JP4043076B2 - 流量制御弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流量制御弁に係り、特に、ヒートポンプ式空調機等の冷凍サイクルに膨張弁として組み込まれて、流体(冷媒)の通過時における騒音の低減化に好適な流量制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の流量制御弁としては、図5に部分的に示されている如き流量制御弁の要部が既に提案されている。図示例の流量制御弁1' は、ヒートポンプ式空調機の冷凍サイクルに膨張弁として組み込まれて使用されるもので、基本的には、図示していないステッピングモータと、弁本体20と、弁軸30と、を具備しており、前記弁軸30を前記ステッピングモータによりねじ送りで昇降させて、該弁軸30により前記弁本体20に形成された流体通路孔23を開閉する(開口面積を変化させる)ことにより流量を制御するようになっている。
【0003】
以下、前記流量制御弁1’の前記要部を詳しく述べると、前記弁本体20は、減圧機構部となる弁室21を有し、この弁室21の左側部に導管64が接続される流体入出口22が設けられ、その底面部に導管65が接続されるとともに、前記弁軸30により開閉される流体通路孔23の上端に形成された弁座24を備えている。
【0004】
前記流体通路孔23は、上から順に、上向きに拡開する短い逆円錐台状の円錐受座面を構成する弁座24、円柱面ないし円錐面状の中間部23b、及び、下向きに拡開する比較的長い円錐台状の整流用円錐口23cからなっている。
【0005】
前記流体通路孔23を開閉する弁軸30の下端部は、前記弁座24に着座して前記流体通路孔23を閉じる比較的短い先細り逆円錐台状の円錐着座面部30aとその下側に連なり前記中間部23b及び整流用円錐口23cに遊挿される比較的長い先細り円錐台状の円錐面部30bとが形成されている。
一方、前記弁本体20の弁室21上方には、内周部に雌ねじ部27が形成されたガイドブッシュ26が固定されている。
【0006】
前記ガイドブッシュ26の雌ねじ部27には、弁軸ホルダ28の外周に形成された雄ねじ部29が螺合せしめられ、この弁軸ホルダ28の内周下部に前記弁軸30が摺動可能に嵌挿され、また、前記弁軸ホルダ28の下部には前記弁軸30の上部フランジを受けるカラー34が圧入固定されていて、前記弁軸30は、前記弁軸ホルダ28内に縮装されたコイルスプリング32により常時下方に付勢されている。
【0007】
前記弁軸ホルダ28の上部には、図示していない昇降軸がそれと一体的に回転移動できるように内嵌固定されており、前記弁軸ホルダ28の上部外周には、凸状の可動側ストッパ45が下向きに突設された合成樹脂製のスリーブ40が一体的に回転移動できるように成形されている。
【0008】
また、前記ガイドブッシュ26の上部外周には、前記可動側ストッパ45が衝接せしめられる凸状の固定側ストッパ55が上向きに突設された合成樹脂製の固定受け座50が成形されている。
【0009】
このような構成の流量制御弁1’において、前記モータを一方向に回転(正転)させると、スリーブ40、弁軸ホルダ28等が一体的に回転し、前記雌ねじ部27と雄ねじ部29との螺合によるねじ送りにより前記弁軸30が下降せしめられてその円錐着座面部30aが前記弁座24に形成された流体通路孔23の円錐受座面部23aに着座し、前記流体通路孔23が閉じられる。
【0010】
前記流体通路孔23が閉じられた時点では、前記可動側ストッパ45が固定側ストッパ55に未だ衝接しておらず、前記弁軸30が前記流体通路孔23を閉じたまま、前記弁軸ホルダ28等はさらに回転下降せしめられる。このときの前記弁軸30に対する前記弁軸ホルダ28の下降量は、前記コイルスプリング32が圧縮されることにより吸収される。
【0011】
その後さらに、前記弁軸ホルダ28等が回転下降せしめられると、前記可動側ストッパ45が固定側ストッパ55に衝接し、これにより、前記ロータ39への通電励磁が続行されていても、前記スリーブ40、弁軸ホルダ28等の回転下降運動が強制的に停止せしめられる。
一方、前記モータを逆方向に回転させると、前記弁軸30の円錐着座面部30aが前記円錐受座面部23aから離れ、前記流体通路孔23が開かれる。
【0012】
そして、前記流量制御弁1’を、空調機の冷凍サイクルに膨張弁として組み込んだ場合、前記空調機の暖房運転時には、前記弁軸30が上昇せしめられて前記流体通路孔23が所定開度に開かれ、冷媒が図の破線矢印で示される如くに、室内熱交換機(室内コンデンサ)から導管64を介して弁室21に導入され、弁室21から前記流体通路孔23を介して導管65側に導出され、導管65を介して室外熱交換機に導かれる。
【0013】
また、前記空調機の冷房運転時には、前記弁軸30が上昇せしめられて前記流体通路孔23が所定開度に開かれ、冷媒が図の実線矢印で示される如くに、前記暖房運転時とは逆に、室外熱交換機から導管65及び流体通路孔23を介して弁室21に導入されてそこで膨張減圧され、弁室21から導管64を介して室内交換機(室内エバポレータ)に導かれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記の如き流量制御弁1’においては、該流量制御弁1’の開状態での冷媒流通時に、高周波の耳障りな騒音が発生することがあり、問題となっている。
【0015】
前記流量制御弁1’の暖房運転時には、導管64側から冷媒が流入して流体入出口22から前記弁室21に入り、該弁室21から前記流体通路孔23を経て前記導管65に流れるものであり、前記流体通路孔23の冷媒出口側に整流用円錐口23cが形成されている関係もあって、さほど問題となるような騒音は生じないが、冷媒が暖房運転時とは逆方向に流れる冷房運転時には、前記の如き耳障りな騒音が発生する場合がある。
【0016】
即ち、本出願の発明者等の研究によれば、前記騒音の発生は、前記冷媒が、前記流量制御弁を通過する間の容積変化、即ち、前記冷媒が通過する、導管65、流体通路孔23、弁室21、流体入出口22、及び、導管64の各断面積の変化に起因して発生する流れの乱れが騒音発生の一要因となることが確認された。また、前記冷媒の流通経路での容積変化部分での流通抵抗も前記騒音の一要因となることが明かになった。
【0017】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、冷媒等の流体の弁体部の通過時の通過各断面の変化に起因する耳障りな騒音を効果的に低減することのできる流量制御弁を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成すべく、本発明に係る流量制御弁は、空調機の冷凍サイクルに冷媒膨張弁として好適なものであって、基本的には、弁室を有する弁本体と該弁室内を軸方向に移動可能な弁体を下端部に有する弁軸とを備え、前記弁本体が弁座付きの流体通路孔と該流体通路孔に直交する流体入出口とを有し、前記弁体の下部先端が前記流体通路孔の孔内に配置され、前記流体入出口の流体流通断面積を、前記弁室における前記弁との間の環状空間断面積と略同じくしたことを特徴としている。
【0019】
更に、本発明に係る流量制御弁は、前記流体通路孔における前記弁体との間の運転時の流体流通断面積は、前記弁室における前記弁との間の環状空間断面積の略0.3倍としたことを特徴としている。
【0020】
また、本発明の流量制御弁の好ましい具体的な態様としては、前記流体通路孔が、その下端開口部をR状に面取りし、更に、前記弁体の下部先端が、前記流体通路孔の孔内に配置されていることを特徴としている。
このような構成とされた本発明の流量制御弁においては、冷房運転時に、室外機から導管を介して流入した冷媒等の流体が、その流通通路が絞られた断面積の小さい流体通路孔に流入し、該流体通路孔から断面積の拡大した前記弁室の環状空間内に膨張噴出され、更に該環状空間と略等しい断面積の流体入出口を介して該流体入出口の断面積よりも断面積の大きい導管に入り、該導管を介して室内熱交換機(室内エバポレータ)へと導かれる。
【0021】
さらに、本発明の流量制御弁は、流体通路孔における前記弁体との間の運転時の流体流通断面積と弁室における弁との間の環状空間断面積との比を略0.3倍として、流体入出口の流体流通断面積と前記弁室における前記弁との間の環状空間断面積との比を略同じにしたので、流体通路孔からの膨張後の冷媒が弁室内で拡散される割合が抑制されると共に、該弁室から流体入出口への流入においても、ほぼその容積変更がない状態としたので、その流通過程で不必要な冷媒の移動運動が抑制されることとなり、乱流等による渦の発生が抑えられて剥離による圧力変動が生じ難くされ、その結果として、高周波の耳障りな騒音が低減される。
【0022】
また、前記流体通路孔の下端部をR状に面取りしたので、冷房運転時に前記導管から流量制御弁内に流入する冷媒が、前記流体通路孔の下端部部分、及び、前記弁体の先端で、その流れを乱されることがなく、層流状に流入されることで、前記騒音の発生原因となる渦・乱流を生じ難くしている。
【0023】
更にまた、前記弁体の先端を、前記流体通路孔の孔の内部に位置するように配置したので、前記流体通路孔内に冷媒が導かれた後に、該冷媒が前記弁体の先端に接触することになり、該先端が前記流体通路孔の下端よりも更に下方に延びて突出状になっているものに比べて、該先端部分での冷媒の渦・乱流等の発生を減少させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の流量制御弁の一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。該実施形態を説明するに当たって、前記従来例と同一機能を奏するものは、同じ符号を付して説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る流量制御弁1の一実施形態を示している。図示実施形態の流量制御弁1は、ヒートポンプ式空調機の冷凍サイクルに膨張弁として組み込まれて使用されるもので、基本的には、ステッピングモータ10と、弁本体20と、昇降軸35及び弁軸30と、を具備しており、前記昇降軸35を前記ステッピングモータ10により回転駆動してねじ送りにより昇降させ、それに伴って昇降する弁軸30の下端部の弁体31で前記弁本体20に形成された流体通路孔(オリフィス)23を開閉する(開口面積、つまり流体流通断面積を変化させる)ことにより流量を制御する。
【0026】
これを詳しく述べるに、前記ステッピングモータ10は、前記弁本体20に蓋状部材18を介して連結された逆立有底円筒状のキャン11の外周部に嵌装されたステータヨーク13と、ボビン14と、このボビン14に巻装され、外部から通電される巻線15と、前記ステータヨーク13、ボビン14及び巻線15の外周を鋳包むモーターモールド12と、前記キャン11の内部に配置され、後述するスリーブ40に固定されたボンド磁石よりなるロータ39と、を備えて構成されている。
【0027】
前記モータモールド12、ステータヨーク13、ボビン14及び巻線15は、キャン11の外周に一体的に嵌装され、それらは、モータモールド12にビス16で取り付けられた押圧係止具17の球冠状の係止凸部17aを前記キャン11の外周に例えば90度間隔で4箇所設けられた凹部19のいずれかに嵌合させることにより位置決め及び抜止め行うようになっている。
【0028】
前記弁本体20は、減圧機構部となる弁室21を有し、該弁室21の左側部に導管64が接続される流体入出口22が設けられ、その底面部に導管65が接続されるとともに、前記弁軸30の弁体31により開閉される流体通路孔23には、弁座24が形成されている。
一方、前記弁本体20の弁室21の上方には、内周部に雌ねじ部27が形成されたガイドブッシュ26が固定されている。
【0029】
前記ガイドブッシュ26の雌ねじ部27には、弁軸ホルダ28の外周に形成された雄ねじ部29が螺合せしめられ、この弁軸ホルダ28の内周下部に前記弁軸30が摺動可能に嵌挿され、また、前記弁軸ホルダ28の下部には前記弁軸30の上部フランジを受けるカラー34が圧入固定されていて、前記弁軸30は、前記弁軸ホルダ28内に縮装されたコイルスプリング32により常時下方に付勢されている。
【0030】
前記弁軸ホルダ28の上部には、昇降軸35がそれと一体的に回転移動できるように内嵌固定されており、前記弁軸ホルダ28の上部外周には、凸状の可動側ストッパ45が下向きに突設された合成樹脂製のスリーブ40が一体的に回転移動できるように成形されている。前記昇降軸35の上部には、コイルスプリング36が装填されている。該コイルスプリング36は、ロータ39が回転(逆転)せしめられて昇降軸35やスリーブ40等が前記雌ねじ部27と雄ねじ部29との螺合によるねじ送りにより上昇せしめられて、前記ねじ部27,29の螺合が外れた場合に、前記弁軸ホルダ28をガイドブッシュ26側に押圧して再螺合し易くするためのものである。
【0031】
前記ガイドブッシュ26の上部外周には、前記可動側ストッパ45が衝接せしめられる凸状の固定側ストッパ55が上向きに突設された合成樹脂製の固定受け座50が成形されている。
図2と図3に詳細に示されているように、前記流体通路孔23は、同一内径とされ、上部の前記弁室21に面して弁座24を備えると共に、下部端の周囲がR状面取り部23aとされている。
【0032】
また、前記流体通路孔23を開閉する弁軸30の下端部の弁体31は、前記弁座24に着座して前記流体通路孔23を閉じる比較的短い先細り逆円錐台状の円錐着座面部31aとその下側に連なり比較的長い先細り円錐台状の円錐面部31bとが形成され、前記流体通路孔23内に配置されている。
【0033】
そして、図3(a)に示されているように、弁本体20に形成されている流体入出口22の直径をD1、流体通路孔23の直径をD2、弁室21の直径をD3とし、弁棒30の直径をD4とすると、図3(b)に示されているように、前記流体入出口の断面積(流体流通断面積)A1は、A1=πD1 2/4、流体通路孔23の断面積A6は、A6=πD2 2/4、弁室21の断面積から弁30の断面積を引いた前記弁室21の環状空間21aの環状空間断面積A3は、A3=π/4・(D3 2−D4 2)、流体通路孔23の断面積A6から該流体通路孔23内に位置する弁体31の断面積を引いた断面積が流体流通断面積A2となる。なお、該流体流通断面積A2を算出するための弁体31の断面積は、弁30の昇降による弁体31の開閉度合いによってその有効断面積が変化する。
【0034】
また、導管64の断面積をA4とし、導管65の断面積をA5とし、本実施形態の流量制御弁1の冷媒等の流体が通過する前記各部の断面積A1〜A5の相対的な大きさの比を概念的に表すと、図4(a)のようになる。即ち、二つの導管64、65は一番断面積が大きく、流体通路孔23における流体流通断面積A 2 は一番断面積が小さい。流体流出口30の断面積A1と弁室21の環状空間21aの環状空間断面積A3とは、略等しく(A1≒A3)し、流体通路孔23の全開時の流体流通断面積A2を前記環状空間の環状空間断面積A3の略三割(A2≒0.3A3)としている。
【0035】
このような構成の流量制御弁1において、前記巻線15を一方向に通電励磁すると、ロータ39、スリーブ40、昇降軸35、弁軸ホルダ28等が一体的に回転(モータ10が右回りに正転)、前記雌ねじ部27と雄ねじ部29との螺合によるねじ送りにより前記弁軸30が下降せしめられて、前記流体通路孔23の弁座24に圧接着座し、前記流体通路孔23が閉じられる。
【0036】
前記流体通路孔23が閉じられた時点では、前記可動側ストッパ45が固定側ストッパ55に未だ衝接しておらず、前記弁軸30が前記流体通路孔23を閉じたまま、前記弁軸ホルダ28等はさらに回転下降せしめられる。このときの前記弁軸30に対する前記弁軸ホルダ28の下降量は、前記コイルスプリング32が圧縮されることにより吸収される。
【0037】
その後さらに、前記弁軸ホルダ28等が回転下降せしめられると、前記可動側ストッパ45が固定側ストッパ55に衝接し、これにより、前記ロータ39への通電励磁が続行されていても、前記スリーブ40、昇降軸35、弁軸ホルダ28等の回転下降運動が強制的に停止せしめられる。
【0038】
一方、前記巻線15を逆方向に通電励磁すると、前記モータ10が逆転向に回転し、前記弁軸30の円錐着座面部30aが前記円錐受座面部23aから離れ、前記流体通路孔23が開かれる。
【0039】
ところで、前記した如くの構成の流量制御弁1を、空調機の冷凍サイクルに膨張弁として組み込んだ場合、前記空調機の暖房運転時には、前記弁軸30が上昇せしめられて前記流体通路孔23が所定開度に開かれ、冷媒が図の破線矢印で示される如くに、室内熱交換機(室内コンデンサ)から導管64と流体入出口22とを介して弁室21の環状空間21aに導入され、該弁室21から前記流体通路孔23を介して導管65側に導出され、導管65を介して室外熱交換機に導かれる。
【0040】
また、前記空調機の冷房運転時には、前記弁軸30が上昇せしめられて前記流体通路孔23が所定開度に開かれ、冷媒が図の実線矢印で示される如くに、前記暖房運転時とは逆に、室外熱交換機から導管65及び流体通路孔23を介して弁室21の環状空間21aに導入されてそこで膨張減圧され、該弁室21から前記流体入出口22と導管64とを介して室内熱交換機(室内エバポレータ)に導かれる。
【0041】
図4(a)に示されているように、本実施形態の流量制御弁1は、その冷房運転時には、導管65から流入した冷媒が、その流通通路を絞られて流体流通断面積の小さい流体通路孔23に流入し、該流体通路孔23から断面積の拡大した前記弁室21の環状空間21a内に膨張減圧され、該環状空間21aと略等しい断面積の流体入出口22を介して該流体入出口22の断面積よりも断面積の大きい導管64に導かれる。
【0042】
本実施形態の前記流量制御弁1を前記冷媒が通過する各部分の断面積を、図4(b)に示されている従来の流量制御弁の断面積と比較してみれば理解されるように、本実施形態の流量制御弁1は、流体通路孔23における運転時の流体流通断面積A2と前記弁室21の環状空間21aの断面積A3との比をA2≒0.3A3として、従来の流量制御弁の流体通路孔23における流体流通断面積A2と前記弁室21の環状空間21aの環状空間断面積A3との比よりも小さくすると共に、本実施形態の流量制御弁1は、前記流体入出口22の断面積A1と前記弁室21の環状空間21aの環状空間断面積A3との比をA1≒A3として、従来の流量制御弁が流体入出口22と弁室21の環状空間との断面積の比をA1<A3として弁室21から流体入出口22への冷媒の流れを絞ったのに比べてその絞りを無くしている。
【0043】
このため、本実施形態の流量制御弁1は、従来の流量制御弁に比べて、膨張後の冷媒の弁室21内での減圧拡散が抑制されると共に、該弁室21から流体入出口22への流入においても、その容積変更がほとんどない状態としたので、その流通過程での乱流等の不必要な冷媒の移動運動が抑制され、該抑制作用により、乱流等による渦の発生が抑えられて剥離による圧力変動が生じ難くさなされ、その結果として、高周波の耳障りな騒音が低減される。
【0044】
また、本実施形態の流量制御弁1は、前記流体通路孔23の下端部23aをR状に面取りしてあるので、冷房運転時に前記導管65から流量制御弁1内に流入する冷媒が、前記流体通路孔23の下端部23a部分、その流れを乱されることがなく、層流状に流入されることで、前記騒音の発生原因となる渦・乱流を生じ難くしている。
【0045】
更に、前記弁体31の先端31cを、前記流体通路孔23の孔の内部に位置するように配置したので、前記流体通路孔23内に冷媒が導かれた後に、該冷媒が前記弁体31の先端31cに接触することになり、該先端31cが前記流体通路孔23の下端よりも更に下方に延びて突出状になっているものに比べて、該先端31c部分での冷媒の渦・乱流等の発生を減少させることができる。
【0046】
なお、上述の実施形態では、流量制御弁1を空調機の冷凍サイクルに組み込まれる膨張弁として使用した場合を説明したが、本発明の流量制御弁は膨張弁としてだけではなく、他の弁として使用する場合にも同様に騒音の低減化を図ることができる。
【0047】
また、前記実施形態においては、弁軸がモータによりネジ送りで昇降せしめられるようになっているが、それに限られる訳ではなく、弁軸を軸方向に移動させて流体通路孔を開閉するようにしたものであれば、同様な作用効果が得られる。
【0048】
更に、前記実施形態においては、従来の流量制御弁に比べて弁室21の容積を小さくするために、弁本体20の肉厚を厚くすることで、対処しているが、従来の流量制御弁の弁室内に別体のカラー状の弁室容積調整体を挿入配置することで対処することもできる。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明の流量制御弁は、冷媒の流通過程において、断面積の変化を少なくしたので、冷媒等の流体の乱流等による渦の発生を抑え、冷媒の剥離等に基づく圧力変動を生じ難くして、冷房時に起こる高周波の耳障りな騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流量制御弁の一実施形態を示す縦断面図。
【図2】図1に示される流量制御弁の弁本体と弁軸部の拡大断面図。
【図3】図2に示される流量制御弁の弁本体と弁軸部の斜視概念図。
【図4】流量制御弁の弁本体の流体流通部分の断面積の概念図であって、(a)は、本実施形態の流量制御弁の断面積の概念図であり、図(b)は、従来の流量制御弁の断面積の概念図。
【図5】従来の流量制御弁の弁本体と弁軸部の拡大断面図。
【符号の説明】
1…流量制御弁、10…ステッピングモータ、20…弁本体、21…弁室、21a…環状空間、22…流体入出口、23…流体通路孔、24…弁座、30…弁軸、31…弁体 31c…弁体先端、64…導管、65…導管

Claims (5)

  1. 弁室を有する弁本体と該弁室内を軸方向に移動可能な弁体を下端部に有する弁軸とを備え、前記弁本体が弁座付きの流体通路孔と該流体通路孔に直交する流体入出口とを有し、前記弁体の下部先端が前記流体通路孔の孔内に配置されている流量制御弁であって、
    前記流体入出口の流体流通断面積は、前記弁室における前記弁との間の環状空間断面積と略同じくしたことを特徴とする流量制御弁。
  2. 弁室を有する弁本体と該弁室内を軸方向に移動可能な弁体を下端部に有する弁軸とを備え、前記弁本体が弁座付きの流体通路孔と該流体通路孔に直交する流体入出口とを有し、前記弁体の下部先端が前記流体通路孔の孔内に配置されている流量制御弁であって、
    前記流体通路孔における前記弁体との間の運転時の流体流通断面積は、前記弁室における前記弁との間の環状空間断面積の略0.3倍としたことを特徴とする流量制御弁。
  3. 前記流体入出口の流体流通断面積は、前記弁室の前記弁との間の環状空間断面積と略同じくしたことを特徴とする請求項2に記載の流量制御弁。
  4. 前記流体通路孔は、その下端開口部をR状に面取りしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の流量制御弁。
  5. 空調機の冷凍サイクルに冷媒の膨張弁として組み込まれていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の流量制御弁。
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