部321A1を形成したので、塗布した接着剤Sが鉛直方向に垂れにくくなり、接着剤Sを確実にピン215の基部215Aと、孔321Aの周縁との間に配置することができる。
(4-8)さらに、本実施形態では、投写レンズ3を光学部品用筐体2の取付部213に固定する際、つば部321の孔321Aの面取り部321A1に接着剤Sを塗布し、孔321Aに、取付部213のピン215の先端部215Bを挿入した後、さらに、ピン215の先端部215Bの先端に、接着剤Sを塗布して、接着剤Sを孔321Aに充填している。このようにすることで、つば部321とピン215とを確実に接着することができる。
(4-8)さらに、本実施形態では、投写レンズ3を光学部品用筐体2の取付部213に固定する際、つば部321の孔321Aの面取り部321A1に接着剤Sを塗布し、孔321Aに、取付部213のピン215の先端部215Bを挿入した後、さらに、ピン215の先端部215Bの先端に、接着剤Sを塗布して、接着剤Sを孔321Aに充填している。このようにすることで、つば部321とピン215とを確実に接着することができる。
[第2実施形態]
図10及び図11を参照して第二実施形態について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記実施形態と本実施形態とでは、投写レンズの構造が異なっている。
図11には、本実施形態の投写レンズ5が示されている。この投写レンズ5の鏡筒51は、鏡筒本体52と、図示しないが前記実施形態の投写レンズ3と同様の前枠と、後枠とを備えている。
鏡筒本体52は、光学部品用筐体2の取付部213(図3参照)に固定されるつば部(固定部)521と、つば部521の投写側に形成された筒状部322とを備える。
つば部521は、前記実施形態のつば部321と略同様の構成であるが、このつば部521には、筒状部322を挟んで対向配置され、投写方向と直交方向に延びる延出部521Aが形成されている点が前記実施形態と異なっている。この延出部521Aの側面521A1は、傾斜面となっており、この側面521A1に治具8の爪82が当接する。
また、本実施形態のつば部521には、孔321Bは形成されていない。さらに、本実施形態のつば部521の側面は、傾斜面ではない。その他の点は、前記実施形態のつば部321と同様である。
図10及び図11を参照して第二実施形態について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記実施形態と本実施形態とでは、投写レンズの構造が異なっている。
図11には、本実施形態の投写レンズ5が示されている。この投写レンズ5の鏡筒51は、鏡筒本体52と、図示しないが前記実施形態の投写レンズ3と同様の前枠と、後枠とを備えている。
鏡筒本体52は、光学部品用筐体2の取付部213(図3参照)に固定されるつば部(固定部)521と、つば部521の投写側に形成された筒状部322とを備える。
つば部521は、前記実施形態のつば部321と略同様の構成であるが、このつば部521には、筒状部322を挟んで対向配置され、投写方向と直交方向に延びる延出部521Aが形成されている点が前記実施形態と異なっている。この延出部521Aの側面521A1は、傾斜面となっており、この側面521A1に治具8の爪82が当接する。
また、本実施形態のつば部521には、孔321Bは形成されていない。さらに、本実施形態のつば部521の側面は、傾斜面ではない。その他の点は、前記実施形態のつば部321と同様である。
このような投写レンズ5を光学部品用筐体2に取り付ける際には、次のようにして投写レンズ5を保持する。図11に示すように、延出部521Aの下面側を治具8が保持するとともに、治具8の爪82を延出部521Aの側面521A1に当接させることで、投写レンズ5を治具8により保持する。その他の投写レンズ3の光学部品用筐体2への固定方法は前記実施形態と略同様であるため、説明を省略する。
(5)第二実施形態の効果
このような本実施形態によれば、前記実施形態の(4-1)〜(4-3)、(4-5)〜(4-8)と略同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
(5-1)つば部521には治具の位置決め用の孔が形成されていないため、つば部521の強度をより高いものとすることができる。
(5-2)治具8により、投写レンズ5の延出部521Aの下面側を保持しているので、投写レンズ5をバランスよく安定的に保持することができる。
このような本実施形態によれば、前記実施形態の(4-1)〜(4-3)、(4-5)〜(4-8)と略同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
(5-1)つば部521には治具の位置決め用の孔が形成されていないため、つば部521の強度をより高いものとすることができる。
(5-2)治具8により、投写レンズ5の延出部521Aの下面側を保持しているので、投写レンズ5をバランスよく安定的に保持することができる。
[第3実施形態]
図12から図16を参照して、第三実施形態について説明する。
本実施形態と、前記実施形態とでは、光学部品用筐体及び投写レンズの形状が異なっている。なお、その他の点においては、前記実施形態と同様である。
前記実施形態では、光学部品用筐体2は、平面略L字型形状であったが、本実施形態では、光学部品用筐体6は、平面略U字型形状となっている。
この光学部品用筐体6は、図12及び図13に示すように、上面が開口した箱型の下ライトガイド61と、図示しない上ライトガイドとを備える。下ライトガイド61は、光源装置411を収容する第一収容部611と、他の光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434,44を収容する第二収容部612とを備える。
図12から図16を参照して、第三実施形態について説明する。
本実施形態と、前記実施形態とでは、光学部品用筐体及び投写レンズの形状が異なっている。なお、その他の点においては、前記実施形態と同様である。
前記実施形態では、光学部品用筐体2は、平面略L字型形状であったが、本実施形態では、光学部品用筐体6は、平面略U字型形状となっている。
この光学部品用筐体6は、図12及び図13に示すように、上面が開口した箱型の下ライトガイド61と、図示しない上ライトガイドとを備える。下ライトガイド61は、光源装置411を収容する第一収容部611と、他の光学部品412〜415,418,421〜423,431〜434,44を収容する第二収容部612とを備える。
第二収容部612の投写方向先端側には、投写レンズ7を固定するための取付部613が形成されている。この取付部613は、投写レンズ7の鏡筒71の形状に応じた円弧形状の円弧状部614と、この円弧状部614の両端部から略水平に延びる一対の取付部本体615とを備える。
各取付部本体615には、図14にも示すように、その上下面を貫通する複数、例えば2つの長孔615Aが所定の間隔で形成されている。この長孔615Aの長手方向は、光軸方向(図12Y軸方向)に沿っている。また、この長孔615Aの上面側及び下面側の周縁には、面取り部615A1が形成されている。
各取付部本体615には、図14にも示すように、その上下面を貫通する複数、例えば2つの長孔615Aが所定の間隔で形成されている。この長孔615Aの長手方向は、光軸方向(図12Y軸方向)に沿っている。また、この長孔615Aの上面側及び下面側の周縁には、面取り部615A1が形成されている。
一方、本実施形態の投写レンズ7は、図13に示すように、内部に所定の光路が設定された樹脂製等の鏡筒71と、この鏡筒71内の光路の照明光軸上に順次配置される複数のレンズ(図示略)とを備える。
鏡筒71は、鏡筒本体72と、この鏡筒本体72の投写側に取り付けられ、前記実施形態と略同様の前枠73とを備える。
鏡筒本体72は、筒状部722と、この筒状部722の左右側から水平方向に延出する一対のつば部(固定部)721とを備える。
つば部721の中央部分には孔721Aが形成されており、この孔721Aには、治具の位置決め突起が挿入される。また、図14にも示すように、つば部721の延出方向先端側の側面721Bは、下方に向かって傾斜した傾斜面となっている。
さらに、つば部721には、ピン724が前記孔721Aを挟んで前後(投写方向先端側、投写方向後端側)に形成されている。このピン724は、上方に突出しており、円柱形状の基部724Aと、この基部724Aの先端に設けられる先端部724Bとを備える。先端部724Bは、上方(長孔615Aへの挿入方向先端)に向かって縮径している。
この先端部724Bは、光学部品用筐体6の取付部613の長孔615Aに挿入され、接着剤Sにより固定される。これにより、投写レンズ7と光学部品用筐体6とが固定されることとなる。なお、ピン724の先端部724Bの基端側の径は、長孔615Aの短辺方向の径よりも小さなものとなっている。従って、接着剤Sを硬化させていない状態においては、ピン724の先端部724Bを長孔615A内で移動させることが可能となる。
鏡筒71は、鏡筒本体72と、この鏡筒本体72の投写側に取り付けられ、前記実施形態と略同様の前枠73とを備える。
鏡筒本体72は、筒状部722と、この筒状部722の左右側から水平方向に延出する一対のつば部(固定部)721とを備える。
つば部721の中央部分には孔721Aが形成されており、この孔721Aには、治具の位置決め突起が挿入される。また、図14にも示すように、つば部721の延出方向先端側の側面721Bは、下方に向かって傾斜した傾斜面となっている。
さらに、つば部721には、ピン724が前記孔721Aを挟んで前後(投写方向先端側、投写方向後端側)に形成されている。このピン724は、上方に突出しており、円柱形状の基部724Aと、この基部724Aの先端に設けられる先端部724Bとを備える。先端部724Bは、上方(長孔615Aへの挿入方向先端)に向かって縮径している。
この先端部724Bは、光学部品用筐体6の取付部613の長孔615Aに挿入され、接着剤Sにより固定される。これにより、投写レンズ7と光学部品用筐体6とが固定されることとなる。なお、ピン724の先端部724Bの基端側の径は、長孔615Aの短辺方向の径よりも小さなものとなっている。従って、接着剤Sを硬化させていない状態においては、ピン724の先端部724Bを長孔615A内で移動させることが可能となる。
以上のような投写レンズ7と、下ライトガイド61の取付部613とは次のようにして固定される。
まず、図示しない治具の位置決め突起を、投写レンズ7のつば部721に形成された孔721Aに挿入する。次に、治具の爪をつば部721の側面721Bに当接させ、つば部721を挟持する。
図15に示すように、投写レンズ7のつば部721上に設けられたピン724の先端部724Bを下ライトガイド61の取付部613の長孔615Aに挿入する。この際、長孔615Aの下方側の周縁に形成された面取り部615A1に接着剤Sを塗布しておく。この接着剤Sは、長孔615Aにピン724の先端部724Bを挿入すると同時に、ピン724の基部724A及び先端部724Bに付着する。
次に、図16に示すように、ピン724の先端部724Bの先端に接着剤Sを塗布する。そして、この接着剤Sを長孔615A内に充填する(図14参照)。
さらに、既に、下ライトガイド61の第二収容部612に収容された電気光学装置44を駆動させて所定のテストパターンをスクリーンに表示させる。このスクリーンに投影された画像を観察し、その画像の状態に応じて、治具を位置調整装置により、移動させて、投写レンズ7の位置調整を行う。ここで、位置調整装置により、投写レンズ7は、図11のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向、Z軸を中心とした回転方向(Z1方向)、X軸を中心とした回転方向(X1方向)の5方向に調整可能となっている。
まず、図示しない治具の位置決め突起を、投写レンズ7のつば部721に形成された孔721Aに挿入する。次に、治具の爪をつば部721の側面721Bに当接させ、つば部721を挟持する。
図15に示すように、投写レンズ7のつば部721上に設けられたピン724の先端部724Bを下ライトガイド61の取付部613の長孔615Aに挿入する。この際、長孔615Aの下方側の周縁に形成された面取り部615A1に接着剤Sを塗布しておく。この接着剤Sは、長孔615Aにピン724の先端部724Bを挿入すると同時に、ピン724の基部724A及び先端部724Bに付着する。
次に、図16に示すように、ピン724の先端部724Bの先端に接着剤Sを塗布する。そして、この接着剤Sを長孔615A内に充填する(図14参照)。
さらに、既に、下ライトガイド61の第二収容部612に収容された電気光学装置44を駆動させて所定のテストパターンをスクリーンに表示させる。このスクリーンに投影された画像を観察し、その画像の状態に応じて、治具を位置調整装置により、移動させて、投写レンズ7の位置調整を行う。ここで、位置調整装置により、投写レンズ7は、図11のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向、Z軸を中心とした回転方向(Z1方向)、X軸を中心とした回転方向(X1方向)の5方向に調整可能となっている。
このようにして、調整が終了した投写レンズ7を光学部品用筐体6に固定する。具体的には、接着剤Sに図示しない紫外線照射用ファイバーから紫外線を照射して接着剤Sを硬化させる。
ここで、紫外線は、取付部613の取付部本体615の孔615Aの上方側から照射する。これにより、接着剤Sが硬化し、光学部品用筐体6に対する投写レンズ7の固定が完成する。
ここで、紫外線は、取付部613の取付部本体615の孔615Aの上方側から照射する。これにより、接着剤Sが硬化し、光学部品用筐体6に対する投写レンズ7の固定が完成する。
(6)第三実施形態の効果
このような第三実施形態によれば、第一実施形態の(4-1),(4-2),(4-4)、(4-6)〜(4-8)と略同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
(6-1)下ライトガイド61の取付部613の長孔615Aは、光軸方向(Y軸方向)に延びているため、投写レンズ7の光軸方向の位置調整の幅が広くなっている。従って、より、電気光学装置44の液晶パネル441の位置と、投写レンズ7のバックフォーカス位置とをより正確に一致させることができる。
このような第三実施形態によれば、第一実施形態の(4-1),(4-2),(4-4)、(4-6)〜(4-8)と略同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
(6-1)下ライトガイド61の取付部613の長孔615Aは、光軸方向(Y軸方向)に延びているため、投写レンズ7の光軸方向の位置調整の幅が広くなっている。従って、より、電気光学装置44の液晶パネル441の位置と、投写レンズ7のバックフォーカス位置とをより正確に一致させることができる。
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、接着剤Sにより、光学部品用筐体と、投写レンズとを固定していたが、これに限らず、熱かしめにより固定してもよい。例えば、投写レンズのバックフォーカス位置だけを調整すればよいような場合には、図17及び図18に示すように、投写レンズ7のピン724の先端部724Cを、下ライトガイド61の取付部613の長孔615Cに挿入する。なお、この長孔615Cは、長孔615Aと略同様の形状であるが、長孔615Cには、面取り部は形成されていない。そして、投写レンズ7の位置を光軸方向に沿って調整した後、図19及び図20に示すように、先端部724Cの先端を熱により溶かし、かしめる。これにより、投写レンズ7と、下ライトガイド61とが固定されることとなる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、接着剤Sにより、光学部品用筐体と、投写レンズとを固定していたが、これに限らず、熱かしめにより固定してもよい。例えば、投写レンズのバックフォーカス位置だけを調整すればよいような場合には、図17及び図18に示すように、投写レンズ7のピン724の先端部724Cを、下ライトガイド61の取付部613の長孔615Cに挿入する。なお、この長孔615Cは、長孔615Aと略同様の形状であるが、長孔615Cには、面取り部は形成されていない。そして、投写レンズ7の位置を光軸方向に沿って調整した後、図19及び図20に示すように、先端部724Cの先端を熱により溶かし、かしめる。これにより、投写レンズ7と、下ライトガイド61とが固定されることとなる。
また、第一実施形態及び第二実施形態では、光学部品用筐体2の取付部213のピン215の先端部215Bを、先端に向かって縮径するものとしたが、これに限らず、図21に示すように、先端から基端まで径が均一な先端部215Cとしてもよい。この場合には、投写レンズ3のつば部321の孔321Eの径を、先端部215Cの挿入方向先端に向かって径が大きくなるものとすることが好ましい。このようにすることで、孔321Eと、先端部215Cの先端との間には大きな隙間が形成されることとなる。これにより、孔321E内の接着剤Sに紫外線にあたりやすくなり、接着剤Sを確実に照射することができる。
さらに、ピンの先端部及びこのピンの先端部が挿入される孔の径を均一なものとしてもよい。このようにすることで、ピンや孔の成形を容易化することができる。
また、前記各実施形態において、3つの液晶パネルを用いたプロジェクタを採用したが、これに限らず、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタとしてもよい。
さらに、前記各実施形態では、光学部品用筐体2,6に形成された取付部213,613に投写レンズ3,5,7を固定したが、これに限らず、光学部品用筐体に側面略L字型の構造体(台座)を取り付け、垂直部に投写レンズを固定し、水平部に電気光学装置を固定してもよい。ただし、この場合には、構造体を設けなければならないので、部品点数が増加してしまうという問題がある。これに対し、本実施形態では、光学部品用筐体2,6に直接、投写レンズ3,5,7を固定しているので、部品点数の増加を抑えることができる。
また、前記各実施形態では、4つのピン215,724をそれぞれ、孔321A,長孔615Aに挿入することで、投写レンズ3,5,7と、光学部品用筐体2,6とを固定していたが、ピンや孔の数はこれに限らず、例えば、ピンや孔の個数を3つとしてもよい。また、光学部品用筐体2,6の取付部213,613と、投写レンズ3,5,7のつば部321,521,721とを面接着により固定してもよい。
また、前記各実施形態において、3つの液晶パネルを用いたプロジェクタを採用したが、これに限らず、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタとしてもよい。
さらに、前記各実施形態では、光学部品用筐体2,6に形成された取付部213,613に投写レンズ3,5,7を固定したが、これに限らず、光学部品用筐体に側面略L字型の構造体(台座)を取り付け、垂直部に投写レンズを固定し、水平部に電気光学装置を固定してもよい。ただし、この場合には、構造体を設けなければならないので、部品点数が増加してしまうという問題がある。これに対し、本実施形態では、光学部品用筐体2,6に直接、投写レンズ3,5,7を固定しているので、部品点数の増加を抑えることができる。
また、前記各実施形態では、4つのピン215,724をそれぞれ、孔321A,長孔615Aに挿入することで、投写レンズ3,5,7と、光学部品用筐体2,6とを固定していたが、ピンや孔の数はこれに限らず、例えば、ピンや孔の個数を3つとしてもよい。また、光学部品用筐体2,6の取付部213,613と、投写レンズ3,5,7のつば部321,521,721とを面接着により固定してもよい。
本発明の光学装置は、会議、学会、展示会等でのマルチメディアプレゼンテーションに広く利用されるプロジェクタに利用することができる。
1…プロジェクタ、2,6…光学部品用筐体(台座)、3,5,7…投写レンズ(投写光学系)、215,724…ピン、321,521,721…つば部(固定部)、321A…孔、411…光源装置、441…液晶パネル(光変調装置)、444…クロスダイクロイックプリズム(色合成光学系)、615A…長孔
Claims (6)
- 複数の色光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、この光変調装置から射出された光束を拡大投写する投写光学系とを備えた光学装置であって、
前記光変調装置が固定されるとともに、前記投写光学系が取り付けられる台座を備え、
前記投写光学系は、投写画像に基づいて、位置調整が行われた後、前記台座に固定されたことを特徴とする光学装置。 - 請求項1に記載の光学装置において、
前記投写光学系は、前記台座に接着剤により接着固定されていることを特徴とする光学装置。 - 請求項1又は2に記載の光学装置において、
前記投写光学系は、そのバックフォーカス位置に前記光変調装置が配置されるように位置調整されて固定されることを特徴とする光学装置。 - 請求項1から3の何れかに記載の光学装置において、
前記投写光学系は、前記台座に接着剤により接着固定されており、
前記接着剤は、光硬化型の接着剤であり、
前記投写光学系は、前記台座に固定される固定部を備え、
前記固定部又は前記台座の何れか一方には、ピンが形成され、他方には、前記ピンが挿入されるとともに、接着剤が注入される孔が形成され、
前記ピンは孔への挿入方向先端に向かって縮径していること、及び/又は、前記孔は、ピンの挿入方向先端に向かって径が大きくなることを特徴とする光学装置。 - 請求項1から4の何れかに記載の光学装置は、前記光変調装置で変調された光学像を合成する色合成光学系を有し、
前記光学装置と、前記光学装置に対し光束を射出する光源とを備えることを特徴とするプロジェクタ。 - 複数の色光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、この光変調装置から射出された光束を拡大投写する投写光学系とを備えた光学装置の製造方法であって、
前記光学装置は、光変調装置が固定されるとともに、前記投写光学系が取り付けられる台座を備え、
前記台座に光変調装置を固定した後、光変調装置を駆動させて、光変調装置から射出された光束を投写光学系によりスクリーン上に投写させ、投写画像に基づいて投写光学系の位置調整を行った後、前記投写光学系を前記台座に固定することを特徴とする光学装置の製造方法。
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-
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