JP2005069501A - 床暖房構造及びその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】床高を抑制するとともに種々の床表面材を採用することが可能な床暖房構造を提供する。
【解決手段】床基板5の上層には発熱体付シート3が敷設されている。発熱体付シート3は、下層側基層シート3aと上層側固定用シート3bの2層構造により構成されており、両層が接着することにより温水パイプ9を固定するように構成されている。 発熱体付シート3の上層には裏溝付合板2が敷設される。裏溝付合板2の材質はベニア合板からなり、その下面側に発熱体付シート3上に敷設したときに温水パイプ経路に沿って突出部を収納するように溝が設されている。 裏溝付合板2のさらに上層、すなわち床暖房構造1の表面部には床表面材4が敷設される。
【選択図】図1
【解決手段】床基板5の上層には発熱体付シート3が敷設されている。発熱体付シート3は、下層側基層シート3aと上層側固定用シート3bの2層構造により構成されており、両層が接着することにより温水パイプ9を固定するように構成されている。 発熱体付シート3の上層には裏溝付合板2が敷設される。裏溝付合板2の材質はベニア合板からなり、その下面側に発熱体付シート3上に敷設したときに温水パイプ経路に沿って突出部を収納するように溝が設されている。 裏溝付合板2のさらに上層、すなわち床暖房構造1の表面部には床表面材4が敷設される。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床暖房構造に関し、特に、任意の床表面材を選択可能な床暖房構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、温水等の熱媒循環を用いた床暖房工法として、下地材の上に温水マット等を敷設し、その上に下地合板を敷設し、さらに床表面材を敷設するという温水マット工法が一般的である。図5はこの工法による床暖房構造100を示すものである。同図において床暖房構造100は、下層側から根太107と根太間に充填される断熱材106の上層に敷設される床基板101、温水パイプ108が表面近くに埋め込まれた温水マット102、下地合板103、床表面材104により構成されている。しかし、この工法では温水マット102の厚さ分だけ床の高さが高くなりすぎるという問題があり、さらに捨て貼りを2回行う必要があるため施工効率が悪いという問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、アルミ箔等の基材シートの上面側に発熱体を予め固定した発熱体付シートを用いた工法が提案されている。すなわち、この工法は、下地材の上に敷設した発熱体付シートのさらに上層に、裏面側に発熱体収納溝を刻設した床表面材を、発熱体が収納溝に納まるように敷設する方式である(特許文献特開2002−168465)。
しかし、この工法では、床表面材の裏面側に溝加工することができる木質フローリング等については対応可能であるが、塩ビシート、塩ビタイル又は磁器タイル等、裏面側に溝加工することが困難な床表面材については対応できないという問題がある。
【0004】
また、木質フローリング施工の場合、床表面材の雄実部から下地材に釘打ちを行ったのちに、隣接する床表面材を嵌め込んで順次、床表面材を固定していく方法が一般的である。しかし、裏面側に発熱体収納溝を刻設した床表面材を用いる工法では、発熱体凸部と収納溝との嵌め合いの関係上、床表面材を置く位置が限定されるため、床表面材を仮配置することができない等、施工の融通性に欠けるという問題がある。
【0005】
さらに他の工法として、上層側に発熱体収納溝を刻設した床下地材の上層に、発熱体付シートを発熱体部(凸部)が溝部に収納されるように敷設し、さらにその上層側に床表面材を敷設する工法も提案されている(特許文献特開2002−115854)。この方式では、発熱体が床下地側に収納されるため、直接、床表面材を敷設することが可能となるが、発熱体付シート表面には剛性がないこと、及び発熱体付シートの裏面側溝部は固定できないことから平面性も悪いこと、等の問題がある。この場合、発熱体付シートのさらに上層に捨貼り合板を敷設すれば上述の欠点を解消できるが、下地側の溝加工と併せて手間がかかりすぎるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−168465
【特許文献2】
特開2002−115854
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題を解決するためのものであって、床高を抑制でき、さらに自由に床表面材を選択することが可能な床暖房構造及びその施工方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の内容をその要旨とする。すなわち、
【0009】
(1)所定の経路に沿って発熱体を固定して成る発熱体付シートと、下面側に発熱体収納溝を設けた裏溝付下地材と、床表面材と、を備え、裏溝付下地材は、発熱体収納溝に発熱体を収納するように発熱体付シートの上層に敷設され、床表面材は前記裏溝付下地材の上層に固定され、て成ることを特徴とする床暖房構造。
【0010】
このような構造の採用により、温水マット構造のものと比較して、温水マットの厚さ分床高を抑えることができる。また、温水マットを用いる場合には、床暖房を敷設しない部屋隅周辺部について2回捨て貼りを行う必要があるのに対して、本発明においては1回でよいという特長がある。
【0011】
さらに、本発明によれば、裏溝付下地材の上層に床表面材を接着剤等を用いて固定することができるため、木質フローリングに限定されることなく種々の材質の床表面材を採用することが可能となる。
【0012】
さらに、本発明によれば、剛性を有する裏溝付下地材を発熱体付シートの発熱体部を収納させて敷設できるため、上表面側に発熱体収納溝を刻設した床下地材の上層に発熱体付シートを敷設することによる平面性欠如の問題も解消される。
【0013】
さらに、本発明によれば、例えば木質フローリング施工に際して、床表面材を裏溝付下地材の溝のない平面側に仮配置した後に、釘等で本固定することができるため、部屋形状、寸法を気にする必要がなくなり、施工の融通性が向上する。
【0014】
ここに、「裏溝付下地材」の材質としては、ベニア等の合板が一般的に用いられるが、これと同等の性能を有する他の材質をも用いることができる。
【0015】
「発熱体」としては、温水、オイル、蒸気等の流体をシート上に敷設したパイプ内を通過させるタイプのものが用いられる。さらに、電気ヒータのような線状のものであってもよい。
【0016】
裏溝の断面形状はU字形、矩形等、発熱体を収納できる任意の形状を採用することができる。
【0017】
(2)床表面材の材質が、無垢材、コルクタイル、塩ビシート、塩ビタイル又は磁器タイルのいずれか一であることを特徴とする(1)に記載の床暖房構造。
【0018】
これらの表面材は裏溝を刻設することができないため、発熱体シートを用いた工法には適していなかったが、本発明の裏溝付下地材を用いることにより、適用可能となる。
【0019】
(3)発熱体下地材は、その上表面の発熱体収納溝該当位置に、釘打ち禁止を示す表示を設けて成ることを特徴とする(1)又は(2)に記載の床暖房構造。
【0020】
釘打ち禁止表示を設けることにより、施工者が発熱体収納位置を確認することができ、誤って発熱体を釘打ち貫通してしまうことを防止することができるため、施工の安全性向上に寄与する。
(4)裏溝付下地材と床表面材との間に、さらに金属箔シートが敷設されて成ることを特徴とする(1)乃至(3)に記載の床暖房パネル構造。
【0021】
裏溝付下地材上層に金属箔シートを敷設することにより、発熱体部からの熱をさらに平面方向に均熱化することができる。ここで、金属箔シートは予め裏溝付下地材の表面又は床表面材の裏面に貼付されていてもよい。
【0022】
ここに、「金属箔シート」の材質としては、アルミ箔が一般的であるが、銅等、熱伝導率の高い種々の金属を用いることもできる。
【0023】
(5)上記(1)乃至(4)に記載の床暖房パネル構造用裏溝付下地材。
【0024】
(6)所定の経路に沿って発熱体を固定して成る発熱体付シートの上層に、下面側に発熱体収納溝を設けた裏溝付下地材を、発熱体収納溝に発熱体を収納するように敷設し、さらに溝付下地材の上層に床表面材を固定することを特徴とする床暖房工法。
【0025】
(7)上記(6)において、さらに裏溝付下地材と床表面材との間に、金属箔シートを敷設することを特徴とする床暖房工法。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る床暖房構造の実施形態を、図1乃至4を参照してさらに詳細に説明する。重複を避けるため、各図において同一構成には同一符号を用いて示している。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る床暖房構造の断面図を示すものである。本実施形態では、発熱体として温水パイプをもちいた形態を例示している。同図において床暖房構造1は、下層側から床基板5、発熱体付シート3、温水パイプ9a乃至9d、裏溝付合板2、床表面材4a乃至4cにより構成されている。床基板5は、根太7と根太間に充填される断熱材6の上層に敷設されている。
【0028】
床基板5の上層には発熱体付シート3が敷設されている。発熱体付シート3の形状は敷設する部屋の大きさ、形状に合わせて任意の形状をとりうるが、たとえば1800×900の長方形とすることができる。
【0029】
図2は、発熱体付シート3の一部の詳細構造を示す断面図である。発熱体付シート3は、下層側基層シート3aと上層側固定用シート3bの2層構造、さらに2層間に固定されている発熱体である温水パイプ9により構成されている。基層シート3aの材質はアルミ箔であり、膜厚は約100μmである。また、固定用シート3bの材質はポリプロピレンであり、膜厚は約300μmである。基層シート3aと固定用シート3bとは接着剤又は粘着剤により密着し、温水パイプ9は両シートの間に固定されている。
【0030】
発熱体付シート3の上層には裏溝付合板2が敷設されている。裏溝付合板2の下面側には、発熱体付シート3の温水パイプ9a乃至9dによる凸部を収納する裏溝8a乃至8dが刻設されている。裏溝8a乃至8dの寸法は、温水パイプ9a乃至9dを収納するときに多少の遊びが形成されるように、温水パイプ9a乃至9dの外径よりやや大きく構成されている。なお、本実施形態では、溝の断面形状としてU字形状のものを示しているが、これに限らず温水パイプが収納可能であれば他の形状、たとえば矩形状であってもよい。
【0031】
裏溝付合板2の材質はベニア合板であり、寸法は通常1800×900タイプのものが用いられるが、標準タイプ以外に敷設する部屋の寸法・形状に合わせて調整できるように、種々の寸法の裏溝付合板を準備することができる。また、裏溝付合板2の溝経路も発熱体付シート3上の温水パイプの経路に対応して、直線部、曲線部とも種々の経路タイプを準備することができる。
【0032】
図3は、裏溝付合板の上表面の一例を示したものである。同図において、裏溝付合板2aは温水パイプの曲線部分に対応するものであり、表面には釘打ち禁止表示15が印刷されている。釘打ち禁止表示15の裏面側直下には溝部が形成されており、この表示により施工者は釘打ち禁止部分であることを容易に判別できる。
【0033】
裏溝付合板2のさらに上層、すなわち床暖房構造1の最上面には床表面材4a乃至4cが敷設されている。本実施形態では、床表面材4a乃至4cの材質として塩ビタイルが用いられている。
【0034】
床暖房構造1は上述のように構成されており、次にその施工方法について図1を参照して説明する。 最初に、床基板5上の床暖房対象箇所に発熱体付シート3を必要枚数分敷設し、それぞれの温水パイプの端部を接続する。
【0035】
次いで、発熱体付シート3上に裏溝付合板2を敷設していく。敷設に際しては、発熱体付シート3の温水パイプ9a乃至9d経路に対応する溝経路が刻設された裏溝付合板2を選択し、溝部により各温水パイプを収納されるように敷設する。
【0036】
裏溝付合板2の敷設終了後、次に裏溝付合板2を床基板5に固定する。固定は釘打ちにより行うが、その際、裏溝付合板2の溝部に収納されている温水パイプを釘により損傷させないように、釘打ち禁止表示15部分を避けて釘を打つよう注意して行う必要がある。
【0037】
裏溝付合板2の固定終了後、床暖房対象箇所以外の部分について裏溝付合板2と同じ板厚の合板により捨て貼りを行う。
【0038】
捨て貼り終了後、最後に裏溝付合板2及び捨て貼りされた周辺部の上層に床表面材の塩ビタイル8a乃至8dを敷設する。その際、敷設前に裏溝付合板2及び捨て貼り部の上表面に接着剤を塗布するか、両面粘着テープを貼付し、その上に塩ビタイル8a乃至8dを乗せ、上から押しつけ固定する。以上により本実施形態の施工が終了する。
【0039】
次に、図4を参照して本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態における床暖房構造20が上述の実施形態と異なる点は、同図において裏溝付合板21と床表面材22との間に熱伝導向上のためのアルミ箔シート23を敷設したことである。その他の構成は第1の実施形態と同一である。また、施工方法についてもアルミ箔シート23を介在させて敷設する点以外は同一であるので説明を省略する。なお、同図には示されていないが裏溝付合板21の上面には釘打ち禁止表示があり、温水パイプを損傷させないように工夫されている点についても、上述の実施形態と同様である。
【0040】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の範囲は特許請求の範囲記載のものであって、上述の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、温水マット構造のものと比較して床高を抑えることができる。
また、温水マット構造と比較して捨て貼りが1回で済むため、施工効率が高まり、コストダウンに寄与する。
さらに、裏溝付下地材の上層に床表面材を接着剤等を用いて固定することができるため、木質フローリングに限定されることなく、無垢材、コルクタイル、塩ビシート、塩ビタイル又は磁器タイル等、種々の材質の床表面材を採用することが可能となる。
また、裏溝付合板と床表面材との間の層にアルミ箔等の金属箔シートを敷設するものにあっては、いずれの床表面材を採用する場合であっても平面方向の均熱性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る床暖房構造の一実施形態を示す図である。
【図2】発熱体付シートの詳細構造を示す断面図である。
【図3】裏溝付合板の上側面を示す図である。
【図4】本発明に係る床暖房構造の他の実施形態を示す図である。
【図5】従来の温水マットを用いた床暖房構造を示す図である。
【符号の説明】
1、20 ・・・・床暖房構造
2 、 2a、21 ・・・・ 裏溝付合板
3 ・・・・発熱体付シート
3a・・・・ 基層シート
3b ・・・・固定用シート
4 、4a〜4c、22 ・・・・床表面材
5 ・・・・床基板
6 ・・・・断熱材
7 ・・・・根太
8a〜8d・・・・ 塩ビタイル
8a〜8d 裏溝
9、9a〜9d、10・・・・ 温水パイプ
15 ・・・・釘打ち禁止表示
23 ・・・・アルミ箔シート
【発明の属する技術分野】
本発明は、床暖房構造に関し、特に、任意の床表面材を選択可能な床暖房構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、温水等の熱媒循環を用いた床暖房工法として、下地材の上に温水マット等を敷設し、その上に下地合板を敷設し、さらに床表面材を敷設するという温水マット工法が一般的である。図5はこの工法による床暖房構造100を示すものである。同図において床暖房構造100は、下層側から根太107と根太間に充填される断熱材106の上層に敷設される床基板101、温水パイプ108が表面近くに埋め込まれた温水マット102、下地合板103、床表面材104により構成されている。しかし、この工法では温水マット102の厚さ分だけ床の高さが高くなりすぎるという問題があり、さらに捨て貼りを2回行う必要があるため施工効率が悪いという問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、アルミ箔等の基材シートの上面側に発熱体を予め固定した発熱体付シートを用いた工法が提案されている。すなわち、この工法は、下地材の上に敷設した発熱体付シートのさらに上層に、裏面側に発熱体収納溝を刻設した床表面材を、発熱体が収納溝に納まるように敷設する方式である(特許文献特開2002−168465)。
しかし、この工法では、床表面材の裏面側に溝加工することができる木質フローリング等については対応可能であるが、塩ビシート、塩ビタイル又は磁器タイル等、裏面側に溝加工することが困難な床表面材については対応できないという問題がある。
【0004】
また、木質フローリング施工の場合、床表面材の雄実部から下地材に釘打ちを行ったのちに、隣接する床表面材を嵌め込んで順次、床表面材を固定していく方法が一般的である。しかし、裏面側に発熱体収納溝を刻設した床表面材を用いる工法では、発熱体凸部と収納溝との嵌め合いの関係上、床表面材を置く位置が限定されるため、床表面材を仮配置することができない等、施工の融通性に欠けるという問題がある。
【0005】
さらに他の工法として、上層側に発熱体収納溝を刻設した床下地材の上層に、発熱体付シートを発熱体部(凸部)が溝部に収納されるように敷設し、さらにその上層側に床表面材を敷設する工法も提案されている(特許文献特開2002−115854)。この方式では、発熱体が床下地側に収納されるため、直接、床表面材を敷設することが可能となるが、発熱体付シート表面には剛性がないこと、及び発熱体付シートの裏面側溝部は固定できないことから平面性も悪いこと、等の問題がある。この場合、発熱体付シートのさらに上層に捨貼り合板を敷設すれば上述の欠点を解消できるが、下地側の溝加工と併せて手間がかかりすぎるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−168465
【特許文献2】
特開2002−115854
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題を解決するためのものであって、床高を抑制でき、さらに自由に床表面材を選択することが可能な床暖房構造及びその施工方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の内容をその要旨とする。すなわち、
【0009】
(1)所定の経路に沿って発熱体を固定して成る発熱体付シートと、下面側に発熱体収納溝を設けた裏溝付下地材と、床表面材と、を備え、裏溝付下地材は、発熱体収納溝に発熱体を収納するように発熱体付シートの上層に敷設され、床表面材は前記裏溝付下地材の上層に固定され、て成ることを特徴とする床暖房構造。
【0010】
このような構造の採用により、温水マット構造のものと比較して、温水マットの厚さ分床高を抑えることができる。また、温水マットを用いる場合には、床暖房を敷設しない部屋隅周辺部について2回捨て貼りを行う必要があるのに対して、本発明においては1回でよいという特長がある。
【0011】
さらに、本発明によれば、裏溝付下地材の上層に床表面材を接着剤等を用いて固定することができるため、木質フローリングに限定されることなく種々の材質の床表面材を採用することが可能となる。
【0012】
さらに、本発明によれば、剛性を有する裏溝付下地材を発熱体付シートの発熱体部を収納させて敷設できるため、上表面側に発熱体収納溝を刻設した床下地材の上層に発熱体付シートを敷設することによる平面性欠如の問題も解消される。
【0013】
さらに、本発明によれば、例えば木質フローリング施工に際して、床表面材を裏溝付下地材の溝のない平面側に仮配置した後に、釘等で本固定することができるため、部屋形状、寸法を気にする必要がなくなり、施工の融通性が向上する。
【0014】
ここに、「裏溝付下地材」の材質としては、ベニア等の合板が一般的に用いられるが、これと同等の性能を有する他の材質をも用いることができる。
【0015】
「発熱体」としては、温水、オイル、蒸気等の流体をシート上に敷設したパイプ内を通過させるタイプのものが用いられる。さらに、電気ヒータのような線状のものであってもよい。
【0016】
裏溝の断面形状はU字形、矩形等、発熱体を収納できる任意の形状を採用することができる。
【0017】
(2)床表面材の材質が、無垢材、コルクタイル、塩ビシート、塩ビタイル又は磁器タイルのいずれか一であることを特徴とする(1)に記載の床暖房構造。
【0018】
これらの表面材は裏溝を刻設することができないため、発熱体シートを用いた工法には適していなかったが、本発明の裏溝付下地材を用いることにより、適用可能となる。
【0019】
(3)発熱体下地材は、その上表面の発熱体収納溝該当位置に、釘打ち禁止を示す表示を設けて成ることを特徴とする(1)又は(2)に記載の床暖房構造。
【0020】
釘打ち禁止表示を設けることにより、施工者が発熱体収納位置を確認することができ、誤って発熱体を釘打ち貫通してしまうことを防止することができるため、施工の安全性向上に寄与する。
(4)裏溝付下地材と床表面材との間に、さらに金属箔シートが敷設されて成ることを特徴とする(1)乃至(3)に記載の床暖房パネル構造。
【0021】
裏溝付下地材上層に金属箔シートを敷設することにより、発熱体部からの熱をさらに平面方向に均熱化することができる。ここで、金属箔シートは予め裏溝付下地材の表面又は床表面材の裏面に貼付されていてもよい。
【0022】
ここに、「金属箔シート」の材質としては、アルミ箔が一般的であるが、銅等、熱伝導率の高い種々の金属を用いることもできる。
【0023】
(5)上記(1)乃至(4)に記載の床暖房パネル構造用裏溝付下地材。
【0024】
(6)所定の経路に沿って発熱体を固定して成る発熱体付シートの上層に、下面側に発熱体収納溝を設けた裏溝付下地材を、発熱体収納溝に発熱体を収納するように敷設し、さらに溝付下地材の上層に床表面材を固定することを特徴とする床暖房工法。
【0025】
(7)上記(6)において、さらに裏溝付下地材と床表面材との間に、金属箔シートを敷設することを特徴とする床暖房工法。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る床暖房構造の実施形態を、図1乃至4を参照してさらに詳細に説明する。重複を避けるため、各図において同一構成には同一符号を用いて示している。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る床暖房構造の断面図を示すものである。本実施形態では、発熱体として温水パイプをもちいた形態を例示している。同図において床暖房構造1は、下層側から床基板5、発熱体付シート3、温水パイプ9a乃至9d、裏溝付合板2、床表面材4a乃至4cにより構成されている。床基板5は、根太7と根太間に充填される断熱材6の上層に敷設されている。
【0028】
床基板5の上層には発熱体付シート3が敷設されている。発熱体付シート3の形状は敷設する部屋の大きさ、形状に合わせて任意の形状をとりうるが、たとえば1800×900の長方形とすることができる。
【0029】
図2は、発熱体付シート3の一部の詳細構造を示す断面図である。発熱体付シート3は、下層側基層シート3aと上層側固定用シート3bの2層構造、さらに2層間に固定されている発熱体である温水パイプ9により構成されている。基層シート3aの材質はアルミ箔であり、膜厚は約100μmである。また、固定用シート3bの材質はポリプロピレンであり、膜厚は約300μmである。基層シート3aと固定用シート3bとは接着剤又は粘着剤により密着し、温水パイプ9は両シートの間に固定されている。
【0030】
発熱体付シート3の上層には裏溝付合板2が敷設されている。裏溝付合板2の下面側には、発熱体付シート3の温水パイプ9a乃至9dによる凸部を収納する裏溝8a乃至8dが刻設されている。裏溝8a乃至8dの寸法は、温水パイプ9a乃至9dを収納するときに多少の遊びが形成されるように、温水パイプ9a乃至9dの外径よりやや大きく構成されている。なお、本実施形態では、溝の断面形状としてU字形状のものを示しているが、これに限らず温水パイプが収納可能であれば他の形状、たとえば矩形状であってもよい。
【0031】
裏溝付合板2の材質はベニア合板であり、寸法は通常1800×900タイプのものが用いられるが、標準タイプ以外に敷設する部屋の寸法・形状に合わせて調整できるように、種々の寸法の裏溝付合板を準備することができる。また、裏溝付合板2の溝経路も発熱体付シート3上の温水パイプの経路に対応して、直線部、曲線部とも種々の経路タイプを準備することができる。
【0032】
図3は、裏溝付合板の上表面の一例を示したものである。同図において、裏溝付合板2aは温水パイプの曲線部分に対応するものであり、表面には釘打ち禁止表示15が印刷されている。釘打ち禁止表示15の裏面側直下には溝部が形成されており、この表示により施工者は釘打ち禁止部分であることを容易に判別できる。
【0033】
裏溝付合板2のさらに上層、すなわち床暖房構造1の最上面には床表面材4a乃至4cが敷設されている。本実施形態では、床表面材4a乃至4cの材質として塩ビタイルが用いられている。
【0034】
床暖房構造1は上述のように構成されており、次にその施工方法について図1を参照して説明する。 最初に、床基板5上の床暖房対象箇所に発熱体付シート3を必要枚数分敷設し、それぞれの温水パイプの端部を接続する。
【0035】
次いで、発熱体付シート3上に裏溝付合板2を敷設していく。敷設に際しては、発熱体付シート3の温水パイプ9a乃至9d経路に対応する溝経路が刻設された裏溝付合板2を選択し、溝部により各温水パイプを収納されるように敷設する。
【0036】
裏溝付合板2の敷設終了後、次に裏溝付合板2を床基板5に固定する。固定は釘打ちにより行うが、その際、裏溝付合板2の溝部に収納されている温水パイプを釘により損傷させないように、釘打ち禁止表示15部分を避けて釘を打つよう注意して行う必要がある。
【0037】
裏溝付合板2の固定終了後、床暖房対象箇所以外の部分について裏溝付合板2と同じ板厚の合板により捨て貼りを行う。
【0038】
捨て貼り終了後、最後に裏溝付合板2及び捨て貼りされた周辺部の上層に床表面材の塩ビタイル8a乃至8dを敷設する。その際、敷設前に裏溝付合板2及び捨て貼り部の上表面に接着剤を塗布するか、両面粘着テープを貼付し、その上に塩ビタイル8a乃至8dを乗せ、上から押しつけ固定する。以上により本実施形態の施工が終了する。
【0039】
次に、図4を参照して本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態における床暖房構造20が上述の実施形態と異なる点は、同図において裏溝付合板21と床表面材22との間に熱伝導向上のためのアルミ箔シート23を敷設したことである。その他の構成は第1の実施形態と同一である。また、施工方法についてもアルミ箔シート23を介在させて敷設する点以外は同一であるので説明を省略する。なお、同図には示されていないが裏溝付合板21の上面には釘打ち禁止表示があり、温水パイプを損傷させないように工夫されている点についても、上述の実施形態と同様である。
【0040】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の範囲は特許請求の範囲記載のものであって、上述の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、温水マット構造のものと比較して床高を抑えることができる。
また、温水マット構造と比較して捨て貼りが1回で済むため、施工効率が高まり、コストダウンに寄与する。
さらに、裏溝付下地材の上層に床表面材を接着剤等を用いて固定することができるため、木質フローリングに限定されることなく、無垢材、コルクタイル、塩ビシート、塩ビタイル又は磁器タイル等、種々の材質の床表面材を採用することが可能となる。
また、裏溝付合板と床表面材との間の層にアルミ箔等の金属箔シートを敷設するものにあっては、いずれの床表面材を採用する場合であっても平面方向の均熱性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る床暖房構造の一実施形態を示す図である。
【図2】発熱体付シートの詳細構造を示す断面図である。
【図3】裏溝付合板の上側面を示す図である。
【図4】本発明に係る床暖房構造の他の実施形態を示す図である。
【図5】従来の温水マットを用いた床暖房構造を示す図である。
【符号の説明】
1、20 ・・・・床暖房構造
2 、 2a、21 ・・・・ 裏溝付合板
3 ・・・・発熱体付シート
3a・・・・ 基層シート
3b ・・・・固定用シート
4 、4a〜4c、22 ・・・・床表面材
5 ・・・・床基板
6 ・・・・断熱材
7 ・・・・根太
8a〜8d・・・・ 塩ビタイル
8a〜8d 裏溝
9、9a〜9d、10・・・・ 温水パイプ
15 ・・・・釘打ち禁止表示
23 ・・・・アルミ箔シート
Claims (7)
- 所定の経路に沿って発熱体を固定して成る発熱体付シートと、下面側に発熱体収納溝を設けた裏溝付下地材と、床表面材と、を備え、
前記裏溝付下地材は、前記発熱体収納溝に発熱体を収納するように前記発熱体付シートの上層に敷設され、
前記床表面材は前記裏溝付下地材の上層に敷設され、
て成ることを特徴とする床暖房構造。 - 前記床表面材の材質が、無垢材、コルクタイル、塩ビシート、塩ビタイル又は磁器タイルのいずれか一であることを特徴とする請求項1に記載の床暖房構造。
- 前記発熱体下地材は、その上表面の前記発熱体収納溝該当位置に、釘打ち禁止を示す表示を設けて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の床暖房構造。
- 前記裏溝付下地材と前記床表面材との間に、さらに金属箔シートが敷設されて成ることを特徴とする請求項1乃至3に記載の床暖房パネル構造。
- 請求項1乃至4に記載の床暖房パネル構造用裏溝付下地材。
- 所定の経路に沿って発熱体を固定して成る発熱体付シートの上層に、下面側に発熱体収納溝を設けた裏溝付下地材を、前記発熱体収納溝に発熱体を収納するように敷設し、さらに前記溝付下地材の上層に床表面材を固定することを特徴とする床暖房工法。
- 請求項6において、さらに裏溝付下地材と前記床表面材との間に、金属箔シートを敷設することを特徴とする床暖房工法。
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JP2003208743A JP2005069501A (ja) | 2003-08-26 | 2003-08-26 | 床暖房構造及びその施工方法 |
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JP2008151463A (ja) * | 2006-12-20 | 2008-07-03 | Shinwa Tekku Kk | 床暖房パネル |
JP2010255378A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 床パネル |
-
2003
- 2003-08-26 JP JP2003208743A patent/JP2005069501A/ja active Pending
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