JP2004239948A - 偏光変換装置、この偏光変換装置を備えた照明光学装置、およびプロジェクタ - Google Patents

偏光変換装置、この偏光変換装置を備えた照明光学装置、およびプロジェクタ Download PDF

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Abstract

【課題】偏光変換素子本体の温度上昇を低減し、機能的信頼性を確保できる偏光変換装置、この偏光変換装置を備える照明光学装置、およびプロジェクタを提供する。
【解決手段】偏光変換装置415は、保持部材4151と、偏光変換素子本体4152とを備えている。保持部材4151は、偏光変換素子本体4152を保持するとともに、偏光変換素子本体4152を光学部品用筐体に取り付ける。この保持部材4151は、偏光変換素子本体4152の偏光分離膜に応じた位置に、光源から射出された光束を通過させる開口部4151Eと、偏光変換素子本体4152の反射膜に応じた位置に、光源から射出された光束の一部を遮断する遮光部4151Fとを備え、偏光変換素子本体4152を保持した状態で、遮光部4151Fと偏光変換素子本体4152の光束入射側端面との間に所定の隙間が形成される。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光変換装置、この偏光変換装置を備えた照明光学装置、およびプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来、会議、学会、展示会等でのプレゼンテーションにプロジェクタが多用されている。このようなプロジェクタは、光学部品用筐体内に複数の光学部品を収納し、これらの光学部品を介して、光源から射出された光束を変調した後に拡大投写して投写画像を形成している。これらの光学部品として、光束の利用効率を高め、明るい投写画像を確保するために、光源から射出された光束を1種類の直線偏光光に変換する偏光変換装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
偏光変換装置は、入射光束に対して傾斜配置され、光源からの光束を透過および反射させて2種類の直線偏光光に分離させる偏光分離膜、この偏光分離膜で反射された直線偏光光を反射する反射膜、これら偏光分離膜と反射膜との間に介在し、偏光分離膜と反射膜とを交互に複数配列させる透光性部材、および、この透光性部材の光束射出側に貼り付けられ、反射膜から射出された光束の偏光軸を変換する位相差板を含む偏光変換素子本体と、この偏光変換素子本体の光束入射側に設けられ、反射膜への光束の入射を遮断する遮光板とを備えている。
このうち、遮光板は、遮光部と開口部とがストライプ状に配列されて構成されている。そして、この遮光板は、遮光部および開口部を含む全面が偏光変換素子本体の光束入射側端面に接触した状態で配置される。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−337226号公報(図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年では、プロジェクタにおいて、投影される画像の鮮明性を向上させるために高輝度化が図られている。そして、この高輝度化に伴い、光源から射出される光束のうち、不要光を遮断する機能を有する遮光板の遮光部は熱を発生しやすくなっている。
しかしながら、従来の偏光変換装置では、遮光板は、その全面が偏光変換素子本体の光束入射側端面に接触した状態で配置されているので、遮光板の遮光部にて発生した熱が偏光変換素子本体へと伝達されやすい。このため、偏光変換素子本体の位相差板等が高温化し、偏光変換素子本体の有する本来の機能的信頼性を低下させてしまう、という問題がある。
【0006】
本発明の目的は、偏光変換素子本体の温度上昇を低減し、機能的信頼性を確保できる偏光変換装置、この偏光変換装置を備える照明光学装置、およびプロジェクタを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の偏光変換装置は、入射光束に対して傾斜配置され、この入射光束を2種類の直線偏光光束に分離する複数の偏光分離膜、各偏光分離膜の間に交互に並行配置され、前記偏光分離膜で分離されたいずれか一方の直線偏光光束を反射する複数の反射膜、これらの偏光分離膜および反射膜が設けられる透光性部材、および、この透光性部材の光束射出側に設けられ、前記偏光分離膜で分離されたいずれか一方の直線偏光光束の偏光軸を他方の直線偏光光束の偏光軸に変換する複数の位相差板を含んで構成される偏光変換素子本体と、この偏光変換素子本体の光束入射側に設けられ、前記偏光変換素子本体を保持するとともに、前記偏光変換素子本体を光学部品用筐体に取り付ける保持部材とを備え、前記保持部材は、前記偏光分離膜に応じた位置に、前記光源から射出された光束を通過させる開口部と、前記反射膜に応じた位置に、前記光源から射出された光束の一部を遮断する遮光部とを備え、前記偏光変換素子本体を保持した状態で、前記遮光部と前記偏光変換素子本体の光束入射側端面との間に所定の隙間が形成されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、偏光変換装置では、保持部材が偏光変換素子本体を保持した状態で、保持部材の遮光部と偏光変換素子本体との間に所定の隙間が形成されるので、光源から射出される光束のうちの不要光によって遮光部に熱が発生した場合であっても、遮光部から偏光変換素子本体への熱伝達を回避できる。したがって、偏光変換素子本体の位相差板等の温度上昇による熱損傷を回避し、偏光変換素子本体の有する本来の機能的信頼性を確保できる。
【0009】
本発明の偏光変換装置では、前記保持部材は、前記偏光変換素子本体の光束入射側端面が貼り付けられる貼付面を有し、前記貼付面と前記偏光変換素子本体との間には、スペーサが介装されることが好ましい。
本発明によれば、保持部材の貼付面と偏光変換素子本体の光束入射側端面との間にスペーサが介装されるので、該スペーサにより保持部材と偏光変換素子本体との間に隙間が形成され、すなわち、保持部材の遮光部と偏光変換素子本体の光束入射側端面との間に隙間を形成できる。したがって、簡単な構造で保持部材の遮光部から偏光変換素子本体への熱伝達を回避できる。
【0010】
本発明の偏光変換装置では、前記保持部材は、前記偏光変換素子本体の光束入射側端面が貼り付けられる貼付面を有し、前記遮光部は、前記偏光変換素子本体の光束入射側端面から離間する方向に前記貼付面に対して段落ちしていることが好ましい。
ここで、保持部材において、貼付面に対する遮光部の位置としては、以下に示すような種々の構造を採用できる。
例えば、保持部材を略中央部分に開口が形成された板状部材にて構成し、一方の端面を貼付面とする。そして、開口内側に開口部分を残しつつ、開口内側端部から折曲して貼付面から離間する方向に遮光部を形成し、開口部分と遮光部とが交互に配置されるように形成する。この遮光部の折曲により貼付面に対して該遮光部が段落ちし、遮光部と偏光変換素子本体の光束入射側端面との間に所定の隙間が形成される。
また、例えば、保持部材を、略中央部分に開口が形成された板状部材と、この板状部材の一方の端面に一体的に形成され、開口部および遮光部を備えた板状の遮光マスクとで構成する。そして、板状部材の他方の端面を貼付面とする。この構成では、板状部材の厚み分、貼付面に対して遮光部が段落ちし、遮光部と偏光変換素子本体の光束入射側端面との間に所定の隙間が形成される。
本発明によれば、遮光部は、偏光変換素子本体の光束入射側端面から離間する方向に前記貼付面に対して段落ちしているので、保持部材の貼付面に偏光変換素子本体の光束入射側端面を貼り付けた状態で、該遮光部と偏光変換素子本体との間に所定の隙間を形成できる。したがって、簡単な構造で遮光部と偏光変換素子本体との間に隙間を形成できるとともに、保持部材に対する偏光変換素子本体の保持を容易に実施できる。
【0011】
本発明の偏光変換装置では、前記隙間の寸法Tは、0mm<T≦0.5mmの範囲にあることが好ましい。
ここで、偏光変換素子本体の光束入射側端面と保持部材の遮光部との間の隙間の寸法Tが0.5mmよりも大きい場合には、以下に示すように、光の利用効率の向上を図ることが困難となる。
例えば、光源から射出され、開口部および遮光部を介した光束は、回折を起こす。そして、隙間の寸法Tが0.5mmよりも大きい場合では、この回折光が偏光変換素子本体の反射膜へ入射してしまい、不要光を生成してしまう。
本発明によれば、隙間の寸法Tが0mm<T≦0.5mmの範囲にあるので、偏光変換素子本体の有する本来の機能的信頼性を確保するとともに、例えば、隙間において、回折光が反射膜へと入射することを回避し、光源から射出される光束の利用効率を向上できる。
【0012】
本発明の偏光変換装置では、前記保持部材は、板状部材から構成され、該端縁から外側に向けて延出して前記光学部品用筐体と係合する係合部を備えていることが好ましい。
本発明では、保持部材は、係合部を備え、偏光変換素子本体を保持するとともに、光学部品用筐体と係合して該偏光変換素子本体を光学部品用筐体の所定位置に固定する。このことにより、光学部品用筐体から偏光変換装置を容易に着脱でき、例えば偏光変換素子本体を交換する場合でも、保持部材と光学部品用筐体との係合状態を解除することで容易に実施できる。
【0013】
本発明の偏光変換装置では、前記保持部材は、前記偏光変換素子本体の外周端部を支持する支持部が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、保持部材には支持部が形成されているので、該保持部材による偏光変換素子本体の保持状態を良好に維持できる。
また、例えば、保持部材に偏光変換素子本体を保持させる際に、支持部を偏光変換素子本体の外形位置基準面として構成しておけば、保持部材の所定位置に偏光変換素子本体を容易に保持させることができ、偏光変換素子本体の所定箇所に対する遮光部の位置を高精度に調整できる。したがって、遮光部による不要光の遮断性を向上でき、光源からの光束を有効に利用できる。
【0014】
本発明の偏光変換装置では、前記保持部材は、金属製材料から構成されていることが好ましい。
本発明によれば、保持部材が金属製材料から構成されているので、偏光変換素子本体を保持する部材としての剛性を十分に確保できる。また、熱伝導性の高い金属製であるため、例えば、光源から射出される光束の照射により偏光変換素子本体に熱が発生した場合であっても、偏光変換素子本体の熱を保持枠に放熱でき、偏光変換素子本体の熱損傷を防止できる。
【0015】
本発明の照明光学装置は、光源と、この光源からの光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、上述した偏光変換装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、上述した偏光変換装置と略同様の作用効果を享受できる。また、光源からの光束の照射による偏光変換装置の熱損傷を低減できるので、照明光学装置の長寿命化を図れる。
【0016】
本発明のプロジェクタは、上述した照明光学装置と、この照明光学装置から射出された光束を画像情報に基づいて変調する光変調装置と、この光変調装置で変調された光束を拡大投写する投写光学装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、上述した照明光学装置と略同様の作用効果を享受できる。また、上述した偏光変換装置の熱損傷を低減できるので、投影される画像の鮮明性を向上させるためにプロジェクタの高輝度化を図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔1.プロジェクタの主な構成〕
図1は、本発明の実施形態に係るプロジェクタ1の概略構成を説明する図である。
プロジェクタ1は、全体略直方体形状の外装ケース2と、プロジェクタ1内に滞留する熱を冷却する冷却ユニット3と、光源から射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成する光学ユニット4と、図示しない電源ケーブルを介して外部から供給された電力をプロジェクタ1の構成部材に供給する電源ユニット5とを備えて構成されている。
【0018】
外装ケース2は、それぞれ金属で構成され、プロジェクタ1の天面、前面、側面、および背面をそれぞれ構成するアッパーケース21と、プロジェクタ1の底面、前面、側面、および背面をそれぞれ構成するロアーケース22とで構成されている。これらのケース21,22は互いにねじで固定されている。なお、外装ケース2は、金属製に限らず、合成樹脂で構成したものを採用してもよい。
【0019】
アッパーケース21の前面には、切欠部211が形成されており、前記ロアーケース22と組み合わされた状態で、円形の開口部2Aを形成し、この開口部2Aから、外装ケース2内部に配置された光学ユニット4の後述する投写レンズ46の一部が、外部に露出している。そして、この露出部分の一部であるレバー46Aを介して、投写レンズ46のフォーカス操作が手動で実施可能となっている。また、開口部2Aの反対側の位置には、冷却ユニット3によってプロジェクタ1内部で温められた空気を外部に排出するための排気口212が形成されている。
アッパーケース21の背面には、電源ユニット5に対向する位置(図1中左側)に、冷却ユニット3によって外部から冷却空気を吸引するための吸気口213が形成されている。また、アッパーケース21の背面には、図示は省略するが、コンピュータ接続用の接続部や、ビデオ入力端子、オーディオ機器接続端子等の各種の機器接続用端子が設けられており、該背面の内側には、映像信号等の信号処理を行う信号処理回路が実装されたインターフェース基板が配置されている。
【0020】
ロアーケース22の底面には、図示は省略するが、光学ユニット4の後述する光学装置44の下方に位置し、冷却ユニット3によって外部から冷却空気を吸引するための吸気口が形成されている。
ロアーケース22の背面には、図示は省略するが、アッパーケース21の背面に形成された吸気口213と連続して、冷却ユニット3によって外部から冷却空気を吸引するための吸気口が形成されている。
ロアーケース22の前面には、切欠部221が形成され、アッパーケース21と組み合わされた状態で、上述した切欠部211と連続して円形の開口部2Aを形成する。また、開口部2Aの反対側の位置には、アッパーケース21の前面に形成された排気口212と連続して、冷却ユニット3によってプロジェクタ1内部で温められた空気を外部に排出するための排気口222が形成されている。
【0021】
冷却ユニット3は、プロジェクタ1の内部に形成される冷却流路に冷却空気を送り込み、プロジェクタ1内で発生する熱を冷却する。この冷却ユニット3は、光学ユニット4の後述する投写レンズ46の側方に位置し、ロアーケース22の底面に形成された図示しない吸気口から冷却空気を吸引する一対のシロッコファン31,32と、外装ケース2の背面近傍に位置し、該背面に形成された吸気口213から冷却空気を吸引する軸流吸気ファン33と、外装ケース2の前面近傍に位置し、プロジェクタ1内の空気を引き寄せ、該前面に形成された排気口212,222から温められた空気を排出する軸流排気ファン33とを備えて構成されている。
【0022】
電源ユニット5は、プロジェクタ1内部において、外装ケース2の背面から前面にかけて延びるように配置されている。この電源ユニット5は、図示は省略するが、電源ケーブルを通して外部から供給された電力を、プロジェクタ1の構成部材に供給する電源と、光学ユニット4の後述する光源装置413に、電源から供給された電力を供給するランプ駆動回路とを備えている。これら電源およびランプ駆動回路は、図示は省略するが、両端が開口されたアルミニウム等の金属製のシールド部材によって周囲を覆われている。そして、このシールド部材により冷却ユニット3の軸流吸気ファン33から吸引された冷却空気が誘導されるとともに、電源やランプ駆動回路で発生する電磁ノイズが、外部へ漏れないように構成されている。
【0023】
図2は、光学ユニット4を上方から見た斜視図である。
光学ユニット4は、光源装置413から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成し、この光学像を拡大して投写するユニットである。この光学ユニット4は、図1または図2に示すように、外装ケース2内において、前面側から背面側に延び、さらに、背面側に沿って延び、さらにまた、背面側から前面側へと延びる平面略U字形状を有している。この光学ユニット4は、図示は省略するが、電源ユニット5と電気的に接続している。また、この光学ユニット4の上方には、画像情報に応じた光学像を投写するために、画像情報を取り込んで制御および演算処理等を行い、後述する光変調装置となる各液晶パネル441R,441G,441Bを制御する制御基板が配置される。
【0024】
〔2.光学ユニットの詳細な構成〕
図3は、光学ユニット4の光学系を模式的に示す図である。
光学ユニット4は、照明光学装置としてのインテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、光学装置44と、投写光学装置としての投写レンズ46と、これらの光学部品41〜44,46を収納する合成樹脂製の光学部品用筐体としてのライトガイド47(図2)とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、光学装置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R,441G,441Bと示す)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、光源装置413と、第1レンズアレイ418と、第2レンズアレイ414と、偏光変換装置415と、反射ミラー424と、重畳レンズ419とを備えている。
【0025】
光源装置413は、放射状の光線を射出する放射光源としての光源ランプ411と、この光源ランプ411から射出された放射光を反射するリフレクタ412とを有する。光源ランプ411としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、または高圧水銀ランプが用いられることが多い。
リフレクタ412としては、放物面鏡を用いている。放物面鏡の他、平行化レンズ(凹レンズ)と共に楕円面鏡を用いてもよい。
【0026】
第1レンズアレイ418は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
【0027】
第2レンズアレイ414は、第1レンズアレイ418と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ414は、重畳レンズ419とともに、第1レンズアレイ418の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる機能を有している。
すなわち、第1レンズアレイ418および第2レンズアレイ414が、本発明に係る光束分割光学素子に相当する。
【0028】
偏光変換装置415は、第2レンズアレイ414の後段に配置される。このような偏光変換装置415は、第2レンズアレイ414からの光を略1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置44での光の利用効率が高められている。
【0029】
具体的に、偏光変換装置415によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ419によって最終的に光学装置44の液晶パネル441R,441G,441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネル441を用いた本実施形態のプロジェクタ1(光学装置44)では、1種類の偏光光しか利用できないため、他種類のランダムな偏光光を発する光源ランプ411からの光束の略半分が利用されない。このため、偏光変換装置415を用いることにより、光源ランプ411から射出された光束を略全て1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、偏光変換装置415の詳細な構造については後述する。
【0030】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421、422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
【0031】
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432、434を備え、色分離光学系42で分離された色光、青色光を液晶パネル441Bまで導く機能を有している。
【0032】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束の青色光成分と緑色光成分とが透過するとともに、赤色光成分が反射する。ダイクロイックミラー421によって反射した赤色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ417を通って赤色用の液晶パネル441Rに達する。このフィールドレンズ417は、第2レンズアレイ414から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Bの光入射側に設けられたフィールドレンズ417も同様である。
【0033】
ダイクロイックミラー421を透過した青色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ417を通って緑色用の液晶パネル441Gに達する。一方、青色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ417を通って青色光用の液晶パネル441Bに達する。なお、青色光にリレー光学系43が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ417に伝えるためである。
【0034】
光学装置44は、3枚の光変調装置となる液晶パネル441(441R,441G,441B)と、偏光板442と、視野角補正板444と、クロスダイクロイックプリズム443とを備えている。
液晶パネル441R,441G,441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R,441G,441Bとこれらの光束入射側および射出側にある偏光板442によって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
偏光板442は、液晶パネル441(441R,441G,441B)の前段および後段に配置される入射側偏光板442A,射出側偏光板442Bを備えている。
入射側偏光板442Aは、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、サファイアガラス等の基板に偏光膜が貼付されたものである。また、基板を用いずに、偏光膜をフィールドレンズ417に貼り付けてもよい。
射出側偏光板442Bも、入射側偏光板442Aと略同様に構成され、液晶パネル441(441R,441G,441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、基板を用いずに、偏光膜をクロスダイクロイックプリズム443に貼り付けてもよい。
これらの入射側偏光板442A,射出側偏光板442Bは、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
【0035】
視野角補正板444は、基板上に液晶パネル441(441R,441G,441B)で形成された光学像の視野角を補正する機能を有する光学変換膜が形成されたものである。このような視野角補正板444を配置することにより、黒画面時の光漏れを低減し投写画像のコントラストが大幅に向上する。そして、この視野角補正板444は、補正板保持枠446(図2)に保持され、光学ユニット4内に設定される照明光軸に対して位置調整可能に構成されている。
【0036】
クロスダイクロイックプリズム443は、3枚の液晶パネル441R,441G,441Bから射出された各色光毎に変調された画像を合成してカラー画像を形成するものである。なお、クロスダイクロイックプリズム443には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成される。
投写レンズ46は、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成され、クロスダイクロイックプリズム443で合成されたカラー画像をスクリーン上に拡大投写する。この投写レンズ46には、複数のレンズの相対位置を変更するレバー46Aを備え、投写されるカラー画像のフォーカス調整および倍率調整可能に構成されている。
【0037】
以上説明した各光学系41〜44は、ライトガイド47内に収容されている。
ライトガイド47は、前述の各光学部品414〜419,421〜423,431〜434を上方からスライド式に嵌め込む溝部がそれぞれ設けられた下ライトガイド471(図2)と、下ライトガイド471の上部の開口側を閉塞する蓋状の上ライトガイド472(図2)とで構成されている。
また、平面略U字状のライトガイド47の一端側には、光源装置413が収容され、他端側には、投写レンズ46が固定されている。また、投写レンズ46の前段には、光学装置44が固定されている。
【0038】
〔3.偏光変換装置の構造〕
図4は、偏光変換装置415を示す斜視図である。図5は、偏光変換装置415がライトガイド47に収容される様子を示す図である。図6は、偏光変換装置を示す分解斜視図である。図7は、偏光変換装置の側面図である。
偏光変換装置415は、前述したように、第2レンズアレイ414の各小レンズで集光された光束を透過させる際に、略1種類の偏光光に変換する。この偏光変換装置415は、図4ないし図7に示すように、平板状の偏光変換素子本体4152と、この偏光変換素子本体4152が接着固定される板状の保持部材4151とを備える。偏光変換素子本体4152と保持部材4151とは、接着剤により接着固定される。
また、図5に示すように、偏光変換装置415は、ライトガイド47を構成する下ライトガイド471に収納される。この際、保持部材4151は、光源装置413側、すなわち、光束入射側に配置され、偏光変換素子本体4152は、光束射出側に配置される。
【0039】
偏光変換素子本体4152は、図6に示すように、平板状の偏光変換素子アレイ500と、この偏光変換素子アレイ500の光束射出側に設置された位相差板600とを備える。偏光変換素子本体4152は、偏光変換素子アレイ500で2種類の直線偏光光に分離し、位相差板600で、この分離された2種類の光束のうち、一方の直線偏光光の偏光軸を90°回転させて、他方の直線偏光光の偏光軸と同一なものにしている。
偏光変換素子アレイ500は、入射光束を2種類の直線偏光光に分離して射出する。この偏光変換素子アレイ500は、図6に示すように、2つの偏光変換素子510で構成されている。
偏光変換素子510は、入射光束に対して傾斜配置された複数の偏光分離膜511と、各偏光分離膜511の間に交互に並行配置された反射膜512と、これらの偏光分離膜511および反射膜512の間に介在配置された透光性部材としての板ガラス513とを備える。
【0040】
偏光分離膜511は、ブリュースター角が略45°に設定された誘電体多層膜等で構成されている。この偏光分離膜511は、入射光束において、偏光分離膜511の入射面に対して平行な偏光軸を有する一方の直線偏光光としての光束(S偏光光)を反射し、このS偏光光と直交する偏光軸を有する光束(P偏光光)を透過するものであり、入射光束を2種類の直線偏光光束に分離している。
反射膜512は、例えば、高反射性を有するAl,Au,Ag,Cu,Cr等の単一金属材料や、これら複数種類の金属を含む合金等で構成され、偏光分離膜511で反射されたS偏光光を反射する。
板ガラス513は、光束が内部を通過するものであり、通常、白板ガラス等から形成されている。
【0041】
図8は、偏光変換素子アレイ500の製造を説明するための図であり、厚さ寸法方向から見た模式図である。
このような偏光変換素子510は、偏光分離膜511と反射膜512とが、自身の表裏面に対して45°の角度で、かつ交互に配置されるように、例えば、以下のような手順で製造される。
先ず、図8に示すように、偏光分離膜511および反射膜512が両面に設けられた板ガラス513と、何も形成されていない板ガラス513とを接着剤により交互に貼り合わせる。この際、その上下面P,Qに、偏光分離膜および反射膜等が何も形成されていない板ガラス514を配置する。
次に、図8の破線で示すように、その表裏面と略45°の角度で所定間隔をもって略平行に切断する。次に、両端側に突出した部分を切断面Xで切断して略直方体の板状として形成する。最後に、切断面Xを含む全体表面を研磨することにより、偏光変換素子510を構成する。
これにより、偏光変換素子510において、偏光分離膜511および反射膜512は、光束入射端面および光束射出端面に対して略45°に傾斜し、かつ、等しいピッチで配列される。
【0042】
図9は、偏光変換素子本体4152を上方から見た部分的な模式図である。
位相差板600は、偏光分離膜511を透過するP偏光光の偏光軸を90°回転させる。この位相差板600は、図9に示すように、偏光変換素子510の光束射出端面において、照明光軸に沿った方向で眺めた場合に、偏光分離膜511に対応する位置に貼付されている。
偏光変換素子本体4152は、図9に示すように、各偏光変換素子510が左右対称となるように、すなわち、各偏光変換素子510における偏光分離膜511が断面略「ハ」字状となるように構成される。
【0043】
図4、図6、図7において、保持部材4151は、ステンレス等の金属製の板状部材として構成され、偏光変換素子本体4152の光束入射側端面を保持する。この保持部材4151は、一方の端面に偏光変換素子本体4152の光束入射側端面が貼り付けられる貼付面4151A1,4151B1を有する貼付部4151A,4151Bと、この貼付部4151A,4151Bから−Z方向に段落ち形成される段落ち部4151Cと、下ライトガイド471と係合し、該保持部材4151を下ライトガイド471に固定する係合部4151Dとを備える。そして、保持部材4151は、これら貼付部4151A,4151B、段落ち部4151C、および係合部4151Dが一体形成されている。
【0044】
貼付部4151A,4151Bは、図4、図6、図7に示すように、保持部材4151の上下部分にそれぞれ位置し、+Z方向端面に貼付面4151A1,4151B1(図6)が形成される。すなわち、偏光変換素子本体4152の光束入射側端面は、上下の貼付面4151A1,4151B1に貼り付けられ、保持部材4151に保持固定される。
貼付部4151Aにおいて、上方側端部には、+Z方向に曲折され、平面視略凹字状の張出部4151A2が形成されている。この張出部4151A2は、ライトガイド47内において、偏光変換装置415の上方向への位置ずれを防止する。
貼付部4151Bにおいて、下方側端部には、貼付部4151Aと同様に、+Z方向に曲折され、平面視略凹字状の張出部4151B2が形成されている。この張出部4151B2は、ライトガイド47内において、偏光変換装置415の下方向への位置ずれを防止する。また、この張出部4151B2は、平面視略凹字状の先端部分に丸孔開口4151B3(図6)がそれぞれ1つずつ形成されている。
また、貼付部4151Bには、貼付面4151B1から略垂直に突出し、偏光変換素子本体4152の下側端部を支持する支持部4151B4(図4、図7)が形成されている。そして、この支持部4151B4は、偏光変換素子本体4152を貼付面4151A1,4151B1に貼り付ける際の外形位置基準面として構成されている。
【0045】
段落ち部4151Cは、貼付部4151Aの下方端部、および、貼付部4151Bの上方端部が−Z方向に折曲し、これら貼付部4151A,4151Bの端部同士を接続するように構成されている。そして、この段落ち部4151Cは、貼付部4151Aの下方端部および貼付部4151Bの上方端部の折曲により、貼付部4151A,4151Bに対して段落ちしている。このため、図7に示すように、保持部材4151の貼付部4151A,4151Bに偏光変換素子本体4152を貼付けた状態では、偏光変換素子本体4152の光束入射側端面と、段落ち部4151Cの光束射出側端面との間に隙間が形成される。本実施形態では、この隙間の寸法Tは、0.3mmになるように構成されている。
【0046】
そして、図4、図6に示すように、上述した貼付部4151A,4151Bおよび段落ち部4151Cに跨って、上下方向に延びる矩形状の開口部4151Eが形成されている。
この開口部4151Eは、略中央の位置に形成される開口部4151E1と、この開口部4151E1の両側に、それぞれ2つずつ略均等な間隔で形成される開口部4151E2とを備える。この開口部4151E1の幅寸法は、開口部4151E2の幅寸法の略2倍となるように構成されている。
開口部4151E1は、偏光変換素子本体4152の略中央部分であって、2つの偏光変換素子510の略中央部分に位置する偏光分離膜511を、光束入射側(−Z方向)に露出させる部分である。開口部4151E2は、その他の位置の偏光分離膜511を光束入射側(−Z方向)に露出させる部分である。
換言すれば、図4に示すように、保持部材4151には、光束入射側から照明光軸に沿った方向に眺めた場合に、反射膜512を遮蔽して、光源ランプ411からの光束の入射を遮蔽する遮光部4151Fが形成されることになる。
【0047】
係合部4151Dは、図4、図6に示すように、段落ち部4151Cの左右辺縁の上方側に位置し、段落ち部4151Cの端面に沿って外側に延出する略矩形状の基端部4151D1と、この基端部4151D1の上端から+Z方向に曲折され、さらに下方側に曲折される腕部4151D2とを備え、側面略コ字状に構成されている。このため、係合部4151Dは、腕部4151D2が基端部4151D1に対して近接する方向に部材を付勢するように構成されている。
また、基端部4151D1には、略中央部分に+Z方向への凸部4151D3が形成されている。
【0048】
図10は、偏光変換装置415がライトガイド47に収容される様子を示す斜視図である。図10に示すように、下ライトガイド471の内部において、偏光変換装置415が収納される位置には、上方向に延びる左右側の2つの突起471Aと、偏光変換装置415の係合部4151Dと係合するリブ状部471Bとが形成されている。
2つの突起471Aは、偏光変換装置415が下ライトガイド471に収納された際に、張出部4151B2の丸孔開口4151B3が挿通される部分である。これにより、ライトガイド47内において、偏光変換装置415の下端側の動きが規制される。
リブ状部471Bは、下ライトガイド471の内側面から内側に延び、Z方向の厚み寸法は、係合部4151Dの側面略コ字状の開口寸法よりも若干大きく形成されている。すなわち、偏光変換装置415を下ライトガイド471に収納固定する際には、偏光変換装置415を上方から下ライトガイド471内に移動させ、偏光変換装置415の係合部4151Dの基端部4151D1と腕部4151D2の先端との間にリブ状部471Bを位置させるように挿入する。このため、基端部4151D1に対してリブ状部471Bを腕部4151D2が付勢し、偏光変換装置415が下ライトガイド471に固定される。
【0049】
図11は、偏光変換装置415の機能を説明するための模式図である。
第2レンズアレイ414に入射した光束は、各小レンズにより集光されたランダムな偏光軸を有する光束であり、偏光変換装置415の所定領域に入射する。なお、前述したように、保持部材4151には、遮光部4151Fが形成されており、図11中の破線で示すように、第2レンズアレイ414から射出された光束のうち無効な偏光光を生成する光束を遮断している。
偏光変換装置415に入射した光束は、偏光分離膜511により、P偏光光およびS偏光光に分離される。すなわち、P偏光光は、偏光分離膜511を透過し、S偏光光は該偏光分離膜511で反射して光路が略90°変換される。
偏光分離膜511で反射したS偏光光は、反射膜512で反射され、再度、光路が略90°変換され、偏光変換装置415への入射方向と略同一方向に進む。また、偏光分離膜511を透過したP偏光光は、位相差板600に入射し、偏光軸が90°回転されてS偏光光に変換され、S偏光光として射出される。したがって、偏光変換装置415から射出される光束は、略1種類のS偏光光となっている。
【0050】
〔4.実施形態の効果〕
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)偏光変換装置415では、保持部材4151の段落ち部4151Cが貼付部4151A,4151Bに対して段落ち形成されているので、保持部材4151に偏光変換素子本体4152が貼り付けられた状態で、遮光部4151Fと偏光変換素子本体4152の光束入射側端面との間に隙間が形成される。このことにより、光源装置413から射出される光束のうち、不要光によって遮光部4151Fに熱が発生した場合であっても、遮光部4151Fから偏光変換素子本体4152への熱伝達を回避できる。したがって、偏光変換素子本体4152の位相差板600等の温度上昇による熱損傷を回避し、偏光変換素子本体4152の有する本来の機能的信頼性を確保できる。
【0051】
(2)保持部材の段落ち部4151Cを貼付部4151A,4151Bに対して段落ち形成しているので、例えば、保持部材4151の貼付面4151A1,4151B1と偏光変換素子本体4152の光束入射側端面との間にスペーサを介する構造と比較して、簡単な構造で遮光部4151Fと偏光変換素子本体4152の光束入射側端面との間に隙間を形成でき、保持部材4151に対する偏光変換素子本体4152の貼付を容易に実施できる。
(3)遮光部4151Fと偏光変換素子本体4152の光束入射側端面との隙間の寸法Tが0.3mmであるので、該隙間において、開口部4151Eおよび透光部4151Fを介して回折する回折光が反射膜512へと入射することを回避して不要光の生成を防止でき、光源装置413から射出される光束の利用効率を向上できる。
【0052】
(4)下ライトガイド471への偏光変換装置415の固定は、係合部4151Dの基端部4151D1に対して下ライトガイド471のリブ状部471Bを腕部4151D2が付勢固定することで実施される。このことにより、例えば、接着剤等を用いることなく、偏光変換装置415を下ライトガイド471に容易に固定できる。また、係合部4151Dとリブ状部471Bとの係合状態を変更することで、下ライトガイド471から偏光変換装置415を容易に着脱でき、例えば、偏光変換素子本体4152の交換を容易に実施できる。
【0053】
(5)保持部材4151には、支持部4151B4が形成されているので、例えば、保持部材4151に偏光変換素子本体4152を貼り付ける際に、該支持部4151B4に偏光変換素子本体4152を載置した状態で実施すれば、貼付作業を容易に実施できる。
(6)支持部4151B4は、保持部材4151に対する偏光変換素子本体4152の外形位置基準面として構成されているので、偏光変換素子本体4152における反射膜512に対する所定位置に遮光部4151Fを高精度に配置できる。したがって、遮光部4151Fによる不要光の遮断性を向上でき、光源装置413からの光束を有効に利用できる。また、これにより、入射側偏光板442Aにおける不要光の吸収を回避でき、入射側偏光板442Aの高寿命化を図れる。
【0054】
(7)保持部材4151を金属製としたので、偏光変換素子本体4152を保持する部材としての剛性を十分に確保できる。また、熱伝導性が高いので、偏光変換素子本体4152で発生する熱を外部へ放熱でき、熱に弱い偏光変換素子本体4152の熱損傷を防止できる。
(8)インテグレータ照明光学系41は、前述した熱損傷の低減を図れる偏光変換装置415を備えることにより、高寿命化を図れる。また、光源装置413から射出される光束を略1種類の直線偏光光(S偏光光)に変換して射出でき、光束の有効利用を図れる。
(9)前述したように、偏光変換装置415の熱損傷の低減が図られているため、さらに輝度の高い光源装置413を採用でき、プロジェクタ1の高輝度化を図れ、鮮明性の良好な画像を投影できる。
【0055】
〔5.実施形態の変形〕
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
前記実施形態では、遮光部4151Fと偏光変換素子本体4152の光束入射側端面との隙間の形成を貼付部4151A,4151Bに対して段落ち部4151Cを段落ち形成することで実施する構成を説明したが、これに限らず、以下に示すような構成を採用してもよい。
例えば、保持部材4151における貼付部4151A,4151Bの貼付面4151A1,4151B1と偏光変換素子本体4152の光束入射側端面との間に所定の寸法を有するスペーサを介装する。この際、段落ち部4151Cは、前記実施形態で説明したように、貼付部4151A,4151Bに対して段落ち形成されていてもよいし、貼付部4151A,4151Bの貼付面4151A1,4151B1と略面一となるように構成してもよい。
このような構成では、例えば、汎用の遮光板と偏光変換素子本体4152の光束入射側端面との間にスペーサを介装することで、本発明を適用でき、簡単な構造で隙間を形成し、偏光変換素子本体4152の熱損傷を低減できる。
【0056】
また、例えば、保持部材4151を、略中央部分に開口が形成された板状部材と、この板状部材の一方の端面に一体的に形成され、開口部および遮光部を備えた板状の遮光マスクとで構成する。そして、板状部材の他方の端面を貼付面とする。このため、板状部材の厚み分、貼付面に対して遮光部が段落ちした構成となり、遮光部4151Fと偏光変換素子本体4152の光束入射側端面との間に隙間が形成される。このような構成では、折曲等による板状部材の加工を実施せずとも、板状部材に遮光マスクを一体的に形成することで、保持部材4151を容易に作成できる。
【0057】
前記実施形態では、保持部材4151は、貼付部4151A,4151Bを備え、偏光変換素子本体4152が貼付により該保持部材4151に保持される構成を説明したが、これに限らない。例えば、保持部材4151の貼付面4151A1,4151B1に偏光変換素子本体4152を当接させ、偏光変換素子本体4152の光束射出側から偏光変換素子本体4152を保持部材4151側に押圧する支持部材を設け、保持部材4151と支持部材にて偏光変換素子本体4152を挟持するような構成を採用してもよい。このような構成では、偏光変換素子本体4152を保持部材4151に接着剤等により貼り付ける貼付作業を省略し、組み立てを容易に実施できる。
【0058】
前記実施形態では、保持部材4151は、係合部4151Dを備え、係合部4151Dは、基端部4151D1および腕部4151D2により構成されていたが、この構成に限らない。下ライトガイド471の所定位置に係合可能に構成されていればよく、その他の構成を採用してもよい。
前記実施形態では、保持部材4151をステンレス等の金属製材料から構成したが、これに限らず、例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン等の金属製で構成してもよく、アルミニウム、マグネシウム、チタン、あるいはこれらを主材料とした合金等の金属によって構成してもよい。また、アクリル材、カーボンフィラー入りのポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶樹脂等の樹脂等で構成してもよい。
【0059】
前記実施形態では、偏光変換素子本体4152は、偏光変換素子アレイ500と、位相差板600とを備え、偏光変換素子アレイ500は、2つの偏光変換素子510から構成され、所定の間隔を空けて2つの偏光変換素子510が配置される構成を説明したが、これに限らない。例えば、2つの偏光変換素子510を間隔を空けずに密着させる構成を採用してもよい。
また、偏光変換素子510は、偏光分離膜511および反射膜512が両面に形成された板ガラス513と、何も形成されていない板ガラス513を交互に貼り合わせた後に、上下面に板ガラス514を貼り合わせて切断および研磨して製造したが、これには限定されない。要するに、偏光分離膜511および反射膜512が交互に配置されればよい。この際、偏光分離膜511および反射膜512の入射角に対する角度も、45°には限定されない。
さらに、位相差板600は、偏光分離膜511を透過するP偏光光の偏光軸を90°回転させるために、偏光変換素子510の光束射出端面における偏光分離膜511に応じた位置に貼り付けられていたが、これに限らない。例えば、反射膜512にて反射されたS偏光光の偏光軸を90°回転させるために、偏光変換素子510の光束射出端面における反射膜512に応じた位置に貼り付ける構成を採用してもよい。すなわち、偏光変換素子本体4152において、光源から射出された光束を略1種類のP偏光光として射出する構成としてもよい。
【0060】
前記実施形態では、3つの光変調装置を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクタ、2つの光変調装置を用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の光変調装置を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の光変調装置を用いてもよい。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプロジェクタの概略構成を説明する図。
【図2】前記実施形態における光学ユニットを上方から見た斜視図。
【図3】前記実施形態における光学ユニットの光学系を模式的に示す図。
【図4】前記実施形態における偏光変換装置を示す斜視図。
【図5】前記実施形態における偏光変換装置がライトガイドに収容される様子を示す図。
【図6】前記実施形態における偏光変換装置を示す分解斜視図。
【図7】前記実施形態における偏光変換装置の側面図。
【図8】前記実施形態における偏光変換素子アレイの製造を説明するための図。
【図9】前記実施形態における偏光変換素子本体を上方から見た部分的な模式図。
【図10】前記実施形態における偏光変換装置がライトガイドに収容される様子を示す図。
【図11】前記実施形態における偏光変換装置の機能を説明するための模式図。
【符号の説明】
1・・・プロジェクタ、41・・・インテグレータ照明光学系(照明光学装置)、46・・・投写レンズ(投写光学装置)、47・・・ライトガイド(光学部品用筐体)、413・・・光源装置、414・・・第2レンズアレイ(光束分割光学素子)、415・・・偏光変換装置、418・・・第1レンズアレイ(光束分割光学素子)、441・・・液晶パネル(光変調装置)、511・・・偏光分離膜、512・・・反射膜、513・・・板ガラス(透光性部材)、600・・・位相差板、4151・・・保持部材、4151A1,4151B1・・・貼付面、4151B3・・・支持部、4151D・・・係合部、4151E・・・開口部、4151F・・・遮光部、4152・・・偏光変換素子本体、T・・・隙間の寸法

Claims (9)

  1. 入射光束に対して傾斜配置され、この入射光束を2種類の直線偏光光束に分離する複数の偏光分離膜、各偏光分離膜の間に交互に並行配置され、前記偏光分離膜で分離されたいずれか一方の直線偏光光束を反射する複数の反射膜、これらの偏光分離膜および反射膜が設けられる透光性部材、および、この透光性部材の光束射出側に設けられ、前記偏光分離膜で分離されたいずれか一方の直線偏光光束の偏光軸を他方の直線偏光光束の偏光軸に変換する複数の位相差板を含んで構成される偏光変換素子本体と、
    この偏光変換素子本体の光束入射側に設けられ、前記偏光変換素子本体を保持するとともに、前記偏光変換素子本体を光学部品用筐体に取り付ける保持部材とを備え、
    前記保持部材は、前記偏光分離膜に応じた位置に、前記光源から射出された光束を通過させる開口部と、前記反射膜に応じた位置に、前記光源から射出された光束の一部を遮断する遮光部とを備え、前記偏光変換素子本体を保持した状態で、前記遮光部と前記偏光変換素子本体の光束入射側端面との間に所定の隙間が形成されることを特徴とする偏光変換装置。
  2. 請求項1に記載の偏光変換装置において、
    前記保持部材は、前記偏光変換素子本体の光束入射側端面が貼り付けられる貼付面を有し、
    前記貼付面と前記偏光変換素子本体との間には、スペーサが介装されることを特徴とする偏光変換装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の偏光変換装置において、
    前記保持部材は、前記偏光変換素子本体の光束入射側端面が貼り付けられる貼付面を有し、
    前記遮光部は、前記偏光変換素子本体の光束入射側端面から離間する方向に前記貼付面に対して段落ちしていることを特徴とする偏光変換装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の偏光変換装置において、
    前記隙間の寸法Tは、0mm<T≦0.5mmの範囲にあることを特徴とする偏光変換装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の偏光変換装置において、
    前記保持部材は、板状部材から構成され、該端縁から外側に向けて延出して前記光学部品用筐体と係合する係合部を備えていることを特徴とする偏光変換装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の偏光変換装置において、
    前記保持部材は、前記偏光変換素子本体の外周端部を支持する支持部が形成されていることを特徴とする偏光変換装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の偏光変換装置において、
    前記保持部材は、金属製材料から構成されていることを特徴とする偏光変換装置。
  8. 光源と、この光源からの光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子と、請求項1から請求項7のいずれかに記載の偏光変換装置とを備えていることを特徴とする照明光学装置。
  9. 請求項8に記載の照明光学装置と、この照明光学装置から射出された光束を画像情報に基づいて変調する光変調装置と、この光変調装置で変調された光束を拡大投写する投写光学装置とを備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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