JP4187314B2 - 金属多孔体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属粉末及び水溶性粉末等を混練した後、これを水と接触させて水溶性粉末等を抽出、除去し、その後、これを焼成することにより、空孔径が小さく、空孔率が高く、閉じた空孔率が低い金属多孔体を製造する方法に関する。本発明の製造方法によって製造される金属多孔体は、2次電池の電極基板、触媒担体、濾過膜等の機能性分離膜等、広範な用途において利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
2次電池の電極基板等として用いられる金属多孔体は、従来より下記の各種の方法によって製造されている。
▲1▼樹脂発泡体の骨格表面を無電解メッキによって導電化処理し、更に、電解メッキによって所要強度になるまで金属層を電析させた後、焼成して、樹脂発泡体を分解させ、消失させて金属多孔体を得る(特開昭57−174484号公報)。
▲2▼金属粉末を含有するスラリーを可燃性の担体に塗着し、その後、乾燥し、焼成して、担体を分解させ、消失させるとともに、金属粉末を焼結させ、多孔体とする(特開昭47−9521号公報)。
【0003】
▲3▼金属粉末を含有するスラリーを多孔性有機構造体に含浸させ、これを乾燥し、焼成して、多孔性有機構造体を分解させ、消失させるとともに、金属粉末を焼結させ、多孔体とする(特開平5−339605号公報)。
▲4▼金属粉末、バインダ及び有機化合物粉末を混練し、これを乾燥し、焼成して、バインダと有機化合物とを分解させ、金属粉末を焼結させる。
▲5▼金属粉末、バインダ及び有機化合物粉末に、さらに分散媒体を配合し、キャスティングした後、乾燥し、焼成して、金属多孔体シートを得る。
【0004】
上記▲1▼の方法によれば、95%程度の高い空孔率を有する多孔体を容易に得ることができ、2次電池の電極基板として使用した場合、放電容量の高い電極とすることができる。しかし、樹脂発泡体に無電解メッキするには多くの工程を要し、非常に煩雑であり、廃液の処理も大きな問題である。また、無電解メッキではなく、カーボンブラック、グラファイト等の導電性粒子を含むスラリーを樹脂発泡体に含浸させ、乾燥させてメッキする方法もあるが、残留する炭素分が2次電池としての性能を低下させてしまうとの問題がある。
【0005】
この金属多孔体の骨格は、樹脂発泡体の骨格が分解し、消失して形成される中空体であるが、ポリウレタンフォーム等の樹脂発泡体の骨格は、通常、稜線近傍の角部が相当に鋭角に尖った三角柱であるため、金属発泡体の骨格も同様の形状となる。そのため、曲げ等の変形を受けた場合には稜線に応力が集中し、骨格が折損し易いとの問題もある。更に、樹脂発泡体として多用されるポリウレタンフォームは、その空孔径が250μm以上と大きく、対応する金属多孔体の空孔径も同様に大きくなり、2次電池の電極基板として用いた場合、振動等によって活物質が脱落することがある。
【0006】
上記▲2▼の方法によれば、微小な金属粉末を使用すれば、数μm程度の微細な空孔径を有する金属多孔体を得ることができる。しかし、開放孔ではなく、閉鎖孔になり易く、2次電池の電極基板として使用した場合、活物質等を効率よく充填することができず、或いは複雑な方法によって充填する必要がある。また、空孔率を85%以上に高めようとして焼結の程度を抑えると、多孔体の強度が大きく低下して空孔が潰れ、却って空孔率が低下するとの問題がある。
【0007】
上記▲3▼の方法によれば、空孔率が高く、且つ焼結が進めば、分解し、消失した樹脂発泡体の骨格が占めていた空間に金属粉末が入り込み、強度の低下もない金属多孔体を得ることができる。更に、メッキを用いないため工程も簡略である。しかし、角部が相当に鋭角に尖った三角柱からなる、ポリウレタンフォーム等の樹脂発泡体の骨格の稜線近傍には、特に、スラリーの粘度が低い場合など、十分な厚さの皮膜が形成され難い。そのため、乾燥工程において皮膜に亀裂が生じ易い。また、この皮膜が薄い場合は、焼成時、樹脂発泡体が速やかに分解し、短時間に多量の分解ガスが発生すると、ガス圧によって金属粉末を含む焼結前の皮膜が剥落し易いとの問題がある。一方、スラリーの粘度が高いと、空孔に侵入したスラリーが除去され難く、焼成後、多孔体の空孔に焼結した金属粉末が残留することがある。そのため、スラリーの粘度を微妙に調整する必要がある。
【0008】
上記▲4▼及び▲5▼の方法によれば、有機化合物粉末の粒径によって多孔体の空孔径を容易に制御することができる。しかし、有機化合物粉末の含有量が少ないと、空孔は相互に連通せず、閉鎖された独立泡が多くなるため、活物質等を効率よく充填することができない。一方、有機化合物粉末の含有量が多いと、分解ガスが多量に発生し、金属粉末を含む成形体が崩壊することが多い。更に、金属多孔体は、相互に繋がった球状或いは不規則な形状の有機化合物粉末の粒子が分解し、消失することにより形成されるが、その骨格が相当に径の小さいものとなることがあり、また、焼成後、巻き取り時等の変形によって、骨格に容易に応力が集中し、多孔体が破損することも懸念される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金属粉末とパラフィンワックス等のバインダ、及び尿素等の水溶性粉末とポリエチレングリコール等の水溶性高分子材料を混練し、その後、水によって水溶性粉末及び水溶性高分子材料を抽出、除去し、次いで、焼成することにより、均質な金属多孔体を得るための製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の製造方法により得られる金属多孔体は、平均空孔径が15〜150μmであり、下記の式によって表される空孔率が60〜95%とすることができる。
この金属多孔体の平均空孔径は15〜120μm、特に15〜80μmとすることができ、空孔率は70〜95%とすることができる。更に、下式による閉じた空孔率は、「0.01〜10%」、特に0.1〜5%、更には0.1〜3%とすることができる。
空孔率(%)=[1−(金属多孔体の見かけ密度/金属の真密度)]×100
金属多孔体の見かけ密度=金属多孔体の重量/金属多孔体の多孔構造を無視したみかけの体積
閉じた空孔率(%)=[1−(金属多孔体のかさ密度/金属の真密度)]×100
金属多孔体のかさ密度=(金属多孔体の重量/金属多孔体を4℃の水に浸漬し、気泡が生成しなくなる時点での金属多孔体により排除される水の体積
【0011】
また、第1発明の金属多孔体の製造方法は、金属粉末とバインダとを、該バインダの融点を越える温度で混練して混練物(a)を調製し、一方、上記バインダより融点が高い水溶性粉末と上記バインダと相溶せず、上記バインダより融点が低い水溶性高分子材料とを、上記水溶性粉末の融点未満であって、上記水溶性高分子材料の融点を越える温度で混練して混練物(b)を調製し、その後、10〜40体積%の上記混練物(a)と60〜90体積%の上記混練物(b)とを、上記バインダの融点を越え、且つ上記水溶性粉末の融点未満の温度で混練して混練体を調製し、次いで、該混練体を水と接触させ、上記水溶性粉末及び上記水溶性高分子材料を上記混練体から抽出し、除去して多孔体とし、その後、焼成することを特徴とする。
【0012】
更に、第2発明の金属多孔体の製造方法は、金属粉末とバインダとを、該バインダの融点を越える温度で混練して混練物(a)を調製し、その後、10〜40体積%の該混練物(a)に、合計量で60〜90体積%の、上記バインダより融点が高い水溶性粉末と、上記バインダと相溶せず、上記バインダより融点が低い水溶性高分子材料とを添加し、次いで、上記バインダの融点を越え、且つ上記水溶性粉末の融点未満の温度で混練して混練体を調製し、その後、該混練体を水と接触させ、上記水溶性粉末及び上記水溶性高分子材料を上記混練体から抽出し、除去して多孔体とし、その後、焼成することを特徴とする。
【0013】
金属多孔体は各種の方法によって製造されており、空孔率の低い多孔体などは従来の方法によっても得られている。しかし、空孔径が小さく、空孔率が高く、連通性に優れる三次元構造を有し、且つ十分な強度を有する金属多孔体は得られていない。このように、空孔径が小さく、空孔率が高く、連通性に優れ、強度の大きい多孔体とすることにより、2次電池の電極基板、触媒担体、濾過膜等の機能性分離膜などとして用いた場合に、これまでの金属多孔体では得られなかった優れた性能、或いは特異な性能を有する製品とすることができる。尚、平均空孔径は、金属多孔体の断面を電子顕微鏡によって倍率100倍で観察し、撮影した写真から読み取った値の平均値である。
【0014】
第1及び第2発明において、金属粉末、バインダ、水溶性粉末及び水溶性高分子材料(以下、この水溶性粉末と水溶性高分子材料とを「水溶性成分」ということもある。)からなる上記「混練体」は、第3発明のように、水と接触させるに先立って所定形状の「成形体」とすることが好ましい。それによって、得られる金属多孔体を変形、切断等することなく、そのまま特定の用途において用いることができる。また、この混練体は、第1発明と第2発明とでは、混練の手順が異なるため、上記の各成分の分散状態等は必ずしも同様ではないかもしれないが、いずれの方法であっても平均空孔径が15〜150μmであり、上記の式によって表される空孔率が60〜95%である特定の金属多孔体を容易に得ることができる。
【0015】
上記「金属粉末」としては、ニッケル、銅、鉄、コバルト、クロム、アルミニウム、タングステン及びチタニウム等の純金属の粉末、及びステンレススチール等の合金の粉末などを使用することができる。この粉末は、金属をカルボニル法、還元法、アトマイズ法及び粉砕法等、各種の方法によって微粉化して得られ、第3及び第4発明では、いずれの方法によって調製されたものであっても使用することができる。金属粉末の粒径は0.03〜10μm、特に0.1〜8μm、更には2〜5μmとすることが好ましい。
【0016】
また、上記「バインダ」としては、熱分解により、又は有機溶媒等の溶剤による抽出によって、混練体から容易に除去することができるものを使用することができる。更に、融点が適度に低く、且つ他の成分と混練する際の粘度が低く、優れた流動性を有するものが好ましい。このバインダとしては、特に、その融点が水溶性有機化合物の融点よりも低く、水溶性高分子材料の融点よりも高い温度域で十分に流動し得るものを用いることができる。
【0017】
バインダは、ワックスを主成分とするものが好ましい。このワックスとしては、天然ワックス、石油ワックスのいずれも使用し得るが、パラフィンワックス、ペトロラタム等の石油ワックスが好ましい。また、バインダとしては、特に、ノルマルパラフィン、イソパラフィン及びシクロパラフィン等のパラフィンワックスを主成分とし、これにポリオレフィン及び滑剤を配合したものが好適である。ポリオレフィンとしてはポリエチレン、ポリプロピレン等を、滑剤としてはステアリン酸等の高級脂肪酸などを用いることができる。
【0018】
金属粉末とバインダとの合計量を100体積%とした場合、金属粉末は45〜75体積%、特に50〜70体積%、更には55〜65体積%とすることが好ましい。金属粉末が50体積%未満、特に45体積%未満では、得られる混練体の成形性は優れているものの、脱脂工程において強度が著しく低下し、成形体が崩壊することがある。更に、焼成工程において、成形体が大きく収縮して亀裂等を生ずる傾向にあるため好ましくない。一方、金属粉末が70体積%、特に75体積%を越えると、第1及び第2発明における上記「混練物(a)」の流動性が大きく低下し、混練が著しく困難になることがある。また、混練することができたとしても、成形体のグリーン強度が大きく低下し、その後の工程において取り扱い難くなるため好ましくない。
【0019】
上記「水溶性粉末」としては、その融点がバインダの融点よりも高く、結晶性であって、水又は温水に対し溶解性のある化合物からなる粉末を使用することができる。この水溶性粉末の粒径は5〜200μm、特に10〜150μm、更には15〜100μmとすることが好ましい。尚、この範囲の粒径を有する水溶性粉末を配合してもよいし、混合時の剪断応力によって粉砕されることを考慮して、より粒径の大きい水溶性粉末を配合することもできる。水溶性粉末としては、尿素、チオ尿素、ペンタエリスリトール等のアルコール類及び溶性デンプン等の有機化合物、並びに塩化ナトリウム、塩化マグネシウム及び炭酸カルシウム等の無機化合物の粉末を使用することができる。
【0020】
上記「水溶性高分子材料」としては、バインダと相溶せず、その融点がバインダの融点より低く、水溶性粉末とともに水や温水によって容易に抽出、除去することができるものが用いられる。ここで、上記のバインダと相溶せずとは、混練温度以下において、明瞭に視認できる程度に2相に分離することを意味する。この水溶性高分子材料としては、ポリエチレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等を使用することができる。また、特に、ポリエチレングリコール或いはエチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体にアルコールを付加したもの、及びポリアミンサルホン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル及びポリアリルアミンなどを用いることができる。
【0021】
水溶性高分子材料としては、水溶性が高く、水溶性粉末の抽出、除去を促進する作用に優れるポリエチレングリコールが特に好ましい。このポリエチレングリコールとしては、その重量平均分子量が1000〜30000のものを使用することができる。更に、混練体を水と接触させるに先立って所定の形状に成形する場合に、プレス成形の場合は重量平均分子量が1000〜10000、特に1000〜6000の範囲のものが好ましい。一方、押出成形の場合は、10000〜30000、特に15000〜25000の範囲のものが好ましい。
【0022】
水溶性粉末と水溶性高分子材料との合計量を100体積%とした場合に、水溶性粉末は50〜90体積%、特に60〜80体積%、更には65〜75体積%とすることが好ましい。水溶性粉末が50体積%未満では、これらを混練する際の「混練物(b)」の溶融粘度が著しく低下し、金属粉末及びバインダを含む混練物(a)と、水溶性成分を含む混練物(b)とを均一に混合することが容易ではない。一方、水溶性粉末が90体積%を越えると、水溶性粉末と水溶性高分子材料は、この高分子材料が流動し得る温度域においても全体としては流動することができず、上記「混練体」の流動性が大きく低下し、成形が困難になることがある。また、水溶性粉末がバインダに取り込まれてしまって、連通孔を効率的に形成することができなくなるため好ましくない。
【0023】
金属粉末とバインダ及び水溶性成分の合計量を100体積%とした場合に、金属粉末とバインダとの合計量は「10〜40体積%」、特に10〜35体積%、更には10〜25体積%とすることが好ましい。金属粉末とバインダとが10体積%未満では、混練体から水溶性成分を抽出し、除去して得られる上記「多孔体」が崩壊し易くなる。一方、金属粉末とバインダとが40体積%を越えると、金属粉末とバインダとからなる相に取り込まれる水溶性成分が無視できない量となり、閉じた空孔率が高い金属多孔体となる傾向にある。
【0024】
第1及び第2発明では、バインダと水溶性高分子材料は溶融しており、水溶性粉末は固体のままであるような条件において、これらを混練する。このような混練は、水溶性粉末として、水溶性高分子材料よりも融点の高いものを使用し、且つ混練の温度を、水溶性粉末の融点とバインダの融点の間に設定することにより行うことができる。この条件下に混練すれば、練り効果によって水溶性粉末はより微細、且つ均質なものとなる。また、第1及び第2発明において、水溶性粉末と水溶性高分子材料とは親和性が高く、水溶性粉末が50〜90体積%と多量に配合され、且つ金属粉末は、一般に疎水性であるバインダと予め混練されている。そのため、金属粉末とバインダ、及び水溶性粉末と水溶性高分子材料は、それぞれ一体となり、互いに溶け合うことのない溶融体として混練され、金属粉末が水溶性高分子材料に取り込まれたり、水溶性粉末がバインダに取り込まれたりすることがない。これらの理由により、本発明では、空孔径が小さく、空孔率が高く、連通性に優れる金属多孔体を容易に得ることができる。
【0025】
金属粉末とバインダ、水溶性粉末と水溶性高分子材料、及びこれらの混練は、ローター型ミキサ、ニーダ、混練ロール、バンバリーミキサ、二軸押出機等、通常の装置によって行うことができる。更に、特に高速で攪拌する必要もまったくなく、例えば、ローター型ミキサの場合、ローターの回転数は100〜300rpm、特に、120〜200rpm程度で十分である。混練時の温度は60〜150℃、特に80から140℃とすることができ、使用するバインダ等の融点によって適宜設定することができる。混練の時間は特に限定されないが、10〜40分、特に15〜30分程度とすればよい。この時間があまりに短い場合は、各成分を十分に均一に分散させることができず、均質な金属多孔体を得ることができないことがある。一方、通常、40分の混練で十分であり、各成分を十分に均一に分散させることができる。
【0026】
各成分を混練し、混合した後、得られる混練体を「水」と接触させる。この接触は水溶性成分を十分に抽出、除去することができる限り、どのような方法で行ってもよいが、混練体を水中に浸漬する方法が好ましい。この方法は簡便であって、容易に、且つ確実に水溶性成分を混練体から抽出、除去することができる。また、混練体が塊状体であるよりもシート或いはフィルムなどであるほうが、水溶性成分を、より容易に、且つ確実に抽出、除去することができる。そのため、第3発明のように、混練体を用途等に合わせ、且つ水溶性成分の抽出、除去が容易になされるような形状に予め成形しておくことが好ましい。この成形は、プレス成形、押出成形等、適宜の方法によって行うことができる。
【0027】
水の温度は水溶性成分が溶出し易いものである場合は20〜30℃程度であってもよいが、より速やかに、且つ確実に抽出、除去するために昇温することが好ましい。この温度は第4発明のように「50〜90℃」、特に60〜80℃とすることが好ましい。更に、浸漬時間は数分から2〜3時間程度の範囲で適宜に設定することができる。また、混練体をシート或いはフィルムに成形し、且つ上記のように温水を使用すれば、5〜20分、特に5〜15分の短時間の浸漬によって、水溶性成分を混練体から十分に抽出、除去することができる。尚、混練体に超音波を照射したり、水に適量の酸又はアルカリを添加して、水溶性成分の抽出、除去を促進することもできる。
【0028】
水溶性成分が抽出、除去されて生成する多孔体を乾燥し、その後に、通常、脱脂工程を設ける。この乾燥は、バインダが溶融、流動しない温度範囲において、温風循環乾燥機、真空乾燥機等によって行うことができる。乾燥によって水分を完全に除去する必要はなく、脱脂が妨げられない程度に乾燥されておればよい。乾燥の後、真空中或いは還元雰囲気において、脱脂を行う。この脱脂によってバインダが気散し、又は熱分解され、除去される。尚、脱脂に先立って、多孔体をヘプタン等の有機溶剤の気相中に晒して抽出を行い、脱脂工程での炉への負荷を軽減すれば脱脂と焼成とを同一の炉で行うこともできる。
【0029】
乾燥及び脱脂の後、真空中或いは還元雰囲気において、第5発明のように、金属粉末の融点に対する焼成の温度の割合(但し、これら融点及び温度は、いずれも絶対温度である。)が、「0.5〜0.9」、特に0.6〜0.8の範囲の温度で焼成する。脱脂工程において僅かに残留する炭素は、この焼成工程によってさらに減少するが、金属多孔体に残留する炭素量は焼成雰囲気の組成、分圧によって制御することができる。ニッケル水素電池用の電極基板として使用する金属多孔体の場合は、この残留炭素量を特に少なくする必要があり、焼成雰囲気に水或いは二酸化炭素を導入し、炭素を二酸化炭素又は一酸化炭素として除去することが好ましい。温度が高く、焼成時間が長いほど緻密な金属多孔体を得ることができ、この焼成の温度、時間は所望の空孔率等によって適宜に設定することができる。
【0030】
【作用】
金属粉末が予めバインダに混練されておれば、水溶性成分との混練において、穏やかな剪断速度域であれば金属粉末が水溶性高分子材料に取り込まれることはない。更に、水溶性粉末は水溶性高分子材料との親和性が高く、バインダに取り込まれることはない。従って、これらを混練する際、金属粉末及びバインダと、水溶性成分との間に実質的に物質の移動はなく、擬似的に、相溶しない2相からなる系とみなすことができる。
【0031】
第1発明及び第2発明では、これら成分の融点等を考慮して混練条件を設定することにより、各成分が相互に三次元的に分散した連続相が形成される。そして、得られる混練体から水溶性成分を抽出、除去し、焼成することにより、特定の構造を有する金属多孔体を得ることができる。また、界面張力が最小となるように分散、混合されるため、得られる金属多孔体には、極度に鋭角に尖った部分、或いは径が極端に小さい部分等が生成せず、十分な強度を併せ有する金属多孔体とすることができる。
【0032】
更に、第1及び第2発明では、ポリウレタンフォーム等、柔軟で伸びのある樹脂発泡体を使用しないため、操作が非常に容易である。また、樹脂発泡体を用いた場合のように金属多孔体の骨格が中空とはならず、中実となる傾向にあり、より強度の大きい金属多孔体とすることができる。更に、微小な金属粉末を配合することにより、数μm以下の微細な空孔を形成することもでき、2次電池の電極基板として使用した場合に、この微細な空孔に活物質が捕捉され、脱落が抑えられる。この微細な空孔には化学含浸法等によって活物質を充填することができ、より大きな空孔にはペースト法によって活物質を充填することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明する。
実施例1(金属粉末とバインダの量比の検討)
60体積%のカルボニルニッケル粉(INCO社製、略球状、平均粒径;3.9μm)と、40体積%のバインダ(パラフィンワックス;69重量%、ポリエチレン;30重量%、ステアリン酸;1重量%、融点;80℃)とを、容量100ccのラボプラストミル(東洋精機製作所製、攪拌翼の回転数;150rpm)によって、100℃で10分間混練した後、クラッシャによって粉砕し、約5mm角の粗粒とした。
【0034】
一方、70体積%の尿素(三菱化学株式会社製、融点;132.7℃)と、30体積%のポリエチレングリコール(三洋化成株式会社製、商品名「PEG20000」、融点;63℃)とを、上記のラボプラストミル(攪拌翼の回転数;150rpm)によって、100℃で10分間混練した後、同様にして粉砕し、約5mm角の粗粒とした。光学顕微鏡によって観察したところ、尿素は平均粒径20μmの粉末となってポリエチレングリコール中に分散していた。尚、実際には、それぞれの成分の密度によって体積を重量に換算し、重量比で混合した。以下の実施例2〜4においても同様である。
【0035】
その後、カルボニルニッケル粉とバインダとの混練物と、尿素とポリエチレングリコールとの混練物とを、表1の体積比(これらの全量の体積は90ccとした。)で、上記のラボプラストミルに投入し、攪拌翼の回転数を100rpmとし、125℃で10分間混練した。次いで、得られた混練体をミルから取り出し、125℃に設定されたホットプレスによって、10kgf/cm2の圧力で成形し、冷却して厚さ1mmのシートを得た。
【0036】
その後、このシートから100×100mmの試片を切り出し、60℃の温水に1時間浸漬し、尿素とポリエチレングリコールとを抽出し、除去した後、この試片を60℃に設定された真空乾燥機によって12時間乾燥した。次いで、真空雰囲気下、650℃で1時間加熱して脱脂した後、同じく真空雰囲気下、1050℃で15分間焼成した。各工程を経た後の試片の相対重量(当初の配合組成の全重量に対する重量百分率)を測定した。また、シートからの水溶性成分の抽出率を下記の式によって算出した。
抽出率(%)=(抽出前後の試片の重量差/水溶性成分の配合重量)×100更に、得られた金属多孔体の平均空孔径を測定し、見かけ密度、空孔率及び閉じた空孔率を前記の式に従って算出した。結果を表1に併記する。
【0037】
【表1】
【0038】
表1の結果によれば、金属粉末とバインダとの混練物の合計量が10〜40体積%の範囲にあれば、平均空孔径が15〜150μmであり、上記の式によって表される空孔率が60〜95%の金属多孔体が得られていることが分かる。一方、上記の体積比が5体積%である場合は、水溶性成分の抽出時にシートが崩壊してしまって多孔体が得られなかった。また、この体積比が45及び50体積%である場合は、抽出率及び空孔率が大きく低下し、所定の金属多孔体が得られていないことが分かる。
【0039】
実施例2
カルボニルニッケル粉とバインダとの混練物の体積比を15%とし、焼成の温度及び時間を、850℃で10分間とした他は、実施例1と同様にして金属多孔体を得た。この金属多孔体の実施例1と同様にして測定した見かけ密度は0.929g/cm3、空孔率は89.5%、閉じた空孔率は0.4%であった。このように焼成の温度を下げ、時間を短くしたことによって、空孔径が25μmと少し大きくなり、より空孔率及び連通性が高い金属多孔体が得られていることが分かる。更に、この金属多孔体を走査型電子顕微鏡によって観察したところ、その骨格には開口径が2〜3μmの微小な穴が存在していることが確認された。
【0040】
実施例3
60体積%のアトマイズニッケル粉(日本アトマイズ株式会社製、略球状、平均粒径;5μm)と、40体積%のバインダ(パラフィンワックス;69重量%、ポリプロピレン;30重量%、ステアリン酸;1重量%、融点;130℃)とを用い、150℃で混練した。また、70体積%の、予め粉砕し、粒径75μm以下に分級したチオ尿素(関東化学株式会社製、試薬、融点;180℃)と、30体積%のポリエチレングリコール(三洋化成株式会社製、商品名「PEG15000」、融点;60℃)とを用い、150℃で混練し、ペレットとした。チオ尿素は平均粒径50μmの粉末となってポリエチレンイミン中に分散していた。アトマイズニッケル粉とバインダとの混練物の体積比を15%とし、上記のミルに押出機を取り付け、Tダイ(開口部寸法;150×1mm)によってダイ温度150℃で厚さ1mmのシートを押出成形した。
【0041】
このシートから試片を切り出し、この試片を用い、抽出以降の工程は実施例1と同様にして金属多孔体を得た。この金属多孔体の実施例1と同様にして測定した見かけ密度は1.25g/cm3、空孔率は85.9%、閉じた空孔率は6%であった。このように各成分が異なり、焼成の温度、時間も相違していても、空孔径が45μmと少し大きいものの、空孔率及び連通性が高い金属多孔体が得られていることが分かる。
【0042】
実施例4
金属粉末としてアトマイズニッケル粉(日本アトマイズ株式会社製、略球状、平均粒径;10μm)を用い、実施例1と同様にしてバインダと混練した。また、70体積%の、予め粉砕し、粒径75μm以下に分級したペンタエリスリトール(関東化学株式会社製、試薬、融点;260℃)と、30体積%のポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、商品名「ゴーセノールGH−20」、融点;220℃、部分けん化型)とを用い、240℃で混練し、ペレットとした。ペンタエリスリトールは平均粒径50μmの粉末となってポリビニルアルコール中に分散していた。アトマイズニッケル粉とバインダとの混練物の体積比を15%とし、実施例3と同様にしてダイ温度125℃で厚さ1mmのシートを押出成形した。
【0043】
このシートから試片を切り出し、この試片を用い、抽出以降の工程は実施例1と同様にして金属多孔体を得た。この金属多孔体の実施例1と同様にして測定した見かけ密度は1.23g/cm3、空孔率は86.1%、閉じた空孔率は7%であった。このように各成分が異なり、焼成の温度、時間も相違していても、空孔径が45μmと少し大きいものの、空孔率及び連通性が高い金属多孔体が得られていることが分かる。
【0044】
【発明の効果】
第1及び第2発明によれば、各成分の融点及び混練の温度を特定することにより、平均空孔径が15〜150μmであり、上記の式によって表される空孔率が60〜95%の特定の構造の金属多孔体を容易に製造することができ、特に、水溶性粉末等の抽出、除去に有機溶媒を使用しないため、環境への影響、廃液の処理等の問題もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属多孔体の断面を表わす模式図である。
【符号の説明】
1;金属多孔体、11;三次元連通構造の骨格、12;連通する空孔。
Claims (5)
- 金属粉末とバインダとを、該バインダの融点を越える温度で混練して混練物(a)を調製し、一方、上記バインダより融点が高い水溶性粉末と上記バインダと相溶せず、上記バインダより融点が低い水溶性高分子材料とを、上記水溶性粉末の融点未満であって、上記水溶性高分子材料の融点を越える温度で混練して混練物(b)を調製し、その後、10〜40体積%の上記混練物(a)と60〜90体積%の上記混練物(b)とを、上記バインダの融点を越え、且つ上記水溶性粉末の融点未満の温度で混練して混練体を調製し、次いで、該混練体を水と接触させ、上記水溶性粉末及び上記水溶性高分子材料を上記混練体から抽出し、除去して多孔体とし、その後、焼成することを特徴とする金属多孔体の製造方法。
- 金属粉末とバインダとを、該バインダの融点を越える温度で混練して混練物(a)を調製し、その後、10〜40体積%の該混練物(a)に、合計量で60〜90体積%の、上記バインダより融点が高い水溶性粉末と、上記バインダと相溶せず、上記バインダより融点が低い水溶性高分子材料とを添加し、次いで、上記バインダの融点を越え、且つ上記水溶性粉末の融点未満の温度で混練して混練体を調製し、その後、該混練体を水と接触させ、上記水溶性粉末及び上記水溶性高分子材料を上記混練体から抽出し、除去して多孔体とし、その後、焼成することを特徴とする金属多孔体の製造方法。
- 上記混練体を水と接触させるに先立って所定形状に成形する請求項1又は2記載の金属多孔体の製造方法。
- 上記水の温度が50〜90℃である請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の金属多孔体の製造方法。
- 上記金属粉末の融点に対する上記焼成の温度の割合(但し、これら融点及び温度は、いずれも絶対温度である。)が、0.5〜0.9の範囲である請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の金属多孔体の製造方法。
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