JP2004240041A - 光学装置の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リアプロジェクタに用いられ、透過型スクリーン上のマージン量を削減できる光学装置の製造装置を提供すること。
【解決手段】製造装置2は、リアプロジェクタに用いられる光学装置45を製造するものであり、載置台25および6軸位置調整ユニット31を備えた調整部本体30と、投写レンズ46から射出された投写光学像が投写されるスクリーンユニット50と、このスクリーンユニット50上に投写された光学像を検出するCCDカメラ56とを備え、スクリーンユニット50は、光学装置45から射出された光学像の光軸および投写レンズ46の光軸とを略一致させたあおりなしの状態で、前記投写光学像の端部が投写されるように、前記投写光学系の光軸に対して対称に配置されている。
【選択図】 図6
【解決手段】製造装置2は、リアプロジェクタに用いられる光学装置45を製造するものであり、載置台25および6軸位置調整ユニット31を備えた調整部本体30と、投写レンズ46から射出された投写光学像が投写されるスクリーンユニット50と、このスクリーンユニット50上に投写された光学像を検出するCCDカメラ56とを備え、スクリーンユニット50は、光学装置45から射出された光学像の光軸および投写レンズ46の光軸とを略一致させたあおりなしの状態で、前記投写光学像の端部が投写されるように、前記投写光学系の光軸に対して対称に配置されている。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の色光を画像情報に応じて各色光毎に変調して光学像を形成する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された光学像を合成する色合成光学系とを備え、リアプロジェクタに用いられる光学装置を製造する光学装置の製造装置に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、家庭内でのホームシアター等の用途として、スクリーンの表面側(観察者側)に投写画像を形成するフロントプロジェクタが知られている。
このフロントプロジェクタとしては、光源ランプから射出された光束を、ダイクロイックミラー等の色分離光学系で三色の色光R、G、Bに分離し、分離された光束を3枚の光変調装置で各色光毎に画像情報に応じて変調して、合成する色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズムで各光変調装置で変調された光束を合成して光学像を形成し、この光学像を投写レンズ等の投写光学系で拡大投写する、いわゆる三板式が知られている。
この三板式のプロジェクタでは、構造の簡素化および組立工程の簡単化のため、3枚の光変調装置をクロスダイクロイックプリズムの光入射端面に直接取り付ける、いわゆるPOP(Panel On Prism)構造が採用される。
【0003】
上述したPOP構造では、クロスダイクロイックプリズムの光入射端面上に光変調装置を固定するにあたり、各光変調装置の画素ずれによる画質劣化を防止するため、相互の位置を高精度に調整する必要がある。このため、従来では、3枚の光変調装置相互の位置を調整するため、特許文献1に記載の調整装置を用いて調整を行っていた。
【0004】
すなわち、調整装置には、調整用スクリーン、光軸検出装置、および画像検出装置が設けられている。一方、色分離光学系、色合成光学系、光変調装置、およびこれらを収納する光学部品用筐体を組み合わせて調整対象とする。
まず、平均的な光学特性を有する投写レンズをマスターレンズとして採用し、このマスターレンズを調整装置に取り付ける。次に、調整装置に調整対象を設置し、光軸検出装置で調整対象の照明光軸を検出して、この検出された照明光軸に基づいて画像検出装置を移動させて、投写画像を検出できる配置とする。なお、フロントプロジェクタではあおり方向が設けられているため、画像検出装置は、投写レンズ光軸に対してあおり方向側に配置される。続いて、調整装置の光源ランプから照射された光束を利用して、調整用スクリーン上に投写画像を形成し、この投写画像を画像検出装置で検出しながら、各光変調装置の位置を調整する。
【0005】
一方、プロジェクタとしては、フロントプロジェクタの他、透過型スクリーンを用いて、このスクリーンの裏面側に投写画像を形成し、スクリーンを透過した画像を観察するリアプロジェクタが普及しつつある。
リアプロジェクタは、一般に、光学像を投写する内部ユニットと、内部ユニットから投写された光学像を反射する反射ミラー等を収納する箱状の筐体と、筐体の正面に露出して設けられる透過型スクリーンとを備えて構成される。内部ユニットは、フロントプロジェクタと同様に、光源ランプ、色分離光学系、光変調装置、色合成光学系、および投写光学系を備えた構成である。
【0006】
そこで、このリアプロジェクタにおいても、構造の簡素化および組立工程の簡単化のため、フロントプロジェクタのようなPOP構造を採用することが要請されており、その製造に際して従来の装置を用いることが考えられる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−244206号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した調整装置をリアプロジェクタに転用しようとしても、リアプロジェクタにはあおり方向が設けられていないないため、調整用スクリーン上に形成される投写画像の位置がフロントプロジェクタとは異なる。そのため、CCDカメラ等の画像検出装置を、投写画像を検出できる位置まで移動させようとしても、画像検出装置の移動範囲を超えて投写画像が形成されることになり、光変調装置の位置を調整できなかった。
さらに、リアプロジェクタは、フロントプロジェクタと異なり、透過型スクリーンと画像形成部とが筐体内に収納されるため、透過型スクリーン上の投写画像の位置は、高精度であることが要求され、左右上下のマージン量を極力低減する必要がある。しかし、投写レンズには光軸中心位置および画像歪み等のばらつきがあり、投写レンズと光学部品用筐体との位置決めピンやピン穴の誤差があるため、マージン量を低減することは難しかった。
【0009】
本発明の目的は、リアプロジェクタに用いられ、透過型スクリーン上のマージン量を削減できる光学装置の製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学装置の製造装置は、複数の色光を画像情報に応じて各色光毎に変調して光学像を形成する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された光学像を合成する色合成光学系とを備え、リアプロジェクタに用いられる光学装置を製造する光学装置の製造装置であって、前記色合成光学系およびこの色合成光学系で合成された光学像を拡大投写する投写光学系が載置される載置台、ならびに、各光変調装置の前記色合成光学系に対する位置および各光変調装置相互の位置を調整する位置調整装置を備えた装置本体と、前記投写光学系から射出された投写光学像が投写される画像形成部と、この画像形成部上に投写された光学像を、該画像形成部の裏面側から検出する画像検出部とを備え、前記画像形成部は、前記光学装置から射出された光学像の光軸および前記投写光学系の光軸とを略一致させたあおりなしの状態で、前記投写光学像の端部が投写されるように、前記投写光学系の光軸に対して対称に配置されていることを特徴とする。
【0011】
ここで、画像形成部は、例えば、投写光学像全体が形成される単一のスクリーン部材を含んで構成してもよいし、投写画像の一部がそれぞれ形成される複数のスクリーン部材を含んで構成してもよい。
さらに、画像形成部を投写光学系の光軸に対して対称に配置するとは、例えば、画像形成部が単一のスクリーン部材を含んで構成される場合には、このスクリーン部材の中心が投写光学系の光軸と略一致することを意味する。一方、画像形成部が複数のスクリーン部材を含んで構成される場合には、各スクリーン部材同士が、投写光学系の光軸を挟んで、例えば、鉛直方向、水平方向、および斜め方向に対称であることが含まれる。
【0012】
リアプロジェクタでは、透過型スクリーンの裏面側から画像を投写するため、フロントプロジェクタと異なり、あおり投写する必要がない。したがって、投写光学像の中心および投写光学系光軸は、ほぼ一致する。
そこで、本発明では、リアプロジェクタにおける光学装置を以下の手順で製造する。まず、予め投写光学系の光軸を検出しておき、この検出された投写光学系の光軸に対して対称に画像形成部を配置する。この状態で、光学装置に光束を導入して、画像形成部上に投写画像を形成する。これにより、投写画像の一部を画像形成部上に確実に形成できる。したがって、投写画像を画像検出部で検出しながら、各光変調装置のフォーカス調整およびアライメント調整を行うことができ、リアプロジェクタに用いられる光学装置を製造できる。
また、投写光学系としてマスターレンズを用いる方法を採らず、投写光学系も調整対象に含めたので、投写光学系の光学部品用筐体に対する取付け誤差も含めて光変調装置を調整できるから、光学装置および投写光学系を透過型スクリーンに対して高精度で位置決めでき、マージン量を低減できる。
【0013】
本発明では、前記光学装置から射出される投写光学像は矩形状とされ、前記画像形成部は、該投写光学像の角隅部に配置される複数のスクリーン部材を備え、前記画像検出部は、これら複数のスクリーン部材のそれぞれの裏面に配置される複数の撮像素子を備えていることが好ましい。
【0014】
ここで、撮像素子としては、CCD(Charge Coupled Device)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)センサ等を採用することができる。
この発明によれば、光学装置から射出された矩形状の投写光学像のうち、角隅部のみがスクリーン部材上に投写画像として形成される。したがって、スクリーン部材の面積を低減して、製造コストを低減できる。
【0015】
本発明では、前記投写光学系近傍に配置され、当該投写光学系から射出される光学像を、前記画像形成部に向かって反射する光路調整ミラーと、この光路調整ミラーの姿勢を調整するミラー姿勢調整装置とを備えていることが好ましい。
【0016】
リアプロジェクタでは、筐体内に収納された画像形成部で透過型スクリーンの裏面側に投写画像を形成するため、色合成光学系の光束射出方向と投写光学系の投写方向とが、必ずしも一致するとは限らない。一方、光学装置の製造装置では、光変調装置の調整精度を考慮すると、色合成光学系を光束射出方向が水平方向になるように設置し、水平方向に沿った三方向から光変調装置の位置調整を行うのが簡便である。したがって、色合成光学系を光束射出方向が水平方向になるように設置すると、投写光学系の投写方向は水平方向にならない場合がある。
そこで、この発明によれば、光路調整ミラーの姿勢をミラー姿勢調整装置で適宜調整することによって、光路調整ミラーで光学像の投写方向を変化させて、画像形成部上に容易に投写画像を形成できる。
【0017】
本発明では、前記画像形成部の後段に配置されかつ前記光学装置からの投写画像を反射する反射ミラーと、この反射ミラーの前記投写光学像に沿った進退位置を調整するミラー進退調整装置とを備えていることが考えられる。
この発明によれば、光学装置から射出された投写光学像を、反射ミラーを介してスクリーン部材上に投写できるから、直接、スクリーン部材上に投写する場合に比べ、投写距離を長くできる。したがって、あおり方向を有するフロントプロジェクタ用の光学装置についても、各光変調装置の位置調整を行うことができる。
このとき、ミラー進退調整装置で反射ミラーを進退させることにより、投写距離を変化させて、投写光学像を確実にスクリーン部材上に投写できる。
【0018】
本発明では、前記スクリーン部材と前記撮像素子とは一体化され、前記スクリーン部材および前記撮像素子の前後位置を切り替える切替機構が設けられていることが好ましい。
この発明によれば、切替機構でスクリーン部材および撮像素子の前後位置を切り替えることにより、例えば、リアプロジェクタ用の光学装置について調整する場合、スクリーン部材を光学装置に対向させて、スクリーン部材上に直接投写画像を形成しながら、光変調装置の位置を調整できる。一方、フロントプロジェクタ用の光学装置について調整する場合、前記反射ミラーにスクリーン部材を対向させることにより、光学装置からスクリーン部材までの投写距離を長く確保して、各光変調装置の位置を調整できる。したがって、リアプロジェクタおよびフロントプロジェクタのどちらについても容易に対応できる。
【0019】
本発明では、前記切替機構は、前記スクリーン部材の延出方向に沿って延びる軸を中心として前記スクリーン部材および撮像素子を回転させる回転機構とされていることが好ましい。
この発明によれば、回転機構を回転させるだけで、スクリーン部材および撮像素子の前後位置を簡単に切り替えることができる。
【0020】
本発明では、前記画像形成部は、前記スクリーン部材が設けられていない部分に設けられて前記光学装置からの投写画像を反射する反射ミラーを備え、前記画像形成部の前記投写光学像に沿った進退位置を調整するミラー進退調整装置と、前記画像形成部の前段に配置され前記反射ミラーで反射された投写光学像が投写される第2スクリーン部材と、この第2スクリーン部材上に投写された光学像を検出する第2画像検出部とを備えていることが考えられる。
【0021】
この発明によれば、光学装置から射出された投写光学像を、画像形成部に設けられた反射ミラーを介して第2スクリーン部材上に投写し、この投写画像を第2画像検出部で検出できるから、直接、第2スクリーン部材上に投写する場合に比べ、投写距離を長くできる。したがって、あおり方向を有するフロントプロジェクタ用の光学装置についても、各光変調装置の位置調整を行うことができる。
このとき、ミラー進退調整装置で反射ミラーを進退させることにより、投写距離を変化させて、投写光学像を確実に第2スクリーン部材上に投写できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(1)リアプロジェクタの主な構成
図1は、本発明に係るリアプロジェクタ100を示す縦断面図である。
リアプロジェクタ100は、図1に示すように、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、この光学像をスクリーンに拡大投写するものである。
【0023】
リアプロジェクタ100は、キャビネット101と、このキャビネット101の下面側に設けられる脚部102と、キャビネット101内に配置される内部ユニット104と、同じくキャビネット101内に配置される反射ミラー103と、キャビネット101の前面に露出して設けられるスクリーン本体107とを備えて構成される。
【0024】
キャビネット101は、内部ユニット104および反射ミラー103を収納する合成樹脂製の筐体である。
脚部102は、キャビネット101の下部を支持する合成樹脂製の部材である。
反射ミラー103は、略台形状に形成された一般的な反射ミラーであり、キャビネット101の上部の背面内側に、台形の長辺が上側となるように取り付けられている。キャビネット10の上部の背面内側には、反射ミラー103を所定位置に保持するミラー保持部(図示省略)が形成され、このミラー保持部によって、反射ミラー103の長辺部分、短辺部分、斜辺部分が支持され、反射ミラー103に歪みが生じないようになっている。
【0025】
このスクリーン本体107は、入射光に近い位置すなわち裏面側から順に、拡散板、フレネルシート、レンチキュラーシート、保護板の4枚構成となっている。内部ユニット104から射出され反射ミラー103で反射された光束は、拡散板で拡散された後にフレネルシートで平行化され、レンチキュラーシートを構成する光学ビーズによって拡散され、表示画像が得られる。
【0026】
(1−1)内部ユニットの構成
内部ユニット104は、入力された画像情報に応じて所定の光学像を形成する装置である。内部ユニット104は、平面視略L字状の光学ユニット401と、この光学ユニット401の一部を覆うように跨って配置された制御基板106と、これら光学ユニット401および制御基板106を所定の姿勢で支持するアルミニウム等の金属製の支持部材105(図1参照)とを備えて構成される。
【0027】
この制御基板106は、CPU等を含む制御部を備える基板であり、入力された画像情報に応じて、光学ユニット401を構成する光学装置の駆動制御を行っている。また、制御基板106の周囲は、金属製のシールド部材によって覆われており、このシールド部材は、後述する支持部材105の回転位置調整部材105Dに取り付けられている。なお、光学ユニット401の詳細については後述する。
【0028】
支持部材105は、キャビネット101の下面部分に対向配置される平板状のベース部材105Aと、このベース部材105Aの上面に取り付けられる板状の左右位置調整部材105Bと、この左右位置調整部材105Bの上面に固定され、後方側へと下り勾配に傾斜する傾斜調整部材105Cと、この傾斜調整部材105Cの上面に対向して配置される回転位置調整部材105Dとを備える。
これら左右位置調整部材105B、傾斜調整部材105Cおよび回転位置調整部材105Dにより、光学ユニット401および制御基板106は、ベース部材105Aの上面に対して、左右方向、傾き方向(あおり方向)、および面内回転方向を含む姿勢調整が可能となっている。
【0029】
(1−2)光学ユニットの構成
図2は、光学ユニット401の構成を模式的に示す平面図である。
光学ユニット401は、光源装置を構成する光源ランプから射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成し、この光学像を拡大して投写するユニットであり、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、電気光学装置44と、直角プリズム48と、投写光学系としての投写レンズ46とを備える。
【0030】
インテグレータ照明光学系41は、電気光学装置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R,441G,441Bとする)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、光源ランプ416およびリフレクタ417を含む光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備えている。
【0031】
光源ランプ416から射出された光束は、リフレクタ417によって射出方向が揃えられ、第1レンズアレイ412によって複数の部分光束に分割される。これら部分光束は、第2レンズアレイ413および重畳レンズ415によって、液晶パネル441上に結像される。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、第2レンズアレイ413からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、電気光学装置44での光の利用効率が高められている。
【0032】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432,434とを備え、色分離光学系42で分離された色光である赤色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
【0033】
電気光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板446と、各入射側偏光板446の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441R,441G,441Bと、各液晶パネル441R,441G,441Bの後段に配置される射出側偏光板447と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム444とを備える。
液晶パネル441R,441G,441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものである。
【0034】
電気光学装置44において、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R,441G,441B、入射側偏光板446、および射出側偏光板447によって、画像情報に応じて変調された光学像を形成する。
入射側偏光板446は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、射出側偏光板447は、液晶パネル441(441R,441G,441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。これらの入射側偏光板446および射出側偏光板447は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
【0035】
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板447から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム444には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
【0036】
以上説明した液晶パネル441、射出側偏光板447およびクロスダイクロイックプリズム444は、一体的にユニット化された光学装置45として構成されている。なお、入射側偏光板446は、後述するライトガイド47に形成された図示しない溝部にスライド式に嵌め込んで取り付けられる。
【0037】
直角プリズム48は、電気光学装置44のクロスダイクロイックプリズム444における光束射出側に配置され、このクロスダイクロイックプリズム444で合成されたカラー画像を投写レンズ46の方向、すなわち前方向に射出されたカラー画像を上方向へと折り曲げて反射するものである。
【0038】
投写レンズ46は、直角プリズム48で反射されたカラー画像を拡大して、反射ミラー103に投写するものである。この投写レンズ46は、回転位置調整部材105Dにねじ止め固定された支持部材によって支持されている。
このように投写レンズ46から射出されたカラー画像は、反射ミラー103で反射されてから、スクリーン本体107の裏面側に投影される。
【0039】
図3は、光学ユニット401を示す斜視図である。
光学ユニット401は、図中左側(前方から見て右側)部分に配置された光源装置411を含み、この光源装置411から右側へ延びてさらに前方側へ延びる平面視略L字状である。
以上説明した各光学系41〜44,48は、光学部品用筐体としての合成樹脂製のライトガイド47内に収容されている。
このライトガイド47は、内部側の具体的な図示を省略するが、前述した各光学部品411〜415,418,421〜423,431〜434,446(図11)を上方からスライド式に嵌め込む溝部が形成された下ライトガイド471と、下ライトガイド471の上部の開口側を閉塞する蓋状の上ライトガイド472とを備えて構成される。
【0040】
(2)光学装置の構成
光学装置45を構成する3枚の液晶パネル441R,441G,441Bは、クロスダイクロイックプリズム444の側面三方を囲むように配置される。具体的には、図4に示すように、各液晶パネル441R,441G,441Bは、保持枠443内に収納され、この保持枠443の四隅部分に形成される孔443Aに透明樹脂製のピン445を紫外線硬化型接着剤とともに挿入することにより、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に接着固定された、いわゆるPOP(Panel On Prism)構造とされている。ここで、保持枠443には、矩形状の開口部443Bが形成され、各液晶パネル441R,441G,441Bは、この開口部443Bで露出し、この部分が画像形成領域となる。すなわち、各液晶パネル441R,441G,441Bのこの部分に各色光R、G、Bが導入され、画像情報に応じて光学像が形成される。
【0041】
また、クロスダイクロイックプリズム444の下面には、図5に示すように、固定板452が紫外線硬化型接着剤453により接着固定され、この固定板452には、ねじ止め固定用の孔452Aが形成されている。この固定板452は、中央部に球状の膨出部452Bを有し、膨出部452B上をクロスダイクロイックプリズム444の下面に当接させ、クロスダイクロイックプリズム444と固定板452との間に未硬化の紫外線硬化型接着剤453を充填した状態でクロスダイクロイックプリズム444の位置調整を行い、位置調整終了後にクロスダイクロイックプリズム444の上面から下面に向けて紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤453を硬化させる。なお、固定板452に球状の膨出部452Bが形成してあるのは、光軸に対してあおり方向の位置調整が必要だからである。
【0042】
そして、このようなクロスダイクロイックプリズム444および液晶パネル441R,441G,441Bは、図5に示すように、下ライトガイド471の投写レンズ46の光路前段で、ねじを固定板452の孔452Aに挿入して、光学部品用筐体を構成する下ライトガイド471に固定され、上ライトガイド472および下ライトガイド471を組み合わせることにより、光学ユニットが構成される。
【0043】
このような構成の光学ユニットは、まず、インテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、およびリレー光学系43、直角プリズム48、投写レンズ46を構成する光学部品を上ライトガイド472内に収納しておく。次に、下ライトガイド471には、位置調整が行われた固定板452を含むクロスダイクロイックプリズム444を取り付け、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に液晶パネル441R,441G,441Bを、固定用の接着剤が未硬化の状態で取り付けておく。そして、上ライトガイド472および下ライトガイド471を組み合わせた状態で、光源から射出された光束を利用して、液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行い、最後に接着剤を固定させてクロスダイクロイックプリズム444に対する液晶パネル441R,441G,441Bの位置決め固定を行う。
【0044】
(3)光学装置の製造装置の構造
図6は、光学装置45の製造装置2を示す側面図である。
図7は、光学装置45の製造装置2を示す平面図である。
製造装置2は、液晶パネル441R,441G,441B間の相対位置を調整し、クロスダイクロイックプリズム444に対して固定することにより、光学装置45を製造するものである。この製造装置2は、基本的に装置本体となる調整部本体30、および投写部本体40から構成される。
【0045】
(3−1)調整部本体の構造
調整部本体30は、UV遮光カバー20Aと、液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整装置としての6軸位置調整ユニット31と、クロスダイクロイックプリズム444の位置用のプリズム位置調整ユニット32と、光学ユニット401を支持固定するクランプ治具33と、投写レンズ46から射出された光学像の方向を調整する光路調整ユニット34と、光軸位置出し用の白色レーザ光および調整用光源を射出するための光源ユニット37とを備えて構成される。
【0046】
UV遮光カバー20Aは、調整対象となる光学装置45を含む光学ユニット401が載置される載置台25と、この載置台25上に設けられた底板22と、底板22の外周部分に立設され6軸位置調整ユニット31を囲む側板21とを備えて構成されている。側板21には、開閉自在に設けられたドア24と、光源ユニット37から照射されて投写レンズ46を透過した光を投写部本体40に透過するための透過窓21Aが設けられている。
ドア24は、光学ユニット401を給材・除材する時、及び6軸位置調整ユニット31を調整作業する時に設けられるもので、紫外線を透過しないアクリル板から形成される。載置台25は、装置据え付け時、調整部本体30が容易に移動できるようにするために、その下部にキャスタ25Aが設けられている。
【0047】
調整部本体30のUV遮光カバー20Aの内部には、6軸位置調整ユニット31と、プリズム位置調整ユニット32と、クランプ治具33とが配置されている。前記の光源ユニット37は、クランプ治具33の光学ユニット401の載置面下に設置されており、また、プリズム位置調整ユニット32は、調整部本体30のクランプ治具33の上方に設置されている。
なお、図6では図示を略したが、載置台25の下部には、調整部本体30、スクリーンユニット50および反射装置60を制御する制御装置であるコンピュータ70(後述)、紫外線硬化型接着剤を硬化させて光学ユニット401の液晶パネル441R,441G,441Bをクロスダイクロイックプリズム444上に固定するための固定用紫外線光源装置が設置されている。
【0048】
(3−1−A)6軸位置調整ユニットの構造
図8は、6軸位置調整ユニット31の構造を示す側面図である。
6軸位置調整ユニット31は、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に対して、液晶パネル441R,441G,441Bの配置位置を調整するものである。この6軸位置調整ユニット31は、UV遮光カバー20Aの底板22のレール351に沿って移動可能に設置される平面位置調整部311と、この平面位置調整部311の先端部分に設けられる面内回転位置調整部313と、この面内回転位置調整部313の先端部分に設けられる面外回転位置調整部315と、この面外回転位置調整部315の先端部分に設けられる液晶パネル保持部317とを備えている。
【0049】
平面位置調整部311は、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に対する進退位置および平面位置を調整する部分であり、載置台25上に摺動可能に設けられる基部311Aと、この基部311A上に立設される脚部311Bと、この脚部311Bの上部先端部分に設けられ、面内回転位置調整部313が接続される接続部311Cを備えている。基部311Aは、図示しないモータなどの駆動機構により、載置台25のZ軸方向(図8中左右方向)を移動する。脚部311Bは、側部に設けられるモータなどの駆動機構(図示略)によって基部311Aに対してX軸方向(図8の紙面と直交する方向)に移動する。接続部311Cは、図示しないモータなどの駆動機構によって、脚部311Bに対してY軸方向(図8中上下方向)に移動する。
【0050】
面内回転位置調整部313は、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に対する液晶パネル441R,441G,441Bの面内方向回転位置の調整を行う部分であり、平面位置調整部311の先端部分に固定される円柱状の基部313Aと、この基部313Aの円周方向に回転自在に設けられる回転調整部313Bを備えている。そして、この回転調整部313Bの回転位置を調整することにより、光入射端面448に対する液晶パネル441R,441G,441Bの面内方向回転位置を高精度に調整することができる。
【0051】
面外回転位置調整部315は、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に対する液晶パネル441R,441G,441Bの面外方向回転位置の調整を行う部分である。この面外回転位置調整部315は、前記面内回転位置調整部313の先端部分に固定されるとともに、水平方向で円弧となる凹曲面が先端部分に形成された基部315Aと、この基部315Aの凹曲面上を円弧に沿って摺動可能に設けられ、垂直方向で円弧となる凹曲面が先端部分に形成された第1調整部315Bと、この第1調整部315Bの凹曲面上を円弧に沿って摺動可能に設けられる第2調整部315Cとを備えている。そして、基部315Aの側部に設けられた図示しないモータを回転駆動すると、第1調整部315Bが摺動し、第1調整部315の上部に設けられた図示しないモータを回転すると、第2調整部315Cが摺動し、光入射端面448に対する液晶パネル441R,441G,441Bの面外方向回転位置を高精度に調整することができる。
【0052】
保持部となる液晶パネル保持部317は、調整対象となる液晶パネル441R,441G,441Bを保持する部分であり、前記第2調整部315Cの先端部分に設けられ、この第2調整部315Cに設けられるアクチュエータ315DによりY軸方向に移動可能に構成されている。
【0053】
この液晶パネル保持部317は、側面略Z字形状の金属板状体から構成され、先端部分には、液晶パネル441R,441G,441Bの画像形成領域を吸着する吸着面317Bを備え、この吸着面317B上には保持部317の表裏面を貫通する4つの光束透過孔317Dが形成されている。
このような液晶パネル保持部317は、吸着面317B上に液晶パネル441R,441G,441Bの画像形成領域を吸着した状態で液晶パネル441R,441G,441Bを保持する。光束透過孔317Dには、光源ユニット37から射出され、照明光軸に沿ってライトガイド内を通る調整用光束が透過して、液晶パネル441R,441G,441Bの画像形成領域に入射するようになっている。
【0054】
(3−1−B)光路調整ユニットの構造
光路調整ユニット34は、投写レンズ46近傍に配置され、投写レンズ46から射出される光学像を投写部本体40のスクリーン部材55(後述)に向かって反射する光路調整ミラー341と、この光路調整ミラー341の姿勢を調整するミラー姿勢調整装置342とを備えている。
光学ユニット401を載置台25上に載置すると、光学ユニット401内に配置された直角プリズム48によって、投写光学像は上方に射出される。このため、光路調整ミラー341が投写レンズ46上方に略45°で配置されており、ミラー姿勢調整装置342で光路調整ミラー341の姿勢を微調整することにより、投写レンズ46から射出される光学像を投写部本体40のスクリーン部材55に対して垂直に投写する。
【0055】
(3−1−C)光源ユニットの構造
図9は、光源ユニット37の構造を示す側面図である。
光源ユニット37は、クロスダイクロイックプリズム444および液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整に際しての光源を有し、光源部本体371および導光部372とを備えている。
光源部本体371は、筐体内に調整用光源となる光源ランプ371Aを収納した構成とされ、光学ユニット401に光束を供給する部分である。図示を略したが、筐体には、光源ランプ371Aの冷却用の開口およびこの開口の内側に冷却ファンが設けられている。なお、この光源ランプ371Aの点消灯(シャッター)制御は、後述するコンピュータ70により行われる。
【0056】
導光部372は、上下に延びる筒状体から構成され、その上端には、側方に開口372Aが形成されるとともに、この開口372Aの位置に応じた内部には、開口372Aの開口面に対して略45°に配置されるミラー372Bが設けられている。
【0057】
導光部372の下端部分は、載置台25の下部まで延び、下端部分の側面には、開口372Cが形成され、載置台25の下部に設置されるレーザ光出力部373のレーザ光射出部分と対向している。また、この開口372Cに応じた導光部372の内部には、開口372Cの開口面に対して略45°をなす角度でミラー372Dが配置される。
【0058】
さらに、導光部372の中間部分にも、光源部本体371の光源ランプ371Aの光束射出部分に応じた位置に開口372Eが形成され、この開口372Eに応じた導光部372の内部には、開口372Eの開口面に対して、略0〜45°の範囲で調整可能な可動式ミラー372Fが配置される。
【0059】
このような光源ユニット37を利用して、調整対象となる光学ユニット401の調整を行う場合、導光部372の上部の開口372Aと、光学ユニット401の光源ランプ交換用の開口とを当接させ、光源部本体371の光源ランプ371Aやレーザ光出力部373からの射出光束をライトガイド内に導入して、クロスダイクロイックプリズム444液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行う。
【0060】
具体的には、光学ユニット401内に白色レーザ光を導入する場合、可動式ミラー372Fを開口372Eに沿った状態、すなわち開口372Eの開口面に対して0°となるように移動させた状態で、レーザ光出力部373から白色レーザ光を射出して、クロスダイクロイックプリズム444の位置調整、および光学ユニット401自身の光軸位置をコンピュータに把握させる。一方、可動式ミラー372Fを45°傾斜させた状態で、光源部本体371の光源ランプ371Aから調整用光束を射出して、液晶パネル441R,441G,441Bのフォーカス、アライメント調整を行う。
【0061】
(3−1−D)プリズム位置調整ユニットの構造
プリズム位置調整ユニット32は、クロスダイクロイックプリズム444の位置調整を行うものであり、図10に示すように、クロスダイクロイックプリズム444を吸着保持するプリズム保持部321と、先端がこのプリズム保持部321と接続され、基端が不図示の駆動機構と接続される駆動軸部322とを備える。
【0062】
プリズム保持部321は、保持するクロスダイクロイックプリズム444の平面形状と略同様の平面形状を有し、クロスダイクロイックプリズム444の上面を吸着して、該クロスダイクロイックプリズム444の位置調整を行う。このため、プリズム保持部321のクロスダイクロイックプリズム444との当接面には、吸引用の孔323が形成されている。
【0063】
また、この当接面には、紫外線照射部324が形成されていて、プリズム位置調整ユニット32による位置調整が終了したら、この紫外線照射部324から紫外線を照射して、クロスダイクロイックプリズム444を通して、下面側の紫外線硬化型接着剤453を硬化させる。
駆動軸部322は、モータ等により駆動し、前記プリズム保持部321の姿勢を調整する部分であり、プリズム保持部321に吸着されたクロスダイクロイックプリズム444を、三次元的に自由な位置に調整できるようになっている。
【0064】
(3−2)投写部本体の構造
図6および図7に戻って、投写部本体40は、暗室20Bと、画像形成部としてのスクリーンユニット50と、反射装置60とを備えて構成されている。
暗室20Bは、スクリーンユニット50および反射装置60を囲む側板26、底板27および天板28と、載置台29とを備えて構成されている。側板26には光源ユニット37から光学ユニット401を介して照射される光を透過するための透過窓26Aが設けられているとともに、載置台29の下部にはキャスタ29Aが設けられている。
暗室20Bの内部において、投写部本体40を構成するスクリーンユニット50と反射装置60とは、互いに対向配置されている。
【0065】
(3−2−A)スクリーンユニットの構造
スクリーンユニット50は、暗室20Bの6軸位置調整ユニット31側に配置されており、投写レンズ46に対して接離可能な矩形枠状の支持フレーム51と、この支持フレーム51の四隅部分近傍に設けられ支持フレーム51の面内方向に移動可能なスクリーン装置52と、支持フレーム51の略中央部分近傍に設けられて支持フレーム51の面内方向に移動可能な光線検出装置53とを備えている。
【0066】
支持フレーム51には、スクリーンユニット進退機構54が設けられている。このスクリーンユニット進退機構54は、暗室20Bの底板27に支持フレーム51の平面と直交する方向に延びて設けられた4本のレール541と、支持フレーム51下面に設けられて各レール541上を移動可能な駆動機構542とを備えている。このスクリーンユニット進退機構54により、スクリーンユニット50は、レール541の延びる方向に沿って移動自在とされている。
【0067】
各スクリーン装置52は、図11にも示すように、投写光学像が形成されるスクリーン部材55と、このスクリーン部材55の裏面に一体に設けられた画像検出部としてのCCDカメラ56と、これらスクリーン部材55およびCCDカメラ56を支持するとともに前後位置を切り替える切替機構57とを備えている。
【0068】
スクリーン部材55は、例えば、不透明樹脂層上に光学ビーズを均一に分散配置して構成することができ、光学ビーズが配置された側から光束を入射すると、光学ビーズがレンズとなって、該光束をスクリーン部材55の裏面側に射出するようになっている。
【0069】
CCDカメラ56は、電荷結合素子(Charge Coupled Device)を撮像素子として備えたエリアセンサであり、スクリーン部材55に投写された光学像を、その裏面側から検出して、電気信号として出力するものである。
なお、これらのCCDカメラ56は、投写画像を高精度に検出するために、ズーム・フォーカス機構を備え、遠隔制御により自由にズーム・フォーカスを調整できるようになっている。
【0070】
切替機構57は、スクリーン部材55およびCCDカメラ56を支持するとともに、スクリーン部材55の延出方向に沿って上下方向に延びる垂直部582(後述)に取り付けられている。この切替機構57は、垂直部582を軸として水平方向に回転可能な回転機構とされ、これにより、スクリーン部材55およびCCDカメラ56の前後位置を切り替え可能である。
【0071】
また、支持フレーム51には、スクリーン装置52を支持フレーム51の平面に沿って移動させる移動機構58が設けられている。この移動機構58は、支持フレーム51の水平方向に沿って延びる水平部581と、垂直方向に延びる垂直部582とを備えている。
水平部581に対して垂直部582が水平方向に摺動し、この垂直部582に対して、スクリーン装置52の切替機構57が垂直方向に摺動することにより、スクリーン装置52は、支持フレーム51の平面に沿って移動自在とされている。これら移動機構58は、載置台29内部のサーボ制御機構によって遠隔制御されて、スクリーン部材55は、前記光学ユニット401から射出される矩形状の投写光学像の角隅部が投写されるように、投写レンズ46の光軸に対して対称に配置される。
【0072】
光線検出装置53は、前記スクリーン装置52と同様の構造を有するスクリーン部材55、CCDカメラ56、およびこれらスクリーン部材55およびCCDカメラ56を支持する支持部57Aを備えている。
支持部57Aは、スクリーン部材55およびCCDカメラ56を、反射装置60側に向けた状態で支持する。
また、支持フレーム51には、光線検出装置53を支持フレーム51の平面に沿って移動させる移動機構59が設けられている。この移動機構59は、支持フレーム51の水平方向に沿って延びる水平部591を備えている。垂直部582に対して水平部591が垂直方向に摺動し、この水平部591に対して、光線検出装置53の支持部57Aが水平方向に摺動することにより、光線検出装置53は、支持フレーム51の平面に沿って移動自在とされている。
【0073】
(3−2−B)反射装置の構造
図6および図7において、反射装置60は、投写レンズ46に正対配置されかつ投写レンズ46に対して接離可能な反射部61と、この反射部61の略中央部分近傍に設けられたポジションセンサ62とを備えている。
【0074】
反射部61は、光源ユニット37から投写レンズ46を介して投写される投写光をスクリーン装置52に向けて反射させるものであり、照射される投写光の位置に応じて同一面内に配置された反射ミラーとしてのミラー63と、このミラー63が取り付けられる取付板64と、この取付板64の下部を支持する支持板65とを備えて構成されている。ミラー63は、その反射面63Aが投写レンズ46から照射される投写光の光軸と直交となるように形成されている。
【0075】
支持板65には、ミラー進退調整装置としての反射装置進退機構66が設けられている。この反射装置進退機構66は、支持板65に設けられ上述したレール541上を移動可能な駆動機構662とを備えている。この反射装置進退機構66により、反射装置60は、スクリーンユニット50の後側の範囲内で、レール541の延びる方向に沿って移動自在とされている。
【0076】
ポジションセンサ62は、レーザ光出力部373から出力された白色レーザ光を検出するものであり、半導体位置検出素子を備え、白色レーザ光等の光スポットの二次元位置を計測する。検出素子としてはフォトダイオードが用いられている。
このポジションセンサ62は、後述するプリズム位置調整の際には、白色レーザ光を検出するほか、光学ユニット401の光軸位置出しの際にも、白色レーザ光を検出する。なお、プリズム位置調整に際してポジションセンサ62を使用するのは、クロスダイクロイックプリズム444の位置を調整すると、白色レーザ光による光スポットの位置が大きく動くため、これに追従して検出できる点を考慮したためである。
【0077】
(3−3)製造装置の制御構造
上述した調整部本体30、スクリーンユニット50および反射装置60は、図12のブロック図に示すように、制御装置としてのコンピュータ70と電気的に接続されている。
このコンピュータ70は、CPUおよび記憶装置を備え、調整部本体30、スクリーンユニット50および反射装置60のサーボ機構の動作制御を行うとともに、ビデオキャプチャボード等の画像取込装置を介してCCDカメラ56およびポジションセンサ62と接続されている。
【0078】
CCDカメラ56で撮像された投写画像は、画像取込装置を介してコンピュータ70に入力し、コンピュータに適合する画像信号に変換された後、CPUを含むコンピュータ70の動作制御を行うOS上に展開される画像処理プログラムにより画像処理され、液晶パネル441R,441G,441Bのフォーカス、アライメント調整が行われる。
CCDカメラ56で撮像された投写画像は、同様に、OS上に展開されるプリズム位置調整プログラムおよび光軸演算プログラムにより処理され、クロスダイクロイックプリズム444の位置調整および光学ユニット401の光軸演算が行われる。
ポジションセンサ62で検出された光スポットの位置は、画像としてコンピュータ70に取り込まれ、前記と同様の画像処理プログラムによって処理される。これらCCDカメラ56、およびポジションセンサ62は、載置台29内部のサーボ制御機構によって、遠隔制御で移動させることができるようになっている。
【0079】
(4)製造装置によるプリズムおよび液晶パネルの位置調整操作
このような光変調装置の製造装置2において、調整対象となる光学ユニット401の調整操作は、図13に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(1) まず、図2に示される種々の光学部品のうち投写レンズ46を除く光学部品を、図3に示されるライトガイド47に組み込んで調整対象となる光学ユニット401を構成し、調整部本体30のクランプ治具33にセットする(処理S1)。このとき、下ライトガイド471には、固定板452のみをねじで固定しておき、紫外線硬化型接着剤453をクロスダイクロイックプリズム444の載置面上に未硬化の状態で塗布しておく。
【0080】
(2) 次に、プリズム位置調整ユニット32にクロスダイクロイックプリズム444を取り付ける(処理S2)。
(3) コンピュータを操作して、予め記憶装置内に格納された、プロジェクタの機種毎に登録された機種データを呼び出して、CPUのメモリ上にロードする(処理S3)。機種データとしては、調整対象となるクロスダイクロイックプリズム444、液晶パネル441R,441G,441Bの設計上の配置位置が含まれ、各位置調整に際しては、これら設計上の配置位置を初期位置として調整を行う。
【0081】
(4) 前記のような調整の準備が終了したら、プリズム位置調整を行うが(処理S4)、具体的には、図14に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(4−1) コンピュータ70のCPUは、メモリー上にロードされた機種データのクロスダイクロイックプリズム444の設計上の位置に基づいて、プリズム位置調整ユニット32に制御指令を出力する。プリズム位置調整ユニット32は、この制御指令に基づいて、クロスダイクロイックプリズム444を初期位置にセットする(処理S41)。
【0082】
(4−2) コンピュータ70のCPUは、投写レンズ46から射出される光学像がスクリーン部材55に対して垂直に投写されるように、光路調整ミラー341の姿勢を微調整するとともに、ポジションセンサ62を、スクリーン部材55上に投写される投写画像の略中央に移動させ、ポジションセンサ62による検出の準備を行う(処理S42)。また、光源ユニット37の可動式ミラー372Fを移動させてレーザ光出力部373から白色レーザ光を照射する(処理S43:レーザ光射出工程)。
(4−3) 光源ユニット37から照射された白色レーザ光は、光学ユニット401内でRGB3色の色光に分離された後、クロスダイクロイックプリズム444で再び合成され、スクリーン部材55上に光スポット像を形成する。ポジションセンサ62は、各色光すべての光スポット像を検出する(処理S44)。
【0083】
(4−4) ポジションセンサ62で検出された光スポット像は、数値信号としてコンピュータ70に取り込まれ、コンピュータ70のCPUは、取り込まれた数値信号に基づいて、プリズム位置調整ユニット32に制御指令を出力して、クロスダイクロイックプリズム444の位置調整を行い(処理S45:位置調整工程)、調整後、再度光スポット像を検出する(処理S46:合成光検出工程)。
【0084】
(4−5) コンピュータ70のCPUは、プリズム位置調整を行いながら、画像処理プログラムを利用して、光スポット像の面積を算出し、算出された面積に基づいて、調整を終了するか否かを判定する(処理S47:調整終了判定工程)。具体的には、クロスダイクロイックプリズム444が照明光軸に対してずれた位置である場合、図15に示すように、分離されたRGBの各色光の光スポット像SR、SG、SBがずれた位置に形成され、光スポット像SR、SG、SBの面積の和は、本来の白色レーザ光の光スポット像SOの面積よりも大きくなる。従って、光スポット像SR、SG、SBの面積の和が白色レーザ光の本来の光スポット像SOの面積と等しくなった状態を、調整終了と判定すればよい。
【0085】
(4−6) クロスダイクロイックプリズム444の位置調整が終了したら、CPUは、プリズム位置調整ユニット32に制御指令を出力して、これに基づいて、プリズム位置調整ユニット32は、プリズム保持部321の紫外線照射部324から紫外線を照射し、固定板452上の紫外線硬化型接着剤453を硬化させて(処理S48:接着剤硬化工程)、クロスダイクロイックプリズム444の位置調整を終了する。
【0086】
(5) プリズム位置調整工程が終了して、クロスダイクロイックプリズム444が位置決めされたら、投写レンズ46をライトガイド47に取り付けて光学ユニット401の光軸位置出しを行うが、投写レンズ46にはあおり方向がないため、光学ユニット401の光軸位置は、投写レンズ46の光軸と略一致し、白色レーザ光の本来の光スポット像の位置と同じになる。(処理S5)
【0087】
(6) 6軸位置調整ユニット31に液晶パネル441R,441G,441Bを取り付ける(処理S6)。なお、液晶パネル441R,441G,441Bの取付けは、図4に示される保持枠443の四隅部分に形成された孔443Aに、紫外線硬化型接着剤を塗布したピン445を挿入し、接着剤が未硬化の状態として行う。
【0088】
(7) 光学ユニット401の光軸位置が把握されたら、コンピュータ70のCPUは、機種データに含まれる液晶パネル441R,441G,441Bの設計上の位置に基づいて、制御指令を生成して6軸位置調整ユニット31に出力し、6軸位置調整ユニット31は、液晶パネル441R,441G,441Bを移動させて、ピン445がクロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に当接する初期位置にセットする(処理S7)。
【0089】
(8) 液晶パネル441R,441G,441Bの初期位置へのセットが終了したら、クロスダイクロイックプリズム444に対する液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行うが(処理S8)、具体的には、図16に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(8−1) コンピュータ70のCPUは、光源ユニット37に対して制御指令を出力して、光源ユニット37の可動式ミラー372Fを移動させ、白色レーザ光から光源部本体371の光源ランプ371Aへの切替を行い(処理S81)、光源ランプ371Aを点灯させる(シャッター開)。光源ランプ371Aから照射された光束は、導光部372を介して光学ユニット401内部に供給され、液晶パネル保持部317の光束透過孔317Dから液晶パネル441R,441G,441Bに入射し、投写レンズ46から矩形状の光学像が投写される。
(8−2) コンピュータ70のCPUは、切替機構57でスクリーン部材55およびCCDカメラ56の前後位置を切り替えることにより、スクリーン部材55を投写レンズ46に対向させる。次に、各スクリーン装置52を移動して、把握した光学ユニット401の光軸位置に対して対称とするとともに、スクリーンユニット50を投写レンズ46に対して接離させる。これにより、投写画像の角隅部分がスクリーン部材55に形成される(処理S82)。
【0090】
(8−3) この状態で、コンピュータ70のCPUは、画像信号を出力して、調整対象となる液晶パネルのみにアライメント調整用の画像パターンを含む画像信号を出力し、他の液晶パネルには、黒色画像を表示する画像信号を出力する(処理S83)。なお、本例では、まず、液晶パネル441Gの位置調整を行った後に、液晶パネル441R、441Bの位置調整を行うため、これに応じて、異なる画像信号が順次出力されることとなる。なお、液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整に際して、CCDカメラ56として3CCDカメラを使用して、3枚の液晶パネル441R,441G,441Bを同時に位置調整してもよく、このように同時に位置調整すれば、調整の大幅な高速化が図られる。
【0091】
(8−4) コンピュータ70のCPUは、前処理S7で得られた光軸位置を動かさないように、液晶パネル441Gのフォーカス調整を行い、フォーカス調整が終了したら、画像パターンを利用してアライメント調整を行う(処理S84、S85:位置調整工程)。
(8−5) 液晶パネル441Gの位置調整が終了したら、光ファイバ38、39から紫外線を照射して、ピン445先端の紫外線硬化型接着剤を硬化させ(処理S86)、その後、画像信号を出力して、次の液晶パネル441Rの調整を開始し、すべての液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整が終了するまで前記の手順を繰り返す(処理S87)。
【0092】
したがって、本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)投写レンズ46の光軸に対して対称にスクリーン装置52を配置し、この状態で、光学装置45に光束を導入して、スクリーン部材55上に投写画像を形成する。これにより、投写画像の一部をスクリーン部材55上に確実に形成できる。したがって、投写画像をCCDカメラ56で検出しながら、各液晶パネル441R,441G,441Bのフォーカス調整およびアライメント調整を行うことができ、リアプロジェクタ100に用いられる光学装置45を製造できる。
また、投写レンズ46としてマスターレンズを用いる方法を採らず、投写レンズ46も調整対象に含めたので、投写レンズ46のライトガイド47に対する取付け誤差も含めて液晶パネル441R,441G,441Bを調整できるから、光学装置45および投写レンズ46をスクリーン本体107に対して高精度で位置決めでき、マージン量を低減できる。
【0093】
(2)光学装置45から射出される投写光学像を矩形状とし、スクリーンユニット50に投写光学像の角隅部に配置される複数のスクリーン部材55を設け、CCDカメラ56にスクリーン部材55のそれぞれの裏面に配置される複数の撮像素子を設けたので、光学装置45から射出された矩形状の投写光学像のうち、角隅部のみがスクリーン部材55上に投写画像として形成される。したがって、スクリーン部材55の面積を低減して、製造コストを低減できる。
【0094】
(3)光路調整ユニット34を設けたので、光路調整ミラー341の姿勢をミラー姿勢調整装置342で適宜調整することによって、光路調整ミラー341で光学像の投写方向を変化させて、スクリーン部材55上に容易に投写画像を形成できる。
【0095】
[第2実施形態]
本実施形態では、図17に示すように、製造装置2を用いて、フロントプロジェクタ用の光学ユニット401Bを構成する光学装置45Bを製造する。なお、以下の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
本実施形態では、プリズムおよび液晶パネルの位置調整操作手順のうち、(4)のプリズム位置調整、(5)の光軸位置出し、および(8)の液晶パネル位置調整が、第1実施形態と異なる。
【0096】
すなわち、本実施形態では、光学ユニット401B内には、直角プリズム48が設けられておらず、光学ユニット401Bを載置台25上に載置すると、投写光学像は水平方向に射出されることとなる。このため、(4)のプリズム調整の(4−2)ポジションセンサの検出準備において、光路調整ユニット34を使用しない。
【0097】
また、光軸位置出し(5)は、図18に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(5−1) まず、光学ユニット401Bに投写レンズ46Bを取り付ける(処理S51)。
(5−2) 次に、コンピュータ70のCPUは、移動機構58に制御信号を出力し、ポジションセンサ62を光線検出装置53のCCDカメラ56に切り替えて、CCDカメラ56での検出状態を準備する(処理S52)。
【0098】
(5−3) コンピュータ70のCPUは、レーザ出力部373に制御信号を出力して、白色レーザ光を照射させ、反射装置60およびスクリーンユニット50を投写レンズ46に対して接離させて投写距離を調整しながら、投写レンズ46を介して光線検出装置53のスクリーン部材55上にスポット映像を投写し(処理S53:レーザ光射出工程)、投写されたスポット映像をCCDカメラ56で検出し(処理S54:レーザ光検出工程)、数値信号としてコンピュータ70に出力する。
(5−4) コンピュータ70のCPUは、CCDカメラ56上のレーザスポット重心位置から演算し(処理S55:光軸位置演算工程)、光学ユニット401Bの光軸位置をメモリ上にストアする(処理S56)。
【0099】
また、液晶パネル位置調整(8)のCCDカメラの移動(8−2)は、以下の手順で行われる。
(8−2) コンピュータ70のCPUは、切替機構57でスクリーン部材55およびCCDカメラ56の前後位置を切り替えることにより、スクリーン部材55を反射装置60に対向させる。次に、各スクリーン装置52を、把握した光学ユニット401Bの光軸位置に基づいた四隅位置に移動する。これにより、投写レンズ46Bからの投写光学像は、反射装置60のミラー63で反射した後、スクリーン装置52のスクリーン部材55上に投写され、投写画像の角隅部分が形成される(処理S82)。
【0100】
したがって、本実施形態によれば、上述した効果(1)、(2)に加え、以下の効果がある。
(4)光学装置45Bから射出された投写光学像を、ミラー63を介してスクリーン装置52のスクリーン部材55上に投写できるから、直接、スクリーン部材55上に投写する場合に比べ、投写距離を長くできる。したがって、あおり方向を有するフロントプロジェクタ用の光学装置45Bについても、各液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行うことができる。
このとき、反射装置進退機構66で反射装置60を進退させることにより、投写距離を変化させて、投写光学像を確実にスクリーン装置52のスクリーン部材55上に投写できる。
【0101】
(5)スクリーン部材55とCCDカメラ56とを一体化するとともに、切替機構57を設けたので、切替機構57でスクリーン部材55およびCCDカメラ56の前後位置を切り替えるだけで、スクリーン部材55を反射装置60に対向させて、各液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整できる。したがって、フロントプロジェクタについても容易に対応できる。
【0102】
(6)切替機構57を、スクリーン部材55の延出方向に沿って延びる垂直部582を中心として、スクリーン部材55およびCCDカメラ56を回転させる回転機構としたので、回転機構を回転させるだけで、スクリーン部材55およびCCDカメラ56の前後位置を簡単に切り替えることができる。
【0103】
[第3実施形態]
本実施形態では、製造装置2Cを用いて、リアプロジェクタ100用の光学ユニット401を構成する光学装置45を製造する。なお、以下の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
製造装置2Cは、図19に示すように、投写部本体40Cの構成が第1実施形態と異なる。すなわち、投写部本体40Cは、暗室20Bと、画像形成部としてのスクリーンユニット50Cと、第2スクリーンユニット50Dとを備えている。ここで、第2スクリーンユニット50Dは、スクリーンユニット50Cよりも調整部本体30側に配置されており、それぞれ、スクリーンユニット進退機構54によって、投写レンズ46に対して接離可能とされている。
【0104】
スクリーンユニット50Cは、スクリーンユニット50と同様に、支持フレーム51、スクリーン装置52Cのほか、支持フレーム51で囲まれた内側に反射装置60Cを備えているが、光線検出装置を備えていない。ここで、反射装置60Cのミラー63は、スクリーン部材55が設けられていない部分に配置されている。
スクリーン装置52Cは、スクリーン装置52と同様の構成であるが、切替機構57を備えておらず、スクリーン部材55の向きは、投写レンズ46に対向した状態で固定されている。
【0105】
第2スクリーンユニット50Dは、スクリーンユニット50と同様に、支持フレーム51、スクリーン装置52D、および光線検出装置53を備えている。
スクリーン装置52Dは、スクリーン装置52と同様の構成であるが、切替機構57を備えておらず、スクリーン部材55の向きは、反射装置60Cに対向した状態で固定されている。
ここで、スクリーン装置52Dのスクリーン部材55は、第2スクリーン部材を構成し、CCDカメラ56は、第2画像検出部を構成し、スクリーンユニット進退機構54は、ミラー進退調整装置を構成する。
【0106】
本実施形態では、プリズムおよび液晶パネルの位置調整操作手順のうち、(8)の液晶パネル位置調整のCCDカメラの移動(8−2)が、第1実施形態と異なり、以下の手順で行われる。
(8−2) コンピュータ70のCPUは、スクリーンユニット50Cの各スクリーン装置52Cを移動して、把握した光学ユニット401の光軸位置に対して対称とするとともに、スクリーンユニット50Cを投写レンズ46に対して接離させる。これにより、投写画像の角隅部分がスクリーン部材55に形成される(処理S82)。このとき、第2スクリーンユニット50Dは、投写レンズ46からの投写画像が遮られることのないように、投写レンズ46側に移動させて退避させておく。
以上のような本実施形態によれば、上述した(1)〜(3)と同様の効果がある。
【0107】
[第4実施形態]
本実施形態では、図20に示すように、製造装置2Cを用いて、フロントプロジェクタ用の光学ユニット401Bを構成する光学装置45Bを製造する。なお、以下の説明にあたって、第2実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
本実施形態では、第2実施形態と同様の手順でプリズムおよび液晶パネルの位置調整操作を行うが、光軸位置出し(5)のレーザ光の照射、および(8)の液晶パネル位置調整が、第2実施形態と異なる。
【0108】
すなわち、光軸位置出し(5)のレーザ光の照射(5−3)は、以下の手順で行われる。
(5−3) コンピュータ70のCPUは、レーザ出力部373に制御信号を出力して、白色レーザ光を照射させ、スクリーンユニット50Cおよびスクリーンユニット50Dを投写レンズ46Bに対して接離させて投写距離を調整しながら、投写レンズ46Bを介して光線検出装置53のスクリーン部材55上にスポット映像を投写し(処理S53:レーザ光射出工程)、投写されたスポット映像をCCDカメラ56で検出し(処理S54:レーザ光検出工程)、数値信号としてコンピュータ70に出力する。
【0109】
また、液晶パネル位置調整(8)のCCDカメラの移動(8−2)は、以下の手順で行われる。
(8−2) コンピュータ70のCPUは、第2スクリーンユニット50Dの各スクリーン装置52Dを、把握した光学ユニット401Bの光軸位置に基づいた四隅位置に移動する。これにより、投写レンズ46Bからの投写光学像は、スクリーンユニット50Cのミラー63で反射した後、第2スクリーンユニット50Dのスクリーン部材55上に投写され、投写画像の角隅部分が形成される(処理S82)。
【0110】
したがって、本実施形態によれば、上述した(1)、(2)に加え、以下の効果がある。
(7)第2スクリーンユニット50Dを設けたので、光学装置45Bから射出された投写光学像を、スクリーンユニット50Cに設けられたミラー63を介して第2スクリーンユニット50Dのスクリーン部材55上に投写し、この投写画像をCCDカメラ56で検出できるから、直接、スクリーン部材55上に投写する場合に比べ、投写距離を長くできる。したがって、あおり方向を有するフロントプロジェクタ用の光学装置45Bについても、各液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行うことができる。
このとき、スクリーンユニット進退機構54でミラー63を進退させることにより、投写距離を変化させて、投写光学像を確実に第2スクリーンユニット50Dのスクリーン部材55上に投写できる。
【0111】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る製造装置で製造される光学装置を用いたリアプロジェクタを示す縦断面図。
【図2】前記実施形態に係る光学ユニットの構造を示す模式図。
【図3】前記実施形態に係る光学ユニットを示す斜視図。
【図4】前記実施形態に係る色合成光学系に光変調装置を取り付ける構造を示す分解斜視図。
【図5】前記実施形態に係る色合成光学系の取り付け構造を示す側面図。
【図6】前記実施形態に係る製造装置の構造を示す縦断面図。
【図7】前記実施形態に係る製造装置の構造を示す横断面図。
【図8】前記実施形態に係る光変調装置の位置調整装置の構造を示す側面図。
【図9】前記実施形態に係る光源ユニットの構造を示す模式図。
【図10】前記実施形態に係る色合成光学系の位置調整装置の構造を示す側面図および平面図。
【図11】前記実施形態に係る画像形成部および画像検出部を示す正面図。
【図12】前記実施形態に係る製造装置の制御構造を示すブロック図。
【図13】前記実施形態における位置調整の手順を表すフローチャート。
【図14】前記実施形態におけるプリズム位置調整の手順を表すフローチャート。
【図15】前記実施形態におけるプリズム位置調整の調整終了判定の基準を表す模式図。
【図16】前記実施形態における光変調装置の位置調整の手順を表すフローチャート。
【図17】本発明の第2実施形態に係る製造装置の構造を示す縦断面図。
【図18】前記実施形態における光変調装置の光軸位置出しの手順を示すフローチャート。
【図19】本発明の第3実施形態に係る製造装置の構造を示す縦断面図。
【図20】本発明の第4実施形態に係る製造装置の構造を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…プロジェクタ、2,2C…製造装置、25…載置台、30…調整部本体(装置本体)、31…6軸位置調整ユニット(位置調整装置)、341…光路調整ミラー、342…ミラー姿勢調整装置、441R,441G,441B…液晶パネル(光変調装置)、444…クロスダイクロイックプリズム(色合成光学系)、45,45B…光学装置、46,46B…投写レンズ(投写光学系)、50,50C…スクリーンユニット(画像形成部)、54…スクリーンユニット進退機構(ミラー進退調整装置)、55…スクリーン部材,第2スクリーン部材、56…CCDカメラ(画像検出部、第2画像検出部)、57…切替機構、63…ミラー(反射ミラー)、66…反射装置進退機構(ミラー進退調整装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の色光を画像情報に応じて各色光毎に変調して光学像を形成する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された光学像を合成する色合成光学系とを備え、リアプロジェクタに用いられる光学装置を製造する光学装置の製造装置に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、家庭内でのホームシアター等の用途として、スクリーンの表面側(観察者側)に投写画像を形成するフロントプロジェクタが知られている。
このフロントプロジェクタとしては、光源ランプから射出された光束を、ダイクロイックミラー等の色分離光学系で三色の色光R、G、Bに分離し、分離された光束を3枚の光変調装置で各色光毎に画像情報に応じて変調して、合成する色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズムで各光変調装置で変調された光束を合成して光学像を形成し、この光学像を投写レンズ等の投写光学系で拡大投写する、いわゆる三板式が知られている。
この三板式のプロジェクタでは、構造の簡素化および組立工程の簡単化のため、3枚の光変調装置をクロスダイクロイックプリズムの光入射端面に直接取り付ける、いわゆるPOP(Panel On Prism)構造が採用される。
【0003】
上述したPOP構造では、クロスダイクロイックプリズムの光入射端面上に光変調装置を固定するにあたり、各光変調装置の画素ずれによる画質劣化を防止するため、相互の位置を高精度に調整する必要がある。このため、従来では、3枚の光変調装置相互の位置を調整するため、特許文献1に記載の調整装置を用いて調整を行っていた。
【0004】
すなわち、調整装置には、調整用スクリーン、光軸検出装置、および画像検出装置が設けられている。一方、色分離光学系、色合成光学系、光変調装置、およびこれらを収納する光学部品用筐体を組み合わせて調整対象とする。
まず、平均的な光学特性を有する投写レンズをマスターレンズとして採用し、このマスターレンズを調整装置に取り付ける。次に、調整装置に調整対象を設置し、光軸検出装置で調整対象の照明光軸を検出して、この検出された照明光軸に基づいて画像検出装置を移動させて、投写画像を検出できる配置とする。なお、フロントプロジェクタではあおり方向が設けられているため、画像検出装置は、投写レンズ光軸に対してあおり方向側に配置される。続いて、調整装置の光源ランプから照射された光束を利用して、調整用スクリーン上に投写画像を形成し、この投写画像を画像検出装置で検出しながら、各光変調装置の位置を調整する。
【0005】
一方、プロジェクタとしては、フロントプロジェクタの他、透過型スクリーンを用いて、このスクリーンの裏面側に投写画像を形成し、スクリーンを透過した画像を観察するリアプロジェクタが普及しつつある。
リアプロジェクタは、一般に、光学像を投写する内部ユニットと、内部ユニットから投写された光学像を反射する反射ミラー等を収納する箱状の筐体と、筐体の正面に露出して設けられる透過型スクリーンとを備えて構成される。内部ユニットは、フロントプロジェクタと同様に、光源ランプ、色分離光学系、光変調装置、色合成光学系、および投写光学系を備えた構成である。
【0006】
そこで、このリアプロジェクタにおいても、構造の簡素化および組立工程の簡単化のため、フロントプロジェクタのようなPOP構造を採用することが要請されており、その製造に際して従来の装置を用いることが考えられる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−244206号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した調整装置をリアプロジェクタに転用しようとしても、リアプロジェクタにはあおり方向が設けられていないないため、調整用スクリーン上に形成される投写画像の位置がフロントプロジェクタとは異なる。そのため、CCDカメラ等の画像検出装置を、投写画像を検出できる位置まで移動させようとしても、画像検出装置の移動範囲を超えて投写画像が形成されることになり、光変調装置の位置を調整できなかった。
さらに、リアプロジェクタは、フロントプロジェクタと異なり、透過型スクリーンと画像形成部とが筐体内に収納されるため、透過型スクリーン上の投写画像の位置は、高精度であることが要求され、左右上下のマージン量を極力低減する必要がある。しかし、投写レンズには光軸中心位置および画像歪み等のばらつきがあり、投写レンズと光学部品用筐体との位置決めピンやピン穴の誤差があるため、マージン量を低減することは難しかった。
【0009】
本発明の目的は、リアプロジェクタに用いられ、透過型スクリーン上のマージン量を削減できる光学装置の製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学装置の製造装置は、複数の色光を画像情報に応じて各色光毎に変調して光学像を形成する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された光学像を合成する色合成光学系とを備え、リアプロジェクタに用いられる光学装置を製造する光学装置の製造装置であって、前記色合成光学系およびこの色合成光学系で合成された光学像を拡大投写する投写光学系が載置される載置台、ならびに、各光変調装置の前記色合成光学系に対する位置および各光変調装置相互の位置を調整する位置調整装置を備えた装置本体と、前記投写光学系から射出された投写光学像が投写される画像形成部と、この画像形成部上に投写された光学像を、該画像形成部の裏面側から検出する画像検出部とを備え、前記画像形成部は、前記光学装置から射出された光学像の光軸および前記投写光学系の光軸とを略一致させたあおりなしの状態で、前記投写光学像の端部が投写されるように、前記投写光学系の光軸に対して対称に配置されていることを特徴とする。
【0011】
ここで、画像形成部は、例えば、投写光学像全体が形成される単一のスクリーン部材を含んで構成してもよいし、投写画像の一部がそれぞれ形成される複数のスクリーン部材を含んで構成してもよい。
さらに、画像形成部を投写光学系の光軸に対して対称に配置するとは、例えば、画像形成部が単一のスクリーン部材を含んで構成される場合には、このスクリーン部材の中心が投写光学系の光軸と略一致することを意味する。一方、画像形成部が複数のスクリーン部材を含んで構成される場合には、各スクリーン部材同士が、投写光学系の光軸を挟んで、例えば、鉛直方向、水平方向、および斜め方向に対称であることが含まれる。
【0012】
リアプロジェクタでは、透過型スクリーンの裏面側から画像を投写するため、フロントプロジェクタと異なり、あおり投写する必要がない。したがって、投写光学像の中心および投写光学系光軸は、ほぼ一致する。
そこで、本発明では、リアプロジェクタにおける光学装置を以下の手順で製造する。まず、予め投写光学系の光軸を検出しておき、この検出された投写光学系の光軸に対して対称に画像形成部を配置する。この状態で、光学装置に光束を導入して、画像形成部上に投写画像を形成する。これにより、投写画像の一部を画像形成部上に確実に形成できる。したがって、投写画像を画像検出部で検出しながら、各光変調装置のフォーカス調整およびアライメント調整を行うことができ、リアプロジェクタに用いられる光学装置を製造できる。
また、投写光学系としてマスターレンズを用いる方法を採らず、投写光学系も調整対象に含めたので、投写光学系の光学部品用筐体に対する取付け誤差も含めて光変調装置を調整できるから、光学装置および投写光学系を透過型スクリーンに対して高精度で位置決めでき、マージン量を低減できる。
【0013】
本発明では、前記光学装置から射出される投写光学像は矩形状とされ、前記画像形成部は、該投写光学像の角隅部に配置される複数のスクリーン部材を備え、前記画像検出部は、これら複数のスクリーン部材のそれぞれの裏面に配置される複数の撮像素子を備えていることが好ましい。
【0014】
ここで、撮像素子としては、CCD(Charge Coupled Device)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)センサ等を採用することができる。
この発明によれば、光学装置から射出された矩形状の投写光学像のうち、角隅部のみがスクリーン部材上に投写画像として形成される。したがって、スクリーン部材の面積を低減して、製造コストを低減できる。
【0015】
本発明では、前記投写光学系近傍に配置され、当該投写光学系から射出される光学像を、前記画像形成部に向かって反射する光路調整ミラーと、この光路調整ミラーの姿勢を調整するミラー姿勢調整装置とを備えていることが好ましい。
【0016】
リアプロジェクタでは、筐体内に収納された画像形成部で透過型スクリーンの裏面側に投写画像を形成するため、色合成光学系の光束射出方向と投写光学系の投写方向とが、必ずしも一致するとは限らない。一方、光学装置の製造装置では、光変調装置の調整精度を考慮すると、色合成光学系を光束射出方向が水平方向になるように設置し、水平方向に沿った三方向から光変調装置の位置調整を行うのが簡便である。したがって、色合成光学系を光束射出方向が水平方向になるように設置すると、投写光学系の投写方向は水平方向にならない場合がある。
そこで、この発明によれば、光路調整ミラーの姿勢をミラー姿勢調整装置で適宜調整することによって、光路調整ミラーで光学像の投写方向を変化させて、画像形成部上に容易に投写画像を形成できる。
【0017】
本発明では、前記画像形成部の後段に配置されかつ前記光学装置からの投写画像を反射する反射ミラーと、この反射ミラーの前記投写光学像に沿った進退位置を調整するミラー進退調整装置とを備えていることが考えられる。
この発明によれば、光学装置から射出された投写光学像を、反射ミラーを介してスクリーン部材上に投写できるから、直接、スクリーン部材上に投写する場合に比べ、投写距離を長くできる。したがって、あおり方向を有するフロントプロジェクタ用の光学装置についても、各光変調装置の位置調整を行うことができる。
このとき、ミラー進退調整装置で反射ミラーを進退させることにより、投写距離を変化させて、投写光学像を確実にスクリーン部材上に投写できる。
【0018】
本発明では、前記スクリーン部材と前記撮像素子とは一体化され、前記スクリーン部材および前記撮像素子の前後位置を切り替える切替機構が設けられていることが好ましい。
この発明によれば、切替機構でスクリーン部材および撮像素子の前後位置を切り替えることにより、例えば、リアプロジェクタ用の光学装置について調整する場合、スクリーン部材を光学装置に対向させて、スクリーン部材上に直接投写画像を形成しながら、光変調装置の位置を調整できる。一方、フロントプロジェクタ用の光学装置について調整する場合、前記反射ミラーにスクリーン部材を対向させることにより、光学装置からスクリーン部材までの投写距離を長く確保して、各光変調装置の位置を調整できる。したがって、リアプロジェクタおよびフロントプロジェクタのどちらについても容易に対応できる。
【0019】
本発明では、前記切替機構は、前記スクリーン部材の延出方向に沿って延びる軸を中心として前記スクリーン部材および撮像素子を回転させる回転機構とされていることが好ましい。
この発明によれば、回転機構を回転させるだけで、スクリーン部材および撮像素子の前後位置を簡単に切り替えることができる。
【0020】
本発明では、前記画像形成部は、前記スクリーン部材が設けられていない部分に設けられて前記光学装置からの投写画像を反射する反射ミラーを備え、前記画像形成部の前記投写光学像に沿った進退位置を調整するミラー進退調整装置と、前記画像形成部の前段に配置され前記反射ミラーで反射された投写光学像が投写される第2スクリーン部材と、この第2スクリーン部材上に投写された光学像を検出する第2画像検出部とを備えていることが考えられる。
【0021】
この発明によれば、光学装置から射出された投写光学像を、画像形成部に設けられた反射ミラーを介して第2スクリーン部材上に投写し、この投写画像を第2画像検出部で検出できるから、直接、第2スクリーン部材上に投写する場合に比べ、投写距離を長くできる。したがって、あおり方向を有するフロントプロジェクタ用の光学装置についても、各光変調装置の位置調整を行うことができる。
このとき、ミラー進退調整装置で反射ミラーを進退させることにより、投写距離を変化させて、投写光学像を確実に第2スクリーン部材上に投写できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(1)リアプロジェクタの主な構成
図1は、本発明に係るリアプロジェクタ100を示す縦断面図である。
リアプロジェクタ100は、図1に示すように、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、この光学像をスクリーンに拡大投写するものである。
【0023】
リアプロジェクタ100は、キャビネット101と、このキャビネット101の下面側に設けられる脚部102と、キャビネット101内に配置される内部ユニット104と、同じくキャビネット101内に配置される反射ミラー103と、キャビネット101の前面に露出して設けられるスクリーン本体107とを備えて構成される。
【0024】
キャビネット101は、内部ユニット104および反射ミラー103を収納する合成樹脂製の筐体である。
脚部102は、キャビネット101の下部を支持する合成樹脂製の部材である。
反射ミラー103は、略台形状に形成された一般的な反射ミラーであり、キャビネット101の上部の背面内側に、台形の長辺が上側となるように取り付けられている。キャビネット10の上部の背面内側には、反射ミラー103を所定位置に保持するミラー保持部(図示省略)が形成され、このミラー保持部によって、反射ミラー103の長辺部分、短辺部分、斜辺部分が支持され、反射ミラー103に歪みが生じないようになっている。
【0025】
このスクリーン本体107は、入射光に近い位置すなわち裏面側から順に、拡散板、フレネルシート、レンチキュラーシート、保護板の4枚構成となっている。内部ユニット104から射出され反射ミラー103で反射された光束は、拡散板で拡散された後にフレネルシートで平行化され、レンチキュラーシートを構成する光学ビーズによって拡散され、表示画像が得られる。
【0026】
(1−1)内部ユニットの構成
内部ユニット104は、入力された画像情報に応じて所定の光学像を形成する装置である。内部ユニット104は、平面視略L字状の光学ユニット401と、この光学ユニット401の一部を覆うように跨って配置された制御基板106と、これら光学ユニット401および制御基板106を所定の姿勢で支持するアルミニウム等の金属製の支持部材105(図1参照)とを備えて構成される。
【0027】
この制御基板106は、CPU等を含む制御部を備える基板であり、入力された画像情報に応じて、光学ユニット401を構成する光学装置の駆動制御を行っている。また、制御基板106の周囲は、金属製のシールド部材によって覆われており、このシールド部材は、後述する支持部材105の回転位置調整部材105Dに取り付けられている。なお、光学ユニット401の詳細については後述する。
【0028】
支持部材105は、キャビネット101の下面部分に対向配置される平板状のベース部材105Aと、このベース部材105Aの上面に取り付けられる板状の左右位置調整部材105Bと、この左右位置調整部材105Bの上面に固定され、後方側へと下り勾配に傾斜する傾斜調整部材105Cと、この傾斜調整部材105Cの上面に対向して配置される回転位置調整部材105Dとを備える。
これら左右位置調整部材105B、傾斜調整部材105Cおよび回転位置調整部材105Dにより、光学ユニット401および制御基板106は、ベース部材105Aの上面に対して、左右方向、傾き方向(あおり方向)、および面内回転方向を含む姿勢調整が可能となっている。
【0029】
(1−2)光学ユニットの構成
図2は、光学ユニット401の構成を模式的に示す平面図である。
光学ユニット401は、光源装置を構成する光源ランプから射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成し、この光学像を拡大して投写するユニットであり、インテグレータ照明光学系41と、色分離光学系42と、リレー光学系43と、電気光学装置44と、直角プリズム48と、投写光学系としての投写レンズ46とを備える。
【0030】
インテグレータ照明光学系41は、電気光学装置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R,441G,441Bとする)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、光源ランプ416およびリフレクタ417を含む光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備えている。
【0031】
光源ランプ416から射出された光束は、リフレクタ417によって射出方向が揃えられ、第1レンズアレイ412によって複数の部分光束に分割される。これら部分光束は、第2レンズアレイ413および重畳レンズ415によって、液晶パネル441上に結像される。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、第2レンズアレイ413からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、電気光学装置44での光の利用効率が高められている。
【0032】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、入射側レンズ431と、リレーレンズ433と、反射ミラー432,434とを備え、色分離光学系42で分離された色光である赤色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。なお、リレー光学系43には、3つの色光のうちの赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
【0033】
電気光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板446と、各入射側偏光板446の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441R,441G,441Bと、各液晶パネル441R,441G,441Bの後段に配置される射出側偏光板447と、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム444とを備える。
液晶パネル441R,441G,441Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものである。
【0034】
電気光学装置44において、色分離光学系42で分離された各色光は、これら3枚の液晶パネル441R,441G,441B、入射側偏光板446、および射出側偏光板447によって、画像情報に応じて変調された光学像を形成する。
入射側偏光板446は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、射出側偏光板447は、液晶パネル441(441R,441G,441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。これらの入射側偏光板446および射出側偏光板447は、互いの偏光軸の方向が直交するように設定されている。
【0035】
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板447から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。
クロスダイクロイックプリズム444には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。
【0036】
以上説明した液晶パネル441、射出側偏光板447およびクロスダイクロイックプリズム444は、一体的にユニット化された光学装置45として構成されている。なお、入射側偏光板446は、後述するライトガイド47に形成された図示しない溝部にスライド式に嵌め込んで取り付けられる。
【0037】
直角プリズム48は、電気光学装置44のクロスダイクロイックプリズム444における光束射出側に配置され、このクロスダイクロイックプリズム444で合成されたカラー画像を投写レンズ46の方向、すなわち前方向に射出されたカラー画像を上方向へと折り曲げて反射するものである。
【0038】
投写レンズ46は、直角プリズム48で反射されたカラー画像を拡大して、反射ミラー103に投写するものである。この投写レンズ46は、回転位置調整部材105Dにねじ止め固定された支持部材によって支持されている。
このように投写レンズ46から射出されたカラー画像は、反射ミラー103で反射されてから、スクリーン本体107の裏面側に投影される。
【0039】
図3は、光学ユニット401を示す斜視図である。
光学ユニット401は、図中左側(前方から見て右側)部分に配置された光源装置411を含み、この光源装置411から右側へ延びてさらに前方側へ延びる平面視略L字状である。
以上説明した各光学系41〜44,48は、光学部品用筐体としての合成樹脂製のライトガイド47内に収容されている。
このライトガイド47は、内部側の具体的な図示を省略するが、前述した各光学部品411〜415,418,421〜423,431〜434,446(図11)を上方からスライド式に嵌め込む溝部が形成された下ライトガイド471と、下ライトガイド471の上部の開口側を閉塞する蓋状の上ライトガイド472とを備えて構成される。
【0040】
(2)光学装置の構成
光学装置45を構成する3枚の液晶パネル441R,441G,441Bは、クロスダイクロイックプリズム444の側面三方を囲むように配置される。具体的には、図4に示すように、各液晶パネル441R,441G,441Bは、保持枠443内に収納され、この保持枠443の四隅部分に形成される孔443Aに透明樹脂製のピン445を紫外線硬化型接着剤とともに挿入することにより、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に接着固定された、いわゆるPOP(Panel On Prism)構造とされている。ここで、保持枠443には、矩形状の開口部443Bが形成され、各液晶パネル441R,441G,441Bは、この開口部443Bで露出し、この部分が画像形成領域となる。すなわち、各液晶パネル441R,441G,441Bのこの部分に各色光R、G、Bが導入され、画像情報に応じて光学像が形成される。
【0041】
また、クロスダイクロイックプリズム444の下面には、図5に示すように、固定板452が紫外線硬化型接着剤453により接着固定され、この固定板452には、ねじ止め固定用の孔452Aが形成されている。この固定板452は、中央部に球状の膨出部452Bを有し、膨出部452B上をクロスダイクロイックプリズム444の下面に当接させ、クロスダイクロイックプリズム444と固定板452との間に未硬化の紫外線硬化型接着剤453を充填した状態でクロスダイクロイックプリズム444の位置調整を行い、位置調整終了後にクロスダイクロイックプリズム444の上面から下面に向けて紫外線を照射して紫外線硬化型接着剤453を硬化させる。なお、固定板452に球状の膨出部452Bが形成してあるのは、光軸に対してあおり方向の位置調整が必要だからである。
【0042】
そして、このようなクロスダイクロイックプリズム444および液晶パネル441R,441G,441Bは、図5に示すように、下ライトガイド471の投写レンズ46の光路前段で、ねじを固定板452の孔452Aに挿入して、光学部品用筐体を構成する下ライトガイド471に固定され、上ライトガイド472および下ライトガイド471を組み合わせることにより、光学ユニットが構成される。
【0043】
このような構成の光学ユニットは、まず、インテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、およびリレー光学系43、直角プリズム48、投写レンズ46を構成する光学部品を上ライトガイド472内に収納しておく。次に、下ライトガイド471には、位置調整が行われた固定板452を含むクロスダイクロイックプリズム444を取り付け、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に液晶パネル441R,441G,441Bを、固定用の接着剤が未硬化の状態で取り付けておく。そして、上ライトガイド472および下ライトガイド471を組み合わせた状態で、光源から射出された光束を利用して、液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行い、最後に接着剤を固定させてクロスダイクロイックプリズム444に対する液晶パネル441R,441G,441Bの位置決め固定を行う。
【0044】
(3)光学装置の製造装置の構造
図6は、光学装置45の製造装置2を示す側面図である。
図7は、光学装置45の製造装置2を示す平面図である。
製造装置2は、液晶パネル441R,441G,441B間の相対位置を調整し、クロスダイクロイックプリズム444に対して固定することにより、光学装置45を製造するものである。この製造装置2は、基本的に装置本体となる調整部本体30、および投写部本体40から構成される。
【0045】
(3−1)調整部本体の構造
調整部本体30は、UV遮光カバー20Aと、液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整装置としての6軸位置調整ユニット31と、クロスダイクロイックプリズム444の位置用のプリズム位置調整ユニット32と、光学ユニット401を支持固定するクランプ治具33と、投写レンズ46から射出された光学像の方向を調整する光路調整ユニット34と、光軸位置出し用の白色レーザ光および調整用光源を射出するための光源ユニット37とを備えて構成される。
【0046】
UV遮光カバー20Aは、調整対象となる光学装置45を含む光学ユニット401が載置される載置台25と、この載置台25上に設けられた底板22と、底板22の外周部分に立設され6軸位置調整ユニット31を囲む側板21とを備えて構成されている。側板21には、開閉自在に設けられたドア24と、光源ユニット37から照射されて投写レンズ46を透過した光を投写部本体40に透過するための透過窓21Aが設けられている。
ドア24は、光学ユニット401を給材・除材する時、及び6軸位置調整ユニット31を調整作業する時に設けられるもので、紫外線を透過しないアクリル板から形成される。載置台25は、装置据え付け時、調整部本体30が容易に移動できるようにするために、その下部にキャスタ25Aが設けられている。
【0047】
調整部本体30のUV遮光カバー20Aの内部には、6軸位置調整ユニット31と、プリズム位置調整ユニット32と、クランプ治具33とが配置されている。前記の光源ユニット37は、クランプ治具33の光学ユニット401の載置面下に設置されており、また、プリズム位置調整ユニット32は、調整部本体30のクランプ治具33の上方に設置されている。
なお、図6では図示を略したが、載置台25の下部には、調整部本体30、スクリーンユニット50および反射装置60を制御する制御装置であるコンピュータ70(後述)、紫外線硬化型接着剤を硬化させて光学ユニット401の液晶パネル441R,441G,441Bをクロスダイクロイックプリズム444上に固定するための固定用紫外線光源装置が設置されている。
【0048】
(3−1−A)6軸位置調整ユニットの構造
図8は、6軸位置調整ユニット31の構造を示す側面図である。
6軸位置調整ユニット31は、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に対して、液晶パネル441R,441G,441Bの配置位置を調整するものである。この6軸位置調整ユニット31は、UV遮光カバー20Aの底板22のレール351に沿って移動可能に設置される平面位置調整部311と、この平面位置調整部311の先端部分に設けられる面内回転位置調整部313と、この面内回転位置調整部313の先端部分に設けられる面外回転位置調整部315と、この面外回転位置調整部315の先端部分に設けられる液晶パネル保持部317とを備えている。
【0049】
平面位置調整部311は、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に対する進退位置および平面位置を調整する部分であり、載置台25上に摺動可能に設けられる基部311Aと、この基部311A上に立設される脚部311Bと、この脚部311Bの上部先端部分に設けられ、面内回転位置調整部313が接続される接続部311Cを備えている。基部311Aは、図示しないモータなどの駆動機構により、載置台25のZ軸方向(図8中左右方向)を移動する。脚部311Bは、側部に設けられるモータなどの駆動機構(図示略)によって基部311Aに対してX軸方向(図8の紙面と直交する方向)に移動する。接続部311Cは、図示しないモータなどの駆動機構によって、脚部311Bに対してY軸方向(図8中上下方向)に移動する。
【0050】
面内回転位置調整部313は、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に対する液晶パネル441R,441G,441Bの面内方向回転位置の調整を行う部分であり、平面位置調整部311の先端部分に固定される円柱状の基部313Aと、この基部313Aの円周方向に回転自在に設けられる回転調整部313Bを備えている。そして、この回転調整部313Bの回転位置を調整することにより、光入射端面448に対する液晶パネル441R,441G,441Bの面内方向回転位置を高精度に調整することができる。
【0051】
面外回転位置調整部315は、クロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に対する液晶パネル441R,441G,441Bの面外方向回転位置の調整を行う部分である。この面外回転位置調整部315は、前記面内回転位置調整部313の先端部分に固定されるとともに、水平方向で円弧となる凹曲面が先端部分に形成された基部315Aと、この基部315Aの凹曲面上を円弧に沿って摺動可能に設けられ、垂直方向で円弧となる凹曲面が先端部分に形成された第1調整部315Bと、この第1調整部315Bの凹曲面上を円弧に沿って摺動可能に設けられる第2調整部315Cとを備えている。そして、基部315Aの側部に設けられた図示しないモータを回転駆動すると、第1調整部315Bが摺動し、第1調整部315の上部に設けられた図示しないモータを回転すると、第2調整部315Cが摺動し、光入射端面448に対する液晶パネル441R,441G,441Bの面外方向回転位置を高精度に調整することができる。
【0052】
保持部となる液晶パネル保持部317は、調整対象となる液晶パネル441R,441G,441Bを保持する部分であり、前記第2調整部315Cの先端部分に設けられ、この第2調整部315Cに設けられるアクチュエータ315DによりY軸方向に移動可能に構成されている。
【0053】
この液晶パネル保持部317は、側面略Z字形状の金属板状体から構成され、先端部分には、液晶パネル441R,441G,441Bの画像形成領域を吸着する吸着面317Bを備え、この吸着面317B上には保持部317の表裏面を貫通する4つの光束透過孔317Dが形成されている。
このような液晶パネル保持部317は、吸着面317B上に液晶パネル441R,441G,441Bの画像形成領域を吸着した状態で液晶パネル441R,441G,441Bを保持する。光束透過孔317Dには、光源ユニット37から射出され、照明光軸に沿ってライトガイド内を通る調整用光束が透過して、液晶パネル441R,441G,441Bの画像形成領域に入射するようになっている。
【0054】
(3−1−B)光路調整ユニットの構造
光路調整ユニット34は、投写レンズ46近傍に配置され、投写レンズ46から射出される光学像を投写部本体40のスクリーン部材55(後述)に向かって反射する光路調整ミラー341と、この光路調整ミラー341の姿勢を調整するミラー姿勢調整装置342とを備えている。
光学ユニット401を載置台25上に載置すると、光学ユニット401内に配置された直角プリズム48によって、投写光学像は上方に射出される。このため、光路調整ミラー341が投写レンズ46上方に略45°で配置されており、ミラー姿勢調整装置342で光路調整ミラー341の姿勢を微調整することにより、投写レンズ46から射出される光学像を投写部本体40のスクリーン部材55に対して垂直に投写する。
【0055】
(3−1−C)光源ユニットの構造
図9は、光源ユニット37の構造を示す側面図である。
光源ユニット37は、クロスダイクロイックプリズム444および液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整に際しての光源を有し、光源部本体371および導光部372とを備えている。
光源部本体371は、筐体内に調整用光源となる光源ランプ371Aを収納した構成とされ、光学ユニット401に光束を供給する部分である。図示を略したが、筐体には、光源ランプ371Aの冷却用の開口およびこの開口の内側に冷却ファンが設けられている。なお、この光源ランプ371Aの点消灯(シャッター)制御は、後述するコンピュータ70により行われる。
【0056】
導光部372は、上下に延びる筒状体から構成され、その上端には、側方に開口372Aが形成されるとともに、この開口372Aの位置に応じた内部には、開口372Aの開口面に対して略45°に配置されるミラー372Bが設けられている。
【0057】
導光部372の下端部分は、載置台25の下部まで延び、下端部分の側面には、開口372Cが形成され、載置台25の下部に設置されるレーザ光出力部373のレーザ光射出部分と対向している。また、この開口372Cに応じた導光部372の内部には、開口372Cの開口面に対して略45°をなす角度でミラー372Dが配置される。
【0058】
さらに、導光部372の中間部分にも、光源部本体371の光源ランプ371Aの光束射出部分に応じた位置に開口372Eが形成され、この開口372Eに応じた導光部372の内部には、開口372Eの開口面に対して、略0〜45°の範囲で調整可能な可動式ミラー372Fが配置される。
【0059】
このような光源ユニット37を利用して、調整対象となる光学ユニット401の調整を行う場合、導光部372の上部の開口372Aと、光学ユニット401の光源ランプ交換用の開口とを当接させ、光源部本体371の光源ランプ371Aやレーザ光出力部373からの射出光束をライトガイド内に導入して、クロスダイクロイックプリズム444液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行う。
【0060】
具体的には、光学ユニット401内に白色レーザ光を導入する場合、可動式ミラー372Fを開口372Eに沿った状態、すなわち開口372Eの開口面に対して0°となるように移動させた状態で、レーザ光出力部373から白色レーザ光を射出して、クロスダイクロイックプリズム444の位置調整、および光学ユニット401自身の光軸位置をコンピュータに把握させる。一方、可動式ミラー372Fを45°傾斜させた状態で、光源部本体371の光源ランプ371Aから調整用光束を射出して、液晶パネル441R,441G,441Bのフォーカス、アライメント調整を行う。
【0061】
(3−1−D)プリズム位置調整ユニットの構造
プリズム位置調整ユニット32は、クロスダイクロイックプリズム444の位置調整を行うものであり、図10に示すように、クロスダイクロイックプリズム444を吸着保持するプリズム保持部321と、先端がこのプリズム保持部321と接続され、基端が不図示の駆動機構と接続される駆動軸部322とを備える。
【0062】
プリズム保持部321は、保持するクロスダイクロイックプリズム444の平面形状と略同様の平面形状を有し、クロスダイクロイックプリズム444の上面を吸着して、該クロスダイクロイックプリズム444の位置調整を行う。このため、プリズム保持部321のクロスダイクロイックプリズム444との当接面には、吸引用の孔323が形成されている。
【0063】
また、この当接面には、紫外線照射部324が形成されていて、プリズム位置調整ユニット32による位置調整が終了したら、この紫外線照射部324から紫外線を照射して、クロスダイクロイックプリズム444を通して、下面側の紫外線硬化型接着剤453を硬化させる。
駆動軸部322は、モータ等により駆動し、前記プリズム保持部321の姿勢を調整する部分であり、プリズム保持部321に吸着されたクロスダイクロイックプリズム444を、三次元的に自由な位置に調整できるようになっている。
【0064】
(3−2)投写部本体の構造
図6および図7に戻って、投写部本体40は、暗室20Bと、画像形成部としてのスクリーンユニット50と、反射装置60とを備えて構成されている。
暗室20Bは、スクリーンユニット50および反射装置60を囲む側板26、底板27および天板28と、載置台29とを備えて構成されている。側板26には光源ユニット37から光学ユニット401を介して照射される光を透過するための透過窓26Aが設けられているとともに、載置台29の下部にはキャスタ29Aが設けられている。
暗室20Bの内部において、投写部本体40を構成するスクリーンユニット50と反射装置60とは、互いに対向配置されている。
【0065】
(3−2−A)スクリーンユニットの構造
スクリーンユニット50は、暗室20Bの6軸位置調整ユニット31側に配置されており、投写レンズ46に対して接離可能な矩形枠状の支持フレーム51と、この支持フレーム51の四隅部分近傍に設けられ支持フレーム51の面内方向に移動可能なスクリーン装置52と、支持フレーム51の略中央部分近傍に設けられて支持フレーム51の面内方向に移動可能な光線検出装置53とを備えている。
【0066】
支持フレーム51には、スクリーンユニット進退機構54が設けられている。このスクリーンユニット進退機構54は、暗室20Bの底板27に支持フレーム51の平面と直交する方向に延びて設けられた4本のレール541と、支持フレーム51下面に設けられて各レール541上を移動可能な駆動機構542とを備えている。このスクリーンユニット進退機構54により、スクリーンユニット50は、レール541の延びる方向に沿って移動自在とされている。
【0067】
各スクリーン装置52は、図11にも示すように、投写光学像が形成されるスクリーン部材55と、このスクリーン部材55の裏面に一体に設けられた画像検出部としてのCCDカメラ56と、これらスクリーン部材55およびCCDカメラ56を支持するとともに前後位置を切り替える切替機構57とを備えている。
【0068】
スクリーン部材55は、例えば、不透明樹脂層上に光学ビーズを均一に分散配置して構成することができ、光学ビーズが配置された側から光束を入射すると、光学ビーズがレンズとなって、該光束をスクリーン部材55の裏面側に射出するようになっている。
【0069】
CCDカメラ56は、電荷結合素子(Charge Coupled Device)を撮像素子として備えたエリアセンサであり、スクリーン部材55に投写された光学像を、その裏面側から検出して、電気信号として出力するものである。
なお、これらのCCDカメラ56は、投写画像を高精度に検出するために、ズーム・フォーカス機構を備え、遠隔制御により自由にズーム・フォーカスを調整できるようになっている。
【0070】
切替機構57は、スクリーン部材55およびCCDカメラ56を支持するとともに、スクリーン部材55の延出方向に沿って上下方向に延びる垂直部582(後述)に取り付けられている。この切替機構57は、垂直部582を軸として水平方向に回転可能な回転機構とされ、これにより、スクリーン部材55およびCCDカメラ56の前後位置を切り替え可能である。
【0071】
また、支持フレーム51には、スクリーン装置52を支持フレーム51の平面に沿って移動させる移動機構58が設けられている。この移動機構58は、支持フレーム51の水平方向に沿って延びる水平部581と、垂直方向に延びる垂直部582とを備えている。
水平部581に対して垂直部582が水平方向に摺動し、この垂直部582に対して、スクリーン装置52の切替機構57が垂直方向に摺動することにより、スクリーン装置52は、支持フレーム51の平面に沿って移動自在とされている。これら移動機構58は、載置台29内部のサーボ制御機構によって遠隔制御されて、スクリーン部材55は、前記光学ユニット401から射出される矩形状の投写光学像の角隅部が投写されるように、投写レンズ46の光軸に対して対称に配置される。
【0072】
光線検出装置53は、前記スクリーン装置52と同様の構造を有するスクリーン部材55、CCDカメラ56、およびこれらスクリーン部材55およびCCDカメラ56を支持する支持部57Aを備えている。
支持部57Aは、スクリーン部材55およびCCDカメラ56を、反射装置60側に向けた状態で支持する。
また、支持フレーム51には、光線検出装置53を支持フレーム51の平面に沿って移動させる移動機構59が設けられている。この移動機構59は、支持フレーム51の水平方向に沿って延びる水平部591を備えている。垂直部582に対して水平部591が垂直方向に摺動し、この水平部591に対して、光線検出装置53の支持部57Aが水平方向に摺動することにより、光線検出装置53は、支持フレーム51の平面に沿って移動自在とされている。
【0073】
(3−2−B)反射装置の構造
図6および図7において、反射装置60は、投写レンズ46に正対配置されかつ投写レンズ46に対して接離可能な反射部61と、この反射部61の略中央部分近傍に設けられたポジションセンサ62とを備えている。
【0074】
反射部61は、光源ユニット37から投写レンズ46を介して投写される投写光をスクリーン装置52に向けて反射させるものであり、照射される投写光の位置に応じて同一面内に配置された反射ミラーとしてのミラー63と、このミラー63が取り付けられる取付板64と、この取付板64の下部を支持する支持板65とを備えて構成されている。ミラー63は、その反射面63Aが投写レンズ46から照射される投写光の光軸と直交となるように形成されている。
【0075】
支持板65には、ミラー進退調整装置としての反射装置進退機構66が設けられている。この反射装置進退機構66は、支持板65に設けられ上述したレール541上を移動可能な駆動機構662とを備えている。この反射装置進退機構66により、反射装置60は、スクリーンユニット50の後側の範囲内で、レール541の延びる方向に沿って移動自在とされている。
【0076】
ポジションセンサ62は、レーザ光出力部373から出力された白色レーザ光を検出するものであり、半導体位置検出素子を備え、白色レーザ光等の光スポットの二次元位置を計測する。検出素子としてはフォトダイオードが用いられている。
このポジションセンサ62は、後述するプリズム位置調整の際には、白色レーザ光を検出するほか、光学ユニット401の光軸位置出しの際にも、白色レーザ光を検出する。なお、プリズム位置調整に際してポジションセンサ62を使用するのは、クロスダイクロイックプリズム444の位置を調整すると、白色レーザ光による光スポットの位置が大きく動くため、これに追従して検出できる点を考慮したためである。
【0077】
(3−3)製造装置の制御構造
上述した調整部本体30、スクリーンユニット50および反射装置60は、図12のブロック図に示すように、制御装置としてのコンピュータ70と電気的に接続されている。
このコンピュータ70は、CPUおよび記憶装置を備え、調整部本体30、スクリーンユニット50および反射装置60のサーボ機構の動作制御を行うとともに、ビデオキャプチャボード等の画像取込装置を介してCCDカメラ56およびポジションセンサ62と接続されている。
【0078】
CCDカメラ56で撮像された投写画像は、画像取込装置を介してコンピュータ70に入力し、コンピュータに適合する画像信号に変換された後、CPUを含むコンピュータ70の動作制御を行うOS上に展開される画像処理プログラムにより画像処理され、液晶パネル441R,441G,441Bのフォーカス、アライメント調整が行われる。
CCDカメラ56で撮像された投写画像は、同様に、OS上に展開されるプリズム位置調整プログラムおよび光軸演算プログラムにより処理され、クロスダイクロイックプリズム444の位置調整および光学ユニット401の光軸演算が行われる。
ポジションセンサ62で検出された光スポットの位置は、画像としてコンピュータ70に取り込まれ、前記と同様の画像処理プログラムによって処理される。これらCCDカメラ56、およびポジションセンサ62は、載置台29内部のサーボ制御機構によって、遠隔制御で移動させることができるようになっている。
【0079】
(4)製造装置によるプリズムおよび液晶パネルの位置調整操作
このような光変調装置の製造装置2において、調整対象となる光学ユニット401の調整操作は、図13に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(1) まず、図2に示される種々の光学部品のうち投写レンズ46を除く光学部品を、図3に示されるライトガイド47に組み込んで調整対象となる光学ユニット401を構成し、調整部本体30のクランプ治具33にセットする(処理S1)。このとき、下ライトガイド471には、固定板452のみをねじで固定しておき、紫外線硬化型接着剤453をクロスダイクロイックプリズム444の載置面上に未硬化の状態で塗布しておく。
【0080】
(2) 次に、プリズム位置調整ユニット32にクロスダイクロイックプリズム444を取り付ける(処理S2)。
(3) コンピュータを操作して、予め記憶装置内に格納された、プロジェクタの機種毎に登録された機種データを呼び出して、CPUのメモリ上にロードする(処理S3)。機種データとしては、調整対象となるクロスダイクロイックプリズム444、液晶パネル441R,441G,441Bの設計上の配置位置が含まれ、各位置調整に際しては、これら設計上の配置位置を初期位置として調整を行う。
【0081】
(4) 前記のような調整の準備が終了したら、プリズム位置調整を行うが(処理S4)、具体的には、図14に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(4−1) コンピュータ70のCPUは、メモリー上にロードされた機種データのクロスダイクロイックプリズム444の設計上の位置に基づいて、プリズム位置調整ユニット32に制御指令を出力する。プリズム位置調整ユニット32は、この制御指令に基づいて、クロスダイクロイックプリズム444を初期位置にセットする(処理S41)。
【0082】
(4−2) コンピュータ70のCPUは、投写レンズ46から射出される光学像がスクリーン部材55に対して垂直に投写されるように、光路調整ミラー341の姿勢を微調整するとともに、ポジションセンサ62を、スクリーン部材55上に投写される投写画像の略中央に移動させ、ポジションセンサ62による検出の準備を行う(処理S42)。また、光源ユニット37の可動式ミラー372Fを移動させてレーザ光出力部373から白色レーザ光を照射する(処理S43:レーザ光射出工程)。
(4−3) 光源ユニット37から照射された白色レーザ光は、光学ユニット401内でRGB3色の色光に分離された後、クロスダイクロイックプリズム444で再び合成され、スクリーン部材55上に光スポット像を形成する。ポジションセンサ62は、各色光すべての光スポット像を検出する(処理S44)。
【0083】
(4−4) ポジションセンサ62で検出された光スポット像は、数値信号としてコンピュータ70に取り込まれ、コンピュータ70のCPUは、取り込まれた数値信号に基づいて、プリズム位置調整ユニット32に制御指令を出力して、クロスダイクロイックプリズム444の位置調整を行い(処理S45:位置調整工程)、調整後、再度光スポット像を検出する(処理S46:合成光検出工程)。
【0084】
(4−5) コンピュータ70のCPUは、プリズム位置調整を行いながら、画像処理プログラムを利用して、光スポット像の面積を算出し、算出された面積に基づいて、調整を終了するか否かを判定する(処理S47:調整終了判定工程)。具体的には、クロスダイクロイックプリズム444が照明光軸に対してずれた位置である場合、図15に示すように、分離されたRGBの各色光の光スポット像SR、SG、SBがずれた位置に形成され、光スポット像SR、SG、SBの面積の和は、本来の白色レーザ光の光スポット像SOの面積よりも大きくなる。従って、光スポット像SR、SG、SBの面積の和が白色レーザ光の本来の光スポット像SOの面積と等しくなった状態を、調整終了と判定すればよい。
【0085】
(4−6) クロスダイクロイックプリズム444の位置調整が終了したら、CPUは、プリズム位置調整ユニット32に制御指令を出力して、これに基づいて、プリズム位置調整ユニット32は、プリズム保持部321の紫外線照射部324から紫外線を照射し、固定板452上の紫外線硬化型接着剤453を硬化させて(処理S48:接着剤硬化工程)、クロスダイクロイックプリズム444の位置調整を終了する。
【0086】
(5) プリズム位置調整工程が終了して、クロスダイクロイックプリズム444が位置決めされたら、投写レンズ46をライトガイド47に取り付けて光学ユニット401の光軸位置出しを行うが、投写レンズ46にはあおり方向がないため、光学ユニット401の光軸位置は、投写レンズ46の光軸と略一致し、白色レーザ光の本来の光スポット像の位置と同じになる。(処理S5)
【0087】
(6) 6軸位置調整ユニット31に液晶パネル441R,441G,441Bを取り付ける(処理S6)。なお、液晶パネル441R,441G,441Bの取付けは、図4に示される保持枠443の四隅部分に形成された孔443Aに、紫外線硬化型接着剤を塗布したピン445を挿入し、接着剤が未硬化の状態として行う。
【0088】
(7) 光学ユニット401の光軸位置が把握されたら、コンピュータ70のCPUは、機種データに含まれる液晶パネル441R,441G,441Bの設計上の位置に基づいて、制御指令を生成して6軸位置調整ユニット31に出力し、6軸位置調整ユニット31は、液晶パネル441R,441G,441Bを移動させて、ピン445がクロスダイクロイックプリズム444の光入射端面448に当接する初期位置にセットする(処理S7)。
【0089】
(8) 液晶パネル441R,441G,441Bの初期位置へのセットが終了したら、クロスダイクロイックプリズム444に対する液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行うが(処理S8)、具体的には、図16に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(8−1) コンピュータ70のCPUは、光源ユニット37に対して制御指令を出力して、光源ユニット37の可動式ミラー372Fを移動させ、白色レーザ光から光源部本体371の光源ランプ371Aへの切替を行い(処理S81)、光源ランプ371Aを点灯させる(シャッター開)。光源ランプ371Aから照射された光束は、導光部372を介して光学ユニット401内部に供給され、液晶パネル保持部317の光束透過孔317Dから液晶パネル441R,441G,441Bに入射し、投写レンズ46から矩形状の光学像が投写される。
(8−2) コンピュータ70のCPUは、切替機構57でスクリーン部材55およびCCDカメラ56の前後位置を切り替えることにより、スクリーン部材55を投写レンズ46に対向させる。次に、各スクリーン装置52を移動して、把握した光学ユニット401の光軸位置に対して対称とするとともに、スクリーンユニット50を投写レンズ46に対して接離させる。これにより、投写画像の角隅部分がスクリーン部材55に形成される(処理S82)。
【0090】
(8−3) この状態で、コンピュータ70のCPUは、画像信号を出力して、調整対象となる液晶パネルのみにアライメント調整用の画像パターンを含む画像信号を出力し、他の液晶パネルには、黒色画像を表示する画像信号を出力する(処理S83)。なお、本例では、まず、液晶パネル441Gの位置調整を行った後に、液晶パネル441R、441Bの位置調整を行うため、これに応じて、異なる画像信号が順次出力されることとなる。なお、液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整に際して、CCDカメラ56として3CCDカメラを使用して、3枚の液晶パネル441R,441G,441Bを同時に位置調整してもよく、このように同時に位置調整すれば、調整の大幅な高速化が図られる。
【0091】
(8−4) コンピュータ70のCPUは、前処理S7で得られた光軸位置を動かさないように、液晶パネル441Gのフォーカス調整を行い、フォーカス調整が終了したら、画像パターンを利用してアライメント調整を行う(処理S84、S85:位置調整工程)。
(8−5) 液晶パネル441Gの位置調整が終了したら、光ファイバ38、39から紫外線を照射して、ピン445先端の紫外線硬化型接着剤を硬化させ(処理S86)、その後、画像信号を出力して、次の液晶パネル441Rの調整を開始し、すべての液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整が終了するまで前記の手順を繰り返す(処理S87)。
【0092】
したがって、本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)投写レンズ46の光軸に対して対称にスクリーン装置52を配置し、この状態で、光学装置45に光束を導入して、スクリーン部材55上に投写画像を形成する。これにより、投写画像の一部をスクリーン部材55上に確実に形成できる。したがって、投写画像をCCDカメラ56で検出しながら、各液晶パネル441R,441G,441Bのフォーカス調整およびアライメント調整を行うことができ、リアプロジェクタ100に用いられる光学装置45を製造できる。
また、投写レンズ46としてマスターレンズを用いる方法を採らず、投写レンズ46も調整対象に含めたので、投写レンズ46のライトガイド47に対する取付け誤差も含めて液晶パネル441R,441G,441Bを調整できるから、光学装置45および投写レンズ46をスクリーン本体107に対して高精度で位置決めでき、マージン量を低減できる。
【0093】
(2)光学装置45から射出される投写光学像を矩形状とし、スクリーンユニット50に投写光学像の角隅部に配置される複数のスクリーン部材55を設け、CCDカメラ56にスクリーン部材55のそれぞれの裏面に配置される複数の撮像素子を設けたので、光学装置45から射出された矩形状の投写光学像のうち、角隅部のみがスクリーン部材55上に投写画像として形成される。したがって、スクリーン部材55の面積を低減して、製造コストを低減できる。
【0094】
(3)光路調整ユニット34を設けたので、光路調整ミラー341の姿勢をミラー姿勢調整装置342で適宜調整することによって、光路調整ミラー341で光学像の投写方向を変化させて、スクリーン部材55上に容易に投写画像を形成できる。
【0095】
[第2実施形態]
本実施形態では、図17に示すように、製造装置2を用いて、フロントプロジェクタ用の光学ユニット401Bを構成する光学装置45Bを製造する。なお、以下の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
本実施形態では、プリズムおよび液晶パネルの位置調整操作手順のうち、(4)のプリズム位置調整、(5)の光軸位置出し、および(8)の液晶パネル位置調整が、第1実施形態と異なる。
【0096】
すなわち、本実施形態では、光学ユニット401B内には、直角プリズム48が設けられておらず、光学ユニット401Bを載置台25上に載置すると、投写光学像は水平方向に射出されることとなる。このため、(4)のプリズム調整の(4−2)ポジションセンサの検出準備において、光路調整ユニット34を使用しない。
【0097】
また、光軸位置出し(5)は、図18に示されるフローチャートに基づいて行われる。
(5−1) まず、光学ユニット401Bに投写レンズ46Bを取り付ける(処理S51)。
(5−2) 次に、コンピュータ70のCPUは、移動機構58に制御信号を出力し、ポジションセンサ62を光線検出装置53のCCDカメラ56に切り替えて、CCDカメラ56での検出状態を準備する(処理S52)。
【0098】
(5−3) コンピュータ70のCPUは、レーザ出力部373に制御信号を出力して、白色レーザ光を照射させ、反射装置60およびスクリーンユニット50を投写レンズ46に対して接離させて投写距離を調整しながら、投写レンズ46を介して光線検出装置53のスクリーン部材55上にスポット映像を投写し(処理S53:レーザ光射出工程)、投写されたスポット映像をCCDカメラ56で検出し(処理S54:レーザ光検出工程)、数値信号としてコンピュータ70に出力する。
(5−4) コンピュータ70のCPUは、CCDカメラ56上のレーザスポット重心位置から演算し(処理S55:光軸位置演算工程)、光学ユニット401Bの光軸位置をメモリ上にストアする(処理S56)。
【0099】
また、液晶パネル位置調整(8)のCCDカメラの移動(8−2)は、以下の手順で行われる。
(8−2) コンピュータ70のCPUは、切替機構57でスクリーン部材55およびCCDカメラ56の前後位置を切り替えることにより、スクリーン部材55を反射装置60に対向させる。次に、各スクリーン装置52を、把握した光学ユニット401Bの光軸位置に基づいた四隅位置に移動する。これにより、投写レンズ46Bからの投写光学像は、反射装置60のミラー63で反射した後、スクリーン装置52のスクリーン部材55上に投写され、投写画像の角隅部分が形成される(処理S82)。
【0100】
したがって、本実施形態によれば、上述した効果(1)、(2)に加え、以下の効果がある。
(4)光学装置45Bから射出された投写光学像を、ミラー63を介してスクリーン装置52のスクリーン部材55上に投写できるから、直接、スクリーン部材55上に投写する場合に比べ、投写距離を長くできる。したがって、あおり方向を有するフロントプロジェクタ用の光学装置45Bについても、各液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行うことができる。
このとき、反射装置進退機構66で反射装置60を進退させることにより、投写距離を変化させて、投写光学像を確実にスクリーン装置52のスクリーン部材55上に投写できる。
【0101】
(5)スクリーン部材55とCCDカメラ56とを一体化するとともに、切替機構57を設けたので、切替機構57でスクリーン部材55およびCCDカメラ56の前後位置を切り替えるだけで、スクリーン部材55を反射装置60に対向させて、各液晶パネル441R,441G,441Bの位置を調整できる。したがって、フロントプロジェクタについても容易に対応できる。
【0102】
(6)切替機構57を、スクリーン部材55の延出方向に沿って延びる垂直部582を中心として、スクリーン部材55およびCCDカメラ56を回転させる回転機構としたので、回転機構を回転させるだけで、スクリーン部材55およびCCDカメラ56の前後位置を簡単に切り替えることができる。
【0103】
[第3実施形態]
本実施形態では、製造装置2Cを用いて、リアプロジェクタ100用の光学ユニット401を構成する光学装置45を製造する。なお、以下の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
製造装置2Cは、図19に示すように、投写部本体40Cの構成が第1実施形態と異なる。すなわち、投写部本体40Cは、暗室20Bと、画像形成部としてのスクリーンユニット50Cと、第2スクリーンユニット50Dとを備えている。ここで、第2スクリーンユニット50Dは、スクリーンユニット50Cよりも調整部本体30側に配置されており、それぞれ、スクリーンユニット進退機構54によって、投写レンズ46に対して接離可能とされている。
【0104】
スクリーンユニット50Cは、スクリーンユニット50と同様に、支持フレーム51、スクリーン装置52Cのほか、支持フレーム51で囲まれた内側に反射装置60Cを備えているが、光線検出装置を備えていない。ここで、反射装置60Cのミラー63は、スクリーン部材55が設けられていない部分に配置されている。
スクリーン装置52Cは、スクリーン装置52と同様の構成であるが、切替機構57を備えておらず、スクリーン部材55の向きは、投写レンズ46に対向した状態で固定されている。
【0105】
第2スクリーンユニット50Dは、スクリーンユニット50と同様に、支持フレーム51、スクリーン装置52D、および光線検出装置53を備えている。
スクリーン装置52Dは、スクリーン装置52と同様の構成であるが、切替機構57を備えておらず、スクリーン部材55の向きは、反射装置60Cに対向した状態で固定されている。
ここで、スクリーン装置52Dのスクリーン部材55は、第2スクリーン部材を構成し、CCDカメラ56は、第2画像検出部を構成し、スクリーンユニット進退機構54は、ミラー進退調整装置を構成する。
【0106】
本実施形態では、プリズムおよび液晶パネルの位置調整操作手順のうち、(8)の液晶パネル位置調整のCCDカメラの移動(8−2)が、第1実施形態と異なり、以下の手順で行われる。
(8−2) コンピュータ70のCPUは、スクリーンユニット50Cの各スクリーン装置52Cを移動して、把握した光学ユニット401の光軸位置に対して対称とするとともに、スクリーンユニット50Cを投写レンズ46に対して接離させる。これにより、投写画像の角隅部分がスクリーン部材55に形成される(処理S82)。このとき、第2スクリーンユニット50Dは、投写レンズ46からの投写画像が遮られることのないように、投写レンズ46側に移動させて退避させておく。
以上のような本実施形態によれば、上述した(1)〜(3)と同様の効果がある。
【0107】
[第4実施形態]
本実施形態では、図20に示すように、製造装置2Cを用いて、フロントプロジェクタ用の光学ユニット401Bを構成する光学装置45Bを製造する。なお、以下の説明にあたって、第2実施形態と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
本実施形態では、第2実施形態と同様の手順でプリズムおよび液晶パネルの位置調整操作を行うが、光軸位置出し(5)のレーザ光の照射、および(8)の液晶パネル位置調整が、第2実施形態と異なる。
【0108】
すなわち、光軸位置出し(5)のレーザ光の照射(5−3)は、以下の手順で行われる。
(5−3) コンピュータ70のCPUは、レーザ出力部373に制御信号を出力して、白色レーザ光を照射させ、スクリーンユニット50Cおよびスクリーンユニット50Dを投写レンズ46Bに対して接離させて投写距離を調整しながら、投写レンズ46Bを介して光線検出装置53のスクリーン部材55上にスポット映像を投写し(処理S53:レーザ光射出工程)、投写されたスポット映像をCCDカメラ56で検出し(処理S54:レーザ光検出工程)、数値信号としてコンピュータ70に出力する。
【0109】
また、液晶パネル位置調整(8)のCCDカメラの移動(8−2)は、以下の手順で行われる。
(8−2) コンピュータ70のCPUは、第2スクリーンユニット50Dの各スクリーン装置52Dを、把握した光学ユニット401Bの光軸位置に基づいた四隅位置に移動する。これにより、投写レンズ46Bからの投写光学像は、スクリーンユニット50Cのミラー63で反射した後、第2スクリーンユニット50Dのスクリーン部材55上に投写され、投写画像の角隅部分が形成される(処理S82)。
【0110】
したがって、本実施形態によれば、上述した(1)、(2)に加え、以下の効果がある。
(7)第2スクリーンユニット50Dを設けたので、光学装置45Bから射出された投写光学像を、スクリーンユニット50Cに設けられたミラー63を介して第2スクリーンユニット50Dのスクリーン部材55上に投写し、この投写画像をCCDカメラ56で検出できるから、直接、スクリーン部材55上に投写する場合に比べ、投写距離を長くできる。したがって、あおり方向を有するフロントプロジェクタ用の光学装置45Bについても、各液晶パネル441R,441G,441Bの位置調整を行うことができる。
このとき、スクリーンユニット進退機構54でミラー63を進退させることにより、投写距離を変化させて、投写光学像を確実に第2スクリーンユニット50Dのスクリーン部材55上に投写できる。
【0111】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る製造装置で製造される光学装置を用いたリアプロジェクタを示す縦断面図。
【図2】前記実施形態に係る光学ユニットの構造を示す模式図。
【図3】前記実施形態に係る光学ユニットを示す斜視図。
【図4】前記実施形態に係る色合成光学系に光変調装置を取り付ける構造を示す分解斜視図。
【図5】前記実施形態に係る色合成光学系の取り付け構造を示す側面図。
【図6】前記実施形態に係る製造装置の構造を示す縦断面図。
【図7】前記実施形態に係る製造装置の構造を示す横断面図。
【図8】前記実施形態に係る光変調装置の位置調整装置の構造を示す側面図。
【図9】前記実施形態に係る光源ユニットの構造を示す模式図。
【図10】前記実施形態に係る色合成光学系の位置調整装置の構造を示す側面図および平面図。
【図11】前記実施形態に係る画像形成部および画像検出部を示す正面図。
【図12】前記実施形態に係る製造装置の制御構造を示すブロック図。
【図13】前記実施形態における位置調整の手順を表すフローチャート。
【図14】前記実施形態におけるプリズム位置調整の手順を表すフローチャート。
【図15】前記実施形態におけるプリズム位置調整の調整終了判定の基準を表す模式図。
【図16】前記実施形態における光変調装置の位置調整の手順を表すフローチャート。
【図17】本発明の第2実施形態に係る製造装置の構造を示す縦断面図。
【図18】前記実施形態における光変調装置の光軸位置出しの手順を示すフローチャート。
【図19】本発明の第3実施形態に係る製造装置の構造を示す縦断面図。
【図20】本発明の第4実施形態に係る製造装置の構造を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…プロジェクタ、2,2C…製造装置、25…載置台、30…調整部本体(装置本体)、31…6軸位置調整ユニット(位置調整装置)、341…光路調整ミラー、342…ミラー姿勢調整装置、441R,441G,441B…液晶パネル(光変調装置)、444…クロスダイクロイックプリズム(色合成光学系)、45,45B…光学装置、46,46B…投写レンズ(投写光学系)、50,50C…スクリーンユニット(画像形成部)、54…スクリーンユニット進退機構(ミラー進退調整装置)、55…スクリーン部材,第2スクリーン部材、56…CCDカメラ(画像検出部、第2画像検出部)、57…切替機構、63…ミラー(反射ミラー)、66…反射装置進退機構(ミラー進退調整装置)
Claims (7)
- 複数の色光を画像情報に応じて各色光毎に変調して光学像を形成する複数の光変調装置と、各光変調装置で変調された光学像を合成する色合成光学系とを備え、リアプロジェクタに用いられる光学装置を製造する光学装置の製造装置であって、前記色合成光学系およびこの色合成光学系で合成された光学像を拡大投写する投写光学系が載置される載置台、ならびに、各光変調装置の前記色合成光学系に対する位置および各光変調装置相互の位置を調整する位置調整装置を備えた装置本体と、前記投写光学系から射出された投写光学像が投写される画像形成部と、この画像形成部上に投写された光学像を、該画像形成部の裏面側から検出する画像検出部とを備え、前記画像形成部は、前記光学装置から射出された光学像の光軸および前記投写光学系の光軸とを略一致させたあおりなしの状態で、前記投写光学像の端部が投写されるように、前記投写光学系の光軸に対して対称に配置されていることを特徴とする光学装置の製造装置。
- 請求項1に記載の光学装置の製造装置において、前記光学装置から射出される投写光学像は矩形状とされ、前記画像形成部は、該投写光学像の角隅部に配置される複数のスクリーン部材を備え、前記画像検出部は、これら複数のスクリーン部材のそれぞれの裏面に配置される複数の撮像素子を備えていることを特徴とする光学装置の製造装置。
- 請求項2に記載の光学装置の製造装置において、前記投写光学系近傍に配置され、当該投写光学系から射出される光学像を、前記画像形成部に向かって反射する光路調整ミラーと、この光路調整ミラーの姿勢を調整するミラー姿勢調整装置とを備えていることを特徴とする光学装置の製造装置。
- 請求項2または3に記載の光学装置の製造装置において、前記画像形成部の後段に配置されかつ前記光学装置からの投写画像を反射する反射ミラーと、この反射ミラーの前記投写光学像に沿った進退位置を調整するミラー進退調整装置とを備えていることを特徴とする光学装置の製造装置。
- 請求項4に記載の光学装置の製造装置において、前記スクリーン部材と前記撮像素子とは一体化され、前記スクリーン部材および前記撮像素子の前後位置を切り替える切替機構が設けられていることを特徴とする光学装置の製造装置。
- 請求項5に記載の光学装置の製造装置において、前記切替機構は、前記スクリーン部材の延出方向に沿って延びる軸を中心として前記スクリーン部材および撮像素子を回転させる回転機構とされていることを特徴とする光学装置の製造装置。
- 請求項2または3に記載の光学装置の製造装置において、前記画像形成部は、前記スクリーン部材が設けられていない部分に設けられて前記光学装置からの投写画像を反射する反射ミラーを備え、前記画像形成部の前記投写光学像に沿った進退位置を調整するミラー進退調整装置と、前記画像形成部の前段に配置され前記反射ミラーで反射された投写光学像が投写される第2スクリーン部材と、この第2スクリーン部材上に投写された光学像を検出する第2画像検出部とを備えていることを特徴とする光学装置の製造装置。
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JP2003027184A JP2004240041A (ja) | 2003-02-04 | 2003-02-04 | 光学装置の製造装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006343526A (ja) * | 2005-06-09 | 2006-12-21 | Nec Engineering Ltd | リアプロジェクション表示装置 |
-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003027184A patent/JP2004240041A/ja not_active Withdrawn
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