JP2005345823A - プロジェクタの製造方法、及び当該製造方法により製造されたプロジェクタ - Google Patents

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【課題】プロジェクタ等にクロスダイクロイックプリズムや液晶パネル等の光学部品を簡便かつ高精度で位置決め固定することができ、光学装置を低コストで製造可能なプロジェクタの製造方法及び当該製造方法により製造されたプロジェクタを提供すること
【解決手段】あらかじめ色合成光学装置に対して光変調装置を位置決め固定した状態として光学装置を形成させ、かかる光学装置を光学部品用筐体に設置された投射光学装置に対して、光学装置を構成する光変調装置から光束や画像情報を導入し、色合成光学装置を介して前記投射光学装置から光学像を拡大投射した光学像を用いて、投射光学装置に対して光学装置の位置決め調整を行い、その後、かかる筐体に配設した固定板に位置決め固定するプロジェクタの製造方法、及び当該製造方法により得られるプロジェクタ。
【選択図】図14

Description

本発明は、プロジェクタの製造方法、及び当該製造方法により製造されたプロジェクタに関する。
光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して、投射レンズを介してスクリーン上に投射するプロジェクタが知られており、このプロジェクタは、パーソナルコンピュータ(PC)とともに、会議等でのプレゼンテーションに広く利用されている。このようなプロジェクタは、ダイクロイックミラー等の色分離光学系が、光源から射出された光束を三色の色光に分離し、液晶パネル等で構成される3枚の光変調装置は、色光毎に画像情報に応じて変調する。また、クロスダイクロイックプリズム等の色合成光学装置は、変調後の各色光を合成して光学像を形成しており、この形成された光学像を、投射レンズ等の投射光学装置によって拡大投射する、いわゆる三板式の構成を採用するものが広く知られている。
そして、従来のプロジェクタにおける色合成光学装置において、クロスダイクロイックプリズムによる色合成を画素ずれ等が出ることなく行うためには、クロスダイクロイックプリズムを固定板(プリズム固定板)に対して正確に位置決め固定を行う必要があった。また、同様に、プロジェクタにおいて、鮮明な投射画像を得るためには、クロスダイクロイックプリズムに対して、光変調装置である液晶パネルの正確な位置決め固定も重要とされる。
ここで、従来の光学装置にあっては、光学準備工程において、クロスダイクロイックプリズムをプリズム固定板やヘッド体に対して位置調整して固定したプリズムユニットを作製し、このプリズムユニットに対して光変調装置である液晶パネルをフォーカス・アライメントして位置決め調整して固定するようにしていた(例えば、特許文献1)。また、クロスダイクロイックプリズムのプリズム固定板に対する固定は、通常、光投射を行わずに位置決め調整を行うようにしていた。
特開2001−100185号公報
しかしながら、クロスダイクロイックプリズムをプリズム固定板等に固定したプリズムユニットに対して液晶パネルを位置決め固定する構成にあっては、フォーカス・アライメントによる位置決め調整精度の条件が厳しい製品にあっては、光投射を行わない方式の位置決め調整では対応できない場合も多く、その際は、液晶パネルとプリズムを1対1で対応させることとなるため、必要とされる設備も大型化ないし複雑化してしまい、コスト高となってしまうという問題があった。
また、かかる構成のプリズムユニットとなった状態で位置決め調整をするにあっては、位置決め調整に際して治具を共通化できず、ユニット毎に治具を変更する場合もあり、これもコスト高に繋がってしまっていた。
本発明の目的は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、プロジェクタに対してクロスダイクロイックプリズムや液晶パネル等の光学部品を簡便かつ高精度で位置決め固定することができ、光学装置を低コストで製造可能なプロジェクタの製造方法及び当該製造方法により製造されたプロジェクタを提供することにある。
本発明のプロジェクタの製造方法は、複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調して光学像を形成する複数の光変調装置と、各光変調装置と対向する複数の光束入射端面を備え、各光変調装置で形成された光学像を合成する色合成光学装置を備えた光学装置と、この色合成光学装置で合成された光学像を拡大投射して投射光学装置とを備えたプロジェクタを製造するプロジェクタの製造方法であって、各光変調装置相互の位置を調整して前記色合成光学装置の各光束入射端面上に位置決め固定して前記光学装置を製造する光学装置製造工程と、前記投射光学装置が取り付けられた光学部品用筐体に配設される固定板上に前記光学装置を載置する光学装置載置工程と、前記光学装置を構成する複数の光変調装置の少なくともいずれかに光束を導入しながら、該光変調装置に画像情報を導入し、前記色合成光学装置を介して前記投射光学装置から光学像を拡大投射する投射画像形成工程と、形成された光学像に基づいて、前記光学装置を前記投射光学装置に対して位置調整する光学装置位置調整工程と、位置調整がなされた光学装置を前記固定板に対して位置決め固定する光学装置位置決め工程とを備えていることを特徴とする。
かかる本発明のプロジェクタの製造方法は、予め色合成光学装置に対して光変調装置を位置決め固定した状態として光学装置を形成させ、かかる光学装置を光学部品用筐体に設置された投射光学装置に対して位置調整し、また、かかる筐体に配設した固定板に位置決め固定するようにしているので、クロスダイクロイックプリズムを固定板等に固定することなく光変調装置を位置決め固定することとなり、光投射を行わずに位置決め調整を行うことを容易に行うことができることとなる。また、その結果、調整に際して設備が大型化ないし複雑化することなく、低コストでの実施を可能とする。そして、クロスダイクロイックプリズムという汎用形態で光変調装置の位置決め調整及び固定を行うことができるため、治具の共通化を図ることができる。
また、本発明のプロジェクタは、光学装置を構成する光変調装置から光束や画像情報を導入し、色合成光学装置を介して前記投射光学装置から光学像を拡大投射した光学像を用いて、投射光学装置に対して光学装置の位置決め調整を行うようにしているので、高精度な位置決め調整を実施することができる。更には、光学部品用筐体に載置した状態で色合成光学装置を、当該筐体に設けられた固定板に対して位置決め調整するので、これまで行ってきた固定板に対する色合成光学装置の位置決め調整、及び当該色合成光学装置の光学部品用筐体に対する位置決め調整を一度に実施することができ、位置決め調整(光軸調整を含む)作業を簡略化することができるとともに、光学部品用筐体が光軸調整機能を有する必要がなくなるため、当該筐体の構造の簡素化によるコストダウンを図ることができる。
そして、光学部品を光学部品用筐体に搭載した状態で、色合成光学装置を備えた光学装置の位置決め調整を行うようにしているので、位置決め調整に際して治具を共通化することができ、コストの削減を図ることができる。
本発明のプロジェクタの製造方法は、前記した固定板が光学部品用筐体と脱着可能であることが好ましい。
この本発明によれば、光学装置を載置して位置決め固定する固定板が光学部品用筐体に対して脱着可能な構成を採用しているため、光学装置を固定した後であっても当該光学装置を固定板ごと光学部品用筐体から簡便に取り外すことができることとなり、以降に行われる部品交換、クリーニング、メンテナンス等の作業を含むいわゆるリワーク作業も簡便に行うことができる。
本発明のプロジェクタの製造方法は、前記した投射画像形成工程で投射光学装置を介して投影される光学像が、複数の光変調装置のうちの一つを選択して、当該選択された一つの光変調装置により形成された光学像を投影したものであることが好ましい。
この本発明によれば、投射光学装置から投影される光学像として、複数の光変調装置から選択した単色光のみを採用し、かかる単色光の光学像を用いて固定板に対する光学装置の位置決め固定を行うようにしているので、形成される光学像が複雑にならないため位置決めを高精度で実施できるとともに、位置決め調整工程を簡略化することができる。
本発明のプロジェクタの製造方法は、前記した光学装置は、前記固定板の載置面に塗布された光硬化型接着剤を介して当該固定板に載置され、当該光学装置が投射光学装置に対して位置決めされた後、前記光硬化型接着剤を硬化させることにより両者が固定されることが好ましい。
この本発明の構成によれば、固定板に対する光学装置の位置決め調整を、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤が未硬化の状態で行うようにしているので、投射光学装置に対する光学装置の位置調整を自由に実施することができ、固定板に対して最適な位置に光学装置を調整することができる。また、位置調整が終わった後に光を照射する等により光硬化型接着剤を硬化させて、当該光学装置と固定板とを固定するようにしているので、最適な位置で光学装置の位置決めを実施した上で、光学装置の固定を行うことができる。
本発明のプロジェクタは、光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成し、拡大投射するプロジェクタであって、前記したプロジェクタの製造方法により得られたものであることを特徴とする。
この本発明のプロジェクタによれば、前記した内容と同様の作用・効果を享受できる。すなわち、前記の製造方法から得られるプロジェクタは、光学的に高性能かつ低コストなものとなる。また、プロジェクタの小型化も図ることができることから、製造コストの削減を更に図ることができる。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(1)プロジェクタの構造
図1には、本発明の実施形態に係る色合成光学系と、色分離光学系、複数の光変調装置、色合成光学系、および投射光学系を含む光学ユニットが採用されたプロジェクタ100の構造が示されている。
また、このプロジェクタ100は、インテグレータ照明光学系110、色分離光学系120、リレー光学系130、光学装置180、色合成光学系150、および投射光学系となる投射レンズ160を備えている。
図1において、前記インテグレータ照明光学系110は、光源ランプ111Aおよびリフレクタ111Bを含む光源装置111と、第1レンズアレイ113と、第2レンズアレイ115と、反射ミラー117と、重畳レンズ119とを備えている。
光源ランプ111Aから射出された光束は、リフレクタ111Bによって射出方向が揃えられ、第1レンズアレイ113によって複数の部分光束に分割され、反射ミラー117によって射出方向を90°折り曲げられた後、第2レンズアレイ115の近傍で結像する。第2レンズアレイ115から射出された各部分光束は、その中心軸(主光線)が後段の重畳レンズ119の入射面に垂直となるように入射し、さらに重畳レンズ119から射出された複数の部分光束は、後述する光学装置180を構成する3枚の液晶パネル141R、141G、141B上で重畳する。
前記色分離光学系120は、2枚のダイクロイックミラー121、122と、反射ミラー123とを備え、これらのミラー121、122、123によりインテグレータ照明光学系110から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
前記リレー光学系130は、入射側レンズ131、リレーレンズ133、および反射ミラー135、137を備え、この色分離光学系120で分離された色光、例えば、青色光Bを液晶パネル141Bまで導く機能を有している。
前記光学装置180は、3つの入射側偏光板171と、入射側偏光板171の後段に配置される3つの光変調装置140および3つの射出側偏光板172と、クロスダイクロイックプリズム150とを備える。このうち、光変調装置140、射出側偏光板172およびクロスダイクロイックプリズム150は、一体化されて図2に示す光学装置本体180Aを構成する。
入射側偏光板171は、色分離光学系(色分離光学装置)120で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、水晶等の基板に偏光膜が貼付されたものである。
また、射出側偏光板172も入射側偏光板171と略同様の構造を有し、入射側偏光板
171の偏光軸と略直交するようにクロスダイクロイックプリズム150の光束入射端面
に貼り付けられる。
光変調装置140は、3枚の液晶パネル141R,141G,141B(赤色光用の液
晶パネルを141R、緑色光用の液晶パネルを141G、青色光用の液晶パネルを141
Bとする)を備え、これらは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用
いたものであり、色分離光学系(色分離光学装置)120で分離された各色光は、3つの入射側偏光板171、3枚の液晶パネル141R,141G,141Bおよび3つの射出側偏光板172によって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
なお、以下、液晶パネル141Rを有する光変調装置140を光変調装置141R、液晶パネル141Bを有する光変調装置を光変調装置141B、液晶パネル141Gを有する光変調装置を光変調装置141Gということもある。
クロスダイクロイックプリズム150は、3つの射出側偏光板172から射出された色
光毎に変調された画像を合成してカラー画像を形成するものである。なお、クロスダイク
ロイックプリズム150には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体
多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多
層膜によって3つの色光が合成される。
そして、クロスダイクロイックプリズム150で合成されたカラー画像は、投射光学装置である投射レンズ160から射出され、スクリーン上に拡大投射される。
(2)光学ユニットの構造:
このようなプロジェクタ100において、インテグレータ照明光学系110、色分離光学系120、およびリレー光学系130を構成する光学部品は、図2に示すように、光学部品用筐体を構成するライトガイド170の内部に収納され、クリップ等でライトガイド170内に取り付けられている。
光学装置180を構成する3枚の液晶パネル(光変調装置)141R、141G、141Bは、クロスダイクロイックプリズム150の側面三方を囲むように配置される。具体的には、図3に示すように、各液晶パネル141R、141G、141Bは、保持枠143内に収納され、この保持枠143の四隅部分に形成される孔143Aに透明樹脂製のピン145を紫外線硬化型接着剤とともに挿入することにより、クロスダイクロイックプリズム150の光束入射端面151に接着固定された、いわゆるPOP(Panel On Prism)構造によりクロスダイクロイックプリズム150に固定されている。ここで、保持枠143には、矩形状の開口部143Bが形成され、各液晶パネル141R、141G、141Bは、この開口部143Bで露出し、この部分が画像形成領域となる。すなわち、各液晶パネル141R、141G、141Bのこの部分に各色光R、G、Bが導入され、画像情報に応じて光学像が形成される。
また、クロスダイクロイックプリズム150の下面には、固定板153が存在し、両者は紫外線硬化型接着剤154を介して接着固定されている。また、この固定板153は、
図4に示すように、中央部に球状の膨出部153Bを有し、膨出部153B上をクロスダイクロイックプリズム150の下面を当接させている。なお、固定板153に球状の膨出部153Bが形成してあるのは、光軸に対してあおり方向の位置調整が必要だからである。
なお、この固定板153は、光学部品用筐体であるライトガイド170と着脱可能である。
そして、このようなクロスダイクロイックプリズム150および液晶パネル141R、141G、141Bからなる光学装置は、図2に示すように、投射レンズ160の光路前段に光学装置配設部176に配設される固定板153に、紫外線硬化型接着剤を介して固定されて、光学ユニットが構成されることになる。
(3)プロジェクタの製造:
かかる構成の本実施形態の光学ユニットを備えたプロジェクタ100は、次のような手順により製造される。まず、クロスダイクロイックプリズム150の光束入射端面151に対して光変調装置141R、141G、141Bを位置決め調整、固定して光学装置180を製造した後、インテグレータ照明光学系110、色分離光学系120、およびリレー光学系130を構成する光学部品を、投射レンズ160を備えたライトガイド170内に収納するとともに、前記した光学装置180をライトガイド170内の光学装置配設部176に配設された固定板153に、接着固定用の紫外線硬化型接着剤を未硬化の状態で介在させて載置させる。
そして、このような状態で、例えば、光源から射出された光束を利用して、光学装置180を構成する光変調装置141R,141G,141Bのいずれかに光束を導入しながら、この光変調装置141R,141G,141Bに画像情報を導入し、色合成光学装置であるクロスダイクロイックプリズム150を介して投射光学装置である投射レンズ160から光学像を拡大投射して形成された光学像を用いて、投射レンズ160に対して光学装置180を位置決め調整を行った後、固定板153と光学装置180に介在された紫外線硬化型接着剤を硬化させて、両者を固定一体化させ、残りの光学部品を位置決め調整、固定することにより、本実施形態のプロジェクタ100を得ることができる。
(3−1)光学装置180の製造(光学装置製造工程):
光学装置180を製造するには、色合成光学装置であるクロスダイクロイックプリズム150の光束入射端面151に対して射出側偏光板172を貼り付け、光変調装置141R,141G,141Bを、位置決め調整した後、両者を固定する。ここで、射出側偏光板172とともに、クロスダイクロイックプリズム150の広視野角化を図るべく、視野角補償膜である図示しないワイドビューフィルム(WVフィルム)を貼付するようにしてもよい。
また、光変調装置141R,141G,141Bをクロスダイクロイックプリズム150に接着固定する際には、当該光変調装置141R,141G,141Bのフォーカス調整、アライメント調整、及び調整後の固定を行うこととなるが、かかる調整及び固定は、例えば、次の手段を用いて実施することができる。
すなわち、まず、クロスダイクロイックプリズム150の光束入射端面151に対して第1の光変調装置、例えば、光変調装置141Gを接着固定する。具体的には、前記した図3に示すように、まず、光変調装置141Gの保持枠143の孔に、先端に紫外線接着剤を塗布したピン145を挿入する。次に、このピン145の先端部分をクロスダイクロイックプリズム150の光束入射端面に当接させる。この状態で光変調装置140Gの画像形成領域にレーザー光を導入し、クロスダイクロイックプリズム150から射出された光束を直接確認しながら、光束入射端面151に対する進退位置、平面位置及び回転位置を調整して、光変調装置140Gのフォーカス・アライメント調整を行う。このようにして適切なフォーカス・アライメントが得られたら、ピン143の基端部分から紫外線を照射して、紫外線硬化型接着剤を完全に硬化させる。そして、他の光変調装置141R,141Bに対しても、この操作と同様に位置調整及び接着固定を行うようにすればよい。
(3−2)光学部品用筐体への光学装置固定板及び投射レンズの設置:
図5に、光学部品用筐体を構成するライトガイド170に対して、投射光学装置である投射レンズ160と、前記(3−1)で製造された光学装置180を固定する固定板153を設置する状態を示した模式図である。
ここで、本実施形態では、投射レンズ160とライトガイド170がねじ止めにより固定される態様を示しており、固定ねじ165aを投射レンズ160を構成するフランジ部161に形成された貫通穴162に挿入させるとともに、あらかじめライトガイド170のヘッド部175に形成されているねじ穴178に締め込むことにより、投射レンズ160とライトガイド170が固定一体化されている。
一方、固定板153は、この投射レンズ160の光路前段における、光学装置180が配設される所定の位置(光学装置配設部176)に設置されるが、固定板153の底部に形成された突起部153aを、ライトガイド170の光学装置配設部176の底に明けられたダボ穴177に挿入させて位置決めし、ライトガイド170の底から、固定ねじ165bを固定板153の底部に形成されたねじ穴177に締め込むことにより、固定板153とライトガイド170が固定一体化されることとなる。
そして、ライトガイド170に対しては、後記する(3−4)で位置決め固定する光学装置180以外の他の光学部品についても、前記した投射レンズ160及び固定板153とともに、所定の位置に配設するようにすれば、前記した図2に示す構造のライトガイド170(光学部品用筐体)が製造されることになる。
(3−3)光学部品用筐体(ライトガイド)への光学装置の載置(光学装置載置工程):
(3−1)で製造された光学装置180を、(3−2)で製造されたライトガイド170の光学装置配設部176の固定板153に対して載置させる。
まず、この固定板153の上面に対して紫外線硬化型接着剤154を塗布し、図6に示すように、当該接着剤154を固定板153と光学装置180との間に介在させるようにして、光学装置180を固定板153の上に載置する。
ここで、図6の構成にあっては、紫外線硬化型接着剤154に対して紫外線は未だ照射されないため、当該接着剤154は硬化されていない状態にある。
(3−4)光学装置の位置決め調整及び固定(投射画像形成工程、光学装置位置調整工程及び光学装置位置決め工程)
次に、ライトガイド170内の固定板153に載置された光学装置180に対して、当該ライトガイド170内の光源から光学装置180内の光変調装置141R,141G,141Bに光束を導入して画像情報を導入するようにし、色合成光学装置(クロスダイクロイックプリズム150)を介して投射光学装置(投射レンズ160)から光学像を拡大投射する(投射画像形成工程)。また、この形成された光学像に基づいて、光学装置180を投射レンズ160に対して位置調整し(光学装置位置調整工程)、位置調整がなされた光学装置180は、載置されている固定板153に対して位置決め固定される(光学装置位置決め工程)。
ここで、前記した投射画像形成工程、光学装置位置調整工程及び光学装置位置決め工程を実施するに際しては、例えば、図7及び図8に示す製造装置2を使用するようにしてもよい。
(3−4−1)製造装置:
図7及び図8は、本実施形態のプロジェクタ100を製造するための製造装置2が示されている。この光学装置の製造装置2は、基本的に製造装置本体となる製造装置本体30、投射部本体40および処理部本体50から構成され、図7に示されるように、クロスダイクロイックプリズム150を含む光学装置180は、製造装置本体30上に設置されてプロジェクタ100の製造が行われる。
製造装置本体30は、ライトガイド170中の光学装置180の平面位置を検出する撮像部31と、光学装置180の位置調整用の装置位置調整ユニット32と、ライトガイド170を支持固定するクランプ治具34とを備えて構成される。上記撮像部31及びクランプ治具34は、製造装置本体30下部に設けられた載置台35の上に支持固定されている。そして、載置台35の下部には、製造装置本体30を移動可能にするキャスタ35Aが設けられている。
投射部本体40は、スクリーンユニット41と、暗室42とを備えて構成されている。暗室42は、スクリーンユニット41を囲む側板421、天板422と、載置台43とを備えて構成されている。側板421には照射される光を透過するための透過窓421Aが設けられているとともに、載置台43の下部には、投射部本体40を移動可能にするキャスタ43Aが設けられている。
処理部本体50は、制御装置としてのコンピュータ51であり、上記製造装置本体30と投射部本体40とは電気的に接続され、製造装置本体30および投射部本体40からの信号を処理し、制御を行う。
(3−4−2)製造装置本体30の構造:
製造装置本体30には、製造対象となる光学装置180を備えたライトガイド170を支持固定するクランプ治具34が設けられている。また、製造装置本体30のクランプ治具34の上方には、三次元方向に移動可能な装置位置調整ユニット32と、製造対象となる光学装置180の平面位置を検出する撮像部31が設けられている。
なお、図7では図示を略したが、載置台35の下部には、紫外線硬化型接着剤154を硬化させて固定板153上に光学装置180を固定するための固定用紫外線光源装置が設置されている。
前記撮像部31は、固定板153上に配置された光学装置180の平面位置を検出するものであり、外部に配置された処理部本体50のコンピュータ51と接続されている。この撮像部31は、図7に示すように、クランプ治具34の上面から立設する支持部31Aと、この支持部31Aから直交して延出する腕部31Bと、この腕部31Bに固定されるCCDカメラ31Cとを備えている。このCCDカメラ31Cは、外部に配置された処理部本体50であるコンピュータ51と、ビデオキャプチャボード(図示しない)を介して接続されている。そして、CCDカメラ31Cが光学装置180を構成するクロスダイクロイックプリズム150の上面を撮像した後、このビデオキャプチャボードによりコンピュータ用の画像信号に変換され、コンピュータ51によって処理される。
また、装置位置調整ユニット32は、図9に示すように、クロスダイクロイックプリズム150を保持して、光学装置180の位置調整を行う部分であり、クロスダイクロイックプリズム150を吸着保持するプリズム保持部321と、先端がこのプリズム保持部321と接続され、基端が駆動機構と接続される駆動軸部322とを備える。
プリズム保持部321は、保持するクロスダイクロイックプリズム150の平面形状と略同様の平面形状を有し、光学装置180を構成するクロスダイクロイックプリズム150の上面を吸着して、該クロスダイクロイックプリズム150の位置調整を行う。このため、プリズム保持部321のクロスダイクロイックプリズム150との当接面の四隅には、吸引用の孔321Aが形成されている。また、光学装置180ないしはクロスダイクロイックプリズム150の平面位置を撮像部31にて検出できるように、中央に撮像用の孔321Bが形成されている。
図10は、当該プリズム保持部321を、光学装置180を構成するクロスダイクロイックプリズム150に当接させ、吸着保持させた状態を示した模式図である。このようにして、プリズム保持部321はクロスダイクロイックプリズム150の上面を吸着保持し、当該クロスダイクロイックプリズム150を介して光学装置180の位置調整を行うこととなる。
また、プリズム保持部321の当接面には、紫外線照射部321Cが形成されていて、装置位置調整ユニット32による位置調整が終了したら、この紫外線照射部321Cから紫外線を照射して、クロスダイクロイックプリズム150を通して、下面側の紫外線硬化型接着剤154を硬化させる。
駆動軸部322は、図11に示すように、モータ等により駆動し、前記プリズム保持部321の姿勢を調整する部分であり、プリズム保持部321に吸着されたクロスダイクロイックプリズム150を、三次元的に自由な位置に調整できるようになっている。
この駆動軸部322は、載置台35上に固定される基部323と、基部323上面に移動可能に設置される平面位置調整部324と、この平面位置調整部324の先端部分に設けられる面外回転位置調整部325と、この面外回転位置調整部325の先端部分に設けられる面内回転位置調整部326とを備え、面内回転位置調整部326の先端部分には上記プリズム保持部321が固定される。
平面位置調整部324は、固定板153に対して光学装置180の進退位置および平面位置を調整する部分であり、基部323上のレール323Aに沿って摺動可能に設けられるX軸調整部324Aと、X軸調整部324A上に固定される断面略矩形枠状の係合部材324Bと、この係合部材324Bの矩形枠内を摺動可能に設けられるY軸調整部324Cと、このY軸調整部324C上に立設される脚部324Dと、この脚部324Dの上部先端部分に設けられるZ軸調整部324Fと、このZ軸調整部324Fと脚部324Dとを接続する接続部324Eと、このZ軸調整部324Fに設けられ、面外回転位置調整部325が接続される接続部324Gとを備えている。
X、Y軸調整部324A、324Cは、図示しないモータなどの駆動機構により、載置台35のX,Y軸方向(図11中、紙面と直交する方向および左右方向)を移動する。Z軸調整部324Fは、図示しないモータなどの駆動機構によって、接続部324Eに対してZ軸方向(図11中、上下方向)に移動する。
面外回転位置調整部325は、固定板153に対して光学装置180の面外方向回転位置の調整(光学装置180におけるあおり方向の位置調整)を行う部分である。この面外回転位置調整部325は、前記平面位置調整部324の先端部分に固定されるとともに、垂直方向で円弧となるように摺動可能に設けられた第1調整部325Aと、第1調整部325Aに取り付けられた略扇状の調整案内部325Cと、この調整案内部325Cに沿って水平方向で円弧となるように摺動可能に設けられた第2調整部325Bとを備えている。
そして、第1調整部325Aの上部に設けられた図示しないモータを回転駆動すると、第1調整部325Aが摺動し、第2調整部325Bの上部に設けられた図示しないモータを回転すると、第2調整部325Bが摺動し、固定板153に対して光学装置180の面外方向回転位置を高精度に調整することができる。
面内回転位置調整部326は、固定板153に対して光学装置180の面内方向回転位置の調整を行う部分であり、面外回転位置調整部325の下端部に取り付けられ、面内回転位置調整部326と略同じ形状の孔が上下にわたって貫通した円柱状の基部326Aに係合し、この基部326Aの円周方向に回転自在に設けられる。そして、この面内回転位置調整部326の回転位置を調整することにより、固定板153に対して光学装置180の面内方向回転位置を高精度に調整することができる。
(3−4−3)投射部本体の構造:
前記した図7及び図8において、投射部本体40を構成するスクリーンユニット41は、暗室42の内部で製造装置本体30と対向配置されている。
スクリーンユニット41は、暗室42の載置台43の上面に配置され、製造対象となる色合成光学系150の投射面としての透過型スクリーン411と、この透過型スクリーン411の裏面に設置され、透過型スクリーン411の略中央に配置され、光線検出部となるCCDカメラ412と、このCCDカメラ412を透過型スクリーン411の面に沿って移動させる移動機構413とを備えている。また、透過型スクリーン411裏面の下部中央には、レーザ光出力部371Aから出力された白色レーザ光を検出するためのポジションセンサ414が設けられ、このポジションセンサ414は移動機構415によって透過型スクリーン411の面に沿って移動することができる。
透過型スクリーン411は、図12に示されるように、矩形状に形成され、その側面から側板421に向かって突設された4つの支持部416で支持固定されている。また、透過型スクリーン411は、例えば、不透明樹脂層上に光学ビーズを均一に分散配置して構成することができ、光学ビーズが配置された側から光束を入射すると、光学ビーズがレンズとなって、該光束を透過型スクリーン411の裏面側に射出するようになっている。
光線検出部としてのCCDカメラ412およびポジションセンサ414は、いずれも透過型スクリーン411に表示された白色レーザ光による光スポットの位置に基づいて、クロスダイクロイックプリズム150の位置調整に用いることができるが、光学装置180の位置調整の際には、ポジションセンサ414により白色レーザ光を検出し、また、製造部33の光軸位置出しの際にも、ポジションセンサ414により白色レーザ光を検出する。
これらCCDカメラ412、およびポジションセンサ414は、載置台43内部のサーボ制御機構によって、遠隔制御で移動させることができるようになっている。
(3−4−4)処理部本体の構造:
上述した製造装置本体30および投射部本体40は、図13のブロック図に示すように、制御装置としてのコンピュータ51と電気的に接続されている。
このコンピュータ51は、CPUおよび記憶装置を備え、製造装置本体30および投射部本体40のサーボ機構の動作制御を行うとともに、ビデオキャプチャボード等の画像取込装置を介してCCDカメラ412、31C、およびポジションセンサ414と接続されている。
製造装置本体30に設置されたCCDカメラ31Cで撮像された画像は、画像取込装置を介してコンピュータ51に入力し、コンピュータに適合する画像信号に変換された後、CPUを含むコンピュータ51の動作制御を行うOS上に展開されるプリズム平面位置調整プログラムにより処理され、光学装置180の平面位置調整が行われる。
ポジションセンサ414で検出された光スポットの位置は、コンピュータ51に取り込まれて処理され、光学装置180の位置調整が行われる。
(3−4−5)製造操作:
このような製造装置2において、対象となる光学装置180と投射光学装置(投射レンズ160)や固定板153との位置調整ないしは固定操作として、例えば、載置台35に対するX軸方向とY軸方向、接続部324Eに対するZ軸方向のほか、あおり方向、及び面内回転方向(θ方向)の5軸方向の位置調整を行う手段を例として説明する。
まず、(3−2)で説明したように、ライトガイド170に設置された固定板153に対して、位置決め対象となる光学装置180を載置固定する。この場合にあっては、ライトガイド170内の固定板153と光学装置180の間には、紫外線硬化型接着剤154を介在させておく。
光学装置180を載置したライトガイドを、図7に示す製造装置2の載置台35に取付け、図10に示すように、プリズム保持部321を光学装置180を構成するクロスダイクロイックプリズム150に当接させ吸着保持させた後、光源から光を照射する。光源から照射された光は、インテグレータ照明光学系110を介して、ライトガイド170内に設けられた色分離光学系120により3色光(赤光(R光)、緑光(G光)、青光(B光))の三色に分離された後、光束を導入しながら各色毎の光変調装置141R,141G,141Bに対して画像情報が導入されることになる。そして、導入された画像情報は、光変調装置141R,141G,141Bで変調され、位置決め対象となる光学装置180の色合成光学装置(クロスダイクロイックプリズム150)により再び合成されることにより、スクリーン上に各色光による光学像が形成されることになる。
そして、かかる光学像をもとにして、例えば、平面位置調整部324を用いて、載置台35のX軸方向とY軸方向、及び接続部324Eに対するZ軸方向の位置調整を行って、また、面外回転位置調整部325にて光学装置180におけるあおり方向や、面内回転位置調整部326により光学装置180におけるθ方向を行うことにより、光学装置180を5軸方向に位置調整することができる。ここで、かかる位置調整は、得られた光学像をもとに、光学装置180のダイクロイックプリズムに当接されたプリズム保持部321を3次元的に自由な方向に動かすことによって行われる。
なお、光源から照射された光は、色分離光学系120でRGBの三色に分離されたあと、光学装置180に配設された光変調装置141R,141G,141Bにより変調され、当該変調されたRGB光が色合成光学装置(クロスダイクロイックプリズム150)で合成されて、投射レンズ160によりスクリーン上に拡大照射されることになる一方、例えば、2色の光変調装置141R,141Bを遮光し、赤光(R光)及び青光(B光)が光学像として現れない状態として、緑光(G光)のみを変調して、クロスダイクロイックプリズム150を介して拡大投射して光学像を形成するようにして、単色の光学像をもとにして、投射レンズ160に対する光学装置180の位置調整を行うようにしてもよい。このようにして単色の光学像をもとにして光学装置180の位置調整を行うようにすれば、形成される光学像が複雑にならないため位置決めを高精度で実施できるとともに、位置決め調整工程を簡略化することができる。
そして、投射レンズ160に対する光学装置180の位置調整が終了したら、固定板153上の紫外線硬化型接着剤154を硬化させることにより、固定板153と光学装置180を一体化固定することができる。これは、例えば、装置位置調整ユニット32に制御指令を出力するようにして、装置位置調整ユニット32から、プリズム保持部321の紫外線照射部321Cから紫外線を照射するようにすればよい。
(3−5)他の光学部品の位置決め固定(光軸調整工程):
以上のようにして、光学装置180を投射光学装置である投射レンズ160に対して位置調整し、位置調整された光学装置180を固定板153に対して位置決め調整した状態で固定一体化させたら、ライトガイド170に取り付けられた他の光学部品を、光軸に対して位置決め調整する光軸調整を実施する。そして、これらの光学部品について光軸調整がなされたら、それぞれを接着剤等により固定するようにすればよい。
このような(3−1)ないし(3−5)工程を実施することにより、光学装置180が高精度で位置決め調整されたプロジェクタ100を好適に得ることができる。
そして、前記した本実施形態のプロジェクタの製造方法は、図14に示すフローチャートに基づき行われる。
(i)まず、色合成光学装置150であるクロスダイクロイックプリズム150に対して射出側偏光板及びワイドビューフィルムを貼り付け、3枚の光変調装置141R,141G,141Bを位置決め調整した後、紫外線硬化型接着剤を硬化させて固定し、光学装置180を製造する(図14のステップ101)。
(ii)ライトガイド170に対して投射レンズ160を取り付けるとともに、当該ライトガイド170の光学装置配設部176に対して固定板153をネジ止め固定する。また、その他の光学部品も取付ける(図14のステップ102)。
(iii)(ii)で得たライトガイド170を製造装置2にセットするとともに(図14のステップ103)、光学装置180を当該ライトガイド170における固定板153の上に載置する(図14のステップ104)。この際、固定板153と光学装置180との間には、紫外線硬化型接着剤154を介在させておく。
(iv)固定板153の上に載置された光学装置180について、当該光学装置180を構成するダイクロイックプリズム150の上面に製造装置2のプリズム保持部321を設置するとともに(図14のステップ105)、ライトガイド170に取り付けられた光源から光を射出させ、投射光学装置である投射レンズ160からスクリーンに光を投射する(図14のステップ106)。そして、スクリーンに投影された投射画像を用いて、投射レンズ160に対して光学装置180を5軸方向に位置調整する(図14のステップ107)。
(v)位置調整が終わったら、紫外線硬化型接着剤154に対して紫外線を照射して硬化させ、固定板153と光学装置180を固定一体化する(図14のステッ108)。
(vi)固定板153と光学装置180を固定一体化したら、他の光学部品の位置決め調整(光軸調整)を行った後、当該光学部品を接着剤等で固定する(図14のステップ109)。
(4)リワーク作業(光学部品の交換・再組立作業)
ここで、本実施形態の製造方法により得られたプロジェクタ100から光学装置180を取り外し、光変調装置141R,141G,141B等の光学部品を交換する作業について、図15のフローチャートを用いて説明する。
前記したように、光学装置180は硬化された紫外線硬化型接着剤154を介して、固定板153に位置決め固定されており、また、ライトガイド170と固定板153は固定ねじ165bを通じて固定一体化されている。従って、固定板153は光学部品用筐体(ライトガイド170)に対して着脱可能であり、かかる固定ねじ165bを取り外し、当該固定板153をライトガイド170と分離することにより、光学装置180は固定板153と一体化された状態で簡便に取り外すことができる(図15のステップ201)。なお、図16は、ライトガイド170から、固定板153と一体化された光学装置180を取り外した状態を示した概略図である。
次に、ライトガイド170から取り外された光学装置180から、光変調装置141R,141G,141Bパネルや保持枠143等を取り外す(図15のステップ202)。これにより、光学装置180はクロスダイクロイックプリズム150単体が固定板153に載置された状態となる。そして、かかる光学装置180や光変調装置141R,141G,141B、射出側偏光板172等の光学部品のクリーニングやメンテナンスが実施される(図15のステップ203)。
また、クリーニング終了後、このクロスダイクロイックプリズム150に対して、再び光変調装置141R,141G,141B等の光学部品を位置決めして固定することになるが、その作業を、図17に示す製造装置5を用いて説明すれば、以下のようになる。
図17は、クロスダイクロイックプリズム150に対して光変調装置141R,141G,141Bを位置決め調整することができる製造装置5の一例を示した概略図であり、図17(A)は製造装置5を上から見た図、図17(B)は製造装置5を横から見た図をそれぞれ示している。
この製造装置5は、通常は、図17に示したようにクロスダイクロイックプリズム150を支持台座上520のプリズム吸着ブロック521に載置して、位置出しガイド510を前後左右に動かしながら、クロスダイクロイックプリズム150の中心出しを行い、また、光変調装置141R,141G,141Bを、当該位置出しガイド510を用いて、フォーカス・アライメントを行うことにより光変調装置141R,141G,141Bの位置調整を行うものである。
このように、通常の位置調整作業にあっては、図17に示した製造装置5に対しては、クロスダイクロイックプリズム150の固定治具としてプリズム吸着ブロック521が設置されているものであるが、本例で製造対象のクロスダイクロイックプリズム150は、固定板153の上に載置されており、クロスダイクロイックプリズム150と固定板153は紫外線硬化型接着剤154により接着固定されているので、プリズム吸着ブロック521を使用しなくても、前記した所定の支持台座520の上に載せることができる。なお、固定板153の底に形成された突起部153aは、あらかじめ支持台座520に形成されたダボ穴520aにも位置合わせされて挿入可能なように形成されているため、製造装置5からはプリズム吸着ブロック521を取り外した状態で、固定板153に固定された状態のクロスダイクロイックプリズム150を載置することができる。(図15のステップ204,ステップ205)。
また、製造装置5に形成された吸着穴530から図示しない所定の吸着手段により、固定板を介してダイクロイックプリズムを支持台に吸着固定し、動かないようにさせることが好ましい。
クロスダイクロイックプリズム150を支持台座520の上に載せたら、当該プリズム150に対して射出側偏光板172や光変調装置141R,141G,141B等の光学部品をセットして、クロスダイクロイックプリズム150の四方に存在する位置出しガイド510を用いて、ダイクロイックプリズム150に対して液晶パネルを位置決め調整する(図15のステップ206)。そして、位置決め調整が終わったら、あらかじめ塗布された紫外線硬化型接着剤に対して紫外線照射(UV照射)等により両者を固定して(図15のステップ207)、リワーク作業が終了する。
このように、固定板153を介してライトガイド170と光学装置180を固定するようにして、また、当該固定板153と光学装置180も位置決め固定された構成である本実施形態のプロジェクタ100は、ライトガイド170からの光学装置180の取り外しもスムースに行われるほか、クロスダイクロイックプリズム150に対する光変調装置141R,141G,141Bの位置決め固定の際にも、所定のプリズム吸着ブロックを使用しなくても、クロスダイクロイックプリズム150に対して固定板153を取り付けたままで、作業を簡便に取り進めることができる。
(5)実施形態の効果:
前記した本実施形態のプロジェクタの製造方法によれば、下記の効果を好適に奏することができる。
(5−1)プロジェクタ100を製造するにあたって、あらかじめ色合成光学装置であるクロスダイクロイックプリズム150に対して光変調装置141R,141G,141Bを位置決め固定した状態として光学装置180を形成させ、この光学装置180を、プロジェクタ100を構成する光学部品用筐体であるライトガイド170に設置された投射レンズ160に対して位置調整し、また、かかるライトガイド170に配設した固定板153に位置決め固定する構成を採用している。従って、クロスダイクロイックプリズム150を固定板153等に固定することなく光変調装置141R,141G,141Bを位置決め固定することとなり、光投射を行わずに位置決め調整を行うことを簡便に実施することができる。また、それにより、光変調装置141R,141G,141Bの位置調整に際して設備が大型化ないし複雑化することなく、低コストでの実施することができることとなる。そして、クロスダイクロイックプリズム150という汎用形態で光変調装置141R,141G,141Bの位置決め調整及び固定を行うことができるため、治具の共通化を図ることができる。
(5−2)光学装置180を構成する光変調装置141R,141G,141Bから光束や画像情報を導入し、色合成光学装置(クロスダイクロイックプリズム150)を介して投射レンズ160から光学像を拡大投射した光学像を用いて、当該投射レンズ160に対して光学装置180の位置決め調整を行うようにしているので、高精度な位置決め調整を実施することができる。また、光学部品用筐体であるライトガイド170に載置した状態で、クロスダイクロイックプリズム150をライトガイド170に配設された固定板153に対して位置決め調整するので、従来実施されていた固定板153に対するクロスダイクロイックプリズム150の位置決め調整、及び当該プリズム150のライトガイドに対する位置決め調整を一度に実施することができることなる。この結果、位置決め調整作業を簡略化することができるとともに、ライトガイド170が光軸調整機能を有する必要がなくなるため、ライトガイド170の構造の簡素化によるコストダウンを図ることができる。
(5−3)光学部品をライトガイド170に搭載した状態で、クロスダイクロイックプリズム150を備えた光学装置180の位置決め調整を行うようにしているので、位置決め調整に際して治具を共通化することができ、コストの削減を図ることができる。
(5−4)光学装置180を載置して位置決め固定する固定板153が光学部品用筐体(ライトガイド170)と脱着可能であるため、光学装置180を固定した後であっても当該光学装置180を固定板153ごとライトガイド170から簡便に取り外すことができる。従って、図15に示すような、部品交換、クリーニング、メンテナンス等の作業を含むいわゆるリワーク作業も簡便に対応することができる。
(5−5)投射レンズ160を介して投影される光学像として、一つの光変調装置から選択した単色光のみを採用し、かかる単色光の光学像を用いて投射レンズ160に対する光学装置180の位置決め固定を行えば、形成される光学像が複雑にならないため位置決めを高精度で実施でき、位置決め調整工程を簡略化することができる。
(5−6)光学装置180が、固定板153の載置面に塗布された紫外線硬化型接着剤154を介して当該固定板153に載置され、当該光学装置180が投射レンズ160に対して位置決めされた後、紫外線硬化型接着剤154を硬化させることにより両者が固定されるので、投射レンズ160に対する光学装置180の位置調整を自由に実施することができ、固定板153に対して最適な位置に光学装置180を調整することができるとともに、最適な位置で光学装置180の位置決めを実施した上で、固定板153に対して光学装置180の固定を行うことができる。
(5−7)そして、本発明のプロジェクタ100は、前記した製造方法により得られるので、低コストで製造されるとともに、光学部品が高精度で位置決め調整されて配置されているため、光学的にも高性能なものとなる。また、プロジェクタ100の小型化も可能であり、これにより製造コストの更なる削減を図ることができる。
(6)実施形態の変形:
尚、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。
前記実施形態にあっては、装置位置調整ユニット32を構成するプリズム保持部321により自動的に光学装置180の位置調整を行っていたが、これに限らず、位置調整を手動で行うようにしてもよい。
また、前記した実施形態にあっては、固定板153に対する光学装置180の位置調整において、光源から射出された光を、クロスダイクロイックプリズム150にて1色光(緑光)をスクリーン上に表示し、例えば、表示された緑光のスポットにおける相互の位置を調整することにより、固定板153に対するクロスダイクロイックプリズム150の光軸に対するあおり方向の位置調整を行っていたが、これには限定されず、例えば、光源と、合成光を検出するポジションセンサ414とに対応して、光束射出部と光束検出部とを備えたオートコリメータを採用して位置決め調整を行うようにしてもよい。
前記した実施形態では、固定板153と光学装置180との固定を、紫外線硬化型接着剤154を用いて、当該接着剤154に紫外線を照射して硬化させて行うようにしていたが、これには限定されず、常温硬化型の接着剤により両者を固定一体化させるようにしてもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
本発明のプロジェクタの製造方法は、例えば、会議、学会、展示会等でのマルチメディアプレゼンテーションに適用されるプロジェクタの製造方法として多目的に利用することができる。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの光学系の構造を示した模式図である。 前記実施形態における光学部品用筐体の構造を示す斜視図である。 前記実施形態におけるクロスダイクロイックプリズムに液晶パネルを取り付ける構造を示す斜視図である。 前記実施形態における光学装置を固定板に取り付ける構造を示した概略図である。 前記実施形態における光学部品用筐体に投射レンズ及び固定板を取り付ける手段を示した概略図である。 前記実施形態における固定板に光学装置を載置する状態を示した概略図である。 前記実施形態における製造装置の構造を示す側面図である。 前記実施形態における製造装置の構造を示す平面図である。 前記実施形態におけるダイクロイックプリズムの位置調整部の構造を示す側面図及び平面図である。 前記実施形態における光学装置にプリズム保持部を吸着固定させた状態を示す概略図である。 前記実施形態におけるダイクロイックプリズムの位置調整部の構造を示す側面図である。 前記実施形態におけるスクリーンユニットの構造を示す正面図である。 前記実施形態における処理部本体の制御構造を表すブロック図である。 前記実施形態における製造方法の一例を示すフローチャートである。 リワーク手段の一例を示すフローチャートである。 前記実施形態における光学装置の構造(光学装置から取り外した状態)を示した側面図である。 前記実施形態における製造装置の構造を示した図であって、(A)は上から見た状態、(B)は横から見た状態を示した概略図である。
符号の説明
100…プロジェクタ、110…インテグレータ照明光学系、120…色分離光学系、130…リレー光学系、140(141R,141G,141B)…光変調装置(液晶パネル)、150…色合成光学装置(クロスダイクロイックプリズム)、151…光束入射端面、153…固定板、154…紫外線硬化型接着剤、160…投射光学装置(投射レンズ)、170…光学部品用筐体(ライトガイド)、180…光学装置

Claims (5)

  1. 複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調して光学像を形成する複数の光変調装置と、各光変調装置と対向する複数の光束入射端面を備え、各光変調装置で形成された光学像を合成する色合成光学装置を備えた光学装置と、この色合成光学装置で合成された光学像を拡大投射して投射光学装置とを備えたプロジェクタを製造するプロジェクタの製造方法であって、
    各光変調装置相互の位置を調整して前記色合成光学装置の各光束入射端面上に位置決め固定して前記光学装置を製造する光学装置製造工程と、
    前記投射光学装置が取り付けられた光学部品用筐体に配設される固定板上に前記光学装置を載置する光学装置載置工程と、
    前記光学装置を構成する複数の光変調装置の少なくともいずれかに光束を導入しながら、該光変調装置に画像情報を導入し、前記色合成光学装置を介して前記投射光学装置から光学像を拡大投射する投射画像形成工程と、
    形成された光学像に基づいて、前記光学装置を前記投射光学装置に対して位置調整する光学装置位置調整工程と、
    位置調整がなされた光学装置を前記固定板に対して位置決め固定する光学装置位置決め工程とを備えていることを特徴とするプロジェクタの製造方法。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタの製造方法において、
    前記固定板が光学部品用筐体と脱着可能であることを特徴とするプロジェクタの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクタの製造方法において、
    前記投射画像形成工程で投射光学装置から投影される光学像が、複数の光変調装置のうちの一つを選択して、当該選択された一つの光変調装置により形成された光学像を投影したものであることを特徴とするプロジェクタの製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れかに記載のプロジェクタの製造方法において、
    前記光学装置は、前記固定板の載置面に塗布された光硬化型接着剤を介して当該固定板に載置され、
    当該光学装置が固定板に対して位置決めされた後、前記光硬化型接着剤を硬化させることにより両者が固定されることを特徴とするプロジェクタの製造方法。
  5. 光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成し、拡大投射するプロジェクタであって、
    請求項1ないし請求項4の何れかに記載の製造方法により得られたものであることを特徴とするプロジェクタ。
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