JP2005084596A - 光学装置、光学変換素子姿勢調整装置、およびプロジェクタ - Google Patents

光学装置、光学変換素子姿勢調整装置、およびプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】 高いコントラスト比を有する光学像を形成できる光学装置、光学変換素子姿勢調整装置、およびプロジェクタを提供する。
【解決手段】光学装置本体40Aは、液晶パネル41R,41G,41Bおよびクロスダイクロイックプリズム45の間に介装される第1偏光板44Pおよび第2偏光板44Aと、略中央部分に入射光束透過用の開口部471Aが形成され、第1偏光板44Pを保持する光学変換素子保持枠47とを備える。光学変換素子保持枠47は、第1偏光板44Pに入射する光束の光軸に直交する面内で光軸を中心として回動自在に構成され、第2偏光板44Aに対する第1偏光板44Pの姿勢調整を実施する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光学装置、光学変換素子姿勢調整装置、およびプロジェクタに関する。
従来、会議、学会、展示会等でのプレゼンテーションにプロジェクタを用いることが知られている。このようなプロジェクタは、その内部に複数の光学部品を収容し、これらの光学部品を用いることにより、光源から射出された光束を変調した後に拡大投写して投写画像を形成している。
このような光学部品としては、光源から射出された光束を変調する光変調素子と、この光変調素子を挟むように配置される入射側偏光板および射出側偏光板とが用いられている。
ここで、入射側偏光板および射出側偏光板は、光変調素子に入射する偏光方向を制御するとともに、光変調素子から射出される光束の偏光方向を制御するものであり、それぞれの偏光軸が直交するように配置される。このような構成により、投写画像の高いコントラストを実現している。
このため、従来では、入射側偏光板および射出側偏光板の偏光軸同士のなす角度を調整するための調整機構を備えたプロジェクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この調整機構は、光学部品を収容する光学部品用筐体とは独立して設けられ、光学部品用筐体の所定位置に設置される。そして、光学部品用筐体の上面に形成された孔を介して調整機構を操作することにより、照明光軸と直交する面内で射出側偏光板に対する入射側偏光板の姿勢調整が実施される。
特開2000−259093号公報
近年において、三枚の光変調素子を用いた三板式のプロジェクタでは、プロジェクタの小型化が図られ、これに伴い光変調素子、射出側偏光板、および光変調素子にて変調された各変調光を合成する色合成光学装置等が一体化された光学装置が採用されている。また、光変調素子毎の視野角を調整し、光変調素子毎に生じる視野角依存性による画面ムラを抑制して、色むらのない投写画像を形成するために、位相差板または視野角補正板等を用いる構成も利用されている。このような位相差板または視野角補正板等は、照明光軸上において、例えば、入射側偏光板または射出側偏光板と、光変調素子との間に配置される。
このような構成に特許文献1に記載の調整機構を採用した場合には、光学装置の前段に配置される入射側偏光板の姿勢調整を実施可能とするが、色合成光学装置および光変調装置の間に介装される射出側偏光板、位相差板、視野角補正板等の光学変換素子の姿勢調整を実施することが困難である。すなわち、入射側偏光板および射出側偏光板の相対的な偏光軸の角度調整は、入射側偏光板のみの姿勢調整を実施することで調整可能であるが、射出側偏光板の偏光軸に応じた位相差板、視野角補正板等の角度調整を実施することが困難であるため、投写画像のコントラスト比を低減してしまうおそれがある。
本発明の目的は、このような点に鑑みて、高いコントラスト比を有する光学像を形成できる光学装置、光学変換素子姿勢調整装置、およびプロジェクタを提供することにある。
本発明の光学装置は、複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された各色光を合成する色合成光学装置とが一体的に設けられた光学装置であって、前記光変調装置および前記色合成光学装置の間に介装され、入射する光束を光学的に変換する複数の光学変換素子と、略中央部分に入射光束透過用の開口部が形成され、前記複数の光学変換素子のうちのいずれかの光学変換素子を保持する光学変換素子保持枠とを備え、前記光学変換素子保持枠は、前記光学変換素子に入射する光束の光軸に直交する面内で前記光軸を中心として回動自在に構成され、前記複数の光学変換素子のうちの他の光学変換素子に対する前記保持した光学変換素子の姿勢調整を実施することを特徴とする。
ここで、光学変換素子としては、例えば、位相差板、視野角補正板、または射出側偏光板等を採用できる。また、複数の光学変換素子としては、位相差板、視野角補正板、および射出側偏光板のうちの少なくとも2つ以上を含む構成の他、同一の機能を有する光学変換素子、例えば2つの射出側偏光板を含む構成を採用してもよい。
本発明では、光学装置は、複数の光学変換素子と、光学変換素子保持枠とを備え、この光学変換素子保持枠は、光学変換素子に入射する光束の光軸を中心として回動することで、保持した光学変換素子を、保持していない光学変換素子に対して姿勢調整する。このことにより、例えば、射出側偏光板の偏光軸に応じた位相差板、視野角補正板等の姿勢調整、および、射出側偏光板が2つで構成されている場合には一方の偏光板の偏光軸に応じた他方の偏光板の姿勢調整を実施することが可能となる。したがって、この姿勢調整を実施することで、光学装置にて高いコントラスト比を有する光学像を形成できる。
本発明の光学装置では、略中央部分に入射光束透過用の開口部が形成され、前記光学変換素子保持枠を回動自在に支持する保持枠支持板を備え、前記保持枠支持板の端部には、前記光学変換素子に入射する光束の光軸を中心とする円弧状の曲面として構成され、該曲面に沿って前記光学変換素子保持枠を回動自在に支持する保持枠支持面が形成され、前記光学変換素子保持枠には、前記保持枠支持板の保持枠支持面と当接し、前記光学変換素子の光束入射方向を軸として前記保持した光学変換素子を回動させる曲面が形成されていることが好ましい。
本発明では、光学装置は、保持枠支持板を備え、この保持枠支持板の端部には、保持枠支持面が形成されている。また、光学変換素子保持枠には、保持枠支持面と当接する曲面が形成されている。このことにより、保持枠支持板の保持枠支持面に沿って光学変換素子保持枠を回動させることが容易となり、光学変換素子保持枠に保持される光学変換素子の姿勢調整が容易に実施できる。
また、保持枠支持面が保持枠支持板の端部に形成されているので、光変調装置および色合成光学装置の間に複数の光学変換素子が介装されていても、保持枠支持板に光学変換素子保持枠を容易に設置できる。
本発明の光学装置では、前記保持枠支持板は、前記開口部が形成された矩形板状体と、この矩形板状体の互いに平行な一対の辺縁に突設され、前記矩形板状体の端縁延出方向に沿って延びる一対の起立片と、各起立片の先端に設けられ、対向する起立片に向かって延びる延出部とを備え、前記矩形板状体および前記延出部のいずれか一方には、前記保持枠支持面が形成され、前記矩形板状体、前記起立片、および前記延出部に囲まれる空間には、前記光学変換素子保持枠、および前記他の光学変換素子のうちの少なくとも1つの光学変換素子が挿入されることが好ましい。
ここで、起立片は、矩形板状体の辺縁と同じ長さを有するように形成してもよく、または、矩形板状体の辺縁から複数の起立片が突出するように形成してもよい。
また、延出部も同様に、起立片と同じ長さを有するように形成してもよく、または、起立片の先端から複数の延出部が延出するように形成してもよい。
本発明によれば、保持枠支持板は、矩形板状体、起立片、および延出部で構成されているので、これら矩形板状体、起立片、および延出部に囲まれる空間に光学変換素子保持枠、および光学変換素子保持枠にて保持しない光学変換素子のうちの少なくとも1つを挿入できる。したがって、光学変換素子保持枠および該光学変換素子保持枠にて保持しない光学変換素子のうちの少なくとも1つを保持枠支持板にて一体化することで、光変調装置および色合成光学装置間に介装される複数の光学変換素子をコンパクトに纏めることができ、光学装置の小型化を図れる。
また、保持枠支持板および光学変換素子保持枠を熱伝導性部材から構成すれば、光学変換素子保持枠にて保持する光学変換素子、および光学変換素子にて保持しない光学変換素子の双方に生じる熱を光学変換素子保持枠および保持枠支持板に放熱することができ、光学変換素子の熱劣化を回避できる。
本発明の光学装置では、前記一対の起立片の内側面には、前記光学変換素子保持枠、および前記他の光学変換素子のうちの少なくとも1つの光学変換素子の挿入方向に沿って延びる突条部が形成され、前記光学変換素子保持枠、および前記他の光学変換素子のうちの少なくとも1つの光学変換素子は、前記突条部にて区画される前記空間にそれぞれ挿入されることが好ましい。
ここで、突条部は、一対の起立片の内側面にそれぞれ一つずつ形成されてもよく、複数形成されてもよい。挿入される光学変換素子の数を考慮して突条部を形成すればよい。
本発明によれば、一対の起立片の内側面には、突条部が形成されているので、矩形板状体、起立片、および延出部にて囲まれる空間のスペースを効率的に利用できる。また、この突条部により、空間に挿入される光学変換素子保持枠、および該光学変換素子保持枠にて保持されない光学変換素子の間での機械的な干渉を回避できる。
本発明の光学装置では、略中央部分に入射光束透過用の開口部が形成され、前記光学変換素子保持枠を回動自在に支持する保持枠支持板を備え、前記光学変換素子保持枠の開口部周縁には、前記光学変換素子に入射する光束の光軸を中心とした円弧状の切り欠きが形成され、前記保持枠支持板は、前記円弧状の切り欠き端縁に当接する複数の突起を有し、これら突起に沿って前記光学変換素子保持枠を回動自在に支持することが好ましい。
本発明では、光学変換素子保持枠の開口部周縁には、円弧状の切り欠きが形成されている。また、光学装置は、保持枠支持板を備え、この保持枠支持板には、切り欠き端縁に当接する複数の突起を有している。このことにより、保持枠支持板の複数の突起に沿って光学変換素子保持枠を回動させることが容易となり、光学変換素子保持枠に保持される光学変換素子の姿勢調整が容易に実施できる。
また、光学変換素子保持枠には切り欠きを形成し、保持枠支持板には複数の突起を形成することで、光学変換素子の姿勢調整構造を構成でき、光学変換素子保持枠および保持枠支持板の形状の簡素化を図れ、これら光学変換素子保持枠および保持枠支持板の製造を容易に実施できる。
本発明の光学装置では、前記複数の突起は、熱かしめにより前記光学変換素子保持枠の開口と離間する方向に折曲されることが好ましい。
本発明によれば、複数の突起は、熱かしめにより光学変換素子保持枠の開口と離間する方向に折曲されるので、光学変換素子保持枠がその面外方向に位置ずれしないように該光学変換素子保持枠を保持枠支持板に係合させることができ、保持枠支持板の複数の突起に沿って光学変換素子保持枠を良好に回動させることができ、光学変換素子保持枠に保持される光学変換素子の姿勢調整を良好に実施できる。
本発明の光学装置では、前記色合成光学装置の複数の光束入射側端面と交差する端面のうちの少なくともいずれかの端面に固定される台座を備え、前記光学変換素子保持枠は、前記光学変換素子の姿勢調整を実施した後、前記台座に固定されることが好ましい。
ここで、光学変換素子保持枠の台座への固定は、ねじ等の固定部材により実施してもよく、接着剤等により接着固定してもよい。
本発明によれば、光学装置は台座を備え、光学変換素子保持枠がこの台座に固定されるので、光学変換素子の姿勢調整を実施した後、光学変換素子を良好な姿勢位置で確実に支持できる。
本発明の光学装置では、前記台座には、前記光学変換素子に入射する光束の光軸を中心とする円弧状の曲面として構成され、該曲面に沿って前記光学変換素子保持枠を回動自在に支持する保持枠支持面が形成され、前記光学変換素子保持枠には、前記台座の保持枠支持面と当接し、前記光学変換素子の光束入射方向を軸として前記光学変換素子を回動させる曲面が形成されていることが好ましい。
本発明では、台座には、保持枠支持面が形成されている。また、光学変換素子保持枠には、保持枠支持面と当接する曲面が形成されている。このことにより、保持枠支持板の複数の突起、および台座の保持枠支持面の双方に沿って光学変換素子保持枠を回動させることができる。したがって、光学変換素子保持枠を確実に支持でき、光学変換素子保持枠に保持される光学変換素子の姿勢調整をさらに良好に実施できる。
本発明の光学装置では、前記保持枠支持面には、前記光学変換素子保持枠を固定する固定部材が取り付けられる固定部材取付部が形成され、前記光学変換素子保持枠の曲面には、該光学変換素子保持枠の回動方向に延び、前記固定部材が挿通される長孔が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、保持枠支持面には固定部材取付部が形成され、光学変換素子保持枠の曲面には長孔が形成されているので、長孔を介して固定部材を固定部材取付部に取り付け、光学変換素子保持枠の回動に応じた光学変換素子の最適な位置で保持枠支持面上に光学変換素子保持枠を固定できる。
本発明の光学装置では、前記光変調装置は、光変調を実施する光変調素子と、この光変調素子の画像形成領域と対応する開口部を有し、前記光変調素子を保持する光変調素子保持枠とを備え、前記光変調素子保持枠は、少なくとも2つの孔を有し、前記保持枠支持板は、前記光変調素子保持枠の孔に対応するピン状部材を介して前記光変調装置を支持することが好ましい。
ここで、ピン状部材は、保持枠支持板と一体的に形成された構成としてもよく、保持枠支持板と別体とする構成としてもよい。
本発明では、保持枠支持板は、光学変換素子保持枠を支持するとともに、ピン状部材を介して光変調装置を支持するので、光変調装置を色合成光学装置に対して取り付けるための部材を省略でき、光学装置の製造コストの低減、および光学装置の小型化を図れる。
本発明の光学装置では、前記複数の光学変換素子は、入射光束の光軸方向に配置され、互いに偏光軸が平行でかつ、光吸収特性の異なる2つの偏光板を含んで構成され、前記光学変換素子保持枠は、前記2つの偏光板のいずれか一方に対する他方の姿勢調整を実施することが好ましい。
本発明では、複数の光学変換素子は、2つの偏光板を含んで構成される。すなわち、光変調装置および色合成光学装置の間に介装される射出側偏光板が2つの偏光板で構成される。このことにより、射出側偏光板を1つで構成する場合と比較して、射出側偏光板に生じる熱を2つの偏光板で按分でき、射出側偏光板の熱劣化を回避できる。
また、光学変換素子保持枠は、2つの偏光板のうちのいずれかを保持し、保持した偏光板に対する他の偏光板の姿勢調整を実施するので、2つの偏光板の偏光軸を平行に揃えることができる。したがって、光学装置にて高いコントラスト比を有する光学像を形成できる。
本発明の光学変換素子姿勢調整装置は、複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された各色光を合成する色合成光学装置と、前記光変調装置および前記色合成光沢装置の間に介装され、入射する光束を光学的に変換する複数の光学変換素子とが一体的に設けられた光学装置を製造するために、前記光学変換素子の姿勢調整を実施する光学変換素子姿勢調整装置であって、前記光学装置は、前記複数の光学変換素子のうちのいずれかの光学変換素子を保持し、前記光学変換素子に入射する光束の光軸に直交する面内で前記光軸を中心として回動自在に構成される光学変換素子保持枠を備え、当該光学変換素子姿勢調整装置は、前記複数の光学変換素子のうちのいずれかの光学変換素子が前記光学変換素子保持枠に保持され前記光学変換素子が前記色合成光学装置に対して回動自在に取り付けられた状態でかつ、前記複数の光学変換素子のうちの他の光学変換素子の少なくとも1つが前記色合成光学装置に対して取り付けられた状態で前記色合成光学装置を載置固定する載置部と、調整用光束を射出する光束射出部と、前記光束射出部から射出され、前記複数の光学変換素子および前記色合成光学装置を介した光束の照度を測定する照度計と、前記照度計にて測定された照度に基づいて、前記光学変換素子保持枠を移動させて前記光学変換素子保持枠に保持された光学変換素子を前記光軸を中心として回動させ、前記複数の光学変換素子のうちの他の光学変換素子に対する前記保持された光学変換素子の姿勢調整を実施する姿勢調整部とを備えていることを特徴とする。
本発明では、光学変換素子姿勢調整装置は、載置部と、光束射出部と、照度計と、姿勢調整部とを備え、姿勢調整部は、照度計にて測定された照度に基づいて、光学変換素子保持枠を移動させて該光学変換素子保持枠に保持された光学変換素子を他の光学変換素子に対して姿勢調整する。このことにより、例えば、射出側偏光板の偏光軸に応じた位相差板、視野角補正板等の姿勢調整、および、射出側偏光板が2つで構成されている場合には一方の偏光板の偏光軸に応じた他方の偏光板の姿勢調整を実施することができる。したがって、高いコントラスト比を有する光学像を形成できる光学装置を容易に製造できる。
また、この姿勢調整装置にて光学変換素子の姿勢調整を実施することで、製造される各光学装置にて形成される光学像のコントラストのばらつきを低減できる。
本発明の光学変換素子姿勢調整装置では、前記姿勢調整部は、前記光学変換素子保持枠に係合する係合部を有し、前記光軸を中心として回動自在に構成され、前記係合部により前記光学変換素子保持枠に係合した状態で回動することで、前記光学変換素子保持枠を回動させることが好ましい。
本発明によれば、姿勢調整部は、係合部を有し、光軸を中心として回動自在に構成されているので、光学変換素子保持枠における光軸を中心とした回動を確実に実施でき、光学変換素子保持枠に保持された光学変換素子の姿勢調整を良好に実施できる。
本発明のプロジェクタは、光源と、この光源から射出された光束を複数の色光に分離する色分離光学装置と、上述した光学装置と、この光学装置にて形成された光学像を拡大投写する投写光学装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、プロジェクタは、上述した光学装置を備えているので、上述の光学装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、プロジェクタは、高いコントラスト比を有する光学像を形成できる光学装置を備えているので、投写光学装置にて鮮明な投写画像を投写できる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、第1実施形態に係る光学装置を搭載したプロジェクタ1の光学系を示す模式図である。
プロジェクタ1は、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像を拡大投写する。このプロジェクタ1は、図1に示すように、インテグレータ照明光学系10と、色分離光学装置として色分離光学系20と、リレー光学系30と、光変調装置および色合成光学装置を一体化した光学装置40と、投写光学装置としての投写レンズ50と、光学部品10〜40を内部に収納するとともに、これら光学部品10〜40に対する所定位置に投写レンズ50を設置するライトガイド60とを備える。
インテグレータ照明光学系10は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系であり、光源装置11、平行化凹レンズ12、第1レンズアレイ13、第2レンズアレイ14、偏光変換素子15、および重畳レンズ16を備えて構成される。
光源装置11は、放射光源としての光源ランプ17、リフレクタ18、およびリフレクタ18の光束射出面を覆うフロントガラス19を備え、光源ランプ17から射出された放射状の光線を、平行化凹レンズ12およびリフレクタ18で反射して略平行光線とし、外部へと射出する。本例では、光源ランプ17として高圧水銀ランプを採用しているが、これ以外にメタルハライドランプやハロゲンランプを採用することもある。また、本例では、楕円面鏡からなるリフレクタ18の射出面に平行化凹レンズ12を配置した構成を採用しているが、リフレクタ18として放物面鏡を採用することもできる。
第1レンズアレイ13は、照明光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備している。各小レンズは、光源ランプ17から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸方向に射出する。
第2レンズアレイ14は、第1レンズアレイ13と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を具備する。この第2レンズアレイ14は、重畳レンズ16とともに、第1レンズアレイ13の各小レンズの像を後述する光変調装置としての液晶パネル上に結像させる機能を有する。
偏光変換素子15は、第2レンズアレイ14からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置40での光の利用効率が高められている。
具体的に、偏光変換素子15によって1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ16によって最終的に光学装置40の後述する液晶パネル上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ17からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換素子15を用いることにより、光源ランプ17から射出された光束を略1種類の偏光光に変換し、光学装置40における光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換素子15は、例えば、特開平8−304739号公報に紹介されている。
色分離光学系20は、インテグレータ照明光学系10から射出された光束を曲折する反射ミラー21と、2枚のダイクロイックミラー22,23と、反射ミラー24とを備え、ダイクロイックミラー22,23によりインテグレータ照明光学系10から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。なお、本例では、反射ミラー24は、ライトガイド60に対して姿勢を調整することができるようになっている。
リレー光学系30は、入射側レンズ31と、リレーレンズ33と、反射ミラー32,34とを備え、色分離光学系20で分離された色光である赤色光を後述する赤色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
この際、色分離光学系20のダイクロイックミラー22では、インテグレータ照明光学系10から射出された光束のうち、赤色光成分と緑色光成分とは反射し、青色光成分は透過する。ダイクロイックミラー22によって透過した青色光は、反射ミラー24で反射し、フィールドレンズ25を通って、後述する青色光用の液晶パネルに到達する。このフィールドレンズ25は、第2レンズアレイ14から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光用、赤色光用の液晶パネルの光入射側に設けられたフィールドレンズ25も同様である。
また、ダイクロイックミラー22を反射した赤色光と緑色光のうちで、緑色光は、ダイクロイックミラー23によって反射し、フィールドレンズ25を通って、後述する緑色光用の液晶パネルに到達する。一方、赤色光は、ダイクロイックミラー23を透過してリレー光学系30を通り、さらにフィールドレンズ25を通って、後述する赤色光用の液晶パネルに到達する。
なお、赤色光にリレー光学系30が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ31に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ25に伝えるためである。また、リレー光学系30には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
光学装置40は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系20で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板42と、各入射側偏光板42の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル41R,41G,41B(赤色光用の液晶パネルを41R、緑色光用の液晶パネル41G、青色光用の液晶パネルを41Bとする)と、視野角補正板43と、射出側偏光板44と、クロスダイクロイックプリズム45とを備える。そして、これらのうち、液晶パネル41R,41G,41Bと、光学変換素子としての視野角補正板43および射出側偏光板44と、クロスダイクロイックプリズム45が一体化されて光学装置本体が形成される。なお、光学装置本体の詳細については、後述する。
液晶パネル41R,41G,41Bは、詳しくは後述するが、色分離光学系20で分離された各色光を画像情報に応じて変調する光変調素子としての3つのパネル本体と、これらパネル本体を収納する3つの光変調素子保持枠とを備えている。
このうち、パネル本体は、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、色分離光学系20で分離された各色光は、これらパネル本体と、これらの前段および後段に配置される入射側偏光板42および射出側偏光板44によって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
入射側偏光板42は、色分離光学系20で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、水晶、サファイア等の基板に偏光膜が添付されたものである。また、基板を用いずに、偏光膜をフィールドレンズ25に貼り付けてもよい。
視野角補正板43は、基板上に液晶パネル41R,41G,41Bで形成された光学像の視野角を補正する機能を有する光学変換膜が形成されたものであり、このような視野角補正板43を配置することにより、投写画像の視野角が拡大されかつ、投写画像のコントラストが大幅に向上する。
射出側偏光板44は、液晶パネル41R,41G,41Bで光変調された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、本例では、2枚の第1偏光板(プリポラライザ)44Pおよび第2偏光板(アナライザ)44Aから構成されている。このように射出側偏光板44を2枚構成としたのは、入射する偏光光を、第1偏光板44P、第2偏光板44Aのそれぞれで按分させて吸収することにより、偏光光で発生する熱を両偏光板44P,44Aで按分させ、それぞれの過熱を抑えるためである。
クロスダイクロイックプリズム45は、射出側偏光板44から射出され、色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム45には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
投写レンズ50は、光学装置40により形成された光学像を拡大投写する投写光学系としての機能を具備するものであり、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成される。
ライトガイド60は、射出成形等による合成樹脂製品であり、図示は省略するが、上述した光学部品10〜40を内部に収納するとともに投写レンズ50を光学部品10〜40に対する所定位置に設置する下ライトガイドと、下ライトガイドの開口部分を塞ぐ上ライトガイドとから構成されている。
〔光学装置本体の構造〕
図2は、光学装置本体40Aの概略構成を示す分解斜視図である。なお、図2では、説明を簡略化するため、液晶パネル41G側を分解した図であり、他の液晶パネル41R,41B側についても液晶パネル41G側と略同様の構成である。以下の説明では、液晶パネル41G側を主に説明する。
光学装置本体40Aは、図2に示すように、液晶パネル41R,41G,41Bと、視野角補正板43と、射出側偏光板44と、保持枠支持板46と、光学変換素子保持枠47と、固定部材としてのねじ48と、クロスダイクロイックプリズム45と、ピン状部材49とを備える。
液晶パネル41R,41G,41Bは、図2に示すように、光変調素子としてのパネル本体411と、このパネル本体411を収納する光変調素子保持枠412とを備えている。
パネル本体411は、図示を略したが、対向配置される一対の矩形状の透明基板内に液晶が密封封入されたものであり、一対の透明基板の入射側および射出側には防塵ガラスが貼り付けられている。
光変調素子保持枠412は、パネル本体411を収納する凹部を有する矩形状の部材である。この光変調素子保持枠412には、平面視略中央部分に開口部412A(図2中、液晶パネル41B参照)が形成され、平面視略四隅部分に孔413が形成されている。
そして、光変調素子保持枠412の凹部にパネル本体411を収納すると、開口部412Aを介してパネル本体411の略中央部分が外部に露出し、この部分が画像形成領域となる。すなわち、各液晶パネル41R,41G,41Bのこの部分に各色光R,G,Bが導入され、画像情報に応じて光学像が形成される。
射出側偏光板44は、第1偏光板(プリポラライザ)44Pおよび第2偏光板(アナライザ)44Aから構成され、第2偏光板44Aは、図2に示すように、水晶基板44A1上に、偏光膜44A2が貼り付けられて構成されている。なお、第1偏光板44Pは、図示は省略したが、第2偏光板44Aと同様に、水晶基板上に偏光膜が貼り付けられた構成を有している。また、第1偏光板44Pおよび第2偏光板44Aは、詳しくは後述するが、互いの偏光軸が略平行となるように保持枠支持板46および光学変換素子保持枠47にそれぞれ配置される。また、基板として水晶を用いたがこれに限らず、サファイア等の偏光特性のある透明基板を用いてもよい。
図3は、保持枠支持板46の構造を示す斜視図である。
保持枠支持板46は、光学変換素子保持枠47を回動自在に支持するとともに、視野角補正板43、および射出側偏光板44の第2偏光板44Aを保持する。この保持枠支持板46は、図3に示すように、矩形板状体461と、この矩形板状体461の互いに平行な一対の左右辺縁に位置し、該矩形板状体461の端縁に沿って延びるように突設される一対の起立片462と、一対の起立片462から対向する起立片462に向けて延出する延出部463とを備える。
矩形板状体461は、略中央部分に開口部461Aが形成された矩形枠状の板体で構成されている。
この矩形板状体461において、上端縁略中央部分には、上方に向けて凸となり、開口部461Aの中心位置、すなわち、射出側偏光板44に入射する光束の光軸位置を中心として平面視円弧状の保持枠支持面461Bが形成されている。また、この保持枠支持面461Bの円弧状頂部位置には、ねじ48と螺合する固定部材取付部としてのねじ孔461Cが形成されている。
また、この矩形板状体461において、開口部461Aの上下辺縁には、熱間挙動差吸収用の切り欠き461Dが形成されている。
さらに、この矩形板状体461において、裏面には、開口部461Aの左右辺縁に、厚み方向に窪む凹部461Eが形成されている。また、この裏面には、図示を略したが、シボ加工が施され、この裏面がクロスダイクロイックプリズム45の光束入射側端面に接着剤等により固定される。このように凹部461Eを設けることにより、該凹部461Eにドライバ等を差し込むことでクロスダイクロイックプリズム45から保持枠支持板46を取り外し易くなり、リワーク性が向上する。
一対の起立片462は、互いに対向するそれぞれの端面に、該起立片462の突出方向と直交する方向に延びる突条部462Aが形成されている。この突条部462Aは、互いに対向するそれぞれの端面の突出方向略中央部分に位置し、これら端面をそれぞれ2つの領域に区画している。そして、これら2つの領域に光学変換素子保持枠47および第2偏光板44Aが離隔配置される。
また、一対の起立片462の先端側端部には、該端部に沿って視野角補正板43を支持する支持面462Bと、視野角補正板43の外形位置基準となる位置決め部462Cが形成されている。
延出部463は、一対の起立片462から対向する起立片462に向けて延出し、上下にそれぞれ一対ずつ計4つで構成されている。
上方に位置する一対の延出部463は、一対の起立片462の突出方向端部の上方の角隅部分から対向する起立片462に向けて延出する。
下方に位置する一対の延出部463は、一対の起立片462の下方側端部から対向する起立片462に向けて延出する。そして、この下方に位置する一対の延出部463の上面が、第2偏光板44Aの端部を支持する支持面463Aとなる。
これら4つの延出部463において、該延出部463の矩形板状体461と対向する端面と反対側の端面には、後述するピン状部材49の一端側端部が当接し、ピン状部材49を介して各液晶パネル41R,41G,41Bを支持する。
上述した保持枠支持板46は、アルミニウム合金製であり、例えば、射出成形等の成形により一体的に形成される。なお、保持枠支持板46は、アルミニウム合金に限らず、アルミニウム、マグネシウム、チタンあるいはこれらを主材料とした合金等の金属によって構成してもよい。また、アクリル材、カーボンフィラー入りのポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶樹脂等の樹脂等で構成してもよい。
そして、この保持枠支持板46を射出成形により成形する場合には、例えば3つのブロックを有する図示しない金型にて成形が実施される。
金型は、コアブロック、キャビティブロックおよびスライドブロックの3つのブロックを有する。そして、これら3つのブロックを組み合わせ、所定の温度で金型を加熱した状態でキャビティ内に成形材料を流し込む。成形を実施した後には、図3に示す矢印A,B,Cの方向にそれぞれコアブロック、キャビティブロックおよびスライドブロックを成形品に対して移動させることで、成形品が取り出される。ここで、コアブロックにより延出部463側が形成され、キャビティブロックにより矩形板状体461側が形成され、スライドブロックにより矩形板状体461および延出部463の間に位置する起立片462の一部が形成される。すなわち、成形品には、図3に示すように、3つのブロックが組み合うパーティングラインPLが形成される。
図4は、光学変換素子保持枠47の構造を示す斜視図である。
光学変換素子保持枠47は、第1偏光板44Pを保持するとともに保持枠支持板46に回動自在に支持され、保持枠支持板46に支持される第2偏光板44Aに対する第1偏光板44Pの姿勢調整を実施する。この光学変換素子保持枠47は、図4に示すように、板状部材471と、保持枠突出部472とを備える。
板状部材471は、略中央部分に開口部471A(図2)を有する矩形枠状に形成された板体である。
この板状部材471において、開口部471A(図2)の光束入射側周縁部分には、厚み方向に窪む凹部471Bが形成されている。この凹部471Bは、第1偏光板44Pの高さ寸法と略同一の寸法を有している。そして、第1偏光板44Pは、凹部471Bに接着剤または両面テープ等により保持固定される。
保持枠突出部472は、板状部材471の上方側端縁略中央部分から該板状部材471の板面に沿って上方に延出し、先端部分が板面と略法線方向に曲折している。
この保持枠突出部472において、曲折する角部分には、幅方向略中央部分が下方に向けて凸となり、後述する姿勢調整装置の姿勢調整部と係合する係合孔472Aが形成されている。そして、この係合孔472Aの凸状頂部位置は、板状部材471の略中心位置、すなわち、保持する第1偏光板44Pに入射する光束の光軸位置と、幅方向の位置が一致する。
また、この保持枠突出部472において、板状部材471の板面と略法線方向に曲折した端面は、下方に向けて凹となり、第1偏光板44Pに入射する光束の光軸を中心とする平面視円弧状に形成されている。そして、この端面の下方側が曲面としての摺動面472Bとなり、光学変換素子保持枠47は、保持枠支持板46の保持枠支持面461B上に摺動面472Bが当接した状態で支持される。すなわち、光学変換素子保持枠47は、保持枠支持板46の保持枠支持面461B上で摺動面472Bが摺動可能な状態で支持され、光軸に直交する面内で該光軸を中心として第1偏光板44Pの姿勢調整が可能となっている。
さらに、この保持枠突出部472において、板状部材471の板面と略法線方向に曲折した端面には、上方側の端面から摺動面472Bに貫通する長孔としてのトラック孔472Cが形成されている。このトラック孔472Cは、保持枠支持板46に対する光学変換素子保持枠47の摺動方向に延びるように形成されている。そして、保持枠支持板46に光学変換素子保持枠47を設置した状態では、トラック孔472Cを介して、保持枠支持板46の保持枠支持面461Bに形成されたねじ孔461Cが露出する。
上述した光学変換素子保持枠47は、保持枠支持板46と同様に、アルミニウム合金で構成される。なお、光学変換素子保持枠47は、アルミニウム合金に限らず、アルミニウム、マグネシウム、チタンあるいはこれらを主材料とした合金等の金属によって構成してもよい。また、アクリル材、カーボンフィラー入りのポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶樹脂等の樹脂等で構成してもよい。
ねじ48は、光学変換素子保持枠47のトラック孔472Cを介して保持枠支持板46のねじ孔461Cと螺合する。そして、このねじ48の回転端は、トラック孔472Cの幅方向寸法よりも大きい寸法を有し、ねじ48をねじ孔461Cに螺合させることで、光学変換素子保持枠47が保持枠支持板46に固定される。
クロスダイクロイックプリズム45は、図2に示すように、その下面にプリズム固定板451が紫外線硬化型接着剤により固着されている。このプリズム固定板451は、クロスダイクロイックプリズム45の対角線に沿って延びる脚部451Aを備え、各脚部451Aの先端部分には孔451Bが形成されている。
ピン状部材49は、光束射出側端部から光束入射側端部にかけて細くなる略円柱状に形成され、液晶パネル41R,41G,41Bを構成する光変調素子保持枠412の孔413に対応して4つで構成される。そして、このピン状部材49を光変調素子保持枠412の孔413に挿通し、一端側端部を保持枠支持板46の延出部463の光束入射側端面に接着剤等で固定することで、保持枠支持板46に液晶パネル41R,41G,41Bが支持される。
なお、ピン状部材49は、紫外線光を透過する材料から構成され、例えば、アクリル材、光学ガラス、水晶、サファイア、石英、または蛍石等で構成される。また、ピン状部材49は、紫外線光を透過する材料に限らず、保持枠支持板46および光学変換素子保持枠47と同一の部材にて構成してもよい。
〔姿勢調整装置の構造〕
図5および図6は、姿勢調整装置100の構造を示す図である。具体的に、図5は、姿勢調整装置100の側面図である。また、図6は、姿勢調整装置100の平面図である。なお、図5および図6では、姿勢調整装置100の光束射出部から射出される光束の光軸方向をZ軸とし、このZ軸に直交する2つの軸をそれぞれX軸およびY軸とする。
姿勢調整装置100は、射出側偏光板44の姿勢調整を実施する。この姿勢調整装置100は、図5および図6に示すように、支持台110と、載置部120と、光束射出部130と、姿勢調整部140と、基準偏光板150と、照度検出部160とを備える。
支持台110は、載置部120、光束射出部130、姿勢調整部140、基準偏光板150、照度検出部160を支持する。この支持台110は、その上面にZ軸に沿ってレール110Aが形成され、このレール110Aに沿って各部材120〜160をZ軸方向に移動自在に支持する。また、この支持台110の下方には、具体的な図示は省略するが、光束射出部130に調整用の光束を射出させる調整用光源装置、および姿勢調整部140の後述する光学変換素子吸着部に光学変換素子を真空吸着させるための吸引装置が設置されている。
載置部120は、支持台110の上面に平行に延びる板体から構成され、その上面にてクロスダイクロイックプリズム45を載置固定する。この載置部120は、図5または図6に示すように、所定位置で後述する照度検出部160に支持され、その上面にはクロスダイクロイックプリズム45のプリズム固定板451の脚部451Aの孔451B(図6)に対応する固定用孔120Aを有する。そして、ねじ等によりクロスダイクロイックプリズム45を後述する光束射出部130から射出される光束の光軸に対する所定位置に載置固定する。
光束射出部130は、支持台110の下方に設置される図示しない調整用光源装置から射出される光束を導光する光ファイバ131と、この光ファイバ131を所定位置で支持する光ファイバ支持部132とを備える。
このうち、光ファイバ支持部132は、側面視L字状の支持体132Aと、この支持体132Aの下面に設けられ、支持台110のレール110Aと係合するスライダ132B(図5)とを備える。
支持体132Aは、側面視L字状に形成され、L字状の2つの端面が支持台110の上面にそれぞれ直交、および平行するように配置される。そして、支持台110の上面に直交する端面には、光ファイバ131の先端側を挿通可能とする孔132A1が形成されている。
スライダ132Bは、支持台110の上面と平行に延びる支持体132AのL字状端面の下面に設けられ、支持台110のレール110Aと係合する図示しない係合溝を有し、レール110A上を摺動自在に構成される。
図7は、姿勢調整部140の構造を示す図である。具体的に、図7は、図5および図6における+Z軸方向から姿勢調整部140を見た図である。
姿勢調整部140は、X−Y平面内で射出側偏光板44を回転させて射出側偏光板44の姿勢調整を実施する。この姿勢調整部140は、図5ないし図7に示すように、マイクロメータ142が取り付けられる基部141と、回転部143と、コイルばね144と、光学変換素子吸着部145と、光学変換素子保持枠係合部146とを備える。
基部141は、支持台110の上面に平行に延びる第1基部141Aと、この第1基部141Aの下面に設けられ、支持台110のレール110Aと係合するスライダ141Bと、第1基部141Aの上面から略直交して突設される第2基部141Cとを備える。
第1基部141Aは、支持台110の上面に平行に延びる板体から構成される。
スライダ141Bは、第1基部141Aの下面に設けられ、支持台110のレール110Aと係合する係合溝141B1(図7)を有し、レール110A上を摺動自在に構成される。
第2基部141Cは、光束射出部130から射出される光束に略直交する板体から構成され、光束の光軸位置には、回転部143を挿通し該回転部143を回転自在に支持する支持孔141C1(図5)が形成されている。また、第2基部141Cの上端縁左側部分(図7中の左側部分)には、上方に延出し、マイクロメータ142が取り付けられ、回転部143の回転位置を調整する回転位置調整部141C2が形成されている。
回転部143は、第2基部141Cの支持孔141C1(図5)に挿通され第2基部141Cに支持される第1回転部143Aと、この第1回転部143Aの光束射出側に位置する第2回転部143Bとを備える。
第1回転部143Aは、第2基部141Cと平行に延び、第2基部141Cの光束射出側端面と当接する板体143A1と、この板体143A1の光束入射側端面から突出し、第2基部141Cの支持孔141C1(図5)に挿通される挿通部143A2とを備える。
板体143A1には、光束射出部130から射出される光束の光軸位置に光束透過用の図示しない孔が形成されている。また、板体143A1の上端右側部分(図7中、右側部分)には、上方に延出し、回転部143の回転位置を規制する回転位置規制部143A3が形成されている。そして、回転位置調整部141C2に取り付けられたマイクロメータ142のロッド142A先端部分は、この回転位置規制部143A3に当接する。
挿通部143A2は、軸が光束射出部130から射出される光束の光軸と一致する円筒状に構成され、第2基部141Cの支持孔141C1に挿通されるとともに支持孔141C1の内周面上を該挿通部143A2の外周面が摺動する。そして、この挿通部143A2の摺動により、回転部143が光軸を中心として回転する。
第2回転部143Bは、第1回転部143Aを構成する板体143A1の光束射出側端面に固定される矩形状の板体であり、光束射出部130から射出される光束の光軸位置には、光束透過用の図示しない孔が形成されている。また、第2回転部143Bの光束射出側端面には、光学変換素子吸着部145を着脱自在とする取付部143B1(図7)が形成されている。さらに、第2回転部143Bの側端面には、光学変換素子吸着部145へ空気を流通させるための空気流通孔143B2(図5)が形成されている。この空気流通孔143B2は、支持台110の下方に設置される図示しない吸引装置と所定の図示しないエアーチューブを介して接続される。
コイルばね144は、基部141の回転位置調整部141C2、および回転部143の回転位置規制部143A3を近接する方向に付勢する。そして、図7に示すように、マイクロメータ142を回転させてロッド142Aを右方向に突出させることで回転位置規制部143A3が回転位置調整部141C2に対して離間する方向に移動し、回転部143が時計回りに回転する。一方、マイクロメータ142を回転させてロッド142Aを左方向に移動させると、コイルばね144の付勢力により、回転位置規制部143A3が回転位置調整部141C2に対して近接する方向に移動し、回転部143が反時計回りに回転する。
光学変換素子吸着部145は、多孔質性で伸縮自在な弾性部材であって、第2回転部143Bの取付部143B1(図7)に着脱自在に取り付けられる。この光学変換素子吸着部145が取付部143B1(図7)に取り付けられた際には、図5または図6に示すように、先端が第2回転部143Bの光束射出側端面よりも突出する。この光学変換素子吸着部145には、光束射出部130から射出される光束の光軸位置に光束透過用の孔145A(図7)が形成されるとともに、この孔145Aの周縁部分に、第2回転部143Bの空気流通孔143B2と接続する4つの孔145Bが形成されている。そして、図示しない吸引装置が駆動すると、図示しないエアーチューブ、空気流通孔143B2および4つの孔145Bを介して光学変換素子が光学変換素子吸着部145の先端に真空吸着される。また、この光学変換素子吸着部145は、回転部143の回転とともに回転し、真空吸着した光学変換素子を光軸を中心として回動させる。
光学変換素子保持枠係合部146は、第2回転部143Bの幅方向(図7中、左右方向)略中央部分に設けられ、すなわち、光束射出部130から射出される光束の光軸位置と幅方向の位置が一致するように設けられ、光学変換素子保持枠47の係合孔472Aと係合する。この光学変換素子保持枠係合部146は、第2回転部143Bの先端部分から光束射出側に延出し、延出した先端部分が下方に曲折する腕部146Aと、腕部146Aの先端の光束射出側端面から突出し、光学変換素子保持枠47の係合孔472A(図4)の凸状頂部位置に係合する係合突起146Bとを備える。そして、この光学変換素子保持枠係合部146は、回転部143の回転とともに回転し、光学変換素子保持枠47の係合孔472Aに係合する係合突起146Bにより該光学変換素子保持枠47を光軸を中心として回動させる。
基準偏光板150は、姿勢調整部140にて射出側偏光板44の姿勢調整を実施する際の基準となる偏光板である。具体的に、この基準偏光板150は、入射側偏光板42および射出側偏光板44と同様に、水晶等からなる基板に偏光膜が貼り付けられて構成されている。そして、この基準偏光板150は、偏光軸が入射側偏光板42の偏光軸と平行となり、光束射出部130から射出される光束の光軸が略中心位置となるように、後述する照度検出部160に取り付けられている。
照度検出部160は、光束射出部130から射出され、姿勢調整対象となる射出側偏光板44および基準偏光板150を介した光束の照度を測定する照度計161と、この照度計161、載置部120、および基準偏光板150を支持する支持体162とを備える。
このうち、支持体162は、基部162Aと、この基部162Aの下面に設けられるスライダ162Bと、基部162Aの上面に立設される固定部162Cとを備える。
基部162Aは、支持台110の上面に平行に延びる板体から構成される。
スライダ162Bは、光束射出部130のスライダ132Bと略同様に、支持台110のレール110Aと係合する図示しない係合溝を有し、レール110A上を摺動自在に構成される。
固定部162Cは、基部162Aの上面に直交するように突設される第1固定部162C1と、この第1固定部162C1の光束入射側に固定される第2固定部162C2と、第1固定部162C1の光束射出側に固定される第3固定部162C3とを備える。
第1固定部162C1は、光束射出部130から射出される光束に略直交する板体から構成され、光束の光軸位置には、光束透過用の図示しない孔が形成されている。
第2固定部162C2は、第1固定部162C1の光束入射側端面に取り付けられる板体であり、第1固定部162C1と同様に、光束の光軸位置に光束透過用の図示しない孔が形成されている。また、この第2固定部162C2は、光束入射側端面の下方側端部に載置部120が固定されるとともに、前記孔の中心位置に基準偏光板150の中心位置が位置するように基準偏光板150が取り付けられる。
第3固定部162C3は、光束射出部130から射出され、第2固定部162C2および第1固定部162C1を通過した光束を検出可能な位置に照度計161を固定する。
〔光学変換素子の姿勢調整方法〕
次に、上述した姿勢調整装置100による射出側偏光板44の姿勢調整方法を図面に基づいて説明する。
図8は、射出側偏光板44の姿勢調整方法を説明するフローチャートである。
図9および図10は、射出側偏光板44の姿勢調整方法を説明するための図である。
先ず、プリズム固定板451の所定位置に位置決め固定されたクロスダイクロイックプリズム45の光束入射側端面の所定位置に、接着剤等により保持枠支持板46を固定した状態で、図9に示すように、これらクロスダイクロイックプリズム45、プリズム固定板451、および保持枠支持板46を姿勢調整装置100の載置部120に載置固定する(処理S1)。
また、支持台110の下方に設置される図示しない調整用光源装置を駆動させ、光束射出部130から光束を射出させる(処理S2)。
次に、第2偏光板44Aの水晶基板44A1を保持枠支持板46の上方から、該保持枠支持板46の矩形板状体461、一対の起立片462、および延出部463で囲まれる空間のうち、突条部462Aの光束射出側の空間に挿入する。そして、支持台110の下方に設置される図示しない吸引装置を駆動させ、姿勢調整部140の光学変換素子吸着部145にて水晶基板44A1を吸着保持可能な状態にする。この後、姿勢調整部140をスライダ141Bによりクロスダイクロイックプリズム45に近接する方向に移動し、図9に示すように、光学変換素子吸着部145の先端部分を水晶基板44A1の光束入射端面に当接させ、該水晶基板44A1を吸着保持する(処理S3)。
処理S3の後、光束射出部130から射出され、水晶基板44A1および基準偏光板150を介した光束の照度を照度計161にて測定させる(処理S4)。
そして、処理S4において測定した照度を確認し、水晶基板44A1が最適位置であるか否かを判断する(処理S5)。
具体的に、水晶基板44A1は、所定の光学軸を有する。このため、水晶基板44A1の姿勢位置により、水晶基板44A1および基準偏光板150を介した光束の照度が異なる。ここでは、処理S4において測定した照度を確認し、水晶基板44A1および基準偏光板150を介した光束の照度が最も小さくなる位置を水晶基板44A1の最適位置とする。
処理S5において、「N」であると判断した場合、すなわち、水晶基板44A1が最適位置でないと判断した場合には、姿勢調整部140のマイクロメータ142を調整し、基部141に対して回転部143および光学変換素子吸着部145を回転させて水晶基板44A1の姿勢調整を実施する(処理S6)。
そして、処理S4〜S6を繰り返し実施した結果、処理S5において、「Y」であると判断した場合、すなわち、水晶基板44A1が最適位置であると判断した場合には、姿勢調整部140をスライダ141Bによりクロスダイクロイックプリズム45と離間する方向に移動し、光学変換素子吸着部145にて吸着保持した水晶基板44A1の光束入射側端面を保持枠支持板46の突条部462Aに当接させ、接着剤等により水晶基板44A1を保持枠支持板46に貼り付ける(処理S7)。なお、保持枠支持板46への水晶基板44A1の貼り付けは、姿勢調整する前に予め接着剤等を保持枠支持板46の突条部462A、または水晶基板44A1に塗布しておき、水晶基板44A1を突条部462Aに当接させることで貼り付ける構成としてもよい。
処理S7において水晶基板44A1を保持枠支持板46に貼り付けた後、光学変換素子吸着部145による水晶基板44A1の吸着状態を解除し、姿勢調整部140をスライダ141Bによりクロスダイクロイックプリズム45と離間する方向に移動する。そして、第2偏光板44Aの偏光膜44A2を光学変換素子吸着部145により吸着保持させる(処理S8)。
処理S8の後、光束射出部130から射出され、偏光膜44A2、水晶基板44A1および基準偏光板150を介した光束の照度を照度計161にて測定させる(処理S9)。
そして、処理S9において測定した照度を確認し、偏光膜44A2が最適位置であるか否かを判断する(処理S10)。
具体的に、基準偏光板150の偏光軸に対して、偏光膜44A2の偏光軸が直交する位置を偏光膜44A2の最適位置とする。すなわち、基準偏光板150は、その偏光軸方向がプロジェクタ1を構成する入射側偏光板42の偏光軸と同一方向となるように姿勢調整装置100に取り付けられているため、偏光膜44A2の偏光軸を基準偏光板150の偏光軸と直交する位置が偏光膜44A2の最適位置となる。そして、処理S10では、偏光膜44A2、水晶基板44A1および基準偏光板150を介した光束の照度が最も小さくなる位置であるか否かを判断している。
処理S10において、「N」であると判断した場合、すなわち、偏光膜44A2が最適位置でないと判断した場合には、処理S6と同様に、姿勢調整部140のマイクロメータ142を調整して偏光膜44A2の姿勢調整を実施する(処理S11)。
そして、処理S9〜S11を繰り返し実施した結果、処理S10において、「Y」であると判断した場合、すなわち、偏光膜44A2が最適位置であると判断した場合には、図9に示すように、姿勢調整部140をスライダ141Bによりクロスダイクロイックプリズム45に近接する方向に移動し、光学変換素子吸着部145にて吸着保持した偏光膜44A2の光束射出側端面を保持枠支持板46に貼り付けられた水晶基板44A1の光束入射側端面に当接させ、接着剤等により偏光膜44A2を水晶基板44A1に貼り付ける(処理S12)。
処理S12において偏光膜44A2を水晶基板44A1に貼り付けた後、光学変換素子吸着部145による偏光膜44A2の吸着状態を解除し、姿勢調整部140をスライダ141Bによりクロスダイクロイックプリズム45と離間する方向に移動する。
そして、以下に示すように、第1偏光板44Pが貼り付けられた光学変換素子保持枠47を保持枠支持板46に設置する(処理S13)。
具体的に、先ず、図10に示すように、姿勢調整部140から光学変換素子吸着部145を取り外す。この後、第1偏光板44Pが貼り付けられた光学変換素子保持枠47を保持枠支持板46の上方から、該保持枠支持板46の突条部462Aの光束入射側の空間に挿入するとともに、光学変換素子保持枠47を構成する保持枠突出部472の摺動面472Bを保持枠支持板46の保持枠支持面461B上に載置する。さらに、保持枠支持板46に対して光学変換素子保持枠47を回動可能な状態となるように、ねじ48を保持枠突出部472のトラック孔472Cを介して保持枠支持面461Bのねじ孔461Cに螺合しておく。
処理S13において光学変換素子保持枠47を保持枠支持板46に設置した後、図10に示すように、姿勢調整部140をスライダ141Bによりクロスダイクロイックプリズム45に近接する方向に移動し、光学変換素子保持枠係合部146の係合突起146Bを光学変換素子保持枠47の係合孔472Aの凸状頂部位置に係合させる(処理S14)。
処理S14の後、光束射出部130から射出され、第1偏光板44P、第2偏光板44Aおよび基準偏光板150を介した光束の照度を照度計161にて測定させる(処理S15)。
そして、処理S15において測定した照度を確認し、第1偏光板44Pが最適位置であるか否かを判断する(処理S16)。
具体的に、上述した偏光膜44A2の偏光軸に対して、第1偏光板44Pの偏光軸が平行する位置を第1偏光板44Pの最適位置とする。すなわち、処理S16では、第1偏光板44P、第2偏光板44Aおよび基準偏光板150を介した光束の照度が最も小さくなる位置であるか否かを判断している。
処理S16において、「N」であると判断した場合、すなわち、第1偏光板44Pが最適位置でないと判断した場合には、姿勢調整部140のマイクロメータ142を調整し、基部141に対して回転部143および光学変換素子保持枠係合部146を回転させて保持枠支持板46に対して光学変換素子保持枠47を回動させて第2偏光板44Aに対する第1偏光板44Pの姿勢調整を実施する(処理S17)。
そして、処理S15〜S17を繰り返し実施した結果、処理S16において、「Y」であると判断した場合、すなわち、第2偏光板44Aに対する第1偏光板44Pの姿勢が最適位置であると判断した場合には、ねじ48の螺合状態を変更し、保持枠支持板46に対して光学変換素子保持枠47を固定する(処理S18)。
以上のような工程により、射出側偏光板44の姿勢調整を実施した後、視野角補正板43の外周を保持枠支持板46の位置決め部462Cにて位置決めし、支持面462Bに接着剤または両面テープ等により貼り付ける。また、ピン状部材49の外周面および一端側端部に紫外線硬化型接着剤を塗布した状態で、該ピン状部材49を液晶パネル41R,41G,41Bを構成する光変調素子保持枠412の孔413に挿通し、一端側端部を保持枠支持板46の延出部463の光束入射側端面に当接させる。そして、ピン状部材49の一端側端部と保持枠支持板46との接合部、およびピン状部材49と光変調素子保持枠412の接合部を摺動面として、液晶パネル41R,41G,41Bの相互位置を合わせながら位置調整を実施する。この後、液晶パネル41R,41G,41Bの光束入射側から紫外線を照射し、ピン状部材49と、保持枠支持板46および光変調素子保持枠412との間の紫外線硬化型接着剤を硬化させることで位置決め固定する。そして、光学装置本体40Aが製造される。
〔第1実施形態の効果〕
上述した第1実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)光学装置本体40Aを構成する光学変換素子保持枠47は、第1偏光板44Pを保持し、第1偏光板44Pに入射する光束の光軸を中心として回動自在に構成され、第1偏光板44Pを、第2偏光板44Aに対して姿勢調整する。このことにより、第2偏光板44Aの偏光軸と第1偏光板44Pの偏光軸とを略一致させることが可能となる。したがって、第2偏光板44Aに対する第1偏光板44Pの姿勢調整を実施することで、光学装置40にて高いコントラスト比を有する光学像を形成できる。
(2)光学装置本体40Aは、保持枠支持板46を備え、この保持枠支持板46の上端縁略中央部分には、保持枠支持面461Bが形成されている。また、光学変換素子保持枠47には、保持枠支持面461Bと当接する摺動面472Bが形成されている。このことにより、保持枠支持板46の保持枠支持面461Bに沿って光学変換素子保持枠47を回動させることが容易となり、簡単な構造で容易に第1偏光板44Pの姿勢調整を実施できる。
(3)保持枠支持面461Bは、保持枠支持板46を構成する矩形板状体461の上端縁に位置し、入射光束の光軸を中心として上方に凸となり平面視円弧状に形成されている。また、摺動面472Bは、光学変換素子保持枠47の板状部材471の上端端部から上方に延出し、さらに略法線方向に突出する保持枠突出部472に形成されている。このことにより、液晶パネル41R,41G,41Bおよびクロスダイクロイックプリズム45の間に、視野角補正板43、第2偏光板44Aが介装されていても、保持枠支持板46の上方から光学変換素子保持枠47を容易に設置できる。また、保持枠支持板46に対する光学変換素子保持枠47の支持位置が上方に位置することとなるので、光学変換素子保持枠47の着脱が容易となり、第1偏光板44Pの交換等を容易に実施できる。
(4)保持枠支持板46は、矩形板状体461、起立片462、および延出部463で構成されているので、これら矩形板状体461、起立片462、および延出部463で囲まれる空間に光学変換素子保持枠47および第2偏光板44Aを挿入できる。したがって、光学変換素子保持枠47および第2偏光板44Aを保持枠支持板46にて一体化することで、液晶パネル41R,41G,41Bおよびクロスダイクロイックプリズム45間に介装される光学変換素子をコンパクトに纏めることができ、光学装置本体40Aの小型化を図れる。
(5)保持枠支持板46および光学変換素子保持枠47は、熱伝導性部材であるアルミニウム合金製であるので、光学変換素子保持枠47にて保持する第1偏光板44P、および保持枠支持板46にて支持する第2偏光板44Aの双方に生じる熱を光学変換素子保持枠47および保持枠支持板46に放熱することでき、射出側偏光板44の熱劣化を回避できる。
(6)一対の起立片462の内側面には、突条部462Aがそれぞれ形成されているので、矩形板状体461、起立片462、および延出部463にて囲まれる空間のスペースを効率的に利用できる。また、この突条部462Aにより、空間に挿入される光学変換素子保持枠47および第2偏光板44Aの間での機械的な干渉を回避できる。
(7)保持枠支持面461Bには凸状頂部位置にねじ孔461Cが形成され、光学変換素子保持枠47の保持枠突出部472にはトラック孔472Cが形成されている。このことにより、トラック孔472Cを介してねじ48をねじ孔461Cに螺合しておき、光学変換素子保持枠47の回動を実施する。そして、光学変換素子保持枠47の回動に応じた第1偏光板44Pの最適な位置でねじ48の螺合状態を変更することで保持枠支持板46の保持枠支持面461B上に光学変換素子保持枠47を固定できる。また、光学変換素子保持枠47は、ねじ48により保持枠支持板46に対して固定されているので、第1偏光板44Pが第2偏光板44Aに対する最適な位置からずれた場合であっても、ねじ48を緩めることで第1偏光板44Pの位置を容易に修正できる。
(8)保持枠支持板46は、光学変換素子保持枠47を支持するとともに、ピン状部材49を介して液晶パネル41R,41G,41Bを支持するので、液晶パネル41R,41G,41Bをクロスダイクロイックプリズム45に対して取り付けるための部材を省略でき、光学装置本体40Aの製造コストの低減、および光学装置本体40Aの小型化を図れる。
(9)射出側偏光板44は、第1偏光板44Pおよび第2偏光板44Aにて構成される。このことにより、射出側偏光板44を1つで構成する場合と比較して、射出側偏光板44に生じる熱を第1偏光板44Pおよび第2偏光板44Aにて按分でき、射出側偏光板44の熱劣化を回避できる。
(10)姿勢調整装置100を構成する姿勢調整部140は、照度計161にて測定された照度に基づいて、光学変換素子保持枠47を移動させて該光学変換素子保持枠47に保持された第1偏光板44Pを第2偏光板44Aに対して姿勢調整する。このことにより、第2偏光板44Aの偏光軸と第1偏光板44Pの偏光軸とを略一致させることができる。したがって、高いコントラスト比を有する光学像を形成できる光学装置40を容易に製造できる。また、この姿勢調整装置100にて第1偏光板44Pの姿勢調整を実施することで、製造される各光学装置本体40Aにて形成される光学像のコントラストのばらつきを低減できる。
(11)姿勢調整装置100を構成する姿勢調整部140は、第1偏光板44Pの姿勢調整のみならず、第2偏光板44Aを構成する水晶基板44A1および偏光膜44A2をそれぞれ姿勢調整可能に構成されているので、第2偏光板44Aを入射側偏光板42に対して最適な位置に姿勢調整することができ、また、この第2偏光板44Aに対して第1偏光板44Pの姿勢調整を実施できる。したがって、入射側偏光板42に対して第1偏光板44Pおよび第2偏光板44Aを最適な位置に位置決めすることができ、より高いコントラスト比を有する光学像を形成できる光学装置40を製造できる。
(12)姿勢調整装置100は、光学変換素子保持枠係合部146を有し、回転部143とともに光軸を中心として回動自在に構成されているので、光学変換素子保持枠47における光軸を中心とした回動を確実に実施でき、第1偏光板44Pの姿勢調整を良好に実施できる。
(13)プロジェクタ1は、高いコントラスト比を有する光学像を形成できる光学装置40を備えているので、投写レンズ50にて鮮明な投写画像を投写できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態では、光学装置本体40Aは、保持枠支持板46および光学変換素子保持枠47を備え、光学変換素子保持枠47は、保持枠支持板46の保持枠支持面461B上を摺動することで第2偏光板44Aに対する第1偏光板44Pの姿勢調整を実施する。また、第2偏光板44Aは、保持枠支持板46に保持される。
これに対して第2実施形態では、第2偏光板44Aの偏光膜44A2は、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射側端面に貼り付けられる。また、プリズム固定板452は、クロスダイクロイックプリズム45の上面に貼り付けられる。そして、光学変換素子保持枠47Bは、保持枠支持板46Bおよびプリズム固定板452に回動自在に支持され、偏光膜44A2に対する第1偏光板44Pの姿勢調整を実施する。
具体的に、図11は、第2実施形態に係る光学装置本体40Bの概略構成を示す図である。なお、図11は、液晶パネル41B側から光学装置本体40Bを見た側面図であり、説明を簡略化するために、液晶パネル41B側を適宜省略して図示している。
光学装置本体40Bは、図11に示すように、第1実施形態で説明した液晶パネル41R,41G,41B、第1偏光板44P、第2偏光板44Aの偏光膜44A2、およびピン状部材49と、クロスダイクロイックプリズム45と、保持枠支持板46Bと、光学変換素子保持枠47Bと、固定部材としてのねじ48Bとを備える。
図12は、クロスダイクロイックプリズム45の上面に固定されるプリズム固定板452を上方から見た平面図である。
台座としてのプリズム固定板452は、第1実施形態で説明したプリズム固定板451と同様に、孔451Bが形成された脚部451Aを有するとともに、上面には平面視コ字状の保持枠支持面452Aが形成されている。
保持枠支持面452Aは、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射側端面に沿って3つ形成されて平面視コ字状の形状を有する。各保持枠支持面452Aは、第1実施形態で説明した保持枠支持板46の保持枠支持面461Bと略同様に、上方に向けて凸となり、クロスダイクロイックプリズム45の各光束入射側端面に入射する光束の光軸位置を中心として平面視円弧状に形成されている。また、各保持枠支持面452Aの円弧状頂部位置には、ねじ48Bと螺合する固定部材取付部としてのねじ孔452Bがそれぞれ形成されている。
図13は、保持枠支持板46Bおよび光学変換素子保持枠47Bの構造を示す分解斜視図である。
保持枠支持板46Bは、図13に示すように、略中央部分に開口部464が形成された矩形枠状の板体で構成され、光束射出側端面がクロスダイクロイックプリズム45の光束入射側端面に接着剤等により固定される。
この保持枠支持板46Bにおいて、光束入射側端面には、図13に示すように、開口部464の上端縁近傍および下端縁近傍に、板体の面外方向に突出する突起としての3つの突起465が形成されている。これら突起465は、開口部464を通過する光束の光軸位置を中心とする仮想円の一部を構成するように形成されている。そして、これら突起465に光学変換素子保持枠47Bが係合する。
また、この保持枠支持板46Bにおいて、上端縁略中央部分および下端縁略中央部分には、図13に示すように、熱間挙動差吸収用の切り欠き466が形成されている。
光学変換素子保持枠47Bは、第1実施形態で説明した光学変換素子保持枠47と同様に、板状部材471および保持枠突出部472とを備える。
板状部材471に形成された開口部471Aの上端縁および下端縁には、保持枠支持板46Bの突起465に係合する切り欠き471Cが形成されている。この切り欠き471Cは、3つの突起465の中心位置、すなわち開口部471Aを通過する光束の光軸位置を中心とした円弧状に形成されている。
また、開口部471Aの下方側角部分には、保持枠支持板46Bに係合した際に、下方側に配置される2つのピン状部材49をそれぞれ挿通可能とする切り欠き471Dが形成されている。
なお、光学変換素子保持枠47Bの保持枠突出部472は、第1実施形態と同様であり、図13では同一符号を付して説明を省略する。
また、上述した光学装置本体40Bにおける射出側偏光板44の姿勢調整を実施するための姿勢調整装置は、第1実施形態で説明した姿勢調整装置100と略同様の構造を有するため、図示および説明を省略する。第1実施形態で説明した姿勢調整装置100と異なる点は、姿勢調整装置100の載置部120の構造が、プリズム固定板452を上方から支持する構造である点のみである。
次に、上述した光学装置本体40Bにおける第1偏光板44Pおよび偏光膜44A2の姿勢調整方法を図面に基づいて説明する。なお、第1偏光板44Pおよび偏光膜44A2の姿勢調整を実施するための姿勢調整装置は、第1実施形態で説明した姿勢調整装置100と略同様の構造であるため、以下では、姿勢調整装置100と同一の符号を付して、第1偏光板44Pおよび偏光膜44A2の姿勢調整方法を説明する。
図14は、射出側偏光板44の姿勢調整方法を説明するフローチャートである。
先ず、クロスダイクロイックプリズム45を所定位置に位置決め固定したプリズム固定板452を姿勢調整装置100の載置部120に上方から支持させる(処理S20)。
また、第1実施形態で説明した処理S2と同様に、光束射出部130から光束を射出させる(処理S21)。
次に、第1実施形態で説明した処理S8と同様に、第2偏光板44Aの偏光膜44A2を姿勢調整装置100の光学変換素子吸着部145により吸着保持させる(処理S22)。
そして、第1実施形態で説明した処理S9〜S11と同様に、偏光膜44A2および基準偏光板150を介した光束の照度に基づいて偏光膜44A2の姿勢調整を実施する(処理S23〜S25)。
処理S23〜S25を繰り返し実施した結果、処理S25において、偏光膜44A2が最適位置であると判断した場合には、姿勢調整部140をスライダ141Bによりクロスダイクロイックプリズム45に近接する方向に移動し、光学変換素子吸着部145にて吸着保持した偏光膜44A2の光束射出側端面をクロスダイクロイックプリズム45の光束入射側端面に当接させ、接着剤等により偏光膜44A2をクロスダイクロイックプリズム45に貼り付ける(処理S26)。
処理S26において偏光膜44A2をクロスダイクロイックプリズム45に貼り付けた後、光学変換素子吸着部145による偏光膜44A2の吸着状態を解除し、姿勢調整部140をスライダ141Bによりクロスダイクロイックプリズム45と離間する方向に移動する。
そして、第1偏光板44P、光学変換素子保持枠47Bおよび保持枠支持板46Bが一体化したプリポラライザユニットをクロスダイクロイックプリズム45に対して設置する(処理S27)。
具体的に、先ず、第1偏光板44Pを光学変換素子保持枠47Bの所定位置に貼り付ける(処理S271)。
次に、処理S271において第1偏光板44Pが貼り付けられた光学変換素子保持枠47Bを保持枠支持板46Bに係合させる(処理S272)。
図15は、保持枠支持板46Bの突起465を光学変換素子保持枠47Bに対してかしめた状態を示す図である。
光学変換素子保持枠47Bを保持枠支持板46Bに係合させる際には、光学変換素子保持枠47Bの開口部471A周縁に形成された切り欠き471C端縁に保持枠支持板46Bの3つの突起465を当接させるとともに、保持枠支持板46Bの光束入射側端面に光学変換素子保持枠47Bの光束射出側端面を当接させる。そして、図15に示すように、熱かしめ治具200を用いて、保持枠支持板46Bに対して光学変換素子保持枠47Bを回動自在とする圧力で保持枠支持板46Bの3つの突起465をかしめ、光学変換素子保持枠47Bを保持枠支持板46Bに係合させる。
図16は、光学変換素子保持枠47Bを保持枠支持板46Bに係合させた状態を示す図である。
熱かしめ治具200により3つの突起465をかしめると、図16に示すように、3つの突起465は、保持枠支持板46Bの開口部464と離間する方向に曲折され、光学変換素子保持枠47Bが保持枠支持板46Bに対して第1偏光板44Pに入射する光束の光軸位置を中心として回動自在に支持される。
そして、処理S272において生成したプリポラライザユニット40B1を、以下に示すように、クロスダイクロイックプリズム45に対して設置する(処理S273)。
すなわち、プリポラライザユニット40B1を構成する保持枠支持板46Bの光束射出側端面を接着剤等により、クロスダイクロイックプリズム45の光束入射側端面に固定するとともに、プリポラライザユニット40B1を構成する光学変換素子保持枠47Bの保持枠突出部472の摺動面472Bをプリズム固定板452の保持枠支持面452A上に載置する。また、プリズム固定板452に対して光学変換素子保持枠47Bを回動可能な状態となるように、ねじ48Bを保持枠突出部472のトラック孔472Cを介して保持枠支持面452Aのねじ孔452Bに螺合しておく。
処理S27においてプリポラライザユニット40B1をクロスダイクロイックプリズム45に対して設置した後、第1実施形態で説明した処理S14と同様に、姿勢調整装置100を構成する姿勢調整部140の係合突起146Bを光学変換素子保持枠47Bの係合孔472Aの凸状頂部位置に係合させる(処理S28)。
そして、第1実施形態で説明した処理S15〜S17と同様に、第1偏光板44P、偏光膜44A2および基準偏光板150を介した光束の照度に基づいて偏光膜44A2に対する第1偏光板44Pの姿勢調整を実施する(処理S29〜S31)。
処理S29〜S31を繰り返し実施した結果、処理S31において、偏光膜44A2に対して第1偏光板44Pの姿勢位置が最適位置であると判断した場合には、ねじ48Bの螺合状態を変更し、プリズム固定板452に対して光学変換素子保持枠47Bを固定する(処理S32)。
以上のような工程により、偏光膜44A2および第1偏光板44Pの姿勢調整を実施した後、ピン状部材49の外周面および一端側端部に紫外線硬化型接着剤を塗布した状態で、該ピン状部材49を液晶パネル41R,41G,41Bを構成する光変調素子保持枠412の孔413に挿通し、一端側端部を光学変換素子保持枠47Bを介して露出する保持枠支持板46Bの光束入射側端面に当接させる。そして、ピン状部材49の一端側端部と保持枠支持板46との接合部、およびピン状部材49と光変調素子保持枠412の接合部を摺動面として、液晶パネル41R,41G,41Bの相互位置を合わせながら位置調整を実施する。この後、液晶パネル41R,41G,41Bの光束入射側から紫外線を照射し、ピン状部材49と、保持枠支持板46および光変調素子保持枠412との間の紫外線硬化型接着剤を硬化させることで位置決め固定する。そして、光学装置本体40Bが製造される。
〔第2実施形態の効果〕
上述した第2実施形態によれば、上記(1)、(7)〜(13)と略同様の効果の他、以下の効果がある。
(14)光学変換素子保持枠47Bの開口部471A周縁には、円弧状の切り欠き471Cが形成されている。また、保持枠支持板46Bには、光学変換素子保持枠47Bの切り欠き471C端縁に当接する3つの突起465を有している。このことにより、保持枠支持板46Bの3つの突起465に沿って光学変換素子保持枠47Bを回動させることが容易となり、光学変換素子保持枠47Bに保持される第1偏光板44Pの姿勢調整が容易に実施できる。
(15)光学変換素子保持枠47Bには切り欠き471Cを形成し、保持枠支持板46Bには3つの突起465を形成することで、第1偏光板44Pの姿勢調整構造を構成でき、光学変換素子保持枠47Bおよび保持枠支持板46Bの形状の簡素化を図れ、これら光学変換素子保持枠47Bおよび保持枠支持板46Bの製造を容易に実施できる。
(16)光学変換素子保持枠47Bを保持枠支持板46Bに係合させる際、3つの突起465は、熱かしめ治具200により光学変換素子保持枠47Bの開口部471Aと離間する方向に折曲されるので、光学変換素子保持枠47Bがその面外方向に位置ずれしないように該光学変換素子保持枠47Bを保持枠支持板46Bに係合させることができ、保持枠支持板46Bの3つの突起465に沿って光学変換素子保持枠47Bを良好に回動させることができ、光学変換素子保持枠47Bに保持される第1偏光板44Pの姿勢調整を良好に実施できる。
(17)光学変換素子保持枠47Bは、ねじ48Bによりプリズム固定板452に固定されるので、第1偏光板44Pの姿勢調整を実施した後、第1偏光板44Pを良好な姿勢位置で確実に支持できる。
(18)プリズム固定板452は、クロスダイクロイックプリズム45の上面に固定される。また、プリズム固定板452の上面には、保持枠支持面452Aが形成されている。このことにより、保持枠支持板46Bの3つの突起465、およびプリズム固定板452の保持枠支持面452Aの双方に沿って光学変換素子保持枠47Bを回動させることができる。したがって、光学変換素子保持枠47Bを確実に支持でき、光学変換素子保持枠47Bに保持される第1偏光板44Pの姿勢調整をさらに良好に実施できる。
(19)保持枠支持面452Aは、プリズム固定板452の上面に位置し、入射光束の光軸を中心として上方に凸となり平面視円弧状に形成されている。このことにより、液晶パネル41R,41G,41Bおよびクロスダイクロイックプリズム45の間にプリズム固定板452の上方からプリポラライザユニット40B1を容易に設置できる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前記各実施形態では、光学変換素子保持枠47,47Bは、第1偏光板44Pを保持し、第2偏光板44Aまたは偏光膜44A2に対する第1偏光板44Pの姿勢調整を実施していたが、これに限らず、液晶パネル41R,41G,41Bおよびクロスダイクロイックプリズム45の間に介装される複数の光学変換素子のうちのいずれかを他の光学変換素子に対して姿勢調整する構成であればよい。
例えば、第1実施形態において、光学変換素子保持枠47が第2偏光板44Aを保持し、第1偏光板44Pが保持枠支持板46に支持固定される構成とし、光学変換素子保持枠47を保持枠支持板46に対して回動させることで、第1偏光板44Pに対する第2偏光板44Aの姿勢調整を実施してもよい。また、光学変換素子保持枠47が視野角補正板43を保持し、第1偏光板44Pおよび第2偏光板44Aが保持枠支持板46に支持固定される構成とし、光学変換素子保持枠47を保持枠支持板46に対して回動させることで、射出側偏光板44に対する視野角補正板43の姿勢調整を実施してもよい。
また、例えば、第2実施形態において、光学変換素子保持枠47Bが第2偏光板44Aを保持し、第1偏光板44Pがクロスダイクロイックプリズム45に対して支持固定される構成とし、光学変換素子保持枠47Bをプリズム固定板452および保持枠支持板46Bに対して回動させることで、第1偏光板44Pに対する第2偏光板44Aの姿勢調整を実施してもよい。
前記各実施形態では、液晶パネル41R,41G,41B側の全ての第1偏光板44Pの姿勢調整を実施する構成としたが、これに限らない。少なくとも、液晶パネル41G側の第1偏光板44Pの姿勢調整を実施すれば、高いコントラスト比を有する光学像を形成できる。
前記各実施形態では、ピン状部材49は、保持枠支持板46,46Bと別体とした構成を説明したが、これに限らず、ピン状部材49および保持枠支持板46,46Bを一体的に形成した構成としてもよい。このような構成において、光学装置本体40A,40Bを製造する際には、第2偏光板44Aに対する第1偏光板44Pの姿勢調整を実施する前に、保持枠支持板に一体的に形成されたピン状部材を液晶パネル41R,41G,41Bを構成する光変調素子保持枠412の孔413に挿通した状態で、液晶パネル41R,41G,41Bの相互の位置決めを実施しておく。
前記各実施形態では、液晶パネル41R,41G,41Bを構成する光変調素子保持枠412の孔413は、角隅部分に4つ位置するように形成されていたが、これに限らず、少なくとも2つ形成されていればよい。また、ピン状部材49もこの孔413の数に対応させて用いればよい。
前記各実施形態では、3つの液晶パネル41R,41G,41Bを用いたプロジェクタ1を説明したが、これに限らない。例えば、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、あるいは4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記第1実施形態では、保持枠支持板46の起立片462は、矩形板状体461の左右辺縁と略同じ長さを有するように形成されていたが、これに限らない。例えば、矩形板状体461の左右辺縁から複数の起立片が突設するように形成してもよい。すなわち、起立片462は、矩形板状体461と延出部463との間を所定距離空けるように形成すればよい。
また、前記第1実施形態では、延出部463は、起立片462の突出方向端部の角隅部分から対向する起立片462に向けて延出している構成を説明したが、これに限らない。例えば、起立片462の辺縁と略同じ長さを有するように形成してもよい。また、例えば、角隅部分の4つに限らず、2つでもよく、起立片462の所定の辺縁から複数の延出部463が延出する構成を採用してもよい。
前記第1実施形態では、突条部462Aは、一対の起立片462の対向する端面にそれぞれ1つずつ形成されていたが、これに限らず、2つ以上形成してもよい。このような構成では、保持枠支持板46に複数の光学変換素子を保持固定させることができる。例えば、光学変換素子としては、偏光板の他、位相差板、色補正膜等の光学補償板等を採用できる。
前記第1実施形態では、保持枠支持面461Bは、矩形板状体461に形成されていたが、これに限らず、例えば、延出部463に形成する構成を採用してもよい。この場合、光学変換素子保持枠47を保持枠支持板46に設置する際には、光学変換素子保持枠47の保持枠突出部472が光束入射側に向くこととなる。
前記第2実施形態では、光学変換素子保持枠47Bは、プリズム固定板452の保持枠支持面452Aおよび保持枠支持板46Bの突起465の双方に回動自在に支持される構成を説明したが、これに限らない。
例えば、光学変換素子保持枠47Bがプリズム固定板452の保持枠支持面452Aにのみ回動自在に支持される構成としてもよい。このような構成では、保持枠支持板46Bを省略することができ、部材の省略から光学装置本体40Bの製造コストの低減、および小型化を図れる。
また、例えば、光学変換素子保持枠47Bが保持枠支持板46Bの突起465にのみ回動自在に支持される構成としてもよい。
具体的に、図17から図19は、光学変換素子保持枠47Bが保持枠支持板46Bの突起465にのみ回動自在に支持される構成を説明するための図である。
図17に示す光学装置本体40Cでは、光学変換素子保持枠47Bには、第2実施形態で説明した保持枠突出部472のうち、摺動面472Bを含む光束射出側に突出した部分が省略されている。保持枠突出部472には、ねじ48Cを挿通可能とする孔472Dが形成されている。さらに、プリズム固定板452には、第2実施形態で説明した保持枠支持面452Aが省略されている。また、プリズム固定板452の側端面には、ねじ48Cと螺合するねじ孔452Cが形成されている。そして、光学変換素子保持枠47Bは、保持枠支持板46Bの突起465にのみ回動自在に支持され、第1偏光板44Pの姿勢調整を実施した後、プリズム固定板452の側端面にねじ48Cにより固定される。
また、図18に示す光学装置本体40Dでは、光学変換素子保持枠47Bおよびプリズム固定板452の形状は、図17と略同様に形成されている。また、光学変換素子保持枠47Bの保持枠突出部472には、ねじ48Dと螺合するねじ孔472Eが形成されている。さらに、プリズム固定板452には、側端面に沿って上方に突出する突出部452Dが形成され、この突出部452Dにはねじ48Dを挿通可能とする孔452Eが形成されている。そして、光学変換素子保持枠47Bは、保持枠支持板46Bの突起465にのみ回動自在に支持され、第1偏光板44Pの姿勢調整を実施した後、プリズム固定板452の突出部452Dにねじ48Dにより固定される。
さらに、図19に示す光学装置本体40Eでは、光学変換素子保持枠47Bおよびプリズム固定板452の形状は、図17と略同様に形成されている。また、光学変換素子保持枠47Bの保持枠突出部472において、プリズム固定板452の側端面と当接する部分には、厚み方向に窪む凹部472Fが形成されている。そして、光学変換素子保持枠47Bは、保持枠支持板46Bの突起465にのみ回動自在に支持され、第1偏光板44Pの姿勢調整を実施した後、光学変換素子保持枠47Bの凹部472Fによりプリズム固定板452の側端面との間に形成される隙間に接着剤等が充填されて固定される。
前記各実施形態において、光学変換素子の姿勢調整方法は、図8および図14に示すフローに限らない。例えば、第1実施形態では、光学変換素子として、水晶基板44A1、偏光膜44A2、および第1偏光板44Pの姿勢調整を実施していたが、第2偏光板44Aに対する第1偏光板44Pの姿勢調整のみを実施する構成としてもよい。また、第2実施形態も同様である。
また、第2偏光板44Aの水晶基板44A1および偏光膜44A2の姿勢調整と同様に、第1偏光板44Pの水晶基板と偏光膜との姿勢位置を合わせた状態で、光学変換素子保持枠47,47Bに第1偏光板44Pを貼り付ける構成としてもよい。
さらに、前記各実施形態において、姿勢調整装置100の構成、および各構成部材の形状等は、前記実施形態で説明した構成および形状に限らない。例えば、光学変換素子を姿勢調整する際に、第2偏光板44Aに対する第1偏光板44Pの姿勢調整のみを実施する構成では、基準偏光板150を省略してもよい。すなわち、第2偏光板44Aに対する第1偏光板44Pの姿勢調整のみを実施する際には、第1偏光板44Pおよび第2偏光板44Aを介した光束の照度に基づいて第1偏光板44Pの姿勢調整を実施する。
前記各実施形態において、光学変換素子の姿勢調整は、照度計161にて測定された照度に基づいて手動でマイクロメータ142を調整していたが、これに限らない。例えば、姿勢調整装置100に制御装置を設ける。また、姿勢調整部140の回転部143を回転させるためのモータ等の駆動手段を設ける。そして、照度計161にて測定された照度を制御装置に出力し、制御装置は、入力した照度を演算処理する。そして、制御装置は、演算処理した結果に基づいて、姿勢調整部140の駆動手段に制御指令を出力し、回転部143を回転駆動させて光学変換素子の姿勢調整を実施する。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の光学装置は、高いコントラスト比を有する光学像を形成できるため、プレゼンテーションやホームシアター等の分野において利用されるプロジェクタに用いられる光学装置として有用である。
本発明の第1実施形態に係る光学装置を搭載したプロジェクタの光学系を示す模式図。 前記実施形態における光学装置本体の概略構成を示す分解斜視図。 前記実施形態における保持枠支持板の構造を示す斜視図。 前記実施形態における光学変換素子保持枠の構造を示す斜視図。 前記実施形態における姿勢調整装置の構造を示す図。 前記実施形態における姿勢調整装置の構造を示す図。 前記実施形態における姿勢調整部の構造を示す図。 前記実施形態における射出側偏光板の姿勢調整方法を説明するフローチャート。 前記実施形態における射出側偏光板の姿勢調整方法を説明するための図。 前記実施形態における射出側偏光板の姿勢調整方法を説明するための図。 第2実施形態における光学装置本体の概略構成を示す図。 前記実施形態におけるクロスダイクロイックプリズムの上面に固定されるプリズム固定板を上方から見た平面図。 前記実施形態における保持枠支持板および光学変換素子保持枠の構造を示す分解斜視図。 前記実施形態における射出側偏光板の姿勢調整方法を説明するフローチャート。 前記実施形態における保持枠支持板の突出部を光学変換素子保持枠に対してかしめた状態を示す図。 前記実施形態における光学変換素子保持枠を保持枠支持板に係合させた状態を示す図。 前記実施形態の変形例を示す図。 前記実施形態の変形例を示す図。 前記実施形態の変形例を示す図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、11・・・光源装置、20・・・色分離光学系(色分離光学装置)、40・・・光学装置、41R,41G,41B・・・液晶パネル(光変調装置)、44・・・射出側偏光板(光学変換素子)、44P,44A・・・偏光板、45・・・クロスダイクロイックプリズム(色合成光学装置)、46,46B・・・保持枠支持板、47,47B・・・光学変換素子保持枠、49・・・ピン状部材、50・・・投写レンズ(投写光学装置)、100・・・姿勢調整装置、120・・・載置部、130・・・光束射出部、140・・・姿勢調整部、146・・・光学変換素子保持枠係合部、161・・・照度計、452・・・プリズム固定板(台座)、411・・・パネル本体(光変調素子)、412・・・光変調素子保持枠、412A・・・開口部、413・・・孔、461・・・矩形板状体、461A,464,471A・・・開口部、452A,461B・・・保持枠支持面、452B,461C・・・ねじ孔(固定部材取付部)、462・・・起立片、462A・・・突条部、463・・・延出部、465・・・突出部(突起)、471C・・・切り欠き、472B・・・摺動面(曲面)、472C・・・トラック孔(長孔)。

Claims (14)

  1. 複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された各色光を合成する色合成光学装置とが一体的に設けられた光学装置であって、
    前記光変調装置および前記色合成光学装置の間に介装され、入射する光束を光学的に変換する複数の光学変換素子と、
    略中央部分に入射光束透過用の開口部が形成され、前記複数の光学変換素子のうちのいずれかの光学変換素子を保持する光学変換素子保持枠とを備え、
    前記光学変換素子保持枠は、前記光学変換素子に入射する光束の光軸に直交する面内で前記光軸を中心として回動自在に構成され、前記複数の光学変換素子のうちの他の光学変換素子に対する前記保持した光学変換素子の姿勢調整を実施することを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置において、
    略中央部分に入射光束透過用の開口部が形成され、前記光学変換素子保持枠を回動自在に支持する保持枠支持板を備え、
    前記保持枠支持板の端部には、前記光学変換素子に入射する光束の光軸を中心とする円弧状の曲面として構成され、該曲面に沿って前記光学変換素子保持枠を回動自在に支持する保持枠支持面が形成され、
    前記光学変換素子保持枠には、前記保持枠支持板の保持枠支持面と当接し、前記光学変換素子の光束入射方向を軸として前記保持した光学変換素子を回動させる曲面が形成されていることを特徴とする光学装置。
  3. 請求項2に記載の光学装置において、
    前記保持枠支持板は、前記開口部が形成された矩形板状体と、この矩形板状体の互いに平行な一対の辺縁に突設され、前記矩形板状体の端縁延出方向に沿って延びる一対の起立片と、各起立片の先端に設けられ、対向する起立片に向かって延びる延出部とを備え、
    前記矩形板状体および前記延出部のいずれか一方には、前記保持枠支持面が形成され、
    前記矩形板状体、前記起立片、および前記延出部に囲まれる空間には、前記光学変換素子保持枠、および前記他の光学変換素子のうちの少なくとも1つの光学変換素子が挿入されることを特徴とする光学装置。
  4. 請求項3に記載の光学装置において、
    前記一対の起立片の内側面には、前記光学変換素子保持枠、および前記他の光学変換素子のうちの少なくとも1つの光学変換素子の挿入方向に沿って延びる突条部が形成され、
    前記光学変換素子保持枠、および前記他の光学変換素子のうちの少なくとも1つの光学変換素子は、前記突条部にて区画される前記空間にそれぞれ挿入されることを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1に記載の光学装置において、
    略中央部分に入射光束透過用の開口部が形成され、前記光学変換素子保持枠を回動自在に支持する保持枠支持板を備え、
    前記光学変換素子保持枠の開口部周縁には、前記光学変換素子に入射する光束の光軸を中心とした円弧状の切り欠きが形成され、
    前記保持枠支持板は、前記円弧状の切り欠き端縁に当接する複数の突起を有し、これら突起に沿って前記光学変換素子保持枠を回動自在に支持することを特徴とする光学装置。
  6. 請求項5に記載の光学装置において、
    前記複数の突起は、熱かしめにより前記光学変換素子保持枠の開口と離間する方向に折曲されることを特徴とする光学装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の光学装置において、
    前記色合成光学装置の複数の光束入射側端面と交差する端面のうちの少なくともいずれかの端面に固定される台座を備え、
    前記光学変換素子保持枠は、前記光学変換素子の姿勢調整を実施した後、前記台座に固定されることを特徴とする光学装置。
  8. 請求項7に記載の光学装置において、
    前記台座には、前記光学変換素子に入射する光束の光軸を中心とする円弧状の曲面として構成され、該曲面に沿って前記光学変換素子保持枠を回動自在に支持する保持枠支持面が形成され、
    前記光学変換素子保持枠には、前記台座の保持枠支持面と当接し、前記光学変換素子の光束入射方向を軸として前記光学変換素子を回動させる曲面が形成されていることを特徴とする光学装置。
  9. 請求項2から請求項4、および請求項8のいずれかに記載の光学装置において、
    前記保持枠支持面には、前記光学変換素子保持枠を固定する固定部材が取り付けられる固定部材取付部が形成され、
    前記光学変換素子保持枠の曲面には、該光学変換素子保持枠の回動方向に延び、前記固定部材が挿通される長孔が形成されていることを特徴とする光学装置。
  10. 請求項2から請求項9のいずれかに記載の光学装置において、
    前記光変調装置は、光変調を実施する光変調素子と、この光変調素子の画像形成領域と対応する開口部を有し、前記光変調素子を保持する光変調素子保持枠とを備え、
    前記光変調素子保持枠は、少なくとも2つの孔を有し、
    前記保持枠支持板は、前記光変調素子保持枠の孔に対応するピン状部材を介して前記光変調装置を支持することを特徴とする光学装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載の光学装置において、
    前記複数の光学変換素子は、入射光束の光軸方向に配置され、互いに偏光軸が平行でかつ、光吸収特性の異なる2つの偏光板を含んで構成され、
    前記光学変換素子保持枠は、前記2つの偏光板のいずれか一方に対する他方の姿勢調整を実施することを特徴とする光学装置。
  12. 複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された各色光を合成する色合成光学装置と、前記光変調装置および前記色合成光学装置の間に介装され、入射する光束を光学的に変換する複数の光学変換素子とが一体的に設けられた光学装置を製造するために、前記光学変換素子の姿勢調整を実施する光学変換素子姿勢調整装置であって、
    前記光学装置は、前記複数の光学変換素子のうちのいずれかの光学変換素子を保持し、前記光学変換素子に入射する光束の光軸に直交する面内で前記光軸を中心として回動自在に構成される光学変換素子保持枠を備え、
    当該光学変換素子姿勢調整装置は、
    前記複数の光学変換素子のうちのいずれかの光学変換素子が前記光学変換素子保持枠に保持され、前記光学変換素子保持枠が前記色合成光学装置に対して回動自在に取り付けられた状態でかつ、前記複数の光学変換素子のうちの他の光学変換素子の少なくとも1つが前記色合成光学装置に対して取り付けられた状態で前記色合成光学装置を載置固定する載置部と、
    調整用光束を射出する光束射出部と、
    前記光束射出部から射出され、前記複数の光学変換素子および前記色合成光学装置を介した光束の照度を測定する照度計と、
    前記照度計にて測定された照度に基づいて、前記光学変換素子保持枠を移動させて前記光学変換素子保持枠に保持された光学変換素子を前記光軸を中心として回動させ、前記複数の光学変換素子のうちの他の光学変換素子に対する前記保持された光学変換素子の姿勢調整を実施する姿勢調整部とを備えていることを特徴とする光学変換素子姿勢調整装置。
  13. 請求項12に記載の光学変換素子姿勢調整装置において、
    前記姿勢調整部は、前記光学変換素子保持枠に係合する係合部を有し、前記光軸を中心として回動自在に構成され、前記係合部により前記光学変換素子保持枠に係合した状態で回動することで、前記光学変換素子保持枠を回動させることを特徴とする光学変換素子姿勢調整装置。
  14. 光源と、この光源から射出された光束を複数の色光に分離する色分離光学装置と、請求項1から請求項11のいずれかに記載の光学装置と、この光学装置にて形成された光学像を拡大投写する投写光学装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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