JP3716767B2 - 色合成光学系の製造装置、色合成光学系の製造方法、およびこの製造方法により製造された色合成光学系を備えたプロジェクタ - Google Patents

色合成光学系の製造装置、色合成光学系の製造方法、およびこの製造方法により製造された色合成光学系を備えたプロジェクタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の色光を合成して射出するために、各色光に応じた複数の光入射端面、および各色光を合成して射出する光射出端面が形成されたプリズムと、このプリズムが固定される固定板とを備え、前記固定板に対して前記プリズムを位置決め固定する色合成光学系の製造装置、色合成光学系の製造方法、およびこの製造方法により製造された色合成光学系を備えたプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、光源から射出された光束をダイクロイックミラーを用いて三色の色光R,G,Bに分離する色分離光学系と、分離された光束を各色光毎に、画像情報に応じて変調する3枚の光変調装置と、各光変調装置で変調された光束を、合成する色合成光学系とを備えた三板式のプロジェクタが知られている。
【0003】
色合成光学系としては、色分離光学系等が組み込まれる光学部品用筐体に機械的に固定される固定板と、この固定板に接着固定されるクロスダイクロイックプリズムが知られている。このクロスダイクロイックプリズムは、4個の同一形状の三角プリズムを相互に貼り合わせることにより構成されている。略X字状の貼り合わせ面には所定の色の選択反射特性を備えた誘電体膜等の反射層が形成されている。
このように4個の三角プリズムを貼り合わせて四角柱状にしたクロスダイクロイックプリズム側面のうち、3つの側面は光入射端面とされ、それらの側面に対向配置した光変調装置を介して変調された各色光が入射される。残りの1面は光出射端面であり、ここからは合成された合成光が出射し、投写レンズを介してスクリーン上に拡大投写される。
【0004】
このような色合成光学系において、クロスダイクロイックプリズムによる色合成を画素ずれ等が出ることなく行うためには、クロスダイクロイックプリズムを固定板に対して正確に位置決めする必要があり、近年の液晶プロジェクタにおける小型化、高輝度化に伴って、クロスダイクロイックプリズムと下面に接着固定される固定板との貼付製造技術には、より一層、高精度が要求されてきている。
【0005】
従来、この貼付製造技術は、クロスダイクロイックプリズム下面に紫外線硬化型接着剤を介して、固定板を接着固定し、紫外線硬化型接着剤が未硬化な状態で、位置調整を行っている。位置調整では、クロスダイクロイックプリズム上面からCCD等の撮像素子を用いて撮像する。撮像された画像において、予め取得されたクロスダイクロイックプリズムの基準位置に位置するように、パターンマッチング等の画像処理を用いて、固定板に対してクロスダイクロイックプリズムを位置調整する。そして、位置調整が終了した後、紫外線をあて、接着剤を硬化させ、クロスダイクロイックプリズムと固定板との固定を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来における、CCD等の撮像素子を用いてクロスダイクロイックプリズムの上面を撮像し、撮像された画像において、予め取得されたクロスダイクロイックプリズムの基準位置に位置するように、クロスダイクロイックプリズムを位置調整する方法では、クロスダイクロイックプリズム上面をその平面方向に沿って移動し、基準位置に配置するように位置調整するだけで、クロスダイクロイックプリズムのあおり方向の位置調整は正確に調整出来ていないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、固定板に対してプリズムを高精度かつ迅速に位置決め固定することのできる色合成光学系の製造装置、色合成光学系の製造方法、およびこの製造方法により製造された色合成光学系を備えたプロジェクタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の色合成光学系の製造装置は、複数の色光を合成して射出するために、各色光に応じた複数の光入射端面、および各色光を合成して射出する光射出端面が形成されたプリズムと、このプリズムが固定される固定板とを備え、前記固定板に対して前記プリズムを位置決め固定する色合成光学系の製造装置であって、白色レーザ光を射出するレーザ光射出部と、このレーザ光射出部から射出された白色レーザ光を複数の色光に分離して、前記プリズムの各光入射端面に入射させる導光部と、前記固定板に対する前記プリズムの平面位置を検出する平面位置検出部と、前記プリズムの光射出端面から射出された合成光を検出する合成光検出部と、前記固定板に対する前記プリズムの位置調整を行う位置調整部とを備えていることを特徴とする。
【0009】
このような本発明によれば、色合成光学系の製造装置は、平面位置検出部と、位置調整部とを備えていることにより、平面位置検出部によってプリズムの光入射端面に直交する端面の平面位置を検出しながら、位置調整部にて、プリズムを固定板に対して基準位置に調整し、平面位置の調整を行い、プリズム固定板間の位置関係を概ね調整することができる。
また、レーザ光射出部と、導光部と、合成光検出部と、位置調整部とを備えていることにより、レーザ光射出部から射出された白色レーザ光を導光部でRGB等の複数の色光に分離させてプリズムの光入射端面に入射させ、プリズムで合成された光束を合成光検出部で検出しながら、位置調整部にて、プリズム固定板間の位置関係を調整することができるため、プリズム反射面に対するあおり方向の位置調整を含めて、プリズムの固定板に対する位置決めを高精度に行うことができる。
また、光源として白色レーザ発信器を用いて指向性の高い白色レーザ光を使用することで、スクリーン上に表示される白色レーザ光の各色光はスポットとして検出され、各色光のスポット位置を相互に調整することで、プリズム反射面に対するあおり方向の調整を高精度に行うことができ、本発明の目的が達成される。
【0010】
また、前記プリズムから射出された合成光を投影するスクリーンを備え、前記プリズムからこのスクリーンに至る光路上には、前記合成光を前記スクリーンの所定位置に投影させる光案内部が設けられ、この光案内部は、前記合成光を透過させる孔が形成された遮蔽板を前記光路上に少なくとも2枚以上配置して構成されることが好ましい。
このような構成では、プリズムからスクリーンに至る光路上には、合成光をスクリーンの所定位置に投影させる光案内部が設けられ、この光案内部の光路上には、合成光を透過させる孔が形成された遮蔽板が少なくとも2枚以上配置されていることにより、光路上に配置された遮蔽板の孔をずれた色光は遮蔽板によって遮断され、また、プリズムに入り込んだ余分な光も遮蔽板によって遮断することができ、スクリーン上には、より鮮明な合成光が表示され、位置調整を確実に行うことができる。
【0011】
また、複数の色光を合成して射出するために、各色光に応じた複数の光入射端面、および各色光を合成して射出する光射出端面が形成されたプリズムと、このプリズムが固定される固定板とを備え、前記固定板に対して前記プリズムを位置決め固定する色合成光学系の製造装置であって、光束射出部および光束検出部を備え、前記プリズムに光束を射出して反射した光束を検出するオートコリメータと、このオートコリメータから射出された光束を複数の色光に分離して、前記プリズムの各光入射端面に入射させる導光部と、前記プリズムから射出された光束を反射して、該光束を前記プリズムの光射出端面に導入する反射部と、前記固定板に対する前記プリズムの平面位置を検出する平面位置検出部と、前記固定板に対する前記プリズムの位置調整を行う位置調整部とを備えていることを特徴とする。
【0012】
このような構成では、色合成光学系の製造装置は、オートコリメータと、導光部と、反射部と、平面位置検出部と、位置調整部とを備えていることにより、平面位置検出部によってプリズムの光入射端面に直交する端面の平面位置を検出しながら、位置調整部にて、プリズムを固定板に対して基準位置に調整し、平面位置の調整を行い、予め大きくずれたような場合でも容易にプリズム平面位置の調整を行うことができる。また、オートコリメータの光束射出部から射出された光束を導光部で複数の色光に分離してプリズムの光入射端面に入射させ、プリズムから射出される合成光を反射部にて反射させてプリズムの光射出端面に入射させ、各色光の反射光をオートコリメータの光束検出部で検出しながら、各色光の反射光における相互の位置を調整することができる。すなわち、固定板に対してプリズムのあおり方向の位置調整を高精度に行うことができ、本発明の目的が達成される。また、オートコリメータは光束検出部を備えていることにより、プリズムからの合成光を投影するスクリーンを必要とせず、色合成光学系の製造装置の小型化に繋がる。
【0013】
前記導光部は、白色光を複数の色光に分離する偏光分離光学素子と、分離された色光を曲折して前記プリズムの光入射端面に入射させる反射ミラーとを備え、この反射ミラーには、前記プリズムに対する位置を調整する位置調整機構が設けられていることが好ましい。
このような構成では、導光部を構成する反射ミラーには、プリズムに対する位置を調整する位置調整機構が設けられていることにより、色合成光学系の製造前に、既に製造された基準となる色合成光学系を組み込んだ状態で、導光部の反射ミラーをこの位置調整機構で調整し、光源から射出された光束を基準光軸に合わせることができ、プリズムの固定板に対する位置調整をより高精度に行うことができる。
【0014】
また、平面位置検出部は、前記プリズムの光入射端面に直交する面を撮像する撮像素子と、この撮像素子で撮像された画像を取り込んで画像信号に変換する画像取り込み部と、この画像取り込み部から出力された画像信号に基づいて、画像の演算処理を行い、前記プリズムの平面位置を演算処理する信号処理部とを備えていることが好ましい。
このような構成では、撮像素子がプリズムの光入射端面に直交する面を撮像し、画像取り込み部が、この撮像素子で撮像された画像を取り込んで画像信号に変換し、画像を検出する。そして、信号処理部が予め基準位置として撮像素子を用いた画像取り込み部によって取り込まれた基準位置画像と、前記撮像素子を用いた画像取り込み部によって検出した製造対象画像とを比較し、基準位置との偏差を演算処理するので、予め大きくずれたプリズムの平面位置調整を迅速に行い、プリズムの固定板に対する位置調整を容易にかつ迅速に行うことができるようになる。
ここで、撮像素子としては、CCD、MOS(Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子が考えられ、画像取り込み装置としては、これらの撮像素子からの出力が入力され、コンピュータ用の画像信号に変換するビデオキャプチャボード等の画像データ化手段が考えられる。
【0015】
また、前記プリズムは、前記固定板の載置面に光硬化型接着剤により接着され、前記位置調整部は、前記プリズムを保持するプリズム保持部と、前記光硬化型接着剤を硬化させる光線を照射する光線照射部とを備えていることが好ましい。このような構成では、位置調整部は、プリズムを保持するプリズム保持部と、光硬化型接着剤を硬化させる光線を照射する光線照射部とを備えていることにより、平面位置調整部、合成光検出部または光束検出部からの制御信号に基づいて、プリズム保持部を制御してプリズムを固定板に対して位置調整を行い、光線照射部により、光硬化型接着剤を硬化させ、プリズムと固定板とを固定することができる。
【0016】
また、複数の色光を合成して射出するために、各色光に応じた複数の光入射端面、および各色光を合成して射出する光射出端面が形成されたプリズムと、このプリズムが固定される固定板とを備え、前記固定板に対して前記プリズムを位置決め固定する色合成光学系の製造方法であって、前記固定板に対する前記プリズムの平面位置を検出する平面位置検出工程と、この平面位置検出工程を実施しながら、前記固定板に対して基準となる所定の平面位置に配置するように前記プリズムを位置調整する平面位置調整工程と、所定の光軸上に白色光を射出する光束射出工程と、この白色光を複数の色光に分離し、分離された各色光を前記プリズムの光入射端面に入射させ、前記プリズムで合成された光束を光検出装置で検出する光検出工程と、この光検出工程を実施しながら、前記プリズムを前記固定板に対して位置調整するあおり方向位置調整工程とを備えていることを特徴とする。
【0017】
このような本発明によれば、色合成光学系を製造する際に、平面位置検出工程、平面位置調整工程、光束射出工程、光検出工程、およびあおり方向位置調整工程を実施することにより、プリズムの光入射端面に直交する端面の平面位置を検出装置で検出しながら、固定板に対して基準となる所定の平面位置に配置するようにプリズムの位置調整を行うことができるため、予め大きくプリズムが固定板に対してずれていた場合に、容易にプリズム平面方向の位置調整をすることができる。さらに、白色光をRGB等の複数の色光に分離させてプリズムの光入射端面に入射させ、プリズムで合成された光束を検出装置で検出しながら、検出された各色光に対応した像の相互の位置を調整し、固定板に対してプリズムの位置調整を高精度かつ迅速に行うことができる。特にプリズムの反射面に対するあおり方向の調整を高精度に行うことができ、本発明の目的が達成される。
【0018】
前記平面位置検出工程は、前記プリズムの光入射端面と直交する端面の画像を撮像素子を用いた画像取り込み部で検出する画像検出手順と、この検出された平面画像と基準となる平面画像との偏差を算出する偏差算出手順とを備えていることが好ましい。
このような構成では、平面位置検出工程は、画像検出手順と偏差算出手順とを備えていることにより、プリズムの光入射端面と直交する端面の平面画像を撮像素子を用いた画像取り込み部で検出し、検出された平面画像と、基準となる平面画像との偏差を算出することができ、容易にプリズム平面方向の位置調整を行うことができる。
【0019】
前記プリズムは、前記固定板の載置面に光硬化型接着剤で接着され、前記平面位置調整工程およびあおり方向位置調整工程は、前記光硬化型接着剤が未硬化の状態で実施され、前記あおり方向位置調整工程は、前記プリズムの位置調整の後、前記光硬化型接着剤に光線を照射して、該接着剤を硬化させる接着剤硬化手順を備えていることが好ましい。
このような構成では、プリズムの固定板に対する位置調整を光硬化型接着剤が未硬化の状態で行うことにより、固定板に対するプリズムの位置を自由に調整することができるため、固定板に対して最適な位置にプリズムを位置調整することができ、あおり方向位置調整工程における位置調整の後に光を照射して光硬化型接着剤を硬化させて、最適な位置でプリズムの位置決めを行い、色合成光学系の製造を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
〔1〕プロジェクタの構造
図1には、本発明の実施形態に係る色合成光学系と、色分離光学系、複数の光変調装置、色合成光学系、および投写光学系を含む光学ユニットが採用されたプロジェクタ100の構造が示されている。このプロジェクタ100は、インテグレータ照明光学系110、色分離光学系120、リレー光学系130、電気光学装置140、色合成光学系150、および投写光学系となる投写レンズ160を備えている。
【0021】
前記インテグレータ照明光学系110は、光源ランプ111Aおよびリフレクタ111Bを含む光源装置111と、第1レンズアレイ113と、第2レンズアレイ115と、反射ミラー117と、重畳レンズ119とを備えている。
光源ランプ111Aから射出された光束は、リフレクタ111Bによって射出方向が揃えられ、第1レンズアレイ113によって複数の部分光束に分割され、反射ミラー117によって射出方向を90°折り曲げられた後、第2レンズアレイ115の近傍で結像する。第2レンズアレイ115から射出された各部分光束は、その中心軸(主光線)が後段の重畳レンズ119の入射面に垂直となるように入射し、さらに重畳レンズ119から射出された複数の部分光束は、後述する電気光学装置140を構成する3枚の液晶パネル141R、141G、141B上で重畳する。
【0022】
前記色分離光学系120は、2枚のダイクロイックミラー121、122と、反射ミラー123とを備え、これらのミラー121、122、123によりインテグレータ照明光学系110から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
前記リレー光学系130は、入射側レンズ131、リレーレンズ133、および反射ミラー135、137を備え、この色分離光学系120で分離された色光、例えば、青色光Bを液晶パネル141Bまで導く機能を有している。
【0023】
前記電気光学装置140は、3枚の光変調装置となる液晶パネル141R、141G、141Bを備え、これらは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものであり、色分離光学系120で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル141R、141G、141Bによって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
前記色合成光学系150を構成するクロスダイクロイックプリズム151は、前記3枚の液晶パネル141R、141G、141Bから射出された各色光ごとに変調された画像を合成してカラー画像を形成するものである。尚、クロスダイクロイックプリズム151には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つ直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成される。そして、クロスダイクロイックプリズム151で合成されたカラー画像は、投写レンズ160から射出され、スクリーン上に拡大投写される。
【0024】
〔2〕光学ユニットの構造
このようなプロジェクタ100において、インテグレータ照明光学系110、色分離光学系120、およびリレー光学系130を構成する光学部品は、図2に示すように、光学部品用筐体を構成する上ライトガイド171の内部に収納され、クリップ等で上ライトガイド171内に取り付けられている。
【0025】
電気光学装置140を構成する3枚の液晶パネル141R、141G、141Bは、クロスダイクロイックプリズム151の側面三方を囲むように配置される。具体的には、図3に示すように、各液晶パネル141R、141G、141Bは、保持枠143内に収納され、この保持枠143の四隅部分に形成される孔143Aに透明樹脂製のピン145を紫外線硬化型接着剤とともに挿入することにより、クロスダイクロイックプリズム151の光入射端面152に接着固定された、いわゆるPOP(Panel On Prism)構造によりクロスダイクロイックプリズム151に固定されている。ここで、保持枠143には、矩形状の開口部143Bが形成され、各液晶パネル141R、141G、141Bは、この開口部143Bで露出し、この部分が画像形成領域となる。すなわち、各液晶パネル141R、141G、141Bのこの部分に各色光R、G、Bが導入され、画像情報に応じて光学像が形成される。
【0026】
また、クロスダイクロイックプリズム151の下面には、固定板153が紫外線硬化型接着剤154により接着固定され、この固定板153には、ねじ止め固定用の孔153Aが形成されている。この固定板153は、図4に示すように、中央部に球状の膨出部153Bを有し、膨出部153B上をクロスダイクロイックプリズム151の下面を当接させ、クロスダイクロイックプリズム151と固定板153との間に未硬化の紫外線硬化型接着剤154を充填した状態でクロスダイクロイックプリズム151の位置調整を行い、位置調整終了後にクロスダイクロイックプリズム151の上面から下面に向けて紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤154を硬化させる。尚、固定板153に球状の膨出部153Bが形成してあるのは、光軸に対してあおり方向の位置調整が必要だからである。
【0027】
そして、このようなクロスダイクロイックプリズム151および液晶パネル141R、141G、141Bは、図5に示すように、下ライトガイド172の投写レンズ160の光路前段で、ねじ155を固定板153の孔153Aに挿入して、光学部品用筐体を構成する下ライトガイド172に固定され、上ライトガイド171および下ライトガイド172を組み合わせることにより、光学ユニットが構成される。
【0028】
このような構成の光学ユニットは、まず、インテグレータ照明光学系110、色分離光学系120、およびリレー光学系130を構成する光学部品を上ライトガイド171内に収納しておく。次に、下ライトガイド172には、位置調整が行われた固定板153を含むクロスダイクロイックプリズム151を取り付け、クロスダイクロイックプリズム151の光入射端面に液晶パネル141R、141G、141Bを、固定用の接着剤が未硬化の状態で取り付けておく。そして、上ライトガイド171および下ライトガイド172を組み合わせた状態で、光源から射出された光束を利用して、液晶パネル141R、141G、141Bの位置調整を行い、最後に接着剤を固定させてクロスダイクロイックプリズム151に対する液晶パネル141R、141G、141Bの位置決め固定を行う。
【0029】
〔3〕色合成光学系の製造装置の構造
図6および図7には、前記の光学ユニットを構成する色合成光学系150を製造するための製造装置2が示されている。この色合成光学系150の製造装置2は、基本的に製造装置本体となる製造装置本体30、投写部本体40および処理部本体50から構成され、図6に示されるように、クロスダイクロイックプリズム151は、製造装置本体30上に設置されて色合成光学系150の製造が行われる。
【0030】
製造装置本体30は、クロスダイクロイックプリズム151の平面位置を検出する撮像部31と、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整用のプリズム位置調整ユニット32と、色合成光学系150が組み込まれる製造部33と、光軸位置出し、およびクロスダイクロイックプリズム151位置調整用の白色レーザ光を射出するための光源ユニット37とを備えて構成される。上記撮像部31、プリズム位置調整ユニット32、製造部33および光源ユニット37は、製造装置本体30下部に設けられた載置台35の上に支持固定されている。そして、載置台35の下部には、製造装置本体30を移動可能にするキャスタ35Aが設けられている。
【0031】
投写部本体40は、スクリーンユニット41と、暗室42とを備えて構成されている。暗室42は、スクリーンユニット41を囲む側板421、天板422と、載置台43とを備えて構成されている。側板421には光源ユニット37から製造部33を介して照射される光を透過するための透過窓421Aが設けられているとともに、載置台43の下部には、投写部本体40を移動可能にするキャスタ43Aが設けられている。
処理部本体50は、制御装置としてのコンピュータ51であり、上記製造装置本体30と投写部本体40とは電気的に接続され、製造装置本体30および投写部本体40からの信号を処理し、制御を行う。
【0032】
(3-1)製造装置本体の構造
製造装置本体30には、製造対象となる色合成光学系150が組み込まれる製造部33を支持固定するクランプ治具34が設けられ、前記の光源ユニット37は、クランプ治具34の製造部33の載置面下に設置されている。また、製造装置本体30の製造部33の上方には、三次元方向に移動可能なプリズム位置調整ユニット32と、製造対象となる色合成光学系150の平面位置を検出する撮像部31が設けられている。尚、図6では図示を略したが、載置台35の下部には、紫外線硬化型接着剤154を硬化させて固定板153上にクロスダイクロイックプリズム151を固定するための固定用紫外線光源装置が設置されている。
【0033】
前記撮像部31は、固定板153上に配置されたクロスダイクロイックプリズム151の平面位置を検出するものであり、外部に配置された処理部本体50のコンピュータ51と接続されている。この撮像部31は、図6に示すように、クランプ治具34の上面から立設する支持部31Aと、この支持部31Aから直交して延出する腕部31Bと、この腕部31Bに固定されるCCDカメラ31Cとを備えている。このCCDカメラ31Cは、外部に配置された処理部本体50であるコンピュータ51と、ビデオキャプチャボード(図示略)を介して接続されている。CCDカメラ31Cがクロスダイクロイックプリズム151の上面を撮像した後、このビデオキャプチャボードによりコンピュータ用の画像信号に変換され、コンピュータ51によって処理される。
前記プリズム位置調整ユニット32は、図8に示すように、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整を行う部分であり、クロスダイクロイックプリズム151を吸着保持するプリズム保持部321と、先端がこのプリズム保持部321と接続され、基端が駆動機構と接続される駆動軸部322とを備える。
【0034】
プリズム保持部321は、保持するクロスダイクロイックプリズム151の平面形状と略同様の平面形状を有し、クロスダイクロイックプリズム151の上面を吸着して、該クロスダイクロイックプリズム151の位置調整を行う。このため、プリズム保持部321のクロスダイクロイックプリズム151との当接面の四隅には、吸引用の孔321Aが形成されている。また、クロスダイクロイックプリズム151の平面位置を撮像部31にて検出できるように、中央に撮像用の孔321Bが形成されている。
また、この当接面には、紫外線照射部321Cが形成されていて、プリズム位置調整ユニット32による位置調整が終了したら、この紫外線照射部321Cから紫外線を照射して、クロスダイクロイックプリズム151を通して、下面側の紫外線硬化型接着剤154を硬化させる。
【0035】
駆動軸部322は、図9に示すように、モータ等により駆動し、前記プリズム保持部321の姿勢を調整する部分であり、プリズム保持部321に吸着されたクロスダイクロイックプリズム151を、三次元的に自由な位置に調整できるようになっている。
【0036】
この駆動軸部322は、載置台35上に固定される基部323と、基部323上面に移動可能に設置される平面位置調整部324と、この平面位置調整部324の先端部分に設けられる面外回転位置調整部325と、この面外回転位置調整部325の先端部分に設けられる面内回転位置調整部326とを備え、面内回転位置調整部326の先端部分には上記プリズム保持部321が固定される。
【0037】
平面位置調整部324は、固定板153に対してクロスダイクロイックプリズム151の進退位置および平面位置を調整する部分であり、基部323上のレール323Aに沿って摺動可能に設けられるX軸調整部324Aと、X軸調整部324A上に固定される断面略矩形枠状の係合部材324Bと、この係合部材324Bの矩形枠内を摺動可能に設けられるY軸調整部324Cと、このY軸調整部324C上に立設される脚部324Dと、この脚部324Dの上部先端部分に設けられるZ軸調整部324Fと、このZ軸調整部324Fと脚部324Dとを接続する接続部324Eと、このZ軸調整部324Fに設けられ、面外回転位置調整部325が接続される接続部324Gとを備えている。X、Y軸調整部324A、324Cは、図示しないモータなどの駆動機構により、載置台35のX,Y軸方向(図9中紙面と直交する方向および左右方向)を移動する。Z軸調整部324Fは、図示しないモータなどの駆動機構によって、接続部324Eに対してZ軸方向(図9中上下方向)に移動する。
【0038】
ここで、図9に示されるように、載置台35上面には製造対象となるプリズムを載置するプリズム載置台35Bが設置され、上記の平面位置調整部324を用いて、プリズム載置台35B上方までプリズム把持部321を移動させ、製造対象となるプリズムを把持し、さらに製造を行う製造部33内にプリズムを移動させることで、色合成光学系150の製造が行われる。
【0039】
面外回転位置調整部325は、固定板153に対してクロスダイクロイックプリズム151の面外方向回転位置の調整(クロスダイクロイックプリズム151におけるあおり方向の位置調整)を行う部分である。この面外回転位置調整部325は、前記平面位置調整部324の先端部分に固定されるとともに、垂直方向で円弧となるように摺動可能に設けられた第1調整部325Aと、第1調整部325Aに取り付けられた略扇状の調整案内部325Cと、この調整案内部325Cに沿って水平方向で円弧となるように摺動可能に設けられた第2調整部325Bとを備えている。そして、第1調整部325Aの上部に設けられた図示しないモータを回転駆動すると、第1調整部325Aが摺動し、第2調整部325Bの上部に設けられた図示しないモータを回転すると、第2調整部325Bが摺動し、固定板153に対してクロスダイクロイックプリズム151の面外方向回転位置を高精度に調整することができる。
【0040】
面内回転位置調整部326は、固定板153に対してクロスダイクロイックプリズム151の面内方向回転位置の調整を行う部分であり、面外回転位置調整部325の下端部に取り付けられ、面内位置調整部326と略同じ形状の孔が上下にわたって貫通した円柱状の基部326Aに係合し、この基部326Aの円周方向に回転自在に設けられる。そして、この面内回転位置調整部326の回転位置を調整することにより、固定板153に対してクロスダイクロイックプリズム151の面内方向回転位置を高精度に調整することができる。
【0041】
前記製造部33は、図10または図11に示すように、色合成光学系150を構成する固定板153とクロスダイクロイックプリズム151とが組み込まれ、固定板153に対してクロスダイクロイックプリズム151が位置決め固定される部分であり、前記光源ユニットから射出される光束をR,G,Bの各色光に分離するプリズム331Aと分離された色光を配置されるクロスダイクロイックプリズム151の光入射端面152に導光するミラー331Bとで構成される導光部331と、色合成光学系150を載置するための載置台332と、色合成光学系150で合成された合成光を投写部40の所定位置に投影させる光案内部333とを備えている。
【0042】
プリズム331Aは、R,G,Bの各色光に分離する3つのプリズムが一体的に構成されており、プリズム331Aの両端には、ねじが固定され、このねじの調節によりプリズム331Aの平面方向調節(図10中左右方向、および平面内回転方向)を行う平面方向調節部334Bと、この平面方向調節部334Bを介してプリズム331Aの進退方向(図10中上下方向)を調節するマイクロホルダ334Aとで構成されるプリズム調整部334が設けられている。
【0043】
ミラー331Bは、プリズム331Aで分離されたR,Bの各色光を反射してクロスダイクロイックプリズム151の光入射端面152へと導光する部分であり、ミラー331Bの平面位置を調整する、X軸調整部335A(図10中左右方向位置調整)、Y軸調整部335B(図10中上下方向位置調整)と、ミラー331Bの反射面におけるあおり方向の位置調整を行うあおり方向調整部335Cとで構成されるミラー位置調整部335が設けられている。ここで、あおり方向調整部335Cは、図11に示されるように、2つの調整部から構成されており、精密なあおり方向の位置調整ができるようになっている。
載置台332は、色合成光学系150を構成する固定板153を固定するための孔332Aが設けられ、固定板153に形成された孔153Aにねじを挿入し、載置台332に形成された孔332Aで固定板153を固定し、色合成光学系150の製造を行う。
【0044】
光案内部333は、色合成光学系150と投写部40との間の光路上に2つの遮蔽板333Aを備えており、この遮蔽板333Aには色合成光学系150で射出された合成光を透過させる透過孔333Bが形成されている。ここで、光案内部333の入光側の遮蔽板333Aには、上記プリズム331Aおよびミラー331Bによって調整された基準光軸上に2つの透過孔333Bを配置することができるように、遮蔽板調整部336が設けられている。この遮蔽板調整部336は、図11に示されるように、2つの調整部から構成されており、2つの調整部を調整することにより遮蔽板333Aの平面に対するあおり方向の調整が精密に行えるようになっている。
【0045】
前記光源ユニット37は、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整に際しての光源を有し、図12に示すように、光源部本体371および導光部372とを備えている。
光源部本体371は、筐体内に調整用光源となる白色レーザ光出力部371Aを収納した構成とされ、製造部33に光束を供給する部分である。
導光部372は、上下に延びる筒状体から構成され、その上端には、側方に開口372Aが形成されるとともに、この開口372Aの位置に応じた内部には、開口372Aの開口面に対して略45°に配置されるミラー372Bが設けられている。
導光部372の下端部分は、クランプ治具34に当接し、下端部分の側面には、開口372Cが形成され、レーザ光射出部分と対向している。また、この開口372Cに応じた導光部372の内部には、開口372Cの開口面に対して略45°をなす角度でミラー372Dが配置される。
【0046】
このような光源ユニット37を利用して、製造対象となる色合成光学系150の調整を行う場合、導光部372の上部の開口372Aと、製造部33内に設置されたプリズム331Aの赤色光分離側端面とは対向しており、光源部本体371の白色レーザ光出力部371Aからの射出光束はプリズム331Aの赤色光分離側端面から製造部33内に導入され、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整が行われる。
【0047】
(3-2)投写部本体の構造
図6において、投写部本体40を構成するスクリーンユニット41は、暗室42の内部で製造装置本体30と対向配置されている。
スクリーンユニット41は、暗室42の載置台43の上面に配置され、製造対象となる色合成光学系150の投写面としての透過型スクリーン411と、この透過型スクリーン411の裏面に設置され、透過型スクリーン411の略中央に配置され、光線検出部となるCCDカメラ412と、このCCDカメラ412を透過型スクリーン411の面に沿って移動させる移動機構413とを備えている。また、透過型スクリーン411裏面の下部中央には、レーザ光出力部371Aから出力された白色レーザ光を検出するためのポジションセンサ414が設けられ、このポジションセンサ414は移動機構415によって透過型スクリーン411の面に沿って移動することができる。
【0048】
透過型スクリーン411は、図13に示されるように、矩形状に形成され、その側面から側板421に向かって突設された4つの支持部416で支持固定されている。また、透過型スクリーン411は、例えば、不透明樹脂層上に光学ビーズを均一に分散配置して構成することができ、光学ビーズが配置された側から光束を入射すると、光学ビーズがレンズとなって、該光束を透過型スクリーン411の裏面側に射出するようになっている。
【0049】
光線検出部としてのCCDカメラ412およびポジションセンサ414は、いずれも透過型スクリーン411に表示された白色レーザ光による光スポットの位置に基づいて、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整に用いることができるが、後述するプリズム位置調整の際には、ポジションセンサ414により白色レーザ光を検出し、また、製造部33の光軸位置出しの際にも、ポジションセンサ414により白色レーザ光を検出する。
これらCCDカメラ412、およびポジションセンサ414は、載置台43内部のサーボ制御機構によって、遠隔制御で移動させることができるようになっている。
【0050】
(3-3)処理部本体の構造
上述した製造装置本体30および投写部本体40は、図14のブロック図に示すように、制御装置としてのコンピュータ51と電気的に接続されている。
このコンピュータ51は、CPUおよび記憶装置を備え、製造装置本体30および投写部本体40のサーボ機構の動作制御を行うとともに、ビデオキャプチャボード等の画像取込装置を介してCCDカメラ412、31C、およびポジションセンサ414と接続されている。
【0051】
製造装置本体30に設置されたCCDカメラ31Cで撮像された画像は、画像取込装置を介してコンピュータ51に入力し、コンピュータに適合する画像信号に変換された後、CPUを含むコンピュータ51の動作制御を行うOS上に展開されるプリズム平面位置調整プログラムにより処理され、クロスダイクロイックプリズム151の平面位置調整が行われる。
ポジションセンサ414で検出された光スポットの位置は、コンピュータ51に取り込まれて処理され、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整が行われる。
【0052】
〔4〕色合成光学系の製造操作
このような色合成光学系150の製造装置2において、製造対象となる色合成光学系150の位置調整操作は、図15に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(1) まず、色合成光学系150を製造部33の載置台332に設置する前に、製造部33の基準光軸の位置出しを行う(処理S1)。具体的には、図16に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(1-1) まず、基準光軸を得るために、製造部33の載置台332に固定板に対してプリズムの位置決めが終了した基準となる色合成光学系を取り付ける(処理S11)。
(1-2) 光源ユニット37のレーザ光出力部371Aから白色レーザ光を照射する(処理S12)。光源ユニット37から照射された白色レーザ光は、製造部33の導光部331でRGB3色の色光に分離された後、基準となる色合成光学系で再び合成され、スクリーン上に各色光による光スポット像が形成される。
【0053】
(1-3) 作業者は、スクリーン上に形成された各色光による光スポット像を確認し、導光部331に設置されたプリズム調整部334およびミラー位置調整部335と光案内部333の入光側の遮蔽板333Aに設置された遮蔽板調整部336を用いてプリズム331A、ミラー331B、および遮蔽板333Aの位置調整を行う(処理S13)。まず、プリズム調整部334のマイクロホルダ334Aを用いてプリズム331Aの進退方向を調整するとともに、遮蔽板調整部336を調整してスクリーン上に表示されるGの色光の基準位置を出す。次に、このGの色光における基準位置に基づいて、プリズム調整部334の平面方向調節部334Bおよびミラー位置調整部335を用いてR,Bの色光の位置調整を行う。
ここで、プリズム331A、ミラー331Bが基準となる光軸からずれて配置されている場合、図17に示されるように、各色光に対応した光スポット像SR、SG、SBは、それぞれずれた位置に形成される。このSR、SG、SBのずれた位置を調整するために、平面方向調節部334Bおよびミラー位置調整部335を用いて、R,Bの色光による光スポット像SR、SBを緑の色光による光スポット像SGに重ねることで、導光部331を基準光軸に対応した位置に配置することができる。
【0054】
(2) 次に、基準となる色合成光学系を取り外し、製造部33内の載置台332に製造対象となる色合成光学系150を載置固定する(処理S2)。具体的には、固定板153をねじで載置台332に固定し、紫外線硬化型接着剤154をクロスダイクロイックプリズム151が固定される固定面上に未硬化の状態で塗布しておき、プリズム位置調整ユニット32にてプリズム載置台35Bに載置されたクロスダイクロイックプリズム151を把持し、コンピュータ51を操作してクロスダイクロイックプリズム151を上記固定板153上に載置する。
【0055】
(3) コンピュータを操作して、予め記憶装置内に格納された、プロジェクタの機種毎に登録された機種データを呼び出して、CPUのメモリ上にロードする(処理S3)。機種データとしては、製造対象となるクロスダイクロイックプリズム151の設計上の配置位置が含まれ、各位置調整に際しては、この設計上の配置位置を初期位置として調整を行う。
(4) コンピュータ51のCPUは、メモリー上にロードされた機種データのクロスダイクロイックプリズム151の設計上の位置に基づいて、プリズム位置調整ユニット32に制御指令を出力する。プリズム位置調整ユニット32は、この制御指令に基づいて、クロスダイクロイックプリズム151を初期位置にセットする(処理S4)。
(5) 前記のようなクロスダイクロイックプリズム151の設置が終了したら、プリズム平面位置調整を行うが(処理S5:平面位置調整工程)、具体的には、図18に示されるフローチャートに基づいて行われる。
【0056】
(5-1) コンピュータ51のCPUは、制御信号を送り、CCDカメラ31Cの焦点調整を行い、CCDカメラ31Cによる検出の準備を行う(処理S51)。そして、検出準備の後、クロスダイクロイックプリズム151上面を撮像し、撮像された画像が画像取り込み部を介して画像信号に変換された後、コンピュータ51のCPUは、画像信号を処理し、画像を検出する(処理S52:画像検出手順)。
(5-2) コンピュータ51のCPUは、予め取得した基準となる画像と検出された画像との偏差を演算処理し(処理S53:偏差算出手順)、プリズム位置調整ユニット32に制御指令を出力し、クロスダイクロイックプリズム151の平面位置調整を行う(処理S54)。具体的には、撮像された画像において、固定板153に形成された球状の膨出部153Bの平面位置に対して、クロスダイクロイックプリズム151の選択反射特性を持つ略X字状の反射面の平面位置と予め取得された反射面の基準位置とを比較し、その偏差を演算処理し、クロスダイクロイックプリズム151の平面位置調整を行う。
【0057】
(6) 次に、前記のようなクロスダイクロイックプリズム151の平面位置調整が終了した後、クロスダイクロイックプリズム151の反射面に対するあおり方向の位置調整を行うが、具体的には、図19に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(6-1) コンピュータ51のCPUは、ポジションセンサ414を、透過型スクリーン411上に投写される投写画像の略中央に移動させ、ポジションセンサ414による検出の準備を行う(処理S61)。また、白色レーザ光出力部371Aから白色レーザ光を照射する(処理S62:光束射出工程)。
(6-2) 光源ユニット37から照射された白色レーザ光は、導光部331でRGB3色の色光に分離された後、クロスダイクロイックプリズム151で再び合成され、ポジションセンサ414は、スクリーン上に表示された各色光すべての光スポット像を検出する(処理S63:光検出工程)。
【0058】
(6-3) ポジションセンサ414で検出された光スポット像は、数値信号としてコンピュータ51に取り込まれ、コンピュータ51のCPUは、取り込まれた数値信号に基づいて、プリズム位置調整ユニット32に制御指令を出力して、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整を行い(処理S64)、調整後、再度光スポット像を検出する(処理S65)。
【0059】
(6-4) コンピュータ51のCPUは、プリズム位置調整を行いながら、光スポット像の面積を算出し、算出された面積に基づいて、調整を終了するか否かを判定する(処理S66)。具体的には、クロスダイクロイックプリズム151が基準光軸に対してずれた位置である場合、図17に示すように、分離されたRGBの各色光の光スポット像SR、SG、SBがずれた位置に形成され、光スポット像SR、SG、SBの面積の和は、本来の白色レーザ光の光スポット像SOの面積よりも大きくなる。従って、光スポット像SR、SG、SBの面積の和が白色レーザ光の本来の光スポット像SOの面積と等しくなった状態を、調整終了と判定すればよい。
【0060】
(7) コンピュータ51は、クロスダイクロイックプリズム151の平面位置およびあおり方向位置が調整されているか否かを判定し、固定板153に対して平面位置およびあおり方向位置が取得されるまで、一連の作業を繰り返す(処理S7)。
(8) クロスダイクロイックプリズム151の位置調整が終了したら、CPUは、プリズム位置調整ユニット32に制御指令を出力して、これに基づいて、プリズム位置調整ユニット32は、プリズム保持部321の紫外線照射部321Cから紫外線を照射し、固定板153上の紫外線硬化型接着剤154を硬化させて(処理S8:接着剤硬化手順)、色合成光学系150の製造が終了する。
【0061】
〔5〕実施形態の効果
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1) 色合成光学系150を製造する際に、平面位置検出工程、平面位置調整工程を実施することにより、クロスダイクロイックプリズム151の上面の画像を検出し、固定板153に形成された膨出部153Bの平面位置に対するクロスダイクロイックプリズム151の選択反射特性を持つ略X字状の反射面の平面位置を、予め取得された反射面の基準位置と比較し、その偏差を演算処理することで、基準平面位置に配置するようにクロスダイクロイックプリズム151の位置調整を行うことができ、予め大きくクロスダイクロイックプリズム151が固定板153からずれていた場合に、容易に平面の位置調整をすることができる。
(2) さらに、光束射出工程、光検出工程、あおり方向位置調整工程を実施することにより、白色レーザ光を導光部331でRGBの色光に分離させてクロスダイクロイックプリズム151の光入射端面に入射させ、クロスダイクロイックプリズム151で合成された光束をポジションセンサ414で検出しながら、プリズム位置調整ユニット32にて固定板153に対してクロスダイクロイックプリズム151のあおり方向の位置調整を行うことができ、クロスダイクロイックプリズム151の固定板153に対する位置決めを高精度かつ迅速に行うことができる。また、光源として白色レーザ出力部371Aを用いて指向性の高い白色レーザ光を射出することで、スクリーン411上に表示される白色レーザ光の各色光は、スポットとして検出され、各色光のスポット位置を相互に調整することで、クロスダイクロイックプリズム151のあおり方向の調整を高精度に行うことができる。
【0062】
(3) また、製造部33内の光案内部333に2つの遮蔽板333Aが配置され、この遮蔽板333Aには、クロスダイクロイックプリズム151から射出される合成光が透過することができるように透過孔333Bを備えていることにより、光軸をずれた色光はこの遮蔽板333Aによって遮断され、また、クロスダイクロイックプリズム151に入り込んだ余分な光もこの遮蔽板333Aによって遮断することができ、スクリーン411上には、より鮮明な色光が表示され、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整を容易に行うことができる。
(4) また、調整の終了を判定する工程S66を備えていることにより、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整の終了を、コンピュータ51で自動的に判定できるので、調整の迅速化および簡素化を図ることができる。
(5) さらに、位置調整が終了したか否かの判定を、光スポットSR、SG、SBの面積の和が最小となることで行うことにより、固定板153に対するクロスダイクロイックプリズム151の位置を最適な位置に調整でき、簡単な判定方法で高精度な位置調整を実現できる。
【0063】
(6) 製造部33に、導光部331を構成するプリズム331A、およびミラー331Bの位置調整を行うプリズム調整部334、およびミラー位置調整部335が設置されていることにより、色合成光学系150の製造前に、位置調整が既に行われた基準となる色合成光学系を組み込んだ状態で、このプリズム調整部334、およびミラー位置調整部335で導光部331を調整することで、光源から射出された光束を基準光軸に合わせることができ、色合成光学系150の位置調整をより高精度に行うことができる。
(7) クロスダイクロイックプリズム151の位置調整を紫外線硬化型接着剤154が未硬化の状態で実施しているため、クロスダイクロイックプリズム151の位置を自由に調整することができ、位置調整の後、接着剤硬化手順を実施しているので、固定板153に対するクロスダイクロイックプリズム151の位置を最適な位置で位置決めすることができる。
【0064】
(8) 固定板153に球状の膨出部153Bが形成されていることにより、クロスダイクロイックプリズム151と膨出部153Bとは点で接触し、クロスダイクロイックプリズム151の切断精度が悪い場合でも、クロスダイクロイックプリズム151をプリズム位置調整ユニット32を用いて、三次元的に位置調整することができ、クロスダイクロイックプリズム151の平面位置およびクロスダイクロイックプリズム151の反射面に対するあおり方向を適正に位置調整することができる。また、同様に、クロスダイクロイックプリズム151の面粗度にも影響を受けずに、クロスダイクロイックプリズム151を適正に位置調整することができる。
【0065】
(9) また、紫外線硬化型接着剤154を、クロスダイクロイックプリズム151下面と固定板153との隙間を埋めるように充填することで、クロスダイクロイックプリズム151下面の支持を、固定板153の膨出部153Bによる点接触による支持だけでなく、充填された紫外線硬化型接着剤154によってカバーすることができ、あおり方向位置調整工程によって固定された、クロスダイクロイックプリズム151と固定板153を安定に維持することができる。
【0066】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態における色合成光学系150の製造方法では、固定板153に対するクロスダイクロイックプリズム151の位置調整において、光源として白色レーザ光を用い、クロスダイクロイックプリズム151にて合成された白色レーザ光の各色光をスクリーン上に表示し、ポジションセンサ414を用いて、表示された各色光のスポットにおける相互の位置を調整することにより、固定板153に対するクロスダイクロイックプリズム151の光軸に対するあおり方向の位置調整を行っていた。
これに対して、第2実施形態における色合成光学系150の製造方法では、光源と、合成光を検出するポジションセンサ414とに対応して、光束射出部と光束検出部とを備えたオートコリメータ200を採用している点が相違する。
【0067】
具体的には、図20または図21に示すように、色合成光学系150の製造装置3は、製造装置本体30および処理部本体50から構成され、色合成光学系150は製造装置本体30上に設置されて製造が行われる。
(1)製造装置本体の構造
製造装置本体30は、クロスダイクロイックプリズム151の平面位置を検出する撮像部31と、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整用のプリズム位置調整ユニット32と、色合成光学系150が組み込まれる製造部33と、所定の光路上に光束を射出するとともに、クロスダイクロイックプリズム151の選択反射特性を持つ反射面にて反射された各色光を検出するオートコリメータ200とを備えて構成される。
【0068】
製造部33は、図21に示されるように、色合成光学系150を構成する固定板153とクロスダイクロイックプリズム151とが組み込まれ、固定板153に対してクロスダイクロイックプリズム151が位置決め固定される部分であり、前記オートコリメータ200から射出される光束をR,G,Bの各色光に分離するプリズム331Aと分離された色光を導光するミラー331Bとで構成される導光部331と、色合成光学系150を載置するための載置台332と、色合成光学系150で合成された合成光を導光する光案内部333とを備えて構成され、この光案内部333はその先端部にクロスダイクロイックプリズム151によって合成された光束を反射する反射ミラー333Cが取り付けられている。
【0069】
オートコリメータ200は、特にクロスダイクロイックプリズム151の反射面に対するあおり方向の位置調整をするものであり、製造部33内のプリズム331Aの赤色光分離側端面に対向配置される。具体的に、オートコリメータ200は、図22に示されるように、光束を射出する光源ユニット210と、光源ユニット210から射出された光束を平行光線として射出する対物レンズ220と、光源ユニット210から射出された光束を導光するとともに、反射されてきた光束を導光する導光部230と、反射されてきた像を拡大する接眼レンズ240とを備えている。
【0070】
光源ユニット210は、対物レンズ220のバックフォーカス位置に配置され、光束を射出する光源210Aと、十字形状の透過孔が形成されたチャート210Bを有する。光源210Aから射出された光束は、チャート210Bを通過することで、十字の形状を持った光束として導光部230へ射出される。
導光部230は、光源ユニット210のチャート210Bに対して略45°に配置されたハーフミラー230Aを有し、光源ユニット210から射出された光束はこのハーフミラー230Aで反射され、対物レンズ220で平行光束となって射出される。そして、オートコリメータ200から出た光束は、製造部33内に供給され、製造部33内の導光部331でRGBの各色光に分離された後、クロスダイクロイックプリズム151で合成される。この合成された光束は、製造部33内の先端部に配置された反射ミラー333Cにて反射され、前述の光路に沿ってオートコリメータ200へと戻る。オートコリメータ200に戻った各色光は、導光部230に配置されたハーフミラーを通過し、接眼レンズ240で像が確認できるようになっている。
ここで、接眼レンズ240の代わりに、図示は省略するが、3CCDカメラを設置することで前述の反射された像を撮像することができ、ビデオキャプチャボードを介して処理部本体50であるコンピュータ51にて画像検出、および画像処理が行われる。3CCDカメラを使用することにより、色光の分別を行い、高精度で調整することが可能となる。
【0071】
(2)色合成光学系の製造操作
このような色合成光学系150の製造装置3において、製造対象となる色合成光学系150の製造操作は、図15に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(1) まず、色合成光学系150を製造部33の載置台332に設置する前に、製造部33の基準光軸の位置出しを行う(処理S1)。具体的には、図23に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(1-1) まず、基準光軸を得るために、製造部33の載置台332に、固定板に対するプリズムの位置決めが終了した基準となる色合成光学系を取り付ける(処理SA11)。
(1-2) オートコリメータ200の光源ユニット210から光束を照射する(処理SA12)。照射された光束は、製造部33の導光部331でRGB3色の色光に分離された後、基準となる色合成光学系で再び合成される。この合成された光束は、反射ミラー333Cで反射され、再び前述の光路を戻り、オートコリメータ200に入光する。
【0072】
(1-3) 作業者は、オートコリメータ200の接眼レンズ240から各色光による像を確認し、導光部331に設置されたプリズム調整部334およびミラー位置調整部335を用いてプリズム331A、ミラー331Bの位置調整を行う(処理SA13)。ここで、オートコリメータ200で確認できる各色光による像は、オートコリメータ200内に設置された十字形状のチャート210Bによって、各色光に対応した十字形状の像が確認される。プリズム331A、ミラー331Bが基準となる光軸からずれて配置されている場合、図25に示すように、各色光に対応した十字状の像RF、GF、BFは、ずれた位置に形成される。ここで、まず、プリズム調整部334のマイクロホルダ334Aを用いてプリズム331Aの進退方向を調整し、Gの色光を基準位置に配置する。次に、プリズム調整部334の平面方向調節部334Bとミラー位置調整部335を調整し、Gの色光による像GFを基準にして、R,Bの色光による十字状の像RF、BFをGの色光による像GFに重ねることで、導光部331を基準光軸に対応した位置に配置することができる。
【0073】
(2) 第1実施形態におけるプリズムの取付(処理S2)からプリズム平面位置調整(処理S5)と同様な工程を行い、製造対象となるクロスダイクロイックプリズム151の平面位置調整を行う。
(3) クロスダイクロイックプリズム151の平面位置調整が終了した後、あおり方向の位置調整を行うが、具体的には、図24に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(3-1) オートコリメータ200の接眼レンズ240を取り外して3CCDカメラを設置し、各色光による像の検出の準備を行う(処理SA61)。
(3-2) オートコリメータ200の光源210Aから光束を照射する(処理SA62)。照射された光束は、製造部33の導光部331でRGB3色の色光に分離された後、クロスダイクロイックプリズム151で再び合成される。この合成された光束は、反射ミラー333Cで反射され、再び前述の光路を戻り、オートコリメータ200に入光する。
(3-3) コンピュータ51のCPUは、3CCDカメラに制御信号を送り、3CCDカメラの焦点調整を行い(処理SA63)、焦点調整の後、3CCDカメラは、各色光による像を検出する(処理SA64)。ここで、検出される像としては、各色光に対応してオートコリメータ200内に設置された十字形状のチャート210Bの像が検出される。
【0074】
(3-4) 3CCDカメラで検出された各色光による像は、画像信号としてコンピュータ51に取り込まれ、コンピュータ51のCPUは、取り込まれた画像信号に基づいて、プリズム位置調整ユニット32に制御指令を出力して、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整を行う(処理SA65)。具体的に、各色光の像によるクロスダイクロイックプリズム151の位置調整は、画像手法の一手法であるパターンマッチング処理により行われる。図23に示すように、3CCDカメラで撮像された各色光による像のうち、緑の色光による像GFを基準パターンとしてコンピュータ51に記憶させ、赤、青の色光による像RF、BFのパターンを基準パターンに重ねるようにパターンマッチング処理を行い、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整を行う。
【0075】
(4) コンピュータ51は、クロスダイクロイックプリズム151の平面位置およびあおり方向位置が調整されているか否かを判定し、固定板153に対して平面位置およびあおり方向位置が取得されるまで、一連の作業を繰り返す(処理S7)。
(5) そして、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整が終了したら、CPUは、プリズム位置調整ユニット32に制御指令を出力して、これに基づいて、プリズム位置調整ユニット32は、プリズム保持部321の紫外線照射部321Cから紫外線を照射し、固定板153上の紫外線硬化型接着剤154を硬化させて(処理S8:接着剤硬化手順)、色合成光学系150の製造が終了する。
【0076】
(3)実施形態の効果
このような第2実施形態によれば、前記(1)、(6)〜(9)と同様の効果の他、
(10) 色合成光学系150を製造する際に、光束射出工程、色分離工程、光検出工程、あおり方向位置調整工程を実施することにより、オートコリメータ200の光源ユニット210から光を射出し、射出された光を導光部331でRGBの3つの色光に分離させて色合成光学系150の光入射端面に入射させ、色合成光学系150で合成された光束が反射ミラー333Cによって反射され、この反射されて戻る各色光をオートコリメータ200に取り付けた3CCDカメラで撮像しながら、撮像された各色光に対応する像の相互の位置を調整しクロスダイクロイックプリズム151の位置調整を行うことができ、クロスダイクロイックプリズム151の固定板153に対する位置決めを高精度かつ迅速に行うことができ、色合成光学系150の製造を容易に行うことができる。
(11) また、合成光の検出をオートコリメータ200で行うことにより、投写部40を必要とせず、色合成光学系150の製造装置の小型化に繋がる。
【0077】
〔6〕実施形態の変形
尚、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。
前記実施形態では、コンピュータ51を利用して自動的にクロスダイクロイックプリズム151の位置調整を行っていたが、これに限らず、位置調整を手動で行うようにしてもよい。
また、前記実施形態では、基準光軸を得る際に、導光部331のプリズム331Aおよびミラー331Bの調整を手動で行っていたが、これに限らず、コンピュータ51を利用して自動的に導光部331の位置調整を行うようにしてもよい。
前記第1実施形態では、クロスダイクロイックプリズム151の位置調整の終了判定を、光スポットの面積がもっとも小さくなった状態で判定していたが、これに限られない。すなわち、ポジションセンサ414の代わりにCCDカメラ412を用いて、光スポットの面積が最小となる状態を調整終了判定の基準としてもよい。
【0078】
前記第2実施形態では、オートコリメータ200を製造部33内のプリズム331Aの赤色光分離端面に対向するように配置したが、これに限らず、オートコリメータ200から射出された光束をクロスダイクロイックプリズム151の選択反射特性を持つ反射面にて反射させ、反射された光束をオートコリメータ200で検出することができる配置であればよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【0079】
【発明の効果】
前述のような本発明の色合成光学系の製造方法によれば、色合成光学系の製造をする際に、平面位置検出工程、平面位置調整工程、光束射出工程、光検出工程、およびあおり方向位置調整工程を実施することにより、予め大きくずれたクロスダイクロイックプリズムの位置を平面位置検出工程および平面位置調整工程で調整を行い、さらに、光源から射出された光束を製造部内の導光部でRGB等の複数の色光に分離させてクロスダイクロイックプリズムの光入射端面に入射させ、クロスダイクロイックプリズムで合成された光束を検出装置で検出しながら、固定板に対してクロスダイクロイックプリズムを位置調整し、色合成光学系の製造を行うことができるため、色合成光学系の製造を迅速かつ高精度に行うことができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る製造対象となる色合成光学系を組み込む光学部品用筐体の構造を表す模式図である。
【図2】前記実施形態における光学部品用筐体の構造を表す概要斜視図である。
【図3】前記実施形態における色合成光学系に光変調装置を取り付ける構造を表す概要斜視図である。
【図4】前記実施形態における色合成光学系の取付構造を表す側面図である。
【図5】前記実施形態における光学部品用筐体の構造を表す概要斜視図である。
【図6】前記実施形態における色合成光学系を製造する製造装置の構造を表す側面図である。
【図7】前記実施形態における色合成光学系を製造する製造装置の構造を表す平面図である。
【図8】前記実施形態における色合成光学系の位置調整部の構造を表す側面図および平面図である。
【図9】前記実施形態における色合成光学系の位置調整部の構造を表す側面図である。
【図10】前記実施形態における色合成光学系の製造装置における製造部の構造を表す平面図である。
【図11】前記実施形態における色合成光学系の製造装置における製造部の構造を表す側面図である。
【図12】前記実施形態におけるレーザ光出力部の構造を表す側面図である。
【図13】前記実施形態におけるレーザ光による光スポットを表示するスクリーンユニットを表す正面図である。
【図14】前記実施形態における処理部本体の制御構造を表すブロック図である。
【図15】前記実施形態における製造操作の手順を表すフローチャートである。
【図16】前記実施形態における光軸位置だしの手順を表すフローチャートである。
【図17】前記実施形態におけるレーザ光による光スポット像およびプリズム位置調整の調整終了判定の基準を表す模式図である。
【図18】前記実施形態におけるプリズム平面位置調整の手順を表すフローチャートである。
【図19】前記実施形態におけるプリズムあおり方向位置調整の手順を表すフローチャートである。
【図20】前記第2実施形態における色合成光学系を製造する製造装置の構造を表す側面図である。
【図21】前記第2実施形態における色合成光学系を製造する製造装置の構造を表す平面図である。
【図22】前記第2実施形態におけるオートコリメータの構造を表す模式図である。
【図23】前記第2実施形態における光軸位置だしの手順を表すフローチャートである。
【図24】前記第2実施形態におけるプリズムあおり方向位置調整の手順を表すフローチャートである。
【図25】前記第2実施形態におけるオートコリメータによって検出された像を表す模式図である。
【符号の説明】
2、3 色合成光学系の製造装置
31 平面位置検出部
31C CCDカメラ(撮像素子)
32 プリズム位置調整ユニット(位置調整部)
50 処理部本体(信号処理部)
150 色合成光学系
151 クロスダイクロイックプリズム
152 光入射端面
153 固定板
154 紫外線硬化型接着剤(光硬化型接着剤)
200 オートコリメータ
210 光源ユニット(光束射出部)
240 接眼レンズ(光束検出部)
321 プリズム保持部
321C 紫外線照射部(光線照射部)
331 導光部
331A プリズム(偏光分離光学素子)
331B ミラー(反射ミラー)
333 光案内部
333A 遮蔽板
333B 透過孔
333C 反射ミラー(反射部)
335 ミラー位置調整部(位置調整機構)
371A 白色レーザ光出力部(レーザ光射出部)
411 スクリーン
414 ポジションセンサ(合成光検出部)
S5 平面位置検出工程
S52 画像検出手順
S53 偏差算出手順
S54 平面位置調整工程
S62、SA62 光束射出工程
S63、S65、SA64 光検出工程
S64、SA65 あおり方向位置調整工程
S8 接着剤硬化手順

Claims (10)

  1. 複数の色光を合成して射出するために、各色光に応じた複数の光入射端面、および各色光を合成して射出する光射出端面が形成されたプリズムと、このプリズムが固定される固定板とを備え、前記固定板に対して前記プリズムを位置決め固定する色合成光学系の製造装置であって、
    白色レーザ光を射出するレーザ光射出部と、
    このレーザ光射出部から射出された白色レーザ光を複数の色光に分離して、前記プリズムの各光入射端面に入射させる導光部と、
    前記固定板に対する前記プリズムの平面位置を検出する平面位置検出部と、
    前記プリズムの光射出端面から射出された合成光を検出する合成光検出部と、
    前記固定板に対する前記プリズムの位置調整を行う位置調整部とを備えていることを特徴とする色合成光学系の製造装置。
  2. 請求項1に記載の色合成光学系の製造装置において、
    前記プリズムから射出された合成光を投影するスクリーンを備え、
    前記プリズムからこのスクリーンに至る光路上には、前記合成光を前記スクリーンの所定位置に投影させる光案内部が設けられ、
    この光案内部は、前記合成光を透過させる孔が形成された遮蔽板を前記光路上に少なくとも2枚以上配置して構成されることを特徴とする色合成光学系の製造装置。
  3. 複数の色光を合成して射出するために、各色光に応じた複数の光入射端面、および各色光を合成して射出する光射出端面が形成されたプリズムと、このプリズムが固定される固定板とを備え、前記固定板に対して前記プリズムを位置決め固定する色合成光学系の製造装置であって、
    光束射出部および光束検出部を備え、前記プリズムに光束を射出して反射した光束を検出するオートコリメータと、
    このオートコリメータから射出された光束を複数の色光に分離して、前記プリズムの各光入射端面に入射させる導光部と、
    前記プリズムから射出された光束を反射して、該光束を前記プリズムの光射出端面に導入する反射部と、
    前記固定板に対する前記プリズムの平面位置を検出する平面位置検出部と、
    前記固定板に対する前記プリズムの位置調整を行う位置調整部とを備えていることを特徴とする色合成光学系の製造装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の色合成光学系の製造装置において、
    前記導光部は、白色光を複数の色光に分離する偏光分離光学素子と、分離された色光を曲折して前記プリズムの光入射端面に入射させる反射ミラーとを備え、
    この反射ミラーには、前記プリズムに対する位置を調整する位置調整機構が設けられていることを特徴とする色合成光学系の製造装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の色合成光学系の製造装置において、
    前記平面位置検出部は、前記プリズムの光入射端面に直交する面を撮像する撮像素子と、この撮像素子で撮像された画像を取り込んで画像信号に変換する画像取り込み部と、この画像取り込み部から出力された画像信号に基づいて、画像の演算処理を行い、前記プリズムの平面位置を演算処理する信号処理部とを備えていることを特徴とする色合成光学系の製造装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の色合成光学系の製造装置において、
    前記プリズムは、前記固定板の載置面に光硬化型接着剤により接着され、
    前記位置調整部は、前記プリズムを保持するプリズム保持部と、前記光硬化型接着剤を硬化させる光線を照射する光線照射部とを備えていることを特徴とする色合成光学系の製造装置。
  7. 複数の色光を合成して射出するために、各色光に応じた複数の光入射端面、および各色光を合成して射出する光射出端面が形成されたプリズムと、このプリズムが固定される固定板とを備え、前記固定板に対して前記プリズムを位置決め固定する色合成光学系の製造方法であって、
    前記固定板に対する前記プリズムの平面位置を検出する平面位置検出工程と、
    この平面位置検出工程を実施しながら、前記固定板に対して基準となる所定の平面位置に配置するように前記プリズムを位置調整する平面位置調整工程と、
    所定の光軸上に白色光を射出する光束射出工程と、
    この白色光を複数の色光に分離し、分離された各色光を前記プリズムの光入射端面に入射させ、前記プリズムで合成された光束を光検出装置で検出する光検出工程と、
    この光検出工程を実施しながら、前記プリズムを前記固定板に対して位置調整するあおり方向位置調整工程とを備えていることを特徴とする色合成光学系の製造方法。
  8. 請求項7に記載の色合成光学系の製造方法において、
    前記平面位置検出工程は、前記プリズムの光入射端面と直交する端面の画像を撮像素子を用いた画像取り込み部で検出する画像検出手順と、この検出された平面画像と基準となる平面画像との偏差を算出する偏差算出手順とを備えていることを特徴とする色合成光学系の製造方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載の色合成光学系の製造方法において、
    前記プリズムは、前記固定板の載置面に光硬化型接着剤で接着され、
    前記平面位置調整工程および前記あおり方向位置調整工程は、前記光硬化型接着剤が未硬化の状態で実施され、
    前記あおり方向位置調整工程は、前記プリズムの位置調整の後、前記光硬化型接着剤に光線を照射して、該接着剤を硬化させる接着剤硬化手順を備えていることを特徴とする色合成光学系の製造方法。
  10. 請求項7から請求項9のいずれかに記載の色合成光学系の製造方法により、製造された色合成光学系を備えることを特徴とするプロジェクタ。
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