JP2003202167A - 流量制御弁および冷凍空調装置および流量制御弁の製造方法 - Google Patents

流量制御弁および冷凍空調装置および流量制御弁の製造方法

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JP2003202167A
JP2003202167A JP2002032040A JP2002032040A JP2003202167A JP 2003202167 A JP2003202167 A JP 2003202167A JP 2002032040 A JP2002032040 A JP 2002032040A JP 2002032040 A JP2002032040 A JP 2002032040A JP 2003202167 A JP2003202167 A JP 2003202167A
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refrigerant
valve
control valve
permeable material
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Yoshihiro Sumida
嘉裕 隅田
Satoru Hirakuni
悟 平國
Atsushi Mochizuki
厚志 望月
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍サイクルの温度及び湿度制御性を向上で
きる流量制御弁で、多孔質透過材を用いることで、気液
2相冷媒が通過するときの冷媒流動音を効果的に低減す
る。またこの流量制御弁の長期にわたる信頼性を確保す
る。 【解決手段】 2つの流路21、22の一方に接続する
開口を有する弁座23を弁室26内に固設し、弁室26
内で稼動されて開口を開閉する弁体24は、その弁体2
4内を貫通し開口と2つの流路21、22の他方とを流
通可能とする貫通流路を備える。また貫通流路を流れる
流体が通るように、気孔径が100マイクロメートル以
上の多孔質透過材30を弁体24内に設ける。弁体24
によって開口を閉じた時に2つの流路21、22間を流
れる流体を貫通流路の多孔質透過材を通過させて減圧す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、循環する冷媒の
凝縮熱または蒸発熱を利用する冷凍サイクルにおいて、
冷媒の流量を制御する流量制御弁に関し、特に冷媒流動
音の低減に関するものである。また、この流量制御弁を
用いた冷凍装置や空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の空気調和装置では、空調負荷の変
動に対応するためにインバーターなどの容量可変型圧縮
機が用いられ、空調負荷の大小に応じて圧縮機の回転周
波数が制御されている。ところが冷房運転時に圧縮機回
転が小さくなると蒸発温度も上昇し、蒸発器での除湿能
力が低下したり、あるいは蒸発温度が室内の露点温度以
上に上昇し、除湿できなくなったりする問題点があっ
た。
【0003】この冷房低容量運転時の除湿能力を向上さ
せる手段として、次のような空気調和装置が考案されて
いる。図26は、例えば特公昭61−43631号公報
に掲載された従来の空気調和装置を示す冷媒回路図であ
る。図において、1は圧縮機、3は室外熱交換器、4は
第1流量制御弁、5は第1室内熱交換器、6は第2流量
制御弁、7は第2室内熱交換器であり、これらは配管で
順次接続され、冷凍サイクルを構成している。
【0004】次に従来の空気調和装置の動作について説
明する。通常の冷房運転では、圧縮機1を出た冷媒は室
外熱交換器3で凝縮液化し、第1流量制御弁4で減圧さ
れ、第2室内熱交換器5、第2流量制御弁6および第2
室内熱交換器7を通って圧縮機1に戻る。この時の第2
流量制御弁6は全開状態であり、第1室内熱交換器5と
第2室内熱交換器7を蒸発器として動作させ、その蒸発
熱を利用して冷房運転が行なわれる。
【0005】一方、冷房除湿運転時には、第1流量制御
弁4を全開状態とし、第2流量制御弁6で冷媒流量を制
御することにより冷媒を減圧して、第1室内熱交換器5
を凝縮器すなわち再熱器、第2室内熱交換器7を蒸発器
として動作させ、室内空気は第1室内熱交換器5で加熱
されるとともに第2室内熱交換器7で冷却除湿されるた
め、室温の低下が小さい除湿運転が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成の空
気調和装置で、室内ユニット内に設置する第2流量制御
弁として、オリフィスのみによって冷媒を減圧する絞り
部を構成している流量制御弁を用いると、冷媒がオリフ
ィスを通過する時に冷媒流動音が発生する。この冷媒流
動音は、「ジュルジュル」、「ボコボコ」、「シャー」
などの聴感であり、室内環境を悪化させる要因となって
いた。特に冷房除湿運転時には第2流量制御弁の入口冷
媒が気液二相状態になり、冷媒流動音が大きくなるとい
う問題があった。
【0007】この除湿運転時の第2流量制御弁における
冷媒流動音の低減対策としては、特開平7−91778
号公報に示された流量制御弁内の主弁体に小孔を設けた
ものや、特開平7−120105号公報に示された流量
制御弁の下流に螺旋状流路部分を設けたものなどがあ
る。ところがこれらの冷媒流動音の低減対策はいずれも
絞り部が小孔やオリフィスのみで構成されているため、
螺旋状流路を追加しても効果的ではなく、特に流量制御
弁の入口冷媒が気液二相状態の場合には、不連続な聴感
の冷媒流動音が大きくなるという問題点があった。また
この冷媒流動音を低減するために、流量制御弁本体に、
遮音材や制振材を設けるなどの追加の対策を必要として
いたが、この追加対策によりコストが増加したり、設置
スペースが大きくなるため室内ユニットが大型化した
り、製品回収時のリサイクル性が悪化するという問題が
あった。
【0008】さらに、除湿運転時の圧縮機の運転回転数
を小さく制御し、冷媒流量を小さくすることによって、
この冷媒流動音をある程度低減させることも可能である
が、結果として除湿運転時の冷媒流量が制約されてしま
うため、除湿能力を自由に制御することができず、部屋
の温度、湿度を常に一定に保つことができないという問
題があった。
【0009】さらに、上記の問題を解決するための従来
技術として、実開平1−152176号公報や実開平2
−141778号公報には、電磁弁の流路に通気性多孔
体を嵌着し、流体の流出に伴う擦過音の発生を抑制しよ
うとしたものが掲載されている。ところが、この電磁弁
の記載からは、通気性多孔体の通気孔の径などの構成に
関することや、擦過音の抑制における通気性多孔体の作
用するメカニズムなど、具体的なことが明らかではな
い。また空気調和装置の冷凍サイクル内では,鉄や銅な
どの金属紛や冷凍機油の劣化物であるスラッジなどの固
形異物が冷媒と共に循環しているが,電磁弁流路に通気
性多孔体を設置した場合,これらの固形異物が通気性多
孔体に捕捉堆積し,通気性多孔体の流動抵抗が増加し,
除湿運転時の減圧量が変化し,除湿運転性能が低下する
場合がある.さらにこの通気性多孔体への固形異物の堆
積が進むと,この部分で冷媒の流れが閉塞され,空気調
和装置の運転ができなくなるなど,長期的な信頼性を損
なうことが予測されるが,上記従来技術では,この通気
性多孔体による搾過音抑制と固形異物による詰り防止を
両立する構成など,具体的なことが明らかではない.
【0010】この発明は、上記のような問題を解決する
ためになされたもので、性能の良い、すなわち冷凍サイ
クルの温度および湿度制御性を向上でき、冷媒流動音を
低減できる,しかも長期的な信頼性も高い流量制御弁を
得ることを目的とする。特に、流量制御弁の流路に多孔
質透過材を設け、この多孔質透過材によって冷媒流動音
を効果的に低減すると共に、この多孔質透過材へのスラ
ッジなどの固形異物の堆積を防止し,長期にわたり安定
した流量制御性を確保できる流量制御弁を得ることを目
的とする。また、この流量制御弁を用い、冷房または暖
房運転時の温度および湿度制御性を向上でき、低騒音
で、長期にわたる信頼性を確保できる冷凍空調装置を得
ることを目的とする。また、冷媒流動音を大幅に低減で
きる流量制御弁の製造方法を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る流量制御弁は、2つの流路を接続する弁室内に固設さ
れ流路の一方に接続する開口を有する弁座と、弁室内で
稼動されて弁座の開口を開閉する弁体と、弁体内を貫通
し開口と流路の他方とを流通可能とする貫通流路と、貫
通流路を流れる液冷媒と蒸気冷媒の両方が同時に通るよ
うに弁体内に設けられこの冷媒が通る平均径が冷媒内に
含まれ流通する固形異物の多くを通過させる径以上の多
孔質透過材と、を備え、弁体によって開口を閉じたとき
に2つの流路間を流れる流体を貫通流路の多孔質透過材
を通過させて減圧するものである。
【0012】この発明の請求項2に係る流量制御弁は、
2つの流路を接続する弁室内に固設され流路の一方に接
続する開口を有する弁座と、弁室内で稼動されて弁座の
開口を開閉する弁体と、弁室内で弁体または弁座の外側
に配設され、開口を迂回して2つの流路間を流れる流体
を流通可能とする迂回流路と、迂回流路を流れる流体が
通るように弁室内に設けられた多孔質透過材と、を備
え、弁体によって開口を閉じたときに迂回流路を流れる
流体を多孔質透過材を通過させて減圧するものである。
【0013】この発明の請求項3に係る流量制御弁は、
2つの流路を接続する弁室内に固設され流路の一方に接
続する開口を有する弁座と、弁室内で稼動されて弁座の
開口を開閉する弁体と、弁体内を貫通し開口と2つの流
路の他方とを流通可能とする貫通流路と、貫通流路を流
れる液冷媒と蒸気冷媒の両方が同時に通るように弁体内
に設けられこの冷媒が通る第1の多孔質透過材と、弁室
内に設けられ2つの流路を仕切るとともに冷媒が通る平
均径が冷媒内に含まれ流通する固形異物の多くを通過さ
せる径以上の第2の多孔質透過材と、を備えたものであ
る。
【0014】この発明の請求項4に係る流量制御弁は、
2つの流路を接続する弁室内に固設され流路の一方に接
続する開口を有する弁座と、弁室内で稼動されて弁座の
開口を開閉する弁体と、弁体内を貫通し開口と流路の他
方とを流通可能とする貫通流路と、貫通流路を流れる液
冷媒と蒸気冷媒の両方が同時に通るように弁体内に設け
られ、もしくは弁室内で弁体または弁座の外側に開口を
迂回して設けられ、2つの流路間を流れる流体を流通可
能とする多孔質透過材と、多孔質透過材の少なくとも下
流側に設けられ冷媒の流通を絞るオリフィス部と、を備
え、多孔質透過材の冷媒が流通する平均径は前記オリフ
ィス部の冷媒の流通を絞る孔径より小さいものである。
【0015】この発明の請求項5に係る流量制御弁は、
多孔質透過材の冷媒が流通する径はほぼ均質もしくは複
数の異なるサイズ径を有するものである。
【0016】この発明の請求項6に係る流量制御弁は、
多孔質透過材の近傍に設けたオリフィスと、を備え、多
孔質透過材の冷媒が流通する平均径が蒸気冷媒や液冷媒
をオリフィスの孔径以下に分割する径以下である。
【0017】この発明の請求項7に係る流量制御弁は、
多孔質透過材の近傍に設けたオリフィスと、を備え、多
孔質透過材のオリフィスの冷媒が流通する厚みをオリフ
ィスの孔径以上である。
【0018】この発明の請求項8に係る流量制御弁は、
流体が一方方向に流れる多孔質透過材の流路の上流側の
冷媒が流入する面積を、下流側の冷媒が流出する面積よ
りも大きな面積となるようにしたものである。
【0019】この発明の請求項9に係る流量制御弁は、
流体が一方方向に流れる多孔質透過材の流路の上流側の
流体が流入する面の形状と、下流側の流体が流出する面
の形状を異なる形状にしたものである。
【0020】この発明の請求項10に係る流量制御弁
は、多孔質透過材の冷媒が通る異なる径を流路に直列に
なるように配置したものである。
【0021】この発明の請求項11に係る流量制御弁
は、多孔質透過材の流路の上流側の冷媒が通る径を下流
側の冷媒が通る径より大きくしたものである。
【0022】この発明の請求項12に係る流量制御弁
は、第1流路と第2流路の間の圧力差が所定の値以上と
なった時にこの圧力差を小さくするリリーフ機構を備え
たものである。
【0023】この発明の請求項13に係る流量制御弁
は、多孔質透過材を発泡金属で構成したものである。
【0024】この発明の請求項14に係る流量制御弁
は、多孔質透過材を金属細線を3次元的なメッシュで構
成したものである。
【0025】この発明の請求項15に係る流量制御弁
は、多孔質透過材は、平均100マイクロメートル以上
の流体が通る径を有するものである。
【0026】この発明の請求項16に係る流量制御弁
は、多孔質透過材の空隙率を50%以上、望ましくは7
0%以上、更に望ましくは90%以上としたものであ
る。
【0027】この発明の請求項17に係る流量制御弁
は、流路の上流側の冷媒が通る平均径100マイクロメ
ートル以上で平均径600マイクロメートル以下で厚み
2ミリメートル以上の多孔質透過材の近傍にオリフィス
部を備えたものである。
【0028】この発明の請求項18に係る冷凍空調装置
は、圧縮機、室外熱交換器、第1流量制御弁、第1室内
熱交換器、第2流量制御弁、第2室内熱交換器を順次接
続した冷凍サイクルを備え、第2流量制御弁は請求項1
ないし請求項17のいずれかに記載の流量制御弁であ
る。
【0029】この発明の請求項19に係る冷凍空調装置
は、冷凍サイクルの流路内に配置され流路内を流れる固
形異物を除去するストレーナと、を備え、第2流量制御
弁の冷媒が通る多孔質透過材の平均径はストレーナーの
冷媒が通る平均径と同程度以上である。
【0030】この発明の請求項20に係る冷凍空調装置
は、冷凍サイクルの冷媒として、凝縮温度40゜C、蒸
発温度10゜Cとした時の飽和圧力の差が1.0MPa
以上となる冷媒を用いたものである。
【0031】この発明の請求項21に係る冷凍空調装置
の、冷凍サイクルの冷媒は、可燃性冷媒である。
【0032】この発明の請求項22に係る流量制御弁の
製造方法は、円筒形状の底面部間を貫通させる、弁室が
接続する第1、第2流路と同程度の径の第1の貫通孔及
びこの貫通孔よりも小さな径の第2の貫通孔を有し、弁
室に設けられる流路の上流側の冷媒が通る径座ブロック
を形成するステップと、第1の貫通孔を除き第2の貫通
孔を覆うように弁座ブロックの底面部の少なくとも一方
に多孔質透過材を固定するステップと、多孔質透過材が
固定された弁座ブロックを弁室内に挿設するステップ
と、を備え、前記第1の貫通孔を閉じた時に第1流路か
ら流入した流体が第2の貫通孔と多孔質透過材を通って
第2流路に流通可能な構成を有するものである。
【0033】この発明の請求項23に係る流量制御弁の
製造方法は、第1の貫通孔が底面部のほぼ中央で底面部
を貫通し、第2の貫通孔が第1の貫通孔の周辺で底面部
を貫通するように弁座ブロックを形成したものである。
【0034】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1による冷凍空調装置の一例として、空気調
和装置を示す冷媒回路図である。空気調和装置は、冷凍
サイクルを循環する冷媒の凝縮熱または蒸発熱を利用し
て室内の冷房や暖房を行う。図において、1は圧縮機、
2は冷房運転および暖房運転の冷媒の流れを切換える流
路切換手段で例えば四方弁、3は室外熱交換器、43は
第1ストレーナー、4は第1流量制御弁で例えば電気式
膨張弁、44は第2ストレーナー、5は第1室内熱交換
器、6は第2流量制御弁、7は第2室内熱交換器、45
は第3ストレーナーであり、これらは配管によって順次
接続され冷凍サイクルを構成している。
【0035】また、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器
3、第1ストレーナー、第1流量制御弁4、第2ストレ
ーナーおよび第3ストレーナーで室外ユニット11を構
成し、第1室内熱交換器5、第2室内熱交換器7および
第2流量制御弁6で室内ユニット12を構成している。
次に一般的なストレーナー、すなわち冷媒が流れる冷凍
サイクル内に設ける異物を捕捉するストレーナーの一例
についてを説明する。図17に第2ストレーナー43の
概略を示す。第2ストレーナー43は室外熱交換器の配
管部に、例えば150メッシュから100メッシュと呼
ばれる金網をかご状に成型し、端末を金属製のリングに
固定した物を配管内に圧入して設置している。この15
0メッシュとは1インチ当たりに150本の細線を等間
隔に配置したものであり、細線直径は70マイクロメー
トル程度のもでのであり、細線の間隔は100マイクロ
メートル程度のものを用いている。これは、冷房運転時
第1流量制御弁4への異物流入を防止する目的で設置し
ている。第2ストレーナー44は室外ユニットと延長配
管を接続するサービスバルブに150メッシュから10
0メッシュと呼ばれる金網をかご状に成型し、端末を金
属製のリングに固定した物をバルブ内に設置している。
これは、暖房運転時に第2流量制御弁6への異物流入を
防止する目的で設置している。第3ストレーナー45は
圧縮機吸入配管に、150メッシュから100メッシュ
と呼ばれる金網をかご状に成型し、端末を金属製のリン
グに固定した物をマフラー容器内のデミスタ上部に圧入
して設置している。これは、圧縮機への異物流入を防止
する目的で設置している。この冷凍サイクルの冷媒に
は、例えばR32とR125の混合冷媒であるR410
Aが用いられる。
【0036】図2はこの実施の形態に係る第2流量制御
弁6を示す断面図であり、図1に示した冷凍サイクルで
は第2流量制御弁6として用いられる。図2(a)、
(b)はそれぞれ作動状態を示している。図2におい
て、21は第1流路であり、第1室内熱交換器5に接続
されている。22は第2流路であり、第2室内熱交換器
7に接続されている。23は第2流路22に接続する開
口に設けた弁座であり、ここでは第2流量制御弁6本体
と一体に構成されている。24は流路制御弁6本体の内
面に沿って上下に摺動する弁体、25は弁体24を稼動
する電磁コイル、26は2つの流路、第1流路21と第
2流路22を接続する弁室で、この弁室26内に弁座2
3が固設されている。27はバネである。
【0037】制御部(図示せず)からの指令に基づいて
電磁コイル25に通断電することで、弁体24を上下に
稼動して弁座23の開口を開閉し、第2流量制御弁6を
開閉する。弁体24の内部には空洞部29が設けられて
おり、さらに弁体24の側面には連通孔28が設けら
れ、この連通孔28と空洞部29により弁体24内部に
貫通流路が形成される。さらに弁体24の内部の貫通流
路の空洞部29に、この流路を塞ぐように円柱状の多孔
質透過材30が設けられ、弁体24の内部を流れる冷媒
が多孔質透過材30を通過する時に減圧されるように構
成している。この多孔質透過材30は、例えば通気孔
(流体が透過することのできる多孔質体内部の気孔)の
平均直径が100マイクロメートル、空隙率(外径容積
に対する発泡金属内部の隙間容積の比率)が97%の発
泡金属で構成する。なお発泡金属は、例えばウレタンフ
ォームにNi(ニッケル)などの金属粉末あるいは合金
粉末を塗布後、熱処理をしてウレタンフォームを焼失さ
せ、3次元の格子状に成形したものである。強度を上げ
るためにCr(クロム)メッキ処理などを施してもよ
い。なおこの多孔質透過材は冷媒を通すメッシュが存在
しておれば良く発泡金属以外でもよいことは当然である
が、冷媒に対する化学的安定性が必要であり、また弁製
造でロー付け加工するなどから耐熱性が必要であり、金
属を使用する。
【0038】図2に示した第2流量制御弁6において、
電磁コイル25に非通電とすることにより、バネ27の
バネ力により弁体24を上方に稼動し、弁体24を弁座
23から引き離す。このとき第2流路22に接続される
開口は開となり、図2(a)に示すように第1流路21
と第2流路22はほとんど圧力損失なしに連通される。
また電磁コイル25に通電することにより、バネ力より
も電磁力の方が大きいため、弁体24を下方へ稼動し、
弁体24を弁座23に密着させる。このとき開口は閉と
なり、図2(b)に示すように弁体24の内部に設けた
貫通流路を通って発泡金属30の通気孔を介して、第1
流路21と第2流路22が接続される。第1流路から弁
室26内に流入した冷媒は、連通孔28を通って弁体2
4内の貫通流路に流れる。そして発泡金属30を通る時
に発泡金属30の通気孔によって減圧され、開口から第
2流路22へ流出する。
【0039】次にこの実施の形態による空気調和装置の
冷房運転時の動作について説明する。図1では冷房時の
冷媒の流れを実線矢印で示している。冷房運転は、起動
時や夏季時など部屋の空調顕熱負荷と潜熱負荷がともに
大きい場合に対応する通常冷房運転と、中間期や梅雨時
期のように空調潜熱負荷は小さいが、顕熱負荷が大きな
場合に対応する冷房除湿運転に分けられる。通常冷房運
転は、第2流量制御弁6の電磁コイル25を非通電状態
とする。このとき圧縮機1を出た高温高圧の冷媒蒸気
は、四方弁2を通って室外熱交換器3に流入し、外気と
熱交換して凝縮、液化する。この高圧の液冷媒は、第1
流量制御弁4で低圧に減圧され、気液二相冷媒となって
第1室内熱交換器5および第2室内熱交換器7で室内空
気の顕熱および潜熱を奪って蒸発する。第2流量制御弁
6では、図2(a)に示すように第1流路21と第2流
路22が大きな開口面積で接続されているので、この弁
を通過する際の冷媒圧力損失はほとんどなく、圧力損失
による冷房能力や効率面での低下もない。第2室内熱交
換器7を出た低圧の蒸気冷媒は、四方弁2を通って再び
圧縮機1に戻る。この通常冷房運転時の第1流量制御弁
4の開度は、例えば第2室内熱交換器7の出口冷媒の過
熱度が5℃となるように制御されている。
【0040】次に冷房除湿運転時の動作について説明す
る。この除湿運転時は、第2流量制御弁6の電磁コイル
25に通電し、図2(b)に示すように弁体24を弁座
23に密着させ、弁体24の内部に設けた貫通流路を介
して第1流路21である第1室内熱交換器5の出口と第
2流路22である第2室内熱交換器7の入口を接続す
る。この時、圧縮機1を出た高温高圧の冷媒蒸気は、四
方弁2を通って室外熱交換器3に流入し、外気と熱交換
して凝縮する。この高圧の液冷媒あるいは気液二相冷媒
は、第1流量制御弁4で若干減圧され、中間圧の気液二
相冷媒となって第1室内熱交換器5に流入する。この第
1室内熱交換器5に流入した冷媒は、室内空気と熱交換
してさらに凝縮する。第1室内熱交換器5を出た中間圧
の液冷媒あるいは気液二相冷媒は、第2流量制御弁6に
流入する。第2流量制御弁6では、図2(b)に示すよ
うに弁体24が弁座23に密着しているため、この弁室
26に流入した冷媒は、弁体24の側面に設けた連通孔
28から弁体24内部の空洞部29に流入する。さらに
空洞部29内に設けた発泡金属30の通気孔を流通して
第2室内熱交換器7に流入する。この発泡金属30の気
孔径は1000マイクロメートルよりも小さく100マ
イクロメートル以上とし、ここでは例えばストレーナー
のメッシュと同程度の100マイクロメートルであり、
空隙率は97%であり、この通気孔を通る冷媒は絞り手
段である発泡金属30によって減圧され、低圧の気液二
相冷媒となって、第2室内熱交換器7に流入する。この
第2室内熱交換器7に流入した冷媒は、室内空気の顕熱
および潜熱を奪って蒸発する。第2室内熱交換器7を出
た低圧の蒸気冷媒は、四方弁2を通って再び圧縮機1に
戻る。室内空気は、第1室内熱交換器5で加熱され、第
2室内熱交換器7で冷却除湿されるため、部屋の室温低
下を防ぎながら除湿を行うことができる。
【0041】なお、この冷房除湿運転では、圧縮機1の
回転周波数や室外熱交換器3のファン回転数を調整し
て、室外熱交換器3の熱交換量を制御することで、第1
室内熱交換器5による室内空気の加熱量を制御して、吹
出し温度を広範囲に制御できる。また第1流量制御弁4
の開度や室内ファン回転数を調整して、第1室内熱交換
器5の凝縮温度を制御することで、第1室内熱交換器5
による室内空気の加熱量を制御することもできる。また
第2流量制御弁6の開度は、例えば第2室内熱交換器7
の出口冷媒の過熱度が5℃となるように制御されてい
る。
【0042】この発明では、発泡金属30を弁体24の
内部に設けた第2流量制御弁6を第1室内熱交換器5と
第2室内熱交換器7の間に配置し、発泡金属30を冷房
除湿運転時の絞り手段として用いているので、第2流量
制御弁6を液冷媒あるいは気液二相冷媒が通過する際の
冷媒流動音を大幅に低減することができる。なお個々で
は発泡金属の場合気孔径がそろいやすいので発泡金属で
説明するが気孔径のばらつきがある積層金網や金属たわ
し状のものでも液冷媒と蒸気冷媒の両方が同時に通過
し、減圧するものであれば冷媒流動音が大幅に低減され
ることは同一である。図19の(a)および(b)に従
来オリフィスと本発明の発泡金属絞りにおける気液二相
流動様式をそれぞれ示す。(a)に示す、従来装置のよ
うなオリフィスのみの絞り手段32を気液二相冷媒が通
過する際には、大きな冷媒流動音が発生する。特に気液
二相冷媒の流動様式がスラグ流となる場合に、大きな冷
媒流動音が発生することが知られている。この冷媒流動
音の発生要因としては、絞り手段内のオリフィス部など
の冷媒が流れる小孔31をスラグ流が通過する際に、小
孔31よりも大きな冷媒蒸気スラグあるいは冷媒気泡が
破壊される。この冷媒蒸気スラグあるいは冷媒気泡の崩
壊により振動が発生することや、小孔31を蒸気冷媒と
液冷媒が交互に通過するため、この小孔31を冷媒が通
過する際に発生する圧力損失が大きく変動することが考
えられる。またオリフィス部出口では、速度が大きく、
また乱れも大きな気液二相噴流が形成され、この気液二
相噴流による圧力変動も冷媒流動音の発生要因である。
一方、図19(b)に示す本発明の発泡金属絞りでは、
蒸気スラグが絞り部に流入しても、液冷媒と蒸気冷媒を
同時に通過させることができるため、流動抵抗の違いに
より発生する圧力変動が発生しないため、騒音は発生し
ない。更に、冷媒流出部も無数に存在するため、絞り部
下流に、大きな流れの乱れを発生させることがないため
冷媒流動音の騒音レベルを低減させることが可能とな
る。
【0043】これに対し、図2に示したこの実施の形態
による第2流量制御弁6では、冷房除湿運転時に第1室
内熱交換器5を出た気液二相冷媒あるいは液冷媒は、弁
体24内部に設けられた発泡金属30の微細な通気孔を
同時に通り、この際に減圧されて第2室内熱交換器7に
流入するため、騒音発生がほとんどない。これは、蒸気
冷媒と液冷媒は同時に発泡金属30の通気孔内を通過
し、流動抵抗の差が生じないため圧力損失の大きな変動
も発生せず、冷媒流動音を大幅に低減して低騒音な環境
を実現することができる。特に通気孔の気孔径を100
0マイクロメートル以下としているので、冷媒流路が多
数存在し、冷媒蒸気スラグや冷媒気泡と液冷媒がそれぞ
れ減圧される構成である。このため従来装置で必要であ
った遮音材や制振材を弁の外周に巻きつけるなどの低騒
音化手段が不要となり、コストの低減ができ、さらに空
気調和装置のリサイクル性も向上する。
【0044】なお、上述した気液二相冷媒に起因する冷
媒流動音の課題に関しては、空気調和装置に限定される
ことなく、冷蔵庫等の冷凍サイクル一般についての課題
であり、この実施の形態における第2流量制御弁6は冷
凍サイクルを用いた冷凍空調装置一般に広く適用でき、
同様の作用効果が得られる。即ち、冷媒流動音の発生が
なく静かな除湿運転が可能となると共に、冷凍サイクル
内を冷媒と共に循環する固形異物が発泡金属内部に捕捉
されて堆積することなく、また除湿能力が変動したり、
除湿運転に必要な電気入力が増大することなく、長期的
に信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0045】冷房除湿運転時の第2流量制御弁6の流量
特性(冷媒流量と圧力損失の関係)は、弁体24に用い
る発泡金属30の通気孔の径や冷媒が通過する流路長さ
を調整することによって調整できる。即ち、通気孔のば
らつきを大きくしても良いし均一にしたものを汲み合わ
せても良い。また、ある冷媒流量を小さな圧力損失で流
す場合には、発泡金属30の通気孔を1000マイクロ
メータ程度まで大きくしたり、発泡金属30の冷媒が通
る全体の面積である径を大きくしたり、あるいは発泡金
属30を通過する流路長さを短くしても良い。また逆
に、ある冷媒流量を大きな圧力損失で流す場合には、発
泡金属30の通気孔を冷凍サイクル内のストレーナーと
マッチングする径のようにを小さくし冷凍サイクル内を
流れる固体異物のほとんどを通す大きさまでにしたり、
流路である発泡金属30の径を小さくしたり、あるいは
発泡金属30を通過する流路長さを長くしても良い。こ
のような弁体24に用いる発泡金属30の通気孔の径や
流路長さは、機器設計時に最適に設計される。
【0046】なお、弁体24内部に発泡金属30を固定
する方法としては、以下のように形成すれば良い。例え
ば発泡金属30の外形を弁体24の内部空間径よりも若
干大きくしておき、発泡金属30を弁体24の内部に圧
入すれば、発泡金属30を確実に弁体24内部に固定で
きる。さらにこの方法によると、弁の製造コストを安価
にすることができる。またこの発泡金属30の固定法は
圧入だけではなく、ロー付けや高周波溶接などによっ
て、発泡金属30を弁体24の内部に固定してもよい。
なお圧入固定方法等を採用する場合は金属でなくとも化
学的に安定なセラミックのようなものでも良いことは明
らかである。
【0047】このようにこの実施の形態では、冷房除湿
運転時の第2流量制御弁6の絞り手段として、弁体24
内部に設けた発泡金属30を使用しているので、絞り手
段を通過する冷媒が気液二相状態であっても気泡の崩壊
や圧力変動を抑制することができ、冷媒流動音の発生を
低減し、低騒音な室内環境を実現することができる。こ
の発泡金属30による冷媒流動音の低減効果は、発泡金
属の気孔径が小さいほど効果的であることを実験により
確認した。しかし空気調和装置の冷凍サイクル内には、
鉄や銅などの金属紛や冷凍機油の劣化物であるスラッジ
などの固形異物が冷媒とともに循環している。このた
め、発泡金属30の気孔径をこれらの異物を捕捉するス
トレーナーよりも小さくしすぎると、この固形異物が発
泡金属30の気孔内部に捕捉されて堆積し、発泡金属3
0の流動抵抗が増加する可能性がある。発泡金属30の
流動抵抗が増加すると、冷房除湿運転時の第2室内熱交
換器7の蒸発温度が低下し、除湿能力が変化してしま
う。この時、蒸発温度が0℃以下に低下すると、熱交換
器表面で凝縮した結露水が凍結することになる。さらに
発泡金属30の内部の通気孔が金属紛やスラッジなどで
埋め尽くされると、冷房除湿運転時の冷媒流量が大幅に
低下し、除湿能力の低下や電気入力の増大などが発生す
る。従って発泡金属30の仕様選定に際しては、冷凍サ
イクル内を冷媒と共に循環する金属紛やスラッジなどの
固形異物が発泡金属内部に堆積しない、あるいは堆積し
ても流動抵抗変化が小さくなるように平均径を配慮する
ことが必要となる。
【0048】冷凍サイクルには一般にストレーナーと呼
ばれる濾過手段が、冷凍サイクル内を冷媒と共に循環す
る鉄や銅などの金属紛や冷凍機油の劣化物であるスラッ
ジなどの固形異物を捕捉するため、サイクル数箇所に設
置されている。このストレーナーは、図18(a)
(b)に示すように、細線がメッシュ状に編み込まれた
ものであり、この細線の平均間隔は100マイクロメー
トル程度である。このストレーナーよりも目の粗い気孔
径の発泡金属30を絞り手段として用いれば、ストレー
ナーよりも大きな固形異物はストレーナーで捕捉され
る。即ち、冷凍サイクルに細線の平均間隔は100マイ
クロメートル程度の濾過手段が設けられている場合に
は、気孔径が100マイクロメートル以上の発泡金属3
0を用いれば、冷凍サイクル内を循環する固形異物が発
泡金属30に流入し、その内部に堆積するのを防止でき
る。またこの濾過手段よりも小さな径、即ち100マイ
クロメートルよりも小さい固形異物は、濾過手段を通過
して発泡金属30にも流入するが、この固形異物の径は
発泡金属30の気孔径よりも小さいため、発泡金属30
によって捕捉されることなく、発泡金属30を通過す
る。従って、気孔径が100マイクロメートル以上の発
泡金属30を弁体24内部の絞り手段に設けることによ
り、冷凍サイクル内を冷媒と共に循環する金属紛やスラ
ッジなどの固形異物が発泡金属内部に堆積することな
く、信頼性の高い流量制御弁および冷凍空調装置を得る
ことができる。
【0049】また、発泡金属の空隙率を50%以上とす
ることにより発泡金属の異物詰りによる信頼性を向上さ
せることができる。ストレーナーの粗さが約100マイ
クロメートルであるため、直径が100マイクロメート
ル以下の固形異物しか発泡金属30に流入しない。そこ
で発泡金属30の気孔径を平均100マイクロメートル
以上とすることにより、ストレーナーを通過した100
マイクロメートルよりも小さな固形異物の大部分は、発
泡金属30の気孔内を通過するはずである。ところが、
その一部は発泡金属30と衝突し、発泡金属30内に堆
積する可能性がある。多孔質透過材の場合完全に均一な
孔径や形状は難しく、しかも気泡を細分化させる程度の
厚みのある3次元構造のため、一部の固形異物が発泡金
属30内に衝突堆積すると、その部分の通過面積が小さ
くなり、さらにその部分に固形異物が堆積する。この発
明ではこのような場合に対し、発泡金属30の空隙率を
50%以上確保することで、発泡金属30内部の隙間容
積を大きくしている。発泡金属30の空隙率を50%以
上確保すれば、発泡金属30の内部には多くの微少流路
数が確保でき、万一、発泡金属30の内部の一部の微少
流路が固形異物によって閉塞されても、発泡金属30全
体の流動抵抗はほとんど変化せず、安定した流量制御が
可能となる。
【0050】図3は発泡金属30の内部に固形異物を付
着堆積させた時の発泡金属の流動抵抗の変化を実験によ
り調べた結果である。この実験では、図4に示すよう
に、内径20ミリメートルのパイプ51内に外径20ミ
リメートル、厚さ2ミリメートルの発泡金属30を設置
し、固形異物を模擬したJIS紛体(Iの2種)を混合
した水をタンク52に格納しておき、水ポンプ53によ
って循環させて、所定の時間経過後の発泡金属30前後
の圧力差を差圧計54で測定したものである。なお図3
の縦軸は、固形異物を付着堆積させる前の発泡金属の圧
力差に対し、固形異物を付着堆積させた後の発泡金属の
圧力差の増加率(%)、横軸は空隙率(%)を示す。こ
の結果によると、発泡金属の空隙率が50%以上では、
固形異物の付着堆積による圧力差の増加率は急激に低下
する。このため空隙率が50%以上の発泡金属を使用す
ることで、発泡金属内部の異物詰りに対す圧力差の増大
を回避でき、信頼性の高い第2流量制御弁6を実現でき
る。また、図3の結果から判るように、この固形異物の
付着堆積による圧力差の増加は、空隙率を70%以上と
することにより大幅に小さくすることができるので、好
ましくは空隙率が70%以上の発泡金属を用いることに
より、異物詰りに対する信頼性を大幅に向上させること
ができる。さらに最も良いのは空隙率を90%以上とす
ることによりこの固形異物の付着堆積による圧力差はほ
とんど増加しないことが図3より判る.このため空隙率
が90%以上の発泡金属を用いることにより、異物詰り
に対する信頼性を確実に確保することができる。
【0051】上記の実験結果から、図2に示した流量制
御弁では、弁体24の内部に貫通流路を設け、この貫通
流路内に発泡金属30を固定して除湿運転時の絞り手段
として動作させているので、冷媒流動音の発生が低減で
き静かな運転が可能となる。特に、その発泡金属30の
気孔径を、冷凍サイクルに設けられている濾過手段の細
線の平均間隔である100マイクロメートル以上とする
ことで、冷凍サイクル内を冷媒と共に循環する鉄や銅な
どの金属紛や冷凍機油の劣化物であるスラッジなどの固
形異物が発泡金属30の内部に捕捉して堆積することな
く、信頼性の高い流量制御弁を実現できる。さらに、そ
の発泡金属30を空隙率50%以上とすることで、万
一、冷凍サイクル内を冷媒と共に循環する固形異物が発
泡金属30の内部に捕捉して堆積しても、流動抵抗変化
を小さくでき、長期的にも信頼性の高い流量制御弁が得
られる。
【0052】次に、騒音特性について説明する。図23
に示すように暗騒音20dBの無響箱64の中に絞り部
がオリフィスのみで構成された試験用流量制御弁67を
設置し、この弁に飽和温度40゜C、冷媒乾き度0.1
の気液2相冷媒を図示しない冷凍サイクルから供給し、
出口圧力が飽和温度10゜C程度になるように調整した
状態で、弁から10cmの位置に設置したマイクロフォ
ン65により騒音計66にて冷媒流動音を多孔質体の気
孔径をパラメーターとして測定した。実験結果を図25
に示す。図25の横軸は気孔径を縦軸は騒音レベルをそ
れぞれ示す。実験結果によれば、気孔径が1000マイ
クロメートル以下であれば騒音レベルは中程度であり、
問題ないレベルである。また、600マイクロメートル
以下であれば騒音レベルはより低くなる。気孔径が小さ
くなるほど騒音レベルは低下するが、固形異物の付着堆
積を考慮すると多孔質体の気孔径は100マイクロメー
トルから1000マイクロメートル以下が騒音低減と高
信頼性を両立する気孔径であると言える。
【0053】また弁体24の内部に発泡金属30を固定
しているので、弁体24と弁座23を電磁力により密着
させても発泡金属30が変形することなく、確実に弁体
24と弁座23を密着させることができ、弁座23から
の冷媒の漏洩流量を安定して最小化することができる。
さらにこの低騒音かつ信頼性の高い流量制御弁を第2流
量制御弁6として用いることにより、温度と湿度の制御
性が高く、しかも低騒音で信頼性を向上できる冷凍空調
装置を実現できる。また、除湿能力が変動を防ぐことが
でき、除湿運転に必要な電気入力の増大を防ぐことがで
きる冷凍空調装置が得られる。
【0054】なお、図2に示したこの発明では、1つの
円柱状の発泡金属30を弁体24内部に固定した構成例
について説明したが、これに限ることはなく、図5に示
すように2つの気孔径が異なる2種類の円柱状の発泡金
属30a、30bを、流路に直列になるように弁体24
内部に固定して、絞り手段としてもよい。図5に示した
流量制御弁において、気孔径が200マイクロメートル
の発泡金属30aを上流側に、気孔径が100マイクロ
メートルの発泡金属30bを下流側に設けている。この
ように上流側の発泡金属30aの気孔径を下流側の発泡
金属30bの気孔径よりも大きくすることにより、比較
的直径の大きな固形異物は上流側の発泡金属30aに捕
捉され、比較的直径の小さな固形異物は下流側の発泡金
属30bに捕捉される。このように、発泡金属30の内
部に固形異物が堆積する個所を分散できるため、万一、
固形異物が発泡金属30の内部に堆積しても、発泡金属
30の流動抵抗変化を小さくすることができる。この場
合1つの多孔質透過材、たとえば金属線をより合わせた
ようなもので上流側にバラけた方とし中流より下流に密
なものとしても良い。
【0055】また、発泡金属30a、30b間は、図5
に示したように密着させても、あるいはさせなくとも気
相と液相を同じに気泡を崩壊せずに減圧させることが出
来る。また発泡金属30a、30b間に空間があって
も、同様の作用効果を奏する。また、2つの発泡金属3
0a、30bに限るものではなく、もっと多くの異なる
種類の多孔質透過材で絞り手段を構成してもよい。
【0056】また図6はこの発明に係わる第2流量制御
弁6の他の構成例を示す断面図であり、弁体24内部に
設けた多孔質透過材である発泡金属30の上部の形状を
円錐状としている。この構成では、図2に示した円柱状
の発泡金属を用いるよりも、冷媒が流れる発泡金属上流
側の通過面積を大きくできる。このため、発泡金属30
の上流側で固形異物が堆積する個所を分散できる。万
一、固形異物が発泡金属30の上流側に堆積しても、発
泡金属の流動抵抗変化を小さくすることができ、異物詰
りに対してより信頼性の高い流量制御弁を得ることがで
きる。この構成は、絞り手段に設ける発泡金属上流側の
通過面積を大きくできればよく、発泡金属の上流側の面
形状を円錐状とすることに限るものではない。例えば、
1つまたは複数の波形の面や、傾斜した平面、複数の凹
凸が形成された面、球表面の一部の面で構成しても、流
路に垂直な平面にするよりも通過面積を大きくできる。
【0057】図7は、この発明の別の第2流量制御弁6
を示す断面図であり、図2に示したものと同一または同
様の構成部品には同一符号を付して、その重複する説明
を省略する。この構造の例では、第1多孔質透過材、例
えば気孔径500マイクロメートル、空隙率95%の第
1発泡金属30aと、オリフィス板32と、第2多孔質
透過材、例えば気孔径500マイクロメートル、厚さ2
mm、空隙率95%の第2発泡金属30bとが、弁体2
4内の貫通流路を構成する空洞部29に内設されてい
る。またオリフィス板32の中央部には、例えば直径1
ミリメートル程度の小孔31で構成されるオリフィス部
が設けられている。第1発泡金属30a、小孔31、第
2発泡金属30bが流路に直列に並設されて絞り手段を
形成し、弁体24内の貫通流路を流通する流体を減圧す
る。
【0058】通常冷房運転時には図2と同様に、電磁コ
イル25に非通電とすることにより、バネ27のバネ力
により弁体24を上方に稼動し、弁体24を弁座23か
ら引き離す。このとき弁座23の開口は開となり、第1
流路21と第2流路22はほとんど圧力損失なしに連通
される。このため、第1室内熱交換器5と第2室内熱交
換器7の間で圧力損失はなく、冷房能力や効率面で低下
することもない。冷房除湿運転時には電磁コイル25に
通電することにより、バネ力よりも電磁力の方が大きい
ため、弁体24を下方へ稼動し、弁体24を弁座23に
密着させる。このとき開口は閉となり、第1室内熱交換
器5を出た気液二相冷媒は、第1流路21から弁室26
に流入し、図7に示すように、貫通孔28を通って弁体
24内の貫通流路に流れ、弁体24の内部に設けた第1
発泡金属30aの通気孔、オリフィス板32の小孔3
1、および第2発泡金属30bの通気孔の順に流通して
減圧され、弁座23の開口から第2流路22へ流出して
第2室内熱交換器7に流入する。
【0059】図20は冷媒の流を説明する図であって、
図20の(a)は従来のオリフィスのみの場合の気液二
相流の流動様式を示し、図20の(b)は本発明のオリ
フィスの上流側に発泡金属絞りを設けた場合における気
液二相流の流動様式を示す。図20(a)に示す、従来の
オリフィスのみの絞り手段を気液二相冷媒が通過する際
には、大きな冷媒流動音が発生する。特に気液二相冷媒
の流動様式がスラグ流となる場合に、大きな冷媒流動音
が発生することが知られている。この冷媒流動音の発生
要因としては、絞り手段内のオリフィス部などの小孔を
スラグ流が通過する際に、小孔よりも大きな冷媒蒸気ス
ラグあるいは冷媒気泡が破壊される。この冷媒蒸気スラ
グあるいは冷媒気泡の崩壊により振動が発生すること
や、小孔を蒸気冷媒と液冷媒が交互に通過するため、こ
の小孔を冷媒が通過する際に発生する圧力損失が大きく
変動することが考えられる。またオリフィス部出口で
は、速度が大きく、また乱れも大きな気液二相噴流が形
成され、この気液二相噴流による圧力変動も冷媒流動音
の発生要因である。
【0060】次に、本発明の絞り部における気液二相冷
媒の流動について説明する。図20(b)に示すように液
冷媒と蒸気冷媒に分離した気液二相冷媒が第1発泡金属
30aを通過する際に、蒸気冷媒は小さな気泡に分割さ
れる。この小さな気泡となった蒸気冷媒が、液冷媒と共
にオリフィス板32の小孔31を通過するため、小孔3
1を通過する気液二相冷媒は気液が十分混合された状態
となり、圧力損失の大きな変動も発生しない。このた
め、「ジュルジュル」、「ボコボコ」といった聴感となる不
連続な冷媒流動音が生じるのを防止できる。また小孔3
1を通過した速度および乱れの大きな気液二相噴流は、
第2発泡金属30bを通過する際に、減速されて整流さ
れる。このため、「シャー」といった聴感となる連続的な
冷媒流動音の発生を大幅に抑制することができる。これ
により、冷媒流動音の発生を低減でき、快適な環境を実
現できる。さらに、発泡金属の厚さについて、図21を
用いて説明する。発泡金属の厚さが0.5ミリメート
ル、オリフィス内径は1ミリメートルのように発泡金属
の厚さよりオリフィス内径が小さい場合は、図21の
(a)の如く、蒸気泡62を長さ方向に対して、十分に分
割することができずに、長い気泡を形成させてしまうた
め、オリフィス内に蒸気冷媒が多い気液二相流を通過さ
せることになる。その結果、圧力変動が大きくなる。一
方、発泡金属の厚さが2ミリメートル、オリフィス内径
は1ミリメートルのように発泡金属の厚さがオリフィス
内径より大きい場合は、図21の(b)の如く、蒸気泡を
長さ方向に対して、流路は3次元的に構成されており、
ストレートではなく複雑に折り曲がっって形成されるて
いるために、十分に分割することができるため、より均
質な気液二相冷媒をオリフィスに通過させることが可能
となり、圧力変動を抑制させることが可能となる。この
ようにオリフィス近傍に設置する多孔質透過材の厚さは
オリフィスの孔径以上の厚さとすることにより、確実に
オリフィス孔径以下の蒸気泡を形成でき冷媒流動音を低
減できる。
【0061】なお、図7に示したこの構造の例では、2
つの円柱状の発泡金属とオリフィス板32をそれぞれ隙
間が生じないように密着して固定し、弁体24に内接し
た例について説明した。しかし、これに限ることはな
く、図8に示すように、第1発泡金属30aとオリフィ
ス板32の間、およびオリフィス板32と第2発泡金属
30bの間に、1〜2ミリメートル程度の空間33a、
33bを設けて固定してもよい。図9はこの図8に示し
た第1発泡金属30a、オリフィス板32、および第2
発泡金属30bで構成される絞り手段を分解して示す斜
視図であり、オリフィス板32の発泡金属と接する上面
および下面には空間部33a、33bが設けられてお
り、またオリフィス板32の中心部には1ミリメートル
程度の小孔31が設けられている。
【0062】この図8および図9に示した第2流量制御
弁6では、第1発泡金属30aとオリフィス板32の間
に空間部33aを設けているので、第1発泡金属30a
により小さな気泡に分割された蒸気冷媒は、空間部33
aに流入し、ここで空間部33aに滞留する液冷媒と混
合される。このため、オリフィス板32の小孔31を通
過する冷媒は、より確実に気液冷媒が混合された状態と
なり、「ジュルジュル」、「ボコボコ」といった聴感となる
不連続な冷媒流動音の発生を確実に抑制することができ
る。また、オリフィス板32と第2発泡金属30bの間
にも空間部33bを設けているので、第2発泡金属30
bを通過する気液二相噴流の通過面積を大きくできる。
このため、より確実に気液二相噴流の減速および整流が
可能となり、「シャー」といった聴感となる連続的な冷媒
流動音の発生を確実に抑制することができる。なお、図
9に示した絞り手段は、第1発泡金属30aとオリフィ
ス板32の間、およびオリフィス板32と第2発泡金属
30bの間の両方に1〜2ミリメートル程度の空間を設
ける例について説明したが、これに限ることはなく、第
1発泡金属30aとオリフィス板32の間のみに空間部
を設けてもよい。また、オリフィス板32と第2発泡金
属30bの間のみに空間部を設けてもよい。
【0063】このように、図7あるいは図8に示した構
成の第2流量制御弁6では、弁体24の内部に貫通流路
を設け、この貫通流路に絞り手段として、気孔径500
マイクロメートル、空隙率95%の第1発泡金属30a
と、直径1mmの小孔31を設けたオリフィス板32、
および気孔径500マイクロメートル、空隙率95%の
第2発泡金属30bが流れに直列に設けられているの
で、小孔31に流入する気液二相冷媒を確実に混合する
ことで、また小孔31から流出する気液二相噴流を確実
に減速および整流することで、冷媒流動音の発生を低減
でき、静かな除湿運転が可能となる。
【0064】また、図2の構造のようなものでは、除湿
運転時の絞り手段として、発泡金属30の通気孔によっ
て循環する冷媒を減圧していたので、発泡金属30の気
孔径をそれほど大きくすることができなかった。これに
対し、オリフィスを多孔質透過材とは別に設けた除湿運
転時の絞り手段としては、第1発泡金属30aと小孔3
1および第2発泡金属30bを備えているので、小孔3
1の径を0.5から1.0ミリメートルとして、この小
孔31を通過する際に生じる圧力損失を大きくすること
により、第1発泡金属30aおよび第2発泡金属30b
の気孔径を500マイクロメートル程度に大きくでき
る。このため、冷凍サイクル内を冷媒と共に循環する鉄
や銅などの金属紛や冷凍機油の劣化物であるスラッジな
どの固形異物が発泡金属30a、30bの内部に捕捉さ
れて堆積するのを防止でき、長期的にも信頼性を向上す
ることができる。
【0065】また、第1発泡金属30aおよび第2発泡
金属30bの気孔径や空隙率を同一仕様のものを用いる
例で説明したが、これに限ることはなく、気孔径や空隙
率の異なる発泡金属を使用してもよい。例えば第1発泡
金属30aの気孔径を500マイクロメートル、第2発
泡金属30bの気孔径を100マイクロメートルとし、
上流側の発泡金属の気孔径を下流側の発泡金属よりも大
きくすることにより、比較的直径の大きな固形異物は上
流側の発泡金属30aに捕捉され、比較的直径の小さな
固形異物は下流側の発泡金属30bに捕捉される。この
ように、発泡金属30a、30bの内部に固形異物が堆
積する個所を分散できるため、万一、通気孔に固形異物
があたって発泡金属内部に堆積しても、発泡金属30
a、30bの流動抵抗変化を小さくすることができる。
【0066】また、ここでは小孔31の上流側及び下流
側に発泡金属30a、30bを設けたが、どちらか一方
に発泡金属を備えた構成でもよい。この場合には、発泡
金属を備えていない場合に比べて冷媒流動音を低減する
ことができる。また、小孔31を流路の中央部に1つ備
えたものを示したが、複数の小孔を流路に並列に設けて
もよい。この場合には、オリフィス板32に複数の小孔
を設けておくことで、簡単に製造できる。
【0067】また、小孔31の上流側に発泡金属30a
を備えた構成の場合、図6に示した発泡金属30と同
様、発泡金属30aの上流側の面形状を、流路に垂直な
平面とした時の面積よりも大きな面積になるように構成
してもよい。例えばこの面を円錐形、波形、山形等で構
成して流体の通過面積を大きくすることで、発泡金属3
0の上流側で固形異物が堆積する箇所を分散できる。万
一、固形異物が発泡金属30a上流側に堆積しても、発
泡金属30aでの流動抵抗変化を小さくすることがで
き、信頼性の高い流量制御弁を得ることができる。
【0068】図10は、この発明の別の第2流量制御弁
6を示す断面図で、図2に示したものと同一または同様
の構成部品には同一符号を付して、その重複する説明を
省略する。図において、34は、弁座23と多孔質透過
材である発泡金属30を保持する弁座ブロック、35、
36は弁室26と第2流路22を接続する第1、第2の
開口である。37は第1の開口35と第2の開口36と
を接続する貫通孔、38は弁座ブロック34の弁座23
が設けられていない底面部と第2の開口36が設けられ
た弁室26の壁面との間に設けた空間である。
【0069】円筒形状の弁座ブロック34には底面部間
を貫通して、第1、第2流路21、22と同程度の径の
貫通孔37が設けられ、一方の底面部の貫通孔37の開
口が第1の開口35となり、その第1の開口35に弁座
23が、例えば弁座ブロック34と一体に設けられてい
る。また、弁座23の周囲に発泡金属30が環状に固定
される。発泡金属30は、例えば気孔径が100マイク
ロメートル、空隙率が97%である。発泡金属30の内
周側と外周側の弁座ブロック34は、例えばどちらか一
方の底面部における半径方向の数カ所で、発泡金属30
を通過する流体の流れをさえぎらないように結合され、
一体に構成されている。
【0070】通常冷房運転時には、制御機構(図示せ
ず)によって電磁コイル25に非通電とすることによ
り、バネ27のバネ力により弁体24を上方に稼動し、
弁体24を弁座23から引き離す。図10(a)に示す
ように、このとき弁座23の第1の開口35は開とな
り、第1流路21から流入した液冷媒又は気液二相冷媒
である流体のほとんどが第1の開口35、貫通孔37を
通過して第2の流路22に流れ、第1、第2流路21、
22間はほとんど圧力損失なしに連通される。このた
め、第1室内熱交換器5と第2室内熱交換器7の間で圧
力損失はなく、冷房能力や効率面で低下することもな
い。
【0071】また冷房除湿運転時には、制御機構(図示
せず)によって電磁コイル25に通電することにより、
バネ力よりも電磁力の方が大きいため、弁体24を下方
へ稼動し、弁体24を弁座23に密着させる。このとき
第1の開口35は閉となり、図10(b)に示すよう
に、第1の開口35の周囲に第1の開口35を迂回し
て、発泡金属30を通って第2の開口36から第2流路
22に流れる迂回流路を構成する。このとき気液二相冷
媒は発泡金属30の通気孔を通ることで減圧されると共
に、均質化されるので、冷媒流動音は低減される。ま
た、発泡金属30の気孔径を、冷凍サイクルに通常設け
られている濾過手段の大きさである100マイクロメー
トル以上とすることで、冷凍サイクル内を冷媒と共に循
環する鉄や銅などの金属紛や冷凍機油の劣化物であるス
ラッジなどの固形異物が発泡金属30の内部に捕捉され
て堆積することなく、長期的に信頼性の高い流量制御弁
を実現できる。
【0072】さらに、この第2流量制御弁6の構成で
は、先に示した弁体24内部に貫通流路を設け、この貫
通流路内に発泡金属30を内設したものに比べ、発泡金
属30表面積の大きくできる。このため、より冷媒流動
音の低減効果が高い。また、発泡金属30の表面積の大
きくできることで、万一スラッジなどの固形異物が発泡
金属30内部に捕捉され堆積しても、発泡金属30の圧
力損失の増加を抑制することができ、信頼性をより向上
できる。
【0073】また、弁座ブロック34の下流側底面は空
間38を介して第2の開口36に接続されている。発泡
金属30の下流側に空間があることで、発泡金属30か
ら第2の開口36へ流体がスムーズに流れ、さらに発泡
金属30内を流体が均一に流れるように作用している。
なお、この空間38に発泡金属30を弁座ブロック34
から突出させてもよい。この場合には、環状の発泡金属
30の内周側面より冷媒が第2の開口36、第2流路2
2へ流出する。発泡金属30を通過した気液二相噴流
は、発泡金属30内部の通気孔を通過することで減速さ
れ、さらに整流されるが、まだある程度の流速を持った
噴流状態となっている。この噴流が弁本体の外壁などに
衝突すると、外壁が振動し、騒音の発生源となる場合が
ある。そこで、発泡金属30を通過した冷媒を、環状の
発泡金属30の内周側面よりその内側に流出させること
で、流体が第2弁本体の外壁などに衝突するのを低減で
き、より一層冷媒流動音の発生を抑制し、低騒音な除湿
運転が実現できる。
【0074】なお、図10に示したこの例では、1つの
環状の発泡金属30を弁座ブロック34内部に配設した
例について説明したが、これに限るものではない。例え
ば、図11に示すように2つの気孔径が異なる円柱状の
発泡金属30a、30bを弁座ブロック34の内部に、
流路に直列に並設してもよい。図11では気孔径が20
0マイクロメートルの発泡金属30aを上流側に設け、
気孔径が100マイクロメートルの発泡金属30bを下
流側に設けている。このように上流側の発泡金属30a
の気孔径を下流側の発泡金属30bよりも大きくするこ
とにより、100マイクロメートルから200マイクロ
メートルの比較的直径の大きな固形異物は下流側の発泡
金属30bに捕捉され、100マイクロメートル以下の
比較的直径の小さな固形異物は上流側の発泡金属30a
に捕捉される。このように、発泡金属30a、30bの
内部に固形異物が堆積する個所を分散できるため、万
一、固形異物が発泡金属30a、30bの内部に堆積し
ても、発泡金属30a、30bの流動抵抗変化を小さく
することができる。
【0075】また、図12はこの例の第2流量制御弁6
の他の構成例を示す断面図であり、弁室26内部に設け
た発泡金属30の上流側の断面形状を山形状としてい
る。この構成では、図10に示したような流路に垂直な
平面形状の発泡金属30としたときよりも、冷媒が流れ
る発泡金属30の上流側の通過面積を大きくできる。こ
のため、発泡金属30の上流側に固形異物が堆積する個
所が分散できる。万一、固形異物が発泡金属30の上流
側に堆積しても、発泡金属30の流動抵抗変化を低減す
ることができ、異物詰りに対してより信頼性の高い流量
制御弁を得ることができる。
【0076】なお、発泡金属30の上流側の面形状は、
1つの山形状に限るものではなく、例えば、1つまたは
複数の波形の面や、傾斜した平面、複数の凹凸が形成さ
れた面、球表面の一部の面で構成しても、水平な平面に
するよりも通過面積を大きくできる。いずれの形状に構
成しても、図10における発泡金属30の形状に比べ、
冷媒が流れる発泡金属30の上流側の通過面積を大きく
でき、発泡金属30の上流側に固形異物が堆積する個所
が分散できる。ただし、流体がスムーズに流れる形状に
するのが望ましい。
【0077】また、この例では、弁座ブロック34を設
けて、弁座23の周囲に発泡金属30を備えた構成とし
たが、これに限るものではなく、第1流路21の位置に
よっては、弁室26内で弁体24の周囲に設けてもよ
い。弁体24で開閉する開口、ここでは第1の開口23
を閉じた時に、第1流路21からその開口を迂回して第
2流路22へ流れる迂回流路を構成し、この迂回流路を
流れる気液二相冷媒が通過するように発泡金属の位置を
決めればよい。
【0078】また、弁座ブロック34で弁座23と発泡
金属30を保持するので、第2流量制御弁6が製造しや
すい。例えば円筒形状の底面間に貫通するように、弁室
が接続する第1、第2流路21、22と同程度の径で一
端が弁座23となる貫通孔37を有する弁座ブロック3
4を形成する。次に、弁座23の周囲に環状の発泡金属
30を固定する。次に、発泡金属30が固定された弁座
ブロック34を弁室26内に挿設した後、第1流路21
と第2流路22を接続するように弁室26を密閉する。
このように、弁座23と発泡金属30を同時に形成で
き、簡単に組み立てることができる。弁座ブロック34
内への発泡金属30の固定方法や、弁室26内の弁座ブ
ロック34の固定方法は、それぞれ圧入やロー付けや高
周波溶接など、確実に固定できる加工法ならば、どのよ
うな方法を用いてもよい。
【0079】図22はこの発明の別の第2流量制御弁6
を示す断面図で、図8に示したものと同一または同様の
構成部品には同一符号を付して、その重複する説明を省
略する。図23において、40は弁室26には位置され
た円筒状の多孔質透過材であり、気孔径700マイクロ
メートル、空隙率95パーセントの発泡金属で構成され
ている。また図8と同様に第1多孔質透過材、例えば気
孔径500マイクロメートル、空隙率95パーセントの
第1発泡金属30aと、第2多孔質透過材、例えば気孔
径500マイクロメートル、空隙率95パーセントの第
2発泡金属30bが、弁体24内の貫通流路を構成する
空洞部29に内設されている。またオリフィス板32の
中央部には例えば直径1ミリメートル程度の小孔31で
構成されるオリフィス部が設けられている。第1発泡金
属30a、小孔31、第2発泡金属30bが流路に直列
に併設されて絞り手段を形成し、弁体24内の貫通流路
を流通する冷媒を減圧する。
【0080】冷房除湿運転時には電磁コイル25に通電
することにより、バネ力よりも電磁力の方が大きいた
め、弁体24を下方へ稼動し、弁体24を弁座23に密
着させる。この時開口は閉となり、第1室内熱交換器5
を出た気液2相冷媒は第1流路21から弁室26に流入
し、図22に示すように円筒状の発泡金属40を通過
し、貫通孔28を通って弁体24内の貫通流路に流れ、
弁体24の内部に設けた第1発泡金属30aの通気孔、
オリフィス板32の小孔31、及び第2発泡金属30b
の通気孔の順に流通してこの絞り手段により冷媒が減圧
され、弁座23の開口から第2流路22へ流出して第2
室内熱交換器7に流入する。この構造では第1流路21
から弁室26に流入した気液2相冷媒の蒸気は、先ず円
筒状の多孔質透過材40の通気孔を通過する際に細分化
され、気液が混合された状態で弁体24の内部に設けた
第1発泡金属30aの通気孔に流入する。このためオリ
フィス板32の小孔31に流入する気液2相冷媒は図8
の構造のものより気相と液相の混合が一層促進され、よ
り均一の状態となるため、圧力損失の大きな変動も発生
せず耳障りな異常な音や不連続な冷媒流動音が生ずるの
を防止できる。
【0081】この構造では弁室26内に設けた円筒状の
多孔質透過材40の空隙率は95パーセントの空隙率の
大きなものをもちいているので、万一冷凍サイクル内を
冷媒と共に循環する固形異物が円筒状の多孔質透過材4
0の内部に捕捉し堆積したとしても流動抵抗変化を小さ
く出来、冷媒流動音低減の効果が安定的に発揮できると
共に、長期的にも信頼性の高い流量制御弁が得られる。
更にこの構造では円筒状の多孔質透過材40の気孔径を
700マイクロメートル、弁体24内の貫通流路を構成
する空洞部29に内設した第1多孔質透過材である第1
発泡金属30aの気孔径を500マイクロメートルとし
ているので、およそ700マイクロメートル以上の比較
的大きな固形異物は弁室26内に設けた円筒状発泡金属
の多孔質透過材40に捕捉され、これよりる小さな固形
異物は下流側の第1発泡金属30aに捕捉される。この
ように弁体24内に設けた発泡金属30aの上流に気孔
径の大きな円筒状発泡金属40を設置することにより、
発泡金属の内部に固形異物が堆積する個所を分散できる
ため、冷媒音低減の効果が長期的、安定的に維持でき
る。また万一固形異物が発泡金属内に堆積しても流動抵
抗変化を小さくすることが出来、長期的に信頼性が高
い、いいかえれば寿命の長い流量制御弁が得られ、すな
わち信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0082】またこの構造では弁室26内に設けた多孔
質透過材40として円筒状の発泡金属を用い、また弁体
24内に設けた多孔質透過材30a、30bとして円盤
状の発泡金属を用いているので、弁を大きくせずに円筒
状の発泡金属40の冷媒通過面積を円盤状の多孔質透過
材30a、30bの冷媒通過面積より大きくすることが
出来る。冷媒回路内を流れる固形異物は、冷房除湿運転
時に冷媒流方向の上流となる円筒状の発泡金属40に堆
積しやすいが、この円筒状の発泡金属40の冷媒通過面
積を下流側より大きくしているので固形異物が下流側の
円盤状の多孔質透過材30a、30bに堆積するのを抑
制でき、冷媒音の低減と固形異物詰まりに対する信頼性
の両立が一層向上する。
【0083】なおこの構造では弁室26内に設けた多孔
質透過材40及び弁室24内の貫通流路を構成する空洞
部29に内設した多孔質透過材30a、30bとして発
泡金属を用いた例を説明したが、これに限るものでな
く、金属細線を3次元的に編み込んだ金属メッシュなど
を用いても同様な効果を低いコストで発揮することが出
来る。この金属メッシュの場合には、発泡金属よりも内
部の気孔径の大きさのばらつきは大きくなるが、この気
孔径の平均値が100マイクロメートル以上、好ましく
は500マイクロメートル程度に設計し、更にメッシュ
内部の空隙率を50パーセント以上、好ましくは70パ
ーセント以上とすることにより冷媒流動音の低減とスラ
ッジなどの固形異物詰まりに対する信頼性確保を両立す
ることが出来る。また金属線を3次元的に編み込んだメ
ッシュ以外でも、金属細線を3次元的に不規則に絡め合
わせたものなどでも同様な効果を発揮する。
【0084】またこの構造では通常の冷房運転や暖房運
転では、弁体24と弁室26に流入した冷媒は発泡金属
30a、30bを通過しないが、円筒状発泡金属40は必
ず通過する。このため円筒状発泡金属40は、通常の冷
房運転や暖房運転では、冷媒回路内を冷媒と共に循環す
る固形異物を捕捉する濾過フィルターとして作用し、冷
凍サイクルの回路閉塞に対する信頼性を向上させること
が出来る。この時円筒状発泡金属40を通過する冷媒流
方向は冷房運転と暖房運転では逆になる。すなわち通常
冷房運転では、第1流路21、円筒状発泡金属40、第
2流路22の順で冷媒は流れ、通常暖房運転では、第2
流路22、円筒状発泡金属40、第1流路21の順で冷
媒は流れる。このため例えば通常冷房運転では固形異物
は円筒状発泡金属40の外周面側表面に堆積しやすい
が、運転が通常暖房運転に切り替わることにより、この
円筒状発泡金属40の外周面側に堆積した固形異物は第
1流路へ流出する。同様に通常暖房運転では固形異物は
円筒状発泡金属40の内周面側表面に堆積しやすいが、
運転が通常冷房運転に切り替わることにより、この円筒
状発泡金属40に堆積した固形異物は第1流路へ流出す
る。このように弁室26に設けた円筒状発泡金属40
は、通常暖房運転及び通常暖房運転時には、冷媒回路内
を冷媒と共に循環する固形異物を捕捉する濾過フィルタ
ーとして作用させることが出来ると共に、通常冷房運転
と通常暖房運転の切換えにより円筒状発泡金属40の表
面に堆積した固形異物を離脱させるため円筒状発泡金属
40の流動抵抗を過度に増加することを防止でき、長期
的にも信頼性の高いものにすることが出来る。
【0085】図13は、この発明の構造による別の第2
流量制御弁6を示す断面図であり、図10に示したもの
と同一または同様の構成部品には同一符号を付して、そ
の重複する説明を省略する。図10では迂回流路に発泡
金属30を設けて絞り手段としたが、この構造では、発
泡金属を設けると共に確実に流体を減圧するオリフィス
部となる小孔31を迂回流路に設けたものである。弁座
ブロック34の内部には、例えば気孔径500マイクロ
メートル、空隙率95%の第1発泡金属30aと、例え
ば気孔径500マイクロメートル、空隙率95%の第2
発泡金属30bが嵌合されている。また第1発泡金属3
0aと第2発泡金属30bの間には、直径0.5ミリメ
ートル程度の小孔31が2個設けられている。
【0086】通常冷房運転時には、制御機構(図示せ
ず)によって電磁コイル25に非通電とすることによ
り、バネ27のバネ力により弁体24を上方に稼動し、
弁体24を弁座23から引き離す。このとき弁座23の
第1の開口35は開となり、第1流路21から流入した
液冷媒又は気液二相冷媒である流体のほとんどが第1の
開口35、貫通孔37を通過して第2の流路22に流
れ、第1、第2流路21、22間はほとんど圧力損失な
しに連通される。このため、第1室内熱交換器5と第2
室内熱交換器7の間で圧力損失はなく、冷房能力や効率
面で低下することもない。
【0087】また冷房除湿運転時には、制御機構(図示
せず)によって電磁コイル25に通電することにより、
バネ力よりも電磁力の方が大きいため、弁体24を下方
へ稼動し、弁体24を弁座23に密着させる。このとき
第1の開口35は閉となり、図13に示すように、第1
の開口35の周囲に第1の開口35を迂回して、第1発
泡金属30a、小孔31、第2発泡金属30bを通って
第2の開口35から第2流路に流れる迂回流路を構成す
る。第1室内熱交換器5を出た気液二相冷媒は、第1流
路21から第2流量制御弁6に流入し、弁座ブロック3
4内部に設けられた第1発泡金属30a、小孔31、第
2発泡金属30bで減圧され、第2流路22を通って第
2室内熱交換器7に流入する。この気液二相冷媒が第1
発泡金属30aを通過する際には、蒸気冷媒は小さな気
泡に分割され、小さな気泡となった蒸気冷媒が液冷媒と
共に小孔31を通過する。このため、小孔31を通過す
る気液二相冷媒は、気液が十分混合された状態となり、
圧力損失の大きな変動も発生せず、「ジュルジュル」、
「ボコボコ」といった聴感の不連続な冷媒流動音を大幅に
低減して低騒音な環境を実現することができる。また小
孔31を通過した速度および乱れの大きな気液二相噴流
は、第2発泡金属30bを通過する際、減速されて整流
されるため、「シャー」といった聴感の連続的な冷媒流動
音の発生を大幅に抑制することができる。
【0088】また、発泡金属30a、30bの気孔径
を、冷凍サイクルに通常設けられている濾過手段のメッ
シュの大きさ以上、例えば100マイクロメートル以上
とすることで、冷凍サイクル内を冷媒と共に循環する鉄
や銅などの金属紛や冷凍機油の劣化物であるスラッジな
どの固形異物が発泡金属30a、30bの内部に捕捉さ
れて堆積することなく、長期的に信頼性の高い流量制御
弁を実現できる。特に、図13に示した構成では、オリ
フィス部となる小孔31を発泡金属30a、30bの間
に設けているので、この小孔31で流体を確実に減圧で
き、発泡金属30a、30bは主に冷媒流動音の低減効
果を考慮して気孔径を決めることができる。冷媒流動音
の低減効果を奏する気孔径の範囲で、なるべく大きくす
ることで通気孔への異物詰りを防止できるため、ここで
は冷媒流動音の低減効果が十分得られる500マイクロ
メートル程度の気孔径としている。即ち、オリフィス部
31を備えることで第1、第2発泡金属30a、30b
の気孔径をより大きく設定でき、固形異物が発泡金属3
0a、30bに捕捉されて堆積するのを防ぐことがで
き、信頼性を向上できる。
【0089】また、図14は弁座ブロックを説明する図
で、弁座ブロック34は、図に示すように、第1発泡金
属30aと小孔31の間に1〜2ミリメートル程度の空
間33aを設け、さらに小孔31と第2発泡金属30b
の間に1〜2ミリメートル程度の空間33bを設けてい
る。このため、第1発泡金属30aにより小さな気泡に
分割された蒸気冷媒は、空間33aに流入してここで空
間33aに滞留する液冷媒と混合されるので、小孔31
を通過する冷媒は、より確実に気液冷媒が混合された状
態となり、「ジュルジュル」、「ボコボコ」といった聴感の
不連続な冷媒流動音の発生を確実に抑制することができ
る。また小孔31と第2発泡金属30bの間の空間33
bにより、第2発泡金属30bを通過する気液二相噴流
の通過面積を大きくでき、より確実に気液二相噴流の減
速、整流が可能となり、「シャー」といった聴感の連続的
な冷媒流動音とくの発生を確実に抑制することができ
る。なお、図13に示した構成では、発泡金属30aと
オリフィス板31の間、およびオリフィス板31と発泡
金属30bの間の両方に1〜2ミリメートル程度の空間
を設ける例について説明したが、これに限ることはな
く、発泡金属30aとオリフィス板31の間のみに空間
部を設けてもよく、またオリフィス板32と発泡金属3
0bの間のみに空間部を設けてもよい。
【0090】また図15では、弁座ブロック34内に嵌
合する第1発泡金属30aの上部の形状を山形としてい
る。この構成では、図13に示した上流側の形状が平坦
な発泡金属を用いるよりも、冷媒が流れる発泡金属上流
側の通過面積を大きくできる。このため、発泡金属上流
側に固形異物が堆積する個所が分散でき、万一、固形異
物が発泡金属上流側に堆積しても、発泡金属の流動抵抗
変化を小さくすることができ、異物詰りに対してより信
頼性の高い流量制御弁を得ることができる。
【0091】また図15では、図中矢印で示すように第
2発泡金属30bの環状部の内部側面より冷媒が第2流
路22へ流出するように構成している。第2発泡金属3
0bを通過した気液二相噴流は、発泡金属内部の通気孔
を通過することで減速され、さらに整流されるが、まだ
ある程度の流速を持った噴流状態となっている。この噴
流が装置の外壁などに衝突すると、外壁が振動し、騒音
の発生源となる場合がある。そこで図13に示した流量
制御弁6では、第2発泡金属30bを通過した冷媒が、
弁本体の外壁などに衝突せず、第2流路22へ流出する
ように構成しているので、より一層冷媒流動音の発生を
抑制し、低騒音な除湿運転が実現できる冷凍空調装置を
得ることができる。
【0092】このようにこの構造の第2流量制御弁6で
は、弁体24によって第2流路22に接続する開口を閉
じた時に、弁室26内で弁体24または弁座23の外側
に、開口を迂回して第1流路21と第2流路22を流通
可能な迂回流路を設け、この迂回流路内に気孔径500
マイクロメートル、空隙率95%の第1発泡金属30a
と、小孔31を設けたオリフィス板34、および気孔径
500マイクロメートル、空隙率95%の第2発泡金属
30bを設けたので、小孔31に流入する気液二相冷媒
を確実に混合でき、また小孔31から流出する気液二相
噴流を確実に減速、整流でき、さらに気液二相噴流が弁
本体外壁などに衝突せず、冷媒流動音の発生を低減でき
静かな除湿運転が可能となる。また除湿運転時の絞り手
段としては第1発泡金属30aと小孔31および第2発
泡金属30bを用いているので、小孔31の径を小さく
して、この小孔31を通過する際に生じる圧力損失を大
きくすることにより、発泡金属30aおよび発泡金属3
0bの気孔径を500マイクロメートル程度に大きくで
きる。このため、冷凍サイクル内を冷媒と共に循環する
鉄や銅などの金属紛や冷凍機油の劣化物であるスラッジ
などの固形異物が発泡金属内部に捕捉されて堆積するこ
となく、長期的に信頼性の高い流量制御弁を実現でき
る。
【0093】なお、冷房除湿運転時の第2流量制御弁6
の流量特性(冷媒流量と圧力損失の関係)は、弁座ブロ
ック34内に配設する第1発泡金属30aや第2発泡金
属30bの通気孔の径や冷媒が通過する流路長さを調整
することによって調整することができるが、発泡金属の
通気孔の径は100マイクロメートル以上、好ましくは
500マイクロメートル程度にし、小孔31の径や小孔
の数によって調整すれば、発泡金属への固形異物が捕捉
されて堆積されることなく、自由に流量特性を設定する
ことができる。すなわち、ある冷媒流量を小さな圧力損
失で流す場合には、小孔31の径大きくしたり、あるい
は小孔31の数を多くすれば良い。また逆に、ある冷媒
流量を大きな圧力損失で流す場合には、小孔31の径を
小さくしたり、あるいは小孔31の数を少なくすれば良
い。このような弁座ブロック34内に設ける小孔31の
径は、機器設計時に最適に設計される。
【0094】以下、図13に示した第2流量制御弁6の
絞り手段の部分の製造方法の一例について説明する。こ
の製造方法では、弁座23、オリフィス部である小孔3
1、発泡金属30を保持する弁座ブロック34を設けて
おり、容易に組み立てることができる構成である。ま
ず、図14に示すような形状に、弁座ブロック34と発
泡金属30a、30bを作成する。即ち、円筒形状の底
面間に貫通するように、弁室が接続する第1、第2流路
21、22と同程度の径で一端が弁座23となる第1の
貫通孔37及びこの第1の貫通孔37よりも小さな径の
小孔31となる第2の貫通孔を有する弁座ブロック34
を形成する。次に、少なくとも第1の貫通孔37を除き
第2の貫通孔である小孔31を覆うように弁座ブロック
34の底面部に発泡金属30a、30bを固定する。次
に、発泡金属30a、30bが固定された弁座ブロック
34を弁室26内に挿設する。図13のような構成の場
合、弁室26の第2流路22の壁を取り付けずに開いて
おき、第2流路22側から弁座ブロック34を挿入する
とよい。この次に第1流路21と第2流路22を接続す
るように弁室26を密閉する。
【0095】上記では、弁座ブロック34内への発泡金
属30a、30bの固定方法や、弁室26内の弁座ブロ
ック34の固定方法については説明していないが、それ
ぞれ圧入やロー付けや高周波溶接など、確実に固定でき
る加工法ならば、どのような方法を用いてもよい。この
ように第2流量制御弁6を製造することで、第1の貫通
孔37を閉じた時に第1流路21から流入した流体が第
2の貫通孔31と多孔質透過材である発泡金属30a、
30bを通って第2流路22に流通可能な構成を有し、
冷媒流動音を低減でき、異物詰りが発生しても流動抵抗
がほとんど変化しない流量制御弁を、工程を大幅に増や
すことなく、安価に製造することができる。ここで、第
1の貫通孔37を円筒形状の弁座ブロック34の中央部
に形成し、これよりも小さな径の第2の貫通孔31をそ
の周辺に形成したので、発泡金属30a、30bの面積
を大きくでき、発泡金属30a、30bを設けることに
よる冷媒流動音の低減効果を大きくでき、さらに異物詰
りが発生に対しての流動抵抗変化を小さくできる。発泡
金属30a、30bはオリフィス部である小孔31の上
流側及び下流側に設けるのが、冷媒流動音低減に大きな
効果を奏するが、これに限るものではなく、どちらか一
方に設ければ、ある程度冷媒流動音を低減できる。
【0096】この構造においても、発泡金属30a、3
0bの通気孔の径を一般的な冷媒サイクルで使用される
濾過手段よりも大きい100マイクロメートル〜100
0マイクロメートル、好ましくは500マイクロメート
ル程度とすることにより、詰まることがなく、安定した
動作を行うことができる。
【0097】図16はこの発明の別の流量制御弁を示す
断面図で、図13に示したものと同一または同様の構成
部品には同一符号を付して、その重複する説明を省略す
る。この構造では、弁体24の内部に空洞部29を設け
ており、さらに弁体24の側面には連通孔28が設けら
れ、この連通孔28と空洞部29により弁体24内部に
貫通流路を形成している。さらにこの弁体24の空洞部
29の内部には、球体であるリリーフ弁41とリリーフ
弁41を固定するリリーフバネ42を設けている。この
リリーフ弁41はリリーフバネ42のバネ力によって空
洞部29の上部空間を閉止するように構成されている。
【0098】冷房除湿運転時には、電磁コイル25に通
電することにより、弁体24は弁座23と密着し、第1
流路21より第2流量制御弁6の弁室26内部に流入し
た冷媒は、弁座ブロック34の内部に設けた第1発泡金
属30aの通気孔、小孔31、および第2発泡金属30
bの通気孔を通って減圧され、第2流路22から第2室
内熱交換器7に流入する。この第2流量制御弁6を用い
た空気調和装置の除湿運転を長期間使用した場合、冷凍
サイクル内を冷媒と共に循環する鉄や銅などの金属紛や
冷凍機油の劣化物であるスラッジなどの固形異物が発泡
金属30a、30b内部や小孔31に捕捉されて堆積す
る可能性がある。固形異物が発泡金属30a、30bや
小孔31内に堆積すると、除湿運転時の第1室内熱交換
器5と第2室内熱交換器7の圧力損失は大きくなり、除
湿能力が変動したり、除湿運転に必要な電気入力が増大
するなどの問題が生じる。そこで図16に示した実施の
形態では、第1室内熱交換器5と第2室内熱交換器7間
の圧力差、即ち第1流路21と第2流路22間の圧力差
がある所定の値よりも大きくなった時に、この圧力差を
小さくするようなリリーフ機構を弁体24の内部に設け
ている。
【0099】リリーフバネ42のバネ力を所定の圧力に
設定しておく。第1室内熱交換器5に接続される第1流
路21と第2室内熱交換器7に接続される第2流路22
間の圧力差が所定の値以上となったとき、弁体24内部
に設けたリリーフ弁41が下方へ押され、弁体24内部
を貫通して漏洩流路が形成される。そして、この圧力差
を小さくするように、弁体側面に設けた連通孔28、弁
体内部空洞部29を介して、第1流路21と第2流路2
2が連通する。すなわち通常の差圧状態では、弁体24
内部のリリーフ弁41は、リリーフバネ42のバネ力に
よって弁体空洞部29の上部空間を閉止するように構成
されている。このため、弁体側面の連通孔28から弁体
空洞部29への冷媒流れは発生しない。ところが発泡金
属30a、30bや小孔31内部への固形異物の堆積な
どにより、第1流路21と第2流路22の圧力差が次第
に大きくなり、リリーフ弁41を下方に押し下げようと
する力が、リリーフバネ42のバネ力よりも大きくなる
と、リリーフ弁41は下方へ移動する。そして弁体内部
空洞部29は、弁体側面連通孔28を介して第1流路2
1と連通する。このため第1流路21から流入する一部
の高圧冷媒は、弁座ブロック34内を通過せず、弁体側
面連通孔28、弁体内部空洞部29を通って、第2流路
22へ流出するので、第1流路21と第2流路22の圧
力差は小さくなる。このようにリリーフ機構を設けるこ
とで、正常な除湿運転が継続され、信頼性の高い流量制
御弁およびこれを用いた冷凍空調装置を得ることができ
る。なお、リリーフ弁41が動作する圧力は、リリーフ
バネ42の材質や線径、形状などにより、バネ力を調整
することによって自由に設定することができる。
【0100】このようにこの構造では、第2流量制御弁
6の第1流路21と第2流路22の圧力差がある所定の
値よりも大きくなった時に、この圧力差を小さくするよ
うなリリーフ機構を弁内部に設けているので、万一スラ
ッジなどの固形異物が弁内に堆積しても、除湿能力が変
動したり、除湿運転に必要な電気入力が増大することな
く、信頼性の高い流量制御弁および冷凍空調装置を実現
することができる。
【0101】なお、上記までの説明では、主として多孔
質透過材を発泡金属で構成したものであるので、低コス
トで、冷媒流動音を低減できる流量制御弁が得られる。
ただし、発泡金属に限るものではなく、金属の粉末を焼
結した焼結金属、またはセラミックスの多孔質透過材、
または金網や、金網を数枚重ねたもの、また金網を数枚
重ねて焼結した焼結金網や積層金網および金属細線を型
に投入し、圧縮成型したステンレスウールや金属細線を
任意形状のものに巻きつけて成型し、更に圧縮成型した
ステンレスウールや金属たわしでも同様の効果を得る。
また、上記までの説明では、主として第2流量制御弁6
は、電磁コイル25への通電あるいは非通電により開閉
動作を行なうものについて説明したが、弁体24をステ
ッピングモータによって連続的に稼動し、弁の開閉を行
なうようにしてもよい。
【0102】また、図1に示した冷凍サイクルを有する
空気調和装置では、第2流量制御弁6の第1流路21を
第1室内熱交換器5に接続し、第2流路22を第2室内
熱交換器7に接続し、冷房運転時に電磁コイル25への
通電、非通電を制御して、通常冷房運転と冷房除湿運転
を切換える例について説明した。また、主として冷房運
転を例にとって説明した。ここで、例えば図1の接続を
逆にして第2流量制御弁6の第1流路21を第2室内熱
交換器7に接続し、第2流路22を第1室内熱交換器5
に接続し、暖房運転時に電磁コイル25への通電、非通
電を制御して、通常暖房運転と暖房除湿運転を切換える
ように構成してもよい。暖房除湿運転は冷房除湿運転よ
りも、室内空気加熱量を大きくすることができるので、
より吹出し温度を高くできる除湿運転が可能となる。
【0103】上記のような多孔質透過材を利用した流量
制御弁6の冷媒流動音の低減はR410Aを冷媒として
使用した場合に特に大きな効果を発揮する。ここではR
410A冷媒とR22冷媒を比較して説明する。図1に
示した空気調和装置の冷房除湿運転では、第1室内熱交
換器5の凝縮温度は40゜C、第2室内熱交換器7の蒸
発温度は10゜C程度が一般的であり、流量制御弁6で
はこの凝縮温度40゜Cから蒸発温度10゜C程度まで
冷媒を減圧する必要がある。凝縮温度40゜Cに相当す
る冷媒の飽和圧力は、R410Aが2.41MPa、R
22が1.53MPaであり、蒸発温度10゜Cに相当
する冷媒の飽和圧力は、R410Aが1.08MPa、
R22が0.68MPaとなる。したがって流量制御弁
6の前後の圧力差はR410Aが1.33MPa、R2
2が0.85MPaとなり、この圧力差はR410Aの
方がR22よりも約60パーセント大きくなる。また第
1室内熱交換器5の出口の冷媒乾き度が0.1とすると
流量制御弁6出口の冷媒乾き度はR410Aが0.3
2、R22が0.28となり、流量制御弁6出口の冷媒
乾き度がR410Aの方が大きくなり、弁出口の冷媒蒸
気流量もR410Aの方がR22よりも14パーセント
程度大きくなる。このように冷房除湿運転の流量制御弁
6の前後圧力差はR22よりもR410Aの方が60パ
ーセント程度大きいため、従来使用されていた絞り部が
オリフィスのみで構成されている流量制御弁では、絞り
部で発生する圧力変動も弁前後圧力差の大きなR410
Aの方が大きくなり、発生する冷媒流動音も大きくな
る。また流量制御弁6出口の冷媒蒸気流量もR410A
の方が14パーセント大きいため、絞り部がオリフィス
のみで構成されている流量制御弁ではオリフィスを出た
2相噴流の流速及び流速変動もR410Aの方が大きく
なり、弁出口部で発生する冷媒流動音もR22よりR4
10Aの方が非常に大きくなると予測される。
【0104】このR410A冷媒とR22冷媒の流量制
御弁から発生する冷媒流動音の測定結果について図23
の計測説明図にて説明する。図23に示すように暗騒音
20dBの無響箱64の中に絞り部がオリフィスのみで
構成された試験用流量制御弁67を設置し、この弁に飽
和温度40゜C、冷媒乾き度0.1の気液2相冷媒を図
示しない冷凍サイクルから供給し、出口圧力が飽和温度
10゜C程度になるように調整した状態で、弁から10
cmの位置に設置したマイクロフォン65により騒音計
66にて冷媒流動音を測定した。絞り部がオリフィスの
みの場合の冷媒流動音測定結果は、R410Aが46d
BA、R22が42dBAとなり、R410Aの方が4
dB大きくなった。これは先に説明したように、R41
0Aの方がオリフィス前後の圧力差が大きく、またオリ
フィス出口の冷媒蒸気流量もR410Aの方が大きいた
めである。騒音値4dBの差は、音響エネルギーでは
2.5倍に相当し、この結果からR410Aで発生する
音響エネルギーはR22よりも2.5倍大きいと考えら
れる。同様の試験方法にて本発明の流量制御弁を使用
し、すなわち気孔径500マイクロメートル、空隙率9
5パーセントの発泡金属をオリフィス前後に配置した場
合の冷媒流動音測定では、R410A、R22とも約3
5dBAとなり、発泡金属による冷媒流動音の低減効果
は、R410Aが11dBA、R22が7dBAとな
り、R22よりもR410Aの方が非常に大きな冷媒流
動音低減効果が確認された。このような測定結果をまと
めた特性説明図を図24に示す。図24に示すようにオ
リフィス前後の圧力差の大きな冷媒に対し特に有効であ
り、凝縮温度40゜C、蒸発温度10゜Cとした時の飽
和圧力の差が1.0MPa以上となる冷媒に対して非常
に大きな効果、すなわち音響エネルギーを1/2程度に
低減できる。
【0105】また空気調和機の冷媒として、R32やプ
ロパン、ブタン及びこれらの混合冷媒などの可燃性冷媒
を使用した場合、より一層空気調和機の安全性を向上す
ることが出来る。すなわちこの発明の流量制御弁は上記
に説明したような形状、寸法、材質及び構造の多孔質透
過材を配置して使用し、除湿運転時の冷媒流動音の低減
と異物詰まりに対する長期運転の信頼性を確保してい
る。ところが例えば流体が通過するメッシュや気孔など
の大きさが平均100マイクロメーターより小さけれ
ば、また空隙率が50パーセントより小さな多孔質透過
剤を使用する場合にはこの多孔質透過材の流動抵抗が増
加し、冷凍サイクルの高圧が上昇する。この冷凍サイク
ルの高圧の上昇により冷凍サイクルの各部品、例えば熱
交換器のロー付け部や弁の締付部などや配管の継ぎ目な
どから可燃性冷媒が漏洩すると、空気調和機の電気品の
火花や空気調和機周囲の着火源により冷媒に引火し、危
険な状況を発生する。したがって本発明の除湿弁を使用
することにより可燃性冷媒が冷凍サイクルから漏洩する
確率を大幅に低減でき、地球温暖化係数の小さな可燃性
冷媒を使用する冷凍空調装置であっても冷媒漏洩を確実
に防止し、高い安全性を維持することが出来る。
【0106】以上のように、冷凍サイクルを循環する冷
媒として主としてR410Aを用いた場合について説明
した。R410Aは、HFC系冷媒であり、オゾン層を
破壊しない地球環境保全に適した冷媒であるとともに、
従来冷媒として用いられてきたR22に比べて、冷媒圧
力損失が小さいため、第2流量制御弁6の絞り部に用い
る焼結金属の通気孔の径を小さくでき、より一層冷媒流
動音の低減効果を得ることができる冷媒である。
【0107】さらにこの冷凍サイクルの冷媒としては、
R410Aに限ることはなく、HFC系冷媒であるR4
07CやR404A、R507Aであっても良い。また
地球温暖化防止の観点から、地球温暖化係数の小さなH
FC系冷媒であるR32単独R152a単独あるいはR
32/R134aなどの混合冷媒であっても良い。また
プロパンやブタンなどの炭化水素冷媒やアンモニア、二
酸化炭素、エーテルなどの自然系冷媒およびそれらの混
合冷媒であってもよい。このように可燃性冷媒単独で使
用しても本発明の流量制御弁を使用することにより著し
い装置の安全性を高めることが出来る。
【0108】また、本発明では、特に圧縮機の潤滑油に
ついては言及していないが、潤滑油としては鉱油やアル
キルベンゼンなどの合成油であっても良く、また近年、
HFC系冷媒用として開発されたエステル油やエーテル
油であっても良い事は当然である。
【0109】以上のように、この発明によれば、2つの
流路を接続する弁室内に固設され流路の一方に接続する
開口を有する弁座と、弁室内で稼動されて前記弁座の開
口を開閉する弁体と、弁体内を貫通し開口と2つの流路
の他方とを流通可能とする貫通流路と、貫通流路を流れ
る流体が通るように弁体内に設けられ気孔径が100マ
イクロメートル以上の多孔質透過材と、を備え、弁体に
よって開口を閉じたときに2つの流路間を流れる流体を
貫通流路の多孔質透過材を通過させて減圧するので、多
孔質透過材の微細な通気孔によって気液二相冷媒は均質
化されるため、冷媒流動音の発生を低減できると共に、
冷凍サイクル内を冷媒と共に循環する固形異物が多孔質
透過材内部に捕捉されて堆積することなく、長期的に信
頼性の高い流量制御弁が得られる。
【0110】また、この発明のによれば、2つの流路を
接続する弁室内に固設され流路の一方に接続する開口を
有する弁座と、弁室内で稼動されて弁座の開口を開閉す
る弁体と、弁室内で前記弁体または弁座の外側に配設さ
れ、開口を迂回して2つの流路間を流れる流体を流通可
能とする迂回流路と、迂回流路を流れる流体が通るよう
に弁室内に設けられた多孔質透過材と、を備え、弁体に
よって開口を閉じたときに迂回流路を流れる流体を多孔
質透過材を通過させて減圧するので、多孔質透過材の表
面積を大きくでき、多孔質透過材の微細な通気孔によっ
て気液二相冷媒は均質化され、冷媒流動音の発生をより
大幅に低減できると共に、冷凍サイクル内を冷媒と共に
循環する固形異物が多孔質透過材内部に捕捉して堆積す
ることなく、長期的により信頼性の高い流量制御弁が得
られる。
【0111】また、この発明によれば、多孔質透過材
を、100マイクロメートル以上の気孔径を有するの
で、多孔質透過材の通気孔を、気液二相冷媒を均質化す
るのに十分であり、かつ、冷凍サイクル内を冷媒と共に
循環する固形異物が多孔質透過材内部に捕捉して堆積す
ることなく構成でき、冷媒流動音の発生を大幅に低減で
きると共に、長期的に信頼性の高い流量制御弁が得られ
る。すなわちこの気孔径が冷媒蒸気スラグや冷媒気泡を
通過させるときにこれより大きな径の冷媒を崩壊させて
微細なスラグや気泡にして冷媒音を発生させないばかり
か、スラッジなどの詰まりを抑制するという騒音対策と
寿命対策の両立を成り立たせるものである。更に多孔質
透過材の厚みはスラグや気泡などの崩壊にある程度の厚
みが必要であるがこれは例えば2ミリメートル以上の様
に厚みが増えるほど騒音低下に効果があることは実験で
確認されている。
【0112】また、この発明によれば、多孔質透過材の
上流側または下流側に設けたオリフィス部を備え、弁体
によって開口を閉じたときに2つの流路間を流れる流体
を、多孔質透過材とオリフィス部を直列に通過させて減
圧することを特徴とするので、オリフィス部の上流側に
設けた多孔質透過材によって、オリフィス部に流入する
気液二相冷媒を確実に混合でき、またオリフィス部の下
流側に設けた多孔質透過材によって、オリフィス部から
流出する気液二相噴流を確実に減速、整流でき、冷媒流
動音を大幅に低減できる効果がある。また、オリフィス
部によって多孔質透過材の通気孔の径を大きくできるた
め、固体異物がより詰まりにくくなり、長期的により信
頼性の高い流量制御弁が得られる。
【0113】
【発明の効果】この発明の請求項1に係る流量制御弁
は、2つの流路を接続する弁室内に固設され流路の一方
に接続する開口を有する弁座と、弁室内で稼動されて弁
座の開口を開閉する弁体と、弁体内を貫通し開口と流路
の他方とを流通可能とする貫通流路と、貫通流路を流れ
る液冷媒と蒸気冷媒の両方が同時に通るように弁体内に
設けられこの冷媒が通る平均径が冷媒内に含まれ流通す
る固形異物の多くを通過させる径以上の多孔質透過材
と、を備え、弁体によって開口を閉じたときに2つの流
路間を流れる流体を貫通流路の多孔質透過材を通過させ
て減圧するので、信頼性の高い性能の良い装置が得られ
る。
【0114】この発明の請求項2に係る流量制御弁は、
2つの流路を接続する弁室内に固設され流路の一方に接
続する開口を有する弁座と、弁室内で稼動されて弁座の
開口を開閉する弁体と、弁室内で弁体または弁座の外側
に配設され、開口を迂回して2つの流路間を流れる流体
を流通可能とする迂回流路と、迂回流路を流れる流体が
通るように弁室内に設けられた多孔質透過材と、を備
え、弁体によって開口を閉じたときに迂回流路を流れる
流体を多孔質透過材を通過させて減圧するので、寿命が
長く性能の良い装置が得られる。
【0115】この発明の請求項3に係る流量制御弁は、
2つの流路を接続する弁室内に固設され流路の一方に接
続する開口を有する弁座と、弁室内で稼動されて弁座の
開口を開閉する弁体と、弁体内を貫通し開口と2つの流
路の他方とを流通可能とする貫通流路と、貫通流路を流
れる液冷媒と蒸気冷媒の両方が同時に通るように弁体内
に設けられこの冷媒が通る第1の多孔質透過材と、弁室
内に設けられ2つの流路を仕切るとともに冷媒が通る平
均径が冷媒内に含まれ流通する固形異物の多くを通過さ
せる径以上の第2の多孔質透過材と、を備えたので、寿
命が長く性能の良い安定した運転が可能な装置が得られ
る。
【0116】この発明の請求項4に係る流量制御弁は、
2つの流路を接続する弁室内に固設され流路の一方に接
続する開口を有する弁座と、弁室内で稼動されて弁座の
開口を開閉する弁体と、弁体内を貫通し開口と流路の他
方とを流通可能とする貫通流路と、貫通流路を流れる液
冷媒と蒸気冷媒の両方が同時に通るように弁体内に設け
られ、もしくは弁室内で弁体または弁座の外側に開口を
迂回して設けられ、2つの流路間を流れる流体を流通可
能とする多孔質透過材と、多孔質透過材の少なくとも下
流側に設けられ冷媒の流通を絞るオリフィス部と、を備
え、多孔質透過材の冷媒が流通する平均径は記オリフィ
ス部の冷媒の流通を絞る孔径より小さいので、寿命が長
く信頼性の高い装置が得られる。
【0117】この発明の請求項5に係る流量制御弁は、
多孔質透過材の冷媒が流通する径はほぼ均質もしくは複
数の異なるサイズ径を有するので、寸法形状などにとら
われずにどのようなものにも使用できるフレキシブルな
流量制御弁が可能になる。
【0118】この発明の請求項6に係る流量制御弁は、
多孔質透過材の近傍に設けたオリフィスと、を備え、多
孔質透過材の冷媒が流通する平均径が蒸気冷媒や液冷媒
をオリフィスの孔径以下に分割する径以下であるので、
確実に騒音を低減できる。
【0119】この発明の請求項7に係る流量制御弁は、
多孔質透過材の近傍に設けたオリフィスと、を備え、多
孔質透過材のオリフィスの冷媒が流通する厚みをオリフ
ィスの孔径以上であるので、確実に冷媒流動音の低減が
出来る。
【0120】この発明の請求項8に係る流量制御弁は、
流体が一方方向に流れる多孔質透過材の流路の上流側の
冷媒が流入する面積を、下流側の冷媒が流出する面積よ
りも大きな面積となるようにしたので、異物の詰まり対
策に有効な信頼性が高い装置が得られる。
【0121】この発明の請求項9に係る流量制御弁は、
流体が一方方向に流れる多孔質透過材の流路の上流側の
流体が流入する面の形状と、下流側の流体が流出する面
の形状を異なる形状にしたので、異物の詰まり対策に有
効な装置でフレキシブルな形状が可能な使い勝手の良い
装置が得られる。
【0122】この発明の請求項10に係る流量制御弁
は、多孔質透過材の冷媒が通る異なる径を流路に直列に
なるように配置したので、広い用途に適用でき確実な異
物対策が可能になる。
【0123】この発明の請求項11に係る流量制御弁
は、多孔質透過材の流路の上流側の冷媒が通る径を下流
側の冷媒が通る径より大きくしたので、異物が詰まりに
くく寿命の長い装置が得られる。
【0124】この発明の請求項12に係る流量制御弁
は、第1流路と第2流路の間の圧力差が所定の値以上と
なった時にこの圧力差を小さくするリリーフ機構を備え
たので、万一、スラッジなどの固形異物が弁内に堆積し
ても、除湿能力が変動したり、除湿運転に必要な電気入
力が増大することなく、信頼性の高い流量制御弁が得ら
れる。
【0125】この発明の請求項13に係る流量制御弁
は、多孔質透過材を発泡金属で構成したので、低コスト
で性能の良い装置が得られる。
【0126】この発明の請求項14に係る流量制御弁
は、多孔質透過材を金属細線を3次元的なメッシュで構
成したので、低コストで性能の良い装置が簡単に得られ
る。
【0127】この発明の請求項15に係る流量制御弁
は、多孔質透過材は、平均100マイクロメートル以上
の流体が通る径を有するので、冷凍サイクル回路構成部
品とマッチングが取れて信頼性の高い冷凍サイクルを可
能とする装置が得られる。
【0128】この発明の請求項16に係る流量制御弁
は、多孔質透過材の空隙率を50%以上、望ましくは7
0%以上、更に望ましくは90%以上としたので、安定
した流量制御が可能である。
【0129】この発明の請求項17に係る流量制御弁
は、流路の上流側の冷媒が通る平均径100マイクロメ
ートル以上で平均径600マイクロメートル以下で厚み
2ミリメートル以上の多孔質透過材の近傍にオリフィス
部を備えたので、冷媒流動音が静かで確実な信頼性が確
保できる装置が得られる。
【0130】この発明の請求項18に係る冷凍空調装置
は、圧縮機、室外熱交換器、第1流量制御弁、第1室内
熱交換器、第2流量制御弁、第2室内熱交換器を順次接
続した冷凍サイクルを備え、第2流量制御弁は請求項1
ないし請求項17のいずれかに記載の流量制御弁である
ので、信頼性が高く性能が良い冷凍空調装置が得られ
る。
【0131】この発明の請求項19に係る冷凍空調装置
は、冷凍サイクルの流路内に配置され流路内を流れる固
形異物を除去するストレーナと、を備え、第2流量制御
弁の冷媒が通る多孔質透過材の平均径はストレーナーの
冷媒が通る平均径と同程度以上であるので、例え異物の
発生が少々多い装置であっても寿命が長く安定した運転
が可能な冷凍空調装置が得られる。
【0132】この発明の請求項20に係る冷凍空調装置
は、冷凍サイクルの冷媒として、凝縮温度40゜C、蒸
発温度10゜Cとした時の飽和圧力の差が1.0MPa
以上となる冷媒を用いたので、特性の安定した性能の良
い冷凍空調装置が得られる。
【0133】この発明の請求項21に係る流量制御弁
は、冷凍サイクルの冷媒は、可燃性冷媒であるので、信
頼性が非常に良くなる。
【0134】この発明の請求項22に係る流量制御弁の
製造方法は、円筒形状の底面部間を貫通させる、弁室が
接続する第1、第2流路と同程度の径の第1の貫通孔及
びこの貫通孔よりも小さな径の第2の貫通孔を有し、弁
室に設けられる流路の上流側の冷媒が通る径座ブロック
を形成するステップと、第1の貫通孔を除き第2の貫通
孔を覆うように弁座ブロックの底面部の少なくとも一方
に多孔質透過材を固定するステップと、多孔質透過材が
固定された弁座ブロックを弁室内に挿設するステップ
と、を備え、前記第1の貫通孔を閉じた時に第1流路か
ら流入した流体が第2の貫通孔と多孔質透過材を通って
第2流路に流通可能な構成を有するので、冷媒流動音を
大幅に低減できる流量制御弁を、工程を増やすことなく
比較的安価に製造できる。
【0135】この発明の請求項23に係る流量制御弁の
製造方法は、第1の貫通孔が底面部のほぼ中央で底面部
を貫通し、第2の貫通孔が第1の貫通孔の周辺で底面部
を貫通するように弁座ブロックを形成したので、冷媒流
動音を低減でき、多孔質透過材へ異物詰りに対して信頼
性の高い流量制御弁を、工程を増やすことなく比較的安
価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る空気調和装置
を示す冷媒回路図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制御
弁の構成を示す断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係り、第2流量制
御弁に用いる発泡金属の空隙率(%)に対し、発泡金属
に固形異物を堆積する前後の圧力差増加率(%)を示す
グラフ説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係り、発泡金属の
空隙率に対する圧力差増加率を調べる実験装置の構成を
示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制御
弁の他の構成を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制御
弁の他の構成を示す断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制御
弁の他の構成を示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制御
弁の他の構成を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態1に係る絞り手段を分
解して示す斜視図である。
【図10】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制
御弁の別の構成を示す断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制
御弁の他の構成を示す断面図である。
【図12】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制
御弁の他の構成を示す断面図である。
【図13】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制
御弁の別の構成を示す断面図である。
【図14】 この発明の実施の形態1に係る別の絞り手
段を分解して示す斜視図である。
【図15】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制
御弁の他の構成を示す断面図である。
【図16】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制
御弁の他の構成を示す断面図である。
【図17】 この発明の実施の形態1に係るストレーナ
ー取付け説明図である。
【図18】 この発明の実施の形態1に係る別のストレ
ーナー構造説明図である。
【図19】 この発明の実施の形態1に係るオリフィス
及び多孔質透過材に対する冷媒挙動を説明する説明図で
ある。
【図20】 この発明の実施の形態1に係るオリフィス
及び多孔質透過材に対する別の冷媒挙動を説明する説明
図である。
【図21】 この発明の実施の形態1に係るオリフィス
及び多孔質透過材に対する別の冷媒挙動を説明する説明
図である。
【図22】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制
御弁の他の構成を示す断面図である。
【図23】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制
御弁の騒音計測を説明する説明図である。
【図24】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制
御弁の冷媒流動音の特性説明図である。
【図25】 この発明の実施の形態1に係る第2流量制
御弁の冷媒流動音の特性説明図である。
【図26】 従来の空気調和装置を示す冷媒回路図であ
る。
【符号の説明】
1 圧縮機、3 室外熱交換器、4 第1流量制御弁、
5 第1室内熱交換器、 6 第2流量制御弁、7 第
2室内熱交換器、21 第1流路、22 第2流路、2
3 弁座、24 弁体、26 弁室、28 連通孔、2
9 空洞部、30 多孔質透過材、31 小孔、32
オリフィス板、34 弁座ブロック、35 第1の開
口、36 第2の開口、37 貫通孔、41 リリーフ
弁、42リリーフバネ、43 第1ストレーナ、44
第2ストレーナー、45 第3ストレーナー、 61
マフラー、 62 蒸気冷媒、 63 液冷媒、 64
無響箱、 65 マイクロフォン、 66 騒音計。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 厚志 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 三 菱電機エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3H106 DA05 DA23 DB02 DB22 DB32 DC02 DD03 DD07 EE07 EE20 EE48

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの流路を接続する弁室内に固設され
    前記流路の一方に接続する開口を有する弁座と、前記弁
    室内で稼動されて前記弁座の開口を開閉する弁体と、前
    記弁体内を貫通し前記開口と前記流路の他方とを流通可
    能とする貫通流路と、前記貫通流路を流れる液冷媒と蒸
    気冷媒の両方が同時に通るように前記弁体内に設けられ
    この冷媒が通る平均径が前記冷媒内に含まれ流通する固
    形異物の多くを通過させる径以上の多孔質透過材と、を
    備え、前記弁体によって前記開口を閉じたときに前記2
    つの流路間を流れる流体を前記貫通流路の前記多孔質透
    過材を通過させて減圧すること特徴とする流量制御弁。
  2. 【請求項2】 2つの流路を接続する弁室内に固設され
    前記流路の一方に接続する開口を有する弁座と、前記弁
    室内で稼動されて前記弁座の開口を開閉する弁体と、前
    記弁室内で前記弁体または前記弁座の外側に配設され、
    前記開口を迂回して前記2つの流路間を流れる流体を流
    通可能とする迂回流路と、前記迂回流路を流れる流体が
    通るように前記弁室内に設けられた多孔質透過材と、を
    備え、前記弁体によって前記開口を閉じたときに前記迂
    回流路を流れる流体を前記多孔質透過材を通過させて減
    圧すること特徴とする流量制御弁。
  3. 【請求項3】 2つの流路を接続する弁室内に固設され
    前記流路の一方に接続する開口を有する弁座と、前記弁
    室内で稼動されて前記弁座の開口を開閉する弁体と、前
    記弁体内を貫通し前記開口と前記2つの流路の他方とを
    流通可能とする貫通流路と、前記貫通流路を流れる液冷
    媒と蒸気冷媒の両方が同時に通るように前記弁体内に設
    けられ、この冷媒が通る第1の多孔質透過材と、前記弁
    室内に設けられ前記2つの流路を仕切るとともに前記冷
    媒が通る平均径が前記冷媒内に含まれ流通する固形異物
    の多くを通過させる径以上の第2の多孔質透過材と、を
    備えたこと特徴とする流量制御弁。
  4. 【請求項4】 2つの流路を接続する弁室内に固設され
    前記流路の一方に接続する開口を有する弁座と、前記弁
    室内で稼動されて前記弁座の開口を開閉する弁体と、前
    記弁体内を貫通し前記開口と前記流路の他方とを流通可
    能とする貫通流路と、前記貫通流路を流れる液冷媒と蒸
    気冷媒の両方が同時に通るように前記弁体内に設けら
    れ、もしくは前記弁室内で前記弁体または前記弁座の外
    側に前記開口を迂回して設けられ、前記2つの流路間を
    流れる流体を流通可能とする多孔質透過材と、前記多孔
    質透過材の少なくとも下流側に設けられ冷媒の流通を絞
    るオリフィス部と、を備え、前記多孔質透過材の前記冷
    媒が流通する平均径は前記オリフィス部の冷媒の流通を
    絞る孔径より小さいことを特徴とする流量制御弁。
  5. 【請求項5】 前記多孔質透過材の前記冷媒が流通する
    径はほぼ均質もしくは複数の異なるサイズ径を有するこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の流量制御弁。
  6. 【請求項6】 前記多孔質透過材の近傍に設けたオリフ
    ィスと、を備え、前記多孔質透過材の冷媒が流通する平
    均径が蒸気冷媒や液冷媒をオリフィスの孔径以下に分割
    する径以下であることを特徴とする請求項1ないし請求
    項5のいずれかに記載の流量制御弁。
  7. 【請求項7】 前記多孔質透過材の近傍に設けたオリフ
    ィスと、を備え、前記多孔質透過材の冷媒が流通する厚
    みを前記オリフィスの孔径以上であることを特徴とする
    請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の流量制御
    弁。
  8. 【請求項8】 前記流体が一方方向に流れる多孔質透過
    材の流路の上流側の前記冷媒が流入する面積を、下流側
    の前記冷媒が流出する面積よりも大きな面積となるよう
    にしたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいず
    れかに記載の流量制御弁。
  9. 【請求項9】 前記流体が一方方向に流れる多孔質透過
    材の流路の上流側の前記流体が流入する面の形状と、下
    流側の前記流体が流出する面の形状を異なる形状にした
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに
    記載の流量制御弁。
  10. 【請求項10】 前記多孔質透過材の前記冷媒が通る異
    なる径を前記流路に直列になるように配置したことを特
    徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の流
    量制御弁。
  11. 【請求項11】 前記多孔質透過材の前記流路の上流側
    の前記冷媒が通る径を下流側の前記冷媒が通る径より大
    きくしたことを特徴とする請求項1ないし請求項10の
    いずれかに記載の流量制御弁。
  12. 【請求項12】 前記第1流路と前記第2流路の間の圧
    力差が所定の値以上となった時にこの圧力差を小さくす
    るリリーフ機構を備えたことを特徴とする請求項1ない
    し請求項11のいずれかに記載の流量制御弁。
  13. 【請求項13】 前記多孔質透過材を発泡金属で構成し
    たことを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれ
    かに記載の流量制御弁。
  14. 【請求項14】 前記多孔質透過材を金属細線を3次元
    的なメッシュで構成したことを特徴とする請求項1ない
    し請求項13のいずれかに記載の流量制御弁。
  15. 【請求項15】 前記多孔質透過材は、平均100マイ
    クロメートル以上の前記流体が通る径を有することを特
    徴とする請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の
    流量制御弁。
  16. 【請求項16】 前記多孔質透過材の空隙率を50%以
    上、望ましくは70%以上、更に望ましくは90%以上
    としたことを特徴とする請求項1ないし請求項15のい
    ずれかに記載の流量制御弁。
  17. 【請求項17】 前記流路の上流側の前記冷媒が通る平
    均径100マイクロメートル以上で平均径600マイク
    ロメートル以下で厚み2ミリメートル以上の多孔質透過
    材の近傍にオリフィス部を備えたことを特徴とする請求
    項1ないし請求項16記載のいずれかに記載の流量制御
    弁。
  18. 【請求項18】 圧縮機、室外熱交換器、第1流量制御
    弁、第1室内熱交換器、第2流量制御弁、第2室内熱交
    換器を順次接続した冷凍サイクルを備え、前記第2流量
    制御弁は請求項1ないし請求項17のいずれかに記載の
    流量制御弁であることを特徴とする冷凍空調装置。
  19. 【請求項19】 前記冷凍サイクルの流路内に配置され
    前記流路内を流れる固形異物を除去するストレーナと、
    を備え、前記第2流量制御弁の前記冷媒が通る前記多孔
    質透過材の平均径は前記ストレーナーの前記冷媒が通る
    平均径と同程度以上であることを特徴とする請求項18
    記載の冷凍空調装置。
  20. 【請求項20】 前記冷凍サイクルの冷媒として、凝縮
    温度40゜C、蒸発温度10゜Cとした時の飽和圧力の
    差が1.0MPa以上となる冷媒を用いたことを特徴と
    する請求項18または19記載の冷凍空調装置。
  21. 【請求項21】 前記冷凍サイクルの冷媒は、可燃性冷
    媒であることを特徴とする請求項18または19記載の
    冷凍空調装置。
  22. 【請求項22】 円筒形状の底面部間を貫通させる、弁
    室が接続する第1、第2流路と同程度の径の第1の貫通
    孔及びこの貫通孔よりも小さな径の第2の貫通孔を有
    し、前記弁室に設けられる弁前記流路の上流側の前記冷
    媒が通る径座ブロックを形成するステップと、前記第1
    の貫通孔を除き前記第2の貫通孔を覆うように前記弁座
    ブロックの前記底面部の少なくとも一方に多孔質透過材
    を固定するステップと、前記多孔質透過材が固定された
    前記弁座ブロックを前記弁室内に挿設するステップと、
    を備え、前記第1の貫通孔を閉じた時に前記第1流路か
    ら流入した流体が前記第2の貫通孔と前記多孔質透過材
    を通って前記第2流路に流通可能な構成を有することを
    特徴とする流量制御弁の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記第1の貫通孔が前記底面部のほぼ
    中央で前記底面部を貫通し、前記第2の貫通孔が前記第
    1の貫通孔の周辺で前記底面部を貫通するように前記弁
    座ブロックを形成したことを特徴とする請求項22記載
    の流量制御弁の製造方法。
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