JP2005061694A - 冷媒制御弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 冷媒流動音とを効率よく低減することができ、かつフィルタの目詰まりが生じにくい構造の冷媒制御弁を実現する。
【解決手段】 第一冷媒入出口1と、第二冷媒入出口2と、弁座3と、弁孔4と、先端部が弁座に離接することにより弁孔を開閉する弁棒5と、絞り通路6と、弁棒の先端部に形成され、絞り通路6を弁棒の先端側に連通する開口9と、弁棒5の外周に配置されたフィルタ10と、第一冷媒入出口1に連通してフィルタ10の外周面に沿って形成された冷媒通路11と、フィルタ10と絞り通路6とを連通する連通路12と、フィルタ10の冷媒通過流量を均一化する冷媒通過量平均化手段13とを備え、開弁時には弁孔4を介し第一冷媒入出口1と第二冷媒入出口2とを連通し、閉弁時には冷媒通路11、フィルタ10、冷媒通過量平均化手段13、連通路12、絞り通路6、開口9及び弁孔4を介し第一冷媒入出口1から第二冷媒入出口2に冷媒が流れるように構成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、冷媒制御弁に関し、特に、除湿機能を有する空気調和機で除湿用膨張装置として使用される冷媒制御弁に関する。
空気調和機には、全開状態と絞り状態をとりうる冷媒制御弁を2つの室内熱交換器の間に設けて、この冷媒制御弁を絞り状態にして、冷媒流の上流側の室内熱交換器を凝縮器として機能させ、冷媒流の下流側の室内熱交換器を蒸発器として機能させて、上記蒸発器を通る空気を冷却除湿し、その空気をさらに上記凝縮器に通して暖める、いわゆる除湿運転(再熱ドライ運転)をする一方、上記冷媒制御弁を全開状態にして、冷房または暖房運転をするようにしたものがある。このような空気調和機では、除湿運転時に、冷媒制御弁が弁閉状態になり、冷媒制御弁内の絞り通路を冷媒が流れるため、冷媒流が乱れ、耳障りな冷媒通過音が発生する。
このことに鑑みて、絞り通路に多孔質部材を設けたり、多孔質部材によって絞り通路を構成したりし、冷媒が多孔質部材を流れることにより整流化(均質化)して冷媒通過音を低減している。しかしながら、冷媒流中にはコンタミネーションと云われる固形の混入物(スラッジなど)が存在するから、長期間の使用において、多孔質部材に混入物が詰まり、冷媒流量が変化すると云う不具合が生じる。このため、長期間の使用において、安定した除湿運転性能を得ることが難しいので弁内にフィルタを組み込んだ膨張弁が知られている(特許文献1参照)。
図8は従来技術による膨張弁の弁閉状態を示す断面図である。図8において、120は膨張弁(冷媒制御弁)であり、矢印は膨張弁120の弁閉状態における冷媒流の方向を示す。
101は第一冷媒入出口、102は第二冷媒入出口である。第一冷媒入出口101は、除湿運転時に上流側(室内凝縮器側)配管に接続され、第二冷媒入出口102は、除湿運転時に下流側(室内蒸発器側)配管に接続される。103は二つの冷媒入出口101、102間に形成された弁座、104は弁座103に形成された弁孔、105は弁座103に対し往復動し、先端部が弁座103に離接することにより弁孔104を開閉する弁棒である。106は弁棒内に形成された絞り通路、107,108は絞り通路106の前後に配置された多孔性物質よりなる二つの多孔体、109は弁棒105の先端部に形成され、絞り通路106を弁棒の先端側に連通する開口、110は弁棒105の外周に配置されたフィルタ、111は一方の冷媒入出口101に連通してフィルタ110の外周面に沿って形成された冷媒通路、112はフィルタ110と一方の多孔体107とを連通する連通路、113は弁座103と弁孔104とを有するハウジングである。
この膨張弁120は、冷媒運転時には開弁状態となり冷媒が、第一冷媒入出口101、弁孔104、第二冷媒入出口102へと順方向に流れる。
また、暖房運転時には、開弁状態となり冷媒が第二冷媒入出口102、弁孔104、、第一冷媒入出口101へと逆方向に流れる。
これに対し除湿運転時には、閉弁状態となり冷媒が第一冷媒入出口101、冷媒通路111、フィルタ110、連通路112、フィルタ側(連通路側)の多孔体107、絞り通路106、弁棒先端側(開口側)の多孔体108、開口109、第二冷媒入出口102へと順に流れる。
特開2002−323273号公報
しかしながら、図8に示す膨張弁120では、閉弁時に、一方の第一冷媒入出口101から冷媒通路111へと通過した冷媒は、フィルタ110の圧損の少ない部分、フィルタ110の通過距離が短い部分(連通路112の近傍)に集中して流れる。このため、弁棒内部の多孔体及び絞り通路に流入する冷媒流量が脈動しやすくなり、冷媒が気液2相流のとき、液冷媒とガス冷媒が交互に流れるため、その脈動により不連続的な冷媒通過音が発生しやすくなるという問題がある。
また、冷媒がフィルタの一部に集中的に流れることからその部分に目詰まりが発生しやすくなり、冷媒流路が経時的に変化するという問題がある。
上記課題を解決するためになされた第1の発明の冷媒制御弁は、除湿運転時に上流側となる第一冷媒入出口と、除湿運転時に下流側となる第二冷媒入出口と、これら二つの冷媒入出口間に形成された弁座と、弁座に形成された弁孔と、弁座に対し往復動し、先端部が弁座に離接することにより弁孔を開閉する弁棒と、弁棒内に形成された絞り通路と、弁棒の先端部に形成され、絞り通路を弁棒の先端側に連通する開口と、弁棒の外周に配置されたフィルタと、第一冷媒入出口に連通してフィルタの外周面に沿って形成された冷媒通路と、フィルタと絞り通路とを連通する連通路と、フィルタの冷媒通過流量を均一化する冷媒通過量平均化手段とを備え、開弁時には弁孔を介し第一冷媒入出口と第二冷媒入出口とを連通し、閉弁時には冷媒通路、フィルタ、冷媒通過量平均化手段、連通路、絞り通路、開口及び弁孔を介し第一冷媒入出口から第二冷媒入出口に冷媒が流れるように構成している。
この発明では、除湿運転時に弁が閉状態になり、第一冷媒入出口から冷媒通路、フィルタ、連通路、絞り通路、開口、弁孔を順次経て第二冷媒入出口に冷媒が流れるようになる。そして、冷媒がフィルタを通過する際に冷媒通過量平均化手段によって冷媒がフィルタの広範囲な領域に均一に流れるように調整されることにより、フィルタの一部(特に連通路近傍のフィルタ面)に冷媒が集中的に流れることがなくなり、気液2相流の場合に液体とガスとが交互に流れる脈動現象が緩和され、冷媒通過音を抑えることができる。また、冷媒が集中的に流れないので目詰まりも生じにくくなる。
第2の発明の冷媒制御弁は、前記弁棒が、内部において、絞り通路と連通路との間、及び/叉は、絞り通路と開口との間に多孔性物質よりなる多孔体を配置している。
第3の発明の冷媒制御弁は、前記フィルタが、前記多孔体より孔径が小さい多孔性物質により形成されるようにする。
第4の発明の冷媒制御弁は、前記弁棒が、複数の絞り通路を形成するようにしている。
第5の発明の冷媒制御弁は、前記連通路の断面積が絞り通路の断面積の5.5倍以上であるようにしている。
第6の発明の冷媒制御弁は、前記連通路の断面積が絞り通路の断面積の0.01倍以上2倍以下であるようにしている。
第7の発明の冷媒制御弁は、前記弁棒が、絞り通路と連通通路との間、絞り通路と開口との間にそれぞれ多孔体を有し、前記冷媒通過量平均化手段は、連通路に連通される第一冷媒入出口側の多孔体の外形寸法を第二冷媒入出口側の多孔体の外形寸法より小さくし、前記フィルタは、内面が第二冷媒入出口側の多孔体の外周面より弁棒中心側にくるように、フィルタ厚みが設定されるようにしている。
第8の発明の冷媒制御弁は、前記冷媒通過量平均化手段が、連通路近辺のフィルタ部分の冷媒流通抵抗をフィルタの他部分の冷媒流通抵抗に比し大きくする冷媒流通規制手段であるようにしている。
第9の発明の冷媒制御弁は、前記冷媒流通規制手段が、連通路近傍のフィルタの外周部に配置された邪魔板からなるようにしている。
第10の発明の冷媒制御弁は、前記冷媒流通規制手段が、フィルタを挟んで前記邪魔板を連通路と対向させ、かつ、邪魔板をフィルタの外周部に当接させるようにしている。
第11の発明の冷媒制御弁は、前記冷媒流通規制手段が、フィルタを挟んで前記邪魔板を連通路と対向させ、かつ、冷媒通路中に隙間を介して配置するようにしている。
第12の発明の冷媒制御弁は、前記冷媒通過量平均化手段が、連通路とフィルタとの間に形成された空間部からなるようにしている。
第13の発明の冷媒通過量平均化手段は、フィルタから連通路に近くになるにつれ前記空間部の隙間寸法が大きくなるようにテーパ状に形成されるようにしている。
第14の発明の冷媒回路は、上述したいずれかの冷媒制御弁と、前記冷媒制御弁の第一冷媒入出口側に設けられ除湿運転時に凝縮器として機能する室内第一熱交換器、前記冷媒制御弁の第二冷媒入出口側に設けられ除湿運転時に蒸発器として機能する室内第二熱交換器、室外熱交換器、を配管接続する空気調和機とを備え、前記空気調和機は、除湿運転時に前記冷媒制御弁を閉弁状態にすることで膨張装置として用いて除湿運転するようにしている。
第15の発明の冷媒回路は、前記空気調和機が、除湿運転する前に一定時間自動的に冷房運転する制御部を備えるようにしている。
第16の発明の冷媒回路は、少なくとも前記冷媒制御弁の第一冷媒入出口の上流側に外部フィルタをさらに配置するようにしている。
第17の発明の冷媒回路は、前記外部フィルタの孔径が、前記連通路における最小の断面積となる部分より狭く設定されるようにしている。
第18の発明の冷媒回路は、前記外部フィルタの孔径が、前記弁棒が往復動する際に前記冷媒通路に形成される摺動領域の隙間より狭く設定されるようにしている。
第19の発明の冷媒回路は、前記外部フィルタが、100〜200メッシュの範囲であるようにしている。
まず、以下の各発明では、部品点数を増やしたり、冷媒制御弁の内部形状を大きくしたりすることなく、フィルタの形状と多孔質部材との配置関係や媒体通路を改善することにより、フィルタの冷媒通過流量を平均化することができ、また、絞り通路における混入物の詰まりと冷媒流動音とを効率よく低減することができ、かつ製造しやすい構造の冷媒制御弁およびそれを用いた冷媒回路を実現することができる。
また、第1の発明によれば、冷媒通過量平均化手段によりフィルタの冷媒通過流量を均一化することができる。これにより、たとえ気液2相流であってもフィルタを通過する冷媒は一定(均質)となり、脈動が生じなくなるので連通路における不連続的な冷媒流動音を効率よく低減することができる。さらにフィルタの一部に集中して冷媒が流れることがなくなり局所的な目詰まりが生じにくくなる。
第2の発明によれば、弁棒を設けた多孔体により連通路から流れ出る冷媒を均質化して絞り通路における不連続的な冷媒流動音を効率よく低減することができる。すなわち、絞り通路上流に多孔体を設けると、多孔体は気液2相冷媒を均質化して絞りに流入することで冷媒の脈動を抑えることができる。また、絞り通路の下流に多孔体を設けると、多孔体は絞りを通過した冷媒噴流のエネルギーを吸収することにより冷媒の脈動を抑えることができる。
第3の発明によれば、多孔体に侵入する混入物をフィルタ側でほぼ完全に除去することができる。つまり、多孔体における混入物の詰まりをフィルタで防止して冷媒の均質化機能を長期間安定させることができる。
第4の発明によれば、絞り通路(オリフィス)を複数化することにより、減圧に伴う冷媒中のエネルギーが分散され、さらに冷媒通過音の静音化が図れる。
第5の発明によれば、連通路の断面積を絞り通路の断面積の5.5倍以上とすることにより、絞り通路近傍における冷媒通過速度が高まり、冷媒からの析出物が付着し難くなる。
第6の発明によれば、連通路の断面積を絞り通路の断面積の0.01倍以上2倍以下とすることにより、絞り通路とは別に連通路においても冷媒を減圧するようになり、冷媒の減圧を多段化することによって、さらなる静音化を図ることができる。
なお、連通路の断面積を1倍以上2倍以下にすれば、連通路断面積が絞り通路断面積より小さくならないので、連通路での目詰まり発生を避けることができ、より好ましい。
第7の発明によれば、フィルタの厚みを厚くすることで冷媒が通過するフィルタ面積が広がり、フィルタの冷媒通過量の平均化を進めることができる。これにより、フィルタ面での冷媒通過面積を大きく確保して混入物の除去効率を高めるとともに、冷媒通過の平均化によりフィルタの冷媒通過流量を均一化して気液2相の冷媒の均質化を高めることにより不連続的な冷媒流動音を効率よく低減することができる。
第8の発明によれば、冷媒通過量平均化手段として、連通路近辺に配置された冷媒流通規制手段により、冷媒が連通路近辺に集中して流れるのを緩和し、フィルタの冷媒通過面積を広げて流すことができるため、連通路近辺に偏った流れがなくなり、連通路近辺に発生しやすい不連続的な冷媒流動音を効率よく低減することができ、かつ冷媒中の混入物を効率よく低減することができる。
第9の発明によれば、冷媒流通規制手段として邪魔板を連通路近辺のフィルタの外周に配置することにより、冷媒が連通路近辺に偏って流れることが制限され、フィルタの冷媒通過面積を広げて流すことができるため、連通路近辺に発生しやすい不連続的な冷媒流動音を効率よく低減することができ、かつ冷媒中の混入物を効率よく低減することができる。
第10の発明によれば、フィルタを挟んで前記邪魔板を連通路と対向させ、かつ、邪魔板をフィルタの外周部に当接させたので、冷媒が邪魔板を迂回してフィルタに流入するので、フィルタを通過する距離が長くなり、フィルタ内部で冷媒の均質化が進み、冷媒通過音のさらなる静音化が図れる。
第11の発明によれば、邪魔板をフィルタに対して浮かしてハウジング側に取り付けたので、冷媒通過音の静音化は少し低下するが、組み立てが容易になり、冷媒制御弁の耐久性が図れる。
第12の発明によれば、冷媒を連通路とフィルタとの間に形成された空間部を介して流すことができるため、フィルタに対する連通路の孔径が見かけ上広がることとなり、冷媒の局所的な流入を緩和できる。また、連通路近辺に発生しやすい不連続的な冷媒流動音を効率よく低減することができるとともに目詰まりが生じにくくなる。
第13の発明によれば、冷媒を連通路とフィルタとの間に形成された空間部がテーパ状に形成されているため、フィルタに対する連通路の孔径が見かけ上広がることとなり、連通路近辺に発生しやすい不連続的な冷媒流動音を効率よく低減することができるとともに目詰まりが生じにくくなる。フィルタを通過した冷媒中の気泡は、テーパ状の空間部を通過するときに再結合し難く、連通路で脈動が発生し難いので、さらに冷媒通過音が発生し難くなる。
第14の発明によれば、本発明の冷媒制御弁を空気調和機の除湿運転時の膨張弁(ドライ弁)として利用する冷媒回路を形成することにより長期間の使用においても、安定した除湿運転性能を得ることができる。
第15の発明によれば、冷媒制御弁と外部フィルタとの間に残った残渣が冷房運転の際に弁孔から冷媒制御弁の下流側に流れるため、目詰まりをさらに防止することができる。
第16の発明によれば、外部フィルタにより冷媒中の残渣(混入物)が冷媒制御弁に流入し、冷媒制御弁内のフィルタ目詰まりを起こすのを防止することができる。
第17の発明によれば、外部フィルタにより冷媒制御弁への残渣の混入を防ぐことにより、残渣が連通路で目詰まりを起こすのを防止することができる。
第18の発明によれば、外部フィルタにより冷媒制御弁への残渣の混入を防ぐことにより、残渣が摺動部で詰まり、弁棒が動作不良を引き起こすのを防止することができる。
第19の発明によれば、外部フィルタは冷媒が流れるに際して許容できる程度の圧損であって、しかも外部フィルタにより残渣が冷媒制御弁の連通路等で目詰まりを起こすのを防止することができる。
以下本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例である冷媒制御弁の弁閉状態を示す断面図である。図1において、矢印は冷媒制御弁の弁閉状態における冷媒の流れる方向を示す。図において20は冷媒制御弁を示す。1は第一冷媒入出口、2は第二冷媒入出口である。第一冷媒入出口1は、除湿運転時に上流側(室内凝縮器側)配管に接続され、第二冷媒入出口2は、除湿運転時に下流側(室内蒸発器側)配管に接続される。3は二つの冷媒入出口1、2間に形成された弁座、4は弁座3に形成された弁孔、5は弁座3に対し往復動し、先端部が弁座3に離接することにより弁孔4を開閉する弁棒である。6は弁棒内に形成された絞り通路、7、8は絞り通路6の前後に配置された多孔性物質よりなる二つの多孔体、9は弁棒5の先端部に形成され、絞り通路6を弁棒の先端側に連通する開口、10は弁棒5の外周に配置されたフィルタ、11は一方の冷媒入出口1に連通してフィルタ10の外周面に沿って形成された冷媒通路、12はフィルタ10と一方の多孔体7とを連通する連通路、14は弁座3と弁孔4とを有するハウジングである。この実施例では後述するようにフィルタ10と多孔体7との形状により冷媒通過量の平均化を図るようにしており、これらが冷媒通過量平均化手段13として機能する。
冷媒制御弁の内部構造をさらに詳細に説明すると、弁棒5内には、絞り通路6と連通路12との間に多孔体7、絞り通路6と開口9との間に多孔体8を有している。
連通路12に連通される側の多孔体7の外形を他側の多孔体8の外形寸法より小さくし、フィルタ10は、内面が他側の多孔体8の外周面より弁棒側となるように、フィルタ厚みが設定されている。例えば、フィルタの厚みは1mm以上とするのが好ましい。
すなわち、連通路12に連通される第一冷媒入出口1側の多孔体7の外形寸法を第二冷媒入出口2側の多孔体8の外形寸法より小さくし、フィルタ10は、フィルタ内面が多孔体8の外周面より弁棒5中心側にくるようにしてフィルタ10の厚みを厚くすることで冷媒通過面積を拡大することにより冷媒通過量の平均化を図るようにしている。
なお、フィルタ厚みの上限は、設計可能な範囲で特に限定されないが、弁棒5内部に設ける多孔体7が必要とする径、弁棒5の肉厚を考慮すれば、弁棒5の半径の2/3以下であることが望ましい。
また、フィルタ10は、多孔体7、8より孔径が小さい多孔性物質により形成してある。これは、フィルタ10の下流側での目詰まりを防止するためである。また、目が細かいほど弁上流側の均質化が進むため、流動音の低減効果は大きくなるが、冷媒中を浮遊する混入物による目詰まりを起こしやすくなるため、例えば50μm程度の残渣が通過できる仕様でもよい。
また、多孔体7、8としては、冷媒を通過させるものであればよいが、目詰まりが不均一に生じるのを防ぐ観点から、目(孔)が均質な多孔質材料がより好ましい。例えば、発泡金属、発泡樹脂、焼結金属、焼結セラミックス、金属メッシュの重ね合わせたもの、繊維を多層に巻いたもの、ハニカム構造部材のような均質材料は目詰まりが起こりにくく、フィルタ材料として特に好適である。
ただし、金属線やガラス繊維などからなる不織布などのような目(孔)がやや不均質な材料を用いた場合、目詰まりの点ではやや劣るが、冷媒脈動音の消音性能としては十分に優れているので不均質な材料であっても利用可能である。
なお、絞り通路6の詰まりを防止するという観点からは、多孔体として絞り通路6の孔径より目の細かい多孔質部材を用いることが望ましい。
連通路12は、弁棒5の周壁において弁軸方向に対し垂直方向に形成された複数の小孔で形成される。孔を複数にすれば絞り通路6の上流における冷媒状態の影響(液、ガスのばらつき)が平均化されることにより静音化が図れる。
この連通路12の孔の一端がフィルタの内面に連通し、他端が多孔体12に連通している。連通路12の孔径は0.5mm以上であることが孔加工の容易さから好ましい。
特に0.7mm以上であれば孔数を増やすことなく、流路断面積を十分に大きくすることができる。そして連通路12の孔数は6個あるいはそれ以下にして加工コストを抑えるようにするのが好ましい。
なお、連通路12の孔径の上限については、弁棒が構造上不安定にならない範囲で、かつ、孔加工に困難性がない範囲であれば特に限定されない。
ここで、多孔体7、8の孔径、フィルタ10の孔径、連通路12の孔径について説明する。多孔体7、8の孔径は絞り通路6の孔径よりも小さく設定するようにして絞り通路6での目詰まりを防止する。
フィルタ10の孔径は、連通路12の孔径、多孔体7、8の孔径、絞り通路6の孔径、よりも小さくすることでフィルタ10の下流、すなわち弁棒5内部での目詰まりを防止する。
絞り通路6は図1に示すように1つでもよいが、複数にすることで減圧に伴うエネルギーが分散化され、更なる静音化を図ることができる。
連通路12の断面積(連通路12が複数のときは断面積の総和を意味する)は、絞り流路6の断面積(絞り通路6が複数のときは断面積の総和を意味する)よりもかなり大きくすることにより、絞り流路6が主な減圧領域となるようにする。一般に減圧領域には冷媒中の不純物が析出するので、絞り流路以外での減圧による析出を抑えて信頼性を向上させることができる。具体的には連通路12の断面積を絞り通路6の断面積の5.5倍以上にすれば析出物が付着しにくくすることができる。
一方、連通路12の断面積を絞り通路6の断面積より大きくするが、0.01倍以上2倍以下程度にすると、不純物析出の点では劣るが、絞り通路6以外でも減圧がなされることとなり、冷媒の減圧が多段化されることとなり静音化の観点で好ましい。
また、図1に示すように絞り通路6の下流側に凹型の0.6mm以上の空間を形成している。よって、絞り通路6の通過による減圧に伴い冷媒中の溶解成分が析出しても下流側に形成した凹型の0.6mm以上の空間により、目詰まりを起こすのを防止することができる。また、上流側にも同形状の凹型の空間を形成することにより、絞り通路6の上下が同じ凹型であるため、絞り通路(オリフィス)を冷媒制御弁の組み込むとき、組み立てミスが発生しない。
また、図1に示すように絞り通路6を下流側の径が拡大するように2段形状にすると、段差部分で冷媒が急拡大するため、冷媒中のエネルギーを吸収することができ、静音化を図ることができる。さらに、上流側に同形状の段差を設けると絞り通路を組み込む時,組み立てミスが発生しない。
次に、冷媒制御弁20の動作について説明する。
この冷媒制御弁20は、冷媒運転時には開弁状態となり冷媒が、第一冷媒入出口1、弁孔4、第二冷媒入出口2へと順方向に流れる。
また、暖房運転時には、開弁状態となり冷媒が第二冷媒入出口2、弁孔4、第一冷媒入出口1へと逆方向に流れる。
これに対し除湿運転時には、閉弁状態となり冷媒が第一冷媒入出口1、冷媒通路11、フィルタ10、連通路12、フィルタ側(連通路側)の多孔体7、絞り通路6、弁棒先端側(開口側)の多孔体8、開口9、第二冷媒入出口2へと順に流れる。このとき、冷媒通過量平均化手段13として機能する厚いフィルタ10により冷媒が広い範囲でフィルタ10面を通過することになるので、冷媒通過流量を均一化して気液2相の冷媒の均質化を高めることができ、連通路における不連続的な冷媒流動音を効率よく低減するようになる。
さらには、冷媒が集中的に流れる部分がなくなり、フィルタ10の局所的な目詰まりが緩和するようになる。
図2は本発明の他の実施例による冷媒制御弁の弁閉状態を示す断面図である。図2において、符号1〜12、14及び20は、図1と同じものであるので説明を省略する。
この実施例では冷媒通過量平均化手段13は、連通路12近辺のフィルタ一部分の冷媒流通抵抗をフィルタ10の他の部分の冷媒流通抵抗より大きくするための冷媒流通規制手段を設けるようにしている。
冷媒流通抵抗を高くする冷媒流通規制手段には、フィルタ10自身の一部の冷媒流通抵抗を高くするものと、フィルタ10の外周部の一部に流通抵抗を大きくするための邪魔板を配置するものとがある。図2ではフィルタ10外周に邪魔板13aを設けたものを示している。すなわち、連通路12と対向させ、フィルタ10の外周部に当接させた邪魔板からなる冷媒流通規制手段であり、これが冷媒通過量平均化手段13として機能する。
この場合、邪魔板13aとしては、例えば、金属リング、シールなどのように冷媒を全く通過させないものであってもよい、また、高圧損の多孔質部材のように冷媒を通過し難い部材であってもよい。また、金属リングの一部に複数の細孔をパンチングしたものであってもよい。
一方、図示しないが邪魔板13aに代えてフィルタ10自身の冷媒流通抵抗を変化させるようにしてもよい。すなわち、連通路12の近辺のフィルタの密度を大きくし、連通路12から遠ざかるにつれてフィルタ密度を小さくして冷媒流通規制手段とすることもできる。
実施例2の構成により、冷媒通過量平均化手段13として、連通路近辺に配置された冷媒流通規制手段12により、冷媒をフィルタのより広い範囲を確保して流すことができ、また、フィルタの冷媒通過距離を長くして流すことができるため、冷媒が連通路12近傍のフィルタ面に集中して流れなくなり、冷媒脈動がより平均化され易く、不連続的な冷媒通過音を効率よく低減することができ、かつフィルタ内部で冷媒の均質化が進み、より静音化を図ることができる。さらに局所的なフィルタ目詰まりも防ぐことができる。
図3は本発明の他の実施例である冷媒制御弁の弁閉状態を示す断面図である。図3において、符号1〜12、14及び20は、図2と同じである。13bは連通路12と対向させ、フィルタ10から離して冷媒通路11内に配置した邪魔板である、この邪魔板13bが冷媒流通規制手段であり、冷媒通過量平均化手段13として機能する。
邪魔板13bは、実施例2と同様に連通路12近辺のフィルタ一部分の冷媒流通抵抗をフィルタの他部分の冷媒流通抵抗に比し大きくするように構成されている。
邪魔板13bをフィルタ10に対して浮かしてハウジング14側に取り付けたので、冷媒通過音の静音化は少し低下するが、組み立てが容易になり、冷媒制御弁20の耐久性が増す。
このとき、後述する図7に示すように、冷媒制御弁20の上流側に外部フィルタ28を配置し、外部フィルタ28の孔径が、連通路11内でのフィルタ10と邪魔板13bとの隙間、すなわち弁棒5が摺動する摺動部の一部の隙間より狭く設定されることにより、外部フィルタ28を通過した残渣が冷媒制御弁20内で目詰まりを起こすのを防止することができる。また、外部フィルタ28を通過した残渣が摺動部で挟まり、弁棒が動作不良を引き起こすのを防止することができる。
実施例3の構成により、冷媒通過量平均化手段13として、邪魔板13bをフィルタ10に対して浮かして本体側に取り付けたので、冷媒通過音の清音化は少し低下するが、組み立てが容易になり、冷媒制御弁の耐久性が図れる。
図4は本発明の他の実施例である冷媒制御弁20の弁閉状態を示す断面図である。図4において、符号1〜12、14及び20は、図1と同じであるので説明を省略する。13cは、フィルタ10と多孔体7の反弁座側端面に形成された連通路12との間に形成された空間部であり、この空間部13cが冷媒通過量平均化手段13として機能する。すなわち、空間部13cを設けることにより、フィルタ10に対する連通路12の孔径が見かけ上大きくなり、冷媒が流入するフィルタ面の範囲が拡大する。
空間部13cの深さが大きくなるほど冷媒が流入するフィルタ面が広がることになり、フィルタ外周での冷媒脈動による冷媒通過音は小さくすることができるが、フィルタ10によって微細化され均質化された冷媒中の気泡が再結合し、大きな気泡となって実際の連通路12を通過するので、冷媒音が大きくなる。そのため、大きな気泡が発生しないようにするため、空間部の深さ幅は0.5〜1.5mm程度が好ましい。
実施例4の構成により、冷媒を連通路とフィルタとの間に形成された空間部で見かけ上の連通路の孔径を大きくして流すことができるため、連通路近辺に発生しやすい不連続的な冷媒流動音を効率よく低減することができる。
図5は本発明の他の実施例である冷媒制御弁の弁閉状態を示す断面図である。図5において、符号1〜12、14及び20は、図4と同じであるので説明を省略する。13dは、フィルタ10と多孔体7の反弁座側端面に形成された連通路12との間に形成された空間部であり、冷媒通過量平均化手段13として機能する。空間部13dは多孔体7から遠くなるにつれ、空間部13dの深さ寸法が小さくなるようにテーパ状に形成されている。このテーパ状の空間13dも見かけ上の連通路12の孔径を大きくすることになり、冷媒が流入するフィルタ面領域が広がる。
実施例5の構成により、連通路12を流れる冷媒をフィルタ10の弁棒5側面に沿って形成された空間部13dで広くして流すことができるため、フィルタ10を通過した冷媒中の気泡は、空間部13dを通過するときに再結合し難くなる。よって、連通路12で脈動が発生し難くなるので、冷媒通過音が発生し難い。
図6は本発明の他の実施例である冷媒制御弁の弁閉状態を示す断面図である。図6において、符号1〜12、14及び20は、図4と同じであるので説明を省略する。13eは、フィルタ10内面に沿って形成された空間部、13fは多孔体7の反弁座側端面に形成された空間部であり、空間部13eは連通路12と空間部13fに連通し、多孔体7から遠くなるにつれ空間部13eの深さ寸法が小さくなるようにテーパ状に形成されている。このテーパ状の空間13eも見かけ上の連通路12の孔径を大きくすることになり冷媒が流入するフィルタ面が広がる。さらに狭窄部となる連通路12を介して空間部13fに連通することにより、減圧領域となる連通路12の下流側で不純物の析出が生じる場合でも空間部13fが設けられていることにより目詰まりが発生し難くなる。
また、実施例1と同様、連通路12の断面積を、絞り流路6の断面積よりもかなり大きくすることにより、絞り流路6が主な減圧領域となるようにすることができる。減圧領域には冷媒中の不純物が析出するので、絞り流路以外での減圧による析出を抑えて信頼性を向上させることができる。具体的には連通路12の断面積を絞り通路6の断面積の5.5倍以上にすれば、析出物が付着しにくくすることができる。
さらに実施例1と同様、連通路12の断面積を絞り流路の断面積の0.01倍〜2倍程度にすると連通路12が減圧領域として機能することになるので、絞り通路の多段化を図ることができ、冷媒のエネルギーが分散され、静音化が図れる。
実施例6の構成により、連通路を流れる冷媒をフィルタの弁棒側面に沿って形成された空間部で広くして流すことができるため、フィルタを通過した冷媒中の気泡は、空間部を通過するときに再結合し難い。よって、連通路で脈動が発生し難いので、冷媒通過音が発生し難い。
図7は本発明の他の実施例である冷媒制御弁を用いた空気調和機の冷媒回路の回路図である。図7において、この冷媒回路は、冷媒制御弁20と、除湿運転時に室内蒸発器となる室内第二熱交換器21と、内外連絡配管22、四方弁23と、圧縮機24と、室外熱交換器25と、膨張弁26と、内外連絡配管22と、除湿運転時に室内凝縮器となる室内第一熱交換器27とを順次接続した閉回路である。この冷媒制御弁20は、その冷媒入出口1を室内第一熱交換器27に配管接続し、冷媒入出口2を室内第二熱交換器21に配管接続している。
冷媒入出口1と室内第一熱交換器27との間(除湿運転時に冷媒入出口1の上流となる側)には、除湿運転時に、冷媒制御弁内に不純物が混入するのを防ぐための外部フィルタ28が設けられている。
上記構成の空気調和機は、膨張弁26を全開状態にして四方弁23を実線の矢印に示す状態にすると冷房運転を行い、四方弁22を点線の矢印に示す状態に切り替えると暖房運転を行う。一方、四方弁23を図7に示す冷房運転状態にして、冷媒制御弁20を、例えば、図1に示す絞り状態にすると、冷媒制御弁20は膨張源として機能し、室内第一熱交換器27及び室内第二熱交換器21が動作して、除湿運転(再熱ドライ運転)を行うことができる。
また、空気調和機は、図示しない制御部により除湿運転する前に一定時間自動的に冷房運転するようにする。これにより、開弁状態で冷媒制御弁20と外部フィルタ28との間に残った残渣が冷媒制御弁20の下流側に流れるため、フィルタ10や絞り流路6が目詰まりを起こすのを防止することができる。特に外部フィルタを設ける位置が冷媒制御弁20の入口直前であれば冷房運転時に内部の残渣を簡単に下流に流し去ることができる。
本実施例では外部フィルタ28を冷媒入出口1と室内第一熱交換器27との間に設けたが、これはできるだけ外部フィルタ28と冷媒制御弁20の配管距離を短くして、残渣除去が必要な空間を小さくし除湿運転前に行う残渣除去のための冷房運転時間を短く済ませるためである。一方、冷媒入出口1と室内第一熱交換器27との間に外部フィルタ28を取り付けた場合に、冷房運転時および暖房運転時にガスが流れるため圧損が大きくなってしまう。
それゆえ、圧損を小さくするために外部フィルタ28を室内第一熱交換器27の上流側入口の直前位置Aに取り付けてもよい。このようにすれば、外部フィルタ28には液状態の冷媒が流れるので圧損は小さくなる。ただし、冷媒制御弁20までの配管距離が長くなるので残渣除去のための冷房運転時間を長くする必要が生じる。
また、冷媒制御弁20の下流B(すなわち冷媒制御弁20の第二冷媒入出口2側)に外部フィルタ28を設けたり、室内蒸発器21の下流Cに外部フィルタを設けたりしてもよい。
位置Bと位置Cとを比較すると、液が残っている位置Bの方が圧損の点および残渣が少ない点では有利であるが、位置Bは熱交換器の構造上フィルタを取り付けにくくコストアップにつながる。
これに対し、位置Cはガス冷媒が多く圧損の点では劣るが、構造上フィルタを取り付けやすい。
このように外部フィルタ28の取り付け位置によって、メリットデメリットがあるので必要に応じて最適な位置に外部フィルタ28を設ければよい。また、外部フィルタは1つだけでなく複数取り付けるようにしてもよい。
以上述べたように、冷媒中の残渣をこれらの外部フィルタ28でも捕捉するようにすれば、連通路12の目詰まりをさらに防止することができる。
また、冷媒通過音を減音するマフラー29をさらに配置し、外部フィルタ28をマフラー29内に形成してもよい。これにより、外部フィルタ28を通過する冷媒の通過面積を大きくでき、低圧損化することができる。
なお、外部フィルタ28の孔径は、冷媒制御弁20の連通路12の隙間より小さくなるように設定する必要がある。これにより外部フィルタ28を通過した残渣が連通路12を詰まらせる可能性が小さくなる。
特に冷媒制御弁20に実施例3に示した邪魔板がフィルタから浮かして取付けたものを用いる場合、外部フィルタ28の孔径が、冷媒制御弁20の弁棒が摺動する摺動領域の一部の隙間(隙間が最小となる部分)より狭く設定する必要がある。これにより、摺動領域での詰まりも防止することができる。
外部フィルタ28の孔径は、100〜200メッシュ(100メッシュは隙間が0.154mm、150メッシュは隙間が0.109mm、200メッシュは隙間が0.77mm)の範囲であるのが好ましい。特に、100、150、200メッシュ材は汎用されているので入手が容易でありかつ安価であるのでこれらのいずれかを用いるのが望ましい。
これにより、外部フィルタ28を通過した残渣が連通路や摺動部で目詰まりを起こすのを防止することができるとともに、冷媒を流す際の圧損も支障のない程度の低さに抑えることができる。
このとき、実施例1から実施例7の冷媒制御弁20を用いているから、絞り通路における混入物の詰まりと、冷媒通過音の発生を防止することができる。
この空気調和機においては、冷媒としてはHCFC系冷媒に限らず、HFC系冷媒等種々の冷媒が使用でき、また、冷凍機油として、鉱油の他に、エーテル系、エステル系等の油を使用できる。
実施例7の構成により、本発明の冷媒制御弁は、安定して静かな除湿運転性能を有する空気調和機の膨張装置として適用することができる。
本発明の冷媒制御弁は、安定して静かな除湿運転性能が必要な病院や図書館などの空気調和機の冷媒制御弁として適用することができる。
本発明の実施例1による冷媒制御弁の弁閉状態を示す断面図である。 本発明の実施例2による冷媒制御弁の弁閉状態を示す断面図である。 本発明の実施例3による冷媒制御弁の弁閉状態を示す断面図である。 本発明の実施例4による冷媒制御弁の弁閉状態を示す断面図である。 本発明の実施例5による冷媒制御弁の弁閉状態を示す断面図である。 本発明の実施例6による冷媒制御弁の弁閉状態を示す断面図である。 本発明の実施例7による冷媒制御弁を用いた空気調和機の冷媒回路の回路図である。 従来技術による冷媒制御弁の弁閉状態を示す断面図である。
符号の説明
1 冷媒入出口
2 冷媒入出口
3 弁座
4 弁孔
5 弁棒
6 絞り通路
7 多孔体
8 多孔体
9 開口
10 フィルタ
11 冷媒通路
12 連通路
13 冷媒通過量平均化手段
14 ハウジング
20 冷媒制御弁
21 室内蒸発器
22 内外連絡配管
23 四方弁
24 圧縮機
25 室外熱交換器
26 膨張弁
27 室内凝縮器
28 外部フィルタ
29 マフラー

Claims (19)

  1. 除湿運転時に上流側となる第一冷媒入出口と、除湿運転時に下流側となる第二冷媒入出口と、これら二つの冷媒入出口間に形成された弁座と、弁座に形成された弁孔と、弁座に対し往復動し、先端部が弁座に離接することにより弁孔を開閉する弁棒と、弁棒内に形成された絞り通路と、弁棒の先端部に形成され、絞り通路を弁棒の先端側に連通する開口と、弁棒の外周に配置されたフィルタと、第一冷媒入出口に連通してフィルタの外周面に沿って形成された冷媒通路と、フィルタと絞り通路とを連通する連通路と、フィルタの冷媒通過流量を均一化する冷媒通過量平均化手段とを備え、開弁時には弁孔を介し第一冷媒入出口と第二冷媒入出口とを連通し、閉弁時には冷媒通路、フィルタ、冷媒通過量平均化手段、連通路、絞り通路、開口及び弁孔を介し第一冷媒入出口から第二冷媒入出口に冷媒が流れるように構成されてなることを特徴とする冷媒制御弁。
  2. 前記弁棒は、内部において、絞り通路と連通路との間、及び/叉は、絞り通路と開口との間に多孔性物質よりなる多孔体を配置してなることを特徴とする請求項1記載の冷媒制御弁。
  3. 前記フィルタは、前記多孔体より孔径が小さい多孔性物質により形成されていることを特徴とする請求項2記載の冷媒制御弁。
  4. 前記弁棒は、複数の絞り通路を形成したことを特徴とする請求項1記載の冷媒制御弁。
  5. 前記連通路の断面積が絞り通路の断面積の5.5倍以上であることを特徴とする請求項1記載の冷媒制御弁。
  6. 前記連通路の断面積が絞り通路の断面積の0.01倍以上2倍以下であることを特徴とする請求項1記載の冷媒制御弁。
  7. 前記弁棒は、絞り通路と連通通路との間、絞り通路と開口との間にそれぞれ多孔体を有し、前記冷媒通過量平均化手段は、連通路に連通される第一冷媒入出口側の多孔体の外形寸法を第二冷媒入出口側の多孔体の外形寸法より小さくし、前記フィルタは、内面が第二冷媒入出口側の多孔体の外周面より弁棒中心側にくるように、フィルタ厚みが設定されてなることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の冷媒制御弁。
  8. 前記冷媒通過量平均化手段は、連通路近辺のフィルタ部分の冷媒流通抵抗をフィルタの他部分の冷媒流通抵抗に比し大きくする冷媒流通規制手段であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の冷媒制御弁。
  9. 前記冷媒流通規制手段は、連通路近傍のフィルタの外周部に配置された邪魔板からなることを特徴とする請求項8に記載の冷媒制御弁。
  10. 前記冷媒流通規制手段は、フィルタを挟んで前記邪魔板を連通路と対向させ、かつ、邪魔板をフィルタの外周部に当接させたことを特徴とする請求項9記載の冷媒制御弁。
  11. 前記冷媒流通規制手段は、フィルタを挟んで前記邪魔板を連通路と対向させ、かつ、冷媒通路中に隙間を介して配置したことを特徴とする請求項9記載の冷媒制御弁。
  12. 前記冷媒通過量平均化手段は、連通路とフィルタとの間に形成された空間部からなることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の冷媒制御弁。
  13. 前記冷媒通過量平均化手段は、フィルタから連通路に近くになるにつれ前記空間部の隙間寸法が大きくなるようにテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項12記載の冷媒制御弁。
  14. 請求項1〜13の何れか1項記載の冷媒制御弁と、前記冷媒制御弁の第一冷媒入出口側に設けられ除湿運転時に凝縮器として機能する室内第一熱交換器、前記冷媒制御弁の第二冷媒入出口側に設けられ除湿運転時に蒸発器として機能する室内第二熱交換器、室外熱交換器、を配管接続する空気調和機とを備え、前記空気調和機は、除湿運転時に前記冷媒制御弁を閉弁状態にすることで膨張装置として用いて除湿運転することを特徴とする冷媒回路。
  15. 前記空気調和機は、除湿運転する前に一定時間自動的に冷房運転する制御部を備えたことを特徴とする請求項14記載の冷媒回路。
  16. 請求項14または請求項15記載の冷媒回路において、少なくとも前記冷媒制御弁の第一冷媒入出口の上流側に外部フィルタをさらに配置したことを特徴とする冷媒回路。
  17. 前記外部フィルタの孔径が、前記連通路における最小の断面積となる部分より狭く設定されていることを特徴とする請求項16記載の冷媒回路。
  18. 前記外部フィルタの孔径が、前記弁棒が往復動する際に前記冷媒通路に形成される摺動領域の隙間より狭く設定されていることを特徴とする請求項16記載の冷媒回路。
  19. 前記外部フィルタが、100〜200メッシュの範囲であることを特徴とする請求項16記載の冷媒回路。
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