JP2005061694A - 冷媒制御弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第一冷媒入出口1と、第二冷媒入出口2と、弁座3と、弁孔4と、先端部が弁座に離接することにより弁孔を開閉する弁棒5と、絞り通路6と、弁棒の先端部に形成され、絞り通路6を弁棒の先端側に連通する開口9と、弁棒5の外周に配置されたフィルタ10と、第一冷媒入出口1に連通してフィルタ10の外周面に沿って形成された冷媒通路11と、フィルタ10と絞り通路6とを連通する連通路12と、フィルタ10の冷媒通過流量を均一化する冷媒通過量平均化手段13とを備え、開弁時には弁孔4を介し第一冷媒入出口1と第二冷媒入出口2とを連通し、閉弁時には冷媒通路11、フィルタ10、冷媒通過量平均化手段13、連通路12、絞り通路6、開口9及び弁孔4を介し第一冷媒入出口1から第二冷媒入出口2に冷媒が流れるように構成する。
【選択図】図1
Description
101は第一冷媒入出口、102は第二冷媒入出口である。第一冷媒入出口101は、除湿運転時に上流側(室内凝縮器側)配管に接続され、第二冷媒入出口102は、除湿運転時に下流側(室内蒸発器側)配管に接続される。103は二つの冷媒入出口101、102間に形成された弁座、104は弁座103に形成された弁孔、105は弁座103に対し往復動し、先端部が弁座103に離接することにより弁孔104を開閉する弁棒である。106は弁棒内に形成された絞り通路、107,108は絞り通路106の前後に配置された多孔性物質よりなる二つの多孔体、109は弁棒105の先端部に形成され、絞り通路106を弁棒の先端側に連通する開口、110は弁棒105の外周に配置されたフィルタ、111は一方の冷媒入出口101に連通してフィルタ110の外周面に沿って形成された冷媒通路、112はフィルタ110と一方の多孔体107とを連通する連通路、113は弁座103と弁孔104とを有するハウジングである。
また、暖房運転時には、開弁状態となり冷媒が第二冷媒入出口102、弁孔104、、第一冷媒入出口101へと逆方向に流れる。
これに対し除湿運転時には、閉弁状態となり冷媒が第一冷媒入出口101、冷媒通路111、フィルタ110、連通路112、フィルタ側(連通路側)の多孔体107、絞り通路106、弁棒先端側(開口側)の多孔体108、開口109、第二冷媒入出口102へと順に流れる。
また、冷媒がフィルタの一部に集中的に流れることからその部分に目詰まりが発生しやすくなり、冷媒流路が経時的に変化するという問題がある。
この発明では、除湿運転時に弁が閉状態になり、第一冷媒入出口から冷媒通路、フィルタ、連通路、絞り通路、開口、弁孔を順次経て第二冷媒入出口に冷媒が流れるようになる。そして、冷媒がフィルタを通過する際に冷媒通過量平均化手段によって冷媒がフィルタの広範囲な領域に均一に流れるように調整されることにより、フィルタの一部(特に連通路近傍のフィルタ面)に冷媒が集中的に流れることがなくなり、気液2相流の場合に液体とガスとが交互に流れる脈動現象が緩和され、冷媒通過音を抑えることができる。また、冷媒が集中的に流れないので目詰まりも生じにくくなる。
なお、連通路の断面積を1倍以上2倍以下にすれば、連通路断面積が絞り通路断面積より小さくならないので、連通路での目詰まり発生を避けることができ、より好ましい。
連通路12に連通される側の多孔体7の外形を他側の多孔体8の外形寸法より小さくし、フィルタ10は、内面が他側の多孔体8の外周面より弁棒側となるように、フィルタ厚みが設定されている。例えば、フィルタの厚みは1mm以上とするのが好ましい。
すなわち、連通路12に連通される第一冷媒入出口1側の多孔体7の外形寸法を第二冷媒入出口2側の多孔体8の外形寸法より小さくし、フィルタ10は、フィルタ内面が多孔体8の外周面より弁棒5中心側にくるようにしてフィルタ10の厚みを厚くすることで冷媒通過面積を拡大することにより冷媒通過量の平均化を図るようにしている。
なお、フィルタ厚みの上限は、設計可能な範囲で特に限定されないが、弁棒5内部に設ける多孔体7が必要とする径、弁棒5の肉厚を考慮すれば、弁棒5の半径の2/3以下であることが望ましい。
ただし、金属線やガラス繊維などからなる不織布などのような目(孔)がやや不均質な材料を用いた場合、目詰まりの点ではやや劣るが、冷媒脈動音の消音性能としては十分に優れているので不均質な材料であっても利用可能である。
なお、絞り通路6の詰まりを防止するという観点からは、多孔体として絞り通路6の孔径より目の細かい多孔質部材を用いることが望ましい。
この連通路12の孔の一端がフィルタの内面に連通し、他端が多孔体12に連通している。連通路12の孔径は0.5mm以上であることが孔加工の容易さから好ましい。
特に0.7mm以上であれば孔数を増やすことなく、流路断面積を十分に大きくすることができる。そして連通路12の孔数は6個あるいはそれ以下にして加工コストを抑えるようにするのが好ましい。
なお、連通路12の孔径の上限については、弁棒が構造上不安定にならない範囲で、かつ、孔加工に困難性がない範囲であれば特に限定されない。
フィルタ10の孔径は、連通路12の孔径、多孔体7、8の孔径、絞り通路6の孔径、よりも小さくすることでフィルタ10の下流、すなわち弁棒5内部での目詰まりを防止する。
連通路12の断面積(連通路12が複数のときは断面積の総和を意味する)は、絞り流路6の断面積(絞り通路6が複数のときは断面積の総和を意味する)よりもかなり大きくすることにより、絞り流路6が主な減圧領域となるようにする。一般に減圧領域には冷媒中の不純物が析出するので、絞り流路以外での減圧による析出を抑えて信頼性を向上させることができる。具体的には連通路12の断面積を絞り通路6の断面積の5.5倍以上にすれば析出物が付着しにくくすることができる。
また、図1に示すように絞り通路6を下流側の径が拡大するように2段形状にすると、段差部分で冷媒が急拡大するため、冷媒中のエネルギーを吸収することができ、静音化を図ることができる。さらに、上流側に同形状の段差を設けると絞り通路を組み込む時,組み立てミスが発生しない。
この冷媒制御弁20は、冷媒運転時には開弁状態となり冷媒が、第一冷媒入出口1、弁孔4、第二冷媒入出口2へと順方向に流れる。
また、暖房運転時には、開弁状態となり冷媒が第二冷媒入出口2、弁孔4、第一冷媒入出口1へと逆方向に流れる。
さらには、冷媒が集中的に流れる部分がなくなり、フィルタ10の局所的な目詰まりが緩和するようになる。
この実施例では冷媒通過量平均化手段13は、連通路12近辺のフィルタ一部分の冷媒流通抵抗をフィルタ10の他の部分の冷媒流通抵抗より大きくするための冷媒流通規制手段を設けるようにしている。
邪魔板13bは、実施例2と同様に連通路12近辺のフィルタ一部分の冷媒流通抵抗をフィルタの他部分の冷媒流通抵抗に比し大きくするように構成されている。
邪魔板13bをフィルタ10に対して浮かしてハウジング14側に取り付けたので、冷媒通過音の静音化は少し低下するが、組み立てが容易になり、冷媒制御弁20の耐久性が増す。
空間部13cの深さが大きくなるほど冷媒が流入するフィルタ面が広がることになり、フィルタ外周での冷媒脈動による冷媒通過音は小さくすることができるが、フィルタ10によって微細化され均質化された冷媒中の気泡が再結合し、大きな気泡となって実際の連通路12を通過するので、冷媒音が大きくなる。そのため、大きな気泡が発生しないようにするため、空間部の深さ幅は0.5〜1.5mm程度が好ましい。
また、実施例1と同様、連通路12の断面積を、絞り流路6の断面積よりもかなり大きくすることにより、絞り流路6が主な減圧領域となるようにすることができる。減圧領域には冷媒中の不純物が析出するので、絞り流路以外での減圧による析出を抑えて信頼性を向上させることができる。具体的には連通路12の断面積を絞り通路6の断面積の5.5倍以上にすれば、析出物が付着しにくくすることができる。
さらに実施例1と同様、連通路12の断面積を絞り流路の断面積の0.01倍〜2倍程度にすると連通路12が減圧領域として機能することになるので、絞り通路の多段化を図ることができ、冷媒のエネルギーが分散され、静音化が図れる。
冷媒入出口1と室内第一熱交換器27との間(除湿運転時に冷媒入出口1の上流となる側)には、除湿運転時に、冷媒制御弁内に不純物が混入するのを防ぐための外部フィルタ28が設けられている。
それゆえ、圧損を小さくするために外部フィルタ28を室内第一熱交換器27の上流側入口の直前位置Aに取り付けてもよい。このようにすれば、外部フィルタ28には液状態の冷媒が流れるので圧損は小さくなる。ただし、冷媒制御弁20までの配管距離が長くなるので残渣除去のための冷房運転時間を長くする必要が生じる。
位置Bと位置Cとを比較すると、液が残っている位置Bの方が圧損の点および残渣が少ない点では有利であるが、位置Bは熱交換器の構造上フィルタを取り付けにくくコストアップにつながる。
これに対し、位置Cはガス冷媒が多く圧損の点では劣るが、構造上フィルタを取り付けやすい。
以上述べたように、冷媒中の残渣をこれらの外部フィルタ28でも捕捉するようにすれば、連通路12の目詰まりをさらに防止することができる。
特に冷媒制御弁20に実施例3に示した邪魔板がフィルタから浮かして取付けたものを用いる場合、外部フィルタ28の孔径が、冷媒制御弁20の弁棒が摺動する摺動領域の一部の隙間(隙間が最小となる部分)より狭く設定する必要がある。これにより、摺動領域での詰まりも防止することができる。
これにより、外部フィルタ28を通過した残渣が連通路や摺動部で目詰まりを起こすのを防止することができるとともに、冷媒を流す際の圧損も支障のない程度の低さに抑えることができる。
この空気調和機においては、冷媒としてはHCFC系冷媒に限らず、HFC系冷媒等種々の冷媒が使用でき、また、冷凍機油として、鉱油の他に、エーテル系、エステル系等の油を使用できる。
2 冷媒入出口
3 弁座
4 弁孔
5 弁棒
6 絞り通路
7 多孔体
8 多孔体
9 開口
10 フィルタ
11 冷媒通路
12 連通路
13 冷媒通過量平均化手段
14 ハウジング
20 冷媒制御弁
21 室内蒸発器
22 内外連絡配管
23 四方弁
24 圧縮機
25 室外熱交換器
26 膨張弁
27 室内凝縮器
28 外部フィルタ
29 マフラー
Claims (19)
- 除湿運転時に上流側となる第一冷媒入出口と、除湿運転時に下流側となる第二冷媒入出口と、これら二つの冷媒入出口間に形成された弁座と、弁座に形成された弁孔と、弁座に対し往復動し、先端部が弁座に離接することにより弁孔を開閉する弁棒と、弁棒内に形成された絞り通路と、弁棒の先端部に形成され、絞り通路を弁棒の先端側に連通する開口と、弁棒の外周に配置されたフィルタと、第一冷媒入出口に連通してフィルタの外周面に沿って形成された冷媒通路と、フィルタと絞り通路とを連通する連通路と、フィルタの冷媒通過流量を均一化する冷媒通過量平均化手段とを備え、開弁時には弁孔を介し第一冷媒入出口と第二冷媒入出口とを連通し、閉弁時には冷媒通路、フィルタ、冷媒通過量平均化手段、連通路、絞り通路、開口及び弁孔を介し第一冷媒入出口から第二冷媒入出口に冷媒が流れるように構成されてなることを特徴とする冷媒制御弁。
- 前記弁棒は、内部において、絞り通路と連通路との間、及び/叉は、絞り通路と開口との間に多孔性物質よりなる多孔体を配置してなることを特徴とする請求項1記載の冷媒制御弁。
- 前記フィルタは、前記多孔体より孔径が小さい多孔性物質により形成されていることを特徴とする請求項2記載の冷媒制御弁。
- 前記弁棒は、複数の絞り通路を形成したことを特徴とする請求項1記載の冷媒制御弁。
- 前記連通路の断面積が絞り通路の断面積の5.5倍以上であることを特徴とする請求項1記載の冷媒制御弁。
- 前記連通路の断面積が絞り通路の断面積の0.01倍以上2倍以下であることを特徴とする請求項1記載の冷媒制御弁。
- 前記弁棒は、絞り通路と連通通路との間、絞り通路と開口との間にそれぞれ多孔体を有し、前記冷媒通過量平均化手段は、連通路に連通される第一冷媒入出口側の多孔体の外形寸法を第二冷媒入出口側の多孔体の外形寸法より小さくし、前記フィルタは、内面が第二冷媒入出口側の多孔体の外周面より弁棒中心側にくるように、フィルタ厚みが設定されてなることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の冷媒制御弁。
- 前記冷媒通過量平均化手段は、連通路近辺のフィルタ部分の冷媒流通抵抗をフィルタの他部分の冷媒流通抵抗に比し大きくする冷媒流通規制手段であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の冷媒制御弁。
- 前記冷媒流通規制手段は、連通路近傍のフィルタの外周部に配置された邪魔板からなることを特徴とする請求項8に記載の冷媒制御弁。
- 前記冷媒流通規制手段は、フィルタを挟んで前記邪魔板を連通路と対向させ、かつ、邪魔板をフィルタの外周部に当接させたことを特徴とする請求項9記載の冷媒制御弁。
- 前記冷媒流通規制手段は、フィルタを挟んで前記邪魔板を連通路と対向させ、かつ、冷媒通路中に隙間を介して配置したことを特徴とする請求項9記載の冷媒制御弁。
- 前記冷媒通過量平均化手段は、連通路とフィルタとの間に形成された空間部からなることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の冷媒制御弁。
- 前記冷媒通過量平均化手段は、フィルタから連通路に近くになるにつれ前記空間部の隙間寸法が大きくなるようにテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項12記載の冷媒制御弁。
- 請求項1〜13の何れか1項記載の冷媒制御弁と、前記冷媒制御弁の第一冷媒入出口側に設けられ除湿運転時に凝縮器として機能する室内第一熱交換器、前記冷媒制御弁の第二冷媒入出口側に設けられ除湿運転時に蒸発器として機能する室内第二熱交換器、室外熱交換器、を配管接続する空気調和機とを備え、前記空気調和機は、除湿運転時に前記冷媒制御弁を閉弁状態にすることで膨張装置として用いて除湿運転することを特徴とする冷媒回路。
- 前記空気調和機は、除湿運転する前に一定時間自動的に冷房運転する制御部を備えたことを特徴とする請求項14記載の冷媒回路。
- 請求項14または請求項15記載の冷媒回路において、少なくとも前記冷媒制御弁の第一冷媒入出口の上流側に外部フィルタをさらに配置したことを特徴とする冷媒回路。
- 前記外部フィルタの孔径が、前記連通路における最小の断面積となる部分より狭く設定されていることを特徴とする請求項16記載の冷媒回路。
- 前記外部フィルタの孔径が、前記弁棒が往復動する際に前記冷媒通路に形成される摺動領域の隙間より狭く設定されていることを特徴とする請求項16記載の冷媒回路。
- 前記外部フィルタが、100〜200メッシュの範囲であることを特徴とする請求項16記載の冷媒回路。
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