JP4064762B2 - 絞り弁装置および空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、絞り弁装置および空気調和機に関し、特に、除湿モードを有する空気調和機で除湿用絞り弁として使用される絞り弁装置および空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
除湿運転を行える空気調和機として、室内熱交換器が2分割され、その2個の室内熱交換器間に、弁閉状態で絞り弁となる絞り弁装置(除湿用絞り弁、サイクルドライ弁)が設けられ、除湿運転時には、弁閉して絞り弁として作用する絞り弁装置の絞り通路を冷媒が流れることにより、2分割された室内熱交換器のうちの上流側の室内熱交換器を凝縮器、下流側の室内熱交換器を蒸発器とし、室内空気に対して下流側の室内熱交換器によって冷却・除湿を行い、上流側の室内熱交換器によって加熱を行い、空気温度を下げずに除湿を行うことができる除湿モード付きの空気調和機が知られている。
【0003】
この種の除湿モード付きの空気調和機は、特開平2−183776号公報、特開平7−91778号(特許第3047702号)公報、特開平11−51514号公報等に示されている。
【0004】
上述のような空気調和機では、除湿運転時に、サイクルドライ用の絞り弁装置が弁閉状態になり、絞り効果を得るために、絞り弁装置の狭い絞り通路を冷媒が流れるため、噴流によって冷媒流が乱れ、絞り弁装置が設置される室内機において、冷媒噴出音が冷媒液中を伝播し、室内機の凝縮器、蒸発器が共鳴板として作用し、耳障りな冷媒擦過音(冷媒通過音)が発生する。このようなことは、圧縮機回転数の増加により、冷媒循環流量が増加することにより顕著になり、不快騒音レベルが上昇する。
【0005】
このことに鑑みて、絞り通路に、焼結金属等による多孔質部材を設けたり、多孔質部材によって絞り通路を構成したりし、冷媒が多孔質部材を流れることにより整流化作用を得て冷媒擦過音を低減することが既に提案されている(実開平1−152176号公報、特開2000−346495号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
冷媒流中にはコンタミネーションと云われる固形の混入物が存在するから、長期間の使用において絞り通路に混入物が詰まり、絞り弁装置における冷媒流量が変化すると云う不具合が生じる。このため、長期間の使用において、安定した除湿運転性能を得ることが難しい。
【0007】
また、サイクルドライ用の絞り弁装置を流れる冷媒は、液とガス(気体)との気液混合流体であり、絞り弁装置の内部に大きい空間があると、絞り弁装置内でガス粒(ガス塊)が肥大化し、そのガス粒が大きくなりすぎると、ガス粒が膨張破裂してそのガス粒のガスが流れ、騒音を生じることになる。
【0008】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、絞り通路における混入物詰まりによる冷媒流量の変動を来すことなく冷媒擦過音を充分低減でき、長期間の使用においても、安定した除湿運転性能と静粛性を得ることができる絞り弁装置および空気調和機を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による絞り弁装置は、第1の入出口ポート、第2の入出口ポート、前記第1の入出口ポートと常時連通している弁室、前記弁室と前記第2の入出口ポートとの間に設けられた弁ポートを画定する弁ハウジングと、前記弁室内に設けられて前記弁ポートを開閉する弁体と、前記弁体を開閉駆動する電磁ソレノイド装置とを有し、閉弁時に冷媒に対する絞り弁として使用される絞り弁装置において、前記弁ポートと反対側にて前記弁室と連続して形成されたプランジャ室内において該プランジャ室に軸線方向移動可能に嵌合されている前記電磁ソレノイド装置のプランジャと前記弁体とが連結され、前記プランジャ室内における前記弁体と前記プランジャとの連結部に前記弁体の外周面に沿って前記プランジャの外径にほぼ等しい外径を有し、前記冷媒中の混入物の捕捉とガス粒の細分化のための筒形状の混入物捕捉用フィルタ要素が装着され、前記弁体に、前記弁ポートに向かい合う先端面に開口し底部が前記プランジャ室内に至る深さの有底孔からなる中空開口部が形成されるとともに、前記混入物捕捉用フィルタ要素の内周面と前記中空開口部の底部近傍とを連通する複数の分散連通孔が放射状に形成され、前記中空開口部に、前記先端面の開口より、前記冷媒中のガス粒の細分化と前記冷媒の整流化を行うための円柱状の流体流動音低減用フィルタ要素間にオリフィス通路を形成された絞り通路部材を挟むように前記流体流動音低減用フィルタ要素、前記絞り通路部材及び前記流体流動音低減用フィルタ要素が順に挿入されて固定されてなり前記混入物捕捉用フィルタ要素と前記流体流動音低減用フィルタ要素の個々の圧力損失および前記分散連通孔全体の圧力損失が前記オリフィス通路の圧力損失より小さくされ、前記閉弁時には前記弁室、前記プランジャ室の内周面と前記混入物捕捉用フィルタ要素の外周面との間の隙間、前記混入物捕捉用フィルタ要素、前記複数の分散連通孔、前記流体流動音低減用フィルタ要素、前記オリフィス通路、前記流体流動音低減用フィルタ要素及び前記弁ポートを介し、前記第1の入出口ポートを入口側として前記第2の入出口ポートに連通することを特徴とする。
【0010】
この発明による絞り弁装置によれば、弁閉時には、弁室、プランジャ室の内周面と混入物捕捉用フィルタ要素の外周面との間の隙間、混入物捕捉用フィルタ要素、複数の分散連通孔、流体流動音低減用フィルタ要素、オリフィス通路、流体流動音低減用フィルタ要素及び弁ポートを介し、第1の入出口ポートを入口側として第2の入出口ポートに連通するので、気液混合流体である冷媒は、弁室→プランジャ室の内周面と混入物捕捉用フィルタ要素の外周面との間の隙間→混入物捕捉用フィルタ要素→複数の分散連通孔→流体流動音低減用フィルタ要素→絞り通路部材→流体流動音低減用フィルタ要素→弁ポートの順に流れる。混入物捕捉用フィルタ要素によって流体流れ中のコンタミネーション等の混入物捕捉とガス粒の細分化が行われ、絞り通路部材のオリフィス通路によって絞り効果が得られ、流体流動音低減用フィルタ要素によりガス粒の細分化と整流化作用が得られる。
【0011】
混入物捕捉用フィルタ要素を気液混合流体である冷媒が流れると、混入物捕捉用フィルタ要素の通過によって冷媒中のガス粒が細分化されるが、弁室から混入物捕捉用フィルタ要素を介して絞り通路部材へ至る途中に大きい通路空間があると、ガス粒が滞留し易く、滞留中にガス粒が肥大化し、オリフィス通過直後のガス粒の間欠的な膨張破裂によって騒音が生じる原因となる。
しかし、この発明による絞り弁装置によれば、弁ポートと反対側にて弁室と連続して形成されたプランジャ室内において該プランジャ室に軸線方向移動可能に嵌合されている電磁ソレノイド装置のプランジャと弁体とが連結されたプランジャ室内の連結部に弁体の外周面に沿ってプランジャの外径にほぼ等しい外径を有し、冷媒中の混入物の捕捉とガス粒の細分化のための筒形状の混入物捕捉用フィルタ要素が装着されているので、弁室から混入物捕捉用フィルタ要素に流入する冷媒はプランジャ室の内周面と混入物捕捉用フィルタ要素の外周面との間の小さな隙間を通過することになり、肥大化したガス粒が混入物捕捉用フィルタ要素に流入することが防がれ、混入物捕捉用フィルタ要素を通過するガス粒の細分化をより効果的に行うことができる。
また、弁体には、弁ポートに向かい合う先端面に開口し底部がプランジャ室内に至る深さの有底孔からなる中空開口部の底部近傍と混入物捕捉用フィルタ要素の内周面とを連通する複数の分散連通孔が放射状に形成され、中空開口部には、先端面の開口より、ガス粒の細分化と整流化を行うための円柱状の流体流動音低減用フィルタ要素間にオリフィス通路を形成された絞り通路部材を挟むように流体流動音低減用フィルタ要素、絞り通路部材及び流体流動音低減用フィルタ要素が順に挿入されて固定されているので、混入物捕捉用フィルタ要素と流体流動音低減用フィルタ要素の個々の圧力損失および分散連通孔全体の圧力損失がオリフィス通路の圧力損失より小さくされるが、各分散連通孔をガス粒が滞留して肥大化することのない小口径にすることができるとともに、円柱状の流体流動音低減用フィルタ要素が流入した冷媒をその柱長の全体に均一に分布して流して冷媒中のガス粒を効果的に細分化しつつその整流化を行うことができ、円柱状の流体流動音低減用フィルタ要素から流出された冷媒は大きな空間を介さず滞留することなく直ちに絞り通路部材のオリフィス通路を通過される。
【0012】
よって、絞り通路部材の上流側の円柱状の流体流動音低減用フィルタ要素を通過した冷媒はオリフィス通路を通過して絞り作用を受けるが、絞り作用によって圧縮される前の冷媒に肥大化したガス粒が含まれることが抑制されるので、オリフィス通路通過直後及び絞り通路部材の下流側の円柱状の流体流動音低減用フィルタ要素通過直後のガス粒の間欠的な膨張破裂によって騒音が生じることがなく、静音性を向上することができる。
【0013】
なお、底部がプランジャ室内に至るような深さに弁体に形成された有底孔からなる中空開口部に絞り通路部材を挟むように流体流動音低減用フィルタ要素が挿入されて固定され、しかも、プランジャ室内における弁体とプランジャとの連結部に、プランジャの外径にほぼ等しい外径を有する筒形状の混入物捕捉用フィルタ要素が装着されているので、弁室空間を形成する弁ハウジングの外径寸法を大きくすることがなく、ガス粒の細分化と整流化作用を高めるのに有効な大きな柱長の流体流動音低減用フィルタ要素が中空開口部に装着でき、しかも、混入物捕捉用フィルタ要素がプランジャ室内に弁体の外周面に沿って装着できて弁開時に弁室を介して第1の入出口ポートからを第2の入出口ポートに直接流れる冷媒の流れに直接曝されることがない。
【0014】
なお、絞り通路部材によって絞り弁装置による絞り度合い(絞り流量)を設定する場合、この発明による絞り弁装置では、流体流れで見て前記絞り通路部材の上流側と下流側の両側に配置された各流体流動音低減用フィルタ要素や、前記混入物捕捉用フィルタ要素を、焼結多層金網、多孔性焼結金属、発泡金属あるいは金属多孔体、プラスチック焼結多孔質体のいずれかによって構成することができ、公称濾過精度が50〜600μmのフィルタ材で構成されればよい。
【0015】
また、この発明による絞り弁装置は、更に、前記絞り通路部材より下流側の前記流体流動音低減用フィルタ要素よりもさらに下流側に、複数個の噴出孔を有する分散噴出部材を有している。これにより、単一孔である場合に比して流体流動音低減用フィルタ要素を流れる流体の流路長が長くなり、流体流動音低減用フィルタ要素の有効度が増し、また、隣接する噴出孔の噴出流同士の干渉により衝撃波が打ち消し合う作用が得られる。
【0017】
この発明による絞り弁装置に組み込まれる絞り通路部材は、単一孔オリフィス、クロススリットオリフィスのもの以外に、互いに並列に設けられた複数個のオリフィスを有してものでよい。複数オリフィスの場合、流体流が各オリフィスを分流するので、各オリフィスより噴出する流体流の運動エネルギが分散低減し、それに伴う流体流動音が低減する。
【0018】
また、この発明による空気調和機は、圧縮機と、室外熱交換器と、第1の室内熱交換器と、第2の室内熱交換器と、これらをループ接続する冷媒通路と、前記室外熱交換器と前記第1の室内熱交換器との間の冷媒通路に設けられた膨張弁とを有し、前記第1の室内熱交換器と前記第2の室内熱交換器との間に上述の発明による絞り弁装置が接続されているものである。
【0019】
この発明による空気調和機によれば、絞り弁装置は、弁閉することにより、第1の室内熱交換器と第2の室内熱交換器との間で、絞り作用を行い、除湿用絞り弁として機能する。
【0020】
この発明による空気調和機においては、冷房モード時における冷媒流れで見て前記混入物捕捉用フィルタ要素が前記絞り通路部材より上流側に位置するように前記絞り弁装置を接続することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1はこの発明による絞り弁装置10の一実施の形態を示している。
【0022】
絞り弁装置10は金属製の弁ハウジング11を有している。弁ハウジング11は、第1の入出口ポート12と、第2の入出口ポート13と、第1の入出口ポート12と常時直接連通している弁室14と、弁室14と第2の入出口ポート13との間に設けられた弁ポート15とを画定している。弁ポート15の弁室14の側の開口端周りには弁座部16が画定されている。
【0023】
弁室14には弁体17が図にて上下方向(弁リフト方向)に移動可能に設けられている。弁体17は、先端外周面17Aにて弁ポート15の周りに画定されている弁座部16に着座して弁ポート15を閉じる弁閉位置と、弁座部16より離れて弁ポート15を介し第1の入出口ポート12と第2の入出口ポート13との連通を確立する弁開位置との間に移動可能になっている。
【0024】
弁ハウジング11には電磁アクチュエータとしての電磁ソレノイド装置30が取り付けられている。電磁ソレノイド装置30は、弁ハウジング11に一体形成されたプランジャチューブ部31と、プランジャチューブ部31内に画定されたプランジャ室31Aに軸線方向に移動可能に嵌合したプランジャ32と、プランジャチューブ部31の先端部に固定されたプラグ状のコイルガイド部材33と、プランジャチューブ部31の外側にボルト34によってコイルガイド部材33に取り付けられたコの字形の外凾35と、プランジャチューブ部31の外周囲に固定された電磁コイル部36と、プランジャ32をコイルガイド部材33側に付勢する圧縮コイルばね(弁開ばね)37とにより構成されている。
【0025】
弁室14は弁ポート15とは反対側(上側)にてプランジャ室31Aと直接連続しており、弁体17は、図示のように、上側のステム部17Bによってプランジャ室31A内でプランジャ32とかしめ結合されている。
【0026】
これにより、電磁ソレノイド装置30は、電磁コイル部36に通電が行われていない非通電時には圧縮コイルばね37のばね力によってプランジャ32と共に弁体17を上方(弁開方向)へ駆動し、これに対し、電磁コイル部36に通電が行われている通電時には、プランジャ32が圧縮コイルばね37のばね力に抗して外凾35の下側片部35A側に磁気的に吸引されることにより、弁体17を下方(弁閉方向)へ駆動する。なお、図1は通電状態を示している。
【0027】
すなわち、電磁ソレノイド装置30は、非通電時には圧縮コイルばね37のばね力により弁体17を弁座部16より引き離した弁開位置へ駆動し、通電時には圧縮コイルばね37のばね力に抗して弁体17を弁座部16に着座させる弁閉位置へ駆動する常開型になっている。
【0028】
弁体17は弁ポート15の真上位置にあり、弁体17には弁ポート15に向かい合う先端面(下底面)に開口した中空開口部18が図示のように弁閉時にプランジャ室31A内に至る深さに中ぐり状に形成されている。中空開口部18は、下端開口で、上端(底部)が閉じられた有底孔をなしている。弁体17のプランジャ室31A内にある外周部には、図示のようにその外周面に沿ってプランジャ32との連結端側(上端側)に至る広範囲に亘って周溝19が形成されている。
【0029】
周溝19には円筒状の混入物捕捉用フィルタ要素20が嵌合装着されている。混入物捕捉用フィルタ要素20は、図示のように弁閉時にその全体がプランジャ室31A内に存在するように周溝19に填められてフィルタ外径をプランジャ32の外径にほぼ等しい寸法に設定されており、このことにより、弁ハウジング11の外径寸法が大きくなることがなく、また、弁開時弁室を介して第1の入出口ポートからを第2の入出口ポートに直接流れる冷媒の流れに直接曝されることがなくない。
【0030】
混入物捕捉用フィルタ要素20は、混入物捕捉と気液混合流体である冷媒中のガス粒の細分化を行い、多少目詰まりしても、当該フィルタにおける圧力損失が後述の絞り通路部材23による圧力損失より大きくならないことを要求され、ステンレス鋼、真鍮等による連続気孔構造の多孔性焼結金属(たとえば、SMC(株)社製の焼結金属エレメント)、ニッケル、ニッケル・銅合金等による三次元網目状の発泡金属あるいは金属多孔体(たとえば、住友電気工業(株)社製の商品名セルメット)、プラスチック粉末を原料として焼結成形した連続気孔構造のプラスチック焼結多孔質体(たとえば、染谷製作所製のプラスチック焼結多孔質体)、ステンレス鋼等による金網を数枚重ねて焼結した焼結多層金網等のロングライフタイプのフィルタ材によって構成することができる。なお、ここで云う発泡金属、金属多孔体は、三次元網目状の発泡樹脂に導電処理を施し、これにニッケル、ニッケル・銅合金等を電気メッキしたものである。
【0031】
混入物捕捉用フィルタ要素20の濾過性能は、原料を粒度区分した名称である公称濾過精度によって表すことができ、多孔性焼結金属、発泡金属あるいは金属多孔体、プラスチック焼結多孔質体による場合には、気孔径が50〜500μm程度で、公称濾過精度は、混入物捕捉および気液混合流体中のガス粒の細分化と正常な流れを維持するための流動抵抗限界(フィルタの圧力損失限界)を両立するために、50〜200μm程度、より好ましくは50〜150μm程度に設定されればよい。
【0032】
混入物捕捉用フィルタ要素20を焼結多層金網(焼結積層金属メッシュ)によって構成する場合には、図8、図9に例示されているように、4層以上で、各層の網目の角度をずらして積層焼結したものを使用する。焼結多層金網の場合、混入物捕捉と正常な流れを維持するための流動抵抗限界を両立するために、目開きが100〜500μm、公称濾過精度で云えば50〜200μm程度のものであればよい。
【0033】
中空開口部18には、下端開口より円柱状の流体流動音低減用フィルタ要素21、オリフィス通路22を形成された板状の絞り通路部材23、円柱状の流体流動音低減用フィルタ要素24が順に挿入され、これらは座金25を介してかしめにより弁体17に固定されている。これにより、中空開口部18の最上位に流体流動音低減用フィルタ要素21があり、これの下位に絞り通路部材23があり、最下位にもう一つの流体流動音低減用フィルタ要素24があり、流体流動音低減用フィルタ要素24は下底面にて中空開口部18の下端開口に露呈している。
【0034】
流体流動音低減用フィルタ要素21、24は、図示のように、これらの間に絞り通路部材23を挟むようにして中空開口部に挿入されて、流体流れで見て絞り通路部材23の上流側と下流側の両側に配置され、静音化のために液流中のガス粒の細分化、液流の整流化を行い、多少目詰まりしても、当該フィルタにおける圧力損失が絞り通路部材23による圧力損失より大きくならないことを要求され、ステンレス鋼、真鍮等による連続気孔構造の多孔性焼結金属(たとえば、SMC(株)社製の焼結金属エレメント)、ニッケル、ニッケル−銅合金による三次元網目状の発泡金属あるいは金属多孔体(たとえば、住友電気工業(株)社製の商品名セルメット)、プラスチック粉末を原料として焼結成形した連続気孔構造のプラスチック焼結多孔質体(たとえば、染谷製作所製のプラスチック焼結多孔質体)、ステンレス鋼等による金網を数枚重ねて焼結した焼結多層金網等のロングライフタイプのフィルタ材によって構成することができる。
【0035】
流体流動音低減用フィルタ要素21、24の濾過性能は、混入物捕捉用フィルタ要素20と同様に、原料を粒度区分した名称である公称濾過精度によって表すことができ、多孔性焼結金属、発泡金属あるいは金属多孔体、プラスチック焼結多孔質体による場合には、気孔径が50〜500μm程度で、公称濾過精度は、静音作用と正常な流れを維持するための流動抵抗限界(フィルタの圧力損失限界)を両立するために、300〜600μm、より好ましくは400〜600μm程度に設定されればよい。
【0036】
流体流動音低減用フィルタ要素21、24を焼結多層金網(焼結積層金属メッシュ)によって構成する場合には、混入物捕捉用フィルタ要素20と同様に、図5、図6に例示されているように、5層以上で、各層の網目の角度をずらして積層焼結したものを使用する。焼結多層金網の場合、静音作用と正常な流れを維持するための流動抵抗限界を両立するために、目開きが100〜700μm、公称濾過精度で云えば300〜600μm程度、より好ましくは400〜600μm程度のものであればよい。
【0037】
絞り通路部材23のオリフィス通路22は、図2に示されているような単一孔オリフィス22A、あるいは図3に示されているようなクロススリットオリフィス22Bにより構成されている。
【0038】
また、絞り通路部材23は、図4、図5に示されているように、複数個のオリフィス22Cを互いに並列に設けられたものであってもよい。絞り通路部材23の絞り通路断面積に適正値Atが存在する場合、オリフィス22Cの個数(孔数)をn、各オリフィス22Cの通路断面積をAoで互いに等しくし、Ao=At/nが成立するよう、各オリフィス22Cの通路断面積Aoを設定する。これにより、トータルで、単一孔のものと流量が同じになる。
【0039】
このような、複数オリフィスの場合、流体流が各オリフィス22Cを分流するので、各オリフィスより噴出する流体流の運動エネルギが分散低減し、それに伴う流体流動音が低減する。
【0040】
たとえば、絞り通路部材23の単一口径(直径)を0.8mm、絞り通路前後圧力差0.098MPa、流量を毎分9リットルとした場合、図4に示されているように、孔数=2で、各オリフィス22Cの口径を0.57mmとすると、後述する空気調和機の組み込みにおいて、同一条件で単一孔のものに比して騒音が低減した。また、図5に示されているように、孔数=3で、各オリフィス22Cの口径を0.47mmとすると、更に、騒音が低減した。
【0041】
弁体17には、図示のように、弁体17の外周部を形成する周溝19の溝底部と中空開口部18の上端(底部)近傍とを連通接続する小径(口径0.5〜0.7mm程度)の分散連通孔26が複数個(最低2個)、放射状に形成されている。これにより、分散連通孔26は、各々、一方にて周溝19に配置されている混入物捕捉用フィルタ要素20の内周面と微少な隙間を持って連通し、他方において絞り通路部材23より上流側の流体流動音低減用フィルタ要素21の上端側外周面と直接連通している。
【0042】
ここで、混入物捕捉用フィルタ要素20と流体流動音低減用フィルタ要素21、24の個々の圧力損失および複数個の分散連通孔26全体(合計値)の圧力損失は、絞り通路部材23の圧力損失より小さい。これにより、絞り通路部材23に形成されるオリフィス通路22の断面積によって絞り弁装置10による絞り度合い(絞り流量)が正確に設定される。
【0043】
つぎに、上述の構成による絞り弁装置10の動作について説明する。
電磁ソレノイド装置30に通電が行われていない状態では、電磁ソレノイド装置30の圧縮コイルばね37のばね力によってプランジャ32と共に弁体17が持ち上げられて弁座部16より離れ、弁ポート15が完全に開かれた全開の実質的な絞り作用がない弁開状態が得られる。
【0044】
電磁ソレノイド装置30に通電が行われると、圧縮コイルばね37のばね力に抗してプランジャ32が外凾35の下側片部35Aの側に磁気的に吸引され、弁体17が弁閉方向へ駆動され、図1に示されているように、弁体17が先端外周面17Aをもって弁座部16に着座する。
【0045】
この弁閉状態では、プランジャ室31Aの内周面と混入物捕捉用フィルタ要素20の外周面との間の隙間、混入物捕捉用フィルタ要素20、分散連通孔26、流体流動音低減用フィルタ要素21、絞り通路部材23のオリフィス通路22、流体流動音低減用フィルタ要素24、弁ポート15をもって弁室14と第2の入出口ポート13とが連通し、第1の入出口ポート12が高圧側で、第2の入出口ポート13が低圧側である場合には、プランジャ室31Aの内周面と混入物捕捉用フィルタ要素20の外周面との間の隙間→混入物捕捉用フィルタ要素20→分散連通孔26→流体流動音低減用フィルタ要素21→絞り通路部材23のオリフィス通路22→流体流動音低減用フィルタ要素24の順に冷媒等の流体が流れる。
【0046】
上述のように流体が流れることにより、まず、円筒状で表面積が大きい混入物捕捉用フィルタ要素20によって流体流れ中のコンタミネーションの捕捉が行われると共に液流中の気泡(ガス粒)の細分化が行われ、そして流体は、複数個の分散連通孔26の各々を通り、分散された流れで流体流動音低減用フィルタ要素21に流入し、流体流動音低減用フィルタ要素21、絞り通路部材23のオリフィス通路22、流体流動音低減用フィルタ要素24を順に通過する。これにより、オリフィス通路孔22によって所要の絞り効果が得られ、その前後の流体流動音低減用フィルタ要素21、24により整流化作用が得られ、整流化作用によって流体流動音が低減し、静音性が向上する。
【0047】
また、混入物捕捉用フィルタ要素20によって流体流中のコンタミネーションの捕捉が行われるから、長期間の使用においても、オリフィス通路22にコンタミネーションが詰まることがなく、安定した絞り効果が得られ、混入物捕捉用フィルタ要素20は円筒状で表面積が大きいから、目詰まりに関して長期間の使用に耐えることができる。
【0048】
混入物捕捉用フィルタ要素20を流れる流体が気液混合流体であると、混入物捕捉用フィルタ要素20の通過によって気液混合流体中のガス粒が細分化され、細分化されたガス粒は、流速抵抗が液体より大きく、浮力によって上部に停溜し易く、停溜中にガス粒の再結合によって大きいものになり易く、オリフィス通過直後のガス粒の間欠的な膨張破裂によって騒音(チリチリ音)が生じる。
【0049】
このことに対して、混入物捕捉用フィルタ要素20より、流体流動音低減用フィルタ要素21、絞り通路部材23へ流体を導く通路が複数個に分散された小径の分散連通孔26であることにより、個々の分散連通孔26は大きい通路空間を呈さないから、各分散連通孔26でガス粒が滞留せず、ガス粒が肥大化することがない。これにより、オリフィス通過直後のガス粒の間欠的な膨張破裂によって騒音が生じることが回避され、静音性がさらに向上する。
【0050】
また、弁室14の上方部にあるプランジャ室31A内における弁体17とプランジャ32との連結部に弁体17の外周面に沿って装着された混入物捕捉用フィルタ要素20の外径がプランジャ32の外径にほぼ等しく、プランジャ室31Aの内周面と混入物捕捉用フィルタ要素20の外周面との間の小さな隙間しか存在せず、混入物捕捉用フィルタ要素20に流入する気液混合流体中のガス粒が肥大化するような大きい空間が存在しないから、肥大化したガス粒が混入物捕捉用フィルタ要素20に流入することが阻止される。このことによっても、肥大化したガス粒が混入物捕捉用フィルタ要素20にて細分化されきらないで小口径の分散連通孔26に流入されることが低減される。細分化されきらないガス粒が小口径の分散連通孔26に流入されると、圧縮されたガス粒が流体流動音低減用フィルタ要素21に流入され、ここでも細分化されきらないで絞り通路部材23のオリフィス通路22を通過する可能性を生じるが、このような可能性がなくされることで、オリフィス通過直後のガス粒の間欠的な膨張破裂によって騒音が生じることが回避され、静音性がさらに向上する。
【0052】
この実施の形態では、絞り通路部材23より下流側の流体流動音低減用フィルタ要素24より下流側に、複数個の噴出孔27を有する分散噴出部材28(図6参照)が取り付けられている。
【0053】
分散噴出部材28であると、複数個の噴出孔27の各々より流体が噴出するから、単一孔である場合に比して、流体流動音低減用フィルタ要素24を流れる流体の流路長が長くなり、流体流動音低減用フィルタ要素24の有効度が増し、また、隣接する噴出孔27の噴出流同士の干渉により衝撃波が打ち消し合う作用が得られる。これにより、静音性が更に改善される。
【0054】
また、この実施の形態では、弁体17外周部の周溝19に、混入物捕捉用フィルタ要素20の内周面と分散連通孔26との間に微少な隙間を形成するための凹部19Aが設けられている。
【0055】
この凹部19Aが弁体17外周部の周溝19に設けられていることにより、分散連通孔26と混入物捕捉用フィルタ要素20とが微少な隙間を持って連通し、分散連通孔26を通過した冷媒の流速が、この分散連通孔26よりも最大通過可能流量の低い混入物捕捉用フィルタ要素20の存在によって減速されることがなくなる。
【0056】
したがって、冷媒中に混入しているコンタミネーションと云われる固形の混入物が分散連通孔26の内壁に付着しようとしても、混入物捕捉用フィルタ要素20によって流速を減じられることのない、分散連通孔26を通過した冷媒の流勢によって、実際に分散連通孔26の内壁に付着することが防止され、分散連通孔26の目詰まりを防ぐことができるようになる。
【0057】
なお、弁体17外周部の周溝19の凹部19Aは、別段問題がなければ省略し、直接連通してもよい。
【0058】
図7は上述した実施の形態1あるいは実施の形態2による絞り弁装置10をサイクルドライ弁として組み込まれた空気調和機を示している。
【0059】
この空気調和機は、圧縮機50と、室外熱交換器51と、第1の室内熱交換器52と、第2の室内熱交換器53と、これらをループ接続する冷媒通路55〜63と、室外熱交換器51と第1の室内熱交換器52との間の冷媒通路(57〜59)に設けられた膨張弁54と、冷房モードと暖房モードとの切換のためにループ接続された冷媒通路55〜63における冷媒の流れ方向を反転する四方弁64とを有している。
【0060】
第1の室内熱交換器52と第2の室内熱交換器53との間の冷媒通路60には絞り弁装置(サイクルドライ弁)10が接続されている。
【0061】
冷房モードでは、図7にて実線の矢印で示されている方向に冷媒が循環し、絞り弁装置10が弁開している状態で、冷房モードが得られ、絞り弁装置10が弁閉している状態では、当該絞り弁装置10が絞り弁として作用し、冷房サイクルドライモード(冷房時除湿)が得られる。
【0062】
冷房サイクルドライモードにおいては、絞り弁装置10のオリフィス通路22より冷媒流で見て上流側に混入物捕捉用フィルタ要素20が存在することになる。これにより、オリフィス通路22より上流側で冷媒流中のコンタミネーションの捕捉が行われ、オリフィス通路22がコンタミネーションによって汚染されることがなく、長期間の使用においても、絞り効果が変動することがなく、冷房サイクルドライモードの性能が低下することがない。
【0063】
また、絞り弁装置10は空気調和機の室内機に設けられるが、絞り弁装置10には、流体流動音低減用フィルタ要素21、24が設けられていたり、分散連通孔26が設けられていたり、気液混合流体である冷媒の流れの途中にガス粒が肥大化するような大きい空間が存在しないこと等によって、耳障りな冷媒擦過音や、オリフィス通過直後のガス粒の間欠的な膨張破裂による騒音を生じることがない。
【0064】
なお、暖房モードでは、図7の矢印で示されている方向とは逆方向に冷媒が循環し、通常、絞り弁装置10は弁開状態を維持する。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による絞り弁装置によれば、弁閉時に、弁室から混入物捕捉用フィルタ要素に流入する気液混合流体である冷媒はプランジャ室の内周面と混入物捕捉用フィルタ要素の外周面との間の小さな隙間を通過することになるので、流入した冷媒中のコンタミネーション等の混入物捕捉を行う混入物捕捉用フィルタ要素は肥大化したガス粒を含む冷媒の流入が防がれ、肥大化したガス粒を含む冷媒が流入した場合に比べて小さなガス粒を含む冷媒を流出することができる。
また、混入物捕捉用フィルタ要素と流体流動音低減用フィルタ要素の個々の圧力損失および分散連通孔全体の圧力損失がオリフィス通路の圧力損失より小さくされるが、各分散連通孔はガス粒を滞留して肥大化することのない小口径にすることができ、複数の分散連通孔を通じて一端部に冷媒が流入される円柱状の流体流動音低減用フィルタ要素は、流入した冷媒をその柱長の全体にて均一に分布して流して冷媒中のガス粒を効果的に細分化しつつ整流化を行って流出させ、かつ、絞り通路部材との間に大きな空間を形成することがないので、混入物捕捉用フィルタ要素を流出した冷媒は、途中でガス粒が肥大化されることなく絞り通路部材のオリフィス通路を通過される。
よって、オリフィス通路の絞り作用によって圧縮される前の冷媒に肥大化したガス粒が含まれることが抑制されるので、オリフィス通路通過直後及び絞り通路部材の下流側の円柱状の流体流動音低減用フィルタ要素通過直後のガス粒の間欠的な膨張破裂によって騒音が生じることがなく、静音性を向上することができ、かつ、弁室空間を形成する弁ハウジングの外径寸法を大きくすることがなく、ガス粒の細分化と整流化作用を高めるのに有効な大きな柱長の流体流動音低減用フィルタ要素が中空開口部に装着でき、しかも、混入物捕捉用フィルタ要素がプランジャ室内に弁体の外周面に沿って装着できて弁開時に弁室を介して第1の入出口ポートからを第2の入出口ポートに流れる冷媒の流れに直接曝されることがなくないので、絞り通路における混入物詰まりによる冷媒流量の変動を来すことなく冷媒擦過音を充分低減でき、長期間の使用においても、安定した除湿運転性能と静粛性を大型化することなく得ることができる絞り弁装置および空気調和機を提供することができる。
【0066】
また、この発明による空気調和機によれば、第1の室内熱交換器と第2の室内熱交換器との間に、上述の絞り弁装置が接続されていることにより、冷房モードにおいて、絞り弁装置が弁閉状態になることにより、除湿運転が行われる。この空気調和機に組み込まれる絞り弁装置は、流体擦過音が小さく、ガス粒の肥大化による騒音を生じることがなく、静粛性に優れ、絞り部をコンタミネーションによって汚染されることがなく、長期間の使用においても、絞り効果が変動することがなく、冷房サイクルドライモードの性能が低下することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による絞り弁装置の一実施の形態を示す弁閉状態の断面図である。
【図2】 この発明による絞り弁装置で使用される絞り通路部材の一つの実施の形態を示す平面図である。
【図3】 この発明による絞り弁装置で使用される絞り通路部材の他の実施の形態を示す平面図である。
【図4】 この発明による絞り弁装置で使用される絞り通路部材の他の実施の形態を示す平面図である。
【図5】 この発明による絞り弁装置で使用される絞り通路部材の他の実施の形態を示す平面図である。
【図6】 この発明による絞り弁装置で使用される分散噴出部材の一つの実施の形態を示す斜視図である。
【図7】 この発明による絞り弁装置が組み込まれた空気調和機を示すブロック図である。
【図8】 この発明による絞り弁装置の実施の形態で使用される流体流動音低減用フィルタ要素や混入物捕捉用フィルタ要素に使用可能な焼結多層金網の構成の一例を示す部分拡大平面図である。
【図9】 この発明による絞り弁装置の実施の形態で使用される流体流動音低減用フィルタ要素や混入物捕捉用フィルタ要素に使用可能な焼結多層金網の構成の他の例を示す部分拡大平面図である。
【符号の説明】
10 絞り弁装置
11 弁ハウジング
12 第1の入出口ポート
13 第2の入出口ポート
14 弁室
15 弁ポート
16 弁座部
17 弁体
19A 凹部
20 混入物捕捉用フィルタ要素
21 流体流動音低減用フィルタ要素
23 絞り通路部材
24 流体流動音低減用フィルタ要素
26 分散連通孔
28 分散噴出部材
30 電磁ソレノイド装置
32 プランジャ
36 電磁コイル部
50 圧縮機
51 室外熱交換器
52 第1の室内熱交換器
53 第2の室内熱交換器
54 膨張弁
64 四方弁

Claims (6)

  1. 第1の入出口ポート、第2の入出口ポート、前記第1の入出口ポートと常時連通している弁室、前記弁室と前記第2の入出口ポートとの間に設けられた弁ポートを画定する弁ハウジングと、前記弁室内に設けられて前記弁ポートを開閉する弁体と、前記弁体を開閉駆動する電磁ソレノイド装置とを有し、閉弁時に冷媒に対する絞り弁として使用される絞り弁装置において、
    前記弁ポートと反対側にて前記弁室と連続して形成されたプランジャ室内において該プランジャ室に軸線方向移動可能に嵌合されている前記電磁ソレノイド装置のプランジャと前記弁体とが連結され、
    前記プランジャ室内における前記弁体と前記プランジャとの連結部に前記弁体の外周面に沿って前記プランジャの外径にほぼ等しい外径を有し、前記冷媒中の混入物の捕捉とガス粒の細分化のための筒形状の混入物捕捉用フィルタ要素が装着され、
    前記弁体に、前記弁ポートに向かい合う先端面に開口し底部が前記プランジャ室内に至る深さの有底孔からなる中空開口部が形成されるとともに、前記混入物捕捉用フィルタ要素の内周面と前記中空開口部の底部近傍とを連通する複数の分散連通孔が放射状に形成され、
    前記中空開口部に、前記先端面の開口より、前記冷媒中のガス粒の細分化と前記冷媒の整流化を行うための円柱状の流体流動音低減用フィルタ要素間にオリフィス通路を形成された絞り通路部材を挟むように前記流体流動音低減用フィルタ要素、前記絞り通路部材及び前記流体流動音低減用フィルタ要素が順に挿入されて固定されてなり
    前記混入物捕捉用フィルタ要素と前記流体流動音低減用フィルタ要素の個々の圧力損失および前記分散連通孔全体の圧力損失が前記オリフィス通路の圧力損失より小さくされ、
    前記閉弁時には前記弁室、前記プランジャ室の内周面と前記混入物捕捉用フィルタ要素の外周面との間の隙間、前記混入物捕捉用フィルタ要素、前記複数の分散連通孔、前記流体流動音低減用フィルタ要素、前記オリフィス通路、前記流体流動音低減用フィルタ要素及び前記弁ポートを介し、前記第1の入出口ポートを入口側として前記第2の入出口ポートに連通する
    ことを特徴とする絞り弁装置。
  2. 前記流体流動音低減用フィルタ要素や、前記混入物捕捉用フィルタ要素は、焼結多層金網、多孔性焼結金属、発泡金属あるいは金属多孔体、プラスチック焼結多孔質体のいずれかによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の絞り弁装置。
  3. 前記流体流動音低減用フィルタ要素および前記混入物捕捉用フィルタ要素が、公称濾過精度50〜600μmのフィルタ材により構成されていることを特徴とする請求項1又は2項記載の絞り弁装置。
  4. 前記絞り通路部材より下流側の前記流体流動音低減用フィルタ要素よりもさらに下流側に、複数個の噴出孔を有する分散噴出部材を有していることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の絞り弁装置。
  5. 圧縮機と、室外熱交換器と、第1の室内熱交換器と、第2の室内熱交換器と、これらをループ接続する冷媒通路と、前記室外熱交換器と前記第1の室内熱交換器との間の冷媒通路に設けられた膨張弁とを有し、前記第1の室内熱交換器と前記第2の室内熱交換器との間に、請求項1〜4の何れか1項に記載の絞り弁装置が接続されていることを特徴とする空気調和機。
  6. 冷房モード時における冷媒流れで見て前記混入物捕捉用フィルタ要素が前記絞り通路部材より上流側に位置するように前記絞り弁装置が接続されていることを特徴とする請求項5記載の空気調和機。
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