JP4633824B2 - 記録媒体、記録装置、記録方法 - Google Patents
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Description
これら光記録媒体においては、さらに記録容量を高めるための技術開発が盛んに行われている。そして従来の光ディスクの情報記録の高密度化は、当該ディスク記録面における記録密度を上げることを主眼にしてきた。例えば記録ビームを発射する光源の短波長化や再生系の信号処理と組み合わせて、トラックピッチを詰めたり、記録及び読み取り走査における線速方向に記録密度を上げる試みがなされてきた。
そこで大容量化の手法を3次元的に考えることも行われている。すなわちディスクの厚さ方向へ記録情報の高密度化を進めるために情報記録層を積層して形成された多層ディスクが注目されている。
例えば上記特許文献1ではDVD−ROM等において2層の記録層とされた場合に適用できる技術が開示されている。
そして今後は、ROMタイプディスクだけではなく、相変化材料、光磁気材料、色素材料などの記録可能な記録層を積層した、記録可能な多層記録媒体の実用化が期待されている。例えばDVD方式のディスクで言えば、DVD−R、DVD+Rなどと呼ばれるライトワンス型のディスク、或いはDVD−RW、DVD+RWなどと呼ばれるリライタブル型のディスクなどでも、多層記録層の実現が想定されている。
ここで、上記DVD−ROMのような再生専用ディスクの場合、予めディスクに記録されるデータ量が既知であることや、ユーザーデータの書き込みが行われないことなどから、層間移行の折り返し位置は固定的であり、その位置が例えばリードインエリアにおける管理情報内に記録されていればよい。具体的には、例えばレイヤ0の終端位置としての情報が記録されていればよい。
例えば記録可能タイプのディスクでは、データ記録の後にディスク全体をクローズ(ファイナライズとも呼ばれる)することによってはじめてリードインエリアの情報などが確定されるものであり、その場合、ディスククローズがなされるまでは、折り返し位置情報は記録されない。
またいわゆるマルチセッション方式での追記が行われる場合は、第1セッションのクローズ時にリードインエリアの情報が書き込まれることなどから、実際の折り返し位置情報が反映されない。例えば第1セッションのクローズ後に第2セッションの記録が行われ、その第2セッションがレイヤ0からレイヤ1にまたがっていた場合、その実際の折り返し位置情報はリードインエリアの情報として記録されない。
これらのことから、実際にはディスク記録再生装置にとっては、折り返し位置が明確に把握できない事態が発生し、ディスクの互換性や使用性を損ねるという問題が生ずる。
また上記制御手段は、上記記録手段による記録動作が行われた記録媒体を排出する際において、記録媒体上のクローズしていないセッション内で、或る記録層から次の記録層へのデータ記録の移行が行われていた場合に、上記層間折り返し位置情報の記録を実行させる。
また上記制御手段は、上記記録手段による記録動作により、或る記録層から次の記録層へのデータ記録の移行が行われる際に、上記層間折り返し位置情報の記録を実行させる。
また上記制御手段は、外部のホスト機器からの指示に応じて、上記層間折り返し位置情報の記録を実行させる。
また上記折り返し位置情報記録ステップは、上記記録ステップにより記録動作が行われた記録媒体を排出する際において、記録媒体上のクローズしていないセッション内で、或る記録層から次の記録層へのデータ記録の移行が行われていた場合に、実行される。
また上記折り返し位置情報記録ステップは、上記記録ステップの記録動作により、或る記録層から次の記録層へのデータ記録の移行が行われる際に実行される。
また上記折り返し位置情報記録ステップは、外部のホスト機器からの指示に応じて実行される。
また、マルチセッション記録が行われるディスクについては、セッションがクローズされる際にそのセッションについての正しい層間折り返し位置情報が記録されることになり、その場合も、記録装置や再生装置でが正しい層間折り返し位置情報を把握できる。
従って、記録装置や再生装置では、ディスククローズ前或いはセッションクローズ前の段階のディスク、さらにはマルチセッション記録が行われるディスクについても、正しく層間折り返し位置情報を把握できることになり、記録媒体を用いた記録再生システムの互換性や使用性を向上できるという効果がある。
具体的には、或る記録装置で記録を行ったクローズ前のディスクを他の記録装置でも適切な記録動作が可能になる。また、或る記録装置で記録を行ったマルチセッションディスクを、他の記録装置や再生装置でも良好に記録又は再生できることになる。そしてこれによりユーザーの使用性も向上される。
さらには、記録媒体を排出する際において、記録媒体上のクローズしていないセッション内で、或る記録層から次の記録層へのデータ記録の移行が行われていた場合に、上記層間折り返し位置情報の記録を実行させることで、クローズ前のディスクにおいて層間折り返し位置情報の記録を適切に実現できる。
もちろんホスト機器からの指示に応じて層間折り返し位置情報の記録が行われる場合も同様である。
また、記録動作により或る記録層から次の記録層へのデータ記録の移行が行われる際に層間折り返し位置情報を記録するようにすれば、層間折り返しという事象が発生した際に、直ぐにその層間折り返し位置情報が記録媒体上に確保されることになり、例えばその後に電源遮断などがあっても正しい層間折り返し位置情報を得ることができる。
1.ディスク
1−1 記録層のエリア構造
1−2 2層ディスク
1−3 層間折り返し位置情報の記録例I
1−4 層間折り返し位置情報の記録例II
2.ディスクドライブ装置
2−1 装置構成
2−2 セッションクローズ処理
2−3 イジェクト時の処理
2−4 層間折り返し発生時のSDCB更新処理
3.変形例
1−1 記録層のエリア構造
本実施の形態では、大容量ディスク記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)を例に挙げ、また後述するディスクドライブ装置は、DVDとしてのディスクに対して記録再生を行う装置とする。
このような使用形態を考慮し、DVDの論理フォーマットは装置間の記録互換、再生互換を円滑にする為に策定されている。
図示するように、DVD+Rの記録層における論理的なデータレイアウトとしては、ディスク内周側から外周側にかけて、インフォメーションゾーン(Information Zone)が形成される。このインフォメーションゾーンは、データの記録互換、再生互換を確保するために必要な情報を全て含んでいる領域である。
インフォメーションゾーンは、1つ或いは複数のセッションを含むものとなる。
[1]インナードライブエリア
[2]リードインゾーン(リードインエリアともいう)
[3]データゾーン(データエリアともいう)
[4]リードアウトゾーン(リードアウトエリアともいう)
[5]アウタードライブエリア
インナードライブエリアとアウタードライブエリアは記録装置専用の領域である。情報の記録を行う時には、正しい記録マークが形成できるように記録時のレーザーパワーを調整しなくてはならない。このため、最適記録条件を求めるためのテスト記録に使用できるテストゾーンと記録条件にかかわる管理情報を記録できる領域が、インナードライブエリアとアウタードライブに形成される。そしてテストゾーンはテスト記録により記録状態が不均一になることから、再生専用装置で支障なくアクセスできる保障はないので、再生専用装置がアクセスできないところに配置されている。
図示するように、例えばディスク内周側から外周側に掛けてフィジカルセクターナンバの値は増加されていく。DVD+Rの場合、PSN=2FFFFh(hを付した数値は16進表現)がリードインゾーンの終端とされ、PSN=30000hからデータゾーンが開始される。
データゾーンは、基本的にはユーザーデータの書込が行われる領域であり、またリードインゾーンは、管理情報の書込が行われる。またリードアウトゾーンは例えば再生専用ディスクとの互換維持などの目的からダミーデータの書込が行われるが、管理情報の書込が行われる場合もある。
ライトワンスメディアの場合は、既に知られているとおり、データゾーンへのユーザーデータの書込を行った後、セッション(或いはディスク全体)をクローズする際に、リードインゾーンに適切な管理方法を記録することで、当該メディアについて他の再生装置でも再生できるようにする。換言すれば、クローズしていない状態(オープン状態)では、リードインゾーンに適切な管理情報が未だ書かれていないため、その時点では再生互換性は無い。
つまり、必要な書込を完了し、新たな書込を行わない時点でクローズ処理することで再生互換性が得られる。そしてその場合は、新たな書込はできないものとなる。一方、オープン状態は、再生互換性は得られていないものの、まだ新たなデータ書込が可能な状態にあるものである。
このような事情は、一度DVD+Rとしてのディスクにセッション構成で記録を完結してしまうと、残りの部分が未記録であっても、その未記録部分を永久に利用できなくなってしまうという、ライトワンスディスク特有の問題を生じさせる。
そこで、未記録とされた残りの領域が無駄になるシングルセッションレイアウトの問題を補完し、再生専用装置を最小限に変更するだけで再生互換を確保するマルチセッションの概念が導入されている。
各セッションは、
[1]イントロ(Intro)
[2]データゾーン
[3]クロージャ(Closure)
から構成される。
そして1つのセッションは、オープニング(オープン処理)によりデータ記録が可能になり、クロージング(クローズ処理)により完結する。
インフォメーションゾーンにおいて、リードインゾーンからリードアウトゾーンまでの領域に、先頭から順に、セッション1、セッション2・・・セッションNが形成されていく。
最初のセッション1は、リードインゾーン、データゾーン、クロージャで形成される。
セッション2は、イントロ、データゾーン、クロージャで形成される。
最後のセッションNは、イントロ、データゾーン、リードアウトゾーンで形成される。
また最後のセッションNは、図1のデータゾーンに後続するリードアウトゾーンを含むものとなる。
そして、上記のように1つのセッションは、リードインゾーン、データゾーン、及びリードアウトゾーンにより完結する必要があるが、マルチセッションディスクの場合、全てのセッションが、リードインゾーン及びリードアウトゾーンを含むことはできなくなるため、イントロ及びクロージャとしての領域が形成されるものである。
例えばセッション1ではリードアウトゾーンに換えてクロージャが形成され、またセッション2では、リードインゾーンに代わるイントロ及びリードアウトゾーンに代わるクロージャが形成され、最後のセッションNではリードインゾーンに代わるイントロが設けられる。
そして、図2に示すセッション1のデータゾーンから、セッションNのデータゾーンまでは、図1で言うデータゾーンに含まれることになる。つまりイントロ及びクロージャは図1で言うデータゾーン内であり、これが上記したように、イントロ及びクロージャが、属性として通常のデータとして記録される理由となる。
また、リードアウトゾーンにはアウターディスクアイデンティフィケーションゾーンが設けられる。
イントロにはインナーセッションアイデンティフィケーションゾーンが設けられる。
クロージャにはアウターセッションアイデンティフィケーションゾーンが設けられる。
ディスクコントロールブロック(DCB)は、記録互換情報をディスク上の構成に追加するために用意されているものである。
ディスクコントロールブロック(DCB)の一般フォーマットは図3のようになり、セクター0〜セクター15の16物理セクターから成る。1物理セクターは2048バイトである。
全てのディスクコントロールブロック(DCB)の最初の40バイト(バイト位置D0〜D39)は、同一のフォーマットを有している。
図示するように、ディスクコントロールブロック(DCB)には、コンテントディスクリプタや、ドライブIDなどの情報が含まれる。
各アイデンティフィケーションゾーンには最大16個のDCBを記録できる。
オープンセッションのリードインまたはイントロは、オープンセッション自身の構成と全ての以前のセッション位置を記述するSDCBを有する。そしてセッションがクローズするとき、インナーアイデンティフィケーションゾーンにあるSDCBが更新され、一個のコピーがアウターアイデンティフィケーションゾーンに記録されるものとなる。
ここで、記録可能型のDVDにおいて、2つの記録層を有する2層DVDを考えると、色素変化記録膜もしくは相変化記録膜としての記録層を比較的小さな間隔を置いて2層積層した構造を有するものとなる。
図4には、ディスク1において、2つの記録層としてレイヤ0、レイヤ1を積層した状態を模式的に示している。
このような2層ディスクの記録時においては、ディスクドライブ装置の光ピックアップ3から対物レンズ3aを介して出射するレーザ光をいずれかの記録層に絞り込み、その記録層に信号を記録する。
図5にパラレルトラックパスの場合を示す。
なお、上記したように物理セクターナンバPSN(Physical Sector Number)はディスク盤面上に記録されている実アドレスである。これに対して論理ブロックアドレスLBA(Logical Block Number)はコンピューターで扱う論理的なデータの並びに対して付けられるアドレスである。このPSNとLBAは一対一に対応される。
そしてデータの記録はレイヤ0の内周のStart PSN(=30000h)から始まりレイヤ0のデータエリアの最終であるEnd PSN(0)まで記録される。その、続きはレイヤ1の内周側のStart PSN(=30000h)から外周側のEnd PSN(1)までという記録順序で記録が行われる。
論理ブロックアドレスLBAは、図5(b)に示すように、レイヤ0の内周側から外周側まで、さらにレイヤ1の内周側から外周側までという方向性で、順番に連続に割り振られる。
図6(a)に示すように、オポジットトラックパスの場合、レイヤ0では内周側から外周側にかけてリードインエリア、データエリア、ミドルエリアが形成される。またレイヤ1では外周側から内周側にかけて、ミドルエリア、データエリア、リードアウトエリアが形成される。
そしてデータの記録はレイヤ0の内周のStart PSN(=30000h)から始まりレイヤ0のデータエリアの最終であるEnd PSN(0)まで記録される。その続きはレイヤ1のデータエリアの外周側(反転End PSN(0))から内周側のEnd PSN(1)までという記録順序となる。
論理ブロックアドレスLBAは、図6(b)に示すように、レイヤ0の内周側から外周側まで連続に割り振られた後、レイヤ1では折り返すように外周側から内周側までという方向性で、順番に連続に割り振られる。
また、オポジットトラックパスの場合、層間折り返し部分より外周にはミドルエリアが付加される。これは次の理由による。オポジットトラックパスの場合は、レイヤ0にリードインエリアが形成され、レイヤ1にリードアウトエリアが形成される。このためデータエリアの外周側には、リードインエリア/リードアウトエリアが形成されない。一方で、再生専用装置ではディスク盤面に記録したピットを読むので、ピットの無い領域ではサーボもかからずデータを安定して読み出す事ができない。その為にガードとなる領域が必要になる。この必要性から、外周側にミドルエリアが形成され、例えばダミーデータが記録されて、リードアウトエリアと同様の機能が持たされるものとしている。
上記図5,図6の例では、データゾーン(データエリア)をいっぱいに使用してシングルセッション構成で記録した状態を仮定して示した。
ここで再生専用ディスク(DVD−ROM、DVD−Video等)における2層ディスクについて述べる。再生専用ディスクでは、リードインエリア内(図2のリードインと同内容)の情報により、層間折り返し位置が判別できる仕組みになっている。
DVD方式のリードインエリアの構造は、図2のリードインエリアを参照してわかるように、コントロールデータゾーンが設けられ、このコントロールデータゾーン内には、図7に示すようなフィジカルフォーマットインフォメーションが記録されている。
そして、このフィジカルフォーマットインフォメーションにおいてバイト位置4〜15とされるデータエリアアロケーションは、図8のように定義されている。なお、図8は、シングルレイヤディスク、2層ディスクでパラレルトラックパスのディスク、及び2層ディスクでオポジットトラックパスのディスクについて、それぞれ示している。
そしてバイト位置13〜15は、シングルレイヤディスク及びパラレルトラックパスのディスクでは有効な情報は記録されないが、オポジットトラックパスのディスクの場合は、レイヤ0の最終セクターナンバが記録される。これは層間折り返し位置情報である。ディスクドライブ装置では、この情報から、レイヤ0でのデータの終端位置を把握し、この続きのデータがレイヤ1に記録されることがわかる。
再生専用でシングルレイヤディスクは、当然ながら層間折り返し位置情報は必要ない。
再生専用でパラレルトラックパスのディスクでは、上記各記録層にリードインエリアが設けられている。そして各記録層については、そのリードインエリアにおいて、上記図8のバイト位置9〜11のデータエリアの終了セクターナンバを確認すれば、その記録層の終了位置がわかる。従って、各記録層でのデータ終端がわかるため、バイト位置13〜15の情報は必要ない。
再生専用でオポジットトラックパスのディスクでは、リードインエリアはレイヤ0のみに設けられる。そして、図8のバイト位置9〜11のデータエリアの終了セクターナンバとは、例えばレイヤ1におけるリードアウトの直前のアドレスとなる。このため、この情報からは層間折り返し位置が把握できない。そこでバイト位置13〜15の層間折り返し位置情報が記録されるものである。
しかしながら、DVD+Rなどの記録可能タイプのディスクであって、しかも2層など複数の記録層を有するディスクでは、このような情報のみでは、実際上不都合がある。
これは、記録可能タイプのディスクでは、あらかじめ将来的にそのディスクに記録されるデータ量がわかっておらず、また順に記録が行われてディスクの状態が刻々と変わっていくためである。ディスク状態又はセッション状態は、クローズ処理ではじめて確定される。
するとクローズ処理がされる前のオープン状態では、リードインエリアにおいて上記図8のような情報が有効な情報として存在しないことになる。つまり既に層を跨いだ記録が行われたとしても、オープン状態である限りは、その層間折り返し位置がわからない。
例えばオープン状態のまま記録装置からディスクが取り出され、他の記録装置に装填された場合などを想定すると、その他の記録装置では、層間折り返し位置を把握できないものとなり、動作に支障を来す。
図9では、オポジットトラックパスのディスクを例に挙げる。
図9(a)(b)において「UA」はピットが存在しない領域(Unrecorded Area)、「DA1」〜「DA12」は記録されたユーザーデータ、「LI0」はレイヤ0のリードイン、「LO1」はレイヤ1のリードアウト、「MA0」はレイヤ0のミドルエリア、「MA1」はレイヤ1のミドルエリアを示している。
この状態は、未だ記録可能状態(オープン状態)であり、リードインエリアとリードアウトエリアが付加されない。
従って上記図7,図8で説明したフィジカルフォーマットインフォメーションが存在しないので、データの層間折り返し位置は不明となる。
この図9(b)の状態になることで、上記図7,図8で説明したフィジカルフォーマットインフォメーションの情報を参照でき、データの層間折り返し位置もわかるものとなる。
この図9ではオポジットトラックパスの2層ディスクを例に挙げたが、パラレルトラックパスの2層ディスクでも同様な事が言える。
そして以上のことから、記録互換を確保する上でも層間折り返し位置が記録媒体のどこかに一時保管あるいは永久保管される事が必要とされる。
この図10では、セッション1としてユーザーデータDA1〜DA6を記録し、またセッション2としてユーザーデータDA7〜DA12を記録した場合を示している。セッション2において、層間折り返しが行われたとする。
この場合、セッション1、2がクローズされたが、ディスク全体としては更に新たなセッションを追加できる。従ってセッション1はリードインエリアLI0とユーザーデータDA1〜DA6と、クロージャCL1で形成される。またセッション2は、イントロIT2と、ユーザーデータDA7〜DA12と、クロージャCL2で形成される。
このようなことを考えると、セッション2がクローズされた時にイントロIT2に層間折り返し位置情報が付加されれば、層間折り返し位置情報をすんなり取得する事ができて好適といえる。
上記図2で説明したように、リードインエリア、イントロ、クロージャ、リードアウトエリアには、アイデンティフィケーションゾーンが設けられ、その中にディスクコントロールブロック(DCB)が用意される。
ここでDVD+Rでは、複数のセッション状態を反映するためにセッションDCB(SDCB)が定義されていると述べた。
SDCBは図3のDCBを拡張的に定義するものであり、従って16物理セクターの領域となる。
そして図11のSDCBは、図3のDCBと比較してわかるように、物理セクター0のバイト位置D0〜D39までは、同様である。
SDCBの場合、バイト位置D40にはセッションナンバが記録される。
そしてバイト位置D42〜D45の4バイトが、層間折り返し位置情報として、レイヤ0の最終セクターナンバ(End sector number in Layer0)が記録される領域とされる。
なお、このバイト位置D42〜D45は、従来のSDCBではリザーブ(未定義)とされていた領域である。
またバイト位置D64〜D95にはディスクIDが記録され、バイト位置D96〜D127はアプリケーションに応じて所定のデータ記録が行われる。
またバイト位置D128以降は、N個のセッションアイテムが記録される。セッションアイテムは1単位16バイトのデータである。セッションアイテムについては後述する。
SDCBにおける層間折り返し位置情報を記録については、ディスクドライブ装置の処理として後述する。
ところで、層間折り返し位置情報については、同じくSDCBにおいてセッションアイテムに記録することも考えられる。この例を説明する。
上記図11に示したようにSDCBには1単位16バイトのセッションアイテムをN個記録できる領域が用意されている。
本例では、このセッションアイテムとして、図12(a)に示すように3つのタイプ(タイプ1,タイプ2,タイプ3)を定義する。タイプ1,タイプ2は既に定義されているものであり、タイプ3が、層間折り返し位置情報の記録のために新規定義される情報となる。
ここで、フラグメントについて図13で説明しておく。
図13(a)は、1つのセッションの構成を示しており、図2で説明したように1つのセッションは、リードイン又はイントロと、データゾーンと、リードアウト又はクロージャで構成される。そしてデータゾーンにおいては、図示するように複数のフラグメントFrag#1〜Frag#nで構成される。このフラグメントFrag#1〜Frag#nは、1つのセッション内での追記単位となる。例えばセッションをクローズする前の時点では、データ書込はフラグメントとしての単位で行われ、1つのデータ書込が完了、つまり1つのフラグメントが形成された時点で、その管理情報を有するSDCBがアイデンティフィケーションゾーンに書き込まれる。
そして、1つのフラグメントが記録された時点で1つのSDCBを記録(つまりSDCBを更新)するということは、1つのセッションにおいては最大16個のフラグメントを記録できるものとなる。
1つのフラグメントが形成された時点で1つのSDCBが記録されることで、そのセッションがクローズされる前ので時点でも、既に記録したフラグメントの情報が管理できるものとなっている。
例えば図13(b)(c)において、最初にフラグメントFrag#1が記録された時点では、それに応じて最初のSDCB#1が記録される。このSDCB#1にはフラグメントFrag#1の管理情報が含まれる。その後、次の複数のフラグメントFrag#2が記録されると、SDCB#2が記録される。このSDCB#2にはフラグメントFrag#1,#2の管理情報が含まれるものとなる。SDCB#1はこの時点で無効となる。
但し、SDCBはフラグメントに対応してのみ書き込まれるものではなく、他の事情に応じて1つのSDCBが追加記録される場合もある。図13(b)(c)では、例えばフラグメントFrag#3の記録が完了する前に、或る事情で1つのSDCB#3が記録された状況を破線で示している。この場合、フラグメントFrag#3が記録された時点ではSDCB#4が記録されることになる。
なお、1つのフラグメントの形成に応じては、必ず1つのSDCBが記録されるため、このSDCB#3のように、フラグメントFragの記録完了以外の理由でSDCBが記録される場合、そのセッション内において形成可能なフラグメントFragの数は16より少なくなる。
セッションアイテムのタイプ1(フラグメントアイテム)の内容は、図12(b)のようになる。
16バイトのセッションアイテムにおいて、バイト位置0〜2の3バイトは、フラグメントアイテムディスクリプタとされる。これは、当該セッションアイテムが「タイプ1」、つまりフラグメントアイテムであることを示す値とされる。
バイト位置3,4の2バイトには、フラグメントナンバが記録される。即ち当該フラグメントアイテムが対応するフラグメントFragのナンバ(#1〜最大#16のうちのいずれか)である。
バイト位置5〜7の3バイトには、フラグメントスタートアドレスが記録される。即ちフラグメントアイテムが対応するフラグメントFragの開始アドレスが記録される。
バイト位置8〜10の3バイトには、フラグメントエンドアドレスが記録される。即ち当該フラグメントアイテムが対応するフラグメントFragの終了アドレスが記録される。
例えば図13(c)のフラグメントFrag#1が記録された後に図13(b)のSDCB#1が記録される場合、そのSDCB#1にはフラグメントFrag#1に対応する1つのフラグメントアイテムが含まれる。
またフラグメントFrag#2が記録されてSDCB#2が記録される場合、そのSDCB#2にはフラグメントFrag#1、Frag#2にそれぞれ対応する2つのフラグメントアイテムが含まれるものとなる。
即ち16バイトのセッションアイテムにおいて、バイト位置0〜2の3バイトは、レイヤアイテムディスクリプタとされる。これは、当該セッションアイテムが「タイプ3」、つまりレイヤアイテムであることを示す値とされる。
バイト位置3,4の2バイトには、レイヤナンバが記録される。
バイト位置8〜10の3バイトには、レイヤエンドアドレスが記録される。即ちこれは、当該レイヤでの終端アドレスであり、つまり層間折り返し位置情報となる。
そしてSDCBは、リードインエリア、イントロ、クロージャ、リードアウトエリアにおけるアイデンティフィケーションゾーン内とされるため、必要に応じて必要なエリア(リードインエリア、イントロ、クロージャ、リードアウトエリアのいずれか)におけるSDCBに、層間折り返し位置情報が記録されれば、上記図9又は図10を用いて説明した不都合を解消することができる。
2−1 装置構成
上記の各例のようにSDCB内として層間折り返し位置情報を記録するディスク1(2層DVD+R等)に対応する本実施の形態のディスクドライブ装置を図14で説明する。
図14は本例のディスクドライブ装置の要部のブロック図である。
ディスク1は、図示しないターンテーブルに積載され、記録再生動作時においてスピンドルモータ2によって一定線速度(CLV)もしくは一定角速度(CAV)で回転駆動される。そしてピックアップ3によってディスク1にエンボスピット形態、色素変化ピット形態、或いは相変化ピット形態などで記録されているデータの読み出しが行なわれることになる。
またピックアップ3全体はスライド駆動部4によりディスク半径方向に移動可能とされている。
RFアンプ8には、ピックアップ3内の複数のフォトディテクタからの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。例えば再生データであるRF信号、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEなどを生成する。
RFアンプ8から出力される再生RF信号は再生信号処理部9へ、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEはサーボ制御部10へ供給される。
再生信号処理部9は、DRAM11を利用してデコード処理やエラー訂正処理を行う。なおDRAM11は、ホストインターフェース13から得られたデータを保存したり、ホストコンピューターに対してデータ転送する為のキャッシュとしても用いられる。
そして再生信号処理部9は、デコードしたデータをキャッシュメモリとしてのDRAM11に蓄積していく。
このディスクドライブ装置からの再生出力としては、DRAM11にバファリングされているデータが読み出されて転送出力されることになる。
コントローラ12は、例えばマイクロコンピュータで形成され、装置全体の制御を行う。
即ちDRAM11に格納された再生データは、ホストインターフェース13を介してホスト機器に転送出力される。
またホスト機器からのリード/ライトコマンドや記録データ、その他の信号はホストインターフェース13を介してDRAM11にバッファリングされたり、コントローラ12に供給される。
データの記録時においては、DRAM11にバッファリングされた記録データは、変調部14において記録のための処理が施される。即ちエラー訂正コード付加、EFM+変調などの処理が施される。
そしてこのように変調された記録データがレーザ変調回路15に供給される。レーザ変調回路15は、記録データに応じてピックアップ3内の半導体レーザを駆動し、記録データに応じたレーザ出力を実行させ、ディスク1にデータ書込を行う。
ディスク1が色素変化膜を記録層としたライトワンス型のものである場合は、記録パワーのレーザ照射により、色素変化によるピットが形成されていく。
またディスク1が相変化記録層のリライタブルディスクの場合は、レーザー光の加熱によって記録層の結晶構造が変化し、相変化ピットが形成されていく。つまりピットの有無と長さを変えて各種のデータが記録される。また、ピットを形成した部分に再度レーザー光を照射すると、データの記録時に変化した結晶状態が加熱によって元に戻り、ピットが無くなってデータが消去される。
即ちフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、フォーカス/トラッキング駆動回路6に供給する。フォーカス/トラッキング駆動回路6は、ピックアップ3における二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ3、RFアンプ8、サーボ制御部10、フォーカス/トラッキング駆動回路6、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
当然ながら、レイヤ0に対して記録再生を行う場合はレーザ光はレイヤ0に対して合焦状態となっていなければならない。またレイヤ1に対して記録再生を行う場合はレーザ光はレイヤ1に対して合焦状態となっていなければならない。
このようなレイヤ0,1間でのフォーカス位置の移動はフォーカスジャンプ動作により行われる。
フォーカスジャンプ動作は、一方のレイヤで合焦状態にあるときに、フォーカスサーボをオフとして対物レンズを強制的に移動させ、他方のレイヤに対するフォーカス引込範囲内に到達した時点(S字カーブが観測される時点)でフォーカスサーボをオンとすることで実行される。
本例のディスクドライブ装置では、上記のように層間折り返しがあった場合に、層間折り返し位置情報をディスク1に記録することになる。
この層間折り返し位置情報の記録は、例えばセッションクローズの際や、セッションクローズを行わないままディスク1をイジェクトする際などに行われる。
まずここでは、セッションクローズ処理において層間折り返し位置情報を記録する処理を述べる。
例えば上記図9(a)のようにユーザーデータを記録した後、ホスト機器からの指示に応じてセッションクローズを行う場合や、例えば図10のようにマルチセッション記録において、或るセッションに対するセッションクローズがホスト機器から指示された場合の処理となる。なお、ここではSDCBのバイト位置D42〜D45に層間折り返し位置情報を記録する例で説明する。
ステップF102では、セッションクローズを指示されたセッションが、記録層を跨いでデータ記録されたものであるか否かを判断する。
そしてコントローラ12は、記録層を跨いでいないと判断した場合は、ステップF104に移行して、上記図11のSDCBのバイト位置D42〜D45にオールゼロデータを書き込む。つまりバイト位置D42〜D45にオールゼロデータとしたSDCBを書き込むことでSDCBを更新する。
一方、コントローラ12は、当該セッションが記録層を跨いでいる判断した場合は、ステップF103に移行して、上記図11のSDCBのバイト位置D42〜D45に、実際の折り返しポイントのアドレス、即ち層間折り返し位置情報を記録する。つまりバイト位置D42〜D45を層間折り返し位置情報の値としたSDCBを書き込むことでSDCBを更新する。
なお、シングルセッション記録の場合、当該処理におけるステップF103〜F105の書き込み、つまり層間折り返し位置情報の記録とセッションクローズのための記録はリードインエリア及びリードアウトエリアにおいて行われ、例えば図9(b)のような状態とされる。
またマルチセッション記録において最初のセッションをクローズする場合は、ステップF103〜F105の書き込みは、リードインエリア及び当該セッションのクロージャにおいて行われる。
またマルチセッション記録において最後のセッションをクローズする場合は、ステップF103〜F105の書き込みは、当該セッションのイントロ及びリードアウトエリアにおいて行われる。
またマルチセッション記録において中間のセッションをクローズする場合は、ステップF103〜F105の書き込みは、当該セッションのイントロ及びクロージャにおいて行われる。
また、ここではSDCBのバイト位置D42〜D45に層間折り返し位置情報を記録する例で述べたが、SDCBにおけるセッションアイテムタイプ3(レイヤアイテム)を用いて層間折り返し位置情報を記録する場合も、同様に図15の処理が適用できる。
次にイジェクト時の処理を図16で説明する。
これは、ホスト機器からセッションクローズの指示がない状態で、例えばユーザーがディスクドライブ装置のイジェクト操作を行ってディスク1を排出させようとした場合の処理となる。つまりユーザーがセッションクローズを行わないままディスク排出を求めた場合である。
ディスクの排出要求とは、ホスト機器からイジェクトコマンドがディスクドライブ装置に発行されるものでも良いし、ディスクドライブ装置に設けられたイジェクトボタンがユーザーによって押されるものでも良い。
ディスク排出要求によりステップF202に進んだ場合、コントローラ12は、ディスク上に未だクローズしていないセッションが存在するか否かを判断し、未だクローズしていないセッションが存在すれば、記録されたデータが記録層を跨いでいるか否かを判断する。
一方、ステップF202で、記録層を跨いだ記録を行っていたと判断した場合はステップF203へ移行する。
ステップF203では、セッションクローズを行わずに、そのセッションにおいてSDCBだけを更新する。即ちコントローラ12は、上記図11のバイト位置D42〜D45に、実際の折り返しポイントのアドレス、即ち層間折り返し位置情報を記録したSDCBを記録することでSDCBの更新を行う。
そしてステップF204でディスク排出の制御を行って処理を終える。つまり、セッションオープン状態のままであるが、層間折り返し位置情報を記録した状態でディスク1を排出する。
またマルチセッション記録において2番目以降の或るセッションがオープンのままでイジェクト要求があった際に、ステップF203で実行される書き込み、つまり層間折り返し位置情報の記録のためのSDCB更新は、そのセッションのイントロ内のアイデンティフィケーションゾーンで行われる。
従って、たとえライトワンスメディアの場合であっても、セッションクローズ前にリードインエリアやイントロとされる領域内においてSDCBを更新することに問題はない。
また、ここではSDCBのバイト位置D42〜D45に層間折り返し位置情報を記録する例で述べたが、SDCBにおけるセッションアイテムタイプ3(レイヤアイテム)を用いて層間折り返し位置情報を記録する場合も、同様に図16の処理が適用できる。
次に層間折り返し発生時のSDCB更新処理を図17で説明する。
これは、記録動作中に、層間折り返し、即ちレイヤ0からレイヤ1への移行が発生した時点で、層間折り返し位置情報を含むSDCBを記録する処理である。
なお、ここでは層間折り返し位置情報をSDCBのセッションアイテムタイプ3を用いて記録する例を用いて説明する。
上述したように、データゾーンにおけるデータ記録により、1つのフラグメントの記録が完了した時点はSDCBの更新が必要となる。このため、ステップF301の判断はフラグメントの記録完了に係るSDCB更新タイミングを監視しているものとなる。
またステップF302では、層間折り返しの発生を監視する。つまり、レイヤ0からレイヤ1への記録動作の移行を監視する。なお、層間折り返しは、必ずしも記録動作がレイヤ0の最大記録範囲(図1のデータゾーンの終端)に達したときだけでなく、最大記録範囲に達する前にレイヤ0での記録を終了し、レイヤ1に移行する場合もあり得る。どのような条件で層間折り返しを行うかはディスクドライブ装置の動作を指示するアプリケーションなどに応じたものとなる。
いま或るセッションにおいて図18のように既にフラグメントFrag#1、Frag#2が形成されており、現在、レイヤ0においてフラグメントFrag#3の記録中であったとする。
このフラグメントFrag#3の記録前の時点では、SDCBとしては、図13(b)のSDCB#1、#2が記録されており、SDCB#2が有効とされている。
ステップF302で層間折り返しの発生と判断されるのは、例えばフラグメントFrag#3のデータ記録が図18の層間折り返し位置に達した時点(続いてレイヤ1に記録を続行しようとする時点)となる。この時点ではまだフラグメントFrag#3の記録は完了していない。
ここでコントローラ12の処理はステップF303で、層間折り返し位置情報を含むSDCBを記録する。例えば図13(b)のSDCB#3を記録する。
このSDCB#3は、セッションアイテムとしては、フラグメントFrag#1、Frag#2に対応するフラグメントアイテムと、層間折り返し位置情報を記録したレイヤアイテムが含まれた最新の有効なSDCBとされることになる。
例えば図18に示すように、レイヤ1にもフラグメントFrag#3の記録が行われてフラグメントFrag#3の記録が完了したとすると、コントローラ12の処理はステップF301からF304に進む。
ステップF304では、現在のフラグメントの終端がレイヤ0の終端であるか否かを判断して処理を分岐する。
この図18の例でのフラグメントFrag#3の記録中の場合、フラグメントFrag#3の終端はレイヤ0の終端ではないためステップF306に進む。
ステップF306では、コントローラ12はフラグメントの記録終了に応じたSDCBの更新を行うことになる。即ち図18の例の場合、フラグメントFrag#3に対応するセッションアイテムタイプ1(フラグメントアイテム)を追加するようにSDCBを更新する。例えば図13(b)のSDCB#4を書き込む。
この図18,図13の例の場合、ステップF306での書き込まれるSDCB#4は、セッションアイテムとしては、フラグメントFrag#1、Frag#2、Frag#3に対応するフラグメントアイテムと、層間折り返し位置情報を記録したレイヤアイテムが含まれた最新の有効なSDCBとされることになる。
つまり、本例では、上記ステップF303,F306のように、層間折り返しの発生と、フラグメントの記録完了の両方をSDCB更新タイミングとするのであるが、フラグメントの終端がレイヤ0の終端となった場合は、層間折り返しの発生によるSDCB更新タイミングとフラグメントの記録完了によるSDCB更新タイミングが同時になった場合である。
この場合はステップF305に進んで、SDCB更新を行うが、このときには、現フラグメントに対応するセッションアイテムタイプ1(フラグメントアイテム)と、層間折り返し位置情報を記録したセッションアイテムタイプ3(レイヤアイテム)を追加するようにSDCBを更新するものとなる。
またマルチセッション記録において2番目以降の或るセッション内での記録時に、この図17の処理が行われる場合は、ステップF303,F305,F306で実行されるSDCBの記録は、そのセッションのイントロ内のアイデンティフィケーションゾーンに対して行われる。
つまり、層間折り返しの発生と、層間折り返し位置情報の記録のタイムラグが最も短い。このように、タイムラグが最短である事は、層間折り返し位置情報の確保という点で最も安全となる。つまり、その後のセッションクローズやイジェクトが行われるまでの期間において、電源遮断等が発生しても、ディスク90には層間折り返し位置情報は確保されているためである。
なお、図17の処理の場合は、レイヤ0でのユーザデータ記録を完了した時点で、SDCBを更新し、その後レイヤ1でのユーザデータ記録に移行するため、記録動作的にはユーザデータ記録の中断や、ピックアップ3のアクセスが余分に必要になる。この点が好ましくないという事情がある場合は、上記図15又は図16の処理の方が適切となる。
ところで図17の処理例は、SDCBにおけるセッションアイテムタイプ3(レイヤアイテム)を用いて層間折り返し位置情報を記録する例に沿って述べたが、SDCBのバイト位置D42〜D45に層間折り返し位置情報を記録する場合も、この図17の処理例を採用できる。
以上、実施の形態を説明してきたが、本発明としての変形例や適用例は各種考えられる。
層間折り返し位置情報を記録するタイミングとしては、セッションクローズ処理時、イジェクト時、及び層間折り返し発生時としての各例を挙げたが、他の例も考えられる。
例えばホスト機器からのコマンドに応じて、層間折り返し情報を記録するようにしてもよい。ホスト機器からのコマンドとしては、特定のアドレスを層間折り返しアドレスとして指定するコマンドをユーザーデータ記録前や記録中に発行することが考えられる。そのようなコマンドにより層間折り返しアドレスが特定されたら、所定の時点で層間折り返し位置情報の記録(例えば上述したステップF103,F203,F303,F305のような処理)を実行してもよい。もちろんユーザーデータ記録前や記録中にそのようなコマンドが発行され、それに応じて層間折り返しを行う際には、図17のような処理で層間折り返し位置情報の記録が行われればよい。
また、ホスト機器からのコマンドとして、直接的に層間折り返し情報の記録を指示するコマンドを発生することも考えられる。つまり、上記のような「層間折り返し位置の指定」ではなく、「層間折り返し位置情報の記録」のコマンドである。コントローラ12は、この「層間折り返し位置情報の記録」のコマンドに応じて、例えば図15のステップF102〜F104の処理、或いは図16のステップF202〜F203の処理を行うようにしてもよい。
これらのように、ホスト機器からの層間折り返しに関する指示に応じて、層間折り返し位置情報を記録する例も考えられる。
また実施の形態ではDVD方式の2層の記録可能タイプのディスクとしてDVD+Rを挙げて述べたが、もちろん同様にDVD−R、DVD+RW、DVD−RW、DVD−RAMなどとしての2層ディスクについても、上述のように層間折り返し位置情報を記録することが好適である。
例えばDVD−R/RWではRMD(Recording Management Data)と呼ばれる領域があり、そのRMDのField13〜Field14などに層間折り返し位置情報を記録することも考えられる。
さらに、実施の形態では2層ディスクとしたが、3層以上の記録層を有する記録媒体においても、本発明が好適であることは言うまでもない。
Claims (5)
- マルチセッションかつオポジットトラックパスで記録される記録媒体であって、
データ書き込み可能な複数の記録層を有し、
上記各記録層には、主データの記録再生のためのデータエリアと、上記データエリアに先行する位置に形成される先行エリアと、上記データエリアに後続する終端エリアが形成されるとともに、
記録手段による記録動作により記録媒体上に形成された或るセッションをクローズする際において、そのセッション内で、或る記録層から次の記録層へのデータ記録の移行が行われていた場合に、上記記録媒体に記録するドライブ自身によりその移行する位置を示す層間折り返し位置情報が記録される領域が設けられている
記録媒体。 - データ書き込み可能な複数の記録層を有し、上記各記録層には、主データの記録再生のためのデータエリアと、上記データエリアに先行する位置に形成される先行エリアと、上記データエリアに後続する終端エリアが形成され、マルチセッションかつオポジットトラックパスで記録される記録媒体に対する記録装置において、
上記各記録層に対して情報の記録を行う記録手段と、
上記記録手段による記録動作において、
上記記録手段による記録動作により記録媒体上に形成された或るセッションをクローズする際において、そのセッション内で、或る記録層から次の記録層へのデータ記録の移行が行われていた場合に、上記記録媒体上の所定の領域に、上記移行した位置を示す層間折り返し位置情報を、上記記録手段により記録させる制御手段と、
を備えている記録装置。 - 上記制御手段は、上記記録手段による記録動作が行われた記録媒体を排出する際において、記録媒体上のクローズしていないセッション内で、或る記録層から次の記録層へのデータ記録の移行が行われていた場合に、上記層間折り返し位置情報の記録を実行させる請求項2に記載の記録装置。
- データ書き込み可能な複数の記録層を有し、上記各記録層には、主データの記録再生のためのデータエリアと、上記データエリアに先行する位置に形成される先行エリアと、上記データエリアに後続する終端エリアが形成され、マルチセッションかつオポジットトラックパスで記録される記録媒体に対する記録方法として、
上記各記録層に対して情報の記録を行う記録ステップと、
上記記録ステップにより記録媒体上に形成された或るセッションをクローズする際において、そのセッション内で、或る記録層から次の記録層へのデータ記録の移行が行われていた場合に上記記録媒体上の所定の領域に、上記移行した位置を示す層間折り返し位置情報を記録する折り返し位置情報記録ステップと、
を備えている記録方法。 - 上記折り返し位置情報記録ステップは、上記記録ステップにより記録動作が行われた記録媒体を排出する際において、記録媒体上のクローズしていないセッション内で、或る記録層から次の記録層へのデータ記録の移行が行われていた場合に、実行される請求項4に記載の記録方法。
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