JP4311377B2 - 光学装置、プロジェクタ、および光学装置の製造方法 - Google Patents
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Description
このフロントプロジェクタとしては、光源ランプから射出された光束を、ダイクロイックミラー等の色分離光学系で三色の色光R、G、Bに分離し、分離された光束を3枚の光変調装置で色光毎に画像情報に応じて変調して、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズムで各光変調装置で変調された光束を合成して光学像を形成し、この光学像を投射レンズ等の投射光学装置で拡大投射する、いわゆる三板式が知られている。
この三板式のプロジェクタでは、構造の簡素化および組立工程の簡単化のため、3枚の光変調装置をクロスダイクロイックプリズムの光入射端面に直接取り付けた電気光学装置が採用される。
そして、その製造方法としては、まず、平均的な光学特性を有する投射レンズをマスターレンズとして採用し、このマスターレンズを製造装置に取り付ける。次に、製造装置に調整対象を設置し、光軸検出装置で調整対象の照明光軸を検出して、この検出された照明光軸に基づいて4つの画像検出装置を移動させて、投射画像の四隅部分を検出できる配置とする。続いて、製造装置の光源ランプから照射された光束を利用して、調整用スクリーン上に投射画像を形成し、この投射画像の四隅部分を画像検出装置で検出しながら、各光変調装置の位置を調整する。そして、位置調整の後、クロスダイクロイックプリズムに対して各光変調装置を固定する。
リアプロジェクタは、一般に、光学像を投射する内部ユニットと、内部ユニットから投射された光学像を反射する反射ミラー等を収納する箱状の筐体と、筐体の正面に露出して設けられる透過型スクリーンとを備えて構成される。内部ユニットは、フロントプロジェクタと同様に、光源ランプ、色分離光学装置、光変調装置、クロスダイクロイックプリズム、および投射光学装置を備えた構成である。
しかしながら、上記のような製造方法を採用した場合には、4つの画像検出装置を位置決めする際にかなりの時間が費やされ、電気光学装置を容易に製造できない、という問題がある。
また、マスターレンズを採用した製造方法では、電気光学装置と組み合わされる投射レンズとマスターレンズとの間に、バックフォーカス位置等の光学特性の偏差が存在するため、上記の製造方法にて電気光学装置を製造したとしても、組み合わされる投射レンズによっては、内部ユニットから投射される投射画像の画郭を透過型スクリーンの投影面に高精度に位置決めできない。このため、電気光学装置を製造する際には、製造対象として電気光学装置と組み合わされる投射レンズを含める必要があり、電気光学装置を独立して効率的に製造できない、という問題がある。
本発明によれば、光学装置は、支持構造体本体、台座、およびスペーサで構成される支持構造体を備えているので、該支持構造体により投射光学装置に対する電気光学装置の位置調整が可能となる。この位置調整としては、例えば、以下に示すように実施できる。
例えば、電気光学装置と台座とを一体化して第1ブロックを組み立てる。また、投射光学装置と支持構造体とを一体化して第2ブロックを組み立てる。さらに、スペーサの外周に熱硬化型接着剤または光硬化型接着剤を塗布した状態で、第1ブロックを構成する台座と第2ブロックを構成する支持構造体本体との間にスペーサを介装する。そして、第1ブロックを構成する電気光学装置に光束を導入し、第2ブロックを構成する投射光学装置にて拡大投射される光学像を例えばスクリーン上に投影させる。この後、スクリーン上の投影画像に基づいて、接着剤が未硬化な状態で第2ブロックに対して第1ブロックを動かし、第2ブロックを構成する投射光学装置に対する第1ブロックを構成する電気光学装置の位置調整を実施する。このような位置調整により、投射画像の画郭を所定位置に設定することが可能となる。このことにより、電気光学装置を製造する際に、投射画像の四隅部分を検出する4つの画像検出装置を高精度に位置決めする必要がなく、電気光学装置を容易に製造できる。また、支持構造体により投射光学装置に対する電気光学装置の位置調整が可能となるため、電気光学装置を製造する際に、製造対象として電気光学装置と組み合わされる投射レンズを含める必要がなく、従来のようなマスターレンズ等を採用でき、電気光学装置を独立して効率的に製造できる。
また、スペーサが支持構造体本体および台座の間で色合成光学装置の光束射出側端面の四隅位置近傍にそれぞれ配置されているので、投射光学装置の光軸方向をZ軸、このZ軸と直交する2軸をX軸、Y軸とすると、投射光学装置に対して電気光学装置をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向、X軸を中心とする回転方向、Y軸を中心とする回転方向、およびZ軸を中心とする回転方向に三次元で位置調整することが可能となる。したがって、投射画像の画郭を所定位置に容易に設定することが可能となる。
本発明によれば、支持構造体本体には突出部が形成されているので、光学装置を製造する際に、スペーサの設置を容易に実施できる。
また、スペーサが三角柱形状を有し上述したように配置され、台座にはスペーサ設置部が形成されているので、投射光学装置に対して電気光学装置を三次元で円滑に位置調整できる。
さらに、上述した形状では、スペーサの外周に熱硬化型接着剤または光硬化型接着剤を塗布し接着剤が未硬化な状態で投射光学装置に対する電気光学装置の位置調整を実施すれば、接着剤の表面張力により台座の移動にスペーサが追従しやすい。このため、位置調整の後、接着剤を硬化させることで、スペーサを介した支持構造体本体および台座の固定を良好に実施できる。
本発明によれば、台座にはスペーサ受け部が形成されているので、台座のスペーサ受け部と支持構造体本体の支持面との間でスペーサが挟持されることとなり、スペーサを介した支持構造体本体および台座の固定状態を良好に維持できる。このため、光学装置を製造した後、投射光学装置に対して電気光学装置を最適な位置に配置した状態で良好に維持できる。
本発明によれば、スペーサが支持構造体本体および台座のうちいずれか一方に一体的に構成されているので、光学装置を製造する際に、スペーサを設置する工程を省略でき、製造の迅速化を図れる。また、支持構造体本体および台座のうちいずれか他方にスペーサ挿通孔が形成されているので、スペーサをスペーサ挿通孔に挿通した状態で、投射光学装置に対して電気光学装置を円滑に位置調整できる。さらに、支持構造体本体および台座のうちいずれか一方に対してスペーサが位置ずれを起こすことがなく、光学装置を製造した後、投射光学装置に対して電気光学装置を最適な位置に配置した状態で良好に維持できる。
本発明によれば、スペーサが上述した形状を有しているので、投射光学装置に対して電気光学装置の位置調整を実施する際にスペーサの先端部分がスペーサ挿通孔の内面に機械的に干渉し難いため、投射光学装置に対して電気光学装置をさらに円滑に位置調整できる。
本発明によれば、電気光学装置を製造する際に、膨出部が形成された台座を色合成光学装置に装着しておけば、色合成光学装置のあおり方向の位置調整が可能となり、電気光学装置を容易にかつ適切に製造できる。また、このように、電気光学装置を製造する際に台座を固定しておけば、投射光学装置と電気光学装置とを一体化する際に、台座を色合成光学装置に固定する工程を省略でき、製造の迅速化を図れる。
ここで、プロジェクタとしては、フロントプロジェクタおよびリアプロジェクタのいずれのプロジェクタを採用してもよい。
本発明によれば、プロジェクタは、光源装置および上述した光学装置を備えているので、上述した光学装置と同様の作用・効果を享受できる。
本発明によれば、プロジェクタは、投影画像の画郭を所定位置に設定可能とする上述した光学装置、筐体および透過型スクリーンを備えているので、透過型スクリーンの投影面に光学装置から拡大投射された投影画像の画郭を良好に合わせることができる。このため、透過型スクリーンの投影面全体に投影画像を表示することができる。
本発明によれば、光学装置の製造方法は、第1ブロック組立工程、第2ブロック組立工程、第2ブロック設置工程、スペーサ設置工程、第1ブロック設置工程、光束導入工程、画像形成工程、画郭調整工程、および接着固定工程を備えているので、上述した光学装置と同様の作用・効果を享受できる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔リアプロジェクタの主な構成〕
図1は、第1実施形態に係るリアプロジェクタの側面からの断面図である。図2は、リアプロジェクタに組み込まれる光学装置を備えた光学ユニットを模式的に示す平面図である。
図1において、100は、リアプロジェクタであり、このリアプロジェクタ100は、光学像を生成して投射する光学ユニット400と、この光学ユニット400から投射された光学像を反射する反射ミラー300と、反射ミラー300を介した光学像を投影する透過型スクリーン200と、これら光学ユニット400、反射ミラー300および透過型スクリーン200を内部に配置する外装筐体500とにより大略構成されている。
光学ユニット400は、図2に示すように、インテグレータ照明光学系410と、色分離光学装置420と、リレー光学系430と、光学装置440と、光学部品用筐体450とを備える。
インテグレータ照明光学系410は、図2に示すように、光源ランプ411Aおよびリフレクタ411Bを含む光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
リレー光学系430は、図2に示すように、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432,434とを備え、色分離光学装置420で分離された色光である赤色光を、光学装置440を構成する後述する赤色光用の光変調装置まで導く機能を有している。
光変調装置441を構成する液晶パネル4411は、具体的な図示は省略するが、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、図示しない制御基板から出力される駆動信号に応じて、前記液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム444は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、光変調装置441R,441Bから射出され射出側偏光板443を介した色光を反射し、光変調装置441Gから射出され射出側偏光板443を介した色光を透過する。このようにして、各光変調装置441R,441G,441Bにて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
投射レンズ445は、クロスダイクロイックプリズム444の光束射出側に配置され、このクロスダイクロイックプリズム444から射出されたカラー画像を拡大して、反射ミラー300に向けて、すなわち、前方向に射出されたカラー画像を上方向へと折り曲げて投射するものである。なお、この投射レンズ445は、リアプロジェクタ100の製造機種、例えばリアプロジェクタ100の画面サイズに合わせて投射角度の異なるものが適宜、使用される。この投射レンズ445の構造については、光学装置本体440Aの詳細な構成を説明する際に同時に説明する。
光源装置収納部材451は、図2に示すように、光源装置411を内部に収納する筐体であり、部品収納部材452と接続可能に構成されている。
この光源装置収納部材451において、部品収納部材452との接続部分には、図2に示すように、光源装置411から射出される光束が通過するように開口451Aが形成され、該開口451Aを閉塞するように防爆ガラス451Bが取り付けられる。
また、この光源装置収納部材451において、対向する端面には、具体的な図示は省略するが、光源装置収納部材451内外に空気を流通させるためのスリット状の開口が形成され、前記開口を介して空気が流通することで内部に配置される光源装置411が冷却される。
この部品収納部材452において、他端側のコ字状先端部分には、図2に示すように、光学装置本体440Aを載置固定するための支持部452Aが形成されている。この支持部452Aは、上面が支持面として機能し、該支持面に光学装置本体440Aが載置固定される。そして、支持部452Aの上面には、図示を省略するが、光学装置本体440Aを載置固定するための固定用孔が形成されている。このように、支持部452Aに光学装置本体440Aが載置固定されると、図2に示すように、他端側のコ字状内側部分に、3つの光変調装置441、3つの射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444が配置される。
さらに、この部品収納部材452において、一端側には、光源装置411から射出された光束を通過させるための開口部452Cが形成され、該開口部452Cを閉塞するように第1レンズアレイ412が取り付けられる。
さらにまた、この部品収納部材452において、側面の内側面には、溝や突起等が形成され、これら溝や突起に、光学部品413〜415、421〜423、431〜434が取り付けられる。
前記蓋状部材は、部品収納部材452の上方側の開口部分を閉塞する部材であり、部品収納部材452の平面形状に対応する形状を有している。
透過型スクリーン200は、一般的な矩形状の透過型スクリーンであり、例えば、裏面側から、拡散板、フレネルシート、レンチキュラーシート、保護板等により構成されている。そして、透過型スクリーン200は、光学ユニット400で拡大され、反射ミラー300で反射されたカラー画像を裏面から正面に投影する。
図3は、光学装置本体440Aの構成を示す分解斜視図である。
光学装置本体440Aは、3つの光変調装置441、3つの射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444が一体化された電気光学装置440Bと、投射レンズ445と、電気光学装置440Bおよび投射レンズ445を一体化する支持構造体446とを備える。
電気光学装置440Bは、3つの光変調装置441、3つの射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444が以下に示すように一体化されたものである。
3つの射出側偏光板443は、図3に示すように、クロスダイクロイックプリズム444の光束入射側端面に接着剤等により固着される。なお、図3では、緑色光側の射出側偏光板443のみ図示しているが、他の青色光側および赤色光側の射出側偏光板443もクロスダイクロイックプリズム444の各光束入射側端面に固着されている。
3つの光変調装置441は、図3に示すように、各液晶パネル4411が保持枠4412内に収納された構成を有する。そして、保持枠4412の四隅部分に形成された孔4412Aに透明樹脂製のピン4413を紫外線硬化型接着剤とともに挿入することにより、クロスダイクロイックプリズム444の光束入射側端面に接着固定される。
以上のように、3つの光変調装置441、3つの射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444が一体化されている。
投射レンズ445は、図3に示すように、鏡筒4451内に複数のレンズ、および、入射光束を偏向するミラーが収納された構成を有する。
鏡筒4451は、図3に示すように、水平方向に延出するとともに先端部分が上方側に屈曲した形状を有し、基端部分にフランジ4452を有している。
フランジ4452は、図3に示すように、平面視略矩形状の板体で構成され、支持構造体446と接続するとともに、一体化された光学装置本体440Aを光学部品用筐体450に固定するための部材である。
このフランジ4452において、平面視略中央部分には、図3に示すように、電気光学装置440Bから射出された光学像を通過させるための円形状の開口部4452Aが形成されている。
また、このフランジ4452において、四隅部分には、図3に示すように、支持構造体446と接続するための固定用孔4452Bが形成されている。
これら起立片4452Cは、下方側端面が略平面状に形成されており、該下方側端面が光学部品用筐体450を構成する部品収納部材452の支持部452Aの支持面に当接する。そして、これら起立片4452Cには、図2または図3に示すように、上方側端面および下方側端面を貫通して、起立片4452Cを部品収納部材452に固定するためのねじ孔4452C1がそれぞれ形成されている。
支持構造体446は、電気光学装置440Bおよび投射レンズ445を一体化するとともに、光学装置本体440Aを製造する際に、投射レンズ445に対する電気光学装置440Bの位置調整を可能とする部材である。この支持構造体446は、図3に示すように、支持構造体本体4461と、上台座4462と、下台座4463と、4つのスペーサ4464とで構成される。
支持構造体本体4461は、図3に示すように、電気光学装置440Bの光路後段側に配置され、平面視略矩形状の板体で構成される。
この支持構造体本体4461において、平面視略中央部分には、図3に示すように、フランジ4452の開口部4452Aに対応させて、電気光学装置440Bから射出された光学像を通過させるための円形状の開口部4461Aが形成されている。
また、この支持構造体本体4461において、四隅部分には、図3に示すように、フランジ4452の固定用孔4452Bに対応させて固定用孔4461Bがそれぞれ形成されている。そして、支持構造体本体4461の4つの固定用孔4461Bを介して固定ねじ4465をフランジ4452の4つの固定用孔4452Bに螺合させることで、支持構造体本体4461とフランジ4452とが接続固定される。
支持部4461Cは、上台座4462および下台座4463をそれぞれ支持する部分である。これら支持部4461Cは、図3に示すように、支持構造体本体4461の光束入射側端面から光束入射側に向けて突出し、前記光束入射側端面の上方側端縁および下方側端縁に平行に延出する形状を有する。
これら支持部4461Cにおいて、突出方向先端の端部には、図3に示すように、上下方向略中央部分に左右方向に延びる切り欠き4461C1が形成されている。また、図3に示すように、切り欠き4461C1により形成される下方側の突出部4461C2の突出寸法が上方側の突出部4461C3の突出寸法よりも長くなるように形成されている。さらに、図3では明確に示されていないが、突出部4461C2と突出部4461C3の離間寸法が後述するスペーサ4464の厚み寸法よりも若干大きくなるように形成されている。
そして、これら突出部4461C2,4461C3のうち、突出部4461C2の上面は、スペーサ4464を支持する支持面4461C4として機能する。
上台座4462は、図3に示すように、電気光学装置440Bを構成するクロスダイクロイックプリズム444における3つの光束入射側端面に交差する端面である上面に固定され、略直方体形状を有する。
この上台座4462において、クロスダイクロイックプリズム444における光束射出側端面の四隅部分近傍の角部分には、図4に示すように、上台座4462の上面および下面に直交する平面を有するように面取り加工が施され、スペーサ設置部4462Aが形成されている。また、このスペーサ設置部4462Aの上方側には、図4に示すように、上台座4462の上面に沿って延出するスペーサ受け部4462Bが形成されている。さらに、このスペーサ設置部4462Aの下方側には、図4に示すように、光束入射側に向けて窪み左右方向に延びる凹部4462Cが形成され、段付形状を有している。
そして、これらスペーサ設置部4462Aおよびスペーサ受け部4462Bは、後述するスペーサ4464を介して支持構造体本体4461の支持部4461Cに支持される部分である。また、凹部4462Cは、上台座4462が支持構造体本体4461に支持された状態で、支持構造体本体4461の突出部4461C2と上台座4462とが機械的に干渉することを防ぐものである。
この下台座4463は、図4に示すように、上台座4462と略同様の形状を有し、上台座4462のスペーサ設置部4462A、スペーサ受け部4462B、および凹部4462Cと同様の、スペーサ設置部4463A、スペーサ受け部4463B、および凹部4463Cを有する。
また、この下台座4463において、その上面の中央部分には、図3に示すように、球状の膨出部4463Dが形成されている。このように膨出部4463Dを形成しておくことで、クロスダイクロイックプリズム444を下台座4463の上面に当接させた状態で該クロスダイクロイックプリズム444のあおり方向の位置調整が可能となる。
そして、上方側の支持部4461Cの切り欠き4461C1と上台座4462の2つのスペーサ設置部4462Aとの間に介装される2つのスペーサ4464は、その柱状軸方向が支持部4461Cの支持面4461C4に直交しかつ、互いに近接する方向に断面積が次第に小さくなるように配置される。また、下方側の支持部4461Cの切り欠き4461C1と下台座4463の2つのスペーサ設置部4463Aとの間に介装される2つのスペーサ4464も同様に配置される。
図5は、光学装置本体440Aの製造装置1を示す側面図である。
図6は、光学装置本体440Aの製造装置1を示す平面図である。
製造装置1は、図5または図6に示すように、遮光カバー2と、載置台3と、調整部本体5と、投射部本体6から構成される。
遮光カバー2は、外部からの光を遮蔽するカバーであり、図5または図6に示すように、調整部本体5および投射部本体6を覆うように配置される。なお、この遮光カバー2には、図示は省略したが、開閉自在に設けられたドアが形成され、前記ドアを介して製造対象となる光学装置本体440Aを含む光学ユニット400が搬入・搬出される。
なお、製造対象となる光学装置本体440Aを含む光学ユニット400は、光源装置411および光源装置収納部材451が取り外されたものであり、以下同様のものとする。
載置台3は、図5または図6に示すように、遮光カバー2、調整部本体5、および投射部本体6を載置するものである。この載置台3には、装置据え付け時、製造装置1が容易に移動できるようにするために、その下部にキャスタ31(図5)が設けられている。
調整部本体5は、製造対象となる光学装置本体440Aに対して光束を導入し、光学装置本体440Aから投射される光学像を投射部本体6に向けて反射するとともに、投射レンズ445に対する電気光学装置440Bの位置調整を実施する。この調整部本体5は、図5または図6に示すように、クランプ治具51と、ミラー52(図5)と、画郭調整治具としての位置調整ユニット53とを備える。
クランプ治具51は、その上面にて、投射部本体6に対して投射レンズ445から投射される光束が所定の光軸上に位置するように、製造対象となる光学装置本体440Aを含む光学ユニット400を載置する。このクランプ治具51内部には、光源ユニット511が配置されている。
光源ユニット511は、投射レンズ445に対する電気光学装置440Bの位置調整に際しての光源を有し、図7に示すように、光源部本体5111および導光部5112とを備える。
光源部本体5111は、図7に示すように、筐体内に調整用光源となる光源ランプ5111Aを収納した構成とされ、製造対象となる光学装置本体440Aを含む光学ユニット400に光束を供給する。図示を略したが、筐体には、光源ランプ5111Aの冷却用の開口およびこの開口の内側に冷却ファンが設けられている。
また、光源部本体5111の光源ランプ5111Aの光束射出部分に応じた位置に開口5112Cが形成され、この開口5112Cに応じた導光部5112の内部には、開口5112Cの開口面に対して略45°に配置されるミラー5112Dが設けられている。
このような光源ユニット511を利用して、投射レンズ445に対して電気光学装置440Bの位置を調整する場合、導光部5112の上部の開口5112Aと、製造対象となる光学装置本体440Aを含む光学ユニット400を構成する部品収納部材452の開口部452C(図2)とを当接させ、光源部本体5111の光源ランプ5111Aからの射出光束を部品収納部材452内に導入する。
位置調整ユニット53は、投射レンズ445に対する電気光学装置440Bの位置調整を実施する。この位置調整ユニット53は、図8に示すように、電気光学装置保持部531と、駆動軸部532とを備える。
電気光学装置保持部531は、電気光学装置440Bを構成するクロスダイクロイックプリズム444の上面に固定される上台座4462を吸着保持する。この電気光学装置保持部531は、図9に示すように、保持する上台座4462の平面形状と略同様の平面形状を有し、上台座4462の上面を吸着して、上台座4462と接続する電気光学装置440Bの位置調整を実施する。このため、電気光学装置保持部531の上台座4462との当接面の四隅には、図9に示すように、吸引用の孔5311が形成されている。
投射部本体6は、製造対象となる光学装置本体440Aを含む光学ユニット400から投射され、ミラー52を介した光学像を投影する。この投射部本体6は、図5に示すように、画像形成部としてのスクリーン61と、スクリーン支持台62とを備える。
スクリーン61は、図10に示すように、平面視矩形状に形成された一般的なスクリーンである。なお、このスクリーン61としては、製造装置1のミラー52側から投影画像を観察する反射型のスクリーンで構成してもよく、製造装置1のミラー52側と反対側から投影画像を観察する透過型のスクリーンで構成してもよい。
また、このスクリーン61において、その投影面には、図10に示すように、リアプロジェクタ100を構成する透過型スクリーン200の投影面のサイズに対応して枠形状を有するように位置決めテープ611がそれぞれ貼着されている。この位置決めテープ611は、リアプロジェクタ100の機種、すなわち、透過型スクリーン200の投影面のサイズに応じて、適宜、その位置を変更可能に構成されている。
スクリーン支持台62は、スクリーン61を支持するものであり、図5または図6に示すように、載置台3上に固定されている。
次に、光学装置本体440Aの製造方法を図面に基づいて説明する。
図11は、光学装置本体440Aの製造方法を説明するためのフローチャートである。
先ず、以下に示すように、電気光学装置440Bを含む第1ブロックAを組み立てる(処理S1:第1ブロック組立工程)。
下台座4463の上面に対してクロスダイクロイックプリズム444を位置調整して固定する(処理S11)。
具体的に、先ず、図示しない位置出し装置内に、下台座4463を設置する。そして、下台座4463の膨出部4463Dに熱硬化型接着剤または紫外線硬化型接着剤を塗布し、クロスダイクロイックプリズム444の下面を下台座4463の膨出部4463Dに当接させる。そして、接着剤が未硬化の状態で、下台座4463に対するクロスダイクロイックプリズム444の位置調整を実施する。位置調整後、ホットエアまたは紫外線等で接着剤を硬化して下台座4463およびクロスダイクロイックプリズム444を固定する。下台座4463に対するクロスダイクロイックプリズム444の位置調整としては、例えば、クロスダイクロイックプリズム444の上面をCCD(Charge Coupled Device)等の光学像検出装置にて検出し、検出した画像に基づいて、クロスダイクロイックプリズム444の2つの誘電体多層膜にて形成される十字位置が所定の位置となるように位置調整する構成を採用できる。また、例えば、クロスダイクロイックプリズム444の光束入射側端面から光束を導入し、光束射出側端面から射出される光束に基づいて、クロスダイクロイックプリズム444を位置調整する構成を採用してもよい。
具体的に、射出側偏光板443の姿勢調整としては、例えば、図示しない角度調整装置に、一体化した下台座4463およびクロスダイクロイックプリズム444を設置する。そして、前記角度調整装置を構成する角度調整治具に射出側偏光板443を保持させるとともに、射出側偏光板443に光束を導入する。この後、射出側偏光板443、クロスダイクロイックプリズム444、および入射側偏光板442と略同一の透過軸を有する図示しない基準偏光板を介した光束を検出する。そして、検出した光束の照度あるいは消光比に基づいて、前記角度調整治具を操作して射出側偏光板443の姿勢を調整し、クロスダイクロイックプリズム444の光束入射側端面に射出側偏光板443を熱伝導性を有する接着剤等により固着する。
具体的に、クロスダイクロイックプリズム444の上面に熱硬化型接着剤または紫外線硬化型接着剤を塗布し、図示しない位置出し治具を用いて上台座4462をクロスダイクロイックプリズム444の上面に位置決めした状態で載置する。この後、ホットエアまたは紫外線等で接着剤を硬化して上台座4462をクロスダイクロイックプリズム444に固定する。
具体的に、図示しない液晶パネル調整固定装置に上台座4462、クロスダイクロイックプリズム444、3つの射出側偏光板443、および下台座4463が一体化されたユニットを設置する。また、ピン4413の外周に紫外線硬化型接着剤を塗布する。そして、このピン4413を保持枠4412の孔4412Aに挿通した状態で、光変調装置441を前記液晶パネル調整固定装置の位置調整治具に保持させる。また、前記位置調整治具を操作して保持枠4412の孔4412Aに挿通されたピン4413の一端をクロスダイクロイックプリズム444の光束入射側端面に当接して光変調装置441をクロスダイクロイックプリズム444に装着する。そして、接着剤が未硬化な状態で、前記位置調整治具を操作して光変調装置441R,441G,441B(液晶パネル4411)の位置調整を実施する。位置調整を実施した後、紫外線を照射することで接着剤を硬化して光変調装置441をクロスダイクロイックプリズム444に固定する。
以上のようにして、3つの射出側偏光板443、3つの光変調装置441、およびクロスダイクロイックプリズム444が一体化されて電気光学装置440Bが組み立てられるとともに、電気光学装置440Bに上台座4462および下台座4463が固定された第1ブロックAが組み立てられる。
支持構造体本体4461の4つの固定用孔4461Bを介して固定ねじ4465を投射レンズ445のフランジ4452の4つの固定用孔4452Bに螺合させることで、支持構造体本体4461と投射レンズ445とを接続固定する(処理S21)。
処理S21の後、部品収納部材452内部に光学部品412〜415,421〜423,431〜434,442を収納配置する(処理S22)。
処理S22の後、部品収納部材452の支持部452Aの支持面に、処理S21にて支持構造体本体4461と一体化した投射レンズ445のフランジ4452の起立片4452Cを載置し、図示しない固定ねじにより、部品収納部材452に対して一体化した投射レンズ445および支持構造体本体4461を固定する(処理S23)。
以上のようにして、投射レンズ445、支持構造体本体4461、および部品収納部材452(光学部品412〜415,421〜423,431〜434,442を含む)が一体化された第2ブロックBが組み立てられる。
具体的に、上方側の支持部4461Cの切り欠き4461C1内側、および下方側の支持部4461Cの切り欠き4461C1内側に、スペーサ4464を2つずつ設置する。この際、各2つのスペーサ4464を、切り欠き4461C1の両端部側に設置するとともに、互いに近接する方向に断面積が次第に小さくなるように設置する。
処理S4の後、第1ブロックAを製造装置1の遮光カバー2の図示しないドアを介して内部に搬入し、位置調整ユニット53の電気光学装置保持部531にて第1ブロックAを構成する上台座4462を吸着保持させる。そして、位置調整ユニット53の駆動軸部532を駆動し、第2ブロックBを構成する部品収納部材452の他端側のコ字状内側部分に第1ブロックAを配置し、第1ブロックAを構成する上台座4462および下台座4463のスペーサ設置部4462A,4463Aおよびスペーサ受け部4462B,4463Bを第2ブロックBに設置された4つのスペーサ4464に当接させる(処理S5:第1ブロック設置工程)。この際、スペーサ4464の外周に紫外線硬化型接着剤が塗布されているため、スペーサ4464と、上台座4462および下台座4463のスペーサ設置部4462A,4463Aおよびスペーサ受け部4462B,4463Bとの間に接着剤が介在することとなる。また、このような状態では、4つのスペーサ4464は、クロスダイクロイックプリズム444の光束射出側端面の四隅位置近傍に配置されることとなる。
先ず、光源ユニット511を駆動し、光源ランプ5111Aを点灯させ、第2ブロックBを構成する部品収納部材452内部に光束を導入する(処理S61:光束導入工程)。
処理S61において部品収納部材452内部に導入された光束は、部品収納部材452内部の光学部品412〜415,421〜423,431〜434,442にて導光され、部品収納部材452の他端側のコ字状内側に配置された第1ブロックAを構成する各光変調装置441の液晶パネル4411に照射される。そして、第1ブロックAを構成する各液晶パネル4411、各射出側偏光板443、およびクロスダイクロイックプリズム444にて光学像が形成され、第2ブロックBを構成する投射レンズ445にて光学像が拡大投射され、製造装置1を構成するミラー52を介して、投射部本体6のスクリーン61上に投影画像が形成される(処理S62:画像形成工程)。
ところで、リアプロジェクタ100において、投射レンズ445に対する電気光学装置440Bの位置がずれている場合には、投射レンズ445から投射され透過型スクリーン200上で投影される投影画像の画郭が異なるものとなり、透過型スクリーン200の投影面全体に亘って投影画像を表示できない。すなわち、上記の場合には、図12に示すように、投射部本体6のスクリーン61上に形成される投影画像F1がスクリーン61上の位置決めテープ611で形成される透過型スクリーン200の投影面のサイズに対応する枠形状からずれることとなる。
具体的に、第1ブロックAおよび第2ブロックBとスペーサ4464との間に介在する紫外線硬化型接着剤が未硬化な状態で、位置調整ユニット53の駆動軸部532を駆動させ、第2ブロックBに対して第1ブロックAを移動させる。そして、投射レンズ445に対する電気光学装置440Bの平面位置の調整(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)、Xθ方向(X軸を中心とした回転方向)の回転位置の調整、Yθ方向(Y軸を中心とした回転方向)の回転位置の調整、およびZθ方向(Z軸を中心とした回転方向)の回転位置の調整を実施する。そして、このような位置調整を実施し、図12に示すように、スクリーン61上の投影画像F1を位置決めテープ611で形成される透過型スクリーン200の投影面のサイズに対応する枠形状に合うように、すなわち、投影画像F2とすることで、投射レンズ445に対して電気光学装置440Bが最適な位置に位置付けられる。
4つのスペーサ4464は、処理S63において第2ブロックBに対して第1ブロックAを移動させると、第1ブロックAおよび第2ブロックBとスペーサ4464との間に介在する紫外線硬化型接着剤の表面張力により、第2ブロックBに対する第1ブロックAの動きに追従する。
例えば、投射レンズ445に対する電気光学装置440BのYθ方向の回転位置の調整を実施した場合には、図13に示すように、スペーサ4464が移動する。
すなわち、Yθ方向の回転位置の調整により、第1ブロックAにおけるX軸方向端部が支持構造体本体4461に近接すると、この端部近傍に位置するスペーサ4464Aは、第1ブロックAおよび第2ブロックBの外側、すなわち、図13の矢印R1方向に、支持構造体本体4461における支持部4461Cの支持面4461C4に沿って移動する。一方、第1ブロックAにおけるX軸方向端部が支持構造体本体4461から離間すると、この端部近傍に位置するスペーサ4464Bは、第1ブロックAおよび第2ブロックBの内側、すなわち、図13の矢印R2方向に、支持構造体本体4461における支持部4461Cの支持面4461C4に沿って移動する。
すなわち、Xθ方向の回転位置の調整により、第1ブロックAにおけるY軸方向端部が支持構造体本体4461に近接すると、この端部近傍に位置するスペーサ4464Cは、第1ブロックAおよび第2ブロックBの外側、すなわち、図14(B)の矢印R3方向に、支持構造体本体4461における支持部4461Cの支持面4461C4に沿って移動する。一方、第1ブロックAにおけるY軸方向端部が支持構造体本体4461から離間すると、この端部近傍に位置するスペーサ4464Dは、第1ブロックAおよび第2ブロックBの内側、すなわち、図14(B)の矢印R4方向に、支持構造体本体4461における支持部4461Cの支持面4461C4に沿って移動する。
以上のような工程により、光学装置本体440Aが製造される。
また、スペーサ4464が支持構造体本体4461と上台座4462および下台座4463との間でクロスダイクロイックプリズム444の光束射出側端面の四隅位置近傍にそれぞれ配置されるので、投射レンズ445に対して電気光学装置440BをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向、X軸を中心とする回転方向、Y軸を中心とする回転方向、およびZ軸を中心とする回転方向に三次元で位置調整することが可能となる。したがって、投射画像の画郭を透過型スクリーン200の投影面に容易に合わせることができる。
また、スペーサ4464は、三角柱形状を有し、その柱状軸方向が支持面4461C4に直交しかつ支持面4461C4上に設置される2つのスペーサ4464が互いに近接する方向に断面積が次第に小さくなるように配置される。また、上台座4462および下台座4463にはスペーサ設置部4462A,4463Aが形成されている。このことにより、投射レンズ445に対して電気光学装置440Bを三次元で円滑に位置調整できる。
さらに、スペーサ4464の外周に紫外線硬化型接着剤が塗布された状態でスペーサ4464が設置されるので、投射レンズ445に対する電気光学装置440Bの位置調整を実施する際に、接着剤の表面張力により上台座4462および下台座4463の移動にスペーサ4464を追従させることができる。このため、第2ブロックBに対して第1ブロックAを移動させた場合でも、第1ブロックAを構成する上台座4462および下台座4463のスペーサ受け部4462B,4463Bと第2ブロックBを構成する支持構造体本体4461の支持面4461C4との間に4つのスペーサ4464を確実に位置付けることができる。したがって、位置調整の後、接着剤を硬化させることで、スペーサ4464を介した支持構造体本体4461と上台座4462および下台座4463の固定を良好に実施できる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図15は、第2実施形態における支持構造体447の構造を示す分解斜視図である。
本実施形態では、支持構造体447の構造が前記第1実施形態で説明した支持構造体446の構造と異なる。その他の光学装置本体440Aの構成、リアプロジェクタ100の構成、および製造装置1の構成については、前記第1実施形態と同様のものである。
支持構造体本体4471は、前記第1実施形態で説明した支持構造体本体4461と略同様に、図15に示すように、平面視矩形状の板体で構成され、支持構造体本体4461の開口部4461Aおよび4つの固定用孔4461Bと同様の、開口部4471Aおよび4つの固定用孔4471Bを有する。
この支持構造体本体4471において、光束入射側端面には、図15に示すように、クロスダイクロイックプリズム444の光束射出側端面の四隅位置近傍で上台座4472および下台座4473が接続される位置に、光束入射側に向けて突出するスペーサとしての4つのピン状突起4471Cがそれぞれ形成されている。
これらピン状突起4471Cは、図15に示すように、基端側から先端側に向かうにしたがって断面積が次第に小さくなる形状を有している。
この上台座4472において、支持構造体本体4471に対向する端面には、図15に示すように、支持構造体本体4471の上方側の2つのピン状突起4471Cに対応する位置に、スペーサ挿通孔としての2つのピン挿通孔4472Aが形成されている。
下台座4473は、上台座4472と略同様の形状を有し、上台座4472の2つのピン挿通孔4472Aと同様の、2つのピン挿通孔4473Aを有する。また、図示は省略したが、下台座4473の上面には、前記第1実施形態で説明した下台座4463の上面に形成された膨出部4463Dと同様の膨出部が形成されている。
ここで、ピン状突起4471Cは、基端部分から先端部分に向かうにしたがって次第に断面積が小さくなる形状を有しているので、投射レンズ445に対して電気光学装置440Bの位置調整を実施する際に、ピン状突起4471Cの先端部分がピン挿通孔4472A,4473Aの内面に機械的に干渉し難いため、投射レンズ445に対して電気光学装置440Bをさらに円滑に位置調整できる。
前記各実施形態において、支持構造体446,447の構造は、前記各実施形態で説明した構造に限らず、支持構造体本体4461,4471と上台座4462,4472および下台座4463,4473の間に介装されるスペーサ4464およびピン状突起4471Cがクロスダイクロイックプリズム444の光束射出側端面の四隅位置近傍に配置されていれば、支持構造体本体4461,4471、上台座4462,4472、および下台座4463,4473の形状として前記各実施形態で説明した形状と異なる他の形状を採用してもよい。また、スペーサ4464およびピン状突起4471Cの形状は、前記各実施形態で説明した形状に限らず、その他の形状を採用してもよい。さらに、支持構造体としては、以下の構成を採用してもよい。
例えば、図16に示す支持構造体448は、以下に示すように構成されている。
支持構造体448は、図16に示すように、支持構造体本体4481と、上台座4482と、下台座4483とを備える。
支持構造体本体4481は、前記第1実施形態で説明した支持構造体本体4461と略同様に、図16に示すように、平面視矩形状の板体で構成され、支持構造体本体4461の開口部4461Aおよび4つの固定用孔4461Bと同様の、開口部4481Aおよび4つの固定用孔4481Bを有する。
この支持構造体本体4481には、図16に示すように、クロスダイクロイックプリズム444の光束射出側端面の四隅位置近傍で上台座4482および下台座4483が接続される位置に、スペーサ挿通孔としての4つのピン挿通孔4481Cが形成されている。なお、このピン挿通孔4481Cとしては、光束入射側端面および光束射出側端面を貫通する形状の他、光束入射側端面に凹状に形成した構成としてもよい。
この上台座4482および下台座4483において、支持構造体本体4481に対向する端面には、図16に示すように、支持構造体本体4481の4つのピン挿通孔4481Cに対応する位置に、支持構造体本体4481側に向けて突出するスペーサとしての2つのピン状突起4482A,4483Aがそれぞれ形成されている。
これらピン状突起4482A,4483Aは、図16に示すように、基端側から先端側に向かうにしたがって断面積が次第に小さくなる形状を有している。
また、図示は省略したが、下台座4483の上面には、前記第1実施形態で説明した下台座4463の上面に形成された膨出部4463Dと同様の膨出部が形成されている。
支持構造体449は、図17に示すように、前記第2実施形態で説明した上台座4472(ピン挿通孔4472Aを含む)および下台座4473(ピン挿通孔4473Aを含む)の他、支持構造体本体4491と、4つのスペーサ4494(図17では、3つのみを図示している)とを備える。
支持構造体本体4491は、前記第1実施形態で説明した支持構造体本体4461と略同様に、図17に示すように、平面視矩形状の板体で構成され、支持構造体本体4461の開口部4461Aおよび4つの固定用孔4461Bと同様の、開口部4491Aおよび4つの固定用孔4491Bを有する。
この支持構造体本体4491の光束入射側端面には、図17に示すように、クロスダイクロイックプリズム444の光束射出側端面の四隅位置近傍で上台座4472および下台座4473の各ピン挿通孔4472A,4473Aに対応する位置に、スペーサ挿通孔としての4つの凹部4491Cが形成されている。なお、これら凹部4491Cとしては、光束射出側端面に向けて貫通した形状でも構わない。
なお、前記第1実施形態で説明したスペーサ4464を上述したスペーサ4494と同様に紫外線を透過する部材(例えば、アクリル樹脂等)で構成してもよい。
また、上述した図16および図17に示す例において、光学装置本体440Aの製造方法は、前記第1実施形態および前記第2実施形態で説明した製造方法と略同様に製造できる。
例えば、上台座4462,4472,4482に係合可能な凹部を設けておく。また、前記凹部に対応させて、位置調整ユニット53に前記凹部と係合可能な爪部を設けておく。そして、上台座4462,4472,4482の前記凹部を位置調整ユニット53の前記爪部にて保持させる。
前記第1実施形態では、スペーサ受け部4462B,4463Bは、上台座4462および下台座4463の双方に形成されていたが、これに限らず、上台座4462および下台座4463の少なくともいずれか一方に形成されていればよい。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (9)
- 複数の色光を画像情報に応じて色光毎に変調する複数の光変調装置、および前記複数の光変調装置が取り付けられる複数の光束入射側端面を有し前記複数の光変調装置にて変調された各光束を合成して光学像を形成する色合成光学装置を含んで構成される電気光学装置と、前記電気光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えた光学装置であって、
前記電気光学装置および前記投射光学装置を一体化する支持構造体を備え、
前記支持構造体は、前記電気光学装置から射出される光学像を通過可能とする開口を有し前記投射光学装置の基端部分に取り付けられる支持構造体本体と、前記色合成光学装置の前記複数の光束入射側端面に交差する各端面にそれぞれ固定される台座と、前記支持構造体本体および前記台座の間に介装されるスペーサとを備え、
前記色合成光学装置の光束射出側端面は、平面視矩形形状を有し、
前記スペーサは、前記支持構造体本体および前記台座の間で前記色合成光学装置の光束射出側端面の四隅位置近傍にそれぞれ配置されることを特徴とする光学装置。 - 請求項1に記載の光学装置において、
前記支持構造体本体の光束入射側端面には、前記台座に対応する各位置に前記光束入射側端面から光束入射側に向けて突出し2つの前記スペーサを支持する支持面を有する突出部がそれぞれ形成され、
前記スペーサは、三角柱状に形成され、該柱状軸方向が前記支持面に直交し前記支持面に支持される2つの前記スペーサが互いに近接する方向に向かうにしたがって次第に断面積が小さくなるように配置され、
前記台座は、前記支持構造体本体に対向する端部における前記四隅位置近傍の角部分がそれぞれ面取りされ前記スペーサが設置されるスペーサ設置部をそれぞれ有していることを特徴とする光学装置。 - 請求項2に記載の光学装置において、
前記台座には、前記スペーサ設置部に突設され前記支持構造体本体の前記支持面との間で前記スペーサを挟持可能とするスペーサ受け部がそれぞれ形成されていることを特徴とする光学装置。 - 請求項1に記載の光学装置において、
前記スペーサは、前記支持構造体本体および前記台座のうちいずれか一方に一体的に形成され、前記支持構造体本体および前記台座のうちいずれか他方に向けて突出するピン状突起で構成され、
前記支持構造体本体および前記台座のうちいずれか他方には、前記スペーサに対応する各位置に前記スペーサを遊嵌状態で挿通可能とするスペーサ挿通孔がそれぞれ形成されていることを特徴とする光学装置。 - 請求項4に記載の光学装置において、
前記スペーサは、基端部分から先端部分に向かうにしたがって次第に断面積が小さくなる形状を有していることを特徴とする光学装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学装置において、
前記色合成光学装置の前記複数の光束入射側端面に交差する各端面にそれぞれ固定される台座のうちいずれかの台座には、前記色合成光学装置と固定する固定面の略中央部分に前記固定面から膨出する膨出部が形成されていることを特徴とする光学装置。 - 光源装置と、請求項1から請求項6のいずれかに記載の光学装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
- 請求項7に記載のプロジェクタにおいて、
前記光源装置および前記光学装置を収納する箱状の外装筐体と、前記外装筐体の箱状側面のいずれかに露出して設けられ、前記光学装置で形成された光学像を投影する透過型スクリーンとを備えていることを特徴とするプロジェクタ。 - 複数の色光を画像情報に応じて色光毎に変調する複数の光変調装置、および前記複数の光変調装置が取り付けられる複数の光束入射側端面を有し前記複数の光変調装置にて変調された各光束を合成して光学像を形成する色合成光学装置を含んで構成される電気光学装置と、前記電気光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えた光学装置を製造する光学装置の製造方法であって、
前記光学装置は、前記電気光学装置および前記投射光学装置を一体化する支持構造体を備え、
前記支持構造体は、前記電気光学装置から射出される光学像を通過可能とする開口を有し前記投射光学装置の基端部分に取り付けられる支持構造体本体と、前記色合成光学装置の前記複数の光束入射側端面に交差する各端面にそれぞれ固定される台座と、前記支持構造体と前記台座との間に介装される三角柱状の4つのスペーサとを備え、
前記支持構造体本体の光束入射側端面には、前記台座に対応する各位置に前記光束入射側端面から光束入射側に向けて突出し2つの前記スペーサを支持する支持面を有する突出部がそれぞれ形成され、
前記台座は、前記色合成光学装置の平面視矩形形状を有する光束射出側端面における四隅位置近傍の角部分がそれぞれ面取りされ前記スペーサが設置されるスペーサ設置部をそれぞれ有し、
当該製造方法は、
前記複数の光変調装置、前記色合成光学装置、および前記台座を一体化して第1ブロックを組み立てる第1ブロック組立工程と、
前記投射光学装置および前記支持構造体本体を一体化して第2ブロックを組み立てる第2ブロック組立工程と、
前記4つのスペーサの外周に熱硬化型接着剤または光硬化型接着剤を塗布した状態で、前記第2ブロックを構成する前記支持構造体本体の前記突出部の各支持面上に前記スペーサの柱状軸方向が前記支持面に直交し2つの前記スペーサが前記支持面上で互いに近接する方向に向かうにしたがって次第に断面積が小さくなるように前記4つのスペーサを前記各支持面上にそれぞれ設置するスペーサ設置工程と、
前記第2ブロックを所定位置に設置する第2ブロック設置工程と、
画郭調整治具を用いて前記第1ブロックを保持し、前記第2ブロックを構成する前記支持構造体本体の光束入射側に前記第1ブロックを構成する前記台座の前記スペーサ設置部に前記4つのスペーサがそれぞれ当接するように前記第1ブロックを設置する第1ブロック設置工程と、
前記第1ブロックを構成する前記複数の光変調装置に光束を導入する光束導入工程と、
前記複数の光変調装置を介し前記色合成光学装置にて合成され前記第2ブロックを構成する前記投射光学装置にて拡大投射される光学像を画像形成部上に投影し投影画像を形成する画像形成工程と、
前記画像形成工程にて形成された投影画像に基づいて前記画郭調整治具を移動させ前記第2ブロックを構成する前記投射光学装置に対して前記第1ブロックを構成する前記電気光学装置の位置調整を実施する画郭調整工程と、
前記画郭調整工程の後、前記熱硬化型接着剤または前記光硬化型接着剤を硬化させて前記スペーサを介して前記支持構造体本体および前記台座を固定する接着固定工程とを備えていることを特徴とする光学装置の製造方法。
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