JP4168899B2 - 光学部品用筐体、光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents
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Description
このような光学部品としては、光源から射出された光束を変調する光変調素子と、この光変調素子を挟むように配置される入射側偏光板および射出側偏光板とが用いられている。
ここで、入射側偏光板および射出側偏光板は、光変調素子に入射する偏光方向を制御するとともに、光変調素子から射出される光束の偏光方向を制御するものであり、それぞれの偏光軸が直交するように配置される。このような構成により、投射画像の高いコントラストを実現している。
このため、従来では、入射側偏光板および射出側偏光板の偏光軸同士のなす角度を調整するための調整機構を備えたプロジェクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この調整機構は、光学部品を収容する光学部品用筐体とは独立して設けられ、光学部品用筐体の所定位置に設置される。そして、光学部品用筐体の上面に形成された孔を介して調整機構を操作することにより、照明光軸と直交する面内で射出側偏光板に対する入射側偏光板の姿勢調整が実施される。
このような入射側偏光板、位相差板または視野角補正板、および射出側偏光板等の種々の光学部品に特許文献1に記載の調整機構を採用した場合には、それぞれの光学部品に対応して調整機構を設ける必要があり、光学部品用筐体内に広いスペースが必要となってしまう。このため、光学部品用筐体が大型化し、プロジェクタの小型化を阻害してしまう。
また、各調整機構を光学部品用筐体に取り付けるためには、光学部品用筐体内に各調整機構に対応する複数の取付部の形成、または、各調整機構を光学部品用筐体に固定するための例えばねじ等の複数の固定部材を必要とする。このため、複数の取付部の形成、複数の固定部材の必要性によりプロジェクタの製造コストの低減を図りにくい。
本発明では、光学部品用筐体は、下部筐体と、上面に光学部品保持枠支持面が形成された上部筐体と、第1保持枠および第2保持枠から構成される光学部品保持枠とを備える。そして、第1保持枠および第2保持枠のうちのいずれか一方の保持枠は、上部筐体の光学部品保持枠支持面上を摺動するように構成されているとともに、他方の保持枠を回動可能に支持する回転案内面を有している。このことにより、光学部品保持枠を構成する第1保持枠および第2保持枠は、一方の保持枠に形成された回転案内面を介して一体的に構成され、複数の光学部品のうち近接配置される2つの光学部品を保持できる。したがって、従来のように2つの調整機構にそれぞれ2つの光学部品を独立して保持させる構成と比較して、光学部品用筐体内部にそれほど広いスペースを必要とせず、光学部品用筐体の小型化を図れる。
また、一方の保持枠に対して他方の保持枠を固定する構成とすれば、例えば、上部筐体または下部筐体に一方の保持枠用の取付部のみを形成しておけばよく、他方の保持枠用の取付部を上部筐体または下部筐体に形成する必要がない。また、一方の保持枠に対して他方の保持枠を接着固定等により固定する構成とすれば、光学部品保持枠を上部筐体または下部筐体に固定するための固定部材も、一方の保持枠用の固定部材のみでよく、他方の保持枠用の固定部材を省略できる。したがって、取付部および固定部材を適宜省略でき、プロジェクタの製造コストの低減を図れる。
本発明によれば、一方の保持枠には、上部筐体の光学部品保持枠支持面に対応して第1曲面が形成されているので、一方の保持枠を上部筐体の光学部品保持枠支持面に沿って回動でき、一方の保持枠に保持される光学部品の位置調整を簡単な構造で容易にかつ、高精度に実施できる。
また、回転案内面は、第1曲面と対向する端面に形成されているので、例えば、一方の保持枠の一部を、光束の照明光軸を中心として湾曲した形状とすれば、湾曲状内側端面を第1曲面とし、湾曲状外側端面を回転案内面とすることができ、一方の保持枠の製造を容易に実施できる。
さらに、上部筐体の上面に光学部品保持枠支持面が形成され、一方の保持枠において、該光学部品保持枠支持面に当接する第1曲面に対向する端面に回転案内面が形成されているので、上部筐体の上方から該上部筐体に対して一方の保持枠の設置を容易に実施できるとともに、一方の保持枠の上方から該一方の保持枠に対して他方の保持枠の設置も容易に実施できる。したがって、上部筐体に対する光学部品保持枠の着脱を容易に実施でき、光学部品保持枠に保持される光学部品の交換等を容易に実施できる。
本発明によれば、他方の保持枠には、一方の保持枠の回転案内面に対応して第2曲面が形成されているので、他方の保持枠を一方の保持枠の回転案内面に沿って回動でき、他方の保持枠に保持される光学部品の位置調整を簡単な構造で容易にかつ、高精度に実施できる。
本発明では、第1保持枠および第2保持枠には、それぞれ長孔が形成され、各長孔は、少なくとも一部が互いに平面的に干渉する。また、上部筐体の光学部品保持枠支持面には、各長孔を介して挿通される固定部材が取り付けられる固定部材取付部が形成されている。このことにより、第1保持枠および第2保持枠の双方を、単一の固定部材により固定することができ、必要とする固定部材の数量を低減してプロジェクタの製造コストの低減を図れるとともに、各保持枠の回動に応じた光学部品の最適な位置で上部筐体に各保持枠を固定できる。
本発明によれば、固定部材は、螺合構造により固定部材取付部に取り付けられているので、例えば、光学部品保持枠に保持される光学部品のうちの少なくともいずれかの光学部品が照明光軸上の所定位置からずれた場合であっても、固定部材の螺合状態を緩めることで前記光学部品の位置を容易に修正できる。また、固定部材を緩めて取り外すだけで前記光学部品の交換等を実施でき、各保持枠の着脱を容易に実施できる。したがって、各保持枠が接着剤等で接着固定される構成と比較して、上部筐体に対する各保持枠の着脱を容易かつ迅速に実施できる。
また、各保持枠に長孔がそれぞれ形成されているので、各光学部品の位置調整を実施する際に、固定部材の螺合状態を緩めた状態で実施でき、各光学部品の位置調整を容易に実施できるとともに、位置調整後の固定を容易かつ確実に実施できる。
ここで、調整部材としては、棒状であればよく、例えば、ドライバ等の工具等を採用できる。
本発明によれば、上部筐体には、調整部材先端支持部が形成され、一方の保持枠には、切り欠きが形成されているので、例えば、ドライバ等の調整部材を一方の保持枠の切り欠きに挿通して調整部材の先端を調整部材先端支持部に支持させ、調整部材先端支持部を中心として調整部材を移動することで、調整部材の側面と切り欠きの側面とが当接し、調整部材の移動方向に一方の保持枠を移動でき、一方の保持枠を光学部品保持枠支持面上で摺動させることができる。すなわち、一方の保持枠を回動させ、該一方の保持枠に保持される光学部品の位置調整を容易に実施できる。また、一方の保持枠を移動させるために、専用の光軸調整治具を用いなくても、容易に光学部品の位置調整を実施できる。
本発明によれば、他方の保持枠には、移動操作部が形成されているので、例えば、移動操作部を手で掴み、移動操作部を移動させることで、他方の保持枠を回転案内面上で摺動させることができる。すなわち、他方の保持枠を回動させ、該他方の保持枠に保持される光学部品の位置調整を容易に実施できる。したがって、他方の保持枠を移動させるために、専用の光軸調整治具を用いなくても、容易に光学部品の位置調整を実施できる。
本発明によれば、光学装置は、上述した光学部品用筐体を備えているので、上述した光学部品用筐体と同様の作用・効果を享受できる。
また、光学装置は、光学部品の位置調整可能な光学部品用筐体を備えているので、各光学部品の相互の位置ずれを回避し、良好な光学像を形成できる。
ここで、偏光板としては、光変調装置の光路前段および光路後段に配置される入射側偏光板および射出側偏光板の双方を採用できる。
また、光学補償手段は、入射側偏光板または射出側偏光板と、光変調装置との間に介装される視野角補正板等を採用できる。
そして、光学部品保持枠としては、近接配置される2つの光学部品を保持する構成とすればよく、例えば、第1保持枠にて入射側偏光板を保持し、第2保持枠にて視野角補正板を保持する構成としてもよく、第1保持枠にて射出側偏光板を保持し、第2保持枠にて視野角補正板を保持する構成としてもよい。特に、第1保持枠にて入射側偏光板を保持し、第2保持枠にて視野角補正板を保持する構成が好ましい。
本発明によれば、光学部品保持枠は、偏光板および光学補償手段を保持するので、例えば、第1保持枠にて入射側偏光板を保持し、第2保持枠にて視野角補正板を保持する構成とした場合には、第1保持枠を上部筐体に対して回動させることで、射出側偏光板に対する入射側偏光板の偏光軸の角度調整を実施できるとともに、第2保持枠を第1保持枠に対して回動させることで、視野角補正板における視野角調整も実施できる。したがって、本発明の光学装置によれば、高コントラストかつ視野角の良好な光学像を形成できる。
本発明によれば、プロジェクタは、上述した光学装置を備えているので、上述した光学装置と同様の作用・効果を享受できる。
また、例えば、3つの光変調装置と、これら光変調装置にて変調された変調光を合成する色合成光学装置を備える三板式のプロジェクタの場合、各光変調装置に対応する偏光板および視野角補正板を3つの光学部品保持枠にてそれぞれ位置調整する構成とすれば、高コントラスト比を実現しつつ、光変調装置毎に生じる視野角依存性による画面ムラを抑制し、色むらのない投射画像を形成できる。
〔プロジェクタの主な構成〕
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1の概略構成を示す図である。
プロジェクタ1は、全体略直方体形状の外装ケース2と、プロジェクタ1内に滞留する熱を冷却する冷却ユニット3と、光源から射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成する光学装置としての光学ユニット4と、図示しない電源ケーブルを介して外部から供給された電力をプロジェクタ1の構成部材に供給する電源ユニット5とを備えて構成されている。
アッパーケース21の背面には、電源ユニット5に対向する位置(図1中左側)に、冷却ユニット3によって外部から冷却空気を吸引するための吸気口213が形成されている。また、アッパーケース21の背面には、図示は省略するが、コンピュータ接続用の接続部や、ビデオ入力端子、オーディオ機器接続端子等の各種の機器接続用端子が設けられており、該背面の内側には、映像信号等の信号処理を行う信号処理回路が実装されたインターフェース基板が配置されている。
ロアーケース22の背面には、図示は省略するが、アッパーケース21の背面に形成された吸気口213と連続して、冷却ユニット3によって外部から冷却空気を吸引するための吸気口が形成されている。
ロアーケース22の前面には、切欠部221が形成され、アッパーケース21と組み合わされた状態で、上述した切欠部211と連続して円形の開口部2Aを形成する。また、開口部2Aの反対側の位置には、アッパーケース21の前面に形成された排気口212と連続して、冷却ユニット3によって、プロジェクタ1内部で温められた空気を外部に排出するための排気口222が形成されている。
光学ユニット4は、詳細については後述するが、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成し、この光学像を拡大して投射するユニットである。この光学ユニットは、図1または図2に示すように、外装ケース2内において、前面側から背面側に延び、さらに、背面側に沿って延び、さらにまた、背面側から前面側へと延びる平面略U字形状を有している。この光学ユニット4は、図示は省略するが、電源ユニット5と電気的に接続している。また、この光学ユニット4の上方には、画像情報に応じて光学像を投射するために、画像情報を取り込んで制御および演算処理等を行い、後述する光変調装置となる各液晶パネルを制御する制御基板が配置される。
図3は、光学ユニット4の光学系を模式的に示す図である。
光学ユニット4は、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、電気光学装置44と、投射光学装置としての投射レンズ46と、これらの光学部品41〜44を内部に収納するとともに,投射レンズ46を所定位置で支持固定する合成樹脂製の光学部品用筐体47(図2)とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、電気光学装置44を構成する後述する各液晶パネルの画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、光源装置413と、第1レンズアレイ418と、第2レンズアレイ414と、偏光変換装置415と、反射ミラー424と、重畳レンズ419とを備えている。
リフレクタ412としては、放物面鏡を用いている。なお、放物面鏡の他、平行化凹レンズと共に楕円面鏡を用いてもよい。
第2レンズアレイ414は、第1レンズアレイ418と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ414は、重畳レンズ419とともに、第1レンズアレイ418の各小レンズの像を後述する液晶パネル上に結像させる機能を有している。
具体的に、偏光変換装置415によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ419によって最終的に電気光学装置44の後述する各液晶パネル上にほぼ重畳される。偏光光を変換するタイプの液晶パネルを用いた本実施形態のプロジェクタ1では、1種類の偏光光しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発する光源ランプ411からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換装置415を用いることにより、光源ランプ411から射出された光束を略全て1種類の偏光光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学系42で分離された色光を青色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
液晶パネル441R,441G,441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R,441G,441Bとこれらの光束入射側および射出側にある偏光板442によって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
入射側偏光板442Aは、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、水晶またはサファイア等からなる基板に偏光膜が貼付されたものである。そして、この入射側偏光板442Aは、光学部品用筐体47を構成する後述する位置調整機構により、光学部品用筐体47内に設定される所定の照明光軸に対して位置調整可能に配置されている。なお、前記位置調整機構については、光学部品用筐体47を説明する際に説明する。
射出側偏光板442Bも、入射側偏光板442Aと略同様に構成され、液晶パネル441(441R,441G,441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、基板を用いずに、偏光膜をクロスダイクロイックプリズム443に貼り付けてもよい。
これらの入射側偏光板442A、射出側偏光板442Bは、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
投射レンズ46は、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成され、クロスダイクロイックプリズム443で合成されたカラー画像をスクリーン上に拡大投射する。この投射レンズ46には、複数のレンズの相対位置を変更するレバー46Aを備え、投射されるカラー画像のフォーカス調整および倍率調整可能に構成されている。
光学部品用筐体47は、前述の各光学部品414〜419,421〜423,431〜434を上方からスライド式に嵌め込む溝部がそれぞれ設けられた下部筐体471(図2)と、下部筐体471の上部の開口側を閉塞する蓋状の上部筐体472(図2)と、上部筐体472の一部を含み、入射側偏光板442Aおよび視野角補正板444の双方の位置調整を実施する位置調整機構445(図2)とを備えて構成されている。
また、平面略U字状の光学部品用筐体47の一端側には、光源装置413が収容され、他端側には、該光学部品用筐体47内に設定される照明光軸に対する所定位置に投射レンズ46が固定されている。また、投射レンズ46の光路前段には、電気光学装置44が固定されている。
図4ないし図6は、位置調整機構445を説明する図である。具体的に、図4は、上部筐体472における電気光学装置44側の一部分を上方から見た図である。図5は、位置調整機構445を構成する光学部品保持枠446を上方から見た斜視図である。図6は、位置調整機構445を構成する光学部品保持枠446を下方から見た斜視図である。
位置調整機構445は、図2に示すように、入射側偏光板442Aおよび視野角補正板444の双方を保持する光学部品保持枠446と、上部筐体472の上面に位置し、光学部品保持枠446を姿勢調整可能に支持する保持枠姿勢調整部447とで構成される。なお、図2では、液晶パネル441B側の位置調整機構445は、保持枠姿勢調整部447を詳細に示すために光学部品保持枠446を省略している。
偏光板保持枠4461は、図7に示すように、略矩形板状の第1板状部材4461Aと、この第1板状部材4461Aの上方側端縁から板面の略法線方向に突出する第1保持枠突出部4461Bとを備え、これら第1板状部材4461Aおよび第1保持枠突出部4461Bが一体的に形成されたものである。
第1板状部材4461Aにおいて、その略中央部分には、開口部4461A1が形成されている。
また、第1板状部材4461Aにおいて、開口部4461A1の周縁部分には、厚み方向に窪む凹部4461A2が形成されている。この凹部4461A2は、入射側偏光板442Aの外形寸法と略同一の寸法を有し、その上端縁および下端縁には、第1板状部材4461Aから光束射出側に突出し、入射側偏光板442Aの外形位置基準面として機能する位置決め部4461A3が形成されている。そして、入射側偏光板442Aは、その外形を位置決め部4461A3に合わせることで偏光板保持枠4461に対する位置が規定され、接着剤等を介して凹部4461A2の所定位置に保持固定される。なお、接着剤等により接着固定する構成の他、例えば、凹部4461A2から入射側偏光板442Aの厚み寸法よりも長い寸法を有する突出部を突出させ、前記突出部を熱かしめ等により折曲して入射側偏光板442Aを偏光板保持枠4461にかしめ固定する構成としてもよい。
さらにまた、第1板状部材4461Aにおいて、左右側端縁略中央部分には、第1板状部材4461Aの板面に沿って外側に膨出する第1膨出部4461A5が形成されている。そして、偏光板保持枠4461を下部筐体471内に設置した際には、下部筐体471内に形成された図示しない溝部に第1膨出部4461A5が挿入され、偏光板保持枠4461が下部筐体471内に設定された照明光軸に沿った方向に移動することを防止する。また、第1膨出部4461A5は、平面視略円弧状に形成されているので、下部筐体471内に偏光板保持枠4461を設置した際でも、該偏光板保持枠4461を円滑に回動することができる。
この第1保持枠突出部4461Bは、保持枠支持部4471の光学部品保持枠支持面4471A(図4)に対応して、下方に向けて凹状に湾曲し、光束入射側または光束射出側から見た場合に、略円弧状に形成されている。
また、第1保持枠突出部4461Bにおける上方側端面が回転案内面4461B2(図7)となり、補正板保持枠4462は、回転案内面4461B2上に摺動可能に支持される。
さらに、この第1保持枠突出部4461Bにおいて、第1板状部材4461Aに対する該第1保持枠突出部4461Bの先端部分は、偏光板保持枠4461の移動を操作する偏光板移動操作部4461B4となる。この偏光板移動操作部4461B4の幅寸法は、保持枠姿勢調整部447の2つの回転防止規制部4473(図4)の離間した距離寸法よりも小さく形成されている。また、この偏光板移動操作部4461B4の幅方向略中央部分の切り欠き4461B5は、保持枠支持部4471上に偏光板保持枠4461を設置した際、保持枠姿勢調整部447における調整部材先端支持部4472(図4)の位置に対応する。
補正板保持枠4462は、図8に示すように、略矩形板状の第2板状部材4462Aと、この第2板状部材4462Aの上方側端縁から板面の略法線方向に突出する第2保持枠突出部4462Bとを備え、これら第2板状部材4462Aおよび第2保持枠突出部4462Bが一体的に形成されたものである。
第2板状部材4462Aにおいて、その略中央部分には、開口部4462A1が形成されている。
また、第2板状部材4462Aにおいて、上下端縁および左右端縁の角隅部分には、第2板状部材4462Aから光束射出側に突出し、視野角補正板444の外形位置基準面として機能する位置決め部4462A2が形成されている。そして、視野角補正板444は、その外形を位置決め部4462A2に合わせることで補正板保持枠4462に対する位置が規定され、接着剤等を介して第2板状部材4462Aの所定位置に保持固定される。なお、接着剤等により接着固定する構成の他、例えば、第2板状部材4462Aの上下端縁および左右端縁から視野角補正板444の厚み寸法よりも長い寸法を有する突出部を突出させ、前記突出部を熱かしめ等により折曲して視野角補正板444を補正板保持枠4462にかしめ固定する構成としてもよい。
さらにまた、第2板状部材4462Aにおいて、左右側端縁略中央部分には、第2板状部材4462Aの板面に沿って外側に膨出する第2膨出部4462A4が形成されている。そして、補正板保持枠4462を下部筐体471内に設置した際には、下部筐体471内に形成された図示しない溝部に第2膨出部4462A4が挿入され、補正板保持枠4462が下部筐体471内に設定された照明光軸に沿った方向に移動することを防止する。また、第2膨出部4462A4は、平面視略円弧状に形成されているので、下部筐体471内に補正板保持枠4462を設置した際でも、該補正板保持枠4462を円滑に回動することができる。
突出部4462B1には、一方の端縁(図8中左側の端縁)から上方に向けて突出する移動操作部としての補正板移動操作部4462B3が形成されている。
保持枠支持部4471上に偏光板保持枠4461を設置し、さらに、この偏光板保持枠4461上に補正板保持枠4462を設置した状態では、各トラック孔4461B3,4462B5の一部が平面的に干渉し、各トラック孔4461B3,4462B5を介して保持枠支持部4471の固定用孔4471B(図4)が露出する。そして、図5または図6に示すように、固定部材としてのねじ4463をトラック孔4461B3,4462B5に挿通し、固定用孔4471B(図4)に螺合することで、該ねじ4463により偏光板保持枠4461および補正板保持枠4462の双方が保持枠支持部4471上に固定される。
入射側偏光板442Aおよび視野角補正板444の位置調整を実施する際には、偏光板保持枠4461に入射側偏光板442Aを保持させた状態で、保持枠支持部4471の光学部品保持枠支持面4471A上に偏光板保持枠4461の第1曲面4461B1を当接させ、偏光板保持枠4461を上部筐体472に設置する。また、補正板保持枠4462に視野角補正板444を保持させた状態で、偏光板保持枠4461の回転案内面4461B2上に補正板保持枠4462の第2曲面4462B4が当接するように、補正板保持枠4462を偏光板保持枠4461に設置する。
そして、ねじ4463を、補正板保持枠4462のトラック孔4462B5および偏光板保持枠4461のトラック孔4461B3(図7)を介して保持枠支持部4471の固定用孔4471Bに緩めた状態で螺合させる。
そして、ドライバDRの先端を支点として該ドライバDRを左右に移動させることで、ドライバDRの側面と切り欠き4461B5の端縁とが当接し、ドライバDRの移動方向に沿って、偏光板保持枠4461が保持枠支持部4471の光学部品保持枠支持面4471A上を摺動する。この偏光板保持枠4461の摺動により、入射側偏光板442Aは、光学部品用筐体47内に設定された照明光軸を中心として該照明光軸と直交する面内で位置調整される。
ここで、偏光板保持枠4461の偏光板移動操作部4461B4の幅寸法は、保持枠姿勢調整部447の2つの回転防止規制部4473の離間した距離寸法よりも小さく形成されているので、偏光板保持枠4461を保持枠支持部4471の光学部品保持枠支持面4471A上を摺動させることができる。さらに、偏光板保持枠4461の摺動時に偏光板移動操作部4461B4の端部が回転防止規制部4473に当接することで偏光板保持枠4461の移動時の終端位置を規定できる。
これら入射側偏光板442Aおよび視野角補正板444の位置調整を終了した後、ねじ4463を締め、該ねじ4463により偏光板保持枠4461および補正板保持枠4462の双方を上部筐体472に螺合固定する。
そしてまた、補正板保持枠4462は、偏光板保持枠4461に固定される構成であるので、上部筐体472に偏光板保持枠4461を保持固定する保持枠支持部4471のみを設けることで、補正板保持枠4462および偏光板保持枠4461の双方を保持枠支持部4471に固定することができる。したがって、補正板保持枠4462を保持固定するための取付部を上部筐体472または下部筐体471に形成する必要がなく、光学部品用筐体47の製造コストの低減を図れる。
さらに、回転案内面4461B2は、第1曲面4461B1に対向する端面に形成されているので、第1保持枠突出部4461Bを光束の照明光軸を中心とした湾曲形状とすることで、湾曲状内側端面を第1曲面4461B1とし、湾曲状外側端面を回転案内面4461B2とすることができ、偏光板保持枠4461の製造を容易に実施できる。
さらにまた、上部筐体472の上面に光学部品保持枠支持面4471Aが形成され、偏光板保持枠4461において、光学部品保持枠支持面4471Aに当接する第1曲面4461B1に対向する端面に回転案内面4461B2が形成されているので、上部筐体472の上方から該上部筐体472に対して偏光板保持枠4461の設置を容易に実施できるとともに、偏光板保持枠4461の上方から該偏光板保持枠4461に対して補正板保持枠4462の設置も容易に実施できる。したがって、上部筐体472に対する光学部品保持枠446の着脱を容易に実施でき、光学部品保持枠446に保持される入射側偏光板442Aおよび視野角補正板444の交換等を容易に実施できる。
また、偏光板保持枠4461および補正板保持枠4462は、ねじ4463および固定用孔4471Bの螺合構造により上部筐体472に固定されるので、例えば、入射側偏光板442Aまたは視野角補正板444が照明光軸上の所定位置からずれた場合であっても、ねじ4463を緩めることで入射側偏光板442Aまたは視野角補正板444の位置を容易に修正できる。また、ねじ4463を緩めて取り外すだけで入射側偏光板442Aまたは視野角補正板444の交換等を実施でき、各保持枠4461,4462の着脱を容易に実施できる。したがって、各保持枠4461,4462が接着剤等で上部筐体472に接着固定される構成と比較して、上部筐体472に対する各保持枠4461,4462の着脱を容易かつ迅速に実施できる。
さらに、各保持枠4461,4462にトラック孔4461B3,4462B5がそれぞれ形成されているので、入射側偏光板442Aおよび視野角補正板444の位置調整を実施する際に、ねじ4463を緩めた状態で実施でき、入射側偏光板442Aおよび視野角補正板444の位置調整を容易に実施できるとともに、位置調整後の固定を容易かつ確実に実施できる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
前記実施形態では、第1保持枠としての偏光板保持枠4461にて入射側偏光板442Aを保持し、第2保持枠としての補正板保持枠4462にて視野角補正板444を保持する構成を説明したが、これに限らず、第1保持枠および第2保持枠にその他の近接配置される2つの光学部品をそれぞれ保持させる構成を採用してもよい。例えば、この光学部品としては、入射側偏光板442A、視野角補正板444の他、射出側偏光板442B、位相差板、色補正膜等が例示できる。
前記実施形態では、偏光板保持枠4461に第1曲面4461B1および回転案内面4461B2を形成し、補正板保持枠4462に第2曲面4462B4を形成していたが、これに限らない。例えば、補正板保持枠4462に前記実施形態で説明した第1曲面4461B1と、補正板保持枠4462の第2板状部材4462Aの光束入射側端面から突出する突出部とを形成し、この突出部の突出方向に沿う端面に回転案内面を形成する。そして、偏光板保持枠4461に前記突出部に対応する孔を形成し、この孔の内周縁を前記回転案内面と当接する第2曲面とする。
前記実施形態では、偏光板保持枠4461および補正板保持枠4462をドライバDR等を用いて手動にて移動させる構成を説明したが、専用の光軸調整治具を用いて実施してもよい。すなわち、入射側偏光板442Aおよび視野角補正板444の位置調整の程度に応じて、ドライバDR等を用いて手動にて実施するか、または、専用の光軸調整治具を用いて実施するかを適宜選択すればよい。なお、偏光板保持枠4461を光軸調整治具により移動させる場合には、偏光板保持枠4461の係合部4461A4に光軸調整治具の一部を係合させればよい。また、補正板保持枠4462を光軸調整治具により移動させる場合には、補正板移動操作部4462B3と光軸調整治具の一部を係合させてもよいし、補正板保持枠4462に係合部4461A4と同様の係合部を形成し、該係合部に光軸調整治具の一部を係合させる構成としてもよい。
前記実施形態では、光学ユニット4は、平面視略U字状の形状を有していたが、その他の形状を採用してもよく、例えば、平面視略L字状の形状としてもよい。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを説明したが、本発明では、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (10)
- 内部に光源から射出された光束の照明光軸が設定され、複数の光学部品を収納して前記照明光軸上の所定位置に配置する光学部品用筐体であって、
前記複数の光学部品が設置される下部筐体と、前記下部筐体を閉塞する蓋状の上部筐体と、前記複数の光学部品のうちの少なくともいずれかを保持し、前記下部筐体内の所定位置に前記光学部品を設置する光学部品保持枠とを備え、
前記上部筐体の上面には、前記光束の照明光軸を中心とする円弧状の曲面として構成され、前記光学部品保持枠を回動可能に支持する光学部品保持枠支持面が形成され、
前記光学部品保持枠は、前記複数の光学部品のうちのいずれかの光学部品を保持する第1保持枠と、前記第1保持枠に保持される光学部品に近接配置される光学部品を保持する第2保持枠とを備え、
前記第1保持枠および前記第2保持枠のうちのいずれか一方の保持枠は、前記上部筐体の光学部品保持枠支持面上を摺動するように構成されているとともに、前記光束の照明光軸を中心とする円弧状の曲面として構成され、他方の保持枠を回動可能に支持する回転案内面を有していることを特徴とする光学部品用筐体。 - 請求項1に記載の光学部品用筐体において、
前記一方の保持枠には、前記上部筐体の光学部品保持枠支持面と当接し、保持した光学部品の光束入射方向を軸として該光学部品を回動させる第1曲面が形成され、
前記回転案内面は、前記第1曲面に対向する端面に形成されていることを特徴とする光学部品用筐体。 - 請求項1または請求項2に記載の光学部品用筐体において、
前記他方の保持枠には、前記一方の保持枠の回転案内面と当接し、保持した光学部品の光束入射方向を軸として該光学部品を回動させる第2曲面が形成されていることを特徴とする光学部品用筐体。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学部品用筐体において、
前記第1保持枠および前記第2保持枠には、回動方向に沿って延び、少なくとも一部が互いに平面的に干渉する長孔がそれぞれ形成され、
前記上部筐体の光学部品保持枠支持面には、前記各長孔を介して挿通され前記第1保持枠および前記第2保持枠の双方を固定する固定部材が取り付けられる固定部材取付部が形成されていることを特徴とする光学部品用筐体。 - 請求項4に記載の光学部品用筐体において、
前記固定部材は、螺合構造により前記固定部材取付部に取り付けられることを特徴とする光学部品用筐体。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学部品用筐体において、
前記上部筐体の上面には、前記光学部品の位置を調整する棒状の調整部材の先端を支持し、前記調整部材が移動する際の支点となる調整部材先端支持部が形成され、
前記一方の保持枠には、前記調整部材が挿通され、前記調整部材の側面と当接する切り欠きが形成されていることを特徴とする光学部品用筐体。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載の光学部品用筐体において、
前記他方の保持枠には、上方に向けて突出し、前記他方の保持枠を前記一方の保持枠の回転案内面上を摺動させるための移動操作部が形成されていることを特徴とする光学部品用筐体。 - 光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、前記複数の光学部品を内部に収納する、請求項1から請求項7のいずれかに記載の光学部品用筐体とを備えていることを特徴とする光学装置。
- 請求項8に記載の光学装置において、
前記複数の光学部品は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、入射する光束の偏光軸を変換する偏光板と、前記光変調装置から射出される光束の視野角を拡大する光学補償手段とを含んで構成され、
前記光学部品保持枠は、前記偏光板および前記光学補償手段を保持することを特徴とする光学装置。 - 光源と、前記光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置と、前記光変調装置で形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、
請求項8または請求項9に記載の光学装置を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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