JP2005063589A - 記録装置、記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ユーザーデータの記録が或る記録層から次の記録層に移行する場合、移行した先の記録層では、まずガード領域の記録が行われ、それに続いてユーザーデータの記録が行われる。或いは、予め移行先の記録層においてユーザーデータの記録開始位置がわかる場合は、ユーザーデータの記録に先立って、移行先の記録層にガード領域を形成する。即ち、ユーザーデータの記録が或る記録層から次の記録層に移行する場合、移行した先の記録層において、ユーザーデータの記録位置に先立つ区間がガード領域とされているようにすることで、そのユーザーデータ再生時に、あらかじめ再生準備処理のための再生信号がえられるようにする。
【選択図】 図7
Description
これら光記録媒体においては、さらに記録容量を高めるための技術開発が盛んに行われている。そして従来の光ディスクの情報記録の高密度化は、当該ディスク記録面における記録密度を上げることを主眼にしてきた。例えば記録ビームを発射する光源の短波長化や再生系の信号処理と組み合わせて、トラックピッチを詰めたり、記録及び読み取り走査における線速方向に記録密度を上げる試みがなされてきた。
そこで大容量化の手法を3次元的に考えることも行われている。すなわちディスクの厚さ方向へ記録情報の高密度化を進めるために情報記録層を積層して形成された多層ディスクが注目されている。
例えば上記特許文献1ではDVD−ROM等において2層の記録層とされた場合に適用できる技術が開示されている。
そして今後は、ROMタイプディスクだけではなく、相変化材料、光磁気材料、色素材料などの記録可能な記録層を積層した、記録可能な多層記録媒体の実用化が期待されている。例えばDVD方式のディスクで言えば、DVD−R、DVD+Rなどと呼ばれるライトワンス型のディスク、或いはDVD−RW、DVD+RWなどと呼ばれるリライタブル型のディスクなどでも、多層記録層の実現が想定されている。
この場合、レイヤ0において、ユーザーデータDA1から記録が行われる。そして例えばデータDA6までの記録によってレイヤ0のユーザーデータの記録領域を消費した場合などは、引き続いては、レイヤ1に移行して、残りのデータDA7,DA8の記録が行われる。
今、この図14のディスクには、リードイン、リードアウト、ミドルエリア(これらについては後述)などの所定の領域が形成されていないとする。例えばライトワンス型のディスクの場合では、これらの領域はディスククローズ(セッションクローズ)或いはファイナライズと呼ばれる処理において最終的に形成されるものであるが、図14の状態は、ディスククローズ等が行われる前であって、ユーザーデータ記録のみが行われた時点であるとする。
なお、通常、ライトワンスディスクや、リライタブルディスクでは、ユーザーデータ記録の後にクローズ処理が行われることによって、ディスク上にユーザーデータの記録に応じた管理情報が記録され、また必要な領域が形成されて、例えば再生専用装置等で通常に再生可能なディスクとなるが、図14のような状態でも、その記録を行った記録再生装置においては、再生は可能である。つまり、記録再生装置は自身で記録を実行したものであり、当然ながらその後にディスクに記録すべき管理情報に相当する内容を保持しており、従ってユーザーデータを記録したアドレス等を知っているためである。
また、この図14のようなユーザーデータの記録を行った記録再生装置が、後の追加記録を考慮して、クローズ処理を行っていないまま、ディスクを排出する場合もある。その場合、クローズ処理には相当しないが、所定領域に、その時点までのユーザーデータに対応する管理情報を、ディスクの所定領域に記録しておく。従って、そのような未クローズのディスクに対応できる記録再生装置などで、ユーザーデータが記録されたがクローズされていないディスクに対してユーザーデータの再生が可能となる場合がある。
図14のデータDA7は、データDA6に続いてレイヤ1に記録される。このデータDA7の再生時には、装置のピックアップは、レイヤ1においてデータDA7の先頭付近にアクセスし、内周側に向かって再生を行うことになる。このとき、データDA7の直前の位置は未記録状態の領域である。すると、データDA7の先頭に至るまでの期間では、再生信号は得られない。つまりアクセス動作によりデータDA7の先頭位置に達してはじめて再生信号が得られることになる。
通常、再生時には、再生準備処理として、反射光から得られる再生信号のゲイン調整、再生信号のデコードのための同期処理、再生クロック生成のためのPLL引込などが行われる。これらの準備処理を終えて、はじめて再生信号のデコードが可能となる。そしてこの準備処理はなんらかの再生信号が得られていなければ実行できない。
つまりレイヤ1でデータDA7からの再生を行おうとすると、データDA7の先頭位置に達してはじめて再生信号が得られるため、その時点から準備処理が行われる。そしてデコード可能となった時点では、ピックアップによる再生動作は既にデータDA7としての先頭部分を終えて進行している。従って、データDA7の先頭部分はデコードできないものとなってしまう。
このような理由から、レイヤ1におけるユーザーデータは適正に再生できないものとなってしまう。
例えば図14の場合、レイヤ0においてデータDA1からの記録を行う際には、データDA1の先頭位置より多少内周側の位置から、ダミーデータ記録が行われる。そしてダミーデータの記録後に、データDA1からのユーザーデータ記録が行われる。従って、この場合レイヤ0においてデータDA1から再生しようとする場合、上記ダミーデータによるガード領域において再生信号が得られ、その間に上記準備処理が可能となるため、データDA1からの再生は適正に実行できるものである。
また、仮に、データDA1〜DA8等の一連のユーザーデータが、レイヤ1に記録された場合も、そのデータDA1の記録の直前位置にはガード領域が形成されるため、その再生は問題ない。
上記のように再生に支障を来すのは、一連のデータ記録時の途中に記録層移行が行われ、これによって移行先の記録層において、直前が未記録領域とされたユーザーデータが発生した場合である。
特に上記制御手段は、上記ガード領域を形成するための記録動作は、上記或る記録層におけるユーザーデータの記録を終えて記録層を移行した際に、その移行先の記録層でのユーザーデータの記録開始に先だって実行させる。
或いは、ユーザーデータの記録に先立って、記録層の移行後のユーザーデータの記録開始位置を判別する判別手段をさらに備え、上記制御手段は、上記ガード領域を形成するための記録動作を、上記判別手段で判別された上記移行位置に基づいて、ユーザーデータの記録開始前に実行させる。
また本発明の記録方法は、同じくデータ書き込み可能な複数の記録層を有する記録媒体に対する記録方法として、ユーザーデータの記録過程において或る記録層から次の記録層へと記録位置の移行が行われることが予測される場合に、移行後の記録層におけるユーザーデータの記録開始位置の判別を、ユーザーデータの記録に先立って行う判別ステップと、上記判別ステップの判別結果に応じて、上記次の記録層においてガード領域を形成するガード領域形成ステップと、上記或る記録層から次の記録層にわたってユーザーデータの記録を行うユーザーデータ記録ステップとを備える。
即ち、ユーザーデータの記録が或る記録層から次の記録層に移行する場合、移行した先の記録層において、ユーザーデータの記録位置に先立つ区間がガード領域とされているようにする。
また、このガード領域の記録は、ユーザーデータの記録が或る記録層から次の記録層に移行したときに、移行した先の記録層においてユーザーデータの記録に先だって行われることで、適切な位置におけるガード領域形成が可能となる。
また、予め移行先の記録層においてユーザーデータの記録開始位置がわかる場合は、ユーザーデータの記録に先立って、移行先の記録層にガード領域を形成するようにすれば、ユーザーデータの記録動作の途中にガード領域記録処理を介在させなくてすむことになり、連続したユーザーデータ記録動作を確保できる。
1.記録層のエリア構造
2.二層ディスク
3.ディスクドライブ装置
4.ユーザーデータ記録処理例I
5.ユーザーデータ記録処理例II
6.ガード領域形成の各種例
本実施の形態では、大容量ディスク記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)を例に挙げ、また後述するディスクドライブ装置は、DVDとしてのディスクに対して記録再生を行う装置とする。
DVD方式のディスクにおいて、記録可能タイプとしては、DVD+R、DVD−R、DVD−RW、DVD−RW、DVD−RAMなどの複数の規格が存在する。ここでは、ライトワンスメディアであるDVD+R及びリライタブルディスクであるDVD+RWを例に挙げて説明していく。
このような使用形態を考慮し、DVDの論理フォーマットは装置間の記録互換、再生互換を円滑にする為に策定されている。
図示するように、DVD+R、DVD+RWの記録層における論理的なデータレイアウトとしては、ディスク内周側から外周側にかけて、インフォメーションゾーン(Information Zone)が形成される。このインフォメーションゾーンは、データの記録互換、再生互換を確保するために必要な情報を全て含んでいる領域である。
DVD+Rの場合、インフォメーションゾーンは、1つ或いは複数のセッションを含むものとなる。
[1]インナードライブエリア
[2]リードインゾーン(リードインエリアともいう)
[3]データゾーン(データエリアともいう)
[4]リードアウトゾーン(リードアウトエリアともいう)
[5]アウタードライブエリア
インナードライブエリアとアウタードライブエリアは記録装置専用の領域である。情報の記録を行う時には、正しい記録マークが形成できるように記録時のレーザーパワーを調整しなくてはならない。このため、最適記録条件を求めるためのテスト記録に使用できるテストゾーンと記録条件にかかわる管理情報を記録できる領域が、インナードライブエリアとアウタードライブに形成される。そしてテストゾーンはテスト記録により記録状態が不均一になることから、再生専用装置で支障なくアクセスできる保障はないので、再生専用装置がアクセスできないところに配置されている。
図示するように、例えばディスク内周側から外周側に掛けてフィジカルセクターナンバの値は増加されていく。DVD+R、DVD+RWの場合、PSN=2FFFFh(hを付した数値は16進表現)がリードインゾーンの終端とされ、PSN=30000hからデータゾーンが開始される。
データゾーンは、基本的にはユーザーデータの書込が行われる領域であり、またリードインゾーンは、管理情報の書込が行われる。またリードアウトゾーンは例えば再生専用ディスクとの互換維持などの目的からダミーデータの書込が行われるが、DVD+RWの場合など、リードインゾーンと略同内容の管理情報が記録される場合もある。
また、グルーブがウォブリングされていることでADIP情報が記録されている。上記フィジカルセクターナンバPSNは、ADIPアドレスとしてインフォメーションゾーンに記録されているものとなる。さらにADIP情報としては、ADIPアドレス以外にPFI(フィジカルフォーマットインフォメーション)と呼ばれる物理フォーマット情報も記録される。
DVD+Rのようなライトワンスメディアの場合は、既に知られているとおり、データゾーンへのユーザーデータの書込を行った後、セッション(或いはディスク全体)をクローズする際に、リードインゾーンに適切な管理方法を記録することで、当該メディアについて他の再生装置でも再生できるようにする。換言すれば、クローズしていない状態(オープン状態)では、リードインゾーンに適切な管理情報が未だ書かれていないため、その時点では再生互換性は無い。
つまり、必要な書込を完了し、新たな書込を行わない時点でクローズ処理することで再生互換性が得られる。そしてその場合は、新たな書込はできないものとなる。一方、オープン状態は、再生互換性は得られていないものの、まだ新たなデータ書込が可能な状態にあるものである。
上記の、リードインゾーン、未記録部分が残っていないデータゾーン、及びリードアウトゾーンから成るセッション構成で記録を完結するということは、クローズ処理を行うことを意味する。
このような事情は、一度DVD+Rとしてのディスクにセッション構成で記録を完結してしまうと、残りの部分が未記録であっても、その未記録部分を永久に利用できなくなってしまうという、ライトワンスディスク特有の問題を生じさせる。
そこで、未記録とされた残りの領域が無駄になるシングルセッションレイアウトの問題を補完し、再生専用装置を最小限に変更するだけで再生互換を確保するマルチセッションの概念が導入されている。即ち一旦セッションをクローズした後も、次のセッションを追記できるようにすることで、未記録部分を利用できるようにする。
なお、DVD+RWのようなリライタブルディスクの場合は、一旦ファイナライズしても、消去を行うことで新たなデータ記録は可能である。
リードインゾーン(リードインエリア)には、ディスクの管理情報が記録される。管理情報としては、ディスク物理フォーマット情報や、ディスクに記録されたユーザーデータのファイル管理情報などが記録される。例えばDVD+R等のライトワンスメディアでは、セッションクローズ(又はディスククローズ)処理によってユーザーデータが確定される時点でリードインゾーンに管理情報が書き込まれる。一方、DVD+RW等のリライタブルディスクでは、ファイナライズ処理によってユーザーデータが確定される際にリードインゾーンに管理情報が記録されるが、書換可能であることから、例えばディスクイジェクト時、ユーザーデータ書込後、その他、各種時点でリードイン書込(更新)が行われる場合がある。どのような時点でリードイン書込が行われるかは、例えばホスト機器において起動されるディスク書込用のアプリケーションによるものとなる。
図2ではリードインゾーン内の管理情報として構造について、そのアドレス位置を先頭PSNで示すと共に、データサイズをセクター数で示している。
リードインゾーン内はリザーブ(未定義)とされる領域を除いて、図示するように、イニシャルゾーン(Initial Zone)、インナーディスクテストゾーン(Inner Disc Test Zone)、インナードライブテストゾーン(Inner Drive Test Zone Layer0)、ガードゾーン1(Guard Zone 1)、インナーディスクアイデェンティフィケーションゾーン(Inner Disc Identification Zone)、リファレンスコードゾーン(Reference Code Zone)、バッファゾーン1(Buffer Zone 1),コントロールデータゾーン(Control Data Zone)、バッファゾーン2(Buffer Zone 2)が形成される。
またインナーディスクアイデェンティフィケーションゾーン内には、ディスクコントロールブロック(DCB)の情報が含まれる。DCBは記録互換情報をディスク上の構成に追加するために用意されている。
ここで、記録可能型のDVDにおいて、2つの記録層を有する2層DVDを考えると、色素変化記録膜もしくは相変化記録膜としての記録層を比較的小さな間隔を置いて2層積層した構造を有するものとなる。
図3には、ディスク1において、2つの記録層としてレイヤ0、レイヤ1を積層した状態を模式的に示している。
このような2層ディスクの記録時においては、ディスクドライブ装置の光ピックアップ3から対物レンズ3aを介して出射するレーザ光をいずれかの記録層に絞り込み、その記録層に信号を記録する。
図4にパラレルトラックパスの場合を示す。
なお、上記したように物理セクターナンバPSN(Physical Sector Number)はディスク盤面上に記録されている実アドレスである。これに対して論理ブロックアドレスLBA(Logical Block Number)はコンピューターで扱う論理的なデータの並びに対して付けられるアドレスである。このPSNとLBAは一対一に対応される。
そしてデータの記録はレイヤ0の内周のStart PSN(=30000h)から始まりレイヤ0のデータエリアの最終であるEnd PSN(0)まで記録される。その、続きはレイヤ1の内周側のStart PSN(=30000h)から外周側のEnd PSN(1)までという記録順序で記録が行われる。
論理ブロックアドレスLBAは、図4(b)に示すように、レイヤ0の内周側から外周側まで、さらにレイヤ1の内周側から外周側までという方向性で、順番に連続に割り振られる。
図5(a)に示すように、オポジットトラックパスの場合、レイヤ0では内周側から外周側にかけてリードインエリア、データエリア、ミドルエリアが形成される。またレイヤ1では外周側から内周側にかけて、ミドルエリア、データエリア、リードアウトエリアが形成される。
そしてデータの記録はレイヤ0の内周のStart PSN(=30000h)から始まりレイヤ0のデータエリアの最終であるEnd PSN(0)まで記録される。その続きはレイヤ1のデータエリアの外周側(反転End PSN(0))から内周側のEnd PSN(1)までという記録順序となる。
論理ブロックアドレスLBAは、図5(b)に示すように、レイヤ0の内周側から外周側まで連続に割り振られた後、レイヤ1では折り返すように外周側から内周側までという方向性で、順番に連続に割り振られる。
また、オポジットトラックパスの場合、層間折り返し部分より外周にはミドルエリアが付加される。これは次の理由による。オポジットトラックパスの場合は、レイヤ0にリードインエリアが形成され、レイヤ1にリードアウトエリアが形成される。このためデータエリアの外周側には、リードインエリア/リードアウトエリアが形成されない。一方で、再生専用装置ではディスク盤面に記録したピットを読むので、ピットの無い領域ではサーボもかからずデータを安定して読み出す事ができない。その為にガードとなる領域が必要になる。この必要性から、外周側にミドルエリアが形成され、例えばダミーデータが記録されて、リードアウトエリアと同様の機能が持たされるものとしている。
上記のディスク1(2層のDVD+R、DVD+RW等)に対応する本実施の形態のディスクドライブ装置(記録再生装置)を図6で説明する。
図6は本例のディスクドライブ装置の要部のブロック図である。
ディスク1は、図示しないターンテーブルに積載され、記録再生動作時においてスピンドルモータ2によって一定線速度(CLV)もしくは一定角速度(CAV)で回転駆動される。そしてピックアップ3によってディスク1にエンボスピット形態、色素変化ピット形態、或いは相変化ピット形態などで記録されているデータの読み出しが行なわれることになる。
またピックアップ3全体はスライド駆動部4によりディスク半径方向に移動可能とされている。
RFアンプ8には、ピックアップ3内の複数のフォトディテクタからの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。例えば再生データであるRF信号、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEなどを生成する。
RFアンプ8から出力される再生RF信号は再生信号処理部9へ、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEはサーボ制御部10へ供給される。
再生信号処理部9は、DRAM11を利用してデコード処理やエラー訂正処理を行う。なおDRAM11は、ホストインターフェース13から得られたデータを保存したり、ホストコンピューターに対してデータ転送する為のキャッシュとしても用いられる。
そして再生信号処理部9は、デコードしたデータをキャッシュメモリとしてのDRAM11に蓄積していく。
このディスクドライブ装置からの再生出力としては、DRAM11にバファリングされているデータが読み出されて転送出力されることになる。
コントローラ12は、例えばマイクロコンピュータで形成され、装置全体の制御を行う。
即ちDRAM11に格納された再生データは、ホストインターフェース13を介してホスト機器に転送出力される。
またホスト機器からのリード/ライトコマンドや記録データ、その他の信号はホストインターフェース13を介してDRAM11にバッファリングされたり、コントローラ12に供給される。
データの記録時においては、DRAM11にバッファリングされた記録データは、変調部14において記録のための処理が施される。即ちエラー訂正コード付加、EFM+変調などの処理が施される。
そしてこのように変調された記録データがレーザ変調回路15に供給される。レーザ変調回路15は、記録データに応じてピックアップ3内の半導体レーザを駆動し、記録データに応じたレーザ出力を実行させ、ディスク1にデータ書込を行う。
ディスク1が色素変化膜を記録層としたライトワンス型のものである場合は、記録パワーのレーザ照射により、色素変化によるピットが形成されていく。
またディスク1が相変化記録層のリライタブルディスクの場合は、レーザー光の加熱によって記録層の結晶構造が変化し、相変化ピットが形成されていく。つまりピットの有無と長さを変えて各種のデータが記録される。また、ピットを形成した部分に再度レーザー光を照射すると、データの記録時に変化した結晶状態が加熱によって元に戻り、ピットが無くなってデータが消去される。
即ちフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、フォーカス/トラッキング駆動回路6に供給する。フォーカス/トラッキング駆動回路6は、ピックアップ3における二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ3、RFアンプ8、サーボ制御部10、フォーカス/トラッキング駆動回路6、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
当然ながら、レイヤ0に対して記録再生を行う場合はレーザ光はレイヤ0に対して合焦状態となっていなければならない。またレイヤ1に対して記録再生を行う場合はレーザ光はレイヤ1に対して合焦状態となっていなければならない。
このようなレイヤ0,1間でのフォーカス位置の移動はフォーカスジャンプ動作により行われる。
フォーカスジャンプ動作は、一方のレイヤで合焦状態にあるときに、フォーカスサーボをオフとして対物レンズを強制的に移動させ、他方のレイヤに対するフォーカス引込範囲内に到達した時点(S字カーブが観測される時点)でフォーカスサーボをオンとすることで実行される。
上記ディスクドライブ装置による2層ディスクに対するユーザデータの記録処理例を説明する。
なお、ディスク1に対しては、ユーザーデータの記録後においてクローズ(ファイナライズ)処理が行われることによって、リードイン、リードアウト、ミドルエリアが適正に形成され、再生互換性が得られることを先に述べた。
また、2層ディスクへのユーザーデータの記録を行った場合で、クローズ(ファイナライズ)が行われていない時点では、レイヤ1の再生が適正に行えないことを、本発明が解決しようとする課題において説明した。
以下説明する本例の記録処理では、2層ディスク1に対して、ユーザーデータの記録動作の途中に記録層移行が行われた場合に、クローズ(ファイナライズ)が行われる前でも、その再生動作に支障がないようにするものである。
図7において、ステップF101では、コントローラ12はユーザーデータ記録処理を開始させる。
なお、一連のユーザーデータ記録を開始するにあたっては、所定サイズのバッファ領域(ガード領域)の形成のために例えばダミーデータの記録を行い、それに続いて実際のユーザーデータ記録が開始される。
ユーザーデータの記録開始後は、ステップF102で、記録層の移行を行うか否かを判断する。例えばコントローラ12は、レイヤ0においてユーザーデータの記録を開始した後において、記録が進行し、レイヤ0におけるユーザーデータの記録可能な最大アドレスに達した際に、レイヤ1への移行を行うと判断する。また、最大アドレスに達しなくても、記録処理を実行させるアプリケーションもしくはホスト機器からの指示、或いは所定の動作プログラムに応じては、レイヤ1への移行を行うこともある。
また、ステップF103では、ユーザーデータの書込が終了したか否かを監視している。
レイヤ0の或るアドレスからユーザーデータの記録を開始した後、レイヤ移行が無いままステップF103で書込終了と判断されたら、ステップF108で書込動作を終了させる処理を行い、一連のユーザーデータの記録処理を終了させる。この場合、レイヤ0内でホスト機器から指示されたユーザーデータの記録を完了した場合である。またレイヤ1の或るアドレスからユーザーデータの記録を開始し、その後ステップF103で書込終了と判断された場合も同様であり、この場合、レイヤ1内でホスト機器から指示されたユーザーデータの記録を完了した場合となる。
通常はこの時点ではガードブロックは形成されていないため、ステップF106に進んでガードブロック形成処理を行う。例えばレイヤ1においてユーザーデータの記録を再開するアドレスの直前の所定範囲の領域にダミーデータの記録を実行させ、ガードブロックとする。
そしてガードブロックの記録処理がユーザーデータの記録再開するアドレスに達したら、ステップF107において、そのアドレスからユーザーデータの記録を再開させる。
ユーザーデータの記録再開後は、ステップF102,F103の監視処理に戻り、2層ディスクの場合はさらなるレイヤの移行はないため、ある時点でステップF103でユーザーデータの書込終了と判断されて、ステップF108で書込動作を終了させて処理を終える。
なお、後述するが3層以上の記録層を有するディスクも考えられ、その場合は、レイヤ移行後も、さらにステップF102でレイヤ移行を行うとされる場合も考えられる。その場合は同様にステップF104〜F107の処理が行われる。
例えばステップF101でのユーザーデータ記録が、図8(a)のレイヤ0におけるアドレスAd1から開始されるとする。すると、データDA1,DA2・・・というようにユーザーデータ記録が進行していく。
そして図8(b)のように、データDA6までの記録が行われ、アドレスAd2に達した時点で、レイヤ1への移行が行われるとする。
レイヤ1では、アドレスAd4からデータDA7の記録を行うものとすると、ステップF106では、アドレスAd3からAd4までダミーデータ記録を行い、ガードブロックGBを形成する。そして、ダミーデータの記録動作がアドレスAd4に達したら、データDA7の記録を開始し、以降、データDA9までの記録を行う。アドレスAd5においてデータDA9までの記録を完了したら、ホスト機器から指示されたユーザーデータ記録を完了したことになるため、ステップF103で書込終了と判断し、ステップF108で書込動作を終了させることになる。
記録動作としては、図8に矢印RECとして示すように、レイヤ0のアドレスAd1からAd2まで行われた後、レイヤ1に移って、アドレスAd3からAd5まで行われることになる。
図8(c)のようにユーザーデータ記録が行われた時点では、まだクローズ(ファイナライズ)は行われていない。従って、リードイン、リードアウト、ミドルエリアは形成されていない。
この状態の時点でユーザーデータの再生を行う場合を考える。
まずレイヤ0のユーザーデータDA1〜DA6は従来例の場合と同じく問題ない。図8には示していないが、上述もしたように、ユーザーデータの記録を開始する際には、先頭のデータの直前には必ずガード領域が形成されることとなっているためである。
例えばアドレスAd1が図5のスタートPSN(=30000h)であるとした場合、リードインエリアの終端のバッファゾーン2(図2参照)の部分のダミーデータ記録が行われる。また既にユーザーデータが記録されていた状態から、今回のユーザーデータ記録処理が行われる場合は、その記録済の領域に後続して今回のユーザーデータ記録が行われるものとなるが、その場合も、所定量のバッファ領域が形成されてからユーザーデータの記録が行われる。
従って、データDA1の再生の際には、その直前の領域で再生信号を得ることができ、例えばRFアンプ8でのゲイン調整、再生信号処理部9でのPLL引込や同期用クロック再生処理などの、再生準備処理を行うことができるため、データDA1からの再生を適正に行うことができる。
即ち、2層ディスクを考えた場合、クローズ(ファイナライズ)前のレイヤ1における再生を的確に実行できないことが想定されたが、本例の処理を行うことで、そのような問題を解消できるものとなる。
次に、他のユーザーデータ記録処理例を図9,図10で説明する。
図9にコントローラ12のユーザーデータ記録処理を示すが、上記図7と同一の処理には同一のステップ番号を付している。この図9の処理では、ステップF101〜F108は図7と同様である。
そしてこの場合は、ステップF101でのユーザーデータ記録の開始に先立って、ステップF98〜F100の処理が行われる。
この予測は、今回記録を開始するアドレスと、記録すべきユーザーデータ量から可能となる。
まず、記録を開始するアドレスが最終レイヤ(2層ディスクの場合レイヤ1)におけるアドレスでないことが層間移行の発生する条件の1つとなる。つまり2層ディスクの場合では、今回のユーザーデータ記録がレイヤ0の或るアドレスから開始される場合である。
記録すべきユーザーデータ量は、ホスト機器からのコマンドに含まれている情報によって判別できる。例えばホスト機器は、予めディスク1に記録させようとするユーザーデータの量がわかっている場合は、そのユーザーデータ量の情報をコントローラ12に知らせることができる。コントローラ12は、ユーザーデータ量がホスト機器からのコマンドによって知ることができた場合は、記録を開始しようとするアドレスからの演算によって、層間移行が発生するか否かを判断できる。つまり、レイヤ0において記録を行う場合、その時点のレイヤ0の残り容量よりユーザーデータ量が多ければ、層間移行が発生すると判断できる。一方、ユーザーデータ量がレイヤ0のみで記録できる量であれば通常は層間移行は発生しない。
このような判断処理によって、ステップF98では、ユーザーデータ記録中に層間移行が発生すると判別できる場合がある。
層間移行が発生すると判別された場合、処理はステップF99に進む。
一方、層間移行が発生しないと判別された場合、又は層間移行の発生の有無が判別できなかった場合は、ステップF101に進むことになる。この場合はステップF101以降の処理として、上記図7と同様の処理が行われることになる。
例えばレイヤ0において記録しようとするユーザーデータ量から、レイヤ0におけるユーザーデータの最終アドレスを算出し、その最終アドレスに対応するレイヤ1のアドレスをレイヤ1でのユーザーデータの記録開始アドレスとする。例えばレイヤ0におけるユーザーデータの最終アドレスにおいてレイヤ1にフォーカスジャンプを行った際のアドレスが記録開始アドレスとなる。
移行先のレイヤ(レイヤ1)でのユーザーデータの記録開始アドレスを判別したら、ステップF100でガードブロック形成処理を行う。即ち、レイヤ1においてユーザーデータの記録を開始するアドレスの直前の所定範囲の領域にダミーデータの記録を実行させ、ガードブロックとする。
このガードブロック形成を行った後、ステップF101に進んで、ユーザーデータの記録を開始させる。ステップF101以降は上述の図7と同様となる。
最初にステップF90〜F100において、層間移行の発生及び移行先レイヤのユーザーデータの記録開始アドレスが判別されてガードブロックGBが形成された場合を図10(a)に示している。例えばアドレスAd4がレイヤ1におけるユーザーデータの記録開始アドレスとされた場合、アドレスAd3〜Ad4の間にダミーデータ記録が行われてガードブロックGBが形成される。
その後、例えばステップF101でのユーザーデータ記録がレイヤ0におけるアドレスAd1から開始されるとすると、図10(b)のようにユーザデータDA1,DA2・・・の記録が行われていく。そしてデータDA6までの記録が行われ、アドレスAd2に達した時点で、レイヤ1への移行が行われるとすると、レイヤ1では既にガードブロックGBが形成されているため、図10(c)のように、アドレスAd4からデータDA7の記録が開始される。その後、データDA9までの記録を行って記録動作が終了される。
記録動作としては、図10に矢印RECとして示すように、最初にレイヤ1のアドレスAd3〜Ad4にガードブロック形成のための記録が行われ、その後レイヤ0のアドレスAd1からAd2まで、及びレイヤ1でのアドレスAd4からAd5までのユーザーデータの記録が行われることになる。
この処理例でも、レイヤ1にガードブロックGBが形成されることで、レイヤ1でのユーザーデータの再生に支障が無いことは、上記図7の処理例の場合と同様である。
またこの処理例の場合は、ユーザーデータの記録途中でガードブロックGBの記録動作が介在することはないため、例えばユーザーデータが高転送レートでホスト機器から供給されるような場合に好適である。
ところで、上記各例の処理によってガードブロックGBが形成される様子としては、図8,図10において、2層ディスク、オポジットトラックパス、レイヤ0の記録終端アドレスに対応するレイヤ1上のアドレスがレイヤ1での記録開始アドレスとなる、という条件下で示した。
ここでは、上記処理によってガードブロックGBが形成される様子として上記以外の各種の例を挙げておく。
この場合、ユーザーデータDA1〜DA5がレイヤ0のアドレスAd11〜Ad12に記録される。そして層間移行を行った後、ユーザーデータDA6〜DA8がレイヤ1のアドレスAd14〜Ad15に記録される。このとき、レイヤ0の記録終端アドレスAd12とレイヤ1の記録開始アドレスAd14は層方向に対応するアドレスではない。
このような記録が行われる場合も、上記図7又は図9の処理により、ガードブロックGBはユーザーデータDA6の直前の領域、例えばアドレスAd13〜Ad14の範囲において形成される。
即ち、レイヤ0,1においてそれぞれどのような範囲でユーザーデータ記録が行われる場合でも、そのユーザーデータ記録過程で層間移行があるのであれば、レイヤ1でのユーザーデータの記録開始アドレスの直前の領域がガードブロックGBとされればよいものである。
図12(a)は、例えばアドレスAd21はレイヤ0のデータゾーンの先頭、アドレスAd24はレイヤ1でのデータゾーンの先頭であるとする。
レイヤ0においてはデータゾーンの先頭であるアドレスAd21からアドレスAd22の範囲にユーザーデータDA1〜DA7が記録される。そして残りのデータDA8は、レイヤ1に移行して、そのデータゾーンの先頭(アドレスAd24)からアドレスAd25の範囲に記録されるとする。
この場合、上記図7又は図9の処理でガードブロックGBが記録されるのは、アドレスAd24の直前の領域(Ad23〜Ad24)となる。なお、パラレルトラックパスの場合、レイヤ1においてデータゾーンの先頭より内周側はリードインゾーンとなる。このためアドレスAd24の直前の領域(Ad23〜Ad24)とは、例えば図2のバッファゾーン2としての領域であればよい。
この場合、上記図7又は図9の処理でガードブロックGBが記録されるのは、アドレスAd34の直前の領域(Ad33〜Ad34)となる。
即ちこの図12(a)(b)のように、パラレルトラックパスの場合も、レイヤ1でのユーザーデータの記録開始アドレスの直前の領域がガードブロックGBとされればよいものである。
図13(a)では、ユーザーデータDA1〜DA16を記録する場合であり、図示するように、まずレイヤ0において内周側から外周側にデータDA1〜DA6が記録され、続いてレイヤ1では外周側から内周側に向かってデータDA7〜DA12が記録され、さらにレイヤ2では内周側から外周側に向かってデータDA13〜DA16が記録された場合を示している。
この場合、上記図7又は図9の処理でガードブロックGBが形成されるのは、レイヤ1におけるユーザーデータDA7より外周側となる所定範囲の領域と、レイヤ2においてユーザーデータDA13より内周側となる所定範囲の領域となる。
図13(b)は、ユーザーデータDA1〜DA7を記録する場合であり、特にレイヤ1の途中から記録が開始された場合である。この場合、レイヤ1では外周側から内周側に向かってデータDA1〜DA4が記録され、層間移行して後レイヤ2では内周側から外周側に向かってデータDA5〜DA7が記録された状態を示している。
この場合、上記図7又は図9の処理でガードブロックGBが形成されるのは、レイヤ2においてユーザーデータDA5より内周側となる所定範囲の領域となる。
即ち3層ディスクの場合も、ユーザーデータ記録の際に層間移行が発生したら、その移行先のレイヤにおいてユーザーデータ記録開始位置に先立つ領域にガードブロックGBが形成されればよいものである。
3層のパラレルトラックパスの場合、さらには4層以上の記録層のディスク(オポジットトラックパス/パラレルトラックパス)の場合も、考え方は同様である。
まずDVD方式の2層の記録可能タイプのディスクとしてDVD+R、DVD+RWを例に挙げて述べたが、もちろん同様にDVD−R、DVD−RW、DVD−RAMなどとしての複数記録層のディスクについても、上述のようにユーザーデータ記録過程での層間移行に対応してガードブロックGBを形成することが好適である。
また、DVD方式のディスクに限らず、CD方式、ブルーレイディスク方式など、他の種のディスク、さらにはディスク以外のメディアでも、複数記録層の記録媒体として、本発明は有用である。
Claims (5)
- データ書き込み可能な複数の記録層を有する記録媒体に対する記録装置において、
上記各記録層に対してデータの記録を行う記録手段と、
上記記録手段によるユーザーデータの記録動作において、或る記録層から次の記録層へと記録位置の移行が行われる場合に、移行する記録層のユーザーデータ記録開始位置に至る領域にガード領域を形成するための記録動作を上記記録手段に実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする記録装置。 - 上記制御手段は、上記ガード領域を形成するための記録動作は、上記或る記録層におけるユーザーデータの記録を終えて記録層を移行した際に、その移行先の記録層でのユーザーデータの記録開始に先だって実行させることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- ユーザーデータの記録に先立って、記録層の移行後のユーザーデータの記録開始位置を判別する判別手段をさらに備え、
上記制御手段は、上記ガード領域を形成するための記録動作を、上記判別手段で判別された上記移行位置に基づいて、ユーザーデータの記録開始前に実行させることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - データ書き込み可能な複数の記録層を有する記録媒体に対する記録方法として、
或る記録層に対してユーザーデータの記録を行う第1のユーザーデータ記録ステップと、
上記或る記録層でのユーザーデータ記録を終えることに応じて、次の記録層へ移行し、ガード領域を形成するガード領域形成ステップと、
上記ガード領域に続いてユーザーデータ記録を行う第2のユーザーデータ記録ステップと、
を備えることを特徴とする記録方法。 - データ書き込み可能な複数の記録層を有する記録媒体に対する記録方法として、
ユーザーデータの記録過程において或る記録層から次の記録層へと記録位置の移行が行われることが予測される場合に、移行後の記録層におけるユーザーデータの記録開始位置の判別を、ユーザーデータの記録に先立って行う判別ステップと、
上記判別ステップの判別結果に応じて、上記次の記録層においてガード領域を形成するガード領域形成ステップと、
上記或る記録層から次の記録層にわたってユーザーデータの記録を行うユーザーデータ記録ステップと、
を備えることを特徴とする記録方法。
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