JP2006278129A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル Download PDF

Info

Publication number
JP2006278129A
JP2006278129A JP2005095250A JP2005095250A JP2006278129A JP 2006278129 A JP2006278129 A JP 2006278129A JP 2005095250 A JP2005095250 A JP 2005095250A JP 2005095250 A JP2005095250 A JP 2005095250A JP 2006278129 A JP2006278129 A JP 2006278129A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
resistance value
surface discharge
bus electrode
transparent electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005095250A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006278129A5 (ja
Inventor
Nobuhiro Iwase
信博 岩瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Plasma Display Ltd
Original Assignee
Fujitsu Hitachi Plasma Display Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Hitachi Plasma Display Ltd filed Critical Fujitsu Hitachi Plasma Display Ltd
Priority to JP2005095250A priority Critical patent/JP2006278129A/ja
Publication of JP2006278129A publication Critical patent/JP2006278129A/ja
Publication of JP2006278129A5 publication Critical patent/JP2006278129A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

【課題】1セル当たりのバス電極の抵抗値と透明電極の抵抗値との比に着目し、この比を適切に設定することで画面のストリーキング現象を防止する。
【解決手段】一対の基板が放電空間を介して配置され、それらの基板の一方において隣接する電極間で面放電を発生する複数の表示電極が形成されたプラズマディスプレイパネルにおいて、表示電極を、一定方向に延長された給電用のバス電極と、バス電極に接続された基端部とその基端部から隣接する表示電極に向かって延出する先端部とを有しバス電極から給電を受けて面放電を発生させる電極とで構成し、面放電を発生させる電極の基端部から先端部までの抵抗値を、1セル当たりの長さのバス電極の抵抗値の4×107倍以上の値に設定する。
【選択図】図9

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下「PDP」と記す)に関し、主として画面のストリーキング現象を防止することで、画質の向上を図ったPDPに関する。
従来のPDPとして、AC型3電極面放電形式のPDPが知られている。このPDPは、前面側(表示面側)の基板の内面に面放電が可能な表示電極を水平方向に多数設け、背面側の基板の内面に発光セル選択用のアドレス電極を表示電極と交差する方向に多数設け、表示電極とアドレス電極との交差部をセルとするものである。
前面側の基板の表示電極は誘電体層で覆われ、その上に保護膜が形成されている。背面側の基板のアドレス電極も誘電体層で覆われ、その誘電体層上にストライプ状またはメッシュ状の隔壁が形成され、隔壁間には蛍光体層が形成されている。
PDPは、このように作製した前面側の基板と背面側の基板とを対向させて周辺を封止した後、内部に放電ガスを封入することにより作製されている(特許文献1参照)。
特開平5−234519号公報
上述のPDPでは、図6に示すような表示を行った場合、図中、C部およびD部を100%輝度表示部(白表示部)、E部を0%輝度表示部(黒表示部)の部分とすると、C部とD部は、本来同じ輝度であるが、表示電極の給電線となるバス電極に流れる電流が異なるため、バス電極の電圧降下が発生し、電圧降下分が輝度差として現れる。このため、画面のS部のように縞模様のストリーキング現象が現れる。
さらに、近年、PDPの大型化が進み、大面積を放電させる必要がある。また、バス電極の長さも長くなる傾向にあるため、バス電極の電圧降下による画質の悪化(ストリーキング現象)も激しくなってきた。
したがって、このようなストリーキング現象を防止できるPDPの出現が望まれていた。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、1セル当たりのバス電極の抵抗値と透明電極の抵抗値との比に着目し、この比を適切に設定することで画面のストリーキング現象を防止するものである。
本発明は、一対の基板が放電空間を介して配置され、それらの基板の一方において隣接する電極間で面放電を発生する複数の表示電極が形成され、その表示電極は一定方向に延長された給電用のバス電極と、バス電極に接続された基端部とその基端部から隣接する表示電極に向かって延出する先端部とを有しバス電極から給電を受けて面放電を発生させる電極とからなり、面放電を発生させる電極の基端部から先端部までの抵抗値が、1セル当たりの長さのバス電極の抵抗値の4×107倍以上の値、好ましくは、3×109倍以上の値を有していることを特徴とするプラズマディスプレイパネルである。
本発明によれば、放電時にバス電極から面放電を発生させる電極に供給されるピーク電流が制限されるので、バス電極による電圧降下が軽減し、画面のストリーキング現象が防止される。
本発明において、一対の基板は、対向して配置されていればよい。一対の基板としては、ガラス、石英、セラミックス等の基板や、これらの基板上に、電極、絶縁膜、誘電体層、保護膜等の所望の構成物を形成した基板が含まれる。
複数の表示電極は、基板の一方において隣接する電極間で面放電を発生する電極であって、一定方向に延長された給電用のバス電極と、バス電極に接続された基端部とその基端部から隣接する表示電極に向かって延出する先端部とを有しバス電極から給電を受けて面放電を発生させる電極であればよい。
この面放電を発生させる電極は、当該分野で公知の各種の材料と方法を用いて形成することができる。面放電を発生させる電極に用いられる材料としては、例えば、ZnO系、SnO2系、In23系(たとえばITO)などの透明な導電性材料が挙げられる。バス電極に用いられる材料としては、例えば、Ag、Au、Al、Cu、Crなどの金属の導電性材料が挙げられる。電極の形成方法としては、当該分野で公知の各種の方法を適用することができる。たとえば、印刷などの厚膜形成技術を用いて形成してもよいし、物理的堆積法または化学的堆積法からなる薄膜形成技術を用いて形成してもよい。これらの形成方法としては、スクリーン印刷法、(マグネトロン)スパッタ法、メッキ法、化学気相成長(CVD)法、有機金属化学気相成長(MOCVD)法、抵抗線加熱又は電子線加熱蒸着(酸素ガス添加の反応性蒸着、イオンプレーティング(IP)、イオンアシスト)法、化学ビーム蒸着(CBD、すなわち有機金属分子線蒸着(MOMBD)法、パルスレーザ蒸着(PLD)法などが挙げられる。
面放電を発生させる電極およびバス電極は、上記の方法で導電膜(膜状の導電性材料)を形成し、導電膜のパターニングを行うことで形成する。導電膜のパターニングは、導電膜上にレジストを塗布し、レジストの露光・現像の後、導電膜のウエットエッチングを行い、レジストを除去することにより行う。
レジストは、たとえばペースト状のレジストを塗布して乾燥させることで形成してもよい。また、ドライフィルムレジストをラミネートすることで形成してもよい。レジストの露光は、光学マスクを経由した紫外線露光が一般的であるが、紫外線(場合によっては青色)のレーザーをミラーで走査する方式などを適用してもよい。
導電膜のパターニングは、この他に、パワーの強いレーザーを導電膜に直接照射し、導電膜を部分的に昇華させることで行ってもよい。その場合は、レジストの塗布・露光・現像・ウエットエッチング・レジスト除去の工程は不要である。
本発明においては、面放電を発生させる電極の基端部から先端部までの抵抗値が、1セル当たりの長さのバス電極の抵抗値の4×107倍以上の値を有している必要がある。
この値が満足できれば、バス電極の抵抗値を減少させてもよいし、面放電を発生させる電極の抵抗値を増加させてもよい。その際、バス電極の材料および形状、並びに面放電を発生させる電極の材料および形状は、どのようなものであってもよい。
バス電極の抵抗値を減少させるには、バス電極の材料を抵抗率の低いものにしてもよいし、バス電極を太くしてもよい。バス電極を太くする場合には、面積を広くしてもよいし、厚みを厚くしてもよい。しかし、バス電極を太くすると、表示発光の遮光が増加し、輝度・効率低下を招く。また、バス電極を厚くすると、電極材料を多く消費し、コスト増加を招く。
面放電を発生させる電極の抵抗値を増加させるには、面放電を発生させる電極の材料を抵抗率の高いものにしてもよいし、面放電を発生させる電極を細くしてもよい。面放電を発生させる電極を細くする場合には、面積を狭くしてもよいし、厚みを薄くしてもよい。面積を狭くするのは、全体を狭くしてもよいし、例えば面放電以外の部分の面積だけを狭くするというように、部分的に狭くしてもよい。厚みを薄くするのは、面放電を発生させる電極を形成する際の成膜時間を短くすればよい。
また、面放電を発生させる電極の材料および形状を変えないで、抵抗値だけを変えることもできる。この方法としては、例えば、面放電を発生させる電極として、透明電極の上に形成する誘電体層を低融点ガラスペーストの塗布・焼成により形成するのであれば、低融点ガラスペーストの配合を変えたり、焼成温度を変えることで、透明電極の抵抗値を変えることができる。しかし、透明電極にITO(インジウムとスズの酸化物)を用いると、抵抗値の増加が大きく、パネル面内を均一に、設計値通りの抵抗値にすることは、困難であった。
上記構成においては、透明電極を、ZnOを主成分とする酸化物を用いて形成することが望ましい。その理由は、後述する。また、面放電を発生する電極をこの後から、透明電極と呼ぶ。
透明電極とバス電極の上には、透明電極とバス電極を覆って、低融点ガラスペーストを塗布し、これを焼成することで誘電体層を形成してもよい。
具体的には、誘電体層は、低融点ガラスフリットとバインダー樹脂からなる低融点ガラスペーストを、基板上にスクリーン印刷法で塗布し、焼成することで形成することができる。ここで用いる低融点ガラスとしては、酸化シリコン,ホウケイ酸ガラス,酸化アルミニウム,酸化イットリウム,酸化鉛などを主成分とするガラス材を適用することができる。
透明電極は、基板温度を200℃以上に維持したCVD法で形成してもよい。また、酸化ガスを含んだ雰囲気で、プラズマを使用したCVD法で形成してもよい。
上記透明電極は、ZnOを主成分とする酸化物を用いて形成し、その透明電極上にバス電極となる銀ペーストを塗布し後、250℃以上の加熱工程を経て形成することもできる。
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳述する。なお、本発明はこれによって限定されるものではなく、各種の変形が可能である。
図1(a)および図1(b)は本発明のPDPの構成を示す説明図である。図1(a)は全体図、図1(b)は部分分解斜視図である。このPDPはカラー表示用のAC駆動型3電極面放電形式のPDPである。
本PDP10は、PDP用の各種の構成要素が形成された前面側の基板11と、背面側の基板21から構成されている。前面側の基板11と背面側の基板21としては、ガラス基板、石英基板、セラミック基板等を使用することができる。
前面側の基板11の内側面には、水平方向に対となる表示電極X,Yが放電の発生しない間隔(非放電ギャップ)を隔てて配置されている。表示電極Xと表示電極Yとの間が表示ラインLとなる。各表示電極X,Yは、ZnOを主成分とする酸化物を用いて形成された幅の広い透明電極12と、例えばAg、Au、Al、Cu、Cr及びそれらの積層体(例えばCr/Cu/Crの積層構造)等からなる金属製の幅の狭いバス電極13から構成されている。表示電極X,Yは、Ag、Auについてはスクリーン印刷のような厚膜形成技術を用い、その他については蒸着法、スパッタ法等の薄膜形成技術とエッチング技術を用いることにより、所望の本数、厚さ、幅及び間隔で形成することができる。
なお、本PDPでは、対となる表示電極X,Yが非放電ギャップを隔てて配置されているが、表示電極Xと表示電極Yが等間隔に配置され、隣接する表示電極Xと表示電極Yとの間が全て表示ラインLとなる、いわゆるALiS構造のPDPであっても本発明を適用することができる。
表示電極X,Yの上には、表示電極X,Yを覆うように交流(AC)駆動用の誘電体層17が形成されている。誘電体層17は、低融点ガラスペーストを、前面側の基板11上にスクリーン印刷法で塗布し、焼成することにより形成している。
誘電体層17の上には、表示の際の放電により生じるイオンの衝突による損傷から誘電体層17を保護するための保護膜18が形成されている。この保護膜はMgOで形成されている。
背面側の基板21の内側面には、平面的にみて表示電極X,Yと交差する方向に複数のアドレス電極Aが形成され、そのアドレス電極Aを覆って誘電体層24が形成されている。アドレス電極Aは、Y電極との交差部で発光セルを選択するためのアドレス放電を発生させるものであり、Cr/Cu/Crの3層構造で形成されている。このアドレス電極Aは、その他に、例えばAg、Au、Al、Cu、Cr等で形成することもできる。アドレス電極Aも、表示電極X,Yと同様に、Ag、Auについてはスクリーン印刷のような厚膜形成技術を用い、その他については蒸着法、スパッタ法等の薄膜形成技術とエッチング技術を用いることにより、所望の本数、厚さ、幅及び間隔で形成することができる。誘電体層24は、誘電体層17と同じ材料、同じ方法を用いて形成することができる。
隣接するアドレス電極Aとアドレス電極Aとの間の誘電体層24上には、ストライプ状の複数の隔壁29が形成されている。隔壁29の形状はこれに限定されず、放電空間をセルごとに区画するメッシュ状であってもよい。隔壁29は、サンドブラスト法、印刷法、フォトエッチング法等により形成することができる。例えば、サンドブラスト法では、低融点ガラスフリット、バインダー樹脂、溶媒等からなるガラスペーストを誘電体層24上に塗布して乾燥させた後、そのガラスペースト層上にドライフィルムレジストを貼り付けて、隔壁パターンの開口を有するフォトマスクで露光し、現像を行い、切削粒子を吹きつけて、ドライフィルムレジストの開口部分のガラスペースト層を切削し、ドライフィルムレジストを剥離した後、焼成することにより形成する。また、フォトエッチング法では、切削粒子で切削することに代えて、バインダー樹脂に感光性の樹脂を使用し、マスクを用いた露光及び現像の後、焼成することにより形成する。
隔壁29の側面及び隔壁間の誘電体層24上には、赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体層28R,28G,28Bが形成されている。蛍光体層28R,28G,28Bは、蛍光体粉末とバインダー樹脂と溶媒とを含む蛍光体ペーストを隔壁29間の凹溝状の放電空間内にスクリーン印刷、又はディスペンサーを用いた方法などで塗布・乾燥し、これを各色毎に繰り返した後、焼成することにより形成している。この蛍光体層28R,28G,28Bは、蛍光体粉末と感光性材料とバインダー樹脂とを含むシート状の蛍光体層材料(いわゆるグリーンシート)を使用し、フォトリソグラフィー技術で形成することもできる。この場合、所望の色のシートを基板上の表示領域全面に貼り付けて、露光、現像を行い、これを各色毎に繰り返すことで、対応する隔壁間に各色の蛍光体層を形成することができる。
PDPは、上記した前面側の基板11と背面側の基板21とを、表示電極X,Yとアドレス電極Aとが交差するように対向配置し、周囲を封止し、隔壁29で囲まれた放電空間30に放電ガスを充填することにより作製されている。このPDPでは、表示電極X,Yとアドレス電極Aとの交差部の放電空間30が表示の最小単位である1つのセル(単位発光領域)となる。1画素はR、G、Bの3つのセルで構成される。
図2は1セルの表示電極を平面的に見た説明図である。
本実施形態では、表示電極X,Yは、バス電極13をCr/Cu/Crの三層構造の金属電極で形成している。透明電極12は、ネック部Nに高抵抗部を形成している。この高抵抗部は、薄膜化、細線化、抵抗率の高い材料を用いる等で形成する。たとえば、透明電極12に、ITOよりも抵抗値の高いZnO系の材料を用いる。
面放電Dは、表示電極Xのバス電極13と表示電極Yのバス電極13との間に電圧を印加することにより、表示電極Xの透明電極12と表示電極Yの透明電極12との間で発生される。
透明電極12は、透明電極12の基端部から先端部までの抵抗値が、1セル当たりのバス電極の抵抗値の4×107倍以上の値を有している。
図3〜図5は透明電極の形状を示す説明図である。
これらの図に示すように、透明電極12は、バス電極13に接続された基端部12aと、その基端部12aから延出されて面放電領域に至る先端部12bとを有している。セル内の1つの透明電極12は、基端部12aから先端部12bまでに抵抗値Rsを有している。バス電極13は、1セル当たりのバス電極13、つまり隔壁29の中央から隔壁29の中央までの部分に抵抗値Rbを有している。
透明電極12の形状はどのような形状であってもよい。たとえば、図4に示すような矩形の透明電極12であってもよい。また、図5に示すように、帯状に連続した透明電極12であってもよい。帯状に連続した透明電極12である場合、1セル分の透明電極12は、隔壁29の中央から隔壁29の中央までの部分である。
図6はストリーキング現象を示す説明図、図7はピーク電流を示す説明図である。
PDPの画面に、図6に示すような表示を行ったとする。図中、C部およびD部は100%輝度表示部(白表示部)の部分、E部は0%輝度表示部(黒表示部)の部分、S部は表示ライン状の輝度差(ストリーキング現象)である。
面放電発生の際にバス電極に印加する電圧は、全てのバス電極に対してほぼ一定である。したがって、多くのセルを点灯させるバス電極には大量の電流が流れ、少ないセルを点灯させるバス電極には少量の電流しか流れない。
この表示の場合、C部とD部は同じ100%白表示を行っているが、バス電極の負荷が異なる。C部は点灯セルが多いので負荷が大きく、バス電極に流れるピーク電流が大きくなるため、電圧降下が発生し、輝度低下を招く(図7のP1参照)。一方、D部は点灯セルが少ないので比較的負荷が小さく、バス電極に流れるピーク電流も小さいため、電圧降下がなく、輝度低下がない(図7のP2参照)。この負荷の違いから、ライン上のむら(ストリーキング現象)が発生する。
したがって、ストリーキング現象を軽減するために、透明電極を高抵抗にして、バス電極に流れるピーク電流を制限する。そのため、透明電極の基端部から先端部までの抵抗値が、1セル当たりのバス電極の抵抗値の4×107倍以上の値となるようにする。このような抵抗比になるのであれば、バス電極を太くしてバス電極の抵抗値を下げてもよい。
本発明では、透明電極を高抵抗にするために、透明電極にZnO系の材料を用いる。ZnO系の材料を用いることで、線幅、膜厚の変化に加え、必要に応じて添加物を入れ、透明電極の抵抗値を制御することが可能となる。
図8はバス電極の抵抗と相対放電ピーク電流との関係を示す説明図である。
この表は、同じ材料で同じ太さに形成した同一のバス電極に抵抗値の異なる透明電極を形成した実施形態を示している。透明電極の形状は図3に示した形状である。
セル例に関して説明すると、バス電極抵抗値[Ω]は、1セル幅の長さあたりのバス電極抵抗値であり、図3に示した抵抗値Rbである。透明電極抵抗値は、1セルの透明電極抵抗値であり、図3に示した抵抗値Rsである。この透明電極抵抗値は、相対放電ピーク電流値にほぼ比例する。
透明電極抵抗値/バス電極抵抗値は、透明電極とバス電極の抵抗比である。ストリーキング特性は、図6で示したC部とD部の輝度差である。
このようなセル例に関し、ストリーキング特性を調べた結果、目視で確認した場合、透明電極抵抗値が5.4×105[Ω]のセル例1では、16%の輝度差であり、ストリーキングが気になる。透明電極抵抗値が1.1×106[Ω]のセル例2では、6.1%の輝度差であり、ときどきストリーキングが気になる。透明電極抵抗値が8.7×107[Ω]のセル例3では、3.0%の輝度差であり、よく見るとストリーキングが気になる。透明電極抵抗値が1.3×108のセル例4では、2.1%の輝度差であり、ほとんどストリーキングが気にならない。
図9は透明電極抵抗値と抵抗比との関係を示すグラフである。
このグラフに示すように、抵抗比が4×107以下の領域はストリーキングが気になる領域Fであり、抵抗比が4×107〜3×109の領域はときどきストリーキングが気になる領域Gであり、抵抗比が3×109以上の領域はほとんどストリーキングが気にならない領域Hとなる。したがって、抵抗比は、4×107以上、望ましくは3×109以上にする。
透明電極にZnO系の透明導電材料を用いた理由を以下に説明する。
PDPに用いる透明電極は、一般的にITO(インジウムとスズの酸化物、抵抗率2×10-4Ω・cm)が使用される。ITOを用いるのは、薬液でのエッチングが可能であるため、レジストを用いたフォトリソグラフィー技術を用いて電極形成が容易に行えるためである。しかし、ITOは、形成後に酸化雰囲気で加熱(250℃以上)されると、容易に抵抗率が増加する(図10の抵抗上昇率参照)。この抵抗上昇分は、パネル作製時のばらつきにより大きく変動する。この変動分を見込んで、放電に必要な電力を与えるために十分低い抵抗値となるように、膜厚や電極幅を設計する必要があった。このため、ITOでは、セル毎に、設計したい放電電流に制限するための抵抗を透明電極に持たせることができない。
SnO2膜(ネサ膜)も透明電極の材料として使用することができる。このSnO2膜は酸化加熱による抵抗値変動が少ない。しかし、このSnO2膜は、成膜に、一般的なスパッタ装置ではなく、CVD装置を使用する必要がある。また、薬液でのエッチングが困難であるため、精度の良いパターニングが困難である。たとえば、リフトオフ法を用いればパターニングできることが知られているが、ITOと比較すると微細なパターニングは困難である。
これに対し、本発明のZnO系の透明電極は、ITOとほぼ同じ製造工程で透明電極を形成することが可能であり、量産化が容易である。また、加熱(焼成)工程による抵抗上昇が少ない(図10の抵抗上昇率参照)。このため、放電セルに電力を供給する透明電極に抵抗を付加したセル設計が可能となる。これにより、放電によるピーク電流を制限することが可能となる。たとえば、図3に示したT字状の透明電極のネック部分の膜厚や幅を適切に設定したり、ZnOに添加するドーパントを適切に設定することにより、放電ピーク電流を制限することができ、ストリーキング現象を緩和できる。
今後、PDPは大型化(たとえば、50インチ型以上)が進む。したがって、放電電力が大きくなり、バス電極が長くなる傾向にある。そのため、表示負荷の大きい部分と小さな部分の放電電流の差が増大し、バス抵抗の電圧降下による輝度低下現象が生じ、ストリーキング現象が発生する。そのため、T字状の透明電極を用い、幅と厚さを設計することで、ストリーキングを目立たなくさせることができる。
透明電極用材料の抵抗値の測定結果を示す。
図10は透明電極用材料の抵抗値の測定方法を示す説明図、図11は測定結果を示す説明図である。
透明電極用材料の抵抗値を図10に示す方法で測定した。すなわち、ガラス板31上に透明電極12を成膜し、銀ペースト32で導線33を接続し、導電33を抵抗値測定機34に接続して、透明電極12の抵抗値を測定した。結果を図11に示す。
ITO膜は、大気中で250℃を超えて加熱処理を行うと、抵抗値の増加が顕著となった。さらに、図10のG部に低融点ガラスを乗せて焼成を行うと、低融点ガラスが溶融してITOを侵食するため、さらに、抵抗値が急増した。
透明電極にネサ膜を用いても、ZnOとほぼ同様な結果が得られる。しかし、ネサ膜は、一般的にウエットエッチングが困難であるため、パターニングができない。ネサ膜のパターニング方法としてリフトオフ方式が知られているが、微細なパターンができない。
これに対し、本発明のZnO系透明電極は、数十%の抵抗上昇であるため、抵抗値をセル設計に盛り込むことが可能である。また、ZnO系の添加物として、Al以外に、Ga,Ge,Si,W,B,Fを添加しても、さらに、添加物なしでも上記と同様な結果が得られた。添加物は、通常は抵抗値を下げるために使われることが多いが、本発明では、セル設計に合わせて透明電極の抵抗値を上げるために用いる。
また、ZnO系の透明電極は、ITOと同様な微細なパターニングが可能である。また、抵抗値の変動が少ないため、線幅と厚さを設計することで、抵抗を考慮したセル設計が可能となる。
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2に関し、顕微鏡観察、ストリーキング評価、点灯状況の結果を図12に示す。
42型のPDPを作製した。比較例1および比較例2として、透明電極にITOを用いた前面側のパネルを作製し、この前面側のパネルと公知の背面側のパネルとを貼り合せてPDPを作製した。比較例1は透明電極(ITO)の膜厚を0.1μmとし、比較例2は透明電極(ITO)の膜厚を0.2μmとした。ITOの膜厚が0.1μm以下の場合、誘電体層の焼成時にITOが消失した(誘電体層の材料である低融点ガラスの溶融物にITOが浸食された)。
一方、実施例1から実施例3として、透明電極にZnO系の酸化物を用いた本発明構造の前面側のパネルを作製し、この前面側のパネルと公知の背面側のパネルとを貼り合せて本発明構造のPDPを作製した。実施例1は透明電極(ZnO:Al)の膜厚を0.02μmとし、実施例2は透明電極(ZnO:Al)の膜厚を0.1μmとし、実施例3は透明電極(ZnO:Al)の膜厚を0.2μmとした。
実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2のパネルについては、すべて、4%Xe−Neガスを65kPaで充填した。また、前面側の基板の誘電体層は、軟化点480℃のフリットガラスを塗布し、600℃の焼成を行い、焼成後に透明電極を光学顕微鏡にて観察した。顕微鏡観察の結果、比較例1では透明電極がほぼ消失していたため、非点灯セルが多数存在した。比較例2では透明電極に浸食があったが、非点灯セルは発生しなかった。実施例2、実施例3ではともに透明電極に変化はなかった。実施例1で、わずかに透明電極の浸食が認められたが、非点灯セルは発生しなかった。このように、ZnO系の透明電極は、0.02μmの膜厚でもわずかの浸食しか認められなかった。
パネル完成後にパネル試験を行ったところ、膜厚0.1μmのITOを用いたパネルは、ITOのほとんどが消失し、点灯していない部分が多かった。それ以外は、通常点灯が可能であった。
さらに、ストリーキング評価を行った。この評価は、図6に示した画面を表示することにより行った。評価の結果、比較例1では非点灯セルが多く、評価不可能であった。比較例2ではストリーキングがしばしば気になり、実施例1ではストリーキングが気にならず、実施例2ではストリーキングがあまり気にならず、実施例3ではストリーキングがときどき気になる程度、という評価であった。
このように、透明電極12のネック部Nに抵抗を入れる設計をすることで、ピーク電流を軽減でき、ストリーキングが改善した。これは、透明電極に抵抗を付加して画質が改善する一例である。
本実施形態によれば、透明電極を熱に安定な材料(ZnO系材料)にしたので、ITOと同様な工程(成膜、レジスト塗布、パターニング、エッチングなど)で、微細な電極を形成することが可能である。
また、ZnO系の透明電極は、熱的に安定であるので、透明電極の幅・厚さを変更することにより、抵抗を付加したセル設計が可能となり、ストリーキングが軽減する。
さらに、高価なInを使用しないため、コストダウンになる。また、ITOの透明電極形成と同じ工程(設備)を利用することができ、安定(歩留まりの良い)した電極が得られる。
本発明のPDPの構成を示す説明図である。 1セルの表示電極を平面的に見た説明図である。 透明電極の形状を示す説明図である。 透明電極の形状を示す説明図である。 透明電極の形状を示す説明図である。 ストリーキング現象を示す説明図である。 ピーク電流を示す説明図である。 バス電極の抵抗と相対放電ピーク電流との関係を示す説明図である。 透明電極抵抗値と抵抗比との関係を示すグラフである。 透明電極用材料の抵抗値の測定方法を示す説明図である。 透明電極用材料の抵抗値の測定結果を示す説明図である。 実施例の結果を示す説明図である。
符号の説明
11 前面側の基板
12 透明電極
12a 透明電極の基端部
12b 透明電極の先端部
13 バス電極
17,24 誘電体層
18 保護膜
21 背面側の基板
28R,28G,28B 蛍光体層
29 隔壁
30 放電空間
31 ガラス板
32 銀ペースト
33 導線
34 抵抗値測定機
A アドレス電極
L 表示ライン
X,Y 表示電極

Claims (6)

  1. 一対の基板が放電空間を介して配置され、それらの基板の一方において隣接する電極間で面放電を発生する複数の表示電極が形成され、その表示電極は一定方向に延長された給電用のバス電極と、バス電極に接続された基端部とその基端部から隣接する表示電極に向かって延出する先端部とを有しバス電極から給電を受けて面放電を発生させる電極とからなり、
    面放電を発生させる電極の基端部から先端部までの抵抗値が、1セル当たりの長さのバス電極の抵抗値の4×107倍以上の値を有していることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記面放電を発生させる電極が、ZnOを主成分とする酸化物を用いて形成されてなる請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記面放電を発生させる電極とバス電極を覆って形成された誘電体層をさらに備え、その誘電体層が、低融点ガラスペーストを塗布し、これを焼成することで形成されてなる請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記面放電を発生させる電極とバス電極を覆って形成された誘電体層をさらに備え、その誘電体層が、基板温度が200℃以上に維持されて、CVD法で形成されてなる請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記面放電を発生させる電極とバス電極を覆って形成された誘電体層をさらに備え、その誘電体層が、酸化ガスを含んだ雰囲気で、プラズマを使用したCVD法で形成されてなる請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記面放電を発生させる電極は、ZnOを主成分とする酸化物を用いて透明電極が形成され、その透明電極上にバス電極となる銀ペーストが塗布された後、250℃以上の加熱工程を経て形成されてなる請求項1記載のプラズマディスプレイパネル。
JP2005095250A 2005-03-29 2005-03-29 プラズマディスプレイパネル Withdrawn JP2006278129A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005095250A JP2006278129A (ja) 2005-03-29 2005-03-29 プラズマディスプレイパネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005095250A JP2006278129A (ja) 2005-03-29 2005-03-29 プラズマディスプレイパネル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006278129A true JP2006278129A (ja) 2006-10-12
JP2006278129A5 JP2006278129A5 (ja) 2008-02-21

Family

ID=37212680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005095250A Withdrawn JP2006278129A (ja) 2005-03-29 2005-03-29 プラズマディスプレイパネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006278129A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008103217A (ja) * 2006-10-19 2008-05-01 Advanced Pdp Development Corp プラズマディスプレイパネル

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008103217A (ja) * 2006-10-19 2008-05-01 Advanced Pdp Development Corp プラズマディスプレイパネル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4176940B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2003151450A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
TWI262528B (en) Alternating current driven type plasma display device and production method therefor
KR20020047002A (ko) 미세 라인 구비 기판, 미세 라인 구비 기판 제조 방법,전자 공급원 기판 및 화상 디스플레이 장치
JP2007305528A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
US6538381B1 (en) Plasma display panel and method for manufacturing the same
JP2006278129A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2005183372A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2000173480A (ja) プラズマディスプレ―パネルの後面基板とその製造方法
JP2008159528A (ja) 隔壁形成方法
KR100726643B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널 및 그의 제조방법
JP4058141B2 (ja) 厚膜パターン組成物、厚膜パターン形成用塗布組成物、およびプラズマディスプレイパネル
US20080018250A1 (en) Plasma display panel
JP2005038778A (ja) 放電型表示装置の製造方法
JP2003123654A (ja) 表示装置
JP2008103217A (ja) プラズマディスプレイパネル
KR100823514B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
JP2005093340A (ja) ガス放電パネル用前面側基板及びその製造方法
JP2005116349A (ja) プラズマディスプレイ装置
KR100736583B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
JP2004071465A (ja) Pdp用パネルアセンブリの製造方法
KR100739573B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 제조 방법
JP2006114520A (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP4197190B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP4162692B2 (ja) プラズマディスプレイパネル

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071227

A621 Written request for application examination

Effective date: 20071227

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20090115

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761