JP2005060411A - 水性イエロー顔料分散液用混練物及びこれを用いた水性イエロー顔料分散液とインク組成物の製造方法 - Google Patents

水性イエロー顔料分散液用混練物及びこれを用いた水性イエロー顔料分散液とインク組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イエロー顔料が安定に分散し(分散安定性が良好で)、それが長期保存においても維持される、長期保存安定性が良好な水性イエロー顔料分散液とインク組成物を得ることができる技術を提供する。
また、分散時間などの製造に要する時間が短く、製造効率が高い水性イエロー顔料分散液とインク組成物の製造方法、又収率の高い水性イエロー顔料分散液とインク組成物の製造方法を提供する。特に吐出特性に優れたインクジェット記録用のインク組成物を得ることができる技術を提供する。
【解決手段】アニオン性基を有する樹脂、イエロー顔料、及び塩基性化合物を含む混合物を混練し、固体もしくは半固体状の水性イエロー顔料分散液用混練物を製造し、これを水溶性溶剤中に分散してインク組成物を製造する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性イエロー顔料分散液用混練物およびこれを用いた水性イエロー顔料分散液とインク組成物の製造方法に関し、特にインクジェット記録用に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水を主成分とする液媒体中に顔料を分散した水性顔料分散液が提案され、これを希釈してインク組成物が製造されている。
水性顔料分散液を製造するにあたっては、顔料、水、有機溶剤、樹脂、アルカリ剤を混合し、分散機を用いて顔料の分散処理を行うのが一般的である。その結果、粒子状の顔料が樹脂にて被覆された複数の樹脂被覆粒子が水溶性溶剤中に分散した水性顔料分散液が得られる。
【0003】
一方、水性顔料分散液を使用してインクジェット記録用のインク組成物を製造すると、従来の染料を用いたものと比べて耐光性、耐水性などが格段にすぐれたものが得られる。
なお、インクジェット記録用のインク組成物においては、インクジェットから吐出されるときの安定性(吐出安定性)、長期保存安定性などが、他の用途に比較して厳しく要求されている。すなわち、できるだけ粒子径の揃った微細な顔料粒子が、樹脂に被覆された状態で、液媒体中に長期にわたって安定に分散している必要がある。そして、これらの要求を満足するためには、水性顔料分散液の段階で、良好な分散安定性と、長期保存可能な分散安定性を有することが必要とされる。
【0004】
そこで、最近では、水性顔料分散液について、インクジェット記録用に適した組成や顔料の分散方法などについて種々検討が行われはじめている。
例えば、水溶性樹脂とアルカリ成分を水に溶解した水溶液を作成し、これに顔料を加えて充分撹拌した後、さらに分散効率の高い高速のサンドミルなどを用いて分散させて水性顔料分散液を得る方法が提案されている。
例えばイエロー顔料とポリマー分散剤を2−ロールミリング装置によって分散体を得た後に、水性キャリアー媒体中に分散し顔料分散液を得る製造方法が行われており、顔料とポリマー分散剤によって作製された分散体と中和剤である水酸化カリウムと水とを混合し水性顔料分散液が得られている。(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−157954号公報(実施例3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記製造方法では2−ロールミリング装置であらかじめ混練することで未混練のものよりは顔料の微細化が進み水性キャリアー媒体中への分散性の向上が図れるが、顔料とポリマー分散剤の分散体を水性キャリアー媒体中へ分散させる際に生じる顔料凝集体を完全に防止できない問題があった。
また、この方法においては、分散時間が長時間にわたり、製造効率が低いという問題があった。また、この様にして得られた水性顔料分散液においても、分散安定性は未だ不充分であった。
【0007】
なお、サンドミルを用いて水性顔料分散液を製造する工程は、通常顔料等の固形分比率の小さい低粘度の被分散液を用いて行われる。そのため、顔料に強力なシェアがかかりにくく、顔料の粗大粒子を粉砕するのに多くの時間がかかる。
また、この様にして得られた水性顔料分散液には、分散後にも相当量の粒径1μm以上の粗大粒子が含まれている。そして、このままではインクジェットの吐出安定性が確保できないので、さらに遠心分離、濾過などによってこの粗大粒子を除去する工程が必要であり、さらなる製造効率の低下と収率の低下という問題があった。
【0008】
本発明は前記事情に鑑てなされたもので、イエロー顔料が安定に分散し(分散安定性が良好で)、それが長期保存においても維持される、長期保存安定性が良好な水性イエロー顔料分散液とインク組成物を得ることができる技術を提供することを課題とする。
また、分散時間などの製造に要する時間が短く、製造効率が高い水性イエロー顔料分散液とインク組成物の製造方法を提供することを課題とする。
また、収率の高い水性イエロー顔料分散液とインク組成物の製造方法を提供することを課題とする。
特に吐出特性に優れたインクジェット記録用のインク組成物を得ることができる技術を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決し、分散安定性の良好な水性イエロー顔料分散液を作製するためには、樹脂、イエロー顔料を含む混合物にさらに塩基性化合物を配合し、高粘度で混練して混練物を作製してから、これを用いて水性イエロー顔料分散液もしくはこれを用いたインク組成物を製造する方法が好適であることを見いだした。
すなわち、本発明者らは前記課題を解決するために、アニオン性基を有する樹脂、イエロー顔料、及び塩基性化合物を含む混合物を混練し、固体もしくは半固体状の水性イエロー顔料分散液用混練物を製造することを特徴とする水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法を提供する。
【0010】
また本発明者らは、上記の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法によって、該水性イエロー顔料分散液用混練物を製造する工程と、該混練物を水を主成分とする溶液に分散させて水性イエロー顔料分散液を製造する工程とを有する水性イエロー顔料分散液の製造方法を提供する。
なお、本明細書においては、水性イエロー顔料分散液用混練物の製造工程において、混練前のものを混合物、混練中あるいは混練後のものを混練物とする。
またさらに本発明者らは、前記水性イエロー顔料分散液を製造する工程と、該水性イエロー顔料分散液を水溶性溶剤で希釈してインク組成物を得る工程を有するインク組成物の製造方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
アニオン性基を有する樹脂、イエロー顔料を塩基性化合物存在下で混練することにより、樹脂のアニオン性基が中和される。そのため、塩基性化合物が存在しない場合と比較すると、該樹脂の分散性、溶解性が向上し、また、樹脂は部分溶解もしくは膨潤状態となってイエロー顔料と混練され、このときイエロー顔料表面への樹脂吸着が進行し、該塩基性化合物の存在によって混練物は高粘度の粘土状混練物となる。
さらにまた本発明者らは、前記水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法において、混練中に前記混合物の質量が実質的に変化しない様に混練を行うことが混練時におけるイエロー顔料の分散性を高める上で好ましいことを見いだした。
【0012】
なお、混練工程を、例えば二本ロールや三本ロールのような開放系の混練機を用いて行うと、混練時の温度上昇で混練物中の水、もしくは水溶性有機溶剤が蒸発するため、混練物の固形分比率の上昇が著しい。このため混練初期に塩基性化合物を添加して、樹脂のアニオン性基を中和しその分散性もしくは溶解性を向上させた効果が減殺される。
さらにこのようなロール練肉機の様な開放系による混練を行ったときは、確かにイエロー顔料はロール間でシェアを受けて細かく粉砕されるものの、上述の様に混練終了時に固形分比率が著しく上昇するため混練物表面が乾いた状態となる。このためこれに続く分散工程で、水性イエロー顔料分散液を作製するとき、さらに該混練物に水、もしくは水溶性有機溶媒を添加して、固形チップの粉砕、溶解とイエロー顔料の分散を行わなければならない。従ってロール練肉に続く分散工程に負担がかかり、分散時間が長時間化したり、又たとえ長時間の分散を行ったとしても粗大粒子が残存する可能性がある。
これに対して、混合物の質量が実質的に変化しない様に混練を行うと、混練物の粘度の上昇や固形分比率の増加等の問題を生じずに、水性イエロー顔料分散液用混練物を得ることができる。
【0013】
さらに前記水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法においては、撹拌槽と撹拌羽根を有する混練機を用いて混練することが好ましい。このような混練機においては上述の様なロール練肉機と異なり、攪拌槽を密閉することが可能であって、混練中の水もしくは水溶性有機溶剤の蒸発を防ぎ、混練中に混合物の質量が実質的に変化しないようにすることができる。
このため該混練物の固形分比率が上昇しすぎることがなく、分散工程に移るために添加した希釈用の水溶性溶剤中に容易に混合分散し、効率的に分散液を作製することができる。
さらに前記混練機がプラネタリーミキサーであることが好ましい。プラネタリーミキサーは、互いに自転と公転を行う2軸の攪拌羽根を使用して、攪拌槽中の混練物を攪拌、混練する構造を有しており、攪拌槽中に攪拌羽根の到達しないデッドスペースが少ない。また羽根の形状が肉厚で高負荷をかけることができるが、一方では攪拌羽根を攪拌槽中で回す通常の攪拌機の様に使用することもできる。このため高負荷領域から低負荷領域まで、処理対象にできる被混練物の幅が広く、混練終了後の混練物に、そのまま水、もしくは水溶性有機溶剤の一方あるいは両方を添加し、希釈、攪拌、分散する操作の全てを、プラネタリーミキサーから混練物を取り出さずに、該同じミキサーの中で行うことができる。
【0014】
なお、前記水性イエロー顔料分散液用混練物を用いて、これに水溶性溶剤に分散させて水性イエロー顔料分散液を作製するときは、メディアを用いた分散機で分散させることが好ましい。このような分散機を用いることにより、イエロー顔料の粉砕による小粒径化と該イエロー顔料表面への樹脂吸着とを同時に進行させることができる。
【0015】
水性イエロー顔料分散液において、イエロー顔料の分散状態は、イエロー顔料の粒径、イエロー顔料が樹脂に被覆された樹脂被覆粒子の粒径、イエロー顔料と樹脂との比率や、樹脂や水溶性溶剤の組成などに影響される。そして、微細なイエロー顔料の粒子の表面が樹脂によって薄く均一に被覆された微細な樹脂被覆粒子が、水溶性溶剤中に安定に分散し、かつその分散状態が長期保存後も維持されていることが、インクジェット記録用のインク組成物において、吐出安定性などの効果を得るために、好ましい。
なお本発明において水溶性溶剤もしくは水性媒体とは、水、もしくは水中に水と容易に混ざり合う水溶性有機溶剤を含んだ溶剤を示すものとする。
以下、本発明について、水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法、水性イエロー顔料分散液の製造方法、インク組成物の製造方法について、順に例を挙げて詳細に説明する
【0016】
(1)水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法
水性イエロー顔料分散液用混練物の製造においては、少なくとも
▲1▼ アニオン性基を有する樹脂、
▲2▼ イエロー顔料、
▲3▼ 塩基性化合物、
を含む仕込みの混合物を混練し、固体もしくは半固体状の水性イエロー顔料分散液用混練物を製造することを特徴とする。
なお本発明において半固体とは、常温で高粘稠の物質を示すものとする。
また、▲1▼樹脂と▲2▼イエロー顔料とを合わせた固形分比率は、得られる水性イエロー顔料分散液用混練物中、50〜80質量%が好ましい。固形分比率が50質量%未満では混合物の粘度が低下するため、混練が十分に行われず、イエロー顔料をの解砕させるためのシェアが十分発生せず不十分となるため好ましくない。そして、固形分比率をこのように高めることによって混練中の混練物の粘度を適度に高く保ち、混練中の混練機から混練物にかかるシェアを大きくして、混練物中のイエロー顔料の粉砕とイエロー顔料の樹脂による被覆を同時に進行させることができる。固形分比率が80質量%を超えると、例え加温して樹脂を充分に軟化させたとしても混練が困難になる。また、水性イエロー顔料分散液製造時に水溶性溶剤に溶解、分散させることが困難となったり、水溶性溶剤による低粘度化が困難となるおそれがある。
【0017】
以下、それぞれの構成について詳細に説明する。
▲1▼ アニオン性基を有する樹脂
アニオン性基を有する樹脂は、少なくとも1種以上のアニオン性基を有するモノマー成分を含むモノマーを重合させたものであり、該アニオン性基を含むモノマーは親水性基として機能する。なお重合に用いられる他のモノマー中には、疎水性基を有する疎水性モノマーが含有されていることが好ましい。アニオン性基を有する樹脂としては、アニオン性基からなる親水性基を有するモノマー成分と、疎水性基を有するモノマー成分が共存している樹脂を用いることが好ましい。
【0018】
このような樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂、マレイン酸系樹脂、ポリビニール酢酸系樹脂、ポリビニールスルフォン酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニールアルコール系樹脂、ポリピロリドン樹脂、セルロース系樹脂などを例示することができる。
前記樹脂に用いる疎水基を有する疎水性モノマーとしては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリルエステル;
スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有の(メタ)アクリル酸エステル;
スチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー; アクリロニトニル;アクリルアミド;酢酸ビニル;塩化ビニル;ビニルピロリドン;ビニルアルコール;エチレン;などを例示することができる。
中でもスチレン系モノマー、さらにはスチレンモノマーが好ましい。
これらは1種又は2種以上併用して用いることができる。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタアクリレートを示し、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及び/又はメタアクリル酸を示す。
アニオン性基を有するモノマーとしては、カルボン酸、スルホン酸、リン酸などを例示することができる。特に分散安定性、長期保存安定性の点から、カルボキシル基を含むモノマーが好ましく、例えば(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸などが挙げられる。
本発明においては、分散安定性、長期保存安定性の点から、特に(メタ)アクリル酸に由来する構造を有している(メタ)アクリル酸系モノマーを用いると好ましい。
【0019】
さらに、分散安定性、長期保存安定性の点から、アニオン性基を有する樹脂は疎水性モノマー成分であるスチレンモノマー成分と アニオン性基を有するモノマー成分とからなる共重合体樹脂などが好ましい。
なお、このとき、アニオン性基を有するモノマーは親水性モノマーであると好ましい。
【0020】
スチレンモノマー成分とアニオン性基を有するモノマー成分からなる共重合体樹脂においては、分散安定性、長期保存安定性の点から、スチレンモノマー成分が50質量%以上、好ましくは70質量%以上、好ましくは95質量%以下含まれていると好ましい。
共重合体樹脂中のスチレンモノマー成分の含量を50質量%以上とすることにより、共重合樹脂の疎水性が増加し、水系においてはより強固にイエロー顔料への樹脂被覆が行われる。その結果、水性イエロー顔料分散液を経て作製されたインク組成物をインクジェットに用いたときに、樹脂被覆粒子が加熱されても、その粒径が安定であり、粒径安定性が向上する。そして、吐出安定性が向上し、かつ高い印字濃度が得られる。さらに被記録媒体上の塗膜の耐久性向上にも効果的である。なお、95質量%を超えると分散に寄与するアニオン性基を有するモノマー成分の含有量が低下し、水系での分散安定性、長期保存安定性が低下するおそれがある。
なお本発明において、単にモノマーという場合には、重合前のモノマーを指し、モノマー成分という場合には、樹脂中に含まれるモノマー由来の構造を示すものとする。
【0021】
また、長期的な保存安定性の点から、樹脂の酸価は60〜300mgKOH/g、好ましくは100〜180mgKOH/g、さらに好ましくは120〜170mgKOH/gの範囲とされる。なお酸価とは、樹脂1gを中和するに必要な水酸化カリウム(KOH)のミリグラム(mg)数であり、mgKOH/gにて示す量である。
酸価が60より小さいと、親水性が小さくなり、イエロー顔料の分散安定性が低下するおそれがある。一方、酸価が300より大きいと、イエロー顔料の凝集が発生し易くなり、またインク組成物を用いた印字品の耐水性が低下するおそれがある。
【0022】
なお、アニオン性基を有する樹脂の質量平均分子量は3000〜50000、さらに好ましくは4000〜40000、さらに好ましくは5000〜30000とされる。3000以上とされる理由は、低分子量である程初期的な分散性が優れているが、長期的な保存安定性が低下する傾向があるためである。なお、50000を超えると水性イエロー顔料分散液の粘度が高くなるだけでなく、樹脂の分散性、溶解性などが低下する傾向にある。
上記の好ましい範囲の重量平均分子量を有する樹脂を用いることにより、水溶性溶剤中のイエロー顔料の安定性と被記録媒体上に形成された塗膜の耐久性を両立させることができる。
【0023】
また、樹脂のガラス転移点は90℃以上、好ましくは100℃以上、実質的には150℃以下とされる。
ガラス転移点が90℃以上であると、インク組成物によって形成された画像の耐久性が向上し、また、インク組成物の熱安定性が向上する。このため該水性顔料分散液から作製されたインクジェット記録用水性インク組成物をサーマルジェットタイプのインクジェット記録用に用いても、加熱によって吐出不良を起こすような特性変化を生じず、好ましい。なお、樹脂のガラス転移点は分子量などの変更によって調整することができる。
【0024】
▲2▼ イエロー顔料
本発明におけるイエロー顔料は、カラーインデックスNo.において、ピグメントイエローに分類されるものをの中から、有機系の顔料を示すものとする。
具体的な例としては、下記の顔料を挙げることができる。
アントラピリミジン系顔料;C.I.ピグメント イエロー108等、
フラバンスロン系顔料;C.I.ピグメント イエロー24等、
アントラキノン系顔料;C.I.ピグメント イエロー196等、
ペリノン系顔料;C.I.ピグメント イエロー196等、
キノフタロン系顔料;C.I.ピグメント イエロー138等、
イソインドリン系顔料;C.I.ピグメント イエロー139、C.I.ピグメント イエロー185等、
イソインドリノン系顔料;C.I.ピグメント イエロー109、C.I.ピグメント イエロー110、C.I.ピグメント イエロー173、C.I.ピグメント イエロー185等、
アゾメチン系顔料;C.I.ピグメント イエロー101、C.I.ピグメント イエロー129等
不溶性アゾ顔料としては、C.I.ピグメント イエロー120、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメント イエロー154、C.I.ピグメント イエロー175、C.I.ピグメント イエロー180、C.I.ピグメントイエロー181 、C.I.ピグメント イエロー1、C.I.ピグメント イエロー65、C.I.ピグメント イエロー73、C.I.ピグメント イエロー74、C.I.ピグメント イエロー116 、C.I.ピグメント イエロー12、C.I.ピグメント イエロー13、C.I.ピグメント イエロー17、C.I.ピグメント イエロー81、C.I.ピグメント イエロー83、C.I.ピグメント イエロー155、C.I.ピグメント イエロー214 、C.I.ピグメント イエロー128等の、モノアゾ及びジスアゾ顔料が含まれる。
【0025】
顔料は粉末状、顆粒状あるいは塊状の乾燥顔料でも良く、ウェットケーキやスラリーでも良い。
特に好適に使用できるのは、色調等の点から、不溶性アゾ顔料である。中でも、C.I.ピグメント イエロー74、C.I.ピグメント イエロー120、C.I.ピグメント イエロー128、C.I.ピグメント イエロー155、 C.I.ピグメント イエロー180の中から選ばれる顔料が更に好ましい。
【0026】
前記イエロー顔料は、混合物中に15〜75質量%配合されることが好ましい。一般に水性イエロー顔料分散液を希釈して、一定の顔料濃度のインク組成物を得るため、水性イエロー顔料分散液中の濃度を極力上げて生産することは、より多くのインク組成物を製造できることから生産効率上有利となる。しかし、イエロー顔料濃度を上げることは、水性イエロー顔料分散液の保存安定性が悪化するため、実質的にはイエロー顔料の分散安定性、水性イエロー顔料分散液用混練物等の安定性確保の点から、70質量%以下、好ましくは45〜65質量%とされる。
【0027】
顔料分散において通常使用されるように、イエロー顔料の分散を安定化させるために、他の顔料誘導体を併用することができる。これらの誘導体として、使用する顔料のスルフォン酸化合物、カルボン酸化合物、リン酸化合物を挙げることができる。
【0028】
さらにイエロー顔料と樹脂(Resin)の質量比率に関しては、樹脂はイエロー顔料表面を安定に被覆するのに必要な量、存在していれば十分であり、それをこえる樹脂の含有はむしろ好ましくない。樹脂が過剰量存在すると、水性イエロー顔料分散液やインク組成物を作製したときに、イエロー顔料に吸着しない遊離の樹脂が増加するため、特にインクジェット記録用インク組成物として使用したときに該樹脂がインクノズルに固着してインク吐出不良の原因となりやすく、特にサーマルジェットプリンターにおいてはこの吐出不良の問題が発生する危険性が高い。
【0029】
そのため、本発明の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造において、前記水性イエロー顔料分散液用混練物中の樹脂/イエロー顔料の質量比率は1/10〜2/1であることが好ましく、1/10〜6/10であることがさらに好ましい。
【0030】
水性イエロー顔料分散液用混練物においては、イエロー顔料の表面を一様に被覆できる量の樹脂が含有されていることが必要とされる。このため、イエロー顔料の配合比率が多すぎるとイエロー顔料が樹脂によって充分に被覆されず、分散安定性、長期保存安定性が低下するおそれがある。しかしながら、この必要量を超える過剰の樹脂が多量に含有されていると、イエロー顔料の表面に付着せずに、水もしくは水溶性有機溶剤中へ粒子状態や溶解状態で存在する樹脂が増加することにより、粘度上昇の原因となり好ましくない。
【0031】
▲3▼ 塩基性化合物
アニオン性基を有する樹脂と塩基性化合物とを混合することにより、前記アニオン性基が中和された水性イエロー顔料分散液用混練物が得られる。その結果、水性イエロー顔料分散液用混練物と水との親和性が向上し、水性イエロー顔料分散液の製造時に、水性イエロー顔料分散液用混練物が水中に速やかに分散し、製造効率が向上する。また、水性イエロー顔料分散液中の樹脂被覆イエロー顔料の分散状態がより安定となり、分散安定性、長期保存安定性も向上する。
【0032】
また、塩基性化合物を配合すると、塩基性化合物とアニオン性基を有する樹脂との相互作用によって、イエロー顔料が樹脂に充分に被覆されやすい状態で混練することができる。そのため、混練中にイエロー顔料が微粉砕され、粗大粒子が減少しやすくなり、後の工程で粗大粒子を除去する工程を省略でき、収率が向上するという効果も得られる。
【0033】
塩基性化合物としては、無機系塩基性化合物、有機系塩基性化合物のいずれも用いることができる。アルカリ強度を調整し易い点において、無機系塩基性化合物がより好ましい。
【0034】
有機系塩基性化合物としてはアミンなどが挙げられる。例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどの一般的なアミンを例示することができる。アミンの場合は一般に液体状であるので、そのままの形態で用いることができる。
【0035】
無機系塩基性化合物としては、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム;カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩;などを例示することができる。
【0036】
中でも、アニオン性基を含む樹脂の中和によって該樹脂の分散性を高めるに効果的であるため、強アルカリのものが好ましく、具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物が好ましい。
塩基性化合物は、上記の効果を効率的に得るためには、水溶液として加えることが適している。このため、水溶性の塩基性化合物が好適に用いられる。
なお、無機系塩基性化合物は混合性向上の点などから、通常、20〜50質量%濃度程度の水溶液の形態で用いられる。
【0037】
塩基性化合物の配合量は、前記アニオン性基を有する樹脂の中和率が20%以上となる量の塩基性化合物を用いることが好ましく、実質的には、長期保存時に分散安定性があり、ゲル化しないためにも、200%以下が好ましく、80%〜120%が特に好ましい。好ましい範囲に設定することにより、水溶性溶剤中の分散速度の向上、分散安定性、長期保存安定性がより改善される。
【0038】
さらに塩基性化合物は、混練する前に、混合物に配合する他の配合成分と共に一括混合して混合物としておくことが好ましい。
例えば混合物は、予めアニオン性基を含む樹脂と水と塩基性化合物を混合して樹脂水溶液を作製しておき、これをイエロー顔料等の他の配合成分に添加するなどして、複数段階に分けて混合し、製造することもできるが、塩基性化合物と他の配合成分を一括配合して混練用の混合物を作製するほうが、該樹脂のイエロー顔料の表面への吸着が効率的に進行する点で好ましい。
【0039】
なお、ここで中和率とは、下記の式によって計算される値である。
中和率(%)=((塩基性化合物の質量(g)×56×1000)/(樹脂酸価×塩基性化合物の当量×樹脂量(g)))×100
中和率(%)が100%以上とは、樹脂が有する酸価を中和するのに理論上必要な塩基以上の過剰な塩基が使用されることを意味する。
【0040】
▲4▼ 水溶性有機溶剤
水性イエロー顔料分散液用混練物を製造するにあたっては、ある程度の溶剤存在下で混練することが好ましい。溶剤が存在しないと充分に混練することができなかったり、イエロー顔料の表面が濡れないため、樹脂による被覆が不充分となるおそれがある。
【0041】
そこで、水性イエロー顔料分散液用混練物に水溶性有機溶剤を配合すると、この水溶性有機溶剤にて前記樹脂を溶解、一部溶解若しくは膨潤させることにより、イエロー顔料の粒子の表面に樹脂の均一な被膜を形成することができる。その結果、水性イエロー顔料分散液とインク組成物において分散安定性をさらに向上させることができる。
なお、塩基性化合物の水溶液を用いたり、塩基性化合物がアミンの様に液体状の場合には、これらが上記の溶剤の役割を果たすため、水溶性有機溶剤を敢えて添加する必要がない場合もある。
【0042】
水溶性有機溶剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールテトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;
ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、及びこれらと同族のジオールなどのジオール類;
ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;
エチレングリコールモノブチルエーテル、カルビトールなどのジエチレングリコールエーテル類;
ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのモノグリコールエーテル類;
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、及びこれらと同族のアルコールなどのアルコール類;
あるいは、スルホラン、エステル、ケトン、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類、グリセリン及びその誘導体など、水溶性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。
これらの水溶性有機溶剤は1種又は2種以上混合して用いることができる。
【0043】
水溶性有機溶剤の選択は、使用する樹脂によって決まるが、ある程度の溶解性を持つものが好ましく、樹脂の溶解性によりその添加量が調整される。
【0044】
水溶性有機溶剤は、水性イエロー顔料分散液やインク組成物において、乾燥防止剤としての役割も果たすため、高沸点、低揮発性で、高表面張力の多価アルコール類が好ましく、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類が好ましい。グリコール類は一般的にインク組成物に含まれている場合が多く、最終製品中に残留しても問題がない。
【0045】
なお、水溶性有機溶剤は、使用する樹脂によっても異なるが、通常は仕込みの混合物中に10〜50質量%、好ましくは20〜40質量%配合される。その添加量は、樹脂量の1/2〜5倍程度であり、好ましくは樹脂量の1〜4倍程度である。水溶性有機溶剤の量が樹脂量の1/2未満では樹脂を溶解、部分溶解、又は膨潤させることができず、イエロー顔料の分散安定性が低下するおそれがある。また5倍を超えると混練用混合物粘度が低下し、十分な混練が行えないため、イエロー顔料の分散性が低下し、インク組成物において、吐出不良等の画質低下を生じさせるおそれがある。なお、上述の様に、塩基性化合物などに由来して溶剤の役割を果たすものが他に配合されている場合には、これを考慮して水溶性有機溶剤の配合量を決定すると好ましい。
【0046】
また、水溶性有機溶剤はイエロー顔料に対して、質量比で1/5倍以上、好ましくは1/3〜1倍配合すると好ましい。これにより、樹脂が常に半溶解もしくは膨潤状態となりつつ混練工程が進行し、イエロー顔料表面への樹脂被覆が良好に行われる。1/5倍未満では、混練初期にイエロー顔料の表面を充分に濡らすことができなかったり、樹脂を溶解、部分溶解、又は膨潤させることができず、その効果を充分に得ることができないおそれがある。
【0047】
▲5▼ 混練方法
本発明においては、水溶性溶剤に直接イエロー顔料を分散させるのではなく、まず、イエロー顔料を樹脂などとともに混練した後に水溶性溶剤に分散する。よってこの混練時にイエロー顔料が微粉砕されるため、粗大粒子を減少させることができる。
なお、このとき、上述の様に塩基性化合物を添加するため、塩基性化合物とアニオン性基を有する樹脂との相互作用によっても粗大粒子は著しく減少する。
そのため、この粗大粒子を除去する工程を省略することができ、製造効率が向上するとともに収率を向上させることができる。
【0048】
本発明においては、混練中に水や水溶性有機溶剤などが蒸発しない様に、混合物(混練物)の質量が実質的に変化しない様に混練すると好ましい。そのため、混練開始から終了までの間、混合物中に、常に一定量の溶剤が存在し、混練初期にイエロー顔料の表面を濡らした溶剤が、当該溶剤によって好ましくは溶解、膨潤あるいは部分溶解した樹脂に置き換えられ、イエロー顔料の樹脂による被覆がスムーズに進行し、当該イエロー顔料が充分に被覆される。その結果、水性イエロー顔料分散液やインク組成物の分散安定性、長期保存安定性が著しく向上する。さらに混練終了後においても溶剤が混練開始時とほぼ同量残っており、混練後の混合物の溶解、分散を極めて短時間に進行させることができる。
【0049】
そして、このためには、閉鎖系で混練する混練機が好しく、撹拌槽と、一軸あるいは多軸の撹拌羽根を備えた混練機を用いると好ましい。撹拌羽根の数は特に限定しないが、高い混練作用を得るためには二つ以上の攪拌羽根のものが好ましい。
このような構成の混練機を用いると、水性イエロー顔料分散液用混練物を製造した後、これを同一撹拌槽中で直接水溶性溶剤で希釈し分散させて、水性イエロー顔料分散液を製造することができる。
なお、実質的に質量が変化しないとは、好ましくは混練前の混合物の仕込み量に対して混練中あるいは混練後の混練物の重さが好ましくは90質量%以上の範囲で維持されていることとする。
【0050】
このような装置としてはヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサーなどが例示され、特にプラネタリーミキサーなどが好適である。本発明においては、好ましくはイエロー顔料濃度と、イエロー顔料と樹脂からなる固形分濃度が高い状態で混練を行うため、混練物の混練状態に依存して混練物の粘度が広い範囲で変化するが、プラネタリーミキサーは特に低粘度から高粘度まで広範囲に対応することができるためである。
【0051】
図1〜図3はプラネタリーミキサーの構成の一例を示したものである。図中符号1は撹拌槽であって、この中空円筒形の撹拌槽1は上下に略二分割されている撹拌槽1の上方部材2の上面の内側には図2に拡大図で示した様に、枠型ブレードからなる撹拌羽根4、5が回転自在に設けられている。
そして、撹拌時には上方部材2と下方部材3とが一体化し、閉鎖系となる。撹拌槽1の上方部材2の内側には図2に拡大図で示した様に、枠型ブレードからなる撹拌羽根4、5が一つのローター6に保持されている。ローター6が回転(公転)すると、撹拌羽根4、5は同一方向に回転(自転)する。そして、図3に示した様に、ローターの公転運動とともに2本の撹拌羽根4、5がそれぞれ自転運動する、いわゆる遊星運動(プラネタリー運動)しながら撹拌槽1内部に装填された混練対象物の混練が行われる。なお図3に示したのは撹拌槽1の公転1回転における2本の撹拌羽根4、5の先端の軌跡である。
【0052】
プラネタリーミキサーにおいては、この様な撹拌羽根4、5のプラネタリー運動により、撹拌羽根4、5相互間、および撹拌羽根4、5と撹拌槽1内面との間で強力な剪断力が作用し、高度の撹拌、混練、分散作用が得られる。
【0053】
なお、プラネタリーミキサーなどの閉鎖系の混練機を用いて混練すると、時間とともに消費電流が徐々に増加し、30分以内に極大値に達した後、徐々に減少する。
すなわち、混合物を所定の温度(樹脂の種類などにもよるが、例えば40〜70℃)に加温しつつ、混ぜ合わせていると、樹脂が粘ちょうとなり、イエロー顔料と混合されることにより、撹拌羽根4、5の回転に大きな負荷がかかる。このとき、撹拌羽根4、5相互間およびこれら撹拌羽根4、5と撹拌槽1との間において、材料に大きな剪断力が印加され、イエロー顔料の微粉砕が効率的に行われるとともに、イエロー顔料は材料中に、充分に分散、混合され、樹脂にて被覆される。そして、特にプラネタリーミキサーの様に閉鎖系の混練機を用いると、効果的な混練が行われるため30分以内に樹脂、イエロー顔料、水溶性有機溶剤がほぼ完全に混ざり合い、撹拌羽根4、5にかかる負荷が小さくなる。そのため、消費電流が徐々に減少する。
【0054】
この様に本発明において、プラネタリーミキサーなどの閉鎖系の混練機を用いて混合を行うと、混練時間と混練機(プラネタリーミキサー)の消費電力との関係のグラフにおいて、1つ以上の消費電力の極大値が得られるという特徴が見られる。
【0055】
この様に閉鎖系で混練すると、仕込みの混合物の質量に対して混練中に混練物の質量が実質的に変化せず、仕込みと同様の組成を備えた水性イエロー顔料分散液用混練物を得ることができ、製造安定性が向上する。
また、混練初期からイエロー顔料濃度、固形分濃度が高い状態で混練するため、混練によって加えられる剪断力によってイエロー顔料が解砕され、未分散の粗大粒子が減少する。その結果、後の工程で粗大粒子を除去する必要がなく、収率が良好となる。
なお、水溶性有機溶剤を除去する場合には、混練後に加熱、乾燥して除去することもできる。
【0056】
(2)水性イエロー顔料分散液の製造方法
水性イエロー顔料分散液用混練物は、通常半固体状あるいは固体状の堅練品である。そこで、この水性イエロー顔料分散液用混練物を分散させて水性イエロー顔料分散液を製造する。なお、水性イエロー顔料分散液用混練物中のイエロー顔料は水性イエロー顔料分散液用混練物の製造時に既に解砕されているので、水性イエロー顔料分散液を得るための分散時間が短く、製造効率が向上する。
また、本発明の水性イエロー顔料分散液用混練物は、アニオン性基を有する樹脂と塩基性化合物との相互作用により、水に対する溶解性、分散性が良好なので速やかに溶解、分散する。この様に水に速やかに分散、溶解し、これが安定に保持されることが、本発明の水性イエロー顔料分散液用混練物の大きな特徴である。
【0057】
本発明において、水溶性溶剤とは、水性インクジェットインクに用いられる公知の水、あるいは水と相互に溶解する水溶性有機溶剤を含むものとする。
【0058】
分散機は、公知のものを用いることができ、例えば、メディアを用いたものでは、ベイントシェーカー、ボールミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミル、ナノミル、ピコミルなどを挙げられる。
メディアとしては、ガラス、セラミックス、金属、金属酸化物、プラスチックなどの、公知の微粒子を用いることができる。
また、メディアを用いないものとしては、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機などがあげられるが、これらの中でもメディアを用いた分散機は分散能力が高いため好ましい。なお分散後に必要に応じて水溶性溶剤で濃度調整を行っても良い。
また、必要に応じて水性イエロー顔料分散液調整時に、さらにアルカリ剤など各種公知の添加剤を配合することができ、アルカリ剤を添加すると分散安定性などが向上し好ましい。
【0059】
なお、用いる分散機などの種類によっては、分散機で分散(本分散)を行う前に、必要に応じて水性イエロー顔料分散液用混練物に水溶性溶剤を添加し、混合、希釈して、前記分散機で処理するのに適した粘度に調整すると好ましい(以下、この粘度調整されたものを粘度調整物と呼ぶ場合がある)。
例えばサンドミルを用いる時には、固形分濃度で10〜40質量%となる様に希釈し、十〜数百mPa・sの粘度に調整した後にサンドミルを駆動させて分散を行うと好ましい。
【0060】
本発明においては、例えば上述の撹拌槽と撹拌羽根を備えた混練機で混練を行って混練物を得た後、この撹拌槽内の混練物に水溶性溶剤を添加し、混合することにより、粘度調整を行うことができる。したがって、混練物の製造から粘度調整までをひとつの装置で連続的に行うことができ、製造効率を向上させることができる。なお、粘度調整物は、例えば必要に応じて撹拌槽から取り出して、上記分散機による分散を行って水性イエロー顔料分散液とする。
なお、撹拌槽内で所定の粘度まで調整した後、さらに撹拌槽から取り出して、水溶性溶剤と混合して粘度調整を行って粘度調整物とし、これをさらに水溶性溶剤にて分散させて水性イエロー顔料分散液とすることもできる。
【0061】
(3)インク組成物の製造方法
インク組成物は、上述の様にして得られた水性イエロー顔料分散液をさらに水溶性溶剤にて希釈して製造することができる。インク組成物中に含有されるイエロー顔料濃度は2〜10質量%程度が好ましい。
【0062】
水性イエロー顔料分散液を希釈する水溶性溶剤には水溶性有機溶剤が配合されていると、インク組成物において、乾燥防止、粘度調整、濃度調整に寄与するため、好ましい。水溶性有機溶剤としては、上述の水性イエロー顔料分散液用混練物を分散するために用いるものと同様のものを例示することができる。
【0063】
また、記録媒体への浸透性を示す水溶性有機溶剤が配合されていると、インク組成物に浸透性を付与することができ、好ましい。インク組成物において、浸透性は、記録媒体へのインク組成物(イエロー顔料)の浸透性や記録媒体上でのドット径の調整を行うために必要な特性である。
浸透性を示す水溶性有機溶剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;エチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルなどのアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物;プロピレングリコールプロピルエーテルなどのアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物などが挙げられる。
【0064】
インク組成物には、水溶性溶剤と水性イエロー顔料分散液用混練物の他に、例えば公知の添加剤などを配合することができる。
配合可能なものとしては、例えばアルカリ剤、pH調整剤、界面活性剤、防腐剤、キレート剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線硬化性樹脂などを例示することができる。
本発明においては、例えば水性イエロー顔料分散液、水溶性溶剤、必要に応じて各種添加剤を加えて均一に撹拌することにより、インク組成物を製造することができる
【0065】
このインク組成物は、インクジェット記録用のインクとして好適に用いることができる。適用するインクジェットの方式は特に限定するものではないが、連続噴射型(荷電制御型、スプレー型など)、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式など)などの公知のものを例示することができる。
そして、このインク組成物は、これら各種のインクジェット方式に適用した場合に、極めて安定したインク吐出が可能となる。
【0066】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
また、本実施例及び比較例に使用したイエロー顔料は以下の通りのものである。
【0067】
【表1】
Figure 2005060411
【0068】
また、同様に本実施例及び比較例に使用した樹脂S及びTは以下のものである。樹脂S:モノマー組成比において、スチレン/メタアクリル酸/アクリル酸=77/13/10(質量比)であり、質量平均分子量12000、酸価152mgKOH/g、ガラス転移点107℃である樹脂。
樹脂T:モノマー組成比でスチレン/メタアクリル酸/アクリル酸=77/13/10(質量比)とし、分子量が質量平均分子量で7500、酸価150mgKOH/g、ガラス転移点107℃である樹脂。
【0069】
(実施例1)
下記組成の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃になるまで低速(自転回転数:21rpm、公転回転数:14rpm)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35rpm、公転回転数:24rpm)に切替、混練を継続した。
【0070】
樹脂S 2500g
IRGAPHOR Yellow 8GCF (Pigment Yellow 128)
(チバスペシャリティーケミカルス株式会社製) 5000g
34質量%水酸化カリウム水溶液(KOH) 1118g
ジエチレングリコール 3000g
イオン交換水 1000g
【0071】
高速への切替時のプラネタリーミキサー電流値は7Aであった。その後、混練を継続し、プラネタリーミキサーの最大電流値が12Aを示した。最大電流値を示してから30分後、プラネタリーミキサー電流値は8Aに低下し安定したこの状態で混練を3時間継続して混練物を得た。
続いて、撹拌槽内の混練物に、混練を継続しながらイオン交換水を13g/分で1000gのイオン交換水を加えた。その後、混練を継続しながら50g/分で4800gのイオン交換水を加えた。さらに、1500gのイオン交換水を加え、粘度調整物とし、取出した。
【0072】
取り出した粘度調整物10.00kgに、ジエチレングリコール3514.4g、イオン交換水2184.8gを分散撹拌機で撹拌しながら少量づつ添加して、分散させた。さらに、ビーズミル(浅田鉄工製ナノミルNM−G2L)にて下記条件で分散を実施し、顔料分散液A1を得た。
【0073】
分散条件
分散機 ナノミルNM−G2L(浅田鉄工製)
ビーズ φ0.3mmジルコニアビーズ
ビーズ充填量 85%
冷却水温度 10℃
回転数 2660rpm (ディスク周速:12.5m/sec)
送液量 500g/min
なお、分散は上記条件で、1回分散機を通す(1パス)ことで行った。
顔料分散液A1は、固形分濃度25.4質量%、顔料濃度16.1質量%であった。
【0074】
(比較例1)
実施例1において、34質量%水酸化カリウム水溶液の替わりにイオン交換水とすること以外は、実施例1と全く同様にしてプラネタリーミキサーを用いて、粘度調整物を得た。
このプラネタリーミキサーでの混練時の状態は、実施例1と異なり、明確な電流値の変化が無く、7〜8Aで推移した。
得られた粘度調整物10kgにジエチレングリコール3514.4g、34質量%水酸化カリウム水溶液561.2g、イオン交換水1749.2gを分散撹拌機で撹拌しながら少量づつ添加して、分散させた。さらに、実施例1と全く同様にしてビーズミルで分散を実施したが、分散機への送液圧力が上昇し、500ml/minでは送液できないため、30ml/minまで送液量を低下させ分散を実施し、顔料分散液B1を得た。
顔料分散液B1の固形分濃度は25.1質量%で、顔料濃度は15.9質量%であった。
【0075】
(実施例2)
下記組成の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃になるまで低速(自転回転数:21rpm、公転回転数:14rpm)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35rpm、公転回転数:24rpm)に切替、混練を継続した。
【0076】
樹脂S 2400g
Fast Yellow 7410 (Pigment Yellow 74)
(山陽色素株式会社製) 6000g
34質量%水酸化カリウム水溶液(KOH) 1118g
ジエチレングリコール 3000g
【0077】
このとき、プラネタリーミキサー混練時の電流値は、初期7Aで、その後最大14Aまで達し、混練継続に伴い徐々に低下した。
続いて、撹拌槽内の混練物に、混練を継続しながらイオン交換水を20g/分で1000gのイオン交換水を加えた。その後、混練を継続しながら80g/分で8000gのイオン交換水を加えた。さらに、2000gのイオン交換水を加え、粘度調整物とし、取出した。
取り出した粘度調整物10.00kgに、ジエチレングリコール4779g、イオン交換水1051gを分散撹拌機で撹拌しながら少量づつ添加して、分散させた。さらに、ビーズミル(浅田鉄工製ナノミルNM−G2L)にて実施例1と同一条件で分散を実施し、顔料分散液A2を得た。
顔料分散液A2の固形分濃度は25.3%で、顔料濃度は17.3%であった。
【0078】
(比較例2)
下記組成の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃になるまで低速(自転回転数:21rpm、公転回転数:14rpm)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35rpm、公転回転数:24rpm)に切替、混練を継続した。
【0079】
樹脂S 2400g
Fast Yellow 7410 (Pigment Yellow 74)
(山陽色素株式会社製) 6000g
イオン交換水 1118g
ジエチレングリコール 3000g
【0080】
プラネタリーミキサーの負荷電流値は高速開始時で6Aであった。高速での混練を30分間実施し、その後ジエチレングリコールを、50g/分で2000g加えた。その間の負荷電流値は、8Aを示し安定した。この状態で1時間混練を継続後、ジエチレングリコール/イオン交換水=3000g/3500gの混合液を100g/分で加えた。混合液の添加終了後、30分間混練を継続し、粘度調整物を取出した。
この粘度調整物10kgに、ジエチレングリコール1903.1g、イオン交換水4200g、34質量%KOH水溶液510.6gを、分散撹拌機を用いて少量づつ添加し分散液化した。得られた分散液を実施例2と全く同様にしてビーズミルで分散を実施したが、分散機への送液圧力が上昇し、500ml/minでは送液できないため、50ml/minまで送液量を低下させ分散を実施し、顔料分散液B2を得た。
顔料分散液B2の固形分濃度は25.3質量%、顔料濃度は17.3質量%であった。
【0081】
(実施例3)
下記組成の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃になるまで低速(自転回転数:21rpm、公転回転数:14rpm)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35rpm、公転回転数:24rpm)に切替、混練を継続した。
【0082】
樹脂T 3000g
NOVOPERM YELLOW H2G (Pigment Yellow 120)
(クラリアントジャパン株式会社製) 5000g
34質量%水酸化カリウム水溶液(KOH) 1323.5g
ジエチレングリコール 3000g
【0083】
このとき、プラネタリーミキサー混練時の電流値は、初期7Aで、その後最大12Aまで達し、混練継続に伴い徐々に低下した。
続いて、撹拌槽内の混練物に、混練を継続しながらイオン交換水を20g/分で1000gのイオン交換水を加えた。その後、混練を継続しながら80g/分で8000gのイオン交換水を加えた。さらに、2000gのイオン交換水を加え、粘度調整物とし、取出した。
取り出した粘度調整物10.00kgに、ジエチレングリコール3000g、イオン交換水1600gを分散撹拌機で撹拌しながら少量づつ添加して、分散させた。さらに、ビーズミル(浅田鉄工製ナノミルNM−G2L)にて実施例1と同一条件で分散を実施し、顔料分散液A3を得た。
顔料分散液A3の固形分濃度は24.9%で、顔料濃度は14.7%であった。
【0084】
(比較例3)
実施例3の34質量%水酸化カリウム水溶液をイオン交換水とした下記組成の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃になるまで低速(自転回転数:21rpm、公転回転数:14rpm)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35rpm、公転回転数:24rpm)に切替、混練を継続した。
【0085】
樹脂T 3000g
NOVOPERM YELLOW H2G (Pigment Yellow 120)
(クラリアントジャパン株式会社製) 5000g
イオン交換水 1323.5g
ジエチレングリコール 3000g
【0086】
プラネタリーミキサーの負荷電流値は高速開始時で6Aであった。高速での混練を30分間実施し、その後ジエチレングリコールを、50g/分で2000g加えた。その間の負荷電流値は、8Aを示し安定した。この状態で1時間混練を継続後、ジエチレングリコール/イオン交換水=3000g/3500gの混合液を100g/分で加えた。混合液の添加終了後、30分間混練を継続し、粘度調整物を取出した。
この粘度調整物10kgに、ジエチレングリコール960g、イオン交換水3833g、34質量%KOH水溶液635.6gを、分散撹拌機を用いて少量づつ添加し分散液化した。
得られた分散液を実施例3と全く同様にしてビーズミルで分散を実施したが、分散機への送液圧力が上昇し、500ml/minでは送液できないため、50ml/minまで送液量を低下させ分散を実施し、顔料分散液B3を得た。
顔料分散液B3の固形分濃度は26.5質量%で、顔料濃度は15.7質量%であった。
【0087】
(実施例4)
下記組成の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃になるまで低速(自転回転数:21rpm、公転回転数:14rpm)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35rpm、公転回転数:24rpm)に切替、混練を継続した。
【0088】
樹脂S 1500g
Fast Yellow 7413 (Pigment Yellow 74)
(山陽色素株式会社製) 5000g
34質量%水酸化カリウム水溶液(KOH) 670g
ジエチレングリコール 2400g
【0089】
このとき、プラネタリーミキサー混練時の電流値は、初期7Aで、その後最大14Aまで達し、混練継続に伴い徐々に低下した。この状態で3時間混練を続けた。続いて、撹拌槽内の混練物に、混練を継続しながらイオン交換水を20g/分で1000gのイオン交換水を加えた。その後、混練を継続しながら80g/分で7000gのイオン交換水を加えた。さらに、2000gのイオン交換水を加え、粘度調整物とし、取出した。
取り出した粘度調整物10.00kgに、ジエチレングリコール1300g、イオン交換水2140gを分散撹拌機で撹拌しながら少量づつ添加して、分散させた。さらに、ビーズミル(浅田鉄工製ナノミルNM−G2L)にて実施例1と同一条件で分散を実施し、顔料分散液A4を得た。
顔料分散液A4の固形分濃度は25.6%で、顔料濃度は19.0%であった。
【0090】
(比較例4)
下記組成の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃になるまで低速(自転回転数:21rpm、公転回転数:14rpm)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35rpm、公転回転数:24rpm)に切替、混練を継続した。
【0091】
樹脂S 1500g
Fast Yellow 7413 (Pigment Yellow 74)
(山陽色素株式会社製) 5000g
イオン交換水 670g
ジエチレングリコール 2400g
【0092】
プラネタリーミキサーの負荷電流値は高速開始時で6Aであった。高速での混練を3時間実施し、混練を継続しながらイオン交換水を20g/分で1000gのイオン交換水を加えた。その後、混練を継続しながら80g/分で7000gのイオン交換水を加えた。さらに、2000gのイオン交換水を加え、粘度調整物とし、取出した。
この粘度調整物10kgに、分散撹拌機を用いて34質量%KOH水溶液342gを加えて10分間撹拌し、更にジエチレングリコール1300g、イオン交換水1798gを加えて3時間撹拌を続け分散液化した。撹拌槽には未溶解の混練物が認められた。
得られた分散液を実施例1と全く同様にしてビーズミルで分散を実施したが、分散機への送液圧力が上昇し、500ml/minでは送液できないため、50ml/minまで送液量を低下させ分散を実施し、顔料分散液B4を得た。
顔料分散液B4の固形分濃度は22.4質量%、顔料濃度は16.6質量%であった。
【0093】
(実施例5)
下記組成の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃になるまで低速(自転回転数:21rpm、公転回転数:14rpm)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35rpm、公転回転数:24rpm)に切替、混練を継続した。
【0094】
樹脂S 1500g
Ink Jet Yellow 4G VP2532 (Pigment Yellow 155)
(クラリアントジャパン株式会社製) 5000g
34質量%水酸化カリウム水溶液(KOH) 670g
ジエチレングリコール 1500g
【0095】
このとき、プラネタリーミキサー混練時の電流値は、初期7Aで、その後最大13Aまで達し、混練継続に伴い徐々に低下した。この状態で3時間混練を続けた。続いて、撹拌槽内の混練物に、混練を継続しながらイオン交換水を20g/分で1000gのイオン交換水を加えた。その後、混練を継続しながら80g/分で5000gのイオン交換水を加えた。さらに、2000gのイオン交換水を加え、粘度調整物とし、取出した。
取り出した粘度調整物10.00kgに、ジエチレングリコール1756g、イオン交換水4005gを分散撹拌機で撹拌しながら少量づつ添加して、分散させた。さらに、ビーズミル(浅田鉄工製ナノミルNM−G2L)にて実施例1と同一条件で分散を実施し、顔料分散液A5を得た。
顔料分散液A5の固形分濃度は23.2%で、顔料濃度は17.2%であった。
【0096】
(比較例5)
下記組成の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃になるまで低速(自転回転数:21rpm、公転回転数:14rpm)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35rpm、公転回転数:24rpm)に切替、混練を継続した。
【0097】
樹脂S 1500g
Ink Jet Yellow 4G VP2532 (Pigment Yellow 155)
(クラリアントジャパン株式会社製) 5000g
イオン交換水 670g
ジエチレングリコール 1500g
【0098】
プラネタリーミキサーの負荷電流値は高速開始時で6Aであった。高速での混練を3時間実施し、混練を継続しながらイオン交換水を20g/分で1000gのイオン交換水を加えた。その後、混練を継続しながら80g/分で5000gのイオン交換水を加えた。さらに、2000gのイオン交換水を加え、粘度調整物とし、取出した。
この粘度調整物10kgに、分散撹拌機を用いて34質量%KOH水溶液342gを加えて10分間撹拌し、更にジエチレングリコール1756g、イオン交換水3663gを加えて3時間撹拌を続け分散液化した。撹拌槽には未溶解の混練物が認められた。
得られた分散液を実施例1と全く同様にしてビーズミルで分散を実施したが、分散機への送液圧力が上昇し、500ml/minでは送液できないため、50ml/minまで送液量を低下させ分散を実施し、顔料分散液B5を得た。
顔料分散液B5の固形分濃度は21.8質量%、顔料濃度は16.2質量%であった。
【0099】
【表2】
Figure 2005060411
【0100】
(水性顔料分散液の評価)
上述の様にして得られた実施例、比較例の顔料分散液について、それぞれ顔料濃度が14.5質量%になるように、イオン交換水を加えて濃度調整を行った。
顔料濃度を調整した顔料分散液について、マイクロトラックUPA粒度分析計(Leeds & Northrup社製)で粒径測定を実施した。その際、粒径測定サンプルは粒径測定可能な濃度となるように、イオン交換水で適宜希釈した。
また、調整した顔料分散液をスライドグラス上に極少量採取し、スライドグラス上の分散液滴に空気を巻き込まないようにカバーグラスを乗せ、分散液膜厚を一定にした状態で、200倍の倍率で透過光による顕微鏡観察を行い、粗大粒子の観察を行った。
結果を表3に示した。
【0101】
【表3】
Figure 2005060411
【0102】
分散液の粒径、顕微鏡観察結果より、本発明に係る実施例においては、従来の方法である、顔料と樹脂とを、塩基性化合物を添加しないで混練した後ビーズミルで分散する比較例の方法と比較して、塩基性化合物を添加して混練することにより、顕著に粒径も細かくすることができ、粗大粒子についてはその残存量を飛躍的に少なくすることができることが判った。
【0103】
(分散安定性(保存安定性)の評価)
実施例、比較例の顔料分散液について、分散液の評価と同様に、それぞれ顔料濃度が14.5%になるようにイオン交換水を加えて調整を行った。
顔料濃度の調整を行った分散液について、スクリュー管等のガラス容器に密栓し、60℃の恒温器で1週間の加熱試験を行い、加熱試験前後の粒径変化及び沈降物の有無等の分散液状態を目視で観察することにより、分散安定性の評価を実施した。 結果を表4に示した。
【0104】
【表4】
Figure 2005060411
【0105】
分散液を一定温度で保存し、平均粒径変化及び沈降物の有無を観察した結果より、本発明に係る実施例においては、従来の方法である、顔料と樹脂とを、塩基性化合物を添加しないで混練した後ビーズミルで分散する比較例の方法と比較して、平均粒径の増加が少ないことは明白であり、また沈降物の発生が認められないことから、本発明の係る実施例ではより分散安定性が良好であることが判った。
【0106】
(インク組成物の調整)
得られた分散液A1、A2、A3、A4、A5、B1、B2、B3、B4及びB5を下記配合(表5)にて調整し、顔料濃度4.0質量%のインク組成物AI1、AI2、AI3、AI4、AI5、BI1、BI2、BI3、BI4及びBI5を得た。
【0107】
【表5】
Figure 2005060411
*:三洋化成製 (単位:部)
【0108】
(印字試験)
得られたインク組成物を、ENCAD社製NOVAJET PROに搭載し、印字試験を実施した。
具体的には、A4の印字用紙(ユポインクジェット専用紙)4枚に、ベタ印字と細線印字を行い、インクの吐出状態を確認した。
結果を表6に示した。
【0109】
【表6】
Figure 2005060411
【0110】
◎:全ての印字サンプルで均一なベタ印字、細線部でも吐出不良、印字位置ズレ無し。
○:全ての印字サンプルで均一なベタ印字、細線部では吐出不良は無いが、印字位置ズレがわずかに見られる。
△:ベタ印字で吐出不良による濃度ムラが見られ、細線部でも吐出不良による印字抜けが部分的に見られる。
×:吐出不良による濃度ムラが顕著で、画像がかすれる。細線部でも吐出不良による印字抜けが顕著。
【0111】
この表6の結果より、本発明の実施例は比較例と比べると、インクの吐出状況では大きな差が発生しており、本発明実施例が格段に優れた吐出安定性があることが判る。
【0112】
【発明の効果】
イエロー顔料が安定に分散し(分散安定性が良好で)、それが長期保存においても維持される、長期保存安定性が良好な水性イエロー顔料分散液とインク組成物を得ることができた。
また、分散時間などの製造に要する時間が短く、製造効率が高い水性イエロー顔料分散液とインク組成物の製造方法、又収率の高い水性イエロー顔料分散液とインク組成物の製造方法を提供することができ、特に吐出特性に優れたインクジェット記録用のインク組成物を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラネタリーミキサーの構成の一例を示した斜視図。
【図2】プラネタリーミキサーの一部拡大図。
【図3】プラネタリーミキサーにおける撹拌羽根の軌跡を示した説明図。
【符号の説明】
1・・・・・・撹拌槽
2・・・・・・撹拌槽の上部
3・・・・・・撹拌槽の下部
4及び5・・・撹拌羽根
6・・・・・・ローター

Claims (16)

  1. アニオン性基を有する樹脂、イエロー顔料、及び塩基性化合物を含む混合物を混練し、固体もしくは半固体状の水性イエロー顔料分散液用混練物を製造することを特徴とする水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法。
  2. 前記イエロー顔料が、不溶性アゾ顔料である請求項1記載の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法。
  3. 前記水性イエロー顔料分散液用混練物中の固形分含有比率が50〜80質量%である請求項1記載の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法。
  4. 前記アニオン性基を有する樹脂の酸価が60〜300mgKOH/gである請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法。
  5. 前記アニオン性基を有する樹脂の中和率が20%以上となる量の前記塩基性化合物を用いる請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法。
  6. 前記水性イエロー顔料分散液用混練物中の樹脂/イエロー顔料の質量比率が1/10〜2/1である請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法。
  7. 前記樹脂の重量平均分子量が3000〜50000である請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法。
  8. 前記樹脂のガラス転移点が90℃以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性イエロー顔料混練物の製造方法。
  9. 前記顔料がC.I.ピグメント イエロー74、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメント イエロー128、C.I.ピグメント イエロー155、及びC.I.ピグメント イエロー180からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上である請求項1〜8のいずれか一項に記載の水性イエロー顔料分散体用混練物の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法において、混練中に前記混合物の質量が実質的に変化しないように混練を行う、水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法において、撹拌槽と撹拌羽根を有する混練機を用いて混練する、水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法。
  12. 前記混練機がプラネタリーミキサーである請求項11記載の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法によって水性イエロー顔料分散液用混練物を得る工程と、当該水性イエロー顔料分散液用混練物を水溶性溶剤中に分散させて、水性イエロー顔料分散液を得る工程とを有する水性イエロー顔料分散液の製造方法。
  14. 請求項13に記載の水性イエロー顔料分散液の製造方法において、請求項10又は11に記載の水性イエロー顔料分散液用混練物の製造方法によって、撹拌槽内で水性イエロー顔料分散液用混練物を製造する工程と、該撹拌槽内の前記水性イエロー顔料分散液用混練物に水溶性溶剤を加えて、該撹拌槽内で前記水性イエロー顔料分散液用混練物の粘度を調整する工程とを有する水性イエロー顔料分散液の製造方法。
  15. 請求項13又は14に記載の水性イエロー顔料分散液の製造方法において、前記水性イエロー顔料分散液用混練物を、水溶性溶剤中に、メディアを用いた分散機を用いて分散させることを特徴とする水性イエロー顔料分散液の製造方法。
  16. 請求項13〜15のいずれか一項に記載の水性イエロー顔料分散液の製造方法によって得られた水性イエロー顔料分散液を水溶性溶剤で希釈してインク組成物を製造するインク組成物の製造方法。
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