JP3712355B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和機などの冷凍サイクル装置に関し、特に、二相冷媒の冷媒流動音を低減し、騒音に対する快適性を向上させることができる冷凍サイクル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、空気調和機などの冷凍サイクル装置では、空気調和機の負荷変動に対応するために、インバーターなどの容量可変型圧縮機が用いられ、負荷の大小に応じて圧縮機の回転周波数が制御される。ところで、冷房運転時に圧縮機回転数が小さくなると、蒸発温度が上昇し、蒸発器での除湿能力が低下し、あるいは蒸発温度が室内の露点温度以上に上昇し、除湿できない場合が生ずるという問題点があった。
【0003】
この冷房低容量運転時における除湿能力の低下を改善するため、たとえば、図13に示す空気調和機が提案されている(特開平11−51514号公報参照)。図13は、従来の空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。図13において、この空気調和機は、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、第1流量制御装置4、第1室内熱交換器5、第2流量制御装置36、および第2室内熱交換器7を有し、各構成部分は、順次配管によって接続された冷凍サイクルを形成する。
【0004】
この空気調和機が冷房運転を行う場合、圧縮機1を出た冷媒は、四方弁2を通過して、室外熱交換器3によって凝縮液化される。ここで、第1流量制御装置4の二方向弁38は閉じられているため、室外熱交換器3から出力された冷媒は、絞り装置32によって減圧され、第1室内熱交換器5において蒸発気化され、再び、四方弁2を介して圧縮機1に戻る。なお、第2流量制御装置36は開けられている。
【0005】
これに対し、この空気調和機が暖房運転を行う場合、圧縮機1を出た冷媒は、冷房運転とは逆に、四方弁2を通過して第1室内熱交換器5によって凝縮液化する。ここで、第1流量制御装置4の二方向弁38は閉じられているため、第1室内熱交換器5から出力された冷媒は、絞り装置32によって減圧され、室外熱交換器3において蒸発気化され、再び、四方弁2を介して圧縮機1に戻る。なお、第2流量制御装置36は開けられている。
【0006】
一方、除湿運転を行う場合、第1流量制御装置4の二方向弁38は開けられ、第2流量制御装置36によって冷媒流量が制御される。この第2流量制御装置36による冷媒流量の制御によって、第1室内熱交換器5が凝縮器、すなわち再熱器として動作し、第2室内熱交換器7が蒸発器として動作する。この結果、室内空気は、第1室内熱交換器5で加熱されるため、室温の低下が小さい除湿運転が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の空気調和機では、室内ユニット側に設置される第2流量制御装置36として、通常、オリフィスを有した流量制御弁を用いているため、冷媒がこのオリフィスを通過する時に発生する冷媒流動音が大きく、室内環境を悪化させる要因となっていた。特に、除湿運転時では、第2流量制御装置36の入口が気液二相冷媒となり、冷媒流動音が大きくなるという問題点があった。
【0008】
そこで、この除湿運転時の第2流量制御装置36の冷媒流動音低減策として、流量制御弁内に複数の切り込み溝と弁体からなるオリフィス状の絞り流路とを設けた空気調和機が提案されている(特開平11−51514号公報参照)。この冷媒流動音低減策では、絞り部が複数のオリフィス形状の流路によって気液二相冷媒を連続的に流す工夫をしているが、加工上、配置し得る流路数が有限であるため効果的でなく、冷媒流動音が大きくなるといった問題点があった。この結果、第2流量制御装置6の周囲に遮音材や制振材を設けるなどの追加の対策を施す必要があり、コスト増加や設置性の悪化、さらにはリサイクル性の悪化などの問題点が依然として残っていた。
【0009】
また、特開平7−146032号公報に記載された空気調和機で用いる流量制御装置では、冷媒流動音を低減するために、絞りの上流側および下流側にフィルタとして多孔体を設けている。しかしながら、この多孔体と絞り部との距離が離れているため、気液二相冷媒を連続的に絞り部に効果的に供給することができず、結果として冷媒流動音が大きくなるといった問題点があった。
【0010】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、冷媒流動音を大幅に低減でき、冷凍サイクル内の異物によって閉塞しない絞り装置を有した冷凍サイクル装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかる冷凍サイクル装置は、毛細管と、前記毛細管に直列接続され、冷媒の流れに対して入口側および出口側に設けられた多孔体によって挟まれたオリフィスを有した絞り機構部と、直列接続された前記毛細管と前記絞り機構部とに並列接続された二方向弁とを備えた流量制御部が第1の室内熱交換器と第2の室内熱交換器との間に配置されたことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、毛細管によって気液二相冷媒が混合された状態で絞り機構部に流れ込み、微細で無数の通気孔を有する多孔体を通過することによって、冷媒蒸気スラグや冷媒気泡が小さな気泡となって冷媒の流動状態が均質な気液二相状態となり、冷媒蒸気スラグや冷媒気泡の崩壊を防止し、また、蒸気冷媒と液冷媒とがオリフィスを同時通過することによる冷媒速度の変動が生じず、圧力変動もなくし、さらに、多孔体内部の複雑な流路によって該多孔体内部において冷媒の圧力変動が繰り返され一部が熱エネルギーに変換され、圧力変動を一定にするようにしている。
【0013】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記毛細管および前記絞り機構部は、冷媒の流れ方向に沿って略鉛直に配置され、前記毛細管に流れる冷媒は、鉛直下方から上方に流れ、前記絞り機構部に流れる冷媒は、鉛直上方から下方に流れることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、気液分離を生じさせない毛細管を絞り機構部の入口側に接続することによって、絞り機構部の配置形態に関わらず、冷媒流動音の発生を防止するようにしている。
【0015】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、二方向弁と、前記二方向弁に並列接続され、冷媒の入口側および出口側に設けられた多孔体によって挟まれたオリフィスを有した絞り機構部とを備えた流量制御部が第1の室内熱交換器と第2の室内熱交換器との間に配置され、前記絞り機構部は、冷媒の流れ方向に沿って略水平に配置されたことを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、冷媒の流れが水平方向となったオリフィスを冷媒が通過する場合、絞り機構部内の入口側多孔体の前面空間上部には二相冷媒の蒸気スラグが浮き上がり、下部には液相が溜まって分離するが、多孔体を通過することによって蒸気スラグは微細な気泡となってオリフィスを通過し、圧力変動が抑制される。
【0017】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記絞り機構部は、前記オリフィスを形成するオリフィス保持体の周縁部に設けられたカシメ部によって前記多孔体を固定することを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、多孔体がカシメ部による全周カシメによってオリフィス保持体に固定されるため、多孔体の外周部にバリがついている場合であっても、この全周カシメによって、このバリが冷媒回路上に流出するのを防止することができる。
【0019】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記オリフィスと前記多孔体との間に空間を形成したことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、オリフィスと多孔体との間に空間を設けることによって、多孔体とオリフィスとの間の流路が広く取れ、多孔体のメッシュの一部に異物が積層する場合であっても、複数の流路を有効にし、冷媒の詰まりを回避するようにしている。
【0021】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記オリフィスと冷媒の入口側の多孔体との間に形成した前記空間の冷媒流れ方向の距離は、前記オリフィスの直径以下であることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、オリフィスと冷媒の入口側の多孔体との間に設けられた空間の距離を、オリフィスの直径に比して小さくしているので、多孔体で微細化された気泡が再集結し、オリフィスの直径を超えた大きな気泡が形成されることを防止するようにし、詰まりの危険性を回避しつつ、圧力変動の発生を抑制するようにしている。
【0023】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記オリフィスと冷媒の出口側の多孔体との間に形成した前記空間の冷媒流れ方向の距離は、前記オリフィスの直径以上であることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、出口側の多孔体とオリフィスとの間に形成した空間の距離を、オリフィスの直径以上とし、オリフィスを通過した冷媒が多孔体に到達した際の流速を低くするようにしている。
【0025】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、冷媒の入口側の前記多孔体および冷媒の出口側の前記多孔体の形状あるいは大きさを異ならせたことを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、入口側の多孔体および出口側の多孔体の形状あるいは大きさ、たとえば直径を変え、冷媒の出入口を容易に判別することができるようにしている。
【0027】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記多孔体がはめ込まれる前記オリフィス保持体の外周部に、溝を設けたことを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、多孔体を固定するオリフィス保持体における多孔体をはめ込む部分の外周部に溝を設け、この溝が、多孔体外周部のダレを収容し、多孔体が浮き上がることを防止するとともに、多孔体外周部のバリが脱落した場合でも、脱落したバリは溝内に捕捉されたままにし、冷媒回路への流出を防止するようにしている。
【0029】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記オリフィスの入口側に、冷媒の上流側が開口したテーパー部を形成したことを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、冷媒の流れに対してオリフィスの入口側にテーパー部を設け、冷媒がオリフィスを通過する際、このテーパー部によって冷媒の流線を滑らかにするようにしている。
【0031】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記オリフィスの入口側に、冷媒の上流側が開口した曲面部を形成したことを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、冷媒の流れに対してオリフィスの入口側に曲線部を設け、冷媒がオリフィスを通過する際、この曲線部によって冷媒の流線を一層滑らかにするようにしている。
【0033】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記オリフィスの出口側に、冷媒の下流側が開口したテーパー部を形成したことを特徴とする。
【0034】
この発明によれば、冷媒の流れに対してオリフィスの出口側に、たとえば頂角120度程度のテーパー部を設け、冷媒がオリフィスを通過する際、冷媒の流線を滑らかにするとともに、オリフィス通過後の冷媒の広がり角を大きくし、多孔体に到達した際の冷媒の流速を低くするとともに、冷媒が出口側の多孔体に均質に流入するようにしている。
【0035】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記絞り機構部は、銅管内に、前記多孔体と前記オリフィス保持体とからなるオリフィス構造体が圧入され、当該絞り機構部が接続される冷媒配管に対応して、該銅管の両端開口部を絞った構造であることを特徴とする。
【0036】
この発明によれば、多孔体を含むオリフィス構造体を銅管に圧入することによって該オリフィス構造体を固定し、銅管の両端を絞って細くすることによって、冷媒配管を接続する形状とするようにしている。
【0037】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記オリフィス構造体は、その外周の円周方向に溝が形成されたことを特徴とする。
【0038】
この発明によれば、オリフィス構造体の外周部の全周に渡って、溝21を設け、多孔体を構造体にカシメで固定する際に、この溝に固定治具を固定し、カシメ治具でプレスすることによって,入口側および出口側をそれぞれ個別にカシメを施すことができる。
【0039】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記絞り機構部は、前記オリフィス構造体の溝に対応させて前記銅管の外殻から全周カシメが施されることを特徴とする。
【0040】
この発明によれば、オリフィス構造体の溝に対応させて銅管の外殻から全周カシメを行うことによって、オリフィス構造体を隙間無く外殻の銅管に固定するようにしている。
【0041】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記絞り機構部の外殻を形成する銅管は、前記オリフィス構造体から出口側方向に向けてテーパー状に絞った構造であることを特徴とする。
【0042】
この発明によれば、オリフィス構造体の外殻を形成する銅管の出口側部分を、テーパー形状にし、この外殻を形成する銅管内部空間における気注共鳴を防止するようにしている。
【0043】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記多孔体は、金属多孔体であることを特徴とする。
【0044】
この発明によれば、多孔体として金属多孔体を使用し、外殻の銅管を配管と接続する際のロウ付けによる熱の伝達を防止する必要をなくすようにしている。
【0045】
つぎの発明にかかる冷凍サイクル装置は、上記の発明において、前記金属多孔体は、ニッケル材によって形成されたことを特徴とする。
【0046】
この発明によれば、金属多孔体として、ニッケル材を用い、たとえば、バリ等が冷媒回路に流出して圧縮機に流れ込んだ場合であっても、圧縮機のローリングピストンがロックすること無く運転を継続できるようにしている。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる冷凍サイクル装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0048】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である空気調和機の概要を示す冷媒回路図である。ここで、図13に示した空気調和機の第2流量制御装置36に代えて、第2流量制御装置6を設けている。なお、図13に示した空気調和機と同じ構成部分には同一符号を付している。すなわち、図1に示した空気調和機は、圧縮機1、冷房運転時と暖房運転とにおける冷媒の流れを切り替える切替手段としての四方弁2、室外熱交換器3、第1流量制御装置4、第1室内熱交換器5、第2流量制御装置6、第2室内熱交換器7を有し、各構成部分は、配管によって順次接続された冷凍サイクルを構成している。この冷凍サイクルの冷媒には、R32とR125との混合冷媒であるR410Aが用いられ、冷凍機油としてはアルキルベンゼン系油が用いられる。
【0049】
また、図2は、第2流量制御装置6の詳細構成を冷凍回路図である。第2流量制御装置6は、毛細管9と絞り機構部10とが直列接続され、この直列接続された毛細管9および絞り機構部10は、二方向弁8に並列接続される。
【0050】
さらに、図3は、絞り機構部10に用いられるオリフィス構造体10aの詳細構成を示す図であり、図3(a)は、オリフィス構造体10aの正面図を示し、図3(b)は、オリフィス構造体10aの左側面断面図である。図3において、オリフィス構造体10aは、オリフィス12の前後に入口側多孔体13と出口側多孔体14とが配置される。入口側多孔体13および出口側多孔体14の多孔体は、全体が多孔質透過材で形成され、通気孔、すなわち流体が透過できる多孔体表面および内部の気孔、の平均直径が約500μmであり、空隙率が92±6%である。この多孔体は、ウレタンフォームに金属粉末を塗布後、熱処理してウレタンフォームを焼失させ、金属を3次元の格子状に成形したものであり、材料は、Ni(ニッケル)である。なお、多孔体の強度を上げるために、Cr(クロム)をメッキ処理または浸透処理してもよい。
【0051】
ここで、図4に示した圧力−エンタルピー線図をも参照して、図1に示した空気調和機の除湿運転時における冷凍サイクル動作について説明する。なお、除湿運転時では、第2流量制御装置6の二方向弁8は閉状態となっている。
【0052】
まず除湿運転時では、空気調和機の負荷に応じた回転数で運転されている圧縮機1を出た高温高圧の蒸気冷媒(A点)は、四方弁2を通過して、室外熱交換器3で外気と熱交換し、凝縮し、気液二相冷媒となる(B点)。この高圧二相冷媒は、第1流量制御装置4で若干減圧され、中間圧の気液二相冷媒となって第1室内熱交換器5に流入する(C点)。第1室内熱交換器に流入した中間圧の気液二相冷媒は、室内空気と熱交換を行い、さらに凝縮する(D点)。第1室内熱交換器を流出した気液二相冷媒は、第2流量制御装置6に流入する。
【0053】
第2流量制御装置6の二方向弁8は、閉状態であるため、冷媒は、毛細管9を経て、絞り機構部10に流れ込む。絞り機構部10に流れ込んだ冷媒は、オリフィス12によって減圧され、低圧気液二相冷媒となり、第2室内熱交換器7に流入する(E点)。オリフィス12の出入口に設置された入口側多孔体13および出口側多孔体14の厚さはそれぞれ3mm程度である。また、オリフィス12の内径は1mmであり、厚さ(長さ)は3mm程度である。第2室内熱交換器7に流入した冷媒は、室内空気の顕熱および潜熱を奪って蒸発する。第2室内熱交換器7を出た低圧蒸気冷媒は、再び四方弁2を介して圧縮機1に戻る。室内空気は、第1室内熱交換器5で加熱され、第2室内熱交換器7で冷却除湿されるため、部屋の室温低下を防ぎながら除湿されることになる。
【0054】
ここで、通常のオリフィスタイプの流量制御装置では、気液二相冷媒が通過する際、大きな冷媒流動音が絞り部前後で発生する。特に、気液二相冷媒の流動様式がスラグ流となる場合に大きな冷媒流動音が絞り部上流で発生する。この原因は、気液二相冷媒の流動様式がスラグ流の場合、流れ方向に対して蒸気冷媒が断続的に流れ、絞り部流路よって大きな蒸気スラグもしくは蒸気気泡が絞り部流路を通過する際に、絞り部流路上流の蒸気スラグもしくは蒸気気泡が崩壊することによって、それらが振動するからであり、また、絞り部を蒸気冷媒と液冷媒が交互に通過するため、冷媒の速度は蒸気冷媒が通過する際は速く、液冷媒が通過する際は遅くなるため、それに伴って絞り部上流の圧力も変動するからである。また、従来の第2流量制御装置36出口では、出口流路が1ヶ所〜4ヵ所であるため、冷媒流速が速く、出口部分では高速気液二相流となり、壁面に冷媒が衝突するため、絞り部本体や出口流路が常に振動し騒音が発生する。さらに、出口部分の高速気液二相噴流による乱れや渦の発生によって、噴流騒音も大きくなっている。
【0055】
これに対し、図5に示すように、この実施の形態1における第2流量制御装置6では、第1室内熱交換器5から流出した冷媒が、入口部6aから入力され、二方向弁8が開状態になっている場合、この二方向弁8を介して出口部6bに流れ、第2室内熱交換器7に流出し、二方向弁8が閉状態になっている場合、毛細管9を通って絞り機構部10に流入し、その後出口部6bに流れ、第2室内熱交換器7に流出する。
【0056】
この第2流量制御装置6では、毛細管9によって気液二相冷媒が混合され、この混合された状態の気液二相冷媒が絞り機構部10に流れ込み、さらに、入口側多孔体13の微細で無数の通気孔を通過することによって、蒸気スラグ(大気泡)は小さな気泡になり、冷媒の流動状態が均質気液二相流(蒸気冷媒と液冷媒とが、良く混合された状態)となるため、蒸気冷媒と液冷媒とが同時にオリフィス12を通過し、冷媒の速度変動が生じず、圧力も変動しない。また、入口側多孔体13のような多孔質透過材は、内部の流路が複雑に構成され、この内部では圧力変動が繰り返され、一部、熱エネルギに変換しながら圧力変動を一定にする効果があるため、オリフィス12で圧力変動が発生してもこれを吸収する効果があり、これによって上流にその影響が伝えにくくなる。また、オリフィス12の下流の高速気液二相噴流は、出口側多孔体14によって、その内部で冷媒の流速が十分に減速され、速度分布も一様化されるため、高速気液二相噴流が壁面に衝突することもなく、流れに大きな渦が発生することもないので、噴流騒音も小さくなる。
【0057】
ここで、オリフィス構造体10aの詳細構成について説明する。図3に示したように、オリフィス構造体10aは、オリフィス保持体11の中央部にオリフィス12を形成し、略円盤状のオリフィス保持体11の両端面から入口側多孔体13および出口側多孔体14によって挟み込むサンドイッチ構造を形成する。このサンドイッチ構造は、オリフィス保持体11のカシメ部15によって、オリフィス保持体11と、入口側多孔体13および出口側多孔体14との周辺部分にカシメが施され、固定される。
【0058】
さらに、入口側多孔体13および出口側多孔体14と、オリフィス12との間に空間16,17を設けている。この空間16,17を設けることによって、入口側多孔体13および出口側多孔体14と、オリフィス12との間の流路を広く取ることができるため、入口側多孔体13および出口側多孔体14のメッシュの一部に異物が積層した場合であっても、他の多孔体部分に複数の流路が存在するために、詰りの危険性が回避される。
【0059】
そして、入口側多孔体13とオリフィス12との間の空間16の距離16aを、オリフィス12の直径と同じ1mmとすることによって、入口側多孔体13で微細化された気泡が再集結してオリフィス12の直径φ1mmに比して大きな気泡となることを防止するため、詰りの危険性を回避しつつ、圧力の変動が抑制される。
【0060】
また、オリフィス12を通過した冷媒は円錐状に拡散するため、出口側多孔体14とオリフィス12との間の空間17の距離17aを、オリフィス12の直径1mm以上の2mmとすることによって、オリフィス12を通過した冷媒が出口側多孔体14に到達した際、この冷媒の流速が低下することになる。この流速の低下によって、冷媒に金属の微粉末などが含まれる場合に生ずる多孔体のメッシュのサンドエロージョンが抑制される。
【0061】
ここで、オリフィス12に対する距離16aと距離17aとを異ならせる場合、オリフィス構造体10aを冷媒回路に組み込む際に、取り付け方向を間違えないようにする必要がある.このため、図3に示すように、入口側多孔体13と出口側多孔体14との直径を変えることによって、出入口の方向を判別することができる。具体的に、入口側多孔体13を直径20mmとし、出口側多孔体14を直径21mmとすることによって、作業者は、組み付ける多孔体が、入口側多孔体13であるのか、出口側多孔体14であるのかを容易に判別することができる。さらに、入口側多孔体13と出口側多孔体14との直径を変えることによって、入口側多孔体13と出口側多孔体14の多孔体材料として異なる材料を使用した場合に、取り付けるべき多孔体の誤使用を防止することができる。
【0062】
さらに、図3に示すように、オリフィス保持体11のカシメ部15の内周部であって、カシメ部15によって入口側多孔体13および出口側多孔体14がはめ込まれる多孔体外周部が当接する部分に溝21を設ける。入口側多孔体13および出口側多孔体14を円形に打ち抜く際、外周部にダレが生じるため、入口側多孔体13および出口側多孔体14をそのままオリフィス保持体11の外周部平面に載せると、ダレの分だけ平面から浮き上がってしまう。この結果、カシメ部15と、入口側多孔体13および出口側多孔体14の周縁部との距離を安定的に得られない可能性がある。ここで、溝21が、このバリを収容し、入口側多孔体13および出口側多孔体14の浮き上がりを防止する。溝21の深さは、0.1mmから0.3mm程度である。また、入口側多孔体13および出口側多孔体14の周縁部から、バリが脱落した場合であっても、脱落したバリは、溝21内に捕捉されたままとなるため、冷媒回路上への流出が防止され、脱落したバリの流出による冷媒回路部品への詰りが防止される。
【0063】
また、図3に示すように、オリフィス12の入口側に、オリフィス12の直径1mmに対応させた0.3Rの曲面18を形成する。この曲面18を形成することによって、オリフィス12を通過する冷媒の流線が滑らかに曲げられる。この結果、オリフィス12の入口通過後の渦の発生が抑制され、オリフィス12の内壁に対する異物の付着が抑制されるとともに、流体雑音の発生も抑制される。
【0064】
なお、図6に示すように、オリフィス12の入口側に、オリフィス12の直径1mmに対応させた0.3Cのテーパー20を形成するようにしてもよい。このテーパー20を形成することによっても、オリフィス12を通過する冷媒の流線が滑らかに曲げられ、オリフィス12の入口通過後の渦の発生が抑制され、オリフィス12の内壁に対する異物の付着が抑制される。このテーパー20は、切削加工によってR形状が形成される曲面18に比して形状が簡単であるため、加工コストを低減することができる。
【0065】
また、オリフィス12の出口側に頂角120度程度のテーパー19を形成することによって、冷媒の流線を滑らかにするとともに、オリフィス12通過後の冷媒の広がり角を大きくすることができる。これによって、出口側多孔体14に到達した際の冷媒の流速を低くすることができるとともに、出口側多孔体14に冷媒が均質に流入するため、出口側多孔体14による流れの整流効果を一層高めることができる。また、頂角を120度程度とすることで、テーパー加工の際にドリルを用い、その先端によって簡単に加工することができるため、加工コストを抑制することができる。
【0066】
ここで、オリフィス構造体10aを含む絞り機構部10の詳細構成について説明する。図3に示したように、入口側多孔体13と出口側多孔体14とはそれぞれカシメ部15による全周カシメによってオリフィス保持体11に固定される。図6に示すように、この全周カシメによる固定は、まず、カシメ前のオリフィス保持体11の両端部における内周平面に、入口側多孔体13および出口側多孔体14を挿入し、カシメ治具24,25を両端から、矢印の方向に圧縮することで、カシメ部15が全周カシメを行い、入口側多孔体13および出口側多孔体14がオリフィス保持体11に全周隙間無く固定され、オリフィス構造体10aが形成される。この結果、入口側多孔体13および出口側多孔体14の多孔体を打ちぬく際にバリが発生し、多孔体の外周部に付着したまま組み立てられても、冷媒回路にバリが流れ出すことが防止される。また、プレスのみによって入口側多孔体13および出口側多孔体14をオリフィス保持体11に固定してオリフィス構造体10aを生成することができるため、製造コストの低減を図ることができる。
【0067】
このようにして形成されたオリフィス構造体10aは、図8に示すように、銅管26における冷媒の流れの入口側から圧入することで銅管26内に固定され、その後、銅管26の端部27,28を絞って細くし、冷媒配管を接続する形状に成形する。これによって、絞り機構部10が形成されることになる。絞り機構部10に圧入されるオリフィス構造体10aの外径と銅管の内径との圧入代は、約25μmであり、冷媒の圧力の加わる側からオリフィス構造体10aを圧入することによって、冷媒の圧力が加わってもオリフィス構造体10aが出口側に向かって移動しないようにしている。また、外殻を銅管で構成することによって、絞り機構部10の外殻を低コストで構成することができる。
【0068】
ここで、図3に示すように、オリフィス構造体10aには、その外周部の全周にわたって、幅2mm、深さ1.5mmの溝22が設けられる。この溝22は、図7に示したように、入口側多孔体13および出口側多孔体14をオリフィス保持体11にカシメによって固定する際、この溝22が固定治具23に係合し、ストッパーとして機能する。そして、カシメ治具24,25によってオリフィス構造体10aをプレスすることによって、入口側多孔体13および出口側多孔体14がそれぞれ個別にカシメが施され、安定したカシメ形状を得ることができる。
【0069】
図9は、第2流量制御装置6と従来の第2流量制御装置36とが発生する騒音の周波数特性を示す図である。図9に示した騒音の周波数特性は計測結果を示し、横軸は周波数[Hz]を示し、縦軸は音圧(SPL)[dBA]を示している。また、図9において、実線は、この実施の形態1に示した第2流量制御装置6の計測結果を示し、破線は、図13に示した従来の第2流量制御装置36の計測結果を示している。実線で示した第2流量制御装置6の周波数特性は、全周波数範囲において、従来の第2流量制御装置36の周波数特性に比して音圧レベルが低減されていることがわかる。特に、人間の耳に良く聞こえる2000Hzから7000Hzの範囲において、大幅な騒音低減効果が得られていることがわかる。
【0070】
なお、空気調和機の配管の取り回しによって、絞り機構部10の入口側配管を垂直上昇流とする必要がある場合、通常の配管を使用すると上昇管中で冷媒が気液二相に分離して気体と液体が不連続に絞り機構部10に流れ込み、圧力変動の要因となるが、図5に示すような毛細管9による垂直上昇管では、気液が分離しないため、圧力変動が抑制され冷媒音の発生も抑制されることになる。
【0071】
実施の形態2.
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、図5に示したように絞り機構部10を、冷媒の流れが鉛直となる縦置きにしていたが、この実施の形態2では、絞り機構部10を横置きに設置している。この場合、絞り機構部10の上流側に設けられた毛細管9の構成は削除される。
【0072】
図10において、絞り機構部10は、横置きに配置され、絞り機構部10では、冷媒の流れが水平となる。絞り機構部10の入口側の空間31に、スラグ流で流れ込んだ二相冷媒の蒸気スラグ(気泡)は、空間31の上部に浮き上がり、液相が空間31の下部に溜まって分離する。通常の除湿運転時は、オリフィス12の部分は、液相と成り、入口側多孔体13を通過して微細になった気泡は、連続的にオリフィス12を通過することになるため、圧力変動が抑制され、冷媒音の発生も抑制される。
【0073】
実施の形態3.
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3では、図11に示すように、オリフィス構造体10aの外周部の全周に設けられた溝22に沿い、溝22に対応する外殻の銅管26の全周に、カシメ部29を設けるようにしている。オリフィス構造体10aを隙間無く外殻の銅管26に固定することができ、冷媒が、オリフィス12以外の部分を通過することを防止し、安定した絞り特性を得ることができる。
【0074】
実施の形態4.
つぎに、この発明の実施の形態4について説明する。この実施の形態4では、図12に示すように、絞り機構部10の外殻を形成する銅管26の出口側部分をテーパー形状としたテーパー部30を形成している。すなわち、銅管26内を流れる冷媒の流れに沿って、出口側部分を順次細くしたテーパー部30を設けている。これによって、外殻の銅管26の内部空間における気注共鳴が防止され、ピーク音の発生を抑制することができる。
【0075】
実施の形態5.
つぎに、この発明の実施の形態5について説明する。この実施の形態5では、入口側多孔体13および出口側多孔体14の多孔体を、金属多孔体としている。入口側多孔体13および出口側多孔体14の多孔体を樹脂で構成した場合、外殻の銅管26を、配管と接続するロウ付けを行う際に、多孔体部分の冷却が不可欠となるが、多孔体を金属多孔体とすることによって、ロウ付けによる熱の影響を無視することができ、ロウ付け作業が容易となる。
【0076】
特に、金属多孔体としてニッケル(Ni)を用いることが好ましい。これは、たとえ多孔体のバリが冷媒回路に流出して圧縮機1に流れ込んだ場合であっても、ニッケルが、圧縮機1のシリンダーを構成する鉄に比べて柔らかいため、圧縮機1のローリングピストンがロックすること無く運転を継続することができるからである。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、毛細管によって気液二相冷媒が混合された状態で絞り機構部に流れ込み、微細で無数の通気孔を有する多孔体を通過することによって、冷媒蒸気スラグや冷媒気泡が小さな気泡となって冷媒の流動状態が均質な気液二相状態となり、冷媒蒸気スラグや冷媒気泡の崩壊を防止し、また、蒸気冷媒と液冷媒とがオリフィスを同時通過することによる冷媒速度の変動が生じず、圧力変動もなくし、さらに、多孔体内部の複雑な流路によって該多孔体内部において冷媒の圧力変動が繰り返され一部が熱エネルギーに変換され、圧力変動を一定にするようにしているので、冷媒流動音の発生を抑え、騒音を大幅に低減することができるという効果を奏する。
【0078】
つぎの発明によれば、気液分離を生じさせない毛細管を絞り機構部の入口側に接続することによって、絞り機構部の配置形態に関わらず、冷媒流動音の発生を防止するようにしているので、騒音の大幅な低減を可能にするとともに、装置構成の柔軟性を持たせることができるという効果を奏する。
【0079】
つぎの発明によれば、冷媒の流れが水平方向となったオリフィスを冷媒が通過する場合、絞り機構部内の入口側多孔体の前面空間上部には二相冷媒の蒸気スラグが浮き上がり、下部には液相が溜まって分離するが、多孔体を通過することによって蒸気スラグは微細な気泡となってオリフィスを通過し、圧力変動が抑制されるため、冷媒流動音の発生が抑制され、騒音を低減することができるという効果を奏する。
【0080】
つぎの発明によれば、多孔体がカシメ部による全周カシメによってオリフィス保持体に固定されるため、多孔体の外周部にバリがついている場合であっても、この全周カシメによって、このバリが冷媒回路上に流出するのを防止することができるため、冷媒回路内の部品における詰まりを防止することができるという効果を奏する。
【0081】
つぎの発明によれば、オリフィスと多孔体との間に空間を設けることによって、多孔体とオリフィスとの間の流路が広く取れ、多孔体のメッシュの一部に異物が積層する場合であっても、複数の流路を有効にし、冷媒の詰まりを回避するようにしているので、冷媒の詰まりの危険性を回避することができるという効果を奏する。
【0082】
つぎの発明によれば、オリフィスと冷媒の入口側の多孔体との間に設けられた空間の距離を、オリフィスの直径に比して小さくしているので、多孔体で微細化された気泡が再集結し、オリフィスの直径を超えた大きな気泡が形成されることを防止するようにし、詰まりの危険性を回避しつつ、圧力変動の発生を抑制するようにしているので、騒音を大幅に低減することができるという効果を奏する。
【0083】
つぎの発明によれば、出口側の多孔体とオリフィスとの間に形成した空間の距離を、オリフィスの直径以上とし、オリフィスを通過した冷媒が多孔体に到達した際の流速を低くするようにしているので、冷媒に金属の微粉末などが含まれる場合に生ずる多孔体の骨格のエロージョンを防止することができるという効果を奏する。
【0084】
つぎの発明によれば、入口側の多孔体および出口側の多孔体の形状あるいは大きさ、たとえば直径を変え、冷媒の出入口を容易に判別することができるようにしているので、入口側の多孔体と出口側の多孔体とを異なる材質で形成した場合における多孔体の組み付けの誤りや、多孔体が組み付けられたオリフィスの構造体の向きの誤りなどの誤使用を防止することができるという効果を奏する。
【0085】
つぎの発明によれば、多孔体を固定するオリフィス保持体における多孔体をはめ込む部分の外周部に溝を設け、この溝が、多孔体外周部のダレを収容し、多孔体が浮き上がることを防止するとともに、多孔体外周部のバリが脱落した場合でも、脱落したバリは溝内に捕捉されたままにし、冷媒回路への流出を防止するようにしているので、多孔体をオリフィス保持体に確実に固定することができるとともに、脱落したバリの流出による冷媒回路部品の詰りを防止することができるという効果を奏する。
【0086】
つぎの発明によれば、冷媒の流れに対してオリフィスの入口側にテーパー部を設け、冷媒がオリフィスを通過する際、このテーパー部によって冷媒の流線を滑らかにするようにしているので、オリフィスの内壁への異物の付着を抑制することができるという効果を奏する。
【0087】
つぎの発明によれば、冷媒の流れに対してオリフィスの入口側に曲線部を設け、冷媒がオリフィスを通過する際、この曲線部によって冷媒の流線を一層滑らかにするようにしているので、オリフィス内壁への異物の付着を抑制することができるとともに、流体騒音の発生も抑制することができるという効果を奏する。
【0088】
つぎの発明によれば、冷媒の流れに対してオリフィスの出口側に、たとえば頂角120度程度のテーパー部を設け、冷媒がオリフィスを通過する際、冷媒の流線を滑らかにするとともに、オリフィス通過後の冷媒の広がり角を大きくし、多孔体に到達した際の冷媒の流速を低くするとともに、冷媒が出口側の多孔体に均質に流入するようにしているので、出口側の多孔体による流れの整流効果を一層高めることができ、冷媒流動音の発生を抑制することができるという効果を奏する。
【0089】
つぎの発明によれば、多孔体を含むオリフィス構造体を銅管に圧入することによって該オリフィス構造体を固定し、銅管の両端を絞って細くすることによって、冷媒配管を接続する形状とするようにしているので、簡易な加工によって容易に絞り機構部を形成することができ、結果として低コスト化を実現することができるという効果を奏する。
【0090】
つぎの発明によれば、オリフィス構造体の外周部の全周に渡って、溝21を設け、多孔体を構造体にカシメで固定する際に、この溝に固定治具を固定し、カシメ治具でプレスすることによって,入口側および出口側をそれぞれ個別にカシメを施すことができるので、安定したカシメ形状を得ることができるとともに、オリフィス構造体の搬送時に、この溝をレールに嵌めることによって、多孔体を他の物体に接触させることなく搬送することができるという効果を奏する。
【0091】
つぎの発明によれば、オリフィス構造体の溝に対応させて銅管の外殻から全周カシメを行うことによって、オリフィス構造体を隙間無く外殻の銅管に固定するようにしているので、絞り機構部においてオリフィス以外の部分を冷媒が通過することを確実に防止することができ、安定した絞り特性を得ることができるという効果を奏する。
【0092】
つぎの発明によれば、オリフィス構造体の外殻を形成する銅管の出口側部分を、テーパー形状にし、この外殻を形成する銅管内部空間における気注共鳴を防止するようにしているので、ピーク音の発生を抑制することができるという効果を奏する。
【0093】
つぎの発明によれば、多孔体として金属多孔体を使用し、外殻の銅管を配管と接続する際のロウ付けによる熱の伝達を防止する必要をなくすようにしているので、ロウ付け作業が容易になるという効果を奏する。
【0094】
つぎの発明によれば、金属多孔体として、ニッケル材を用い、たとえば、バリ等が冷媒回路に流出して圧縮機に流れ込んだ場合であっても、圧縮機のローリングピストンがロックすること無く運転を継続できるようにしているので、高い信頼性をもった冷凍サイクル装置を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。
【図2】 図1に示した第2流量制御装置の構成を示す冷媒回路図である。
【図3】 図2に示した絞り機構部内のオリフィス構造体の構成を示す図である。
【図4】 図1に示した空気調和機の除湿運転時の冷凍サイクルを説明する圧力−エンタルピー線図である。
【図5】 図1に示した第2流量制御装置の構成を示す図である。
【図6】 図3に示したオリフィス構造体の他の一例の構成を示す図である。
【図7】 図3に示したオリフィス構造体のプレス加工を説明する説明図である。
【図8】 図2に示した絞り機構部の詳細構成を示す図である。
【図9】 図1に示した第2流量制御装置および従来の第2流量制御装置の騒音の周波数特性を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態2である空気調和機の第2流量制御装置の構成を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態3である空気調和機の絞り機構部の構成を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態4である空気調和機の絞り機構部の構成を示す図である。
【図13】 従来の空気調和機の構成を示す冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、2 四方弁、3 室外熱交換器、4 第1流量制御装置、5 第1室内熱交換器、6 第2流量制御装置、6a 入口部、6b 出口部、7 第2室内熱交換器、8 二方向弁、9 毛細管、10 絞り機構部、10a オリフィス構造体、11 オリフィス保持体、12 オリフィス、13 入口側多孔体、14 出口側多孔体、15,29 カシメ部、16,17,31 空間、16a,17a 距離、18 曲面、19,20 テーパー、21,22 溝、23 固定治具、24,25 カシメ治具、26 銅管、27,28 端部、30テーパー部。

Claims (16)

  1. 毛細管と、
    前記毛細管に直列接続され、冷媒の流れに対して入口側および出口側に設けられた多孔体によって挟まれたオリフィスを有した絞り機構部と、
    直列接続された前記毛細管と前記絞り機構部とに並列接続された二方向弁と、
    を備えた流量制御部が第1の室内熱交換器と第2の室内熱交換器との間に配置され、
    前記毛細管および前記絞り機構部は、冷媒の流れ方向に沿って略鉛直に配置され、
    前記毛細管に流れる冷媒は、鉛直下方から上方に流れ、前記絞り機構部に流れる冷媒は、鉛直上方から下方に流れることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記絞り機構部は、
    前記オリフィスを形成するオリフィス保持体の周縁部に設けられたカシメ部によって前記多孔体を固定することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記オリフィスと前記多孔体との間に空間を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記オリフィスと冷媒の入口側の多孔体との間に形成した前記空間の冷媒流れ方向の距離は、前記オリフィスの直径以下であることを特徴とする請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記オリフィスと冷媒の出口側の多孔体との間に形成した前記空間の冷媒流れ方向の距離は、前記オリフィスの直径以上であることを特徴とする請求項3または4に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 冷媒の入口側の前記多孔体および冷媒の出口側の前記多孔体の形状あるいは大きさを異ならせたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記多孔体がはめ込まれる前記オリフィス保持体の外周部に、溝を設けたことを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記オリフィスの入口側に、冷媒の上流側が開口したテーパー部を形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記オリフィスの入口側に、冷媒の上流側が開口した曲面部を形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
  10. 前記オリフィスの出口側に、冷媒の下流側が開口したテーパー部を形成したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
  11. 前記絞り機構部は、
    銅管内に、前記多孔体と前記オリフィス保持体とからなるオリフィス構造体が圧入され、当該絞り機構部が接続される冷媒配管に対応して、該銅管の両端開口部を絞った構造であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
  12. 前記オリフィス構造体は、その外周の円周方向に溝が形成されたことを特徴とする請求項11に記載の冷凍サイクル装置。
  13. 前記絞り機構部は、前記オリフィス構造体の溝に対応させて前記銅管の外殻から全周カシメが施されることを特徴とする請求項12に記載の冷凍サイクル装置。
  14. 前記絞り機構部の外殻を形成する銅管は、前記オリフィス構造体から出口側方向に向けてテーパー状に絞った構造であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
  15. 前記多孔体は、金属多孔体であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の冷凍サイクル装置。
  16. 前記金属多孔体は、ニッケル材によって形成されたことを特徴とする請求項15に記載の冷凍サイクル装置。
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