JP2005063797A - プラズマディスプレイパネル用電極材料,プラズマディスプレイパネルの製造方法,プラズマ表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 面放電電極が形成された前面基板と、前記面放電電極と交差して配置されたアドレス電極12とこのアドレス電極に平行して延在する隔壁14が形成された背面基板とを対向して配置するとともに、前面基板と背面基板間に放電セルを形成してなるプラズマディスプレイパネルにおける、アドレス電極を形成するための電極材料として、導電性粒子とガラスフリットとを含有し、焼成後のサンドブラスト耐性が隔壁部分よりも高い導電性ペースト又はシートを用いる。
【選択図】図2
Description
図3は、従来の、及び本発明が適用されるプラズマ表示装置の概略的な構成を示すブロック図である。
図3に示すプラズマ表示装置100は、アナログインタフェース120と、プラズマディスプレイパネルモジュール130とから概略構成されている。プラズマディスプレイパネルモジュール130は、プラズマディスプレイパネル150を含んでいる。
アナログインタフェース120は、概略的には、受信したアナログ映像信号をディジタル信号に変換したのち、これをプラズマディスプレイパネルモジュール130に供給する機能を有している。
その後、プラズマディスプレイパネルモジュール130の画素構成と映像信号の画素構成とが異なる場合には、画像フォーマット変換回路124において、必要な画像フォーマットの変換の処理が行われる。
A/D変換回路122において、映像信号のA/D(アナログ/ディジタル)変換を行ったのち、逆γ変換回路125において、映像信号に対して逆γ変換を施して、線形特性に復元されたディジタル映像信号を生成する。このようにして生成されたディジタル映像信号は、RGB映像信号として、プラズマディスプレイパネルモジュール130に出力される。
アナログインタフェース120のPLE制御回路127は、プラズマディスプレイパネルの輝度制御を行う。具体的には、平均輝度レベルが所定値以下である場合には表示輝度を上昇させ、平均輝度レベルが所定値を超える場合には、表示輝度を低下させるように制御する。
システム・コントロール回路126は、プラズマディスプレイパネルモジュール130に対して、各種制御信号を出力する。
ディジタル信号処理・制御回路131は、入力インタフェース信号処理回路134と、フレームメモリ135と、メモリ制御回路136と、ドライバ制御回路137とを含んでいる。
また、PLE制御回路127は、平均輝度レベルに応じてPLE制御データを設定して、入力インタフェース信号処理回路134内の輝度レベル制御回路(不図示)に供給する。
まず、所定のプラズマディスプレイパネルの製造方法によって製作したプラズマディスプレイパネル150と、走査ドライバ138と、データドライバ139と、高圧パルス回路140と、電力回収回路141とを基板上に配置して、パネル部132を形成する。さらに、パネル部132とは別個に、ディジタル信号処理・制御回路131を形成する。
さらに、プラズマディスプレイパネルモジュール130とは別個に、アナログインタフェース120を形成する。
このように、アナログインタフェース120と、プラズマディスプレイパネルモジュール130とをそれぞれ別個に形成したのち、双方を電気的に接続することによって、図7に示されたようなプラズマ表示装置100が完成する。
ガラス基板21上に、感光性ペーストからなる銀ペーストをスクリーン印刷によって塗布し、露光,現像及び焼成の工程を経て、複数のアドレス電極22を形成する。そしてその上に、ガラスペーストからなる誘電体ペーストをスクリーン印刷によって塗布し、焼成することによって、誘電体層23を形成する。
さらに、その上にガラスペーストからなる隔壁ペーストをスクリーン印刷やコーター等によって塗布して乾燥させたのち、その上に感光性材料からなるドライフィルムを貼り付けて、露光し現像して、隔壁を形成すべき領域に、ドライフィルム層を残す。
最後に、赤,緑,青の各色の蛍光体ペーストをスクリーン印刷やディスペンサー等によって、各画素領域ごとに塗布し、乾燥と焼成を行うことによって、蛍光体層25が形成される。
また、これ以外に、例えば特許文献1には、アドレス電極上にドライフィルム層を被覆することによって、電極を保護する方法が提案されている。
隔壁形成工程では、サンドブラスト粒子が誘電体層やドライフィルム層表面に吹きつけられるため、露出したアドレス電極にサンドブラスト粒子が直接衝突して、配線断線を引き起こす。従って、誘電体層やドライフィルム層で覆う方法では、サンドブラスト工程における配線断線の改善対策としては十分でない。
これに対して、特許文献3においては、ガラスフリットの組成を検討して、電子部品のターミナルや基板等への接着強度が、メッキ工程で低下しないようにした導電ペーストが提案されている。
また、特許文献4には、ガラス基板上への電極形成に関して、ガラスフリットの転移点,軟化点,粒径,熱膨張係数及び組成等を検討した結果に基づく、感光性導電ペーストが提案されている。
しかしながら、ガラス基板上での電極の接着強度が、サンドブラスト工程で低下しないような、PDP用電極材料は、まだ提案されていない。
また、ガラスフリットとしては、鉛(Pb),ビスマス(Bi),カドミニウム(Cd),バリウム(Ba),カルシウム(Ca)、又はその他のアルカリ土類金属塩等のホウケイ酸塩フリットが通常、使用される。
これは、ガラスフリットの体積比が40.0以上であると、サンドブラスト粒子の衝撃によって,電極膜中のガラスフリット部分の脆性に基づいて、ガラスフリットが電極内部で破壊されやすくなるとともに、ガラスフリットの体積比が2.0以下であると、ガラス基板との接着強度が低下するために、電極内部の破壊は生じなくても、サンドブラスト粒子の衝撃によって、容易にアドレス電極が剥がれてしまうためである。
なお、ガラスフリットの体積比2.0〜40.0の場合、ガラスフリットの比重から、重量比では、導電性粒子100に対してガラスフリットは、1.5〜7.0となる。
以下、図1を参照して、この例のPDPにおけるアドレス電極の形成方法を、比較例とともに説明する。この際使用した感光性導電性ペーストは、導電性粒子に銀を使用し、ガラスフリットにシリコン(Si),硼素(B),ビスマス,鉛系を含有した感光性銀ペーストである。
上述のような、銀粒子とガラスフリットが添加された感光性銀ペーストを、所望の厚みになるように、200〜400メッシュのスクリーン版を使用して、スクリーン印刷機によってガラス基板1(図1(a))上に塗布する。
その後、IR(赤外線)式乾燥炉等を使用して、150°C以下の温度で、ガラス基板1上に印刷された塗布膜2の乾燥を行う(図1(b))。
所望のアドレス電極パターンが描かれた露光マスク3を介して、乾燥した塗布膜2に、超高圧水銀灯によって紫外線を照射して露光を行う(図1(c))。これによって、アドレス電極のパターン領域は、紫外線が照射されたアドレス電極領域4となる。
なお、この場合に使用される露光マスク3における電極パターンは、アドレス電極の焼成時の焼き縮み量も考慮して設計されるものとする。
感光性銀ペーストには、アルカリ可溶性の有機系樹脂が含まれているため、アルカリ水溶液を用いて現像することが可能である。この場合、アルカリ水溶液であれば、どのようなものでもよいが、一般的には、炭酸ナトリウム水溶液が用いられる。この例では、0.5重量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行うことによって、アドレス電極パターンを形成した(図1(d))。
現像に用いる炭酸ナトリウム水溶液の濃度は、0.1〜1.0重量%程度が好適である。0.1重量%以下では濃度が薄すぎるためにパターンが形成されにくくなり、残滓が残ることによって、配線短絡不良を起こしやすくなる。また、1.0重量%以では、濃度が濃すぎるために過現像となって露光領域が剥がれやすくなり、配線断線不良を引き起こすようになる。
現像工程の終了後、大気雰囲気下で、500〜600°Cのピーク温度で焼成を行う(図1(e))。焼成温度が500°C以下であると、ペースト中の有機系バインダーが十分に揮発しないために、電極の導電性が低下することになる。
以上の各プロセスを経て、アドレス電極がガラス基板上に形成される。
この場合の接着強度の評価は、図1に示す各工程によってガラス基板上にアドレス電極を形成したのち、誘電体層,隔壁層及びドライフィルムを電極上に形成することなく、サンドブラスト5を行った場合(図1(f))の、アドレス電極が配線断線状態となるまでのサンドブラスト時間を指標として行った。
以下、表1を参照して、銀を含む感光性導電ペーストにおいて、ガラスフリットの含有割合を変えた場合の、アドレス電極が断線するまでのサンドブラスト時間の例について説明する。
上記実施例では、サンドブラスト粒子をガラスビーズとし、噴出圧力を1.0Kgf/cm2に固定して電極の耐サンドブラスト性を比較した。
表1から見られるように、本発明の感光性銀ペーストを用いて形成した試料3,4,5のアドレス電極は、試料1,2,6等と比較して、3倍以上の時間、サンドブラストを行っても、剥がれなかったことがわかる。特に試料4の場合、最も剥がれにくいという結果が得られた。
試料6においては、電極内部でのガラスフリットの破壊はないものの、ガラスフリット量が少ないために、電極のガラス基板上への接着強度が小さく、ガラス基板と電極の界面に、容易にクラックが生じて、電極が剥がれる様子が見られた。
試料3〜5では、電極がサンドブラスト粒子の衝突によって潰される様子が見られたものの、ガラス基板と電極の界面にクラックが生じにくく、また電極内部のガラスフリットも粉砕される様子は見られなかった。
この場合のアドレス電極の作成プロセスも、第1実施例の場合と同様である。
この場合のアドレス電極の作成プロセスは、予め電極パターンが形成されているスクリーン版を用いて導電性ペーストの印刷を行うことによって、ガラス基板上にアドレス電極のパターンを形成した後、焼成して、ガラス基板上にアドレス電極を固定することによって行われる。
この場合のアドレス電極の作成プロセスとしては、ガラス基板上に感光性を有する導電性シートを貼付し、露光と現像を行うことによって、ガラス基板上に電極のパターンを作成した後、焼成して、ガラス基板上にアドレス電極を固定する方法がとられる。
以下、図2を参照して、この例の背面基板の形成方法における各過程を詳細に説明する。
次に、塗布した銀を含む感光性導電ペーストを所定のパターンに露光したのち、アルカリ性現像液で現像して、図2(B)に示すように、アドレス電極12を形成する。
このようにして形成されたアドレス電極12をガラス基板11上に固定するために、焼成を行って、アドレス電極12のパターンをガラス基板11上に焼き固める。
次に、露光した感光性ドライフィルムをアルカリ性現像液で現像して未露光のドライフィルムを除去したのち、サンドブラストを行って、図2(C)に示すように、ドライフィルム残存部分に隔壁14を形成する。
その後、各隔壁間の隔壁側面に各色の蛍光材料を順次塗布し、乾燥させたのち焼成する。これによって隔壁14が焼き固められるとともに、無機材料及び蛍光材料が焼き固められて、無機材料層15及び蛍光体層16が形成される。
なお、無機材料層15は、反射率を高めてPDPの輝度を向上させる効果を有するものであるが、その形成を省略してもよい。
2 塗布膜
3 露光マスク
4 アドレス電極領域
5 サンドブラスト
12 アドレス電極
14 隔壁
15 無機材料層
16 蛍光体層
Claims (10)
- 面放電電極が形成された前面基板と、前記面放電電極と交差して配置されたアドレス電極と該アドレス電極に平行して延在する隔壁が形成された背面基板とを対向して配置するとともに、前記前面基板と背面基板間に放電セルを形成してなるプラズマディスプレイパネルにおける、前記アドレス電極を形成するための電極材料であって、
導電性粒子とガラスフリットとを含有し、焼成後のサンドブラスト耐性が前記隔壁部分よりも高い導電性ペースト又はシートであることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用電極材料。 - 前記導電性ペースト又はシートは、体積比で、導電性粒子100に対して2.0乃至40.0のガラスフリットを含むものであることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル用電極材料。
- 前記導電性ペースト又はシートは、重量比で、導電性粒子100に対して1.5乃至7.0のガラスフリットを含むものであることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイパネル用電極材料。
- 前記導電性ペースト又はシートは感光性を有し、パターン露光と現像及び焼成の過程を経てアドレス電極を形成するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネル用電極材料。
- 前記導電性ペーストは非感光性であって、スクリーン印刷及び焼成の過程を経てアドレス電極を形成するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネル用電極材料。
- 前記導電性粒子は、銀(Ag),金(Au),銅(Cu),白金(Pt),ニッケル(Ni),ルテニウム(Ru),パラジウム(Pd),アルミニウム(Al)のいずれか一つ又はこれらの任意の組み合わせの任意の配合比の合金からなる粒子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネル用電極材料。
- 前記ガラスフリットは、鉛(Pb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),バリウム(Ba),カルシウム(Ca),又はその他のアルカリ土類金属塩のいずれか一つ又は複数を含むホウケイ酸塩フリットからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネル用電極材料。
- 面放電電極が形成された前面基板と、前記面放電電極と交差して配置されたアドレス電極と該アドレス電極に平行して延在する隔壁が形成された背面基板とを対向して配置するとともに、前記前面基板と背面基板間に放電セルを形成してなるプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記背面基板に請求項1乃至7のいずれか一記載のプラズマディスプレイパネル用電極材料を用いてアドレス電極を形成する工程と、前記アドレス電極を含む背面基板上に密着して隔壁形成用ペーストを一様に塗布して乾燥後、サンドブラストを行って隔壁を形成する工程とを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 面放電電極が形成された前面基板と、前記面放電電極と交差して配置されたアドレス電極と該アドレス電極に平行して延在する隔壁が形成された背面基板とを対向して配置するとともに、前記前面基板と背面基板間に放電セルを形成してなるプラズマディスプレイパネルと、該プラズマディスプレイパネルを駆動する回路とによって一つのモジュールを形成し、さらに、画像信号のフォーマット変換を行って前記モジュールに送信するインタフェースを備えたプラズマ表示装置であって、
前記プラズマディスプレイパネルは、請求項8記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法によって製造されたものであることを特徴とするプラズマ表示装置。 - プラズマディスプレイパネルを製造する第1の過程と、
前記プラズマディスプレイパネルと、該プラズマディスプレイパネルを駆動する回路とを一つのモジュールとして製造する第2の過程と、
画像信号のフォーマット変換を行って前記モジュールに送信するインタフェースを、前記モジュールに電気的に接続する第3の過程とを備えるプラズマ表示装置の製造方法であって、
前記第1の過程において、請求項8記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法が実行されることを特徴とするプラズマ表示装置の製造方法。
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