JP4535308B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、除湿運転が可能な空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
除湿運転が可能な空気調和機は、一般に、圧縮機と、熱源側熱交換器と、膨張弁と、利用側熱交換器とを備えると共に、利用側熱交換器を第1熱交換器と第2熱交換器とに熱的に分割し、この第1熱交換器と第2熱交換器との間に、ドライ弁を介設していた。すなわち、通常の冷房又は暖房運転時には、上記ドライ弁を開状態として、利用側熱交換器を蒸発器として機能させたり凝縮器として機能させたりする。そして、除湿運転時には、上記ドライ弁を絞りとして機能させて、上流側の第1熱交換器を凝縮器として機能させると共に、下流側の第2熱交換器を蒸発器として機能させる。これによって、第2熱交換器にて空気の冷房・除湿を行い、第1熱交換器にて空気の加熱を行って、室内を冷やすことなく除湿するものである。
【0003】
ところで、ドライ弁は、図32に示すように弁座100が設けられた弁本体101と、この弁本体101内をその軸心方向に沿って往復動する弁棒102とを備え、弁棒102が弁座100に対して接近して、弁体103が弁座100に当接して閉状態とされ、弁棒102が弁座100から離れる方向に移動(摺動)して、弁体103と弁座100とが離間して開状態とされるものである。そして、弁体103に径方向の小貫孔104・・が設けられ、閉状態において、この小貫孔104・・にて、入口側通路105と出口側通路106とを連通し、この複数の小貫孔104・・に冷媒を流すことによって絞り作用をなすようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、冷媒が小貫孔104を通過する際に、笛吹き音や変動音が発生したり、さらには、流速増による騒音レベルが増加したりするおそれもあった。しかも、冷凍サイクル内を循環する冷媒中のゴミ等が、小貫孔104内部に付着したり、小貫孔104を詰まらせたりするおそれもあり、そのような場合に絞りとして正常に機能せず、空気調和機としての役目を果たすことができなかった。そのため、近年、冷媒流動音を低減するために、弁室内に多孔体を配置し、この多孔体にて絞りを構成するものが開発された(例えば、特開2000−346493号公報や特開2000−346495号公報参照)。ところが、これらの場合、多孔体は、弁座側又は弁体側に設けられ、この多孔体が、金属等の剛体からなる弁体又は弁座に当接乃至圧接するものであった。すなわち、弁開閉動作にて多孔体が変形たり、損傷したりするおそれがあり、ドライ弁としての寿命が短いものとなっていた。
【0005】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、除湿運転時における低騒音運転を長期にわたって安定して行なうことが可能な空気調和機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1の空気調和機は、冷凍サイクルを形成する利用側熱交換器4を第1熱交換器6と第2熱交換器7とに熱的に分割すると共に、第1熱交換器6と第2熱交換器7との間にドライ弁9を介設し、上流側の第1熱交換器6を凝縮器として機能させ、下流側の第2熱交換器7を蒸発器として機能させて除湿運転可能に構成した空気調和機において、上記ドライ弁9の弁座39の周囲側に、弁閉状態にて弁室19と弁出口42とを連通する通路46を設け、この通路46に、多孔体40とこれとは別の絞り部材63とを配置し、多孔体40と絞り部材63との間に空間Mを設けると共に、絞り部材63には複数の絞り66を設け、また、上記ドライ弁9の弁座39を剛体にて構成したことを特徴としている。
【0007】
上記請求項1の空気調和機では、ドライ弁9を閉状態とすれば、絞り66にて減圧され、第1熱交換器6を凝縮器として機能させると共に、第2熱交換器7を蒸発器として機能させることができ、これによって、第2熱交換器7にて空気の冷房・除湿を行い、第1熱交換器6にて空気の加熱を行って、室内を冷やすことなく除湿することができる。また、冷媒は、多孔体40にて整流された後、絞り用部材63にて減圧されるか、または、絞り用部材63にて減圧された後、多孔体40にて整流される。このため、整流と絞りが行なわれ、冷媒音および配管振動の低減を確実に行うことができる。しかも、多孔体40と絞り部材63とが接触乃至近接していれば、多孔体40を通過する冷媒は、絞り部材63の絞り通路の近傍を集中して通過することになるのに対し、空間Mを設けることによって、多孔体40と絞り部材63とが離れることになって、多孔体40全体にわたって冷媒が通過することになる。このため、有効となる冷媒通過面積が増加し、多孔体40の整流効果が増大して冷媒音の低減を一層図ることができ、しかも多孔体40の目詰まりの発生を減少させることができる。また、ドライ弁9の弁座39が剛体であるので、弁開閉動作を長期にわたって安定して行うことが可能である。
【0014】
請求項の空気調和機は、ドライ弁9の弁体34が剛体であることを特徴している。
【0015】
上記請求項の空気調和機では、弁体34が剛体であるので、弁開閉動作を一層安定して行うことができ、耐久性により優れたものとなる。
【0018】
請求項の空気調和機は、上記通路46の上流側と下流側とに多孔体40、40を配置すると共に、この多孔体40、40間に他の絞り部材63を介設したことを特徴としている。
【0019】
上記請求項の空気調和機では、多孔体40は整流機能を有するので、冷媒は、上流側の多孔体40にて整流され、その後、絞り用部材63にて減圧された後、下流側の多孔体40にて再び整流されることになる。すなわち、整流→減圧→整流が行なわれ、優れた低騒音化を発揮することが可能となる。
【0022】
請求項の空気調和機は、剛体からなる絞り部材63に上記ドライ弁9の弁座39を設けた特徴としている。
【0023】
請求項の空気調和機では、絞り部材63が弁座39を兼ねることになり、ドライ弁9全体としての部品点数を減少させることが可能となって、このドライ弁9の組立て作業性が向上する。
【0024】
請求項の空気調和機は、上記ドライ弁9の弁出口42に剛体からなる配管59を連結すると共に、この配管59の弁側開口端部を弁座39とすることを特徴している。
【0025】
上記請求項の空気調和機では、弁出口42には必ず出口側通路44が接続(連結)され、この出口側通路44として配管59が使用されるが、この配管59が弁座39を兼ねることになる。これにより、部品点数の減少を図り、この装置の組立て作業の簡略化を図ることができ、しかも、弁座39としての強度も優れる。
【0026】
請求項の空気調和機は、上記ドライ弁9の弁室19を構成する弁本体20が、孔部53を有する本体部54と、この本体部54の孔部53の開口部に嵌合される剛体からなる蓋部55とを有し、この蓋部55に弁座39を形成したことを特徴している。
【0027】
上記請求項の空気調和機では、ドライ弁9の弁本体20が本体部54と蓋部55とに分離(分割)することができる。これにより、弁本体20内に多孔体40等の種々の部材の組込み作業が容易となる。しかも、蓋部55には、弁座39が形成されており、部品点数の減少を図ることが可能である。
【0028】
請求項の空気調和機は、上記多孔体40が発泡金属であることを特徴している。
【0029】
上記請求項の空気調和機では、多孔体40が発泡金属であるので、長期にわたって安定した減圧機能及び優れた整流機能を発揮することが可能である。特に、発泡金属では、冷媒や冷凍機油等に対する耐食性に優れると共に、さらにその使用時に耐熱性に優れる利点がある。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の空気調和機の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図3にこの発明の空気調和機の実施形態を示す。この空気調和機は、圧縮機1と、熱源側熱交換器2と、膨張弁3と、利用側熱交換器4と、四路切換弁5とを備える。また、利用側熱交換器4は、第1熱交換器6と第2熱交換器7とに熱的に分離され、この第1熱交換器6と第2熱交換器7とが主通路8にて連通され、この主通路8にドライ弁9が介設されている。
【0031】
圧縮機1と四路切換弁5の一方の1次ポートとが吐出配管11にて接続され、この四路切換弁5の他方の1次ポートが吸込配管12を介して圧縮機1に接続されている。また、四路切換弁5の一方の2次ポートは、利用側熱交換器4の第2熱交換器7に第1ガス管13にて接続され、四路切換弁5の他方の2次ポートは、熱源側熱交換器2に第2ガス管14にて接続されている。熱源側熱交換機2と膨張弁3とが第1液管15にて接続され、膨張弁3と利用側熱交換器4の第1熱交換器6とが第2液管16にて接続されている。なお、熱源側熱交換器2と利用側熱交換器4には、それぞれファン17、18が付設されている。また、吸込配管12と第1液管15と第2液管16とには、それぞれストレーナ10・・が介設されている。
【0032】
ところで、上記ドライ弁9は、図1と図2に示すように、弁室19を有する弁本体20と、弁本体20の弁室19に挿入される弁棒21とを備え、この弁棒21が開閉機構22の作用により、弁本体20内をその軸心方向に沿って往復動する。すなわち、弁本体20には、筒部24が連設され、この筒部24に有底筒状のプランジャ25が内装されるプランジャ室26が設けられ、プランジャ室26には、このプランジャ25に挿入状となる電磁ガイド28が内装されている。この電磁ガイド28は、その基端部側に外鍔部29が設けられ、この外鍔部29より外方の外端部が、プランジャ室26の蓋部30の孔部31に嵌合固定されている。なお、外鍔部29軸方向内側の端面には、緩衝材32が付設され、図2に示すように、プランジャ25を受けることができる。
【0033】
また、弁棒21は、軸部33を有し、この軸部33に弾性体27が外嵌固定されている。そして、軸部33の基端が上記プランジャ25の底壁25aに連結され、コイルばねからなる弾発部材36にて、矢印A方向に押圧されている。すなわち、弾発部材36は軸部33に外嵌されて、その一端部が上記プランジャ25の弁室19側に設けられた弾発部材受け37にて受けられると共に、その他端部がプランジャ25の底壁25aに受けられている。
【0034】
そして、プランジャ25の外側には、電磁コイル38が設けられ、このコイル38に図示省略の電源部から電流が供給され、これによって、電磁ガイド28とプランジャ25との間に電磁力を発生させて、弾発部材36の弾発力に抗してプランジャ25延いては弁棒21を矢印B方向へ押圧するものである。また、電源部からの電流の供給が停止すれば、電磁力が発生せず、弾発部材36に弾発力によって、弁棒21が矢印A方向に押圧される。すなわち、弾発部材36と、電磁ガイド28と、電磁コイル38等でもって、弁棒21をその軸心方向に沿って往復動させる上記開閉機構22が構成される。
【0035】
ところで、上記弾性体27は、軸心孔を有する円盤体からなり、軸部33の先端部に設けられた凹周溝45に嵌合し、このドライ弁9の弁体34となる。この弾性体27としては、ゴム、プラスチック等の種々の弾性材(特に、冷媒や冷凍機油に対する耐食性、及び耐熱性に優れているので好ましい)を使用することができる。また、弁出口42が開設された弁本体20の一壁(底壁)35の内面には、軸心孔40aを有する円盤体からなる多孔体40が付設されている。この場合、電磁力の発生にて、弁棒21が矢印B方向へ押圧された際に、図1に示すように、弁体34である弾性体27が多孔体40の表面に当接して、いわゆる閉状態となり、多孔体40の一部が弁座39となる。また、電源部からの電流の供給が停止して、図2に示すように、弁座39から弁体34が離間されれば、いわゆる開状態となる。上記多孔体40として、例えば、発泡金属、メッシュ、ハニカム構造体、パンチングメタル、ゼオライト、活性炭、砂を固化させたもの、スポンジ、金属ウール、ウール、不織布、セラミックファイバ、セラミック多孔体、多孔質樹脂等を使用することが可能であり、このうち、無機質材料で構成されたもの、例えば、発泡金属、セラミックファイバ、セラミック多孔体等は、冷媒や冷凍機油に対する耐食性、及び耐熱性に優れているので好ましい。また、発泡金属が製造上、コスト上、及び精度上から好ましい。
【0036】
また、この弁本体20には、弁入口41と上記弁出口42が開設され、弁入口41には、第1熱交換器6に接続される入口側通路43が接続され、弁出口42には、第2熱交換器7に接続される出口側通路44が接続されている。そのため、図2に示す弁開状態では、第1熱交換器6からの冷媒が入口側通路43からドライ弁9の弁室19を介して出口側通路44に流れて第2熱交換器7へ流入する主通路8の一部を形成することになる。すなわち、図2に示す弁開状態このドライ弁9が低圧損失の冷媒通路となって、冷媒を減圧することなくそのまま通過させることが可能となる。
【0037】
ところで、図1と図2に示すドライ弁9では、弁閉状態においては、ドライ弁9の弁座39の周囲側に、弁室19と弁出口42とを連通する通路46が設けられ、しかも、この通路46に多孔体40が配置された構成となっている。すなわち、多孔体40には減圧作用があり、この多孔体40が絞り47として機能することになる。
【0038】
次に、上記のように構成された空気調和機の運転方法を説明する。冷房運転する場合は、ドライ弁9を開状態とすると共に、四路切換弁5を実線で示すように切換えて、圧縮機1を駆動させる。これにより、冷媒が、図3の実線の矢印のように、四路切換弁5、熱源側熱交換器(室外熱交換器)2、膨張弁3、利用側熱交換器(室内熱交換器)6、四路切換弁5へと流れ、熱源側熱交換器2が凝縮器として機能すると共に、利用側熱交換器6が蒸発器として機能して、室内を冷房することができる。また、暖房運転する場合、ドライ弁9を開状態とすると共に、四路切換弁5を破線で示すように切換えて、圧縮機1を駆動させる。これにより、冷媒が、図3の破線の矢印のように、四路切換弁5、利用側熱交換器6、膨張弁3、熱源側熱交換器2、四路切換弁5へと流れ、熱源側熱交換器2が蒸発器として機能すると共に、利用側熱交換器6が凝縮器として機能して、室内を暖房することができる。
【0039】
次に、除湿運転する場合は、ドライ弁9を閉状態とすると共に、四路切換弁5を実線で示すように切換えて、圧縮機1を駆動させる。なおこの場合、膨張弁3は全開とし、また室外ファン17を停止しておく。これにより、冷媒が、上記冷房運転時と同様に、一点鎖線の矢印で示すように、四路切換弁5、熱源側熱交換器2、膨張弁3、利用側熱交換器6、四路切換弁5へと流れる。しかしながら、この場合、ドライ弁9が閉状態であるので、冷媒が図1に矢印に示す如く多孔体40を通過して、その軸心孔40aから弁出口42へ流出することになり、第1熱交換器6が凝縮器として機能すると共に、第2熱交換器7が蒸発器として機能する。すなわち、第2熱交換器7にて室内空気を冷房・除湿を行い、第1熱交換器6にて室内空気を加熱して、冷却された空気と暖められた空気とを混合させて室内の温度を低下させることなく、除湿するものである。
【0040】
ところで、冷媒が多孔体40を通過する際には減圧され、ガス及び液はこの多孔体40の中で微細化される。すなわち、多孔体40中でガスと液とが互いに混ざりあい、整流(均一化)され、多孔体40は整流作用を有することになり、この多孔体40においては、整流と減圧とが行なわれることになる。このため、冷媒流動音が最も顕著な気液二相流が流入する場合においても、ガス相、液相がそれぞれ混ざり合って均一化され、この均一化されたまま減圧されるため、この絞り47での冷媒脈動が連続的となり、冷媒音および配管振動を低減することができる。しかも、減圧後の冷媒は均一流として放出され、冷媒通過音がさらに低減される。さらに、冷媒絞り量を大きくしても、減圧後の冷媒は均一流となるので、冷媒流動音は殆ど発生しない。そのため、冷媒絞り量を大きくして蒸発温度を下げることができて、必要除湿量を確保するのに必要な冷媒循環量を少なくすることができる。冷媒循環量が少なくなれば、圧縮機1の回転数を低減させることができ、空気調和機を稼働させるのに必要は消費電力量を低減できる。
【0041】
また、上記実施の形態では、冷媒回路にストレーナ10・・を有するので、冷媒サイクルの冷媒中のゴミやコンタミ等の浮遊物をこれらのストレーナ10・・にて除去することができる。これにより、ドライ弁9内へのこれらの浮遊物の侵入を防止することができ、目詰まり等を起こすことなく冷媒がこの冷媒回路(冷媒サイクル)を循環することができる。たとえ浮遊物等がドライ弁9内に侵入したとしても、多孔体40はフィルタとして機能する。これによって、ドライ弁9を開状態とすれば、多孔体40の表面に付着した浮遊物は、通過する冷媒流に起因する吸引効果によって取り除かれることになって、通路46の目詰まりを防止することができる。しかも、多孔体40がリング状であるので、冷媒が周方向全体からこの多孔体40に侵入することができ、均一に整流・減圧される。
【0042】
ところで、このドライ弁9においては、弁体34が弾性体27から構成されているので、多孔体40からなる弁座39にはこの弾性体27が当接乃至圧接することになる。すなわち、弁座39を構成する多孔体40に対する衝撃を緩和し、弁開閉動作によって、多孔体40を変形させないと共に、損傷させない利点がある。このため、多孔体40を損傷等させることなく長期にわたって安定して使用することができる。
【0043】
次に、図4はドライ弁9の変形例を示し、この場合、弁棒21の軸部33の先端面に、円盤状の弾性体27が付設され、この弾性体27が、多孔体40からなる弁座39に当接する弁体34となっている。また、図5に示すドライ弁9は、弁棒21の弁体34が、軸部33から一体に連設される円錐状体からなり、多孔体40の表面には、内径が軸心孔40aと略同一である断面正方形状のリング体からなる弾性体27が配置されている。すなわち、弁棒21が多孔体40側に接近すれば、弁体34がこの弾性体27に当接し、この弾性体27が弁座39として機能する。なお、この図4又は図5に示すドライ弁9においては、他の構成が図1と図2に示すドライ弁9と同様であるので、それらの説明を省略する。このため、図4又は図5に示すドライ弁9も図1と図2に示すドライ弁9と同様の作用効果を呈することが可能である。
【0044】
また、図6に示すドライ弁9では、弁体34が往復動(具体的には、弁棒21の軸心方向に沿った往復動)するものであり、軸部33の先端部に小径部49を設け、この小径部49に、リング状の弁体34を軸方向摺動自在に嵌合させている。この場合、多孔体40の軸心孔40aの弁室側開口部に面取り部が形成されると共に、弁体34はその断面形状が円錐台形状とされている。すなわち、多孔体40の弁室側開口部に面取り部が、弁体34の傾斜面34aを受ける弁座39となっている。なお、弁体34の小径部49には、弁体34より先端側にOリング等のシール材48が外嵌されている。これにより、弁体34の孔部からの冷媒も漏れを防止している。
【0045】
また、図7に示すドライ弁では、弁棒21が、軸部33と、コイルバネ等からなる弾性体Dと、この弾性体Dを介して軸部33に連結される円盤状の弁体34とを備え、この場合も、弁体34が往復動(弁棒21の軸心方向に沿った往復動)するものである。そして、図6と図7に示すドライ弁9においても、他の構成が図1と図2に示すドライ弁9と同様であるので、それらの説明を省略する。このため、図6又は図7に示すドライ弁9も図1と図2に示すドライ弁9と同様の作用効果を呈することが可能である。
【0046】
すなわち、図6と図7に示すドライ弁9においても、弁開状態では、第1熱交換器6からの冷媒が入口側通路43からドライ弁9の弁室19を介して出口側通路44に流れて第2熱交換器7へ流入する低圧損失の冷媒通路となって、冷媒を減圧することなくそのまま通過させることが可能となる。そして、弁閉状態では、弁体34の傾斜面34aが多孔体40の弁座39に当接して、弁室19と弁出口42とを連通する通路46が設けられ、しかも、この通路46に多孔体40からなる絞り47が配置されることになるが、この場合、弁体34が弁座39に当接(接触)する際に、弁棒21の軸心方向に沿って後退することができる。これによって、弁座39としての多孔体40に対する衝撃を緩和することができ、比較的強度的に劣る多孔体40を長期にわたって、絞り47および弁座39として安定して使用することができる。
【0047】
次に、図8に示すドライ弁9は、弁棒21が、図5に示すものと同一であり、弁座39が、図9に示すように、多孔体40の表面に付設される剛体から構成される。すなわち、剛体は、軸心孔50と、冷媒通過用の複数の貫孔51・・を有する円盤体52からなり、軸心孔50が、多孔体40に向かって順次縮径するテーパ孔とされ、このテーパ孔が弁座39として機能する。この場合、弁棒21と、多孔体40の軸心孔40aと、円盤体52の軸心孔50とが同一軸心上に配置され、円盤体52の軸心孔50の内径が多孔体40の軸心孔40aの内径より小さく設定されている。従って、弁棒21が弁出口42側に移動すれば、弁棒21の弁体34が弁座39に当接して弁閉状態となる。これにより、弁閉状態にて、貫孔51と多孔体40とで、弁室19と弁出口42を連通する通路46を構成することになり、冷媒は、矢印の如く貫孔51・・を介して多孔体40に進入し、この多孔体40に軸心孔40aから弁出口42へ流出される。この貫孔51は十分大径であり、冷媒がこの貫孔51を通過する際には、絞りとして機能しない。なお、剛体を構成する円盤体52は、例えば、鋼等のプレス品等からなる。この図8のドライ弁9によれば、弁体34は多孔体40に接触せず、弁開閉動作にて、多孔体40が損傷等することがない利点がある。
【0048】
ところで、図8に示すドライ弁9においては、弁本体20は、円孔の孔部53を有する円筒状の本体部54と、この本体部54の孔部53の開口部に嵌合される円盤状の蓋部55とを備える。すなわち、本体部54の開口部に、第1周方向凹部56と、この第1周方向凹部56より外部に設けられる第2周方向凹部57とが形成され、第1周方向凹部56に、円盤体52と多孔体40とが嵌合され、第2周方向凹部57に蓋部55が嵌合される。この場合、弁本体20の本体部54の外周面、孔部53、第1・第2周方向凹部56、57の軸心は、同一軸心上に配置され、加工し易くなっている。しかも、このドライ弁9を組立てる際には、第1周方向凹部56に、外方から円盤体52と多孔体40とを嵌合させた後、外方から蓋部55を第2周方向凹部57に嵌合させればよい。このため、多孔体40の弁本体20への組込み作業が容易となり、組立て作業の簡略化を図って生産性を向上させることができる。なお、蓋部55には、軸心孔58が設けられ、この軸心孔58に、出口側通路44を構成する配管59の端部が嵌合されている。具体的には、軸心孔58は、小径部58aと大径部58bとを有し、大径部58bに配管59の端部を嵌着している。
【0049】
次に、図10に示すドライ弁9は、出口側通路44を構成する配管59を弁室19まで延ばして、この配管59の弁側開口端部を弁座39としている。すなわち、配管59は、その端部が蓋部55の軸心孔58を介して多孔体40の軸心孔40aに挿入され、その弁側開口端面が外径側に向かって順次拡開されるテーパ面とされ、このテーパ面が弁座39となる。また、この配管59の端部には、多孔体40に軸心孔40aに開口する複数の冷媒通過用の貫通孔60・・が設けられ、弁閉状態において、多孔体40の軸心孔40aから流出した冷媒は、矢印の如く貫通孔60を介して、弁出口42を構成する配管59の端部へ流出する。なお、この貫通孔60は大径とされ、冷媒が通過する際には、絞りとして機能しない。また、図11に示すドライ弁9は、図12に示すように、蓋部55に短筒部61を設け、この短筒部61の上方開口端の内周部を、弁室19側に向かって順次拡開するテーパ面とし、このテーパ面を弁座39としている。また、短筒部61には、複数の冷媒通過用の貫通孔60・・が設けられている。上記図10と図11に示すドライ弁9も、図8に示すドライ弁9と同様、弁本体20を本体部54と蓋部55とに分離しているので、組立て作業を簡単に行うことができ、生産性に優れる利点を有している。しかも、図10に示すドライ弁9の場合、配管59の端面のテーパ面が弁座39となり、図11に示すドライ弁9の場合、弁本体20の蓋部55の短筒部61のテーパ面が弁座39となるのて、これらの弁座39も剛体にて構成されることになる。これによって、弁開閉動作を長期にわたって安定して行うことができる。
【0050】
図13のドライ弁9では、通路46の上流側と下流側とに多孔体40、40を配置すると共に、この多孔体40、40間に他の絞り部材63を介設して、これらもって整流・絞り構造体Sを構成している。絞り部材63は図14に示すように、軸心孔を有する円盤状の基盤部64と、この基盤部64に立設される短筒部65とからなり、短筒部65の上方開口端の内周部を、弁室19側に向かって順次拡開するテーパ面とし、このテーパ面を弁座39としている。そして、基盤部64には、絞り用の小貫孔66・・が設けられている。この場合、下流側の多孔体40は、絞り部材63の基盤部64と弁本体20に底壁35との間に介設されると共に、その軸心孔40aの内径が絞り部材63の短筒部65の内径より小さく設定されている。上流側の多孔体40は、絞り部材63の基盤部64の表面に付設されると共に、その軸心孔40aの内径が絞り部材63の短筒部65の外径と略同一に設定され、絞り部材63の短筒部65に嵌合されている。
【0051】
この図13のドライ弁9においても、弁閉状態においては、ドライ弁9の弁座39の周囲側に、弁室19と弁出口42とを連通する通路46が設けられ、しかも、この通路46に多孔体40、40が配置された構成となっている。このため、冷媒が矢印のように流れ、上流側の多孔体40にて整流・減圧が行われた後に、絞り部材63にて減圧され、さらに下流側の多孔体40にて整流・減圧が行われることになり、より効果的な低騒音化を達成することが可能である。しかも、絞り部材63は剛体からなり、この短筒部65にて構成される弁座39が剛体となって、弁座39が損傷しにくいものとなり、安定した弁開閉動作を行うことができる。この場合の多孔体40としては、比較的目の粗いものを使用して、僅かな減圧作用を呈するものとする。すなわち、多孔体40、40を主として整流部材として機能させ、主な絞りを絞り部材63に行わせている。なお、下流側の多孔体40の軸心孔40aには、リング状体67が嵌合され、このリング状体67に、この多孔体40から流出した冷媒を弁出口42に案内するための複数の貫孔が設けられている。この場合、図15に示すように、弁本体20を本体部54と蓋部55とに分離してよい。すなわち、本体部54の開口部に第1・第2周方向凹部56、57を設け、上流側の多孔体40を第1周方向凹部56に嵌合させ、絞り部材63と下流側の多孔体40とを第2周方向凹部57に嵌合させればよい。
【0052】
また、図16に示すドライ弁9では、図17に示す絞り部材63を使用している。この絞り部材63は、基盤部64と、短円筒部65と、基盤部64の外周縁に設けられる立上り周壁68と、短筒部65の基部外周部に設けられるボス部69とを備え、絞りを構成する小貫孔66・・を立上り周壁68に近接して設けている。そして、短円筒部65の上方開口端のテーパ面を弁座39としている。また、立上り周壁68とボス部69とは高さ寸法を略同一とし、上流側の多孔体40を立上り周壁68とボス部69とに載置状としている。そのため、上流側の多孔体40と絞り部材63の基盤部64との間に空間部70(空間M)が形成され、この空間Mに、小貫孔66・・が連通される。また、下流側の多孔体40は、その外周面が小貫孔66より外径側に位置しないように小径とされる。この場合、弁本体20の本体部54の孔部53には、第1・第2周方向凹部56、57が設けられるが、第1周方向凹部56に上流側の多孔体40が嵌合され、第2周方向凹部57に絞り部材63と下流側の多孔体40と蓋部55とが嵌合される。このため、下流側の多孔体40の外周側にも空間部71(空間M)が形成され、この空間部71が小貫孔66を介して上記空間部70に連通される。
【0053】
この図16に示すドライ弁9では、弁閉状態において、入口側通路43から弁入口41を介して弁室19に入った冷媒は、矢印の如く、上流側の多孔体40内に侵入し、ここで整流(もちろん減圧されるが、この場合、多孔体40を比較的目の粗いものを使用して、僅かな減圧作用を呈するものとする)され、空間Mへ流出される。ここで、冷媒が混合されてより均一化され、その均一化させた状態のまま絞り部材63にて減圧され、その後、下流側の空間Mに侵入してここで再び各小貫孔66を通過した冷媒が混合され、この混合された状態にて下流側の多孔体40に侵入し、ここで再び整流されて弁出口42へ流出することになる。ところで、この場合、空間M、Mが設けられるので、多孔体40と絞り部材63とが離れることになって、多孔体40全体にわたって冷媒が通過することになる。このため、有効となる冷媒通過面積が増加し、多孔体40の整流効果が増大して冷媒音の低減を一層図ることができ、しかも多孔体40の目詰まりの発生を減少させることができる。
【0054】
次に、図18に示すドライ弁9では、絞り部材63の立上り周壁68が、第1部68aと第2部68bとからなり、また、下流側の多孔体40の外径寸法がこの立上り周壁68の外径寸法と略同一に設定される。このため、絞り部材63の下流側においては、空間Mが形成されず、矢印の如く、上流側の多孔体40を通過して整流された冷媒は、空間部70(空間M)にて混合されて、小貫孔66・・にて減圧され、その後直接下流側の多孔体40に侵入して整流されることになる。
【0055】
また、図19に示すドライ弁9では、蓋部55に立上り周壁72を設け、この立上り周壁72に、下流側の多孔体40と、絞り部材63とを嵌合させている。すなわち、立上り周壁72は内径寸法が小である第1部72aと内径寸法が大である第2部72bとからなり、第1部72aに下流側の多孔体40が嵌合され、第2部72bが、絞り部材63の外周側に形成される周方向凹溝73に嵌合されるものである。
【0056】
図20に示すドライ弁9では、蓋部55が軸心部の筒部74と、立上り周壁72とを有し、この筒部74が、絞り部材63の中央部の凹所75に嵌合している。また、筒部74には、冷媒通過用の貫孔76(絞り機能を有さない)が設けられ、下流側の多孔体40の軸心孔40aから流出する冷媒をこの貫孔76・・を介して弁出口42へ導くことができる。
【0057】
ところで、上記図18〜図20に示すドライ弁9では、下流側に空間Mが形成されないが、上流側の多孔体40と絞り部材63との間に空間Mが設けられることになり、上流側の多孔体40にて整流された冷媒は、この空間Mにて混合されて均一化され、絞り部材63にて減圧され、さらに下流側の多孔体40にて整流されることになる。このため、上記空間Mによって、上流側の多孔体40は、目詰まりしにくいものとなると共に、整流効果も十分に発揮することができる。
【0058】
なお、絞り部材63としては、図22に示すものも使用することができる。この絞り部材63は、図17に示す絞り部材63の小貫孔66の位置を相違させたものである。すなわち、図17に示す絞り部材63では、小貫孔66が立上り周壁68に近接されているが、図22に示す絞り部材63では、小貫孔66が立上り周壁68と短筒部65との中間部に配置されている。
【0059】
次に、図23に示すドライ弁9は、図24に示す絞り部材63が使用される。この場合の絞り部材63は、中央リング部63aと、この中央リング部63aの外周側から連設されるコーン部63bと、この中央リング部63aから立設される小円筒部63cと、このコーン部63bから連設部63dを介して連設される断面倒立L字状の外周壁部63eとからなる。そして、小円筒部63cの上方開口端のテーパ面が弁座39となり、コーン部63bに絞りを構成する小貫孔66が設けられている。この場合、上流側の多孔体40が第1周方向凹部56に嵌合されると共に、絞り部材63が弁本体20の本体部54の第2周方向凹部57に嵌合され、さらに、円盤状の蓋部55が第2周方向凹部57に嵌合されている。また、下流側の多孔体40は、断面が正方形状の小径のリング体からなり、蓋部55と絞り部材63とで形成される中空室77に嵌合される。このため、上流側の多孔体40と絞り部材63との間、及び下流側の多孔体40と絞り部材63との間に、それぞれ空間M、Mが形成される。
【0060】
また、図25に示すドライ弁9は、図26に示す絞り部材63が使用される。この場合の絞り部材63は、円環部79と、円環部79の内周縁から立設される短円筒部80と、短円筒部80に連設される中央部81と、円環部79の外周縁から突設される断面倒立L字状の外周壁82とからなり、中央部81には、弁座39を構成するためのテーパ孔78が設けられている。さらに、短円筒部80には、絞りを構成する小貫孔66・・が設けられている。そして、本体部54には、周方向凹部83が設けられ、この周方向凹部83に、上流側の多孔体40と絞り部材63が嵌合され、さらに、これらの外方から周方向凹部83に嵌合される蓋部55にて絞り部材63等が受けられる。この場合も、下流側の多孔体40が絞り部材63の短円筒部80に嵌合され、上流側の多孔体40と絞り部材63との間、及び下流側の多孔体40と絞り部材63との間にそれぞれ空間M、Mが形成される。
【0061】
このように、図23と図25に示すドライ弁9では、図16等に示すドライ弁9と同様に、多孔体40と絞り部材63とで整流・絞り構造体Sを構成し、多孔体40と絞り部材63の間に、空間M、Mを有することになり、冷媒流動音の低減を一層図ることができる。
【0062】
図27に示すドライ弁9は、図28に示す絞り部材63が使用される。この絞り部材63は、図13に示す絞り部材63と同様、基盤部64と短円筒部65とからなるが、この場合、小貫孔66・・に変えて、その外周面に小切欠84を形成している。上流側の多孔体40と下流側の多孔体40と絞り部材63とを弁室内19に収納すれば、上記小切欠84・・にて絞り機能を発揮することができる。また、この図27等に示されるドライ弁9において、仮想線で示すように、弁本体20の内周面に周方向沿って所定ピッチで配設される凹部85を設けたものであってもよい。すなわち、矢印のように、上流側の多孔体40に流入した冷媒は、整流されてこの凹部85を介して下流側の多孔体40へ流入することになる。そのため、絞り部材63に小貫孔66を設ける必要がなく、この絞り部材63が単独で絞りを構成しないが、この凹部85と絞り部材63の外周側とで絞り通路を構成することになる。なお、この図28に示す絞り部材63を図13や図15等に示すドライ弁9に使用してもよく、これらのドライ弁9に凹部85を設けて、絞り通路を形成してもよい。
【0063】
図29に示すドライ弁9は、図30に示す絞り部材63が使用される。絞り部材63はリング体からなり、その外周面に小切欠84・・が形成されている。この場合、蓋部55は図12に示すものを使用している。このため、上流側の多孔体40と下流側の多孔体40と絞り部材63とを本体部54の第1周方向凹部56に嵌合させると共に、蓋部55を第2周方向凹部57に嵌合させれば、上流側の多孔体40を通過した冷媒は、小切欠84を介して下流側の多孔体40に侵入することになって、上記小切欠84・・が絞り機能を発揮することになる。また、この図30に示す絞り部材63を図31に示すドライ弁9にも適応することができる。なお。この図31に示すドライ弁9の場合、出口側通路44を構成する配管59を、図10に示したドライ弁9のものを使用した場合を示している。また、これらの図29と図31等に示すドライ弁9においても図27の仮想線で示した凹部85を設けることによって絞り通路を形成してもよい。
【0064】
以上にこの発明の空気調和機の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、絞り部材63の小貫孔66又は小切欠84の数としても増減自由であり、もちろん、1個であってもよいが、冷媒流動音の観点からは、この小貫孔66又は小切欠84の数を複数個形成したほうがよい。これは、小貫孔66又は小切欠84を複数個設けることにより、冷媒流が分散されて、各絞りからの冷媒噴流の運動エネルギが小さくなり、発生する冷媒流動音が低減されるからである。さらに、冷媒流動音が最も顕著な気液二相流が流入する場合において、気相(ガス冷媒)と液相(液冷媒)とがそれぞれの冷媒通路を確保し易く、そのため、それぞれの絞り通過抵抗の違いによる流動変動や圧力変動の発生を低減でき、特に、間欠的な冷媒流動音を低減することができる。また、小貫孔66又は小切欠84を設けて絞り通路を形成する場合、小貫孔66と小切欠84とを併用してもよい。整流・絞り構造体Sを有する上記各実施の形態では、上流側と下流側とに多孔体40、40を配設しているが、どちらかの多孔体40を省略するようにしてもよい。この場合、冷媒は、多孔体40にて整流された後、絞り用部材63にて減圧されるか、または、絞り用部材63にて減圧された後、多孔体40にて整流されることになる。このため、整流と絞りが行なわれ、このような整流・絞り構造体S(多孔体40が1個の構造体S)であっても、冷媒音および配管振動の低減を確実に行うことができる。
【0065】
さらに、多孔体40の肉厚寸法等は、使用する材質等に応じて、精度よく減圧及び低騒音化を図れる範囲において設計変更自由である。また、弁座39を構成する剛体、例えば、円盤体52、絞り部材63、弁本体20の蓋部55、出口側通路44の配管59等は金属製に限るものではなく、セラミック等の他の剛性材にて構成してもよいが、金属であれば、各種加工が容易である利点がある。図9等に示す板状である円盤体や絞り部材63をプレス加工にて形成すれば、(切削品に比べて)製造コストの低減を図ることが可能である。また、弁棒21を駆動させる手段として、電磁コイルを使用した電気式のものに変えて、機械式のものを使用してもよい。さらに、空気調和機として、冷房・暖房・除湿の3つの運転のうち、冷房運転と除湿運転のみのもの、または暖房と除湿運転のみのもであってもよい。また、空気調和機として、建屋に対応するものではなく、除湿が必要な装置等に適用することも可能である。ところで、弁本体20が本体部54と蓋部55とを備えものでは、ドライ弁9の組立ては、多孔体40等を本体部54に組み込んだ後、蓋部55を本体部54の開口部に嵌合させるものであるが、この場合、ろう付けや溶接等にて蓋部55は本体部54に一体化される。
【0066】
【発明の効果】
請求項1の空気調和機によれば、冷媒流音が最も顕著な気液二相流がこのドライ弁に流入する場合においても、この気液二相流が均一されて、この均一化された状態で減圧される。これにより、不連続音が低減されて、消音効果を得ることができる。また、流動状態のまま減圧されるため、この絞りでの冷媒脈動が連続的となり、冷媒音および配管振動を低減することができる。すなわち、従来必要としていた防音対策が不要となって、装置全体としての簡略化を図って低コストにて簡単に製造することができる。しかも、音の静かな除湿運転ができ、心地よい快適空間を形成することが可能である。また、冷媒循環量が少なくてすむので、圧縮機の回転数を低減することができて、空気調和機を稼動させるのに必要な消費電力を低減でき、経済的である。
【0068】
また、上記請求項1の空気調和機によれば、ドライ弁の弁座が剛体であるので、弁開閉時の多孔体への衝撃は解消され、耐久性に優れ、長期にわかって故障しにくいものとなって、経済性に優れる。また、この空気調和機によれば、整流と絞りが行なわれ、冷媒音および配管振動を確実に低減することができ、安定した除湿運転が可能となる。さらに、この空気調和機によれば、多孔体40全体にわたって冷媒が通過することになる。このため、有効となる冷媒通過面積が増加し、多孔体40の整流効果が増大して冷媒音の低減を一層図ることができ、しかも多孔体40の目詰まりの発生を減少させることができ、安定した除湿運転を行うことができる。
【0069】
請求項の空気調和機によれば、弁体も剛体であるので、一層耐久性に優れ、長期にわたって安定して除湿運転を行うことができる。
【0071】
請求項の空気調和機によれば、整流→減圧→整流が行なわれ、低騒音化を図り易く高品質の空気調和機を提供することができる。
【0073】
請求項の空気調和機によれば、ドライ弁全体としての部品点数を減少させることが可能となって、装置のコンパクト化を図ることが可能となると共に、このドライ弁9の組立て作業性が向上する。しかも、冷媒の整流化を図って低騒音化を図ることができる。
【0074】
請求項の空気調和機によれば、部品点数の減少を図り、この装置の組立て作業の簡略化を図ることができ、しかも、弁座としての強度も優れる
【0075】
請求項の空気調和機によれば、弁本体内に多孔体等の種々の部材の組込み作業が容易であり、しかも部品点数の減少し、ドライ弁の組み立て作業の簡略化を図ることができる。
【0076】
請求項の空気調和機によれば、長期にわたって安定した減圧機能及び優れた整流機能を発揮することが可能であり、しかも、コストの低減にも寄与する。さらに、発泡金属では、冷媒や冷凍機油等に対する耐食性及び耐熱性に優れる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の空気調和機の実施の形態を示す弁閉状態の要部拡大断面図である。
【図2】上記空気調和機の弁開状態の要部拡大断面図である。
【図3】上記空気調和機の全体簡略図である。
【図4】上記空気調和機のドライ弁の第1の変形例の拡大断面図である。
【図5】上記空気調和機のドライ弁の第2の変形例の拡大断面図である。
【図6】上記空気調和機のドライ弁の第3の変形例の拡大断面図である。
【図7】上記空気調和機のドライ弁の第4の変形例の拡大断面図である。
【図8】上記空気調和機のドライ弁の第5の変形例の拡大断面図である。
【図9】上記空気調和機のドライ弁の第5の変形例に使用する弁座を示し、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。
【図10】上記空気調和機のドライ弁の第6の変形例の拡大断面図である。
【図11】上記空気調和機のドライ弁の第7の変形例の拡大断面図である。
【図12】上記第7の変形例の蓋部の断面図である。
【図13】上記空気調和機のドライ弁の第8の変形例の拡大断面図である。
【図14】上記空気調和機のドライ弁の第8の変形例に使用する絞り部材を示し、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。
【図15】上記空気調和機のドライ弁の第9の変形例の拡大断面図である。
【図16】上記空気調和機のドライ弁の第10の変形例の拡大断面図である。
【図17】上記空気調和機のドライ弁の第10の変形例に使用する絞り部材の平面図である。
【図18】上記空気調和機のドライ弁の第11の変形例の拡大断面図である。
【図19】上記空気調和機のドライ弁の第12の変形例の拡大断面図である。
【図20】上記空気調和機のドライ弁の第13の変形例の拡大断面図である。
【図21】上記第13の変形例の蓋部の断面図である。
【図22】絞り部材の変形例を示し、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。
【図23】上記空気調和機のドライ弁の第14の変形例の拡大断面図である。
【図24】上記空気調和機のドライ弁の第14の変形例に使用する絞り部材の断面図である。
【図25】上記空気調和機のドライ弁の第15の変形例の拡大断面図である。
【図26】上記空気調和機のドライ弁の第15の変形例に使用する絞り部材の断面図である。
【図27】上記空気調和機のドライ弁の第16の変形例の拡大断面図である。
【図28】上記空気調和機のドライ弁の第16の変形例に使用する絞り部材を示し、(a)は断面図であり、(b)平面図である。
【図29】上記空気調和機のドライ弁の第17の変形例の拡大断面図である。
【図30】上記空気調和機のドライ弁の第17の変形例に使用する絞り部材を示し、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。
【図31】上記空気調和機のドライ弁の第18の変形例の拡大断面図である。
【図32】従来の空気調和機のドライ弁の拡大断面図である。
【符号の説明】
4 利用側熱交換器
6 第1熱交換器
7 第2熱交換器
9 ドライ弁
19 弁室
21 弁棒
27 弾性体
34 弁体
39 弁座
40 多孔体
42 弁出口
46 通路
47 絞り
53 孔部
54 本体部
55 蓋部
59 配管
63 絞り部材

Claims (7)

  1. 冷凍サイクルを形成する利用側熱交換器(4)を第1熱交換器(6)と第2熱交換器(7)とに熱的に分割すると共に、第1熱交換器(6)と第2熱交換器(7)との間にドライ弁(9)を介設し、上流側の第1熱交換器(6)を凝縮器として機能させ、下流側の第2熱交換器(7)を蒸発器として機能させて除湿運転可能に構成した空気調和機において、上記ドライ弁(9)の弁座(39)の周囲側に、弁閉状態にて弁室(19)と弁出口(42)とを連通する通路(46)を設け、この通路(46)に、多孔体(40)とこれとは別の絞り部材(63)とを配置し、多孔体(40)と絞り部材(63)との間に空間(M)を設けると共に、絞り部材(63)には複数の絞り(66)を設け、また、上記ドライ弁(9)の弁座(39)を剛体にて構成したことを特徴とするの空気調和機。
  2. ドライ弁(9)の弁体(34)が剛体であることを特徴とする請求項の空気調和機。
  3. 上記通路(46)の上流側と下流側とに多孔体(40)(40)を配置すると共に、この多孔体(40)(40)間に他の絞り部材(63)を介設したことを特徴とする請求項1又は請求項2の空気調和機。
  4. 剛体からなる絞り部材(63)に上記ドライ弁(9)の弁座(39)を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの空気調和機。
  5. 上記ドライ弁(9)の弁出口(42)に剛体からなる配管(59)を連結すると共に、この配管(59)の弁側開口端部を弁座(39)とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの空気調和機。
  6. 上記ドライ弁(9)の弁室(19)を構成する弁本体(20)が、孔部(53)を有する本体部(54)と、この本体部(54)の孔部(53)の開口部に嵌合される剛体からなる蓋部(55)とを有し、この蓋部(55)に弁座(39)を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの空気調和機。
  7. 上記多孔体(40)が発泡金属であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかの空気調和機。
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