JP4411940B2 - 無機材料ペースト、およびプラズマディスプレイ部材ならびにプラズマディスプレイ - Google Patents

無機材料ペースト、およびプラズマディスプレイ部材ならびにプラズマディスプレイ Download PDF

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Description

本発明は無機材料ペースト、およびプラズマディスプレイ部材ならびにプラズマディスプレイに関するものである。
近年、回路材料やディスプレイにおいて小型化・高精細化が進んでおり、これに対応することができるパターン加工技術が求められている。特に、プラズマディスプレイにおいては、隔壁形成においては高精細で幅の狭いパターンを欠陥無く加工する方法が望まれている。
従来、無機材料のパターン加工を行う方法として、感光性ペーストを用いてネガ型感光性ペースト法にてパターンを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照、特許文献4参照)。
しかしながら、無機材料パターンを形成する際、焼成工程において焼成収縮応力によりパターンに亀裂や断線が発生するといった問題があった。特に感光性ペーストにおいては、非感光性ペーストに比べて相対的に有機成分が多くなり、そのため、より大きな焼成収縮力が作用し、亀裂や断線が発生しやすかった。特に、精細度を上げたり線幅を細くする場合に剥がれや断線が生じやすかった。
また、感光性ペースト法によるパターン形成方法は、工程の簡略さ、加工精度の点で優れているが、露光時にマスク上の異物や、ペースト塗布膜中およびまたは塗布膜上部の異物などがあると、焼成時に亀裂や断線が発生しやすいといった課題もあった。
特開平 1−296534号公報(第2頁) 特開平 2−165538号公報(第2頁) 特開平 5−342992号公報(第2頁) 特開平14−173597号公報(第2頁)
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、精細度を上げたり線幅を細くする場合に剥がれや断線が生じにくいペーストを提供することを目的とする。特に焼成時の断線を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次の構成を有する。すなわち、本発明は、無機成分と有機成分からなる無機材料ペーストであって、無機成分中に2種類以上のガラスフリットを含み、最も軟化点の高いガラスフリットHの軟化点をTs(H)、最も軟化点の低いガラスフリットLの軟化点をTs(L)、ガラスフリットHの平均粒子径をD50(H)、ガラスフリットLの平均粒子径をD50(L)としたときに、以下の2式を満足し、ガラスフリットLとガラスフリットHの重量比が2:98〜20:80であり、有機成分中に感光性成分を含むことを特徴とする無機材料ペーストである。
Ts(H)−Ts(L)≦100℃
D50(L)<D50(H
本発明によれば、焼成後のパターンに欠陥のない無機材料ペーストを提供することができる。
本発明の無機材料ペーストは、無機成分と有機成分からなる無機材料ペーストであって、無機成分中に2種類以上のガラスフリットを含み、軟化点および平均粒子径が以下の2式を満足することが必要である。
Ts(H)−Ts(L)≦100℃ (1)
D50(L)<D50(H) (2)
ここで、Ts(H)は最も軟化点の高いガラスフリットHの軟化点、Ts(L)は最も軟化点の低いガラスフリットLの軟化点、D50(L)はガラスフリットLの平均粒子径、D50(H)はガラスフリットHの平均粒子径である。また、ガラスフリットとは焼成温度で焼結するガラスフリットのことを指し、フィラー(骨材)を意味しない。
本発明をPDPを例にとって説明するが、本発明は、これに限定されず、多層基板などの絶縁パターンあるいは導電パターンなどやDNAチップなどの流路の形成においても好ましく適用されるものである。
焼成時におけるパターン欠陥について、欠陥の発生箇所、発生温度、収縮応力などを鋭意詳細に検討した結果、(1)式および(2)式を満足することで焼成時の体積収縮変化を温度に対して緩慢にでき無機材料パターンの欠陥を抑制できることがわかった。詳細なメカニズムは不明であるが、以下の通り推察している。上記2式を満足する場合、軟化点の高いガラスフリットとそれよりも軟化点の低いガラスフリットが混在すると、焼成工程での昇温過程において、まず、軟化点の低いガラスフリットが軟化を開始し未だ軟化を開始していない軟化点の高いガラスフリットを結着させるバインダー的な役割を行うので、温度に対する収縮挙動や体積変化が緩慢になる。一方、ガラス軟化点が1種類の場合、ある温度で急激にガラスの軟化が進行するので、部分的に脆弱な部分(例えば、分散不良箇所、異物部分、粗大ガラスフリット粒子付近、パターンの凹み部分など)で亀裂や断線が発生してしまう。
(1)式または(2)式のいずれか一方だけが満足される場合、焼成後の組織に気泡をかみ込んでしまったり、焼成欠陥が抑制されない。また、有機成分の熱分解特性が悪化する場合もある。
本発明で用いられる無機成分の主成分は、パターンの電気特性、光学特性、機械特性や焼結性などを考慮して選定でき特に限定されないが、プラズマディスプレイ用隔壁や、前面板透明誘電体パターン、背面板誘電体パターンに用いる場合では、ガラス軟化点が400℃〜600℃の範囲のガラスフリットであることが好適である。前面板透明誘電体パターンや背面板誘電体パターンは、プラズマディスプレイに形成されない場合もあるが、放電−電気特性を制御する目的で部分的に凹凸を設けたり、突起やホール、段差を設けるものである。
ガラスフリットの軟化点は示差熱分析計(DTA)や示差走査熱量計(DSC)などで測定することができる。また、ロッド(例えば直径6mmφ、長さ20mm)を用いて熱機械膨張測定(TMA)を行い、長さの変化が収縮に転じた点(屈伏点)を求め、これを軟化点として定義もできる。平均粒子径は粒度分布測定装置(例えば、レーザードップラー方式やレーザー回折・散乱法を用いたものなど)を用いることができる。
本発明に用いるガラスフリットの粒度分布は特に限定されないが、ガラスフリットHが2山分布を示すことが好ましい。2山分布だとガラスフリットの充填密度を高くできるのでガラスフリット同士が接触する確率が高くなり、焼成時の欠陥が発生しにくい傾向にあるからである。また、最大粒子径は、15μm以下、より好ましくは10μm、さらにより好ましくは7μm以下である。
ガラスフリットLの粒度分布も特に限定されないが、できるだけ一山(シングルピーク)の粒度分布であることが好ましい。これは、一山だとガラスフリットHの間に均等に分散できるからである。また、最大粒子径、はガラスフリットHと同様である。
また、本発明はD50(H)とD50(L)の差が1.0μmよりも大きいことが好ましい。平均粒子径の差が1.0μmよりも大きいと軟化点が高いガラスフリットの隙間に軟化点の低いガラスフリットが配される確率が増加するので、バインダー的な役割が向上する。また、軟化点の低いガラスフリットLの平均粒子径は、1.5μm以下であることが好ましい。1.5μm以下とすることで、焼成欠陥を抑制できるからである。より好ましくは1.0μm以下である。さらにより好ましくは0.8μm以下である。同じ重量比で配合されても平均粒子径が小さい場合、数密度が増加するのでバインダー的な役割が向上するからである。1.5μmよりも大きい場合、焼成欠陥の抑制効果が発現しにくい傾向にあったり、焼成気泡が発生しやすい。
ガラスフリットの粉砕方法も特に限定されないが、平均粒子径を小さくするには湿式粉砕法が好ましい。
また、ガラスフリットLとガラスフリットHの配合重量比は0.1:99.9〜50:50の範囲が好ましい。より好ましくは0.1:99.9〜30:70である。さらにより好ましくは0.1:99.9〜15:85である。さらにより一層好ましくは0.1:99:9〜5:95である。この範囲とすることで、焼成欠陥の発生を抑制することができる。この範囲外にある場合、焼成時に巨大気泡が発生しやすい傾向である。
形状保持性や機械的強度の改善を目的に、フィラー(骨材)を含有してもよい。フィラーとガラスフリット(焼成過程で軟化するガラスフリットの総量)の重量比は、0.1:99.9〜40:60であることが好ましい。より好ましくは、4:96〜30:70である。さらにより好ましくは、15:85〜30:70である。フィラーの粒度分布は特に限定されないが、分散性の観点から軟化点の高いガラスフリットに類似していることがよい。
本発明に用いる、ガラスフリットの組成は特に限定されず、焼成温度や電気・光学特性により適宜選定できる。例えば、公知のPbO−B系や、PbO−ZnO−B−SiO、PbO−ZnO−B系、ZnO−BaO−B系、Bi系ガラス、リン酸系ガラス、ZnO−B系ガラスが好ましく用いられる。熱膨張係数は、使用するガラス基板に近い値を示す材料が好ましく、熱膨張係数の差(例えば30℃〜400℃)は10以下である。より好ましくは、5以下である。フィラーも特に限定されず、アルミナ、シリカ、チタニア、コーディエライト、マグネシア、高軟化点ガラスなどの酸化物やこれらからなる複合酸化物が好適である。また、焼成後の物体色を制御する目的で白色顔料や黒色顔料を添加してもよい。
また、本発明を感光性ペースト法で用いる場合、ガラスフリットLとガラスフリットHの密度の差は小さいことが好ましい。具体的には密度差が0.5g/cm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.3g/cmである。さらにより好ましくは0.1g/cm以下である。この範囲内にあることで、露光光の直進性が向上しパターン形成性が向上するからであ。
本発明に用いる有機成分としては、特に限定されずパターン形成方法により適宜選定できる。例えば、サンドブラスト法やスクリーン印刷法でパターン形成を行う場合、樹脂としてはメチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース化合物、高分子量ポリエーテル、アクリル系樹脂などを使用できる。アクリル系樹脂は焼成後の焼成残渣が少ないため、ポリマーとして好ましく用いることができる。例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレートなどの重合体もしくは共重合体からなるアクリル系樹脂である。
無機粉末と樹脂の割合は、無機粉末100重量部に対してバインダー1〜40重量部、より好ましくは2〜30重量部である。バインダーが1重量部よりも少ないと連続膜になりにくく乾燥時にクラック等が入り、PDPにした場合に絶縁破壊を起こしてしまいやすい。また、40重量部よりも多い場合は、焼成時にボイドが形成されたり、焼成残渣が多くなるので、やはりPDPの絶縁破壊や品質低下につながってしまう。
溶媒は、特に限定されず公知のものが使用でき、例えば、アルコール類、テルペン類、ケトン類、、ケトンエステル類、エーテル類、エステル類、エーテルエステル類、アミド類、アミドエステル類、ラクタム類、ラクトン類、炭化水素類などが使用できる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、テルピネオール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、ジエチルケトン、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、カルビトールアセテート、γーブチロラクトン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどが挙げられる。
感光性ペーストに用いる場合、樹脂としては、公知の材料を適用できるが、未露光部の現像性をコントロールする機能をもっていることが好ましい。特に、分子側鎖にカルボキシル基を有する重量平均分子量2000〜6万、より好ましくは5000〜4万のポリマーが用いられる。ポリマーの酸価は、現像許容幅や未露光部の現像液に対する溶解性の点から50〜160が、特に70〜140の範囲が好ましい。
光照射によりパターン加工する場合、重合開始剤は光重合開始剤であることが好ましい。また、場合によっては光重合開始剤の効果を補助するために増感剤を加えることもある。
本発明に使用することができる光重合開始剤は、ラジカル種を発生するものから好んで用いられる。光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ベンゾインおよびその誘導体、ベンゾフェノンおよびその誘導体、アセトフェノンおよびその誘導体、イミダゾール誘導体、キノン誘導体、ジフェニルスルフィド誘導体、チオキサントンおよびその誘導体、ジベンジルケトン、フルオレノン、アントロンおよびその誘導体、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ナフタレンスルフォニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイルおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせなどが挙げられる。
本発明の感光性ペーストでは、これらを1種または2種以上使用することができる。光重合開始剤は、有機成分に対し、好ましくは0.05〜10重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.1〜10重量%である。光重合開始剤の添加量をこの範囲内とすることにより、露光部の残存率を保ちつつ良好な光感度を得ることができる。
本発明で用いられるペーストはいずれも架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤が熱重合開始剤から発生したラジカルを開始点として3次元網目構造を形成することにより、現像時の耐現像液性が向上し、また焼成時に焼成応力が発生しても亀裂や断線といった欠陥を抑制することができる。架橋剤としては、活性な炭素−炭素二重結合を有する化合物が好ましく、官能基として、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリレート基、アクリルアミド基を有する単官能および多官能化合物が応用される。特に多官能(メタ)アクリレート化合物を有機成分中に5〜80重量%含有させたものが好ましい。(メタ)アクリレート化合物には多様な種類の化合物が開発されているので、それらから反応性、屈折率などを考慮して選択し、場合によってはそれらを組み合わせることが可能である。また、ポリマーに炭素−炭素2重結合を有する側鎖を導入するなどの方法を用いることも好ましい。
本発明で用いられる感光性ペーストは、さらにウレタン化合物を含有することが好ましい。ウレタン化合物を含有することにより、ペーストの柔軟性が向上し、焼成時の応力を小さくでき、亀裂や断線などの欠陥を効果的に抑制できるためである。さらに、熱分解性が向上し、焼成工程において焼成残渣が発生しにくくなるためである。本発明で好ましく用いられるウレタン化合物の具体例としては、UA−2235PE(分子量18000,EO含有率20%)、UA−3238PE(分子量19000,EO含有率10%)、UA−3348PE(分子量22000,EO含有率15%)、UA−5348PE(分子量39000,EO含有率23%)(以上、新中村化学(株)製)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物は混合して用いてもよい。
ウレタン化合物の含有量は、ペースト中の0.1〜20重量%であることが好ましい。含有量を0.1重量%以上とすることで、適切なはがれ抑制の効果が得られる。20重量%を超えると、有機成分と無機微粒子の分散性が低下し、欠陥のが生じやすくなる。
ペーストを塗布する際に適度の粘度を示すなど、ペースト特性を調整するために、さらにポリマーを含むことも好ましい。メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース化合物、高分子量ポリエーテル、アクリル系樹脂は、焼成後の焼成残渣が少ないため、ポリマーとして好ましく用いることができる。また、既に上述したとおり、ポリマーに炭素−炭素2重結合を有する側鎖を導入することは、重合により3次元網目構造を形成する上で非常に好ましい。
本発明で用いられる無機材料ペーストは、これらの他に、分散剤、増粘剤、沈降防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、有機染料などの各種成分を含むことができる。これらを所定の組成となるように調合した後、3本ローラー、ローラーミル、ビーズミルなどの混練機で均質に混合分散し作製することができる。
本発明で用いられる無機材料ペーストをシート上に形成して用いる場合、可塑剤を含むことが好ましい。可塑剤としては公知の材料を用いることができる。例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート等のノルマルアルキルフタレート類、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル、トリ−2−エチルへキシルトリメリテート、トリ−n−アルキルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジー2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジー2−エチルへキシルアゼテート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジー2−エチルヘキシルセバケート、ジー2−エチルヘキシルマレート、アセチル−トリ−(2−エチルへキシル)シトレート、アセチル−トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート等の脂肪族二塩基酸エステル類などである。
転写シートのカバーフィルムやベースフィルムの材料は公知のものが使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ナイロンなどが使用できる。
本発明のペーストをフィルム上へ塗布する方法も特に限定されないが、ダイーコータ、ブレードコータ、コンマコータ、リバースロールコータ、スプレーコータなどを用いることができる。積層した転写シートを作製する場合、これらの塗布方法を複数用いても構わない。
以下に本発明をプラズマディスプレイの作製手順に従って説明する。
プラズマディスプレイの背面板の基板としては、通常、ソーダガラスや旭硝子社製の“PD−200”、日本電気硝子社製の“PP−8”などの高歪み点ガラス基板が用いられる。
ガラス基板上には、導電性金属により電極を形成する。電極パターン形成には、スクリーン印刷法や感光性ペースト法、プレス成型法等が用いられるが、パターンの高精細化や工程の簡略化が可能である点から、感光性ペースト法が特に好ましい。以下、感光性ペースト法の手順に従って説明する。
基板上に、電極用感光性ペーストを全面塗布、もしくは部分的に塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ブレードコーターなどの方法を用いることができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッシュ、ペーストの粘度および塗出量を選ぶことによって調整できる。塗布厚みは、所望の電極の高さと焼成による電極ペーストの収縮率を考慮して決めることができるが、通常好ましい焼成後の電極の高さは1〜10μmの範囲であり、焼成収縮を考慮すると塗布する電極ペースト塗布膜の厚さは1〜15μmの範囲であることが好ましい。
電極用感光性ペーストを塗布後に乾燥して露光を行う。露光に使用される活性光線は、紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプなどが使用される。超高圧水銀灯を光源とした平行光線を用いる露光機が一般的である。
露光後、露光部分と未露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。現像液には、感光性の電極ペースト中の有機成分、特にポリマーが溶解可能な溶液を用いるとよい。本発明で好ましく使用されるカルボキシル基を側鎖に有する感光性または非感光性ポリマーは、アルカリ水溶液で現像することができる。電極のパターニングは、焼成による収縮を考慮して行うとよいが、焼成後の電極のサイズとしては、ピッチ100〜500μm、高さ1〜10μm、幅15〜200μmを有するものが好ましい。
次にアドレス電極が形成された基板上に誘電体層形成用のペーストを塗布、乾燥、焼成して誘電体層を形成する。アドレス電極、誘電体層、隔壁層を個別に焼成してもよいが、熱履歴を少なくして基板にかかる応力を小さくする目的で一括で焼成する場合、誘電体ペーストに熱重合開始剤を添加して、120〜200℃の範囲でキュアすることが有効である。
次いで、本発明の無機材料ペーストを用いて隔壁パターンを形成する。サンドブラスト法で形成する場合、無機材料ペーストをスクリーン印刷法やスリットダイコータなどで塗布し乾燥させる。その後ドライフィルムレジストをラミネートし、フォトマスクを介して露光し現像する。現像後、サンドブラストを行い、最後にドライフィルムレジストを剥離し焼成して隔壁パターンを形成する。
感光性ペースト隔壁のパターン形成には、まず露光を行う。露光に使用される活性光線は、紫外線が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプなどが使用される。超高圧水銀灯を光源とした平行光線を用いる露光機が一般的である。
露光後、露光部分と未露光部分の現像液に対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。現像液には、感光性の隔壁ペースト中の有機成分、特にポリマーが溶解可能な溶液を用いるとよい。本発明では、アルカリ水溶液で現像することが好ましい。隔壁のパターニングは、焼成による収縮を考慮して行うとよいが、焼成後の隔壁のサイズとしては、ピッチが100〜500μmの範囲、高さが60〜200μmの範囲、幅が15〜80μmの範囲内であることが好ましい。隔壁パターンは、主としてストライプ状に形成されるが、特に限定されず、格子状、六角状である場合もある。
隔壁パターンを形成した後に、焼成を行う。また、誘電体層や電極パターンの焼成もこれらの焼成と同時に行うこともできる。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の特性によって異なるが、通常は空気中で焼成される。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼成炉を用いることができる。
焼成温度は、用いるガラス基板のガラス転移点より低いことが好ましいので、自ずから上限が存在する。通常は、焼成温度を600℃以下、焼成時間を15〜30分に設定することで、焼成残渣や隔壁のダレなどを抑制することができる。昇温速度や降温速度はガラス基板の割れや反りが生じない範囲で設定できる。
このようにして得られた電極、誘電体層、隔壁を形成した基板に、赤、緑、青に発光する蛍光体ペーストを塗布することで蛍光体層を形成する。形成方法は、スクリーン印刷法、ディスペンサー法、感光性ペースト法などを用いることが出来る。
このようにしてプラズマディスプレイの背面板を作成できる。
次に、前面板の製造方法について説明する。
前面板に用いるガラス基板については、背面板に述べたものと同様である。
ガラス基板上に、酸化錫、ITOなどの透明電極をリフトオフ法、フォトエッチング法などによって形成する。
次に、透明電極を形成したガラス基板上に、銀やアルミ、銅、金、ニッケル等をスクリーン印刷や感光性導電ペーストを用いたフォトリソグラフィー法によって、バス電極層をパターン形成する。
透明電極およびバス電極を形成したガラス基板上に、透明誘電体層用ペーストをスクリーン印刷法やスリットダイコータなどにより塗布し、乾燥後焼成を行い誘電体層を形成する。
本発明に使用する透明誘電体材料は特に限定されないが、PbO、B23、SiO2を含有する鉛系ガラスやZnO−B23系ガラスなどの誘電体材料が適用される。ガラス組成としては特に限定されないが、PbO:30〜80重量%、B23:1〜30重量%、SiO2:10〜35重量%、CaO:0〜10重量%、ZnO:0〜10重量%である。軟化点も特に限定されないが、光の透過性の観点から530〜590℃、または430〜470℃のいずれかの範囲であることが好ましい。ガラス転移点も特に限定されないが、焼成応力の関係から440〜480℃、または390〜420℃のいずれかの範囲であることが好ましい。
粒度分布は、分散性、焼成膜の表面粗さ、耐電圧などから、平均粒子径0.5〜5μm、より好ましくは0.8〜3.5μmである。
さらにパネル作製工程での排気効率を向上させたり、放電ギャップへの電界集中を目的として、ストライプ状やドット(円柱、三角柱、直方体など)などの突起を作製することもできる。例えば、ストライプ状であれば、幅10〜100μm、高さ5〜50μmである。円柱状のドットであれば、直径20〜100μm、高さ5〜50μmである。このような突起状のパターンを形成する場合にも、焼成欠陥を抑制する目的で本発明の無機材料ペーストが使用でき、サンドブラスト法や感光性ペースト法などで形成できる。
また、透明誘電体層を保護し放電電圧を下げる目的で、透明誘電体層や突起を覆う形で保護膜を形成してもよい。保護膜には、一般にアルカリ土類金属の酸化物を用いることができる。特にMgOは耐スパッタ性に優れ、2次電子放出係数が高いため、好ましく適用される。MgO保護膜は電子ビーム蒸着法、Mgターゲットの反応性スパッタ法、イオンプレーティング法で形成する。
このようにして前面板を製造することができる。
次にプラズマディスプレイの製造方法について説明する。
プラズマディスプレイ用部材の背面板と前面板を用いて、背面板と前面板とを封着後、前背面の基板間隔に形成された空間に、ヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成される放電ガスを封入後、駆動回路を装着し、エージングを行いプラズマディスプレイを作製できる。
以下に本発明を実施例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
(ガラス軟化点の測定)
ガラス軟化点は熱機械特性評価装置(セイコーインスツルメンツ製TMA/6200)を用いて、10℃/分の昇温速度でガラスが軟化するまで測定を行った。ガラスが軟化し試料長さの変化がマイナスに転じた極大点をガラス軟化点とした。試料は直径5〜6mmφ、長さ20mmとした。測定の前に、予め測定したガラス転移点と同じ温度で10時間アニールを行い、歪みを除去した。
(平均粒子径の測定)
粒度分布:
ガラスフリットの平均粒子径(D50)は、レーザー回折散乱法を利用した粒度分布計(マイクロトラック社製HRA粒度分析計“MODEL No.9320−X100”)を用いて測定した。測定条件は下記の通りで行った。
試料量 :100mg
分散条件 :精製水中で5分間超音波分散、分散しにくい場合は0.2%ヘキサメタリ ン酸ナトリウム水溶液中で行う。
(欠陥の評価方法)
焼成まで行った隔壁(42インチ基板)を画像検査装置にて欠陥検査を行った。検出できる隔壁欠陥の大きさはおよそ30μm以上の完全断線である。30μm以上の欠陥があると蛍光体ペーストを塗布した後に隣接するセルへ他の蛍光体が混ざり混色するので、ディスプレイとしては不適となる。欠陥の数は0個が好ましく、1個以上ある場合はNGとなる。50枚画像検査を行い、その欠陥の総数を評価した。
次に実施例を説明するが、実施例中の濃度は、断りのない限り重量%である。また、実施例表中のバインダー樹脂の添加量は、溶媒を除いた樹脂のみの添加量を示す。
ペースト成分として用いたバインダー樹脂、重合開始剤、架橋剤、ガラスフリットおよびフィラーは次のとおりである。
バインダー樹脂A:アクリル系ポリマー(スチレン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応したもの。重量平均分子量43,000、酸価95)。40%γ−ブチロラクトン溶液として用いた。
バインダー樹脂B:エチルセルロース(数平均分子量80000)。5%テルピネオール溶液として用いた。
架橋剤:トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬(株)製、“TPA330”、3官能)
ウレタン化合物:UA−3348PE(新中村化学(株)製、分子量22000)
重合開始剤A:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン
ガラスフリットA:酸化リチウム7%、酸化ケイ素23%、酸化ホウ素50%、酸化バリウム2%、酸化アルミニウム13%、酸化カルシウム1%、酸化マグネシウム1%、酸化亜鉛1%。ガラス転移点480℃、軟化点530℃、熱膨張係数75×10-7/℃、密度2.54g/cm3、平均屈折率1.586。
ガラスフリットB:アルミナホウ珪酸系ガラス、ガラス転移点455℃、軟化点495℃、熱膨張係数85×10-7/℃、密度2.56g/cm3
ガラスフリットC:アルミナホウ珪酸系ガラス、ガラス転移点428℃、軟化点458℃、熱膨張係数95×10-7/℃、密度2.55g/cm3
ガラスフリットD:PbO−B2O3−ZnO系ガラス、ガラス転移点472℃、軟化点522℃、熱膨張係数67×10-7/℃、密度4.5g/cm3
ガラスフリットE:PbO−B2O3−ZnO系ガラス、ガラス転移点398℃、軟化点430℃、熱膨張係数85×10-7/℃、密度4.22g/cm3
ガラスフリットF:酸化ビスマス38%、酸化ケイ素6%、酸化ホウ素20%、酸化亜鉛20%、酸化アルミニウム4%。ガラス転移点475℃、軟化点515℃、熱膨張係数75×10-7/℃、密度4.61g/cm3
電極ペーストは、バインダー樹脂A15重量部、重合開始剤A1重量部、架橋剤A3重量部とジプロピレングリコールモノメチルエーテル(4重量部)、を50℃に加熱しながら溶解し、続いて、銀微粒子(平均粒子径1.5μm、比表面積0.80m2/g、80重量部)、低融点ガラス粉末(ガラス転移点460℃、軟化点495℃、3重量部)を添加し、混練機を用いて混練して作製した。
誘電体ペーストは、バインダー樹脂B20重量部、重合開始剤B5重量部、架橋剤10重量部とジプロピレングリコールモノメチルエーテル(20重量部)を50℃に加熱しながら溶解し、ガラスフリット(ガラス転移点475℃、軟化点515℃、250重量部)、フィラー(酸化ケイ素(日本アエロジル社製、“アエロジル200”)、100重量部)を添加して3本ローラー混練機で混練して作製した。
隔壁ペーストおよび誘電体突起用ペーストは、バインダー樹脂A30重量部、重合開始剤2重量部、架橋剤4重量部、ウレタン化合物3重量部とジプロピレングリコールモノメチルエーテル(5重量部)、を50℃に加熱しながら溶解し、表1に示すガラスフリットを所定量添加し、必要に応じフィラー(ガラス転移点652℃、平均粒子径2.4μm)を加熱しながら攪拌し、混練機を用いて混練して作製した。
(実施例1〜5)
まず、背面板を作製した。電極ペーストをガラス基板上に塗布、乾燥後、露光した。そしてアルカリ現像を行い590℃で焼成してアドレス電極パターンを作製した。次に誘電体ペーストをスクリーン印刷機を用いて塗布し、180℃でキュアを行った。そして、表1に示すようなガラスリット添加した隔壁ペーストを乾燥後厚み180μmになるようにスリットダイコーターで塗布し、熱風乾燥機を用いて100℃で乾燥した。乾燥後フォトマスクを介して露光を行い、0.5%のエタノールアミン水溶液中で現像した。さらに、誘電体と隔壁を同時に590℃で焼成して隔壁パターンを作製した。隔壁の露光に用いたネガ型露光マスクは、幅30μm、ピッチ300μmとした。焼成後の隔壁形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、いずれの実施例も頂部幅30μm、高さ120μmの良好なストライプ状パターンであった。同様にそれぞれ50枚の背面板基板を作製した。
Figure 0004411940
次に画像検査装置を用いて隔壁欠陥を調べて、50枚の隔壁欠陥総数を求めた。
欠陥の有無に関わらず、スクリーン印刷法でRGBの蛍光体ペーストを塗布し、蛍光体層を形成した。隔壁欠陥が生じている部分を紫外線ランプで照射して調べたところ、混色が生じていた。隔壁欠陥が発生しなかった基板と予め作製しておいた前面板と張り合わせ、放電ガスを封入し、プラズマディスプレイを作製した。駆動回路を実装して表示させたところ、問題なかった。
比較例1、実施例6
まず、誘電体ペーストは、バインダー樹脂B100重量部、ガラスフリット(ガラス転移点475℃、軟化点515℃、100重量部)、フィラー(酸化ケイ素(日本アエロジル社製、“アエロジル200”)、30重量部)を添加して3本ローラー混練機で混練して作製した。
次に、バインダー樹脂50重量部とガラスフリット100重量部(総量、種類は、配合比は表1の通りとした)を混合して、3本ロール混練機で隔壁ペーストを作製した。
実施例1と同様にアドレス電極を形成した基板に誘電体ペーストをスクリーン印刷機で塗布し590℃で焼成を行った。
スリットダイコータで隔壁ペーストを塗布し、乾燥後ドライフィルムレジストをラミネートし、実施例1と同様の露光マスクを用いて露光し現像後、サンドブラスト、レジスト剥離、焼成(590℃)を行った。隔壁は頂部幅30μm、高さ120μmの良好なストライプ状パターンであった。同様にそれぞれ50枚の背面板基板を作製した。
次に画像検査装置を用いて隔壁欠陥を調べて、50枚の隔壁欠陥総数を求めた。
欠陥の有無に関わらず、スクリーン印刷法でRGBの蛍光体ペーストを塗布し、蛍光体層を形成した。隔壁欠陥が生じている部分を紫外線ランプで照射して調べたところ、混色が生じていた。隔壁欠陥が発生しなかった基板と予め作製しておいた前面板と張り合わせ、放電ガスを封入し、プラズマディスプレイを作製した。駆動回路を実装して表示させたところ、問題なかった。
(実施例
前面板透明誘電体ペーストを、バインダー樹脂B100重量部、ガラスフリット120重量部(総量、種類は、配合比は表1の通りとした)を3本ロール混練機で作製し、実施例1と同様に背面板を作製した。
フォトエッチング法でITOパターンを作製したガラス基板上に感光性電極ペーストを用いてバス電極パターンを作製した。前面板誘電体ペーストをスリットダイコータを用いて塗布、乾燥、590℃で焼成した。焼成後の厚みは30μmであった。誘電体突起用ペーストをスリットダイコータで塗布し、露光、現像を行い最後の590ど焼成してストライプ状の突起を作製した。ストライプの形状は幅30μm、高さ20μmで良好なパターンであった。同様にそれぞれ50枚の前面板基板を作製した。
次に画像検査装置を用いて突起欠陥を調べて、50枚の欠陥総数を求めた。
前面板と背面板を張り合わせ、放電ガスを封入し、プラズマディスプレイを作製した。駆動回路を実装して表示させたところ、突起に欠陥のあった部位は異常放電が生じた。それ以外では問題なかった。
(比較例
隔壁ペーストを表1のようにした以外は実施例1と同様に背面板を作製した。焼成後の隔壁形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、いずれの実施例も頂部幅30μm、高さ120μmの良好なストライプ状パターンであった。同様にそれぞれ50枚の背面板基板を作製した。
次に画像検査装置を用いて隔壁欠陥を調べて、50枚の隔壁欠陥総数を求めた。
欠陥の有無に関わらず、スクリーン印刷法でRGBの蛍光体ペーストを塗布し、蛍光体層を形成した。隔壁欠陥が生じている部分を紫外線ランプで照射して調べたところ、混色が生じていた。隔壁欠陥が発生しなかった基板と予め作製しておいた前面板と張り合わせ、放電ガスを封入し、プラズマディスプレイを作製した。駆動回路を実装して表示させたところ、問題なかった。
(比較例
隔壁ペーストを表1のようにした以外は比較例1と同様に背面板を作製した。焼成後の隔壁形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、いずれの実施例も頂部幅30μm、高さ120μmの良好なストライプ状パターンであった。同様にそれぞれ50枚の背面板基板を作製した。
次に画像検査装置を用いて隔壁欠陥を調べて、50枚の隔壁欠陥総数を求めた。
欠陥の有無に関わらず、スクリーン印刷法でRGBの蛍光体ペーストを塗布し、蛍光体層を形成した。隔壁欠陥が生じている部分を紫外線ランプで照射して調べたところ、混色が生じていた。隔壁欠陥が発生しなかった基板と予め作製しておいた前面板と張り合わせ、放電ガスを封入し、プラズマディスプレイを作製した。駆動回路を実装して表示させたところ、問題なかった。
(比較例
誘電体突起用ペーストを表1のようにした以外は実施例と同様に前面板を作製した。ストライプの形状は幅30μm、高さ20μmで良好なパターンであった。同様にそれぞれ50枚の前面板基板を作製した。
次に画像検査装置を用いて突起欠陥を調べて、50枚の欠陥総数を求めた。
前面板と背面板を張り合わせ、放電ガスを封入し、プラズマディスプレイを作製した。駆動回路を実装して表示させたところ、突起に欠陥のあった部位は異常放電が生じた。それ以外では問題なかった。
表1に実施例1〜、比較例1〜の欠陥の総数を示す。いずれの実施例も欠陥総数が比較例に比べて少なく、生産性が高い。これに対して、比較例は欠陥数が多く、生産性が低下することが予想される。

Claims (9)

  1. 無機成分と有機成分を含有する無機材料ペーストであって、無機成分中に2種類以上のガラスフリットを含み、最も軟化点の高いガラスフリットHの軟化点をTs(H)、最も軟化点の低いガラスフリットLの軟化点をTs(L)、ガラスフリットHの平均粒子径をD50(H)、ガラスフリットLの平均粒子径をD50(L)としたときに、以下の式を満足し、ガラスフリットLとガラスフリットHの重量比が2:98〜20:80であり、有機成分中に感光性成分を含むことを特徴とする無機材料ペースト。
    Ts(H)−Ts(L)≦100℃
    D50(L)<D50(H)
    515℃≦Ts(H)≦530℃
    430℃≦Ts(L)≦495℃
    2.5μm≦D50(H)≦3.2μm
    0.7μm≦D50(L)≦1.7μm
  2. D50(L)とD50(H)が以下の式を満足することを特徴とする請求項1に記載の無機材料ペースト。
    D50(H)−D50(L)>1.0μm
  3. ガラスフリットLの平均粒子径が1.5μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の無機材料ペースト。
  4. さらに、焼成温度で溶融しないフィラーを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無機材料ペースト。
  5. フィラーとガラスフリットの重量比が0.1:99.9〜40:60であることを特徴とする請求項4に記載の無機材料ペースト。
  6. ガラスフリットHとガラスフリットLの密度の差が0.5g/cm3以下、さらにガラスフリットHの密度が2.54〜4.61g/cm 3 の範囲内かつガラスフリットLの密度が2.55〜4.22g/cm 3 の範囲内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の無機材料ペースト。
  7. プラズマディスプレイの隔壁パターンの形成に用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の無機材料ペースト
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の無機材料ペーストを用いて作製したことを特徴とするプラズマディスプレイ部材。
  9. 請求項に記載のプラズマディスプレイ部材を用いて作製したことを特徴とするプラズマディスプレイ。
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